JP2001200480A - 繊維処理剤、処理液、処理方法及び被処理繊維 - Google Patents
繊維処理剤、処理液、処理方法及び被処理繊維Info
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Abstract
改善し、吸湿性を繊維に付与することのできるホスホリ
ルコリン基含有重合体からなる繊維処理剤を提供する。 【解決手段】下記の式(1) 【化1】 {ただし、式中、Xは2価の有機残基を示し、Yは炭素
数1〜6のアルキレンオキシ基を示し、Zは水素原子も
しくはR5―O―(C=O)―(但しR5は炭素数1〜1
0のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキ
ル基を示す)を示す。また、R1は水素原子もしくはメ
チル基を示し、R2、R3及びR4は同一もしくは異なる
基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基また
はヒドロキシアルキル基を示す。mは0または1を示
す。nは1〜4の整数である。)で表されるホスホリル
コリン類似基含有単量体を含む単量体組成物を重合して
なる重合体を有効成分とする繊維処理剤。
Description
基含有単量体を含む組成物を重合してなる共重合体を主
成分とする繊維処理剤、その繊維処理剤溶液、繊維処理
方法および前記の処理方法で処理してなる被処理繊維に
関する。更に詳しくは、繊維に親水性を付与し、皮膚と
の接触時の感触を改善する繊維処理剤に関する。
膜に由来するリン脂質類似構造に起因して、血液適合
性、補体非活性化、生体物質非吸着性等の生体適合性に
優れ、また防汚性、保湿性等の優れた性質を有すること
が知られており、それぞれの機能を生かした生体関連材
料の開発を目的とした重合体の合成及びその用途に関す
る研究開発が活発に行われている。その中でも特開平9
−315935号公報、特開平9−315949号公報
には、ホスホリルコリン基含有重合体が化粧品として使
用される際には皮膚を保護する効果のあることが開示さ
れているが、繊維または布等を処理することにより皮膚
に対する触感を良くし、吸湿性を付与する効果があるこ
とは知られていない。
Japan,Vol.47,No.3,pp.606,
1999年には、ホスホリルコリン基含有単量体を絹に
対してグラフト重合させる方法が開示されている。前記
の方法では、重合操作が煩雑な上、毒性の心配のある開
始剤や残留の単量体等を除去する工程が必要であるため
非常に製造の効率が悪いという問題点がある。簡便な方
法で、繊維または布等を処理することにより皮膚に対す
る触感を良くし、吸湿性を付与するものが求められてい
る。
は、特定のホスホリルコリン類似基含有単量体を重合さ
せてなる共重合体からなる繊維処理剤を提供することに
ある。また、本発明の第2の目的は、その繊維処理剤溶
液を提供することにある。また、本発明の第3の目的
は、繊維処理方法を提供することにある。さらに本発明
の第4の目的は、前記の処理方法で処理してなる被処理
繊維を提供することにある。
題点に鑑み、鋭意検討した結果、特定のホスホリルコリ
ン類似基含有単量体を含む単量体組成物を重合して得ら
れる重合体を繊維に処理すると、親水性を付与し、布の
皮膚への接触時の感触を改善することの知見を得て、本
発明を完成するに至った。
し、Yは炭素数1〜6のアルキレンオキシ基を示し、Z
は水素原子もしくはR5―O―(C=O)―(但しR5は
炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒ
ドロキシアルキル基を示す)を示す。また、R1は水素
原子もしくはメチル基を示し、R2、R3及びR4は同一
もしくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6の
アルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。mは0
または1を示す。nは1〜4の整数である。}で表され
る少なくとも1種のホスホリルコリン類似基含有単量体
を含む単量体組成物を重合してなる重合体を有効成分と
する繊維処理剤。
体を含む単量体組成物が、A成分のホスホリルコリン類
似基含有単量体20〜98mol%とB成分の疎水性単
量体2〜80mol%とからなる単量体組成物である前
記〔1〕の繊維処理剤。
体を含む単量体組成物が、A成分のホスホリルコリン類
似基含有単量体20〜85mol%とC成分の親水性単
量体15〜80mol%とからなる単量体組成物である
前記〔1〕の繊維処理剤。
体を含む単量体組成物が、A成分のホスホリルコリン類
似基含有単量体20〜88mol%とB成分の疎水性単
量体2〜40mol%とC成分の親水性単量体10〜7
0mol%とからなる単量体組成物である前記〔1〕の
繊維処理剤。
リン類似基含有単量体が、2−{(メタ)アクリロイル
オキシ}エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェートであり、B成分の疎水性単量体が、式
(2)
C6H10―、―(C=O)―O―、―O―、―(C=
O)NH―、―O―(C=O)―および―O―(C=
O)―O―からなる群より選ばれる基を示し、L2は、
水素原子、―(CH2)g―L3、―((CH2)p―O)h
―L3から選ばれる疎水性官能基を示す。g、hは1〜
24、pは3〜5の整数を示し、L3は、水素原子、メ
チル基、―C6H5、―O―C6H5から選ばれる官能基を
示す。}で表される疎水性単量体である前記〔3〕の繊
維処理剤。
リン類似基含有単量体が、2−{(メタ)アクリロイル
オキシ}エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェートであり、C成分の親水性単量体が、ヒド
ロキシ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸
基、アミド基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、トリア
ルキルアミノ塩基、トリアルキルホスホニウム塩基およ
びポリオキシエチレン基からなる群より選ばれる親水性
単量体である前記〔4〕の繊維処理剤。
リン類似基含有単量体が、2−{(メタ)アクリロイル
オキシ}エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェートであり、B成分の疎水性単量体が、炭素
数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルである疎水性単量体であり、C成分の親
水性単量体が、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
と、(メタ)アクリル酸とからなる親水性単量体である
前記〔5〕の繊維処理剤。
1〜4のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシアルキルエステルと(メタ)アクリル酸
との2成分からなる親水性単量体である前記〔5〕の繊
維処理剤。
剤を有効成分として水溶液中に0.001〜1重量%含
有する繊維処理剤溶液。
理剤を有効成分として水溶液中に1〜40重量%含有す
る繊維処理剤組成物。
理剤を有効成分として水溶液中に0.001〜1重量%
含有し、かつさらに多価アルコールを1ppm〜10重
量%含有するする繊維処理剤溶液。
繊維処理剤溶液を用いて、浸漬または塗布により繊維を
処理し、40〜180℃で乾燥させることを特徴とする
繊維処理方法。
により処理してなる繊維。
スホリルコリン類似基含有単量体(以下、PC単量体と
略す)を単量体組成物を重合してなる重合体(以下PC
重合体と略す)を主成分とするものである。PC単量体
を含む単量体組成物は、ホスホリルコリン基含有単量体
の他に、重合可能な他の重合性単量体を含んでいてもよ
い。具体的には、さらに、前記のPC重合体は、A成分
としてPC単量体20〜98mol%とB成分として疎
水性単量体2〜80mol%とからなる単量体組成物を
重合してなる重合体を好ましく挙げることができる。よ
り好ましくは、A成分としてPC単量体40〜80mo
l%とB成分として疎水性単量体20〜60mol%と
からなる単量体組成物である。
は十分に疎水性表面の繊維に対する親和性を持たせるこ
とができず、80mol%より多いとホスホリルコリン
類似基(PC基と略す)の持つ感触の良さや吸湿性を発
揮させるのが困難であるので好ましくない。
てPC単量体、20〜85mol%、C成分として親水
性単量体15〜80mol%からなる単量体組成物を重
合してなる重合体を好ましく挙げることができる。より
好ましくは、A成分としてPC単量体、40〜80mo
l%、C成分として親水性単量体20〜60mol%か
らなる単量体組成物である。
では十分に親水性表面の繊維に対する親和性を持たせる
ことができず、80mol%より多い場合ではPC基の
持つ感触の良さや吸湿性を発揮させるのが困難であるの
で好ましくない。
としてPC単量体20〜88mol%と、B成分として
疎水性単量体2〜40mol%およびC成分として親水
性単量体10〜70mol%の単量体組成物を重合して
なる重合体を好ましく挙げることができる。より好まし
くは、A成分としてPC単量体40〜70mol%と、
B成分として疎水性単量体5〜30mol%およびC成
分として親水性単量体20〜50mol%の単量体組成
物である。
20mol%未満では感触の良さや吸湿性を発揮させる
のが困難であるので好ましくなく、B成分の疎水性単量
体2mol%未満、C成分の親水性単量体10mol%
未満では種々の繊維に対する親和性を持たせることがで
きず好ましくない。 A成分のホスホリルコリン基含有単量体が88mol%
より多くなると、洗浄等で落ちやすくなるので好ましく
なく、B成分の疎水性単量体が40mol%より多いと
親水性の付与が少なくなり、C成分の親水性単量体70
mol%より多いと種々の繊維に対する親和性を持たせ
ることができず好ましくない。
(1)
し、Yは炭素数1〜6のアルキレンオキシ基を示し、Z
は水素原子もしくはR5―O―(C=O)―(ただし、
R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜1
0のヒドロキシアルキル基を示す)を示す。また、R1
は水素原子もしくはメチル基を示し、R2、R3及びR4
は同一もしくは異なる基であって、水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。
mは0または1を示す。nは1〜4の整数。}で表され
る。
は、例えば、―C6H4―、―C6H10―、―(C=O)
O―、―O―、―CH2―O―、―(C=O)NH
―、―O―(C=O)―、―O―(C=O)―O―、―
C6H4―O―、―C6H4―CH2―O―、―C6H4―
(C=O)O―等が挙げられる。
レンオキシ基であり、例えば、メチルオキシ、エチルオ
キシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ等の基が挙げられる。
―O―(C=O)―基を示す。ただし、R5は炭素数1
〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシ
アルキル基を示す。ここで、炭素数1〜10のアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
ル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒド
ロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒド
ロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒド
ロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、2−ヒド
ロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒ
ドロキシヘキシル基、7−ヒドロキシヘプチル基、2−
ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、2
−ヒドロキシオクチル基、9−ヒドロキシノニル基、2
−ヒドロキシノニル基、10−ヒドロキシデシル基、2
−ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−
((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2’−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−((メ
タ)アクリロイルオキシ)ブチル−2’−(トリメチル
アンモニオ)エチルホスフェート、5−((メタ)アク
リロイルオキシ)ペンチル−2’−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート、6−((メタ)アクリロイ
ルオキシ)ヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)
エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキ
シ)エチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホ
スフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチ
ル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェ
ート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−
2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2’−
(トリシクロヘキシルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2’
−(トリフェニルアンモニオ)エチルホスフェート、
ル−2’−(トリメタノールアンモニオ)エチルホスフ
ェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル−2’−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メ
タ)アクリロイルオキシ)ヘキシル−2’−(トリメチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリ
ルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(p−ビニルベンジルオキシ)
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート、2−(p−ビニルベンゾイルオキシ)エチル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(スチリルオキシ)エチル−2’−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベン
ジル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、2−(ビニルオキシカルボニル)エチル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(アリルオキシカルボニル)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(ビニルカルボニルアミノ)エチル−2’−(トリメチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、
チルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2’−
トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレ
ート、ヒドロキシエチル−(2’−トリメチルアンモニ
オエチルホスホリルエチル)フマレート、エチル−
(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチ
ル)マレート、ブチル−(2’−トリメチルアンモニオ
エチルホスホリルエチル)マレート、ヒドロキシエチル
−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチ
ル)マレート等を挙げることができる。
キシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェートが好ましく、さらに2−(メタクリロイル
オキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェートが(以下、MPCと略す)が入手性及び
吸湿性、感触の良さの効果の点でより好ましい。
単量体の1種を単独で、もしくは2種以上を混合物とし
て用いることができる。
例えば、特開昭54−63025号公報、特開昭58−
154591号公報等に示された公知の方法等に準じて
製造することができる。
量体は、式(2)
C6H10―、―(C=O)O―、―O―、―(C=O)
NH―、―O―(C=O)―および―O―(C=O)―
O―からなる群より選ばれる基を示し、L2は、水素原
子、―(CH2)g―L3、―((CH2)p―O)h―L3
から選ばれる疎水性官能基を示す。g、hは1〜24、
pは3〜5の整数を示し、ここで、L3は、水素原子、
メチル基、―C6H5、―O―C6H5から選ばれる官能基
を示す。)で表される。
は例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等
の直鎖または分岐アルキル(メタ)アクロレート;シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メ
タ)アクロレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メ
タ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート等の疎水性ポリアルキレングリコール(メ
タ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン、クロロ
メチルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単
量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル系単量体等が挙られる。これらの1種または2種以
上が用いられる。
キシ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸
基、アミド基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、トリア
ルキルアミノ塩基、トリアルキルホスホニウム塩基およ
びポリオキシエチレン基からなる群より選ばれる親水性
基を有する単量体である。さらに、具体的には例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アク
リレート;アクリル酸、メタクリル酸(MAc)等のカ
ルボン酸;スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロイル
オキシホスホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アク
リルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド
等のイオン性基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、
アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等の含窒素単量体;ポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これ
らの1種または2種以上が用いられる。
B成分の疎水性単量体との単量体組成物、前記A成分の
PC単量体とC分の親水性単量体との単量体組成物ある
いは、前記A成分のPC単量体とB成分の疎水性単量体
およびC成分の親水性単量体との単量体組成物を重合し
たものであればよく、通常のラジカル共重合により製造
することができる。
で、5,000〜5,000,000の範囲がよく、さ
らに望ましくは100,000〜2,000,000の
範囲である。分子量が5,000未満では十分にホスホ
リルコリン類似基含有重合体の持つ感触の良さや吸湿性
を発揮させるのが困難であり、5,000,000以上
ではホスホリルコリン類似基含有重合体の水性溶液の粘
性が高くなりすぎ繊維に均一に処理剤が浸透するのが困
難となり得られる繊維の感触を損ねるおそれのあるため
好ましくない。
としては、特に限定されない。通常の衣類に使用するこ
とのできる素材であればいずれでも良く、例えば、木
綿、麻、絹、羊毛、コラーゲン繊維等の天然繊維;アク
リル繊維、レーヨン、ナイロン、ビニロン、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリメタフェニレンイソフタルアミド、アラミド、ポリ
アリレート等の合成繊維が挙げられる。
の中には、ヒトの皮膚に接触させて使用する場合のある
ティッシュペーパーやトイレットペーパー等の主として
セルロース繊維から構成される紙類も含まれる。
としては、糸状、ヒモ状、縄状の繊維であってよく、そ
れらが布状に構成されたものであってよい。
は、具体的には例えば、レーヨン、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリメタ
フェニレンイソフタルアミド、アラミド、ポリアリレー
ト等が挙げられる。
えば、木綿、麻、絹、羊毛、コラーゲン繊維、アクリル
繊維、ナイロン、ビニロン等が挙げられる。
その単量体の配合成分によって、若干性質が異なり、そ
の際には、前記の単量体の組み合わせと、処理する繊維
との組み合わせを考慮することが望ましい。
水性基含有単量体とからなるPC共重合体は、前記の比
較的疎水性の強い表面を有する繊維を処理するに際して
良好な感触及び吸湿性を付与することができる。A成分
のPC単量体とC成分の親水性基含有単量体とからなる
PC共重合体は、前記の比較的親水性の強い表面を有す
る繊維を処理するに際して良好な感触及び吸湿性を付与
することができる。
有単量体とC成分の親水性基含有単量体とからなるPC
共重合体は、親水性、疎水性によらずどのような表面を
有する繊維を処理するに際しても良好な感触及び吸湿性
を付与することができる。
体を構成する単量体組成物の中でも、B成分の疎水性単
量体が、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1
種の疎水性単量体であり、C成分の親水性単量体が、炭
素数1〜4のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキルエステルと、(メタ)アク
リル酸とからなる群より選ばれる少なくとも一種の親水
性単量体である繊維処理剤を使用した場合には、繊維に
対する親和性が高く、付与した良好な感触と吸湿性を長
く持続させることができる共重合体を得られる点で最も
好ましい。
親水性単量体が炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
から選ばれる一種と(メタ)アクリル酸との2成分から
なる親水性単量体を使用した場合には、さらに高い効果
を持つ繊維処理剤が得られる。
方法は、(イ)PC重合体を水溶液としてそれに繊維を
浸漬し乾燥させる方法か、もしくは、(ロ)PC重合体
を水溶液として繊維に直接塗布し乾燥させる方法が挙げ
られる。PC重合体の濃度としては、0.001〜1重
量%の水溶液が好ましい。
り低い濃度ではPC重合体を十分に繊維に吸着させるこ
とができないため効果を十分に挙げることができず、1
重量%より高い濃度であると必要以上にPC重合体が残
留し繊維の柔軟さを損なう恐れがあるため好ましくな
い。
む場合には、乾燥する温度は40〜180℃の範囲が好
ましく、40℃より低い温度ではホスホリルコリン基含
有重合体が本来有する吸湿性のために十分に乾燥するこ
とができず、180℃より高い温度ではホスホリルコリ
ン基が分解する恐れがあるため好ましくない。
用する場合や業務用に使用する場合でも、処理後に吸湿
している状態が問題のない場合には、室温で乾燥するこ
とも可能である。
1重量%の水溶液には、例えば、エチレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グ
リセリン、ソルビトール等の多価アルコールを1ppm
〜10重量%の範囲で添加すると、繊維とホスホリルコ
リン基含有重合体のなじみを良くすることができるため
より好ましい。
重合体の処理液は、通常は1〜40重量%の濃い液とし
ておき、必要の際に水等で希釈することにより繊維の処
理液とすることが実用上好ましい。
て、界面活性剤、柔軟剤、溶剤、染料、保湿剤、抗菌
剤、香料等の他の成分を添加しても良い。
布は、繊維を製造後に改質する場合、生地としての布を
改質する場合、衣服として製造された後に改質する場
合、等の業務に適用することも可能であるし、家庭用の
洗濯や柔軟仕上げ等の場合に適用することが可能であ
る。
のホスホリルコリン基含有重合体を含む単量体を重合し
てなるもので、簡単な方法で処理できる繊維処理剤であ
る。本発明の繊維処理剤処理液は、浸漬、あるいは塗布
の簡単な処理で繊維又は布を処理し、ついて乾燥するこ
とにより処理できる溶液である。また前記の処理方法
は、前記の処理液で繊維を処理した後、乾燥して親水性
および皮膚の接触時の布の感触が改善される性質を付与
できる簡便な処理方法である。また、本発明の繊維処理
剤で処理された繊維又は布は、親水性および皮膚の接触
時の布の感触が改善される性質が付与されているので吸
湿性が付与でき、接触時感触が優れた繊維となる。
る。次に用いたポリマーの重量平均分子量の分析方法を
示す。 <重量平均分子量の測定>リン酸バッファー(pH7.
4、20mM)を溶離液としたゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)、ポリエチレングリコール
標準、UV(210nm)及び屈折率にて検出した。
A);4.3g(単量体組成モル比、MPC/BMA=
80/20)をエタノール;160gに溶解し4つ口フ
ラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、60℃でア
ゾビスイソブチロニトリル;0.82gを加えて8時間
重合反応させた。重合液を3リットルのジエチルエーテ
ル中に撹拌しながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、4
8時間室温で真空乾燥を行って、粉末29.6gを得
た。GPCにより評価した分子量は重量平均分子量15
3,000であった。これをポリマー1とする。
成比、溶媒種を変え、合成例1と同様の操作により、重
合体を得た。得られた共重合組成のポリマーを以下に示
す。 ポリマー2;MPC0.5−BMA0.2−MAc0.
3、重量平均分子量354,000、 ポリマー3;MPC0.9−SMA0.1、重量平均分
子量210,000 ポリマー4;MPC0.4−MMA0.2−MAc0.
2−HEMA0.2、重量平均分子量429,000、 ポリマー5;MPC0.7−QA0.3、重量平均分子
量252,000、 ポリマー6;MPC0.5−BMA0.2−QA0.
3、重量平均分子量106,000。
る。 MPC;2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、 BMA;n−ブチルメタクリレート、 MAc;メタクリル酸、 SMA;ステアリルメタクリレート、 MMA;メチルメタクリレート、 2−HEMA;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、 QA;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド。
解し処理液(0.5重量%)とした。1辺5cmのアク
リル100%(表中Aと略す)の試験布を処理液に浸
し、5分程度かけて十分に処理液を浸透させた後取り出
し、ドライヤーで軽く乾燥した後、120℃の温風循還
式の乾燥室内に吊し、15分間乾燥させた。ポリエステ
ル100%(表中Pと略す)、ナイロン100%(表中
Nと略す)の2種類の試験布についても同じ操作で処理
を行った。得られた試験布の上にスポイトで純水を一滴
落とし、水滴が布にしみこんで消失するまでの時間を計
り、それを各5枚に対して行い平均値を評価した。布の
吸湿性が高いほど、水滴が消失するまでの時間が短いこ
とになる。その5枚の平均値を表1に記す。また、処理
した布を100mLの純水に浸し、10分間軽く撹拌し
水洗いを行った。この水洗を10回繰り返した後の水滴
の消失時間を上記と同様に評価し、その平均値を表2に
示す。
量160,000)(比較例2)、ポリビニルアルコー
ル(分子量133,000)(比較例3)、ポリ(アク
リル酸0.8−ブチルアクリレート0.2)(分子量;
不明)(比較例4)、ポリ(ビニルメチルエーテル0.
5−マレイン酸0.5)(分子量;不明)(比較例
5)、の0.5重量%水溶液を処理液とした。前記の処
理液を用い実施例1と同様の操作で試験布を作成し、水
滴の消失時間を評価した。また、水洗後の水滴の消失時
間についても同様に評価した。得られた値を表1に記
す。
gに溶解し、さらにそれぞれに1,3−ブタンジオール
0.8gを加えて処理液(ポリマー0.5重量%)とし
た。実施例1と同様の操作で各布5枚試験布を作成し、
水滴の消失時間を評価した。また、水洗後の水滴の消失
時間についても同様に評価した。得られた値を表4に記
す。
試験布(それぞれ実施例9、10,比較例6、7に相当
する)を使用して、24〜48才の男女15人を被験者
とし、乾燥した前腕の内側を軽くこすり、その時の感触
が良いものから順に4、3,2,1とスコアをつけ、平
均値を評価し、その結果を表5に示す。また、同様に水
滴を落とした前腕の内側をふき取る時の感触の良いもの
から順に4、3,2,1とスコアをつけ、平均値を評価
し、その結果を表5に示した。
実施例1〜8の処理液では、吸湿性が高い布が得られ
た。特に実施例7及び8では、多価アルコールを添加す
ることにより10回水洗後も実施例2及び4(多価アル
コールを添加しない系に相当)に比較して高い吸湿性を
持続した。また、表5の結果より比較例6、7に比べ
て、実施例9、10の処理液では、感触の良い布が得ら
れたことがわかる。
Claims (13)
- 【請求項1】下記の式(1) 【化1】 {ただし、式中、Xは2価の有機残基を示し、Yは炭素
数1〜6のアルキレンオキシ基を示し、Zは水素原子も
しくはR5―O―(C=O)―(ただし、R5は炭素数1
〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシ
アルキル基を示す)を示す。また、R1は水素原子もし
くはメチル基を示し、R2、R3及びR4は同一もしくは
異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基またはヒドロキシアルキル基を示す。mは0または1
を示す。nは1〜4の整数である。}で表されるホスホ
リルコリン類似基含有単量体を含む単量体組成物を重合
してなる重合体を有効成分とする繊維処理剤。 - 【請求項2】ホスホリルコリン類似基含有単量体を含む
単量体組成物が、A成分のホスホリルコリン類似基含有
単量体20〜98mol%とB成分の疎水性単量体2〜
80mol%とからなる単量体組成物である請求項1記
載の繊維処理剤。 - 【請求項3】ホスホリルコリン類似基含有単量体を含む
単量体組成物が、A成分のホスホリルコリン類似基含有
単量体20〜85mol%とC成分の親水性単量体15
〜80mol%とからなる単量体組成物である請求項1
記載の繊維処理剤。 - 【請求項4】ホスホリルコリン類似基含有単量体を含む
単量体組成物が、A成分のホスホリルコリン類似基含有
単量体20〜88mol%とB成分の疎水性単量体2〜
40mol%およびC成分の親水性単量体10〜70m
ol%とからなる単量体組成物である請求項1記載の繊
維処理剤。 - 【請求項5】A成分の式(1)のホスホリルコリン類似
基含有単量体が、2−{(メタ)アクリロイルオキシ}
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェートであり、B成分の疎水性単量体が、式(2) 【化2】 {ただし、式中、L1は、―C6H4―、―C6H10―、―
(C=O)−O―、―O―、―(C=O)NH―、―O
―(C=O)―および―O―(C=O)―O―からなる
群より選ばれる基を示し、L2は、水素原子、―(C
H2)g―L3、−((CH2)p―O)h―L3から選ばれ
る疎水性官能基を示す。g、hは1〜24、pは3〜5
の整数を示し、L3は、水素原子、メチル基、―C
6H5、―O―C6H5から選ばれる官能基を示す。}で表
される疎水性単量体である請求項2記載の繊維処理剤。 - 【請求項6】A成分の式(1)のホスホリルコリン類似
基含有単量体が、2−{(メタ)アクリロイルオキシ}
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェートであり、C成分の親水性単量体が、ヒドロキシ
基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基、ア
ミド基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキル
アミノ塩基、トリアルキルホスホニウム塩基およびポリ
オキシエチレン基からなる群より選ばれる親水性基を有
する親水性単量体である請求項3に記載の繊維処理剤。 - 【請求項7】A成分の式(1)のホスホリルコリン類似
基含有単量体が、2−{(メタ)アクリロイルオキシ}
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェートであり、B成分の疎水性単量体が、炭素数1〜1
8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの疎水性単量体であり、C成分の親水性単量体
が、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルおよび(メ
タ)アクリル酸からなる群より選ばれる親水性単量体で
ある請求項4記載の繊維処理剤。 - 【請求項8】C成分の親水性単量体が、炭素数1〜4の
ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシアルキルエステルと(メタ)アクリル酸との2成
分からなる親水性単量体である請求項7記載の繊維処理
剤。 - 【請求項9】請求項1〜8のいづれか1項に記載の繊維
処理剤を有効成分として水溶液中に0.001〜1重量
%含有する繊維処理剤溶液。 - 【請求項10】請求項1〜8のいづれか1項に記載の繊
維処理剤を有効成分として水溶液中に1〜40重量%含
有する繊維処理剤組成物。 - 【請求項11】請求項1〜8のいづれか1項に記載の繊
維処理剤を有効成分として水溶液中に0.001〜1重
量%含有し、かつさらに多価アルコールを1ppm〜1
0重量%含有する繊維処理剤溶液。 - 【請求項12】請求項9または11に記載の繊維処理剤
溶液を用いて、浸漬または塗布により繊維を処理し、4
0〜180℃で乾燥させることを特徴とする繊維処理方
法。 - 【請求項13】請求項12に記載の繊維処理方法により
処理してなる繊維。
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