JP2009177934A - モータ駆動用インバータ制御装置 - Google Patents

モータ駆動用インバータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電源電流の高調波成分を抑制し、かつモータ駆動効率を改善した小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を提供する。
【解決手段】交流電源1を入力とし、小容量のリアクタ5を有する整流回路と、直流電力から交流電力に変換するインバータ回路2と、モータ3と、インバータ回路2の動作をコントロールする制御部19と、インバータ回路2の母線間に極めて小容量のコンデンサ6とを備え、前記制御部19において、力率改善指令演算部13からの出力などから電流指令演算部17で指令電流値が演算され、前記指令電流値に応じて、電流位相補正部16でモータの位相の進角値が補正され、前記指示電流値および補正された進角値からモータ3に印加される電圧指令値が導出されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、小容量リアクタおよび小容量コンデンサを用いたモータ駆動用インバータ制御装置に関するものである。
汎用インバータなどで用いられている一般的なモータ駆動用インバータ制御装置として、図5に示すようなモータ駆動用インバータ制御装置がよく知られている。
図5において、主回路は直流電源装置51と、インバータ2とモータ3とから構成されており、直流電源装置51については、交流電源1と、整流回路4と、インバータ2の直流電圧源のために電気エネルギーを蓄積する平滑コンデンサ52と、交流電源1の力率改善用リアクタ53から構成されている。
一方、制御演算部では、外部から与えられたモータ3の速度指令に基づいてモータ3の各相電圧指令値を作成する電圧指令演算部9と、電圧指令演算部9で作成された各相電圧指令値に基づいてインバータ2をPWM制御するベースドライバ10から構成されている。
ここで、交流電源1が220V(電源周波数50Hz)、インバータ2の入力が1.5kW、平滑コンデンサ101が1500μFのとき、力率改善用リアクタ102が5mHおよび20mHの場合における電源電流の高調波成分と電源周波数に対する次数との関係を図6に示す。
図6はIEC(国際電気標準会議)規格と併せて示したもので、力率改善用リアクタ53が5mHの場合には特に第3高調波成分がIEC規格のそれを大きく上回っているが、20mHの場合には40次までの高調波成分においてIEC規格をクリアしていることがわかる。
そのため特に高負荷時においてもIEC規格をクリアするためには力率改善用リアクタ53のインダクタンス値をさらに大きくするなどの対策を取る必要があり、インバータ装置の大型化や重量増加、さらにはコストUPを招くという不都合があった。
そこで、力率改善用リアクタ102のインダクタンス値の増加を抑え、電源高調波成分の低減と高力率化を達成する直流電源装置として、図7に示すような直流電源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図7において、交流電源1の電源電圧を、ダイオードD1〜D4をブリッジ接続してなる全波整流回路の交流入力端子に印加し、その出力をリアクトルLinを介して中間コンデンサCに充電し、この中間コンデンサCの電荷を平滑コンデンサCDに放電して、負荷抵抗RLに直流電圧を供給する。
この場合、リアクトルLinの負荷側と中間コンデンサCを接続する正負の直流電流経路にトランジスタQ1を接続し、このトランジスタQ1をベース駆動回路G1で駆動する構成となっている。
また、ベース駆動回路G1にパルス電圧を印加するパルス発生回路I1、I2と、ダミー抵抗Rdmとをさらに備えており、パルス発生回路I1、I2は、それぞれ電源電圧の
ゼロクロス点を検出する回路と、ゼロクロス点の検出から電源電圧の瞬時値が中間コンデンサDの両端電圧と等しくなるまでダミー抵抗Rdmにパルス電流を流すパルス電流回路とで構成されている。
ここで、パルス発生回路I1は電源電圧の半サイクルの前半にてパルス電圧を発生させ、パルス発生回路I2は電源電圧の半サイクルの後半にてパルス電圧を発生するようになっている。
なお、トランジスタQ1をオン状態にしてリアクトルLinに強制的に電流を流す場合、中間コンデンサCの電荷がトランジスタQ1を通して放電することのないように逆流防止用ダイオードD5が接続され、さらに、中間コンデンサCの電荷を平滑コンデンサCDに放電する経路に、逆流防止用ダイオードD6と、平滑効果を高めるリアクトルLdcが直列に接続されている。
上記の構成によって、電源電圧の瞬時値が中間コンデンサCの両端電圧を超えない位相区間の一部または全部においてトランジスタQ1をオン状態にすることによって、装置の大型化を抑えたままで、高調波成分の低減と高力率化を達成することができる。
また、単相交流電源に接続される整流回路の出力平滑用コンデンサを不要、若しくは大幅に小容量化した場合でも、駆動対象であるモータのトルク脈動の抑制や効率の改善を図ることができるインバータ装置が提案されている(図示せず)(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2において、インバータ主回路は、単相交流電源に接続された整流回路の出力を、制御ユニットからのPWM信号に基づいてスイッチングすることにより、交流出力を発生してモータを可変速駆動する。駆動ユニットは、速度設定器からの速度指令値、位置センサからの位置信号θに基づいて得たロータの速度信号などに基づいて電圧指令値を作成し、その電圧指令値に応じたパルス幅のPWM信号を出力すると共に、当該PWM信号のパルス幅増大時において、電圧指令値に相当したインバータ出力電圧が得られない飽和状態となったときに、PWM信号の出力タイミングを早めてインバータ出力電圧の位相を進ませる制御を行う。
上記のようにモータ駆動電圧の位相を進ませることによって、ブラシレスモータをいわゆる弱め界磁状態にして、ブラシレスモータに必要な駆動電圧のレベルを小さくし、インバータ回路の入力電圧が小さい場合でも、インバータ回路の出力電圧が飽和するのを回避して、モータを駆動し続けることができる。
特開平9−266674号公報 特開平10−150795号公報
しかしながら、第1の従来技術である直流電源装置では、容量の大きな平滑用コンデンサCDとリアクトルLin(特許文献1では1500μF、6.2mH時のシミュレーション結果について記載されている)とを依然として有したままであり、さらに中間コンデンサCとトランジスタQ1とベース駆動回路G1とパルス発生回路I1、I2とダミー抵抗Rdmと逆流防止用ダイオードD5、D6と平滑効果を高めるリアクトルLdcとを具備することで、装置の大型化や部品点数の増加に伴うコストUPを招くという課題を有していた。
一方、第2の従来技術であるインバータ制御装置において、モータ負荷が高負荷である
場合、インバータ回路の出力電圧の進角調整を行っても、インバータ回路の出力電圧がモータの誘起電圧より低い状態が維持され、この状態のまま一定時間が過ぎると、モータからインバータ回路に逆方向に電流が流れることにより電力が回生される。この回生電力を発生させる電流はモータにブレーキをかけることとなるため、モータ駆動効率が低下する。しかも、この回生期間は、単相交流電源からインバータ回路への電流供給が行われないため、単相交流電源の電流波形が歪み、インバータ回路の入力力率が低下するという問題もある。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、平滑コンデンサおよび力率子改善用リアクタの容量が極めて小さくても、またモータ負荷が高負荷である場合においても、モータ駆動効率を改善する、また電源から供給される電源電流の波形歪みよる力率改善の低下を小さく抑えて、電源高調波成分を抑制する小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、交流電源を入力とし、直流電力に変換するためのダイオードブリッジと前記ダイオードブリッジの交流入力側または直流出力側に接続される極めて小容量のリアクタとで構成される整流回路と、前記直流電力から交流電力に変換するインバータと、前記交流電力により駆動されるモータと、前記インバータの動作をコントロールする制御演算部と、前記インバータの印加電圧を検出するインバータ印加電圧検出部と、前記インバータの母線間に極めて小容量のコンデンサとを備え、前記制御演算部には、前記モータの指示回転数を決定する指示回転数決定部と、前記モータの位相を推定するモータ位相推定部と、前記モータ位相推定部の出力からモータの速度を推定する回転子速度演算部と、前記回転子速度演算部の出力および前記インバータ印加電圧検出部の出力から交流電源の入力電流の力率を改善するための力率改善指令を演算する力率改善指令演算部と、前記モータの高速運転時に弱め界磁制御を行うための電流位相を前記指示回転数決定部で決められる指示回転数に応じて設定する電流位相設定部と、前記モータが前記指示回転数にて動作するのに必要なトルク量となる指示電流および前記力率改善指令演算部からの出力により前記入力電流の力率を改善する指示電流を演算する指示電流演算部と、前記電流位相設定部で得られる電流位相を前記指示電流演算部で得られる指示電流に応じて補正する電流位相補正部とを設けたことを特徴とするものである。
これによって、小容量コンデンサおよび小容量リアクタを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現し、力率改善指令値を用いて指令電流が導出されるとともに、前記指令電流に応じて電流位相の補正値が導出されることから、交流電源電流の力率改善や高調波対策が図られるとともに、モータ駆動効率を改善することができる。
本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、小容量コンデンサおよび小容量リアクタを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現でき、さらに交流電源の力率改善や高調波抑制が図られ、モータ駆動効率を改善できるという効果を奏する。
第1の発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、交流電源を入力とし、直流電力に変換するためのダイオードブリッジと前記ダイオードブリッジの交流入力側または直流出力側に接続される極めて小容量のリアクタとで構成される整流回路と、前記直流電力から交流電力に変換するインバータと、前記交流電力により駆動されるモータと、前記インバー
タの動作をコントロールする制御演算部と、前記インバータの印加電圧を検出するインバータ印加電圧検出部と、前記インバータの母線間に極めて小容量のコンデンサとを備え、前記制御演算部には、前記モータの指示回転数を決定する指示回転数決定部と、前記モータの位相を推定するモータ位相推定部と、前記モータ位相推定部の出力からモータの速度を推定する回転子速度演算部と、前記回転子速度演算部の出力および前記インバータ印加電圧検出部の出力から交流電源の入力電流の力率を改善するための力率改善指令を演算する力率改善指令演算部と、前記モータの高速運転時に弱め界磁制御を行うための電流位相を前記指示回転数決定部で決められる指示回転数に応じて設定する電流位相設定部と、前記モータが前記指示回転数にて動作するのに必要なトルク量となる指示電流および前記力率改善指令演算部からの出力により前記入力電流の力率を改善する指示電流を演算する指示電流演算部と、前記電流位相設定部で得られる電流位相を前記指示電流演算部で得られる指示電流に応じて補正する電流位相補正部とを設けることにより、交流電源の電流の歪みが軽減されるとともに、モータの回転数および負荷に応じた電流位相制御をすることができ、小型・軽量・低コストでありながら高力率、モータ効率改善可能なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
第2の発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、交流電源を入力とし、直流電力に変換するためのダイオードブリッジと前記ダイオードブリッジの交流入力側または直流出力側に接続される極めて小容量のリアクタとで構成される整流回路と、前記直流電力から交流電力に変換するインバータと、前記交流電力により駆動されるモータと、前記インバータの動作をコントロールする制御演算部と、前記インバータの印加電圧を検出するインバータ印加電圧検出部と、前記モータの相電流を検出する相電流検出手段と、前記インバータの母線間に極めて小容量のコンデンサとを備え、前記制御演算部には、前記モータの指示回転数を決定する指示回転数決定部と、前記相電流検出手段からの出力から前記モータの位相を推定するモータ位相推定部と、前記モータ位相推定部の出力からモータの速度を推定する回転子速度演算部と、前記回転子速度演算部の出力および前記インバータ印加電圧検出部の出力から交流電源の入力電流の力率を改善するための力率改善指令を演算する力率改善指令演算部と、前記モータの高速運転時に弱め界磁制御を行うための電流位相を前記指示回転数決定部で決められる指示回転数に応じて設定する電流位相設定部と、前記モータが前記指示回転数にて動作するのに必要なトルク量となる指示電流および前記力率改善指令演算部からの出力により前記入力電流の力率を改善する指示電流を演算する指示電流演算部と、前記電流位相設定部で得られる電流位相を前記相電流検出手段で得られる前記モータの相電流に応じて補正する電流位相補正部とを設けることにより、交流電源の電流の歪みが軽減されるとともに、モータの回転数および負荷に応じた電流位相制御をすることができ、小型・軽量・低コストでありながら高力率、モータ効率改善可能なモータ駆動用インバータ制御装置を実現することができる。
第3の発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、特に第1および第2の発明において、前記小容量リアクタと前記小容量コンデンサとの共振周波数を前記電源周波数の40倍よりも大きくなるように、前記小容量リアクタおよび前記小容量コンデンサの組み合わせを決定することにより、交流電源の電源電流の高調波成分を抑制し、IEC規格をクリアすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態であるモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図である。
図1に示すように、単相交流電源1、交流電力を直流電力に変換するダイオードブリッジ4、ダイオードブリッジ4の交流入力側または直流出力側に接続される2mH以下の小容量のリアクタ5、インバータ回路2の直流母線間に0.4μF以上で100μF以下の小容量のコンデンサ6、ブラシレスモータ3に供給する駆動電圧を生成、出力するインバータ回路2およびインバータ回路2を制御する制御部19を有する。
ブラシレスモータ3は、中性点を中心にY結線された3相巻線が取付けられた固定子(図示せず)と、磁石が装着された回転子(図示せず)からなる。
インバータ回路2に印加されている直流電圧は、インバータ回路2内のスイッチング素子のスイッチング動作によって三相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスモータ3が駆動される。
また、インバータ回路2とブラシレスモータ3間には相電流を検出するための電流センサ20v、20wが配されている。
制御部6は、電圧指令演算部9と、ベースドライバ10と、モータ位相推定部11と、回転子速度検出部12と、力率改善指令演算部13と、指示回転数決定部14と、電流位相設定部15と、電流位相補正部16と、電流指令演算部17からなる。
モータ位相推定部11は、電流センサ20v、20wで得られるブラシレスモータ3の相電流と、電圧指令演算部9で演算される出力電圧と、インバータ入力電圧検出部18により検出されるインバータ回路2への印加電圧の情報により、ブラシレスモータ3の位相を検出する。回転子速度検出部12は、推定された位相からブラシレスモータ3の速度を推定する。
また、力率改善指令演算部13では、インバータ入力電圧検出部18で検出されるインバータ回路2への印加電圧情報により、電源周波数fs(=50Hz)の2倍の周波数で大きく脈動している周期(インバータ印加電圧位相)を演算するとともに、インバータ印加電圧情報より推定される電源電圧により、電源電圧がゼロからピークへと変化する動作区間では、電流指令が減少させるよう、また、電源電圧がピークからゼロへと変化する動作区間では、電流指令が増加させるように演算する。出力情報は電流指令演算部17に出力され、上記に示すように、目標周波数となるように、かつ力率改善指令演算部13からの出力情報を加えたものが電流指令値として決定される。すなわち、電流指令演算部17では推定された回転子の速度と、外部から与えられる情報から指示回転数を決定する指示回転数決定部14で決定した指示回転数との偏差情報に基づいて回転子が指示回転数となるように通電すべき電流指令実行値をPI演算などを用いて導出し、かつ力率改善指令演算部13からの出力情報を加えたものが電流指令値として出力される。
さらに、指示回転数決定部14で決定した指示回転数の出力情報から、電流位相設定部15でブラシレスモータの位相の進角情報が決定される。次に、電流位相補正部16で、電流指令演算部17からの出力情報に応じて、ブラシレスモータの位相の進角値が補正される。
電流指令演算部17からの出力情報および電流位相補正部16からの出力情報により、電圧指令演算部9がブラシレスモータ3に印加する出力電圧を演算する。出力演算情報はベースドライバ10に出力され、インバータ回路内のスイッチング素子をPWM制御し、正弦波状の交流を生成する。
このように本実施の形態では、正弦波状の相電流を流すことによりブラシレスモータ3
の正弦波駆動を実現している。
図2は、本発明のモータ駆動用インバータ制御装置の第1の動作結果を示しており、図3は、上記力率改善指令部13による制御を行わない場合の動作結果を示している。図中、|v|は、交流電源1の電圧の絶対値、Vpnは、インバータ印加電圧、Cpsは、単相交流電源1から出力される電流、Amdは電流指令演算部17からの出力である。
図2から、本実施の形態1のモータ駆動用インバータ制御装置では、電流指令演算部17からの出力は、電源電圧|v|がゼロからピークへの変化する動作区間で減少し、上記コンデンサから放電電流が流れ出す、電源電圧|v|がピークからゼロへと変化する動作区間で、増加していることがわかる。この結果、インバータ回路2のインバータ印加電圧Vpnの波形と、交流電源1の出力電圧の絶対値|v|の波形とが近似したものとなり、交流電源1からの出力電流Cpsの通電幅も広がり、入力電圧Vpnの波形が改善されている。本実施の形態1では、モータ駆動装置の入力力率が0.4から0.9まで向上している。本発明におけるコンデンサ6は、極めて容量の小さいものを用いているためインバータ印加電圧電源周波数fs(=50Hz)の2倍の周波数で大きく脈動している様子がわかる。
このように、本実施の形態1では、小容量コンデンサおよび小容量リアクタを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現でき、さらに力率改善演算指令部13により、交流電源の力率改善や高調波抑制が図られるとともに、指示回転数決定部14からの出力より、電流位相設定部15で、各指示回転数に応じた進角値を設定することができ、さらに電流指令演算部17からの電流出力値すなわちブラシレスモータの負荷に応じて、ブラシレスモータの位相の進角値を補正することができるので、負荷に応じた最適な進角値でブラシレスモータを駆動することができる。すなわち、ブラシレスモータの高速運転時に弱め界磁制御を行うことができるとともに、モータ駆動効率を改善できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態であるモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図である。
図4に示すように、単相交流電源1、交流電力を直流電力に変換するダイオードブリッジ4、ダイオードブリッジ4の交流入力側または直流出力側に接続される2mH以下の小容量のリアクタ5、インバータ回路2の直流母線間に0.4μF以上で100μF以下の小容量のコンデンサ6、ブラシレスモータ3に供給する駆動電圧を生成、出力するインバータ回路2およびインバータ回路2を制御する制御部19を有する。
ブラシレスモータ3は、中性点を中心にY結線された3相巻線が取付けられた固定子(図示せず)と、磁石が装着された回転子(図示せず)からなる。
インバータ回路2に印加されている直流電圧は、インバータ回路2内のスイッチング素子のスイッチング動作によって三相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスモータ3が駆動される。
また、インバータ2とブラシレスモータ3間には相電流を検出するための電流センサ20v、20wが配されている。
制御部6は、電圧指令演算部9と、ベースドライバ10と、モータ位相推定部11と、回転子速度検出部12と、力率改善指令演算部13と、指示回転数決定部14と、電流位
相設定部15と、電流位相補正部16と、電流指令演算部17からなる。
モータ位相推定部11は、電流センサ20v、20wで得られるブラシレスモータ3の相電流と、電圧指令演算部9で演算される出力電圧と、インバータ入力電圧検出部18により検出されるインバータ回路2への印加電圧の情報により、ブラシレスモータ3の位相を検出する。回転子速度検出部12は、推定された位相からブラシレスモータ3の速度を推定する。
また、力率改善指令演算部13では、インバータ入力電圧検出部18で検出されるインバータ回路2への印加電圧情報により、電源周波数fs(=50Hz)の2倍の周波数で大きく脈動している周期(インバータ印加電圧位相)を演算するとともに、インバータ印加電圧情報より推定される電源電圧により、電源電圧がゼロからピークへと変化する動作区間では、電流指令が減少させるよう、また、電源電圧がピークからゼロへと変化する動作区間では、電流指令が増加させるように演算する。出力情報は電流指令演算17に出力され、上記に示すように、目標周波数となるように、かつ力率改善指令演算部13からの出力情報を加えたものが電流指令値として決定される。すなわち、電流指令演算部17では推定された回転子5の速度と、外部から与えられる情報から指示回転数を決定する指示回転数決定部14で決定した指示回転数との偏差情報に基づいて回転子が指示回転数となるように通電すべき電流指令実行値をPI演算などを用いて導出し、かつ力率改善指令演算部13からの出力情報を加えたものが電流指令値として出力される。
さらに、指示回転数決定部14で決定した指示回転数の出力情報から、電流位相設定部15でブラシレスモータの位相の進角情報が決定される。次に、電流位相補正部16で、前記相電流検出手段である電流センサ20v、20wからの出力に応じて、ブラシレスモータの位相の進角値が補正される。
電流指令演算部17からの出力情報および電流位相補正部16からの出力情報により、電圧指令演算部9がブラシレスモータ3に印加する出力電圧を演算する。出力演算情報はベースドライバ10に出力され、インバータ回路内のスイッチング素子をPWM制御し、正弦波状の交流を生成する。
このように本実施の形態では、正弦波状の相電流を流すことによりブラシレスモータ3の正弦波駆動を実現している。
このように、本実施の形態2では、小容量コンデンサおよび小容量リアクタを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現でき、さらに力率改善演算指令部により、交流電源の力率改善や高調波抑制が図られるとともに、指示回転数決定部14からの出力より、電流位相設定部15で、各指示回転数に応じた進角値が設定することができ、さらに相電流検出手段である電流センサ20v、20wからの相電流出力値すなわちブラシレスモータの負荷に応じて、モータ位相の進角値を補正することができるので、負荷に応じた最適な進角値でブラシレスモータを駆動することができる。すなわち、ブラシレスモータの高速運転時に弱め界磁制御を行うことができるとともに、モータ駆動効率を改善できる。
(実施の形態3)
本発明に係る小容量コンデンサおよび小容量リアクタの仕様決定に関する具体的な方法について以下に説明する。
本発明のモータ駆動用インバータ制御装置では、電源電流の高調波成分を抑制してIEC規格をクリアするために、小容量コンデンサと小容量リアクタとの共振周波数fLC
LC共振周波数)を電源周波数fsの40倍よりも大きくなるように小容量コンデンサと小容量リアクタの組み合わせを決定する。
ここで、小容量コンデンサの容量をC[F]、小容量リアクタのインダクタンス値をL[H]とすると、LC共振周波数fLCは式1のように表わさせる。
すなわち、fLC>40fsを満たすように小容量コンデンサと小容量リアクタの組み合わせを決定するものである(IEC規格では電源電流の高調波成分において第40次高調波まできていされているため)。
以上により、小容量コンデンサおよび小容量リアクタの組み合わせを決定することで、電源電流の高調波成分を抑制して、IEC規格をクリアすることが可能となる。
なお、実施の形態1から実施の形態3で説明した本発明は、インバータ回路を使用してモータを駆動するモータ駆動用インバータ制御装置に適用できる。
本発明のモータ駆動用インバータ制御装置は、小容量リアクタおよび小容量コンデンサを用いることで小型・軽量・低コストなモータ駆動用インバータ制御装置を実現でき、電源電流の高調波成分を抑制した高力率の動作が可能であり、モータの駆動効率を改善することができるため、空気調和機における圧縮機駆動モータなどに適用できる。さらに空気調和機に限らず、インバータを使用してモータを駆動するモータ駆動用インバータ制御装置に適用できる。例えば、インバータを搭載した冷蔵庫、電気洗濯機、電気乾燥機、電気掃除機、送風機、ヒートポンプ給湯器等である。いずれの製品についても、モータ駆動用インバータ制御装置を小型・軽量化することで、製品の設計の自由度が向上し、安価製品を提供することができる。
本発明の実施の形態1を示すモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 同実施の形態1における第1の動作結果を示す図 同実施の形態1における第2の動作結果を示す図 本発明の実施の形態2を示すモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 一般的なモータ駆動用インバータ制御装置のシステム構成図 図5のモータ駆動用インバータ制御装置における電源電流の高調波成分と電源周波数に対する次数との関係を示した線図 装置の大型化を抑制したままで高調波成分の低減と高力率化を達成することのできる従来の直流電源装置の構成図
符号の説明
1 単相交流電源
2 インバータ回路
3 ブラシレスモータ
4 ダイオードブリッジ
5 小容量リアクタ
6 小容量コンデンサ
9 電圧指令演算部
10 ベースドライバ
11 モータ位相推定部
12 回転子速度検出部
13 力率改善指令演算部
14 指示回転数決定部
15 電流位相設定部
16 電流位相補正部
17 電流指令演算部
18 インバータ入力電圧検出部
19 制御部
20v、20w 電流センサ

Claims (3)

  1. 交流電源を入力とし、直流電力に変換するためのダイオードブリッジと前記ダイオードブリッジの交流入力側または直流出力側に接続される極めて小容量のリアクタとで構成される整流回路と、前記直流電力から交流電力に変換するインバータと、前記交流電力により駆動されるモータと、前記インバータの動作をコントロールする制御演算部と、前記インバータの印加電圧を検出するインバータ印加電圧検出部と、前記インバータの母線間に極めて小容量のコンデンサとを備え、前記制御演算部には、前記モータの指示回転数を決定する指示回転数決定部と、前記モータの位相を推定するモータ位相推定部と、前記モータ位相推定部の出力からモータの速度を推定する回転子速度演算部と、前記回転子速度演算部の出力および前記インバータ印加電圧検出部の出力から交流電源の入力電流の力率を改善するための力率改善指令を演算する力率改善指令演算部と、前記モータの高速運転時に弱め界磁制御を行うための電流位相を前記指示回転数決定部で決められる指示回転数に応じて設定する電流位相設定部と、前記モータが前記指示回転数にて動作するのに必要なトルク量となる指示電流および前記力率改善指令演算部からの出力により前記入力電流の力率を改善する指示電流を演算する指示電流演算部と、前記電流位相設定部で得られる電流位相を前記指示電流演算部で得られる指示電流に応じて補正する電流位相補正部とを設けたことを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置。
  2. 交流電源を入力とし、直流電力に変換するためのダイオードブリッジと前記ダイオードブリッジの交流入力側または直流出力側に接続される極めて小容量のリアクタとで構成される整流回路と、前記直流電力から交流電力に変換するインバータと、前記交流電力により駆動されるモータと、前記インバータの動作をコントロールする制御演算部と、前記インバータの印加電圧を検出するインバータ印加電圧検出部と、前記モータの相電流を検出する相電流検出手段と、前記インバータの母線間に極めて小容量のコンデンサとを備え、前記制御演算部には、前記モータの指示回転数を決定する指示回転数決定部と、前記相電流検出手段からの出力から前記モータの位相を推定するモータ位相推定部と、前記モータ位相推定部の出力からモータの速度を推定する回転子速度演算部と、前記回転子速度演算部の出力および前記インバータ印加電圧検出部の出力から交流電源の入力電流の力率を改善するための力率改善指令を演算する力率改善指令演算部と、前記モータの高速運転時に弱め界磁制御を行うための電流位相を前記指示回転数決定部で決められる指示回転数に応じて設定する電流位相設定部と、前記モータが前記指示回転数にて動作するのに必要なトルク量となる指示電流および前記力率改善指令演算部からの出力により前記入力電流の力率を改善する指示電流を演算する指示電流演算部と、前記電流位相設定部で得られる電流位相を前記相電流検出手段で得られる前記モータの相電流に応じて補正する電流位相補正部とを設けたことを特徴とするモータ駆動用インバータ制御装置。
  3. 前記小容量リアクタと前記小容量コンデンサとの共振周波数を前記電源周波数の40倍よりも大きくなるように、前記小容量リアクタおよび前記小容量コンデンサの組み合わせを決定することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動用インバータ制御装置。
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