JP5045020B2 - モータ駆動用インバータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、モータ駆動用インバータ制御装置に関するものである。
汎用インバータなどで用いられている一般的なモータ駆動用インバータ制御装置として、図10に示すようなものがよく知られている(例えば、非特許文献1参照)。
図10において、従来のモータ駆動用インバータ制御装置の主回路115は、直流電源装置113と、インバータ2とモータ3とから構成されており、前記直流電源装置113は、交流電源1と、整流回路7と、インバータ2の直流電圧源のために電気エネルギーを蓄積する平滑コンデンサ112と、交流電源1の力率改善用リアクタ111から構成されている。
一方、制御演算部116では、外部から与えられたモータ3の速度指令に基づいてモータ3の各相電圧指令値を作成するPWM信号生成部9と、PWM信号生成部9で作成された各相電圧指令値に基づいてインバータ2をPWM制御するベースドライバ10から構成されている。
ここで、交流電源1が220V(電源周波数50Hz)、インバータ2の入力が1.5kW、平滑コンデンサ112が1500μFのとき、力率改善用リアクタ111が5mHおよび20mHの場合における電源電流の高調波成分と電源周波数に対する次数との関係を図11に示す。
図11は、IEC(国際電気標準会議)規格と併せて示したもので、力率改善用リアクタ111が5mHの場合には特に第3高調波成分がIEC規格のそれを大きく上回っているが、20mHの場合には40次までの高調波成分においてIEC規格をクリアしていることがわかる。
そのため特に高負荷時においてもIEC規格をクリアするためには力率改善用リアクタ111のインダクタンス値をさらに大きくするなどの対策を取る必要があり、モータ駆動用インバータ制御装置の大型化や重量増加、さらにはコストUPを招くという不都合があった。
そこで、力率改善用リアクタ111のインダクタンス値の増加を抑え、電源高調波成分の低減と高力率化を達成する直流電源装置として、例えば、図12に示すような直流電源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図12において、交流電源1の電源電圧を、ダイオードD1〜D4をブリッジ接続してなる全波整流回路120の交流入力端子に印加し、その出力をリアクトルLinを介して中間コンデンサCに充電し、この中間コンデンサCの電荷を平滑コンデンサCDに放電して、負荷抵抗RLに直流電圧を供給する。
この場合、リアクトルLinの負荷側と中間コンデンサCを接続する正負の直流電流経路にトランジスタQ1を接続し、このトランジスタQ1をベース駆動回路G1で駆動する構成となっている。
また、ベース駆動回路G1にパルス電圧を印加するパルス発生回路I1、I2と、ダミ
ー抵抗Rdmとをさらに備えており、パルス発生回路I1、I2は、それぞれ電源電圧のゼロクロス点を検出する回路(図示せず)と、ゼロクロス点の検出から電源電圧の瞬時値が中間コンデンサCの両端電圧と等しくなるまでダミー抵抗Rdmにパルス電流を流すパルス電流回路(図示せず)とで構成されている。
ここで、パルス発生回路I1は電源電圧の半サイクルの前半にてパルス電圧を発生させ、パルス発生I2は電源電圧の半サイクルの後半にてパルス電圧を発生させるようになっている。
なお、トランジスタQ1をオン状態にしてリアクトルLinに強制的に電流を流す場合、中間コンデンサCの電荷がトランジスタQ1を通して放電することのないように逆流防止用ダイオードD5が接続され、さらに、中間コンデンサCの電荷を平滑コンデンサCDに放電する経路に、逆流防止用ダイオードD6と、平滑効果を高めるリアクトルLdcが直列に接続されている。
上記の構成によって、電源電圧の瞬時値が中間コンデンサCの両端電圧を超えない位相区間の一部または全部において、トランジスタQ1をオン状態にすることによって、装置の大型化を抑えたままで、高調波成分の低減と高力率化を達成することができる。
特開平9−266674号公報 インバータドライブハンドブック編集委員会編「インバータドライブハンドブック」日刊工業新聞社出版、1995年初版
しかしながら、上記従来のモータ駆動用インバータ制御装置の直流電源装置の構成では、容量の大きな平滑用コンデンサCDとリアクトルLin(特許文献1では1500μF、6.2mH時のシミュレーション結果について記載されている)とを依然として有したままであり、さらに中間コンデンサCと、トランジスタQ1と、ベース駆動回路G1と、パルス発生回路I1、I2と、ダミー抵抗Rdmと、逆流防止用ダイオードD5、D6と、平滑効果を高めるリアクトルLdcとを具備することで、モータ駆動用インバータ制御装置の大型化や部品点数の増加に伴うコストUPを招くという課題を有していた。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、電源電流の高調波成分を抑制した小型・軽量・低コストのモータ駆動用インバータ制御装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、交流
電源を入力とする整流回路と、前記整流回路で得られた直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータで駆動されるモータと前記インバータの動作を制御する制御部と、前記インバータの母線に流れる電流を検出する母線電流検出器と、前記インバータの母線間に接続された極めて小容量のコンデンサと、前記インバータの印加電圧値を検出するインバータ入力電圧検出部とを設け、前記整流回路は、ダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジの交流入力側または直流出力側に接続された極めて小容量のリアクタで構成され、前記制御部には、前記インバータの印加電圧値がゼロ付近まで落ち込んで前記モータの相電流が誤認識しないように設定値が20V以上のときに前記母線電流検出器で検出された電流値を基に前記モータの各相の電流値を再現する相電流変換部と、前記相電流変換部で得られた前記モータの各相の電流値と前記インバータ入力電圧検出部で得られた印加電圧値から前記インバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成部とを設けたモータ駆動用インバータ制御装置であって、前記相電流変換部で、前記インバータへの印加電圧値が設定値20V未満のときのモータの各相の電流値を、前記印加電圧値が前記設定値以上のときの前記モータの各相の電流値の時系列変化量から推定することを特徴とするもので、小容量のコンデンサ、リアクタを用いることで小型・軽量・低コストでありながら、モータ相電流を誤認識することなく、正確にコントロールできる高性能なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、小容量のリアクタおよび小容量のコンデンサを用いることで、小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現でき、さらに高価な電流センサなどを用いなくてもモータ相電流を正確に認識できるため、ブラシレスモータのセンサレスベクトル制御が可能になり、モータ電流を正弦波状に通電させることでシステムの低騒音・低振動化が図れるという効果を奏する。
第1の発明は、交流電源を入力とする整流回路と、前記整流回路で得られた直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータで駆動されるモータと前記インバータの動作を制御する制御部と、前記インバータの母線に流れる電流を検出する母線電流検出器と、前記インバータの母線間に接続された極めて小容量のコンデンサと、前記インバータの印加電圧値を検出するインバータ入力電圧検出部とを設け、前記整流回路は、ダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジの交流入力側または直流出力側に接続された極めて小容量のリアクタで構成され、前記制御部には、前記インバータの印加電圧値がゼロ付近まで落ち込んで前記モータの相電流が誤認識しないように設定値が20V以上のときに前記母線電流検出器で検出された電流値を基に前記モータの各相の電流値を再現する相電流変換部と、前記相電流変換部で得られた前記モータの各相の電流値と前記インバータ入力電圧検出部で得られた印加電圧値から前記インバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成部とを設けたモータ駆動用インバータ制御装置であって、前記相電流変換部で、前記インバータへの印加電圧値が設定値20V未満のときのモータの各相の電流値を、前記印加電圧値が前記設定値以上のときの前記モータの各相の電流値の時系列変化量から推定することを特徴とするもので、小容量のコンデンサ、リアクタを用いることで小型・軽量・低コストでありながら、モータ相電流を正確に誤認識することなくコントロールできる高性能なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができ、またインバータへの印加電圧値が非常に小さく、母線電流検出器でモータ相電流が検出できないような場合においてもモータ相電流を再現し、高品位の駆動を維持することができる。
の発明は、特に、第1の発明の相電流変換部で、モータの各相の電流値のフィルタ演算を行うもので、インバータの印加電圧値にノイズ成分が発生し、任意の設定値判定を誤ったとしてもモータ相電流を再現し、高品位の駆動を維持することができる。
の発明は、特に、第1または第2の発明の小容量のリアクタと小容量のコンデンサとの共振周波数を交流電源の周波数の40倍よりも大きくなるように前記リアクタおよび前記コンデンサの組み合わせを決定するもので、電源電流の高調波成分を抑制し、IEC規格を確実にクリアすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図である。
本実施の形態におけるモータ駆動用インバータ制御装置は、交流電源1からの交流電力を直流電力に変換するダイオードブリッジ7と2mH以下の小容量のリアクタ11からなる整流回路7と、100μF以下の小容量のコンデンサ12と、ブラシレス型のモータ3
に供給する駆動電圧を生成、出力するインバータ2及びインバータ2を制御する制御部6を備えている。
モータ3は、中性点を中心にY結線された3相巻線4u、4v、4wが取付けられた固定子4と、磁石が装着された回転子5とからなる。U相巻線4uの非結線端にU相端子8uが、V相巻線4vの非結線端にV相端子8vが、W相巻線4wの非結線端にW相端子8wがそれぞれ接続されている。
インバータ2は、一対のスイッチング素子からなるハーフブリッジ回路をU相用、V相用、W相用として3相分有する。ハーフブリッジ回路の一対のスイッチング素子は、コンデンサ12の高圧側端と低圧側端の間に直列接続され、ハーフブリッジ回路に直流電圧が印加される。
U相用のハーフブリッジ回路は、高圧側(上アーム)のスイッチング素子13u及び低圧側(下アーム)のスイッチング素子13xよりなり、V相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子13v及び低圧側のスイッチング素子13yよりなり、W相用のハーフブリッジ回路は、高圧側のスイッチング素子13w及び低圧側のスイッチング素子13zよりなる。
また、各スイッチング素子(13u〜13z)と並列にフリーホイールダイオード14u、14v、14w、14x、14y、14zが接続されている。
インバータ2におけるスイッチング素子13uとスイッチング素子13xの相互接続点、スイッチング素子13vとスイッチング素子13yの相互接続点、スイッチング素子13wとスイッチング素子13zの相互接続点に、モータ3の端子8u、8v、8wがそれぞれ接続される。
インバータ2に印加されている直流電圧は、上述したインバータ2内のスイッチング素子13u〜13zのスイッチング動作によって三相の交流電圧に変換され、それによりモータ3が駆動される。
また、インバータ2の母線には、その母線に流れる電流を検出する母線電流検出器15が配されている。
制御部6は、PWM信号生成部9と、ベースドライバ10と、相電流変換部20と、モータ位相推定部17と、回転子速度検出部18と、電流指令演算部19からなる。
相電流変換部20は、母線電流検出器15に流れるインバータ母線電流を観察し、そのインバータ母線電流をモータ3の相電流に変換する。相電流変換部20は、実際にはインバータ母線電流が変化した時から所定期間の間だけ電流を検出する。
モータ位相推定部17は、相電流変換部20により変換されたモータ3の相電流と、PWM信号生成部9で演算される出力電圧と、インバータ入力電圧検出部16により検出されるインバータ2への印加電圧の情報により、モータ3の位相を推定する。
さらに、回転子速度検出部18は、推定された位相からモータ3の速度を推定する。
電流指令演算部19では、推定されたモータ3の回転子5の速度と、外部から与えられる目標速度との偏差情報に基づいて回転子速度が目標速度となるように通電すべき電流指令実行値をPI演算などを用いて導出し、PWM信号生成部9がモータ3を駆動するため
のPWM信号を生成する。
PWM信号は、ベースドライバ10に出力され、各スイッチング素子13u、13v、13w、13x、13y、13zはPWM信号に従い駆動され、正弦波状の交流を生成する。
このように本実施の形態では、正弦波状の相電流を流すことによりモータ3の正弦波駆動を実現している。
次に、図2〜図6を用いてインバータ母線に流れる電流においてモータ3の相電流が現れる様子を説明する。
図2は、モータ3の各相巻線に流る相電流の状態と、60°毎の電気角の各区間における各相巻線に流れる電流の方向とを示した図である。
図2において、電気角0〜60°の区間においては、U相巻線4uとW相巻線4wには非結線端8u、8wから中性点に向けて、V相巻線4vには中性点から非結線端8vに向けて電流が流れている。また、電気角60〜120°の区間においては、U相巻線4uには非結線端8uから中性点に向けて、V相巻線4vとW相巻線4wには中性点から非結線端8v、8wに向けて電流が流れている。以降、電気角60°毎に各相の巻線に流れる相電流の状態が変化していく様子が示されている。
例えば、図2において、電気角30°の時にPWM信号生成部9で生成された半キャリア周期分のPWM信号が図3のように変化する場合を考える。
ここで、図3において、信号「U」は、上アームのスイッチング素子13uを、信号「V」は上アームのスイッチング素子13vを、信号「W」は、上アームのスイッチング素子13wを、信号「X」は、下アームのスイッチング素子13xを、信号「Y」は、下アームのスイッチング素子13yを、信号「Z」は、下アームのスイッチング素子13zを動作させる信号を示す。
これらの信号はアクティブ・ハイで動作する。この場合、インバータ母線には、タイミング(1)では、図4(a)に示すように電流が現れず、タイミング(2)では図4(b)に示すようにW相巻線4wに流れる電流(W相電流)が現れ、タイミング(3)では図4(c)に示すようにV相巻線4vに流れる電流(V相電流)が現れる。
別の例として、図2において電気角30°の時にPWM信号生成部9で生成された半キャリア周期のPWM信号が図5のように変化する場合を考える。この場合は、図6(a)に示すようにインバータ母線にはタイミング(1)では電流が現れず、図6(b)に示すようにタイミング(2)ではU相巻線4uに流れる電流(U相電流)が現れ、図6(c)に示すようにタイミング(3)ではV相巻線4vに流れる電流が現れる。
以上のように、インバータ母線上にインバータ2のスイッチング素子13u、13v、13w、13x、13y、13zの状態に応じてブラシレスモータ3の相電流が現れることがわかる。
具体的には、上アームのスイッチング素子13u、13v、13wのいずれか一つがオンしている状態のときにそのオンした相のモータ電流が、あるいは、下アームのスイッチング素子13x、13y、13zのいずれか一つがオンしている状態のときにそのオンした相のモータ電流がインバータ母線上に現れるという関係性が成り立つ。
上述のようにキャリア周期内の近接したタイミングで二相分の電流を判断することができれば、次式の関係から三相それぞれの電流iu、iv、iwが求められることは明らかである。
iu+iv+iw=0 …(式1)
なお、タイミング(4)とタイミング(5)は、スイッチング素子(13u〜13z)の動作遅れによりインバータ上下アームが短絡するのを防止するためのデッドタイム期間であり、この期間においてインバータ母線に流れる電流は、各相電流の流れる向きによって不定である。
図7は、本実施の形態におけるモータ駆動用インバータ制御装置の第1の動作結果であり、モータ3の駆動時におけるインバータ印加電圧と実際のU相電流と相電流変換部20により変換されたU相電流、さらに母線電流検出器15に流れるインバータ母線電流の波形を示している。
本実施の形態におけるコンデンサ12は、極めて容量が小さいため、モータ3に電流が流れるとインバータ印加電圧は、電源周波数fs(=50Hz)の2倍の周波数で大きく脈動している。相電流変換部20により変換されたU相電流は、上述したインバータ2のスイッチング素子の状態とインバータ母線上に現れる相電流の関係性に基づいて求めたものであるが、インバータ印加電圧が大きく落ち込んだタイミング(図中T1)において実際のU相電流とは異なった値で誤認識してしまっているのがわかる。
この時のインバータ2のスイッチング素子13u、13v、13wの動作状態と母線電流検出器15に流れるインバータ母線電流の波形を示したのが図8である。
「U」は、上アームのスイッチング素子13uを、「V」は、上アームのスイッチング素子13vを、「W」は、上アームのスイッチング素子13wを、アクティブ・ハイで動作しているものである。
通常「U」のみがオンしているタイミング(図中T2)においては、母線電流検出器15にはU相電流が現れているが、インバータ印加電圧が大きく落ち込んだタイミング(図中T1)においては「U」のみがオンしていても、母線電流検出器15にU相電流が現れていない様子がわかる。
これは、本来であれば図6(b)に示すような状態であり、母線電流検出器15にはU相電流が現れるべきところであるが、インバータ印加電圧がゼロ付近まで落ち込むとインバータ2のスイッチング素子にオン信号を与えても実際には導通しないため、母線電流検出器15に流れるインバータ母線電流がどの相の電流であるか特定できない状態となっている。
このため、インバータ印加電圧が大きく落ち込んだタイミングにおいて実際の相電流とは異なった値で誤認識していた。
そこで、本実施の形態における相電流変換部20では、上述したモータ相電流の誤認識を解消すべく、インバータ2の印加電圧値が任意の設定値以上のときにのみ母線電流検出器15から得られる母線電流を基にモータ3の各相の電流値を再現するようにしている。
具体的に任意の設定値を、例えば20Vに設定したときの動作結果を図9に示す。
インバータ2の印加電圧値が20V未満のタイミング(図中T1)においては、母線電流
検出器15から得られる電流値を基にモータ3の各相の電流値を再現することをキャンセルしたため、図7に示したような実際のU相電流との大きな誤差発生を回避することができた。
以上のように本実施の形態によれば、小容量のコンデンサ12および小容量のリアクタ11を用いたモータ駆動用インバータ制御装置において、高価な電流センサを用いないセンサレス正弦波駆動を適用することが可能である。
なお、インバータ2の印加電圧値が20V未満のときにおけるモータ3の各相の電流値については、相電流変換部20で、インバータ2の印加電圧値が20V以上のときのモータ3の各相の電流値の時系列変化量から推定して求めるようにしてもよい。
具体的には、インバータ2の印加電圧値が20V以上のときに検出された前回のモータ3のU相の電流値をIu(n−1)、前々回の電流値をIu(n−2)と記憶しておき、今回インバータ2の印加電圧値が20V未満であった場合、U相の電流推定値Iuを、
Iu = Iu(n−1)×2 − Iu(n−2)
として求めるようにする。
この方法によれば、インバータ2の印加電圧値が任意の設定値以上確保されていたときの最新の値に、その一つ前の検出値からの変化量を加えた演算としているため、記憶しておくデータ量も少なくマイコンなどのメモリ量を多く確保しなくてもそれまでの時系列変化を加味した推定値が得られる。
逆に、マイコンなどのメモリ量を多く確保できれば、近似式演算により高精度の推定演算も実現できる。
このように、インバータ2の印加電圧値が非常に小さく、母線電流検出器15にモータ3の相電流が現れないような場合においても、モータ相電流をそれまでの時系列変化を加味した推定演算によって精度よく再現することで、高品位のセンサレス正弦波駆動を維持することが可能となった。
さらに、上記実施の形態に加え、相電流変換部20で、ブラシレスモータ3の各相の電流値のフィルタ演算を行うようにしても良い。
具体的な演算式は、
Iu[f](n) = K×Iu + (1−K)×Iu[f](n−1)
とした。ここでKはフィルタ係数を表し、0以上1未満の値を選択する。
このフィルタ演算を施すことによって、例えば、母線電流検出器15に流れるインバータ母線電流がどの相の電流であるか特定できない状態であったときに、インバータ2の印加電圧値にノイズ成分が発生し、任意の設定値以上と誤判定したとしてもモータ相電流を大きく誤認識することなく、高品位の駆動を維持することができる。
次に、上記実施の形態で述べた小容量のコンデンサ12および小容量のリアクタ11の仕様決定に関する具体的な方法について以下に説明する。
本実施の形態におけるモータ駆動用インバータ制御装置では、電源電流の高調波成分を抑制してIEC規格をクリアするために、コンデンサ12とリアクタ11との共振周波数fLC(LC共振周波数)を、交流電源の周波数fsの40倍よりも大きくなるようにコンデンサ12とリアクタ11の組み合わせを決定するようにしている。
ここで、コンデンサ12の容量をC[F]、リアクタ11のインダクタンス値をL[H]とすると、LC共振周波数fLCは次式のように表される。
即ち、fLC>40fsを満たすようにコンデンサ12とリアクタ11の組み合わせを決定するものである(IEC規格では電源電流の高調波成分において第40次高調波まで規定されているため)。
以上のように、コンデンサ12およびリアクタ11の組み合わせを決定することで、電源電流の高調波成分を抑制して、IEC規格を確実にクリアすることができる。
以上のように、上記実施の形態1を例に説明した本発明は、インバータ回路を使用してモータを駆動するモータ駆動用インバータ制御装置に適用できる。
例えば、インバータ回路を搭載した空気調和機、冷蔵庫、電気洗濯機、電気乾燥機、電気掃除機、送風機、ヒートポンプ給湯器等の製品である。いずれの製品についても、モータ駆動用インバータ装置を小型化、軽量化することで、製品の設計の自由度が向上し、安価な製品を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるモータ駆動用インバータ制御装置は、小容量のリアクタおよび小容量のコンデンサを用いることで小型・軽量・低コスト化を図ることができると共に、インバータ印加電圧に大きなリプルがある場合でも、位置検出センサを用いずに駆動でき、高効率を維持しつつ安定した電流供給が可能となるもので、小型のモータ起動装置を必要とするAV機器(特に小型機器)等にも広く用いることができる。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 同モータ駆動用インバータ制御装置で駆動されるモータの相電流状態の時間的変化の一例、及び、電気角の各区間におけるモータの各相巻線での電流の状態を表す図 同モータ駆動用インバータ制御装置での半キャリア周期におけるPWM信号の一例を表す図 (a)〜(c)同PWM信号による駆動時のモータ及びインバータに流れる電流状態を表す図 同モータ駆動用インバータ制御装置での半キャリア周期におけるPWM信号の他の例を表す図 (a)〜(c)同PWM信号による駆動時のモータ及びインバータに流れる電流状態を表す図 同モータ駆動用インバータ制御装置の第1の動作結果を示す図 同モータ駆動用インバータ制御装置のスイッチング素子の動作状態を表す図 同モータ駆動用インバータ制御装置の第2の動作結果を示す図 従来のモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 同モータ駆動用インバータ装置における電源電流の高調波成分と電源周波数に対する次数との関係を示した線図 モータ駆動用インバータ制御装置用の従来の直流電源装置の回路図
符号の説明
1 交流電源
2 インバータ
3 ブラシレスモータ
4 固定子
4u、4v、4w 巻線
5 回転子
6 制御部
7 整流回路
7a ダイオードブリッジ
8u、8v、8w 端子
9 PWM信号生成部
10 ベースドライバ
11 リアクタ
12 コンデンサ
13u、13v、13w、13x、13y、13z スイッチング素子
14u、14v、14w、14x、14y、14z フリーホイールダイオード
15 母線電流検出器
16 インバータ入力電圧検出部
17 モータ位相推定部
18 回転子速度検出部
19 電流指令演算部
20 相電流変換部

Claims (3)

  1. 交流電源を入力とする整流回路と、前記整流回路で得られた直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータで駆動されるモータと前記インバータの動作を制御する制御部と、前記インバータの母線に流れる電流を検出する母線電流検出器と、前記インバータの母線間に接続された極めて小容量のコンデンサと、前記インバータの印加電圧値を検出するインバータ入力電圧検出部とを設け、前記整流回路は、ダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジの交流入力側または直流出力側に接続された極めて小容量のリアクタで構成され、前記制御部には、前記インバータの印加電圧値がゼロ付近まで落ち込んで前記モータの相電流が誤認識しないように設定値が20V以上のときに前記母線電流検出器で検出された電流値を基に前記モータの各相の電流値を再現する相電流変換部と、前記相電流変換部で得られた前記モータの各相の電流値と前記インバータ入力電圧検出部で得られた印加電圧値から前記インバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成部とを設けたモータ駆動用インバータ制御装置であって、前記相電流変換部で、前記インバータへの印加電圧値が設定値20V未満のときのモータの各相の電流値を、前記印加電圧値が前記設定値以上のときの前記モータの各相の電流値の時系列変化量から推定することを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置。
  2. 相電流変換部で、モータの各相の電流値のフィルタ演算を行うことを特徴とした請求項1に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
  3. 小容量のリアクタと小容量のコンデンサとの共振周波数を交流電源の周波数の40倍よりも大きくなるように前記リアクタおよび前記コンデンサの組み合わせを決定することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
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