JP2005281665A - 生体適合性を有する樹脂 - Google Patents
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Description
詳しくは、生体組織の接着および癒着抑制効果、蛋白接着抑制効果、細胞接着抑制効果、血小板の粘着おび活性化の抑制効果、補体系の活性化の抑制効果、生体組織に担して保湿効果を有し、かつ、生体に対する安全性の高いエチレンオキサイド共重合体に関する。
医療および医用材料に要求される、体液適合性および生体組織適合性は、その目的および使用法によって異なる。例えば血液と接する材料として使用する場合には、血漿蛋白の接着抑制、細胞接着抑制、血液凝固系の抑制、血小板の粘着・活性化の抑制および補体系の活性化の抑制という特性が求められている。この目的に対して、血液適合性が改善された種々のアクリレート系生体適合性材料が報告されてきた(例えば、非特許文献1および非特許文献2)。
医療および医用材料には、その目的および使用法に応じた体液適合性および生体組織適合性が要求されるが、更に、それらの医療および医用材料を構成する材料自体の高い安全性が望まれている。これは、医療および医用材料は、長期間の使用中にその一部が基材からはがれる等により体液中に放出されることが予想され、たとえ組織適合性または血液適合性に優れる材料であっても、臓器等に蓄積した際に障害を引き起こすことが懸念されるためである。
更に、アルキルグリシジルエーテル類の重合による体液適合性および生体適合性を有する共重合体に関しては(例えば、特許文献2)に開示されているが、共重合体に関する記載はあるものの、共重合の組成比に関しての記載は無い。
体液または生体組織と接する部分に使用する医療および医用材料においては、組織接着および組織癒着の抑制、血漿蛋白の接着抑制、細胞接着抑制、血液凝固系の抑制、血小板の粘着・活性化の抑制および補体系の活性化の抑制に加えて、構成材料自体の高い安全性が望まれている。
(1)下記一般式(1)で表される側鎖を有するエチレンオキサイド共重合体であって、ポリエチレングリコール(PEG)換算重量平均分子量が500〜500,000であることを特徴とするエチレンオキサイド共重合体。
(2)該共重合体のPEG換算重量平均分子量/PEG換算数平均分子量(Mw/Mn)が1.2〜2.2であることを特徴とする上記(1)に記載のエチレンオキサイド共重合体。
(B)エポキシ基を有する炭素数4〜15からなる化合物
(4)該(B)のエポキシ基を有する炭素数4〜15からなる化合物が、グリシジルメチルエーテル、エチルグリシジルエーテル、グリシジル−n−プロピルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、sec−ブチルグリシジルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、アセチルグリシドール、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、グリシジルトリメチルシリルエーテル、グリシジルテトラヒドロピラニルエーテル、(1−エトキシ)エチルグリシジルエーテルから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(3)に記載のエチレンオキサイド共重合体。
(6)架橋剤がエポキシ基を有する化合物であって、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルおよびグリセオールトリグリシジルエーテルから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする上記(5)に記載の架橋エチレンオキサイド共重合体。
(7)架橋剤が、上記(5)に記載の共重合体の重量に対して5〜300重量%用いられていることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の架橋エチレンオキサイド共重合体。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体の生体組織または体液と接触する部分への使用。
(9)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体のポリペプチドまたは蛋白と接触する部分への使用。
(11)樹脂材料が、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィンおよびポリスルフォンから選ばれた少なくとも1種以上からなる樹脂材料であることを特徴とする上記(10)に記載の添加剤。
(12)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体からなる、医療用具、生体由来蛋白あるいはポリペプチド精製器材の被覆剤。
(13)医療用具および器材が、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィンおよびポリスルフォンから選ばれた少なくとも1種以上からなることを特徴とする上記(12)に記載の被覆剤。
(15)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる創傷被覆材。
(16)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる化粧料。
(17)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる繊維処理剤。
(18)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなるコンタクトレンズ用保存液。
(19)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる血液処理材。
本発明の共重合体は、例えば、医療用途として、人工腎臓用膜、血漿分離膜、人工肺用膜、人工血管、癒着防止膜、創傷被覆材、人工皮膚、ウイルス除去膜、白血球除去膜等の生体材料、医療用材料や医療用具の構成成分または被覆材として使用することができる。更にフィルムの形態として床ずれ、火傷、潰瘍、外傷による創傷を被覆するため、あるいは、真皮、皮下組織、筋肉、筋、関節、骨に及ぶ組織破壊による創傷を被覆するために使用できる。更に親水性付与効果および蛋白吸着抑制効果を活用しコンタクトレンズ用溶液としても使用できる。また本発明のエチレンオキサイド共重合体の親水性付与、保湿性付与効果を活用し化粧用あるいは繊維処理用としても使用できる。
更に本発明の共重合体はその保湿作用および蛋白吸着抑制作用などの生体非認識作用を活用し、化粧料、例えば毛髪の帯電を抑制する目的での毛髪料化粧料として、また刺激性物質の付着した繊維素材を低刺激化することの出来る繊維用刺激抑制剤として、さらにはコンタクトレンズ用の保存洗浄液などに使用することが出来る。
本発明で述べる体液としては、血液、涙液、リンパ液、脊髄液、関節液等が挙げられる。生体組織としては、表皮を除く臓器および組織を言い、肝臓、膵臓、腎臓、脾臓等の内臓組織、上皮組織、結合組織、血球・骨髄組織、筋肉、骨、軟骨、血管、目、脂肪組織、消化管・消化管粘膜、神経組織等が挙げられる。本発明のエチレンオキサイド共重合体は、このような体液または生体組織と接触する部分に用いられる。
本発明の共重合体は、単体で医療用具の構成材料に用いられる。その他に、医療用具に用いられる樹脂材料の添加剤および医療用具の体液または生体組織と接触する部分の被覆剤として用いられる。
本発明において、医療用具とは、人もしくは動物の、疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、または人若しくは動物の、身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている器具機械である。医療用具の例として、人工腎臓装置、透析機、人工心肺装置、人工肺、血液浄化器、血液浄化用装置、補助循環装置、腹膜灌流用機器、腹水ろ過濃縮部、自家輸血システム、コンタクトレンズ、整形用品例えば創傷被覆材、吸収性局所止血材、救急絆創膏等が挙げられる。
また、本発明のエチレンオキサイド共重合体は、下記に示されるモノマー(A)と(B)を出発原料とすることが好ましい。
(A)エチレンオキサイド
(B)エポキシ基を有する炭素数4〜15からなる化合物
本発明の共重合体に関し、共重合についてはランダムあるいはブロックの両者があり得るが、生体内に存在した場合における安全性の点から考慮して、本発明の共重合体としてはランダム共重合体が好ましい。
(ハ)および(ニ)の場合、共重合体中に存在する他のモノマーのモル分率は好ましくは90%以下である。他のモノマーとしては、オキセタンもしくはその誘導体、トリオキサンもしくはその誘導体、テトラヒドロフラン(THF)もしくはその誘導体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエーテルまたは重合あるいは側鎖での反応開始点として、例えば、アリル基等のオレフィン類の官能基を有する例えばアリルメタクリレートの様な化合物等が挙げられる。
(ホ)の場合、他の重合体の含有率は好ましくは90質量%以下である。他の重合体としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン等が挙げられる。
本発明の共重合体における、ポリエチレングリコール換算重量平均分子量/ポリエチレングリコール換算数平均分子量(Mw/Mn)で表示される分子量分布は1.2〜2.5であることが好ましく、品質確保のためには1.2〜2.2であることがより好ましく、1.2〜2.0であることがさらに好ましく、最も好ましくは1.0〜1.8である。分子量分布が2.5を越える場合は、低分子量から高分子量まで、広い範囲の種々の分子量を有する高分子体の集合となり、本発明の共重合体の生体適合性に関する性能を均一に発揮することが困難となる場合がある。一方、この分子量分布が1.0以下となるポリエーテル製造は工業的製法では困難である。
本発明の共重合体の構成成分である、側鎖を有するエチレンオキサイド共重合体を製造するためのモノマー原料((B)エポキシ基を有する炭素数4〜15からなる化合物)の例としては、アルキルグリシジルエーテル等の脂肪族炭化水素グリシジルエーテル、アリールグリシジルエーテル等の芳香族炭化水素グリシジルエーテルが挙げられる。グリシジルエーテルの例として、グリシジルメチルエーテル、エチルグリシジルエーテル、グリシジル−n−プロピルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、sec−ブチルグリシジルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、アセチルグリシドール、グリシジルメタクリレート、ベンジルグリシジルエーテルおよびグリシジルフェニルエーテル等を挙げることができる。
本発明の共重合体に含まれる、酸あるいは塩基で処理することによって側鎖にヒドロカルビル基を導入することが可能な側鎖を有するエチレンオキサイド共重合体は、高い反応性を有する一級水酸基の存在により、容易に架橋することができきる。更に生体適合性を有し、しかも高い透明性,吸水性および保湿性能を有するゲルフィルムを容易に調製できる。
一方、本発明の共重合体の類似物としてのポリエチレングリコールは、既に、「PEG-INTRON」(登録商標)(Schering Corporation, Kenilworth, NJ, USA) で知られるように、医薬医療用途として実績のある化合物である。本発明の共重合体は,蛋白・細胞吸着抑制、血小板の粘着・活性化の抑制および生物学的安全性の効果が最大限に発揮できるように、分子量、側鎖官能基種類および側鎖官能基導入量を、その使用目的に応じて最適化することが可能である。
[非特許文献3]:玉井聡行、松川公洋、井上弘、飯村卓哉、西岡昇、科学と工業、74(9)、459−461(2000)
[非特許文献4]:F. Yosii, Y. Zhanshan, K. Isobe, K. Shinozaki, K. Makuuchi, Radiation Physics and Chemistry, 55, 133-138 (1999)
[非特許文献5]:H. Koinuma, S. Inoue, T. Tsuruta, Makromoleculare Chemie, 136, 65-71 (1970)
[特許文献3]:特公昭61−037611号公報
本発明における架橋方法は、後で述べるように、PEO誘導体の酸あるいは塩基処理により側鎖に生成する反応性の高い一級水酸基を化学的に架橋するものである。さらにエポキシ基を有する架橋剤を用いることにより、架橋後に新規に水酸基が生成し、架橋剤による脂溶性の増大が抑制され、架橋後も優れた体液および生体組織適合性が維持される点が従来技術とは異なる。
本発明の共重合体の組成についてはその組成比が効果発現には特に重要であり、モノマーとして反応に用いるエチレンオキサイド(A)および少なくとも1以上のエポキシ基を有する炭素数4〜15の化合物(B)を所望の割合で混合し、必要に応じて溶媒を添加した後、重合反応を行う。
ここに、重合溶媒を用いる場合、重合溶媒としては、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2−メトキシエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等を用いることができる。そして、重合反応は0〜80℃の反応温度、1〜40時間の反応時間、窒素やヘリウム、アルゴン等の反応雰囲気下で、大気圧〜10気圧までの反応圧力で製造することができる。本発明の共重合体の製造では重合時に、アルキルアルミ等のルイス酸あるいはカリウムアルコキサイド等の強塩基等の重合開始剤を用いても良く、用いる場合には使用モノマーの総モル数に対し0.001〜2モル%程度添加すれば良い。
[非特許文献6]:E. J. Vandenberg, J. Polym. Sci., Polym. Chem. Ed., 23, 915-949 (1985)
[非特許文献6]:E. J. Vandenberg, J. C. Mullis, R. S. Juvet, Jr., T. Miller and R. A. Nieman, J. Polym. Sci., Part A, 27, 3113-3149 (1989)
本発明の共重合体を被覆材料として用いる場合に、基材への被覆のために最適な疎水性基をモノマー(B)として、必要な量だけ導入することが可能である。基材や器材の性質に適した疎水性基をモノマー(B)として導入することにより、混和あるいは被覆後、目的とするポリペプチド、蛋白、細胞吸着抑制、血小板の粘着や活性化の抑制の各効果、さらにポリペプチド、蛋白分離、除去、回収率向上、細胞分離・除去・回収率向上、血小板回収率向上を十分に発揮することが可能である。先にも述べたが、特に本発明における共重合体においては、(B)/((A)+(B))は、0.001〜0.5であり、好ましくは0.025〜0.5である。同様に(y)/((x)+(y))は、0.001〜0.500であり、好ましくは0.025〜0.500である。
本発明の共重合体の構成成分である側鎖を有するエチレンオキサイド共重合体は、架橋構造を有していてもよい。例えば、酸あるいは塩基処理操作により側鎖にヒドロカルビル基が導入された共重合体は、エポキシ化合物系架橋剤等により架橋することが可能である。酸あるいは塩基処理操作により、側鎖にヒドロカルビル基が導入される共重合体としては、t−ブチルグリシジルエーテル、グリシジルトリメチルシリルエーテル、グリシジルテトラヒドロピラニルエーテル、アセチルグリシドール、グリシジルメタクリレートおよび(1−エトキシ)エチルグリシジルエーテルから選ばれた少なくとも1種と、エチレンオキサイドとからなる共重合体が好ましい。
例えば、モノマー(B)がt−ブチルグリシジルエーテルの場合、モノマー(A)との反応により得られた共重合体を塩化水素−ジオキサン溶液、塩酸水溶液、イオン交換樹脂等の脱保護反応に通常使用される手法により処理することにより、t−ブチル基を除去することができる。その結果、側鎖に一級水酸基であるヒドロキシメチル基の導入された共重合体が得られる。共重合体は、種々の反応条件下において下記に示す架橋剤により架橋することができ、その結果、例えば、親水性または疎水性のゲルを得ることができる。モノマー(B)がグリシジルトリメチルシリルエーテル、グリシジルテトラヒドロピラニルエーテル、または(1−エトキシ)エチルグリシジルエーテルの場合には、上記と同様に塩化水素−ジオキサン溶液、塩酸水溶液、イオン交換樹脂等による酸処理により保護基を除去することができ、同様に側鎖に一級水酸基の導入された共重合体が得られる。これらの共重合体も下記に示す架橋剤により架橋することができる。
架橋剤としては、1分子内に複数個のエポキシ基を有するグリシジルエーテル、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセオールトリグリシジルエーテル等、1分子内に2個以上のカルボキシル基を有するコハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸等の多価カルボン酸、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、チタン、アルミ、シリカ等の金属化合物等が挙げられる。
これらの中でも、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルおよびブタンジオールジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル類が、架橋反応の反応収率および架橋生成物の親水・疎水性バランス等の効果の点で、より好ましい。すなわち、エポキシ基を有する架橋剤を用いることにより、架橋後に新規に水酸基が生成する。そのため、架橋剤による脂溶性の増大が抑制され、架橋後も優れた体液および生体組織適合性が維持される。
架橋反応に用いる架橋剤の量に応じて架橋度が変化し、生成物の疎水性も変化し、架橋剤の量には最適値が存在する。その結果、難水溶性のゲルまでもが生成可能である。更に架橋生成物はフィルムあるいはシート状に加工成形が可能である。例えば塩基を架橋触媒として用いる場合には水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、炭酸カリウムやナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリムプロポキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウムt−2−メチル−2−ブトシキド等を挙げることが出来る。
架橋生成物を得る他の方法としては、本発明の生体中の体液および組織適合性樹脂において、例えば、モノマー(A)がエチレンオキサイドであり、モノマー(B)がエチレングリコールルジグリシジルエーテルあるいはブタンジオールジグリシジルエーテルである場合、耐圧反応容器を用い、トルエン、ヘキサン、2−メトキシエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等の反応溶媒中または無溶媒で、例えば、公知(例えば、非特許文献3及び4)のトリブチルアルミニウム等のルイス酸等の重合開始剤またはカリウム第3級ブチルアルコール等の強塩基等の重合開始剤存在下、氷冷、室温下、または必要に応じて加熱下にて、常圧または加圧下で開環重合させることにより共重合体(架橋生成物)が得られる。
以上、本発明の共重合体について説明した。
次に本発明の共重合体を混和する基材、被覆する器材について説明する。
本発明に用いることができる基材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニリデンフルオライド等であり、またそれらを含む基材を挙げることができる。そして、基材に混和、器材に被覆した場合の材料中の本発明共重合体含有率は好ましくは90質量%以下である。
例えば、本発明の共重合体を、1)混和させる場合:本発明の共重合体を、ポリペプチドおよび蛋白と接触する部分に用いる基材に対して、0.001〜90質量%の範囲、好ましくは0.001〜50質量%の範囲、より好ましくは0.001〜20質量%の範囲、さらに好ましくは0.001〜10質量%の範囲で添加する。このようにして得られる本発明共重合体含有基材および樹脂は、例えば、シート、フィルム、中空糸を含む糸、編織物、不織布、その他三次元成形体等に成形される。
尚、本発明の共重合体を器材に対する被覆材料として用いる場合、体液、生体組織、ポリペプチドおよび蛋白と接触する部分に用いる器材は、樹脂以外にも、ステンレス鋼、チタン、チタン合金等の金属材料、ヒドロキシアパタイト、グラファイト、窒化チタン等のセラミック等であってもよい。
本発明の共重合体は基材に対して混和し成形すること、あるいは器材に対して被覆するだけでなく、フィルム、中空糸を含む糸、不織布、ゲル、三次元構造体等に成形することができる。
本発明の共重合体によって、体液、生体組織、ポリペプチドおよび蛋白の分離・除去・回収率向上、細胞分離・除去・回収率向上の各効果および効果の持続性を発揮し、更に側鎖に導入された疎水性基によって脂溶性が向上し、本発明の共重合体以外の基材に対する本共重合体の混和あるいは器材に対する被覆が容易となりしかもその効果が持続する。
本発明の共重合体を含有してなる繊維刺激抑制組成物は繊維表面に対し被覆することで、繊維製品において問題となる皮膚刺激を減少させると同時に繊維の防汚性を高めることが出来る。本発明の繊維刺激抑制剤および繊維用刺激抑制組成物により低刺激の繊維を得るためには、繊維用刺激抑制剤組成物の原液またはその希釈液に繊維を浸漬し軽く絞るあるいは遠心脱水、脱溶剤を行いその後室温乾燥で風乾あるいは乾燥機での乾燥による。また繊維用刺激抑制組成物をアルコール類もしくは含水アルコール類等で希釈し、得られた液を繊維に噴霧させ乾燥することで達成されるが、それら方法は繊維の種類や目的に応じて使い分けることが可能である。
本発明の共重合体を含有してなるコンタクトレンズ用材は蛋白、脂質などの付着、沈着を抑制することでレンズに付着する汚れを抑制すると同時にレンズ表面に親水性の付与と装用感の向上させることが出来きる。本発明の共重合体を含有してなるコンタクトレンズ用材組成物は本発明の共重合体以外に必要に応じて無機固体粒子、保湿成分、界面活性剤、蛋白分解酵素、あるいは殺菌剤などをその成分として含有することが出来る。さらに本発明の共重合体はコンタクトレンズに対して形状変化を起こさせることが無い。
カラム:G4000PWXL(東ソー(株)製)、G5000PWXL(東ソー(株)製) 移動相:20%アセトニトリルin50mM塩化リチウム
流速:0.8ml/min
カラム温度:40℃
ポンプ:L-6200((株)日立製作所製)
検出器:L-3300(RI:示差屈折計、(株)日立製作所製)
L-4200(UV-VIS:紫外可視吸光計、(株)日立製作所製)
分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリエチレンオキサイド(TOSOH製、重量平均分子量が2.40x104, 5.00x104, 1.07x105, 1.40x105, 2.5x105, 5.4x105の6種類)を用いて作成する。
[製造例1]
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、n−ブチルグリシジルエーテル14.2ml、エチレンオキサイド41.3ml、トリイソブチルアルミニウム1モル(M)濃度ヘキサン溶液4.6ml、およびカリウム2−メチル−2−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン(THF)溶液0.5mlと、溶媒としてヘキサン150mlを加え、25℃で24時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(1)39gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は41,000であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシラン(TMS)を標準とする重水素化メタノール(CD3OD)溶媒中での測定により、δ0.94、δ1.39およびδ1.54にn−ブチル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.40〜3.90に、主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるn−ブチル基の導入率は、モル比で4.5%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、n−ブチルグリシジルエーテル14.2ml、エチレンオキサイド41.3ml、トリイソブチルアルミニウム1Mヘキサン溶液4.5mlおよびカリウムt−ブトキシド1MTHF溶液0.5ml溶媒としてヘキサン200mlを加え、25℃で20時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(2)46gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は67,000であった。
1H−NMR分析によると、TMSを標準とするCD3OD溶媒中での測定により、δ0.94、δ1.39およびδ1.54にn−ブチル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.39〜3.90に、主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた 1H−NMR分析によるn−ブチル基の導入率は、モル比で2.8%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、n−ブチルグリシジルエーテル14.2ml、エチレンオキサイド41.3mlおよびトリイソブチルアルミニウム1Mヘキサン溶液5.0mlと、溶媒としてヘキサン500mlを加え、25℃で20時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(5)41gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は34,000であった。
1H−NMR分析によると、TMSを標準とするCD3OD溶媒中での測定により、δ0.94、δ1.40およびδ1.55にn−ブチル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.44〜3.89に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるn−ブチル基の導入率はモル比で6.3%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、n−ブチルグリシジルエーテル15ml、エチレンオキサイド90mlおよびカリウムt−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン(THF)溶液0.7mlと、溶媒としてジエチレングリコールジエチルエーテル200mlを加え、80℃で24時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(8)50.3gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は47,000であった。 1H−NMR分析によると、TMSを標準とするCD3OD溶媒中での測定により、δ0.94、δ1.40およびδ1.55にn−ブチル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.40〜3.82に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるn−ブチル基の導入率はモル比で5.7%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器にグリシジルフェニルエーテル15ml、エチレンオキサイド90mlおよびカリウムt−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン(THF)溶液0.7mlと、溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテル200mlを加え、90℃で24時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(11)86.2gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は120,000であった。
1H−NMR分析によると、TMSを標準とするCD3OD溶媒中での測定により、δ6.78〜6.96およびδ7.12〜7.29にフェニル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.40〜4.15に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるフェニル基の導入率はモル比で6.4%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、n−ブチルグリシジルエーテル11.4ml、グリシジルメチルエーテル1.8ml、エチレンオキサイド41.3ml、トリイソブチルアルミニウム1モル(M)濃度ヘキサン溶液4.6ml、およびカリウム2−メチル−2−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン(THF)溶液0.5mlと、溶媒としてヘキサン150mlを加え、25℃で20時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(14)31gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は33,000であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシラン(TMS)を標準とする重水素化メタノール(CD3OD)溶媒中での測定により、δ0.94、δ1.39およびδ1.54にn−ブチル基に由来する多重線ピークが観測され、さらにδ3.30にメトキシ基に由来するピークが見られ、さらにδ3.40〜3.90に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるn−ブチル基、メトキシ基の導入率はそれぞれモル比で3.3%および0.8%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、n−ブチルグリシジルエーテル14.2ml(100mmol)、エチレンオキサイド41.3ml(826mmol)、トリイソブチルアルミニウムの1.0モル濃度ヘキサン溶液、4.5ml(4.5mmol)、およびカリウムt−ブトキシド56mg (0.5mmol) と、溶媒としてヘキサン500mlを加え、25℃で20時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(15)36gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は67,000であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール(CD3OD)溶媒中での測定により、δ0.94、δ1.39およびδ1.54にn−ブチル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.39〜3.90に、主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるn−ブチル基の導入率は、モル比で2.84%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、n−ブチルグリシジルエーテル14.2ml(100mmol)、エチレンオキサイド41.3ml(826mmol)およびトリイソブチルアルミニウムの1.0モル濃度ヘキサン溶液5.0ml(5.0mmol)と、溶媒としてヘキサン500mlを加え、25℃で20時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(18)31gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は34,000であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール(CD3OD)溶媒中での測定により、δ0.94、δ1.40およびδ1.55にn−ブチル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.44〜3.89に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるn−ブチル基の導入率はモル比で6.29%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、n−ブチルグリシジルエーテル15ml (106mmol)、エチレンオキサイド90ml (1802mmol)およびカリウムt−ブトキシド76mg(0.68mmol)と、溶媒としてジエチレングリコールジエチルエーテル200mlを加え、80℃で24時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(21)50.3gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は47,000であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール(CD3OD)溶媒中での測定により、δ0.94、δ1.40およびδ1.55にn−ブチル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.40〜3.82に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるn−ブチル基の導入率はモル比で5.70%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器にグリシジルフェニルエーテル15ml(111mmol)、エチレンオキサイド90ml(1802mmol)およびカリウムt−ブトキシド78mg (0.70mmol)と、溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテル200mlを加え、90℃で24時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(24)55.9gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は140,000であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール(CD3OD)溶媒中での測定により、δ6.78〜6.96およびδ7.12〜7.29にフェニル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.40〜4.15に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるフェニル基の導入率はモル比で6.44%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、エチレングリコールジグリシジルエーテル10ml (64mmol)、エチレンオキサイド90ml(1820mmol)およびカリウムt−ブトキシド76mg(0.68mmol)と、溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテル400mlを加え、40℃で24時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(27)25.5gを白色固体として得た。
以下、種々の割合でエチレングリコールジグリシジルエーテルとエチレンオキサイドを用い、本実施例と同様の方法により目的共重合体を得た(共重合体28、29)。その結果を表9に示す。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、アリルグリシジルエーテル50ml(42mmol)、エチレンオキサイド21.1ml (424mmol)、トリイソブチルアルミニウムの1.0モル濃度ヘキサン溶液4.5ml(4.5mmol)、およびカリウムt−ブトキシド56mg(0.5mmol)と、溶媒としてヘキサン250mlを加え、25℃で20時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体(30)13.7gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は45,000であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール(CD3OD)溶媒中での測定により、δ3.95、δ5.10〜5.30および、δ5.80〜5.90にアリル基に由来する多重線ピークが観測された。さらにδ3.40〜4.15に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるアリル基の導入率はモル比で4.52%であった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器に、t−ブチルグリシジルエーテル25ml(176mmol)、エチレンオキサイド152ml (3043mmol)およびカリウムt−ブトキシド107mg (0.95mmol)と、溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテル200mlを加え、80℃で25時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去して目的とする共重合体94.0gを白色固体として得た。得られた共重合体の分子量分布をGPCにより測定した結果は81,000であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化DMSO(ジメチルスルホキシド)溶媒中での測定により、δ1.11にt−ブチル基に由来する単線ピークが観測された。さらにδ3.40〜3.82に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるt−ブチル基の導入率はモル比で5.10%であった。
氷冷下、上記共重合体20.84gに、4N−塩化水素の1,4−ジオキサン溶液200mlを加えて室温下で30時間反応させた。反応終了後、反応溶媒を減圧下留去し、スペクトラポア(株)製透析膜(Spectra/Por2(商標)、分子量分画12,000−14,000)を用い、精製水を外液とした2日間の透析を行った。次いで、ミリポア(株)社製メンブランフィルター(DURAPORE(商標)、0.22μm)を用いたろ過、および凍結乾燥の工程を経て、白色非晶質の目的共重合体(33)14.61gを得た。
次に、共重合体(33)200mgに対し、1N水酸化ナトリウム水溶液1.0mlを加えた後、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.15mlを加えて攪拌した。その後、反応液の一部を取り、ビニールテープで間隔を調整した2枚の硝子板の間に反応液を挟み、37℃で15時間静置した。残りの液は、室温下で15時間攪拌した。反応液は架橋が進行しゲルが生成した。
2枚の硝子板の間で静置した反応液はシート状のゲルとなった。調製したゲルをシャーレに入れ、1N塩酸水溶液で中和した後、生理食塩水(0.9%NaCl)で振とうした。このゲルシートの厚みは約0.5mm(34)および約1.0mm(35)であり、その後の評価に供した。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器にt−ブチルグリシジルエーテル33ml、エチレンオキサイド85ml、カリウムt−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン溶液1mlおよびトリイソブチルアルミニウム1Mヘキサン溶液10ml、および溶媒としてヘキサン300mlを加え、25℃で24時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を回収し、減圧下で溶媒を除去することによって目的とする共重合体(36)62gを白色固体として得た。
得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は53,000であった。GPCの結果を図1に示す。更に 1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール溶媒中での測定により、δ1.20にt−ブチル基に由来する単線ピークが観測され、さらにδ3.40〜3.82に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるt−ブチル基の導入率は、モル比で3.9%(y=0.039)であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール溶媒中での測定により、δ1.20に存在したt−ブチル基に由来する単線ピークが消失し、t−ブチル基が除去されたことが確認された。得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は61,000であり、Mw/Mn=1.54であった。GPCの結果を図2に示す。
共重合体(37)は、水、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルおよびエタノールに対しては100mg/ml以上の溶解性を示した。ヘキサンに対しては溶解しなかった。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器にt−ブチルグリシジルエーテル42ml、エチレンオキサイド85ml、カリウム2−メチル−2−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン溶液1.1mlおよびトリイソブチルアルミニウム1Mヘキサン溶液11.1ml、および溶媒としてヘキサン300mlを加え、25℃で24時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を回収し、減圧下溶媒を除去することにより、目的とする共重合体(38)55gを白色固体として得た。
得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は40,000であった。GPCの結果を図3に示す。更に 1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール溶媒中での測定により、δ1.22にt−ブチル基に由来する単線ピークが観測され、さらにδ3.42〜3.82に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるt−ブチル基の導入率は、モル比で5.7%(y=0.057)であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール溶媒中での測定により、δ1.22に存在したt−ブチル基に由来する単線ピークが消失し、t−ブチル基が除去されたことが確認された。得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は44,000であり、Mw/Mn=1.70であった。GPCの結果を図4に示す。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器にt−ブチルグリシジルエーテル30ml、エチレンオキサイド86ml、カリウムt−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン溶液2mlおよびトリイソブチルアルミニウム1Mヘキサン溶液18ml、および溶媒としてヘキサン300mlを加え、25℃で24時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を回収し、減圧下溶媒を除去することにより目的とする共重合体61gを白色固体として得た。
得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は28,000であった。更に 1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール溶媒中での測定により、δ1.20にt−ブチル基に由来する単線ピークが観測され、さらにδ3.40〜3.82に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。更に、 1H−NMR分析によるt−ブチル基の導入率はモル比で5.2%(y=0.052)であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化メタノール溶媒中での測定により、δ1.20に存在したt−ブチル基に由来する単線ピークが消失し、t−ブチル基が除去されたことが確認された。得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は27,000であり、Mw/Mn=1.79であった。
重合原料であるt−ブチルグリシジルエーテルとエチレンオキサイドの使用量を変える以外は製造例16と同様の反応条件下で、ランダム共重合を実施し、反応生成物を得た(40、41、42)。これらの収量およびPEG換算分子量をGPCにより測定した結果および 1H−NMR分析によるt−ブチル基の導入率を表11に示す。
更に、製造例16と同様の反応条件下それぞれの共重合体におけるt−ブチル基を脱保護し、t−ブチル基除去の結果を製造例16と同様に 1H−NMR分析により確認した。脱保護により得られたポリエーテル誘導体(43、44、45)のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果、およびMw/Mnを求めた結果を表11に示す。
以上の結果から、t−ブチルグリシジルエーテルの割合がモル比で1.84%、2.28%および3.81%導入された共重合体が得られた。
アルゴン雰囲気下、耐圧反応容器にt−ブチルグリシジルエーテル15ml、エチレンオキサイド91ml、およびカリウムt−ブトキシド1Mテトラヒドロフラン溶液0.6ml、および溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテル200mlを加え、80℃で19時間反応を行った。反応終了後、溶媒を除去することにより、目的とする共重合体56gを白色固体として得た。
得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は54,000であった。 1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化ジメチルスルホキシド溶媒中での測定により、δ1.11にt−ブチル基に由来する単線ピークが観測され、さらにδ3.40〜3.82に主にポリエチレングリコールに由来するピークが見られた。 1H−NMR分析によるt−ブチル基の導入率はモル比で5.6%(y=0.056)であった。
1H−NMR分析によると、テトラメチルシランを標準とする重水素化DMSO溶媒中での測定により、δ1.11に存在したt−ブチル基に由来する単線ピークが消失し、t−ブチル基が除去されたことが確認された。得られた共重合体のPEG換算分子量をGPCにより測定した結果は58,000であり、Mw/Mn=1.54であった。
共重合体(37)のポリエーテル200mgに対し、1N水酸化ナトリウム水溶液1mlを加え溶解した後、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.15mlを加え攪拌した。その後、反応液の一部を取り、ビニールテープで間隔を調整した2枚の硝子板の間に反応液を挟み50℃で15時間静置した。残りの液は室温下で15時間攪拌した、反応液は架橋が進行しゲルが生成した。2枚の硝子板の間で静置した反応液はシート状のゲルとなった。調製したゲルはシャーレに入れ1N塩酸1mlを加え中和した後、生理食塩水(0.9%NaCl)で振とうした。このゲルシート(46)の厚みは約0.2mmであった。
製造例19と同様に架橋反応を行った。製造例17で調製したポリエーテル化合物(43)、(44)および(45)に存在する各水酸基のモル数に対し、等モル量の水酸化ナトリウムおよび4倍モル量のエチレングリコールジグリシジルエーテルを添加して架橋生成物を製造し、その物性を評価した。混合した架橋反応液の一部を取り、ビニールテープで間隔を調整した2枚の硝子板の間に反応液を挟み50℃で15時間静置した。
その結果、共重合体化合物(45)についてのみ、2枚の硝子板の間で静置した反応液はシート状のゲルとなった。調製したゲルをシャーレに入れ、1N塩酸を加え中和した後、生理食塩水(0.9%NaCl)で振とうした。このゲルシートの厚みは約0.2mmであった。共重合体(45)と異なり、共重合体(43)および(44)については、同一反応条件下で粘調性液体のままであり、ゲル化せず、シート状に加工することもできなかった。その結果を表12に示す。 以上の結果より明らかなように、t−ブチル基導入率が1.84%および2.28%の共重合体は、本条件下ではゲル化することができず、t−ブチル基導入率が3.81%の共重合体のみがゲルを生成した。
ポリスルホン1gをN−メチルピロリドン(NMP:1-Methyl-2-pyrrolidinone)3mlに溶解し、ついで製造例1で調製された本発明のポリエーテル(1)100mgを加え混合溶解し、粘性透明液体を得た。この液体を両端に0.1mmのスペーサーをはさんだガラス板を使い、厚みを均一にしたシート状に延伸し、その直後に水槽に入れることで白色のポリスルホン−共重合体混合膜(a)を調製した。
以下、種々の割合でポリスルホンと本発明のポリエーテルを用い、本実施例と同様の方法によりポリスルホン−ポリエーテル混合膜を調製(膜b〜膜f)した。その結果を表13に示す。表13の結果より明らかなように、ポリスルホンと本発明のポリエーテルはNMP溶媒下ではいずれも容易に混合溶解し、溶解後は透明粘性液体として得られた。更にこの粘性液体は製膜することが可能であった。
次に比較対照として、ポリスルホン1gをNMP3mlに溶解し調製した液体から、上記と同様の手法によりポリスルホン膜を調製した。
更に、これらの膜を精製水による4時間煮沸洗浄を3回繰り返しすることでNMPを除去し被検試料を調製した。次にこれらの膜を直径約15mmの円形に打ち抜き、血漿蛋白質の吸着評価用試料を調製した。
ポリエーテルスルホン1gをN−メチルピロリドン(NMP:1-Methyl-2-pyrrolidinone)3mlに溶解し、ついで製造例1で調製された本発明のポリエーテル(1)100mgを加え混合溶解し、粘性透明液体を得た。この液体を両端に0.1mmのスペーサーをはさんだガラス板を使い、厚みを均一にしたシート状に延伸し、その直後に水槽に入れることで白色のポリエーテルスルホン−ポリエーテル混合膜(g)を調製した。
以下、種々の割合でポリエーテルスルホンと本発明のポリエーテルを用い、本実施例と同様の方法によりポリエーテルスルホン−ポリエーテル混合膜を調製(膜h〜膜l)した。その結果を表14に示す。表14より明らかなように、ポリエーテルスルホンと本発明のポリエーテルはNMP溶媒下ではいずれも容易に混合溶解され、溶解後は透明粘性液体として得られた。更にこの粘性液体は製膜することが可能であった。
次に比較対照として、ポリエーテルスルホン1gをNMP3mlに溶解し調製した液体から、上記と同様の手法によりポリエーテルスルホン膜を調製した。
更に、これらの膜を精製水による4時間煮沸洗浄を3回繰り返しすることでNMPを除去し被検試料を調製した。次にこれらの膜を直径約15mmの円形に打ち抜き、血漿蛋白質の吸着評価用試料を調製した。
ヒト細胞付着評価:細胞接着阻害効果および細胞毒性を調べるための実験
上記製造例中の共重合体(1)(2)及び(11)を、それぞれ70%エタノール水溶液に5、2.5、1、0.5、0.1および0mg/mlの濃度で溶解した。この溶液を細胞培養用96穴プレートに各0.2ml/well添加し、4℃で一晩静置した。対照wellには70%エタノール水溶液を添加した。その後、サンプル液を吸引除去し、プレートを乾燥することにより、上記共重合体を被覆したプレートを調製した。同一の共重合体を被覆したプレートを2枚調製した。この2枚のプレートについて、以下の方法にて細胞付着評価を行った。
HELヒト肺細胞溶液(3x105cells/ml)を上記被検サンプル液が被覆された96穴プレートに各0.1ml/well加え、2時間培養した。培養終了後、プレートに付着した生細胞数を、CellTiter96AQueousAssayシステム(プロメガ(株)社(Madison, WI, USA)製)により評価した。更に上記共重合体(1)(2)および(11)の細胞毒性を評価するためにもう1枚のプレートを用いて、付着した細胞に加えて付着せず浮遊した細胞についても、すなわち各ウエルに添加した全細胞を同一条件下でCellTiter96AQueousAssayシステムにより評価した。
評価結果を図5に示す。製造例1の共重合体(1)、製造例2の共重合体(2)、および製造例5の共重合体(11)をそれぞれ被覆した96穴プレートには、図5に示されるように、対照被覆(ポリマー未被覆)wellに対する細胞接着量を100%としたときに、いずれの化合物においても被覆量に対応したHELヒト肺細胞の接着抑制傾向が見られた(図中:□、△、および○で表示)。
さらに製造例1の共重合体(1)、製造例2の共重合体(2)、および製造例5の共重合体(11)をそれぞれ被覆した96穴プレートにおいて、図5に示されるように、いずれの共重合体についても対照被覆(ポリマー未被覆)に対して生細胞数は70%以上であり、被覆量に関わらず細胞毒性を示さなかった(図中:■、▲、および●で表示)。
血漿蛋白質の吸着評価(1)
上記製造例中の共重合体(1)(2)及び(11)を、それぞれ、70%エタノール水溶液に10、1、0.1、0.01、0.001および0mg/mlの濃度で溶解した。コーニング(株)社(Corning, NY, USA)製のCoaster 96穴EIAプレート(商品番号3590)に上記試料を0.2ml/wellの割合で添加し、4℃で一晩静置することにより被覆した。同様に、対照wellには70%エタノール水溶液を添加した。その後、サンプル液を吸引除去し、プレートを乾燥することにより、上記化合物を被覆したプレートを調製した。このプレートについて、以下の方法にて血漿蛋白吸着評価を行った。
カペル(株)社製、精製ヒト免疫グロブリンG(Purified Human IgG; ICN/Cappel, USA)の5マイクログラム/ml溶液を、上記EIAプレートに0.1ml/wellの割合で添加し、well表面を37℃で2時間接触させた。その後、well表面に吸着したヒト免疫グロブリンG量を、カペル(株)社製、西洋わさび過酸化酵素標識ヤギ抗ヒト免疫グロブリンG(Horseradish peroxidase (HRP)-conjugated goat IgG fraction to human IgG (wholemolecule; ICN/Cappel, USA))を用いる酵素免疫定量法(ELISA; Enzyme-linked Immunosorbant Assay)により評価した。
評価結果を図6に示す。同一プレートに既知濃度の免疫グロブリン標準品を添加し、測定することにより、検量線を作製した。この検量線をもとにプレート上の免疫グロブリンG吸着量を定量した。
製造例1の共重合体(1)、製造例2の共重合体(2)、および製造例5の共重合体(11)をそれぞれ被覆した96穴プレートには、図6に示されるように、未被覆wellに対する免疫グロブリンG吸着量は、ほぼ5マイクログラム/mlであり、更に被検試料については被覆量に応じたヒト免疫グロブリンG吸着抑制傾向が見られた。
血漿蛋白質の吸着評価(2)
上記実施例1中の混合膜(a)(b)および比較対照用ポリスルフォン膜を用い、24穴プレートにシリコンリングにより固定し、以下の方法にて血漿蛋白吸着評価を行った。
カペル社製の精製ヒトアルブミン (Purified Human Albumin; ICN/Cappel, USA)の2マイクログラム/ml溶液を、24穴プレートに0.8ml/wellの割合で添加し、well表面を37℃で2時間接触させた。その後、well表面に吸着したヒトアルブミン量をカペル社製の西洋わさび過酸化酵素標識ヤギ抗ヒトアルブミン(Horseradish peroxidase (HRP)-conjugated goat IgG fraction to human Albumin (ICN/Cappel, USA) )を用いる酵素免疫定量法(ELISA; Enzyme-linked Immunosorbant Assay)により評価した。
評価結果を表15に示す。比較対照用ポリスルフォン膜に既知濃度のヒトアルブミン標準品を添加し、測定することにより、検量線を作製した。この検量線をもとに混合膜(a)および(b)上のヒトアルブミン吸着量を定量した。表15においては、比較対照用ポリスルフォン膜に対するヒトアルブミン吸着量を100%とした場合の混合膜(a)および(b)上のヒトアルブミン吸着量を%で示した。
結果、表15より実施例1の膜(a)および膜(b)はいずれも、強いヒトアルブミン吸着抑制傾向が見られた。
血漿蛋白質の吸着評価(3)
上記実施例2中の混合膜(g)(h)および比較対照用ポリエーテルスルフォン膜を用い、24穴プレートにシリコンリングにより固定し、実施例5と同様の方法にて血漿蛋白(ヒトアルブミン)吸着評価を行った。
評価結果を表16に示す。比較対照用ポリエーテルスルフォン膜に既知濃度のヒトアルブミン標準品を添加し、測定することにより、検量線を作製した。この検量線をもとに混合膜(g)および(h)上のヒトアルブミン吸着量を定量した。表16においては、比較対照用ポリエーテルスルフォン膜に対するヒトアルブミン吸着量を100%とした場合の混合膜(g)および(h)上のヒトアルブミン吸着量を%で示した。
結果、表16より実施例2の膜(g)および膜(h)はいずれも、強いヒトアルブミン吸着抑制傾向が見られた。
毒性評価
マウス静脈内投与による毒性を調べるための実験:
上記製造例中の共重合体(1)及び(14)を、生理食塩水を投与溶媒として、更に生理食塩水を比較対照として、投与量500mg/kg、および投与容量25ml/kgの条件でBALB/c雌性マウス(各群n=3、日本エスエルシー(株)から購入)の尾静脈に単回投与試験を行った。体重減少を指標として評価を実施した。実験開始日におけるマウスの体重を100%とした場合の体重変化を評価し、10%の体重減少が起きた場合に毒性有りと判断した。
評価結果を図7に示す。生理食塩水にて溶解した共重合体(1)及び(14)および比較対照の生理食塩水を、静脈内単回投与した。投与後の体重減少は見られず、更に10%以上の体重減少は見られなかった。更に同一測定日において生理食塩水投与群との有意差が見られず、いずれの投与群も毒性無しと判断された。
ヒト血小板付着評価:血小板接着阻害効果を調べるための実験
上記実施例中の共重合体(15)(18)(21)及び(24)を、それぞれ70%エタノール水溶液に10mg/mlの濃度で溶解した。この溶液を用い、浸漬法によりポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ60μm)を、上記ポリエーテル誘導体により被覆したサンプルについて、以下の方法にて血小板接着評価を行った。
クエン酸ナトリウムで抗凝固した新鮮ヒト血漿を遠心分離して(1000rpm、10分)ヒト新鮮血小板血漿(I)を調製し、さらに遠心分離して(2500rpm、10分)ヒト新鮮血小板血漿(II)を調製した。
これら両血小板血漿(I)および(II)を混合して血小板濃度300x105cells/mlのヒト新鮮多血小板血漿を調製し、以下の実験に供した。
PETフィルムを24穴細胞培養用プレートに入れ、上記ヒト新鮮多血小板血漿にサンプル表面を37℃で1時間接触させた。その後、フィルム表面を生理食塩水で洗浄し、グルタルアルデヒドでPETフィルム上の細胞を固定した後、走査型電子顕微鏡(SEM)で直接観した。
観察された走査型電子顕微鏡を図8、図9、図10および図11に示す。これらの図から明らかなように、比較対照の未被覆PETフィルム(図12)には血小板接着が見られるが、製造例7の共重合体(15)(図8)、製造例8の共重合体(18)(図9)、製造例9の共重合体(21)(図10)、および製造例10の共重合体(24)(図11)を被覆したPETフィルムには、血小板接着が見られなかった。
ヒト細胞付着評価:細胞接着阻害効果および細胞毒性を調べるための実験
上記実施例中の共重合体(15)(18)(21)及び(24)を、それぞれ70%エタノール水溶液に5、2.5、1、0.5、0.1および0mg/mlの濃度で溶解した。この溶液を細胞培養用96穴プレートに各0.2ml/well 添加し、4℃で一晩静置した。対照wellには70%エタノール水溶液を添加した。その後、サンプル液を吸引除去し、プレートを乾燥することにより、上記共重合体を被覆したプレートを調製した。同一の共重合体を被覆したプレートを2枚調製した。
この2枚のプレートについて、以下の方法にて細胞付着評価を行った。
HELヒト肺細胞溶液(3×105 cells/ml)を上記被検サンプル液が被覆された96穴プレートに各0.1ml/well加え、2時間培養した。培養終了後、プレートに付着した生細胞数を、CellTiter96AQueousAssayシステム(プロメガ(株)社(Madison, WI, USA)製)により評価した。更に上記共重合体(15)(18)(21)および(24)の細胞毒性を評価するためにもう1枚のプレートを用いて、付着した細胞に加えて付着せず浮遊した細胞についても、すなわち、各ウエルに添加した全細胞を同一条件下でCellTiter96AQueousAssayシステムにより評価した。
評価結果を図13に示す。製造例7の共重合体(15)、製造例8の共重合体(18)、製造例9の共重合体(21)、および製造例10の共重合体(24)をそれぞれ被覆した96穴プレートには、図6に示されるように、対照被覆(ポリマー未被覆)wellに対する細胞接着量を100%としたときに、いずれの共重合体においても被覆量に対応したHELヒト肺細胞の接着抑制傾向が見られた(図中:●で表示)。
さらに製造例7の共重合体(15)、製造例8の共重合体(18)、製造例9の共重合体(21)、および製造例10の共重合体(24)をそれぞれ被覆した96穴プレートにおいて、図13に示されるように、いずれの化合物についても対照被覆(ポリマー未被覆)にたいして生細胞数は70%以上であり、被覆量に関わらず細胞毒性を示さなかった(図中:□で表示)。
血漿蛋白質の吸着評価(1)
上記実施例中の共重合体(15)(18)(21)及び(24)を、それぞれ、70%エタノール水溶液に10、1、0.1、0.01、0.001および0mg/mlの濃度で溶解した。コーニング(株)社(Corning, NY, USA)製のCoaster 96穴EIAプレート(商品番号3590)に上記試料を0.2ml/wellの割合で添加し、4℃で一晩静置することにより被覆した。同様に、対照wellには70%エタノール水溶液を添加した。その後、サンプル液を吸引除去し、プレートを乾燥することにより、上記共重合体を被覆したプレートを調製した。このプレートについて、以下の方法にて血漿蛋白吸着評価を行った。
カペル(株)社製、精製ヒト免疫グロブリンG(Purified Human IgG;ICN/Cappel, USA)の5マイクログラム/ml溶液を、上記EIAプレートに0.1ml/wellの割合で添加し、well表面を37℃で2時間接触させた。その後、well表面に吸着したヒト免疫グロブリンG量を、カペル(株)社製、西洋わさび過酸化酵素標識ヤギ抗ヒト免疫グロブリンG (Horseradish peroxidase (HRP)-conjugated goat IgG fraction to human IgG (wholemolecule; ICN/Cappel, USA))を用いる酵素免疫定量法(ELISA; Enzyme-linked Immunosorbant Assay)により評価した。
評価結果を図14に示す。同一プレートに既知濃度の免疫グロブリン標準品を添加し、測定することにより、検量線を作製した。この検量線をもとにプレート上の免疫グロブリンG吸着量を定量した。
製造例7の共重合体(15)、製造例8の共重合体(18)、製造例9の共重合体(21)、および製造例10の共重合体(24)をそれぞれ被覆した96穴プレートには、図14に示されるように、未被覆wellに対する免疫グロブリンG吸着量は、ほぼ5マイクログラム/mlであり、更に被検試料については被覆量に応じたヒト免疫グロブリンG吸着抑制傾向が見られた。
血漿蛋白質の吸着評価(2)
上記実施例中の共重合体(15)(18)(21)及び(24)を用い、実施例10に記載の方法と同一の方法で、上記化合物を被覆したプレートを調製した。このプレートについて、以下の方法にて血漿蛋白吸着評価を行った。
バイオジェネシス(株)社製のヒトフィブリノーゲン (Human fibrinogen; Biogenesis, Kingston, NH, USA)の5マイクログラム/ml溶液を上記96穴EIAプレートに0.1ml/wellの割合で添加し、well表面を37℃で2時間接触させた。その後、well表面に吸着したヒトフィブリノーゲン量をEYラボラトリーズ(株)社製の西洋わさび過酸化酵素標識抗ヒトフィブリノーゲン(Horseradish peroxidase (HRP)-conjugated to human fibrinogen; EYlaboratories, Inc, SanMateo, CA, USA))を用いるELISAにより評価した。
評価結果を図15に示す。同一プレートに既知濃度のヒトフィブリノーゲン標準品を添加し測定することにより、検量線を作製した。この検量線をもとにプレート上のフィブリノーゲン吸着量を定量した。
製造例7の共重合体(15)、製造例8の共重合体(18)、製造例9の共重合体(21)、および製造例10の共重合体(24)をそれぞれ被覆した96穴プレートには、図15に示されるように、対照被覆(ポリマー未被覆)wellに対するフィブリノーゲン吸着量はほぼ5マイクログラム/mlであり、被検試料については被覆量に応じたヒトフィブリノーゲン吸着抑制傾向が見られた。
毒性評価
マウス静脈内投与による毒性を調べるための実験:
共重合体(15)及び(33)を、生理食塩水を投与溶媒として、更に生理食塩水を比較対照として、投与量1g/kg、および投与容量25ml/kgの条件でBALB/c雌性マウス(各群n=3、日本エスエルシー(株)から購入)の尾静脈に、実験開始日から2日目、9日目、16日目の3回にわたり、週に1回の間歇投与試験を行った。
体重減少を指標として評価を実施した。実験開始日におけるマウスの体重を100%とした場合の体重変化を評価し、10%の体重減少が起きた場合に毒性有りと判断した。
評価結果を図16に示す。生理食塩水にて溶解した共重合体(15),(33)および比較対照の生理食塩水を、週に1回、計3回に渡り静脈内間歇投与した。投与後は多少の体重減少が見られたが、10%以上の体重減少は見られず、しかも体重は数日で回復し、更に生理食塩水投与群および正常マウスと同程度まで回復し、いずれの投与群も毒性無しと判断された。
3群の雌性ラット(Crj-CD(SD)、日本チャールズリバー(株)より購入、7週齢, 各群n=7)に対し、ペントバルビタール麻酔後、腹部正中線に沿って切開し盲腸を取りだしガーゼにより盲腸の漿膜を擦過し、およそその1/2を剥離した。漿膜を剥離した部分に製造例13で調製された4×4cmのシート状ゲル共重合体(34)をあて、盲腸を戻して縫合を行った。また、シート状ゲルを処置せず、そのまま盲腸を戻したものを比較対照とした。
術後5日目に剖検し、癒着形成の有無を判定した。癒着形成は、繊維状のもので厚みがあり、ピンセットで引いても容易に引き剥がされない程度の強い癒着を生じた場合を癒着と判定した。その結果を表17に示す。
表17より、本評価において本発明の共重合体(34)により処置することにより比較対照群に比べ癒着生成の割合が減少した。
3群の雌性ラット(Crj-CD(SD)、日本チャールズリバー(株)より購入、7週齢, 各群n=5)に対し、背部の毛を剃りペントバルビタール麻酔後、背部皮膚部分を一辺2cmの矩形に切開してはく離し、完全皮膚欠損創を作製した。創部分に対し、製造例13で調製された2×2cmのシート状ゲル(共重合体34)で被覆後、医療用不織布ガーゼを適用した処置群と、医療用不織布ガーゼのみを適用した比較対照群を設定した。
処置群および比較対照群の創部分の上皮3辺を縫合して固定した。治療効果は創部面積の経時的変化を測定することで評価した。すなわち、創部面積比(%)={(観察日の創面の長径×短径)/(初期創面の長径×短径)}×100により評価した。その結果を表18に示す。
表18より、本評価において本発明の共重合体(34)により処置することにより比較対照群に比べ創傷治癒効果を増強することが分かった。
雌性ラット(Crj−CD(SD)IGSを日本チャールズリバー(株)より購入、7週齢, 3匹)に対し、ペントバルビタール麻酔後、腹部正中線に沿って切開し製造例19で調製された4×4cmのゲルシート(46)を各ラットに1枚づつ埋植し、縫合を行った。
術後5日目に剖検し、ゲルシートによる癒着形成の有無、ゲルシートへの蛋白吸着を判定した。癒着形成は、繊維状のもので厚みがあり、ピンセットで引いても容易に引き剥がされない程度の強い癒着を生じた場合を癒着と判定した。術後5日目において3匹ともゲルシートに対する癒着形成は見られず、ゲルシートはいずれも透明のまま維持されていた。
毒性評価
製造例14の共重合体(37)に関し、生理食塩水を投与溶媒として、更に生理食塩水を比較対照として、共重合体(37)投与量1000mg/kg、300mg/kgについて、投与液量25ml/kgの条件で6週齢BALB/c雌性マウス(各群n=5、日本エスエルシー(株)から購入)の尾静脈より実験開始日から0日目、3日目、6日目の3回にわたり間歇投与を行った。
体重減少を指標として評価を実施した。実験開始日におけるマウスの体重を100%とした場合の体重変化を評価し、10%の体重減少が起きた場合に毒性有りと判断した。
評価結果を図17に示す。生理食塩水にて溶解した共重合体(37)の各濃度投与群および比較対照の生理食塩水を25ml/kgの投与液量で、3日に1回、計3回に渡り静脈内間歇投与した。投与後の10%以上の体重減少は見られず、体重に関し、いずれの投与群においても同一日測定日における優位差は見られず、毒性無し、と判断された。図中の各ポイントは平均体重±標準偏差(SD)を示す。図中の上向き矢印は投与日であることを示す。
サンプルとして製造例1で得られた本発明の共重合体(1)を精製水に溶かし、1重量%水溶液を得た。得られた水溶液を試験液として皮膚の実用テストを実施した。日頃静電気による不快を感じる邦人女性20人(年齢22〜40歳)を無作為に各10人に分け、A群には製造例1の溶液を、またB群には比較例の溶液をそれぞれ1ヶ月使用してもらい、1ヶ月後の皮膚による帯電防止効果と使用中の感触について群間比較を行った。その結果を表19に示す。
[比較例]試験液として市販のモノアルキル4級アンモニウム塩10gを精製水に溶解して1重量%水溶液を得た。
表19の結果より、製造例1で得られた本発明の化合物(1)は、比較例に比べて感触的に優れ、かつ帯電防止に基づく美肌効果に優れることがわかる。
サンプルとして製造例2で得られた本発明の共重合体(2)および(4)を精製水に溶かし、各共重合体濃度の水溶液を得た。これに綿100%からなる布を浸漬し軽く絞った後、風乾し、試験布を作成した。試験布は直径6mmの円形に打ち抜き試験に供した。
アレルゲン物質として診断用アレルゲンスクラッチエキス「スギ花粉」の原液を精製水−グリセリン混合液(1/1)で10倍希釈し、試験布(直径6mm)に10μlずつ滴下しアレルゲン物質付着試験布を作成した。
スギ花粉に対しアレルギーのある被験者5名の前腕部皮膚面に対し、上記試験布を軽く押し付け貼布した。貼布20分後に試験布を取り除き、その20分後に皮膚反応を目視により観察した。皮膚反応は下記の表20のアレルギー判定基準に従い判定した。アレルゲン物質付着試験布のアレルギー反応性はアレルギー反応指数(各試験の点数総和の平均値に100を掛けた数値)で評価した。その結果を表21に示す。
以上の結果から、本発明の繊維用刺激抑制剤は、その組成物が実験的アレルゲン刺激を低減することから繊維用刺激抑制組成物であることが分かった。また被覆による効果が見られることから繊維に限らず被覆器材に対しての刺激抑制効果が期待された。
サンプルとして製造例7で得られた本発明の共重合体(17)および製造例8で得られた本発明の共重合体(20)を用いた。コントロールとしてプルロニック界面活性剤を用いた。試験用コンタクトレンズは市販のハードコンタクトレンズ表面を洗浄することで輸送用の保存洗浄液を除去しその後使用した。
アルブミン、γ−グロブリン、リゾチームによりFDA人工涙液処方に基づきタンパク質汚れ液を調製した。タンパク質汚れ液5mL中にコンタクトレンズを70℃下、3時間浸漬することによりタンパク質付着コンタクトレンズを作製した。このレンズを各コンタクトレンズ用溶液5mL中に室温下、4時間浸漬した。その後、生理食塩水500mL中でコンタクトレンズを3回リンスし、1%SDS−炭酸ナトリウム水溶液中にレンズを浸漬し、37℃終夜で涙液タンパク質を抽出した。
抽出液のタンパク質濃度をMicro BCAキット(Pierce製)を用いて測定することによりレンズに付着したタンパク質量を求めた。得られた結果より、各試験液のタンパク質に対する洗浄率(%)を次式により評価した。
タンパク質汚れに対する洗浄率(%)={1−(試験液浸漬前タンパク質量−試験液浸漬後タンパク質量)/試験液浸漬前タンパク質量}×100
表22に示す各成分を各配合割合にて精製水に溶解し、コンタクトレンズ用溶液を調製した。得られたコンタクトレンズ用溶液を用いてコンタクトレンズに付着したタンパク質汚れに対する洗浄力試験を前記試験法にて行った。その結果を表22に併せて示す。
以上の結果から、共重合体(17)および(20)は対照に比べ、レンズに付着したタンパク質に対する洗浄力が高いことが分かる。
Claims (19)
- 該共重合体のPEG換算重量平均分子量/PEG換算数平均分子量(Mw/Mn)が1.2〜2.2であることを特徴とする請求項1に記載のエチレンオキサイド共重合体。
- 該共重合体が下記に示されるモノマー(A)及び(B)から製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載のエチレンオキサイド共重合体。
(A)エチレンオキサイド
(B)エポキシ基を有する炭素数4〜15からなる化合物 - 該(B)のエポキシ基を有する炭素数4〜15からなる化合物が、グリシジルメチルエーテル、エチルグリシジルエーテル、グリシジル−n−プロピルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、sec−ブチルグリシジルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、アセチルグリシドール、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、グリシジルトリメチルシリルエーテル、グリシジルテトラヒドロピラニルエーテル、(1−エトキシ)エチルグリシジルエーテルから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載のエチレンオキサイド共重合体。
- 請求項1に記載の一般式(1)のRが水素である請求項1又は2に記載のエチレンオキサイド共重合体が、架橋剤により架橋されていることを特徴とする架橋エチレンオキサイド共重合体。
- 架橋剤がエポキシ基を有する化合物であって、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルおよびグリセオールトリグリシジルエーテルから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項5に記載の架橋エチレンオキサイド共重合体。
- 架橋剤が、請求項5に記載の共重合体の重量に対して5〜300重量%用いられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の架橋エチレンオキサイド共重合体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体の生体組織または体液と接触する部分への使用。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体のポリペプチドまたは蛋白と接触する部分への使用。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体からなる、医療用具、生体由来蛋白あるいはポリペプチド精製に用いられる樹脂材料への添加剤。
- 樹脂材料が、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィンおよびポリスルフォンから選ばれた少なくとも1種以上からなる樹脂材料であることを特徴とする請求項10に記載の添加剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体からなる、医療用具、生体由来蛋白あるいはポリペプチド精製器材の被覆剤。
- 医療用具および器材が、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィンおよびポリスルフォンから選ばれた少なくとも1種以上からなることを特徴とする請求項12に記載の被覆剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる生体組織の癒着防止用フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる創傷被覆材。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる化粧料。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる繊維処理剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなるコンタクトレンズ用保存液。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエチレンオキサイド共重合体又は架橋エチレンオキサイド共重合体を含有してなる血液処理材。
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