JP6462278B2 - 生体適合性コポリマー、これを利用する抗血栓コーティング剤及び医療用具 - Google Patents

生体適合性コポリマー、これを利用する抗血栓コーティング剤及び医療用具 Download PDF

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本発明は、生体適合性コポリマーおよびこれを利用する抗血栓コーティング剤に関し、更に詳細には、優れた抗血栓性を与えることのできる生体適合性コポリマー並びに当該コポリマーを含有する抗血栓コーティング剤、当該コポリマーで形成された抗血栓被膜および当該被膜を備えた医療用具に関する。
カテーテル、ガイドワイヤー、ステント、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、人工臓器、人工肺装置、透析装置、輸血用具、血液回路、血液バッグ等、血液と接触して用いられる医療用具においては、血液の凝固を防ぐ抗血栓性を有することが必要不可欠である。このため、これらの医療用具に用いられる基材表面に、優れた抗血栓性を与える抗血栓コーティング剤の開発が望まれている。
既知の抗血栓性を有する生体適合性材料として、例えば、ポリ(2−メトキシエチルアクリレート)(PMEA)が挙げられる(特許文献1参照)。このPMEAは、高分子鎖との相互作用により高分子鎖に弱く束縛された水と考えられる、いわゆる中間水(−100℃からの昇温過程で水の低温結晶形成に由来する発熱ピークが−40℃付近に安定して観測される状態の水)を有することにより、抗血栓性等の生体適合性を示すことが知られている。
しかし、PMEAは親水性ポリマーであるため、使用時に剥離や溶出が懸念される。このため、特許文献1では、2−メトキシエチルアクリレートよりも疎水性であるアルキル(メタ)アクリレートを、中間水が十分に存在する範囲(実施例では9〜17モル%)で共重合させている。
また、PMEAの製膜性を改良する技術として、PMEAにポリメタクリル酸メチル(PMMA)を混合したポリマーブレンドによる薄膜が報告されている(特許文献2参照)。特許文献2によれば、該ポリマーブレンド薄膜は、PMEAを所定の割合にすることにより、純粋なPMEAより優れた抗血栓性を示している。
しかしながら、従来の共重合やポリマーブレンド等によりPMMA等の疎水性成分を導入し、親水性や製膜性を改善する方法は、疎水性成分の量が多くなると生体適合性が阻害されるため、その量を増やすことができず、改善効果が限られていた。
一方、PMEAと同様に側鎖にオキシエチレン鎖構造を有し、中間水を有する生体適合性材料として、ポリ(2−メトキシエチルビニルエーテル)(PMOVE)が知られており、PMEAより優れた抗血栓性を示すことが報告されている(特許文献3参照)。
ところで、側鎖カルボニル基の有無が生体適合性等の機能に及ぼす影響については、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)と、類似構造で側鎖にカルボニル基を持たないポリ(メチル2−プロペニルエーテル)(PMPE)の水界面構造の分光学的評価によっても明らかにされつつあり(非特許文献1参照)、生体適合性等の機能を発現するアクリレートをビニルエーテル骨格に変えることで、更なる機能の発現、向上が期待される。
しかしながら、PMOVEは高粘性な油状物であり、更に、生体温度において水溶性であるため、そのままでは抗血栓コーティング剤として使用することは困難である。このため、特許文献3では、基材に塗布したPMOVEにガンマ線を照射し、架橋させて不溶化しているが、このような膜形成方法は、一般的なものとはいえず、またコーティング対象となる基材の材質や形状・形態が制限されてしまうという問題がある。
更に、PMOVEを含む薄膜を形成する別の方法として、2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)と、トリシクロデカンビニルエーテル(TCDVE)とを共重合させる方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4では、当該共重合体の生体適合性や抗血栓性については評価されていなかった。
特開2004−161954号 特開2013−121430号 特開2014−47347号 特許第4528601号
Y. Oda他, "Langmuir", vol.30, 1215-1219頁(2014年)
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、優れた製膜性および耐水溶性を有し、種々の基材に容易にコーティングすることができるとともに、優れた抗血栓性を有する生体適合性の材料を見出し、これを利用する抗血栓性コーティング剤及び抗血栓被膜、並びに当該抗血栓被膜を備えた医療用具を提供することをその課題とするものである。
一般に、疎水性のコモノマーは、共重合体の生体適合性に大きな影響を与えると考えられ、特に、脂環構造のような大きな疎水性基は、生体成分との疎水性相互作用を高め、生体内組織や血液中のタンパク質との接触において血小板の粘着やタンパク質の吸着変性や活性化を引き起こすことが考えられる。このため、MOVEとTCDVEのような脂環式ビニルエーテルとの共重合体について、生体適合性材料として検討されることはなかった。
しかしながら、本発明者等は、高分子界面における水の凝集状態および機能発現に着目し、MOVEと脂環式ビニルエーテルとの共重合体について詳細に検討したところ、MOVEと脂環式ビニルエーテルとの共重合体は優れた製膜性や耐水溶性を有するばかりではなく、驚くべきことに、抗血栓性等の生体適合性を示すことを見出し本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の内容のものである。
(1)少なくとも1種の、下記式(1)
(式中、Rはメチル基またはエチル基を示す)
で表される繰り返し単位(A)と、少なくとも1種の、下記式(2)
(式中、Rは脂環式炭化水素基を示す)
で表される繰り返し単位(B)を含有する生体適合性コポリマー。
(2)前記繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)の組成比(モル比)が90/10〜10/90である(1)記載の生体適合性コポリマー。
(3)繰り返し単位(A)からなるセグメントAと、繰り返し単位(B)からなるセグメントBをブロック共重合体として含む(1)または(2)記載の生体適合性コポリマー。
(4)繰り返し単位(A)における基Rがメチル基である(1)ないし(3)の何れかに記載の生体適合性コポリマー。
(5)繰り返し単位(B)における基Rが炭素数5〜15の単環式の脂環式炭化水素基である(1)ないし(4)の何れかに記載の生体適合性コポリマー。
(6)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が、1.0〜3.0である(1)ないし(5)の何れかに記載の生体適合性コポリマー。
(7)上記(1)ないし(6)の何れかに記載の生体適合性コポリマーと、有機溶媒とを含む抗血栓コーティング剤。
(8)有機溶媒が、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン及びエステルからなる群から選択される1種又は2種以上である(7)記載の抗血栓コーティング剤。
(9)生体適合性コポリマーが、0.05〜10質量部であり、有機溶媒が99.95〜90質量部である(7)または(8)記載の抗血栓コーティング剤。
(10)前記(1)ないし(6)の何れかに記載の生体適合性コポリマーから形成された抗血栓被膜。
(11)前記(1)ないし(6)の何れかに記載の生体適合性コポリマーから形成された抗血栓被膜を備えた医療用具。
(12)血液と接触する部位の一部または全部が、前記抗血栓被膜で被覆された(11)記載の医療用具。
(13)体内埋め込み型の人工器官または治療器具、体外循環型の人工臓器類、カテーテル類、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、輸血用具または血液の体外循環回路である(11)または(12)記載の医療用具。
本発明の生体適合性コポリマーは、種々の基材に容易にコーティングすることができ、優れた製膜性、耐水溶性を有する、抗血栓性の被膜を形成することができるものである。
従って、この生体適合性コポリマーは抗血栓コーティング剤の成分として有用なものであり、また、このコポリマーから形成された抗血栓被膜は、優れた抗血栓性を示し、長時間にわたる血液接触においても血液の凝固を大きく抑制することができるので、医療用具用の被膜として極めて有利なものである。
被膜に粘着した血小板を示す走査電子顕微鏡(SEM)像である。図中(A)は、実施例1で形成された本発明の抗血栓被膜(CbM)に粘着した血小板を、(B)は、比較例1で形成された被膜(被膜C)に粘着した血小板をそれぞれ示す。 実施例1〜4及び比較例1、2において形成された各被膜の表面に粘着した血小板の数と粘着形態変化の進行度を示す図である。なお、図中のより小さな図は、CbM他4つの被膜の結果を約8倍に拡大して示したものである。
本発明において、生体適合性コポリマーを構成する共重合体は、少なくとも1種の前記式(1)で表される繰り返し単位(A)と、少なくとも1種の前記式(2)で表される繰り返し単位(B)とを含むものである。
前記式(1)の繰り返し単位(A)を与えるモノマーとしては、下記式(3)
(式中、Rは前記と同じ)
で表されるビニルエーテルが挙げられる。
より具体的には、2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)、2−エトキシエチルビニルエーテル(EOVE)が挙げられるが、抗血栓性がより優れることからMOVEが好ましい。
また、繰り返し単位(B)を与えるモノマーとしては、下記式(4)
(式中、Rは前記と同じ)
で表されるビニルエーテルが挙げられる。
この式(4)において、基Rの脂環式炭化水素基とは、芳香族性を有しない飽和または不飽和の炭素環を1以上含む炭化水素基を意味し、この脂環式炭化水素基には脂肪族の分枝があっても構わない。
で示される脂環式炭化水素基は、炭素数3〜25であることが好ましく、炭素数4〜20であることがより好ましく、炭素数5〜15であることが更に好ましい。
この脂環式炭化水素基の具体例としては、例えば、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへキシルメチル基、メチルシクロへキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロイコシル基等の単環式の脂環式炭化水素基や、ビシクロへキシル基、デカヒドロナフチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、イソボロニル基、アダマンチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基等の多環式の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基のなかでも、製膜性、耐水溶性及び抗血栓性の点から炭素数5〜15の単環式の脂環式炭化水素基が好ましく、シクロへキシル基が特に好ましい。
本発明の生体適合性コポリマーを構成する共重合体(以下、「共重合体」ということがある)における繰り返し単位(A)と、繰り返し単位(B)の組成比(モル比)は、抗血栓性が損なわれない範囲で任意に選定することができるが、95/5〜5/95の範囲が好ましく、90/10〜10/90の範囲がより好ましく、75/25〜25/75の範囲が特に好ましい。
本発明共重合体は、疎水性の繰り返し単位(B)を比較的多く(例えば50モル%以上)含有した共重合体として用いることも可能であり、そうすることで、コーティング性能(製膜性・耐水溶性)と抗血栓性の両方に優れた被膜を得ることができる。
本発明における共重合体の分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により標準ポリスチレン検量線から求めた数平均分子量(Mn)として、概ね1,000〜1,000,000であり、好ましくは5,000〜500,000である。
また、本発明共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜3.0が好ましく、1.0〜2.0がより好ましく、1.0〜1.5が特に好ましい。Mn及びMw/Mnがこの範囲であると、得られる共重合体は優れたコーティング性能及び優れた抗血栓性を示す。
更に、本発明の共重合体は、ランダム共重合及びブロック共重合体のいずれであってもよいが、抗血栓性の点から、繰り返し単位(A)からなるセグメントAと繰り返し単位(B)からなるセグメントBを含むブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体としては、ジブロック型(A−B)、トリブロック型(A−B−A又はB−A−B)、多分岐型スター([B−A]、[A−B]又はA;n,mは分岐数)等の各ブロック重合体のいずれであってもよい。
以上説明した本発明の共重合体の重合法としては、所望の組成比及び分子量の共重合体を再現性良く得るために、特にリビングカチオン重合が好ましい。リビングカチオン重合法において、共重合体の分子量はモノマーと重合開始剤とのモル比によってほぼ一義的に決まるため、モノマーと重合開始剤の使用量を変えることにより、共重合体の分子量を広い範囲にわたって任意に制御可能である。
共重合体の重合において使用される重合開始剤は、カチオン重合をリビング的に進行させるものであれば特に制限されないが、例えばビニルエーテル類のリビングカチオン重合開始剤としてはHI/I系開始剤(例えば、特開昭60−228509号公報)、ルイス酸触媒(有機アルミニウム化合物等)と塩基等の添加剤(エーテル等)を組み合わせた重合開始剤(例えば、特許第3096494号明細書、特公平7−2805号公報、特開昭62−257910号公報、特開平1−108202号公報及び特開平1−108203号公報)等が好適に用いられる。
重合開始剤の使用量は、原料モノマーの総量に対して0.001〜20モル%が好ましく、より好ましくは0.01〜10モル%、特に1モル%以下が好ましい。
また、リビングカチオン重合反応は適当な有機溶媒の存在下で行うことが好ましいが、非存在下で行ってもよい。使用することのできる有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、デカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は必要に応じて単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの有機溶媒の中でも芳香族炭化水素系溶媒及び脂肪族炭化水素系溶媒等の炭化水素系溶媒が好ましく、特にトルエン又はシクロヘキサンが好ましい。
この重合反応における重合温度は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等により異なるが、通常−80〜150℃であり、好ましくは−50〜100℃、特に好ましくは−20〜80℃である。また、重合時間は使用する重合開始剤、モノマー、溶媒、反応温度等により異なるが、通常10分〜100時間程度である。重合反応はバッチ式、連続式のいずれの方法でも好適に行うことができる。
以上のようにして得られる本発明の共重合体は、これを有効成分とする抗血栓コーティング剤とすることができる。この抗血栓コーティング剤は、前記共重合体に加え、適当な溶媒を配合することで調製することができる。
この抗血栓コーティング剤での溶媒の種類や濃度は、共重合体の組成や分子量、コーティング対象となる基材の種類や表面性状等に応じて適宜選択することができる。
抗血栓コーティング剤における溶媒としては、例えば、リビングカチオン重合における重合溶媒として挙げた有機溶媒を使用することができる。また、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、乳酸エチル等のエステル系溶媒等も好適に使用することができる。これらの有機溶媒の中でも芳香族炭化水素系溶媒及び脂肪族炭化水素系溶媒等の炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒及びこれらの混合溶媒が好ましく、特にトルエン、シクロヘキサン、THF及びこれらの混合溶媒が好ましい。これらの有機溶媒は必要に応じて単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、抗血栓コーティング剤での溶媒の濃度は、前記共重合体0.05〜10質量部に対し、溶媒99.95〜90質量部が好ましい。
上記した抗血栓コーティング剤は、種々の基材、特に血液と接する可能性のある基材上に、前記共重合体を含む抗血栓被膜を形成するために用いられる。
抗血栓コーティング剤を使用する抗血栓被膜の形成方法は、特に限定されることなく、当該基材の材質、形状及び形態に応じて、例えば、塗布法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法等、公知の方法から適宜選定される。例えば、前記共重合体と有機溶媒を含む抗血栓コーティング剤に基材を浸漬した後、風乾又は加熱乾燥させるなどの簡単な操作により、抗血栓被膜を形成することができる。
本発明の抗血栓コーティング剤は、上記したようなシンプルな構成であるため、前記抗血栓被膜が形成される基材の材質や形状・形態は特に制限されることなく、例えば、フィルム、シート、板、繊維、不織布、多孔質体、チューブ、中空糸や繊維、粒子、粉末等、任意の形状・形態の基材に対し用いることができる。
また、その材質も、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ( メタ) アクリレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等の合成樹脂及びこれらのブレンドポリマー;木綿、麻等の天然高分子;金属、セラミクス、ガラス等の無機材料、及びそれらの複合材料等を用いることができる。
本発明の抗血栓コーティング剤より、抗血栓被膜を形成されるものの好ましい例としては、医療用具を挙げることができる。医療器具には、血液と接するものも多く、その場合、血小板の接着、凝集による血液の凝固を防ぐ必要があるため、抗血栓被膜を備えることが要求される。従って、医療用具では、血液と接触する部位の少なくとも一部、好ましくは全部が、前記抗血栓被膜で被覆されていることが好ましい。
このように抗血栓コーティング剤で処理された本発明の医療用具は、前記抗血栓被膜を備えるため、特に血液と直接接触して使用される用途に好適に用いることができ、具体的には、体内埋め込み型の人工器官や治療器具、体外循環型の人工臓器類、カテーテル類(血管造影用カテーテル、ガイドワイヤー、PTCA用カテーテル等の循環器用カテーテル、胃管カテーテル、胃腸カテーテル、食道チューブ等の消化器用カテーテル、チューブ、尿道カテーテル、尿管カテーテル等の泌尿器科用カテーテル等)、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、輸血用具、血液の体外循環回路、血液バッグ、止血剤、生体組織の粘着材等、様々な用途にいて好適に用いることができる。
以下の実施例、合成例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等によって何ら限定されるものではない。なお、実施例において、共重合体の組成比はH NMRの分析結果から、分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)はGPCの分子量分析結果からそれぞれ求めた。
合 成 例 1
シクロへキシルビニルエーテル−2−メトキシエチルビニルエーテル
ブロック共重合体(CHVE−b−MOVE;CbM)の合成:
乾燥窒素雰囲気下、300℃以上で10分間加熱脱水した三方活栓付きのシュレンク管に、溶媒としてトルエン6.1mL、添加塩基として1,4−ジオキサン1.0mL、プロトン補足剤として2,6−ジ−tert−ブチルピリジン50mM(0.4mL)、第1のモノマーとしてシクロへキシルビニルエーテル(CHVE)1.1mL、開始種として2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)の酢酸付加体50mM(0.4mL)を加え、よく撹拌した。
次いで、0℃に保持し、ルイス酸触媒としてEt1.5AlCl1.5 200mM(0.5mL)を添加し、重合を開始した。30分後、第2のモノマーとしてMOVE0.46mLを加え、引き続き重合を行った。
重合は少量のアンモニア水溶液(0.1wt%)を含むメタノールで停止した。停止した溶液をジクロロメタンで希釈したのち、開始剤残渣を除くため、希釈した塩酸で3回、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液で各1回、更に中性になるまでイオン交換水で洗浄した。溶媒をエバポレートしたのち、減圧乾燥して目的のブロック共重合体CbMを得た。得られたブロック共重合体の組成比、分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を後記表1に示す。
合 成 例 2
シクロへキシルビニルエーテル−2−メトキシエチルビニルエーテルランダム
共重合体(CHVE−r−MOVE;CrM)の合成:
CHVEと、MOVEを同時に加えた以外は、合成例1と同様の操作によりランダム共重合体CrMを得た。得られたランダム共重合体の組成比、分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を後記表1に示す。
合 成 例 3
シクロへキシルビニルエーテル−2−エトキシエチルビニルエーテルブロック
共重合体(CHVE−b−EOVE;CbE)の合成:
開始種として2−エトキシエチルビニルエーテル(EOVE)の酢酸付加物を、また第2のモノマーとしてEOVEをそれぞれ用いた以外は、合成例1と同様の操作によりブロック共重合体CbEを得た。得られたブロック共重合体の組成比、分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を後記表1に示す。
合 成 例 4
シクロへキシルビニルエーテル−2−エトキシエチルビニルエーテルランダム
共重合体(CHVE−r−EOVE;CrE)の合成:
CHVEと、EOVEを同時に加えた以外は合成例3と同様の操作によりランダム共重合体CrEを得た。得られたランダム共重合体の組成比、分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を後記表1に示す。
合 成 例 5
ポリシクロへキシルビニルエーテル(PCHVE;C)の合成:
第1のモノマーの重合のみで反応を停止させた以外は合成例1と同様の操作によりCHVEのホモポリマーCを得た。得られたホモポリマーの組成比、分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を表1に示す。
実 施 例 1
<抗血栓性被膜の作製>
合成例1で得られた共重合体CbMを、2.5wt%濃度となるようにトルエンに溶解させ、フィルタ濾過した。この溶液をシリコンウエハー上にスピンコーティング(2,000rpm×60秒)し、ついで、真空下、65℃で5時間、加熱乾燥を行った。得られた被膜の表面は平坦且つ均一であり、偏光解析測定に基づき評価した膜厚はおよそ150nmであった。
<血小板粘着挙動評価>
得られた被膜(CbM膜)の抗血栓性を評価するため、被膜をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に室温で3時間浸漬させた後に、ヒト肘静脈より採血した正常ヒト全血をクエン酸ナトリウムで抗凝固化処理して調製した多血小板血漿と接触させることで、血小板粘着挙動を調べた。
血小板粘着挙動は、上記多血小板血漿200μLをCbM膜の表面に60分間接触させ、リン酸緩衝溶液でリンス後、グルタルアルデヒドで固定し、電子顕微鏡で観察した際の被膜表面1cmあたりに粘着した血小板の数として計数し、評価した。なお、血小板の数は、血小板の粘着形態変化の進行度により、I(正常)、II(偽足形成)、III(伸展)型に分類して計数した。
図1(A)に、CbM膜に粘着した血小板の走査電子顕微鏡(SEM)像を、図2に、CbM膜に粘着した血小板数と、粘着形態変化の進行度をそれぞれ示す。なお、図には参照試料としてポリエチレンテレフタレート(PET)の評価結果を併記した。
実 施 例 2 〜 4 及び 比 較 例 1
合成例2〜5で得られた共重合体CrM(実施例2)、CbE(実施例3)、CrE(実施例4)及びCHEVホモポリマーC(比較例1)を用いて、それぞれ被膜を作製し、実施例1と同様に血小板粘着挙動評価を行った。
図1(B)に、CHVEホモポリマーCから形成された被膜(C膜)に粘着した血小板の走査電子顕微鏡(SEM)像を示す。各被膜に粘着した血小板数と、粘着形態変化の進行度も図2に示す。
比 較 例 2
特許文献2(特開2013−121430号)の実施例に開示の手順に従って調製された、PMEA/PMMAブレンド膜(重量混合比50/50)について、実施例1と同様の手順によりPBSに室温で3時間浸漬させた後、血小板粘着挙動評価を行った。
PMEA/PMMAブレンド膜に粘着した血小板数と、粘着形態変化の進行度も図2に示す。
なお、ポリ(2−メトキシエチルビニルエーテル)及びポリ(2−エトキシエチルビニルエーテル)については、いずれも20℃以下では水に溶解するため、それら被膜の血小板粘着挙動等の評価を行うことができなかった。
[ 結 果 ]
図1の(A)および(B)の対比からわかるように、本発明のCbM膜では、ほとんど血小板が粘着しないのに対し、CHVEホモポリマーCから形成された被膜(C膜)では、血小板の粘着が確認された。
また、図2に明示されるように、疎水性のC膜(比較例1)では、参照試料として用いたポリエチレンテレフタレート(PET)と同等、あるいは、それ以上に血小板が粘着し、活性化したのに対し、実施例1〜4で得られた本発明の抗血栓被膜(CbM膜、CrM膜、CbE膜およびCrE膜)では、共重合体が疎水性のCHVEを60モル%以上含んでいるにもかかわらず、いずれの場合も血小板の粘着及び活性化が大きく抑制されていた。
この結果から、側鎖にエーテル結合を介してアルコキシエチレン基を有する種々の共重合体が極めて優れた血液適合性を示すことが明らかとなった。なお、これらの共重合体は、疎水性のCHVEを60モル%以上含むものであるが、製膜性、耐水溶性も有するものであった。
また、より親水性の高いMOVEを有するCbM膜およびCrM膜においては、血液適合性高分子として公知のPMEA(比較例2)と比較しても著しく血小板粘着及び活性化が抑制されていた。この傾向はブロック共重合体(CbM)の方がより顕著であった。
以上説明したように、本発明の生体適合性コポリマーで形成された皮膜は、血小板の粘着を防ぐことができ、これに引き続き起こる血栓の生成も防止することができる。
従って、この生体適合性コポリマーを含む本発明の抗血栓コーティング剤を用いて形成される抗血栓被膜は優れた抗血栓性を有し、特に血液と接する医療用具にこの抗血栓被膜を形成させることで、血栓の生成を防ぐことが可能となる。
このように本発明は、医療分野および医療用具製造の分野において、極めて有用である。



Claims (12)

  1. 少なくとも1種の、下記式(1)
    (式中、Rはメチル基またはエチル基を示す)
    で表される繰り返し単位(A)と、少なくとも1種の、下記式(2)
    (式中、Rは脂環式炭化水素基を示す)
    で表される繰り返し単位(B)を含有する生体適合性コポリマーと、有機溶媒とを含む抗血栓コーティング剤。
  2. 生体適合性コポリマーが、前記繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)の組成比(モル比)が90/10〜10/90である請求項1記載の抗血栓コーティング剤。
  3. 生体適合性コポリマーが、繰り返し単位(A)からなるセグメントAと、繰り返し単位(B)からなるセグメントBをブロック共重合体として含む請求項1または2記載の抗血栓コーティング剤。
  4. 生体適合性コポリマーの、繰り返し単位(A)における基Rがメチル基である請求項1ないし3の何れかの項記載の抗血栓コーティング剤。
  5. 生体適合性コポリマーの、繰り返し単位(B)における基Rが炭素数5〜15の単環式の脂環式炭化水素基である請求項1ないし4の何れかの項記載の抗血栓コーティング剤。
  6. 生体適合性コポリマーの、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が、1.0〜3.0である請求項1ないし5の何れかの項記載の抗血栓コーティング剤。
  7. 有機溶媒が、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン及びエステルからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1ないし6の何れかの項記載の抗血栓コーティング剤。
  8. 生体適合性コポリマーが、0.05〜10質量部であり、有機溶媒が99.95〜90質量部である請求項1ないし7の何れかの項記載の抗血栓コーティング剤。
  9. 請求項1ないし8の何れかの項に記載の抗血栓コーティング剤に含まれる生体適合性コポリマーから形成された抗血栓被膜。
  10. 請求項1ないし8の何れかの項に記載の抗血栓コーティング剤に含まれる生体適合性コポリマーから形成された抗血栓被膜を備えた医療用具。
  11. 抗血栓被膜を備えた部位は、血液と接触する部位の一部または全部である請求項10記載の医療用具。
  12. 体内埋め込み型の人工器官または治療器具、体外循環型の人工臓器類、カテーテル類、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、輸血用具または血液の体外循環回路である請求項10または11記載の医療用具。
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