JP2001186770A - 電源装置およびこれを用いた電動機または圧縮機駆動システム - Google Patents

電源装置およびこれを用いた電動機または圧縮機駆動システム

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JP2001186770A JP37232899A JP37232899A JP2001186770A JP 2001186770 A JP2001186770 A JP 2001186770A JP 37232899 A JP37232899 A JP 37232899A JP 37232899 A JP37232899 A JP 37232899A JP 2001186770 A JP2001186770 A JP 2001186770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 力率を改善し、高調波電流を抑制するように
構成された能動素子を用いた電源装置において、電源半
周期に1回もしくは複数回だけスイッチングすると異音
や騒音が発生していた。また、力率改善のために出力す
るパルスによる振動を打ち消すような逆位相の振動を発
生させるパルスを出力して、振動を打ち消すように動作
させてもリアクトル自身のばらつきや通電状態による特
性変化のため、振動を打ち消さず逆に助長させる可能性
があり、異音や騒音を低減しきれていなかった。 【解決手段】 本発明は、スイッチ素子による短絡手段
にて短絡電流を流すことによって力率改善を行い、電源
半周期に1回もしくは複数回の短絡手段の動作によるリ
アクトルの異音や騒音を抑制するため、電源半周期の一
部区間のみPWMに基づいて短絡手段を動作させるもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、力率を改善し高
調波を抑制する電源装置及びこの電源装置を用いた電動
機または圧縮機駆動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】図14は、特開平10−178780号
公報に示された従来の直流電源装置を示す。図におい
て、101は交流電源、102はリアクトル、103は
第1のダイオードブリッジ、104は短絡素子、105
は第2のダイオードブリッジ、106,107,108
は平滑用電解コンデンサ、109は負荷、110はゼロ
クロス検出手段、111は駆動信号生成手段、112は
短絡素子駆動手段である。
【0003】次に、図14に示した直流電源装置の動作
を説明する。短絡素子104が動作しない場合は、この
直流電源装置は、一般的に知られた倍電圧整流回路とな
り、交流電源101の電源電圧ピークの2倍の値が平滑
コンデンサ108の両端出力として整流される。その場
合、平滑コンデンサ106,107,108への充電に
基づき、電源力率は決定されるため、電源力率は低いも
のとなる。一方、交流電源101の零点を通過した後、
短期間だけ短絡素子104が動作した場合、交流電源1
01がリアクトル102を介して第1のダイオードブリ
ッジ103と短絡素子104に短絡することになる。こ
の結果、リアクトルに短絡電流が流れることになり、倍
電圧整流では不通電期間であった期間にも電流が流れる
ので、電源力率を大きく向上させることができる。しか
も、この直流電源装置の制御は交流電源101の零点通
過後に短期間だけ短絡素子104を動作させるだけなの
で、複雑な制御を必要としない簡易な制御にて短絡素子
104を動作させることが可能である。また、このよう
な電源力率の改善方式は、例えば、特開平2−2994
70号公報や特開平7−7946号公報に示されている
技術であり、この旨は特開平10−178780号公報
にも記載されている。
【0004】しかしながら、上述の特開平10−178
780号公報、特開平2−299470号公報や特開平
7−7946号公報の技術では、リアクトル102から
「ジー」というような不快な騒音が発生するといった問
題点があげられており、図14に示される特開平10−
178780号公報において、前記騒音の発生を簡易な
構成により経済的に低減し得る技術が示されている。
【0005】図14において、ゼロクロス検出手段11
0が電源のゼロクロスを検出し、ゼロクロス通過後の所
定の短期間に短絡素子104を短絡する前後の少なくと
も一方で、前記短絡をした期間よりも短い期間だけ短絡
素子104が動作し短絡するものである。そして、前記
長い短絡期間を力率改善パルス、前記短い短絡期間を騒
音低減パルスとし、図15に示されるように力率改善パ
ルスと騒音低減パルスの2つのパルスにて短絡素子10
4を動作させて、騒音低減を実現しようとするものであ
る。
【0006】前記力率改善パルスは力率を改善するため
のものであり、前記騒音低減パルスは、騒音を低減する
ものである。そして、騒音低減パルスは、リアクトル1
02の固有振動周期の略1/6の期間だけの間隔をあ
け、略1/6の期間だけ短絡するといったもので、力率
改善パルスによりリアクトル102に発生した自由振動
と前記騒音低減パルスにより発生したリアクトル102
の自由振動が干渉し、振動を打ち消すような間隔と短絡
を短絡素子104に行わせて、リアクトル102からの
不快な騒音を低減するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−1787
80号公報に示される技術は、リアクトル102の騒音
を低減するためにリアクトル102の固有振動周期の1
/6の周期の振動を騒音低減パルスにて与えて、力率改
善パルスによる振動を打ち消している。しかしながら、
力率改善パルスに起因して発生するリアクトル102の
振動は、リアクトル102の固有振動数が変化すると変
化する。リアクトル102の固有振動数は、リアクトル
102の強度ばらつきや個体ばらつき、通電によるリア
クトル102の特性変化や温度変化、さらにはリアクト
ル102の取付環境や取付強度などで変化してしまう。
【0008】したがって、リアクトル102の固有振動
数に対しその振動を打ち消すような振動を与えて騒音低
減しようとしても、騒音低減パルスがリアクトル102
の固有振動数の変化に対し変化しない場合、振動を打ち
消さずに逆に助長してしまう恐れがある。
【0009】また、現在出力している騒音低減パルスが
リアクトル102の固有振動を打ち消すような振動を与
えているかどうか検出する場合、その振動を検出するた
めに何らかの検出手段が必要となり、コストアップにつ
ながる。リアクトルの剛性アップや周囲を防音材で囲む
などといった騒音対策の方が上記検出手段を設けるより
も低コストになる可能性もある。また、仮に検出手段を
設けて検出したとしても検出手段にて精度良く検出でき
ない場合、固有振動を助長するような騒音低減パルスを
出力してしまう恐れもある。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、リアクトル102の固有振動数
が変化しても騒音を低減することにあり、更に言えば、
力率改善を簡易な制御によって実現し、且つ騒音も併せ
て容易な方法で低減することにより、低コストでそれら
を実現するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る電源装置は、交流電源からの交流電圧を直流電圧に整
流する整流器と、この整流器に接続されたリアクトル
と、前記交流電源を短絡する短絡手段と、交流電源に同
期した信号に基づいて、パルス幅変調信号を前記短絡手
段へ出力する制御手段とを備えたものである。
【0012】本発明の請求項2に係わる電源装置は、交
流電源からの交流電圧を直流に整流する整流器と、この
整流器に接続されたリアクトルと、前記整流器の出力電
圧を平滑する平滑手段と、前記交流電源を短絡する短絡
手段と、交流電源に同期した信号に基づいて、前記平滑
手段への充電電流が流れ出す前までパルス幅変調信号を
前記短絡手段へ出力する制御手段とを備えたものであ
る。
【0013】本発明の請求項3に係わる電源装置は、交
流電源からの交流電圧を直流に整流する整流器と、この
整流器に接続されたリアクトルと、前記整流器の出力電
圧を平滑する平滑手段と、この平滑手段と接続する負荷
手段と、前記交流電源を短絡する短絡手段と、前記負荷
手段の負荷量を検出する負荷量検出手段と、前記負荷手
段の負荷量に基づいてパルス幅変調信号を前記短絡手段
へ出力する制御手段とを備えたものである。
【0014】本発明の請求項4に係わる電源装置は、制
御手段が交流電源に同期した電源同期信号に基づいて短
絡手段を予め決められた所定の期間だけ開閉動作し、所
定期間中の動作をパルス幅変調制御するものである。
【0015】本発明の請求項5に係わる電源装置は、制
御手段が、交流電源の電源同期信号に基づいて決められ
た所定期間だけ遅延され、前記平滑手段への充電電流が
流れ出す前までの前半期間と前記平滑手段への充電電流
のピークからある所定時間だけ遅延され、交流電源の電
圧極性変化点より所定時間前までの後半期間と2つの期
間のパルス幅変調信号を出力するものである。
【0016】本発明の請求項6に係わる電源装置は、制
御手段が開閉動作によって発生する音を低減するような
パルス幅としたパルス幅変調信号を出力するものであ
る。
【0017】本発明の請求項7に係わる電源装置は、短
絡手段が開閉動作する所定期間の終了時は前記制御手段
のパルス幅変調信号を小さくするものである。
【0018】本発明の請求項8に係わる電源装置は、短
絡手段が開閉動作する所定期間中、前記制御手段のパル
ス幅変調信号を徐々に減少していくものである。
【0019】本発明の請求項9に係わる電源装置は、短
絡手段が開閉動作する所定の期間中、前記制御手段のパ
ルス幅変調信号を所定の前半期間の終了時と所定の後半
期間の開始時は小さくするものである。
【0020】本発明の請求項10に係わる電源装置は、
短絡手段が開閉動作する所定の期間中、前記制御手段の
パルス幅変調信号を前記前半期間中は徐々に減少し、前
記後半期間中は徐々に増加していくものである。
【0021】本発明の請求項11に係わる電源装置は、
前記制御手段のパルス幅変調信号が、予め決められた最
大値と予め決められた最小値とを直線的に変化するもの
である。
【0022】本発明の請求項12に係わる電源装置は、
前記制御手段のパルス幅変調信号が、交流電源の電圧値
に応じて変化するものである。
【0023】本発明の請求項13に係わる電源装置は、
前記制御手段のパルス幅変調信号が、交流電源の電源同
期信号に基づいて予め与えられた数式に応じて変化する
ものである。
【0024】本発明の請求項14に係わる電源装置は、
短絡手段とリアクトルが直流側に配置され、整流器の出
力側をリアクトルを介して短絡するよう構成されたもの
である。
【0025】本発明の請求項15に係わる電源装置は、
短絡手段が直流側、リアクトルが交流側に配置され、整
流器の出力側を短絡手段にて短絡するよう構成されたも
のである。
【0026】本発明の請求項16に係わる電源装置は、
短絡手段とリアクトルが交流側に配置され、整流器の入
力側だけで短絡手段にて短絡するように構成されたもの
である。
【0027】本発明の請求項17に係わる電源装置は、
短絡手段およびリアクトルが交流側に配置され、且つ倍
電圧整流と全波整流とをリレーによって切り替えること
が可能な整流器とを備え、負荷量に応じて倍電圧と全波
整流とを切り替えるものである。
【0028】本発明の請求項18に係わる電源装置は、
短絡手段および整流器を1つの半導体とするものであ
る。
【0029】本発明の請求項19に係わる電源装置は、
短絡手段、整流器、制御手段とを1つの半導体とするも
のである。
【0030】本発明の請求項20に係わる電源装置は、
平滑コンデンサに並列に接続されている負荷はスイッチ
素子6ケにて構成されたインバータであり、インバータ
を構成する6ケのスイッチ素子も前記半導体内部に取り
入れた半導体を使用しているものである。
【0031】本発明の請求項21に係わる電動機は、前
記請求項1ないし請求項20に記載の電源装置を電動機
に備えたものである。
【0032】本発明の請求項22に係わる圧縮機駆動シ
ステムは、前記請求項1ないし請求項20に記載の電源
装置を縮機駆動システムに備えたものである。
【0033】本発明の請求項23に係わる圧縮機駆動シ
ステムの圧縮機はHFC系冷媒を用いたものである。
【0034】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の
実施の形態1を示す回路ブロック図である。図1におい
て、1は交流電源、2はダイオードで構成され交流電源
1を整流する整流器、3は交流電源1と整流器2との間
に挿入されたリアクトル、4は整流器2の出力電圧を平
滑する平滑コンデンサ、5は電源装置(電源装置)の出
力部に接続される負荷、6は電源同期信号を生成する同
期信号生成部、7は平滑コンデンサ4より交流電源1側
に配置され同期信号生成部6に基づいて電源を短絡させ
る電源短絡手段、8は電源短絡手段7をPWM制御する
PWM制御部、9は負荷5の負荷量を検出する負荷量検
出手段である。
【0035】図1の動作について説明する。図1に示す
電源短絡手段7が動作しない場合、図2に波線に示すよ
うな入力電流が流れる。これは、整流器2と平滑コンデ
ンサ4のみによる整流であるためである。このようなコ
ンデンサインプット電流に対し、電源短絡手段7を図2
に示すようなSW駆動信号にて動作させると図2の実線
で示される入力電流が流れる。
【0036】これは、電源短絡手段7が動作したことに
よって交流電源1をリアクトル3を介して短絡したた
め、短絡電流が流れ、コンデンサインプットでは流れな
い区間に電流が流れるようになる。従って、力率が改善
されるのであるが、この力率改善方式は前記特開平2−
299470号公報や特開平7−7946号公報に示さ
れている力率改善方式と考え方は同じである。
【0037】しかしながら、特開平2−299470号
公報や特開平7−7946号公報に示されている技術で
は、電源半周期に1回もしくは複数回のスイッチング動
作であるため、それが電源半周期毎に発生しリアクトル
3を振動させて騒音を発生させるという課題がある。図
3は特開平2−299470号公報や特開平7−794
6号公報に示されている技術である電源半周期に1回だ
けスイッチング素子を動作させた場合の動作波形を示し
ている。
【0038】そこで、これから特開平2−299470
号公報や特開平7−7946号公報に示されている技術
における騒音発生のメカニズムについて述べる。電源短
絡手段7の動作時、交流電源1から流れ出た電流は、リ
アクトル3、電源短絡手段7を介して交流電源1に戻る
電流経路が形成される。この場合、電源系統や製品での
配線のインピーダンスなどの微少インピーダンスを無視
すれば、電源短絡手段7の動作時の電流は、リアクトル
3のインピーダンスをL、交流電源1の電圧をVとする
と、V=Ldi/dtにて近似される。
【0039】また、電源短絡手段7がオン状態からオフ
状態になった場合、短絡電流の流れる経路が無くなるた
め、整流器2が理想ダイオードにて構成されていたとす
ると、V=Ldi/dt+1/C∫idtと表される。
この場合、オフになった瞬間のリアクトル3に流れてい
た電流が初期値として与えられる。
【0040】このように、電源短絡手段7のオン状態か
らオフ状態になる瞬間の電流変化量(di/dt)の大
きさによって、異音や騒音が発生してしまうのである。
図4は、異音や騒音の原因となるdi/dtの変化部を
示す波形図であり、図4の右側の波形図は変化部の拡大
図である。この図4に示すdi/dtの変化が騒音とし
て発生するのである。
【0041】そこで、前記di/dtの変化が小さくな
るように、図3に示す電源半周期毎に1回オンとなる駆
動信号をPWM化して図2のように駆動信号を生成し、
そのPWMのオンdutyを徐々に小さくなるようにす
る。そうして最終的にオンdutyが0%になるように
PWM制御部8にて電源短絡手段7を動作させる。di
/dtは電流の時間変化率であるので、電源短絡手段7
での短絡時間が短くなればなるほど電流の時間変化率は
小さくなり、騒音や異音の原因となるdi/dtの変化
を小さくするものである。なお、PWMとは多数回のス
イッチングをおこなわせて複数コのパルスのパルス幅を
変調制御する制御方式であり、一般的には、パルス幅変
調と呼ばれている。なお、PWM制御について、以下の
とおり簡単に説明する。PWM制御とは、キャリヤ周期
(キャリヤ周波数)を一定として、その一定のキャリヤ
周期において、オンする時間とオフする時間の比率を変
化させることによって、スイッチング素子の導通率を変
化させる方式である。例えば、図16に示すとおり、
(a)で示す一定のキャリア周期の搬送波(三角波)が
あり、(b)にオン時間を示すdutyの指令がある。
このdutyの指令に従い、スイッチイグ素子のオンオ
フ信号(図16(c)を生成する制御方式がPWM制御
である。
【0042】以上のことから、図2に示すように、交流
電源1のゼロクロスから平滑コンデンサ4へ充電電流が
流れ出す期間の間に電源短絡手段7をPWM動作させ、
しかも、PWMのオンdutyは交流電源1のピークが
近づくにつれて小さくし、電源短絡手段7の動作停止直
前にPWMのオンdutyを0%にするようにすること
で、di/dtを最小限に小さくできる。その結果、異
音や騒音を低減することができる。
【0043】また、交流電源1は電源同期信号とともに
時間が経過すると徐々に大きくなり、上式でのVが大き
くなる。そのため、交流電源1のゼロクロス付近とピー
ク付近では、同時間のオンdutyであった場合、di
/dtはピーク付近の方が大きくなって、di/dtが
大きくなることは明らかである。
【0044】従って、図4に示した部分のdi/dtが
リアクトル3の音の主要因であり、この部分でPWMの
オンdutyが大きいと異音や騒音が発生してしまうた
め、PWMのオンdutyは一定値にて動作させた場合
では、異音や騒音を防止することはできない。また、オ
ンdutyを極端に低い値で一定にした場合、力率が改
善しなくなり、本技術である力率改善が為し得なくなる
ため、オンdutyは徐々に小さくしていくのが望まし
い。
【0045】以上より、電源短絡手段7の動作を停止す
る直前は、できる限りdi/dtを小さくしなければな
らない。そのため動作停止直前は極力オンdutyを小
さくし、動作停止直前は0%となる必要があるが、図2
に示すように直線的に減少しなくとも動作停止直前にて
0%となれば上記と同等の効果があることは言うまでも
なく、例えば、近似式や段階状のテーブルとしてPWM
制御部8に与えたり、交流電源1の電圧値に応じて減少
させるようにしてもよい。また、動作停止直前のみきわ
めて細いパルス波形にパルス幅変調していくことにして
もよい。
【0046】さらに、図2においてはPWMの動作開始
時刻のオンdutyは100%となっているが、なにも
100%でなくとも良く、例えば、50%でも30%で
もよく、動作停止直前にて0%となれば上記と同等の効
果があることは言うまでもない。
【0047】また、PWMの動作開始直後は小さいオン
dutyで、いったん大きくした後からオンdutyを
小さくして、動作停止直前に0%とするように動作させ
ても上記と同等の効果があることも言うまでもない。
【0048】また、PWM制御部8のキャリア周波数が
低い場合、いくら小さいオンdutyにしたとしても、
異音や騒音が消えないことがある。これは、PWMのキ
ャリア周波数が低いと、オンdutyが小さくても相対
的にオン時間は長くなって、di/dtが大きくなって
しまうからである。PWMキャリア周波数は、高ければ
高いほどいいが、16kHz程度の可聴周波数領域外と
なるキャリア周波数であれば異音や騒音は全く聞こえな
くなる。
【0049】さらに、交流電源1のゼロクロス点に基づ
いて同期信号生成部6にて交流電源1に同期した同期信
号が生成される。負荷量検出部9にて負荷5の負荷量が
検出され、その負荷量に応じて、交流電源1のゼロクロ
ス点から電源短絡手段7の動作開始時刻がPWM制御部
8にて設定される。その設定値は、予めPWM制御部8
に格納されていても良いし、負荷量検出部9から検出さ
れる負荷量から演算にて求められるよう近似式を生成し
てPWM制御部8に与えておいても良い。負荷量に応じ
て変化させることができれば、どんな方法でも良いのは
言うまでもない。
【0050】そして、負荷量検出部9にて検出された負
荷量に応じた電源短絡手段7の動作開始時刻にてPWM
制御部8は動作を開始し、PWM動作を続ける時間も負
荷量検出部9にて検出された負荷量に応じて設定され
る。その設定されたPWM動作継続時間に対し、図2に
示すように直線的にPWMのオンdutyが減少したP
WMにてPWM制御部8は電源短絡手段7を制御する。
【0051】また、上記のように直線的にPWMのオン
dutyを設定しなくとも動作停止直前に小さくなって
いればよいことは前述の通りである。
【0052】以上のように負荷5の負荷量に応じてPW
Mを行う開始時刻およびPWMの動作時間は変化させた
ことによって、負荷5の負荷量が変化した場合でも、常
に力率を高い状態に維持し、発生する電源高調波電流を
抑制しつつ、特開平2−299470号公報や特開平7
−7946号公報に示されている技術にて問題となるリ
アクトル3から発生する異音や騒音を防止することがで
きる。
【0053】また、騒音原因となるdi/dtを小さく
したことで、リアクトルのばらつきや温度などによる固
有振動数の変化などに関係することなく、異音や騒音を
低減することができる。
【0054】さらに、通常、リアクトル3自身の騒音対
策のため、巻線や鉄心をモールドしたり、遮音密閉した
りして対策されるが、騒音原因となるdi/dtを小さ
くして騒音、異音を低減したため、モールドや遮音密閉
する必要がなくなり、解体、分解が容易になり、リサイ
クル性を向上させることができる。
【0055】また、di/dtが小さくなるように電源
短絡手段7を動作させればよいので、平滑コンデンサ4
の充電電流が流れる前後にて電源短絡手段7を図5に示
すように交流電源1のピークまではPWMのオンdut
yは小さくなるように動作させ、ピーク以後のオン開始
時刻はオンdutyを小さい状態から開始させていって
も異音や騒音は前記方法と同等の効果があることは言う
までもなく、平滑コンデンサ4の充電電流前後にて電源
短絡手段7を動作させているので、前記方法よりも力率
を向上させる更なる効果を有する。
【0056】この場合においても、負荷5の負荷量に応
じてPWMの動作期間を変更することによって、負荷量
の変化によらず力率を高い値に維持することができるよ
うになる。負荷量に応じて変更する時間は、同期信号生
成部6にて生成された同期信号からPWMを開始する開
始時刻、そのPWM開始動作の動作時間、交流電源1の
ピーク値を過ぎた後のPWMの動作開始時刻、PWMの
動作停止時刻の4点であり、この4点を変更することに
よって負荷5の負荷量に適した力率に改善することがで
きる。
【0057】以上のように電源装置を構成しPWM制御
することによって、負荷に応じた力率に向上させること
ができ、かつ電源高調波電流をも抑制することができ
る。更に、簡易な方法にて行う力率改善方式の場合、リ
アクトルより発生してしまう異音や騒音をもオンdut
yをPWM制御することによって異音や騒音を完全に防
止することができる。
【0058】また、リアクトルのばらつきや温度変化な
どにて変化するリアクトルの固有振動数にも影響される
ことのない方法であるため、製品を量産した際の製品の
ばらつきによる騒音発生の信頼性を高めることができ
る。
【0059】また、電源半周期の一部期間のみのPWM
であるため、PWMによる動作損失が少なく、全区間動
作させる方式よりも効率を高め、PWMによるノイズ発
生量を低減することもできる。
【0060】さらに、図1において、リアクトル3が整
流器2の入力側である交流リアクトルとなっているが、
リアクトル3は電源短絡手段7よりも交流電源1側に配
置されていれば良く、図1に示す回路ブロック図では電
源短絡手段7が交流側に接続されているため、交流リア
クトルになっている。例えば、電源短絡手段7が直流側
にある場合、リアクトル3は交流側でも直流側でもどち
らでも良く、リアクトル3が交流側に配置されている場
合、図6のように構成され、リアクトル3が直流側に配
置されている場合、図7のように構成される。いずれの
場合にしても、上記で述べた図1とPWM制御の方式は
同一であるため、同じ動作となり、同等の効果となるこ
とは言うまでもない。
【0061】実施の形態2.図8は、本発明の実施の形
態2を表す回路ブロック図である。図8において、10
は電源短絡手段7を構成するスイッチ素子、11はスイ
ッチ素子10へ直流を与えるダイオードブリッジ、12
は整流器2の出力を平滑する第1の平滑コンデンサ、1
3は整流器2の出力を平滑する第2の平滑コンデンサ、
14は負荷となる圧縮機、15は圧縮機14を駆動する
インバータ、16は圧縮機14に使用されている電動機
の回転子の位置を検出する位置検出部、17は位置検出
部16の出力に従いインバータ15をPWMにて圧縮機
の回転数制御を行うインバータ制御部である。
【0062】まず、図8は図1に示される回路ブロック
図を実際の回路素子に置き換えたものであり、図1と図
8との対応について説明する。スイッチ素子10とし
て、例えば図8に示すようにIGBTを用いた場合、ス
イッチ素子10とダイオードブリッジ11にて図1に示
す電源短絡手段7を形成することができる。
【0063】また、図8において、インバータ15に圧
縮機14が接続され、図1における負荷5として構成さ
れている。さらに、例えば圧縮機14に搭載されている
電動機がブラシレスモータであった場合、位置検出部1
6にて電動機の回転子の位置を検出し、その検出値に応
じてインバータ制御部が回転数制御されるが、回転数や
インバータ15からの出力電圧によって負荷5である圧
縮機14とインバータ15の負荷量の検出は可能である
ので、位置検出部16およびインバータ制御部17が図
1に示す負荷量検出部9としても差し支えなく、その信
号に基づいてPWM制御部8は負荷量に応じた所定の値
を変更するように動作する。
【0064】また、さらに、図1の整流器2の出力側に
接続されている平滑コンデンサ4は、図8の第1の平滑
コンデンサ12と第2の平滑コンデンサ13にて構成さ
れる。それは、図8に示すように整流方式を倍電圧整流
とした場合、交流電源1の半周期毎に第1の平滑コンデ
ンサ12と第2の平滑コンデンサ13とが交互に充電さ
れ、インバータ15に入力される電圧は交流電源1のピ
ーク値の約2倍の電圧となり、インバータ15からみれ
ば、第1の平滑コンデンサ12と第2の平滑コンデンサ
13は直列接続の1ケの平滑コンデンサ4を見なすこと
ができるからである。
【0065】また、図示してはいないが、直列に接続さ
れた第1の平滑コンデンサ12と第2の平滑コンデンサ
13と並列に更にもう1個の平滑コンデンサを配置して
も回路動作は同一となることは言うまでもない。
【0066】以上より本発明の実施の形態2で示した図
8を前記実施の形態1にて示した図1と比較した場合、
図8の回路は、図1と同一の回路構成を有していること
がわかる。そのため、図8でも実施の形態1に示した動
作と同様な動作をPWM制御部8にて制御させることに
よって、力率改善を簡易な制御によって実現でき、か
つ、異音や騒音を抑制することが可能となる。さらに
は、インバータ制御部17から圧縮機の回転数やインバ
ータ15から出力する出力電圧などの情報(負荷量)が
PWM制御部8へ出力され、前記の情報に応じて電源短
絡手段7のPWM開始時刻やPWM動作時間を変更する
ことで、負荷量に応じた変更と同等な効果を有すること
ができる。
【0067】以上のように図8にて示された実施の形態
は、実施の形態1に示した図1における負荷5がインバ
ータ15と圧縮機14の負荷である以外、ほぼ同一であ
り、インバータ制御部8からの信号によりPWM制御部
でのPWM動作を変更している点以外には、何ら差異は
なく、実施の形態1にて示した同等な効果があることは
言うまでもない。
【0068】さらには、圧縮機14およびインバータ1
5を負荷5としたことによって、図1における負荷5の
負荷量を検出する負荷量検出部9は既存のインバータ制
御部17および位置検出部16にて代用することがで
き、コストアップ無しで、負荷量を検出することが可能
となる。また、圧縮機に適用する場合、スイッチ素子を
電源半周期中の一部区間のみの動作であるため、電源半
周期中の全区間スイッチ素子を動作させるより、漏洩電
流が低減できる。特に、HFCなどの誘電率の高い代替
冷媒に使用する場合、代替冷媒による漏洩電流増加分を
本発明の力率改善方式によって抑制できる。
【0069】また、図5のように平滑コンデンサへの充
電電流が流れる前後の区間ともスイッチ素子10を動作
させても、図5に示すようにPWMのオンdutyを徐
々に小さくして0%とし、0%から徐々に大きくしてい
くように制御させても、実施の形態1と同等の効果があ
ることは言うまでもない。
【0070】さらに、図2や図5に示したように直線的
に減少、増加させなくとも、実施の形態1で述べたとお
りにオンdutyを設定すれば騒音抑制の効果があるこ
とは言うまでもない。
【0071】また、電源装置のPWM制御部8とインバ
ータ制御部17を1つのCPUにて構成しても、別のC
PUであっても何ら問題はなく、同様の効果があること
は言うまでもない。
【0072】また、図8では倍電圧整流の整流方式に交
流側の電源短絡手段7にて説明しているが、図示しない
ものの交流側に電源短絡手段7を配置した場合、整流方
式は倍電圧整流方式でなくともよく、全波整流方式でも
上述と同等効果があることは言うまでもない。
【0073】さらに、実施の形態2では図1に対応した
図8にて説明しているが、図6および図7の回路ブロッ
ク図に示すように、直流側に電源短絡手段7を配置した
場合、図9、図10、図11のように構成される。図
9、図11に示される全波整流との組み合わせの場合、
電源短絡手段7はスイッチ素子10および平滑コンデン
サ4からの逆流を防止する逆流防止ダイオード20で構
成されることになり、図8にて構成された電源短絡手段
7と異なるが、目的は同一である同等効果を有する。
【0074】また、図10のように倍電圧整流との組み
合わせの場合、電源短絡手段7は第1のスイッチ素子2
1および第2のスイッチ素子22にて電源半周期毎に交
互に動作し、第1の平滑コンデンサ12からの逆流を防
止する第1の逆流防止ダイオード22、第2の平滑コン
デンサ13からの逆流を防止する第2の逆流防止ダイオ
ード23で構成されることになり、図8にて構成された
電源短絡手段7と異なるが、目的は同一であり同等効果
を有する。また、図示はしていないが図10のリアクト
ル3を直流側に配置する構成でも同等効果を有する。
【0075】実施の形態3.図12は本発明の実施の形
態3を表す回路ブロック図であり、25は図8における
整流器2と第1の平滑コンデンサ12と第2の平滑コン
デンサ13の中点との間に接続されたリレーである。図
12はリレー25を前記整流器2と平滑コンデンサ12
と13の中点に挿入された以外は図8と違いのない回路
ブロック図である。
【0076】図12も図8と同様に電源短絡手段7を構
成しているスイッチ素子10をPWMにて駆動し、その
オンdutyを徐々に減少させることによって、簡易な
制御方法にて力率を改善しつつ、簡易的な方法にて発生
する異音や騒音を抑制するものである。
【0077】図12の違いは、リレー25によって整流
方式が倍電圧整流と全波整流とに切り替えができるとい
う点である。圧縮機の場合、回転数が低い方が負荷は軽
く、回転数が高くなるにつれて負荷は重くなっていく。
負荷量が軽い場合、インバータ15の入力電圧である直
流母線電圧が低いほど、圧縮機14およびインバータ1
5の効率は高くなる。そのため、負荷が軽い状態は、リ
レー25をオフして全波整流とし、直流母線電圧を低く
して効率を高める。負荷の検出は、前記実施の形態2で
も述べたとおり、圧縮機14の回転数やインバータ15
からの出力電圧などから推測できる。
【0078】負荷が重くなるにつれ、リレー25をオン
して倍電圧整流とすることで、直流母線電圧を高くする
ことができる。ここで、直流母線電圧を高くする理由で
あるが、直流母線電圧以上の電圧をインバータ15から
出力することはできない。圧縮機14は電動機負荷であ
るが、電動機の場合、電動機に印加される電圧にて出力
が決定され、電圧が低いと必要とする出力を電動機が出
力できなくなる。従って、負荷が重くなった場合、直流
母線電圧を高くするため、倍電圧整流に切り替えるよう
に動作させる。
【0079】以上のようにリレー25を動作させる以外
は、前述までの実施の形態1もしくは2と回路構成およ
び制御方法が変わるものではないので、前記実施の形態
1や2で述べたものと同等の効果があるのは言うまでも
ない。それ以上に、リレー25によって各負荷領域にお
いて電源装置だけでなく、負荷として接続されている圧
縮機やインバータの効率を上昇させることができ、前記
実施の形態1および2の発明より高い効果を有する電源
装置を提供することができる。
【0080】実施の形態4.図13は本発明の実施の形
態4を示す回路ブロック図である。図13において、図
8と同一構成要素は同じ番号を付し、説明を略する。図
13において、30は1つのパッケージとなっている半
導体であり、AからGで示してあるのは半導体30の端
子である。
【0081】図13に示すように、図8に示すスイッチ
素子10、ダイオードブリッジ11、整流器2の3ケの
部品を1つの半導体とすることができるので、装置の小
型化軽量化を実現できる。また、本発明の制御方法は、
図2に示すような一部区間を高周波にてスイッチ素子を
動作させるものであり、ノイズが発生するが、電源短絡
手段7と整流器2との配線距離を短くすることによっ
て、スイッチ動作にて発生するノイズを低減させること
が可能となり、装置の信頼性を向上させることができ
る。また、加工に要する作業が少なくなり、作業に対す
る信頼性および作業性を向上させ、作業にかかる費用を
低減させることができる。
【0082】図13には、図8に示した回路ブロックを
1つの半導体モジュールとしたが、なにも図8の回路構
成に限ったことではなく、図9、図10、図11に示す
回路構成でも1つの半導体としても上記と同等な効果が
あることは言うまでもない。
【0083】また、図13では、パワー素子のみを半導
体化することにて説明しているが、同期信号生成部6も
しくはPWM制御部8の何れか一方または両方を上記半
導体内部に含めても、同等の効果を有することは言うま
でもない。さらに、パワー系回路と制御信号系回路とを
隣接することによって、ノイズに対する影響を極力小さ
くできるので、スイッチ素子の誤作動がなくなり、誤作
動防止用素子を廃止することができ、コスト低減を実現
できる。また、部品を集約でき、更なる小型化軽量化に
寄与し、作業性が向上、作業に必要とする費用を低減で
きる。
【0084】さらに、インバータ15の6ケの素子をも
前記半導体に含めると、更なる装置の小型化軽量化が実
現できる。また、部品の集約による一括放熱を行うこと
ができ、半導体部品への発熱対策の信頼性を向上させる
ことができる。さらに、部品数低減による作業性も向上
させることができ、作業にかかる費用も更に低減でき
る。また、ノイズ発生原因を集約したことによって、ノ
イズ発生部分を特定化でき、ノイズ対策を容易にし、装
置の信頼性を向上させることができる。また、配線の短
縮化によるノイズ発生量を一段と抑制することも可能と
なる。
【0085】本実施の形態においては、電源短絡手段を
設けて電源装置を構成し、負荷に応じた電源短絡手段を
PWM制御することによって、負荷に応じた力率に向上
させることができ、かつ電源高調波電流をも抑制するこ
とができる。更に、簡易な方法にて行う力率改善方式の
場合、リアクトルより発生してしまう異音や騒音をもオ
ンdutyをPWMによる制御にて異音や騒音を完全に
防止する方法を提供することが可能となる。
【0086】また、リアクトルのばらつきや温度変化な
どにて変化するリアクトルの固有振動数にも影響される
ことのない方法であるため、製品を量産した際の製品ば
らつきによる騒音発生の信頼性を高めることができる。
また、電源半周期の一部期間のみのPWMであるため、
PWMによる動作損失が少なく、全区間動作させる方式
よりも効率を高め、PWMによるノイズ発生量を低減す
ることもできる。
【0087】さらに、通常、リアクトル3自身の騒音対
策のため、巻線や鉄心をモールドしたり、遮音密閉した
りして対策されるが、騒音原因となるdi/dtを小さ
くして騒音、異音を低減したため、モールドや遮音密閉
する必要がなくなり、解体、分解が容易になり、リサイ
クル性を向上させることができる。
【0088】また、di/dtが小さくなるように電源
短絡手段7を動作させればよいので、平滑コンデンサ4
の充電電流が流れる前後にて電源短絡手段7を図5に示
すように交流電源1のピークまではPWMのオンdut
yは小さくなるように動作させ、ピーク以後のオン開始
時刻はオンdutyを小さい状態から開始させていって
も異音や騒音は前記方法と同等の効果があることは言う
までもなく、平滑コンデンサ4の充電電流前後にて電源
短絡手段7を動作させているので、前記方法よりも力率
を向上させる更なる効果を有する。
【0089】さらには、圧縮機14およびインバータ1
5を負荷5としたことによって、負荷5の負荷量を検出
する負荷量検出部9は既存のインバータ制御部17およ
び位置検出部16にて代用することができ、コストアッ
プ無しで負荷量を検出することが可能となるので、負荷
量に応じた細かな力率改善の制御が可能になる。
【0090】また、圧縮機に適用する場合、スイッチ素
子を電源半周期中の一部区間のみの動作であるため、電
源半周期中の全区間スイッチ素子を動作させるより、漏
洩電流が低減できる。特に、HFCなどの誘電率の高い
代替冷媒に使用する場合、代替冷媒による漏洩電流増加
分を抑制できる。
【0091】また、リレー25を追加することによっ
て、各負荷領域において、電源装置部分の効率だけでな
く、負荷として接続されている圧縮機やインバータの効
率を上昇させることができ、前記実施の形態1および2
の発明より高い効果を有する電源装置を提供することが
できる。
【0092】スイッチ素子10、ダイオードブリッジ1
1、整流器2の3ケの部品を1つの半導体とすることが
できるので、装置の小型化軽量化を実現できる。また、
一部区間を高周波にてスイッチ素子を動作させるもので
あり、ノイズが発生するが、電源短絡手段7と整流器2
との配線距離を短くすることによって、スイッチ動作に
て発生するノイズを低減させることが可能となり、装置
の信頼性を向上させることができる。また、加工に要す
る作業が少なくなり、作業に対する信頼性および作業性
を向上させ、作業にかかる費用を低減させることができ
る。
【0093】
【発明の効果】本発明は、以上の構成により、力率改善
を簡易な制御によって実現し且つ、騒音も低減すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す回路ブロック図
である。
【図2】 本発明の実施の形態1を示す動作波形図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態1を説明するための従来
技術の動作波形図である。
【図4】 本発明の実施の形態1を説明するための異音
発生部の電流波形図である。
【図5】 本発明の他の実施の形態1を示す動作波形図
である。
【図6】 本発明の他の実施の形態1を示す回路ブロッ
ク図である。
【図7】 本発明の他の実施の形態1を示す回路ブロッ
ク図である。
【図8】 本発明の実施の形態2を示す回路ブロック図
である。
【図9】 本発明の他の実施の形態2を示す回路ブロッ
ク図である。
【図10】 本発明の他の実施の形態2を示す回路ブロ
ック図である。
【図11】 本発明の他の実施の形態2を示す回路ブロ
ック図である。
【図12】 本発明の実施の形態3を示す回路ブロック
図である。
【図13】 本発明の実施の形態4を示す回路ブロック
図である。
【図14】 従来の技術を示す回路ブロック図である。
【図15】 従来の技術を示す回路の動作波形図であ
る。
【図16】 本発明の実施の形態1のPWM制御の説明
図である。
【符号の説明】
2 整流器、3 リアクトル、4 平滑コンデンサ、6
同期信号生成部、7電源短絡手段、8 PWM制御
部、14 圧縮機、15 インバータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂廼辺 和憲 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H006 AA01 AA02 BB05 CA07 CB01 CB04 CB08 CC01 CC08 DB01 DC02 5H007 AA01 AA02 BB06 CA01 CB05 CC01 DB01 DC02 DC05 EA02

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源からの交流電圧を直流電圧に整
    流する整流器と、この整流器に接続されたリアクトル
    と、前記交流電源を短絡する短絡手段と、交流電源に同
    期した信号に基づいて、パルス幅変調信号を前記短絡手
    段へ出力する制御手段とを備えたことを特徴とする電源
    装置。
  2. 【請求項2】 交流電源からの交流電圧を直流に整流す
    る整流器と、この整流器に接続されたリアクトルと、前
    記整流器の出力電圧を平滑する平滑手段と、前記交流電
    源を短絡する短絡手段と、交流電源に同期した信号に基
    づいて、前記平滑手段への充電電流が流れ出す前までパ
    ルス幅変調信号を前記短絡手段へ出力する制御手段とを
    備えたことを特徴とする電源装置。
  3. 【請求項3】 交流電源からの交流電圧を直流に整流す
    る整流器と、この整流器に接続されたリアクトルと、前
    記整流器の出力電圧を平滑する平滑手段と、この平滑手
    段と接続する負荷手段と、前記交流電源を短絡する短絡
    手段と、前記負荷手段の負荷量を検出する負荷量検出手
    段と、前記負荷手段の負荷量に基づいてパルス幅変調信
    号を前記短絡手段へ出力する制御手段とを備えたことを
    特徴とする電源装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は交流電源に同期した電源
    同期信号に基づいて短絡手段を予め決められた所定の期
    間だけ開閉動作し、所定期間中の動作をパルス幅変調制
    御することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は交流電源の電源同期信号
    に基づいて決められた所定期間だけ遅延され、前記平滑
    手段への充電電流が流れ出す前までの前半期間と前記平
    滑手段への充電電流のピークからある所定時間だけ遅延
    され、交流電源の電圧極性変化点より所定時間前までの
    後半期間と2つの期間のパルス幅変調信号を出力するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は開閉動作によって発生す
    る音を低減するようなパルス幅としたパルス幅変調信号
    を出力することを特徴とする請求項1ないし3に記載の
    電源装置。
  7. 【請求項7】 前記短絡手段が開閉動作する所定期間の
    終了時は前記制御手段のパルス幅変調信号を小さくする
    ことを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
  8. 【請求項8】 前記短絡手段が開閉動作する所定期間
    中、前記制御手段のパルス幅変調信号を徐々に減少して
    いくことを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
  9. 【請求項9】 前記短絡手段が開閉動作する所定の期間
    中、前記制御手段のパルス幅変調信号を所定の前半期間
    の終了時と所定の後半期間の開始時は小さくすることを
    特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  10. 【請求項10】 前記短絡手段が開閉動作する所定の期
    間中、前記制御手段のパルス幅変調信号を前記前半期間
    中は徐々に減少し、前記後半期間中は徐々に増加してい
    くことを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段のパルス幅変調信号は、
    予め決められた最大値と予め決められた最小値とを直線
    的に変化することを特徴とする請求項6に記載の電源装
    置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段のパルス幅変調信号は、
    交流電源の電圧値に応じて変化することを特徴とする請
    求項6に記載の電源装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段のパルス幅変調信号は、
    交流電源の電源同期信号に基づいて予め与えられた数式
    に応じて変化することを特徴とする請求項6に記載の電
    源装置。
  14. 【請求項14】 短絡手段とリアクトルは直流側に配置
    され、整流器の出力側をリアクトルを介して短絡するよ
    う構成されたことが特徴である請求項6に記載の電源装
    置。
  15. 【請求項15】 短絡手段は直流側、リアクトルは交流
    側に配置され、整流器の出力側を短絡手段にて短絡する
    よう構成されたことが特徴である請求項6に記載の電源
    装置。
  16. 【請求項16】 短絡手段とリアクトルは交流側に配置
    され、整流器の入力側だけで短絡手段にて短絡するよう
    に構成されたことが特徴である請求項6に記載の電源装
    置。
  17. 【請求項17】 短絡手段およびリアクトルは交流側に
    配置され、且つ倍電圧整流と全波整流とをリレーによっ
    て切り替えることが可能な整流器とを備え、負荷量に応
    じて倍電圧と全波整流とを切り替えることが特徴である
    請求項3に記載の電源装置。
  18. 【請求項18】 前記短絡手段および整流器を1つの半
    導体とすることを特徴とする請求項6に記載の電源装
    置。
  19. 【請求項19】 前記短絡手段、整流器、制御手段とを
    1つの半導体とすることを特徴とする請求項3に記載の
    電源装置。
  20. 【請求項20】 前記平滑コンデンサに並列に接続され
    ている負荷はスイッチ素子6ケにて構成されたインバー
    タであり、インバータを構成する6ケのスイッチ素子も
    前記半導体内部に取り入れた半導体を使用していること
    を特徴とする請求項18又は19に記載の電源装置。
  21. 【請求項21】 前記請求項1ないし請求項20に記載
    の電源装置を電動機に設けたことを特徴とする電動機。
  22. 【請求項22】 前記請求項1ないし請求項20に記載
    の電源装置を圧縮機駆動システムに設けたことを特徴と
    する圧縮機駆動システム。
  23. 【請求項23】 前記圧縮機駆動システムの圧縮機はH
    FC系冷媒を用いたことを特徴とする請求項22記載の
    圧縮機駆動システム。
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