JP2000308385A - 電気掃除機およびインバータ装置 - Google Patents

電気掃除機およびインバータ装置

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JP2000308385A
JP2000308385A JP11112268A JP11226899A JP2000308385A JP 2000308385 A JP2000308385 A JP 2000308385A JP 11112268 A JP11112268 A JP 11112268A JP 11226899 A JP11226899 A JP 11226899A JP 2000308385 A JP2000308385 A JP 2000308385A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ軽量の電気掃除機およびインバータ
装置を提供する。 【解決手段】 整流回路28の交流入力端子をリアクト
ルを介することなく交流電源31に接続し、整流回路2
8の整流出力端子を平滑コンデンサを介することなくイ
ンバータ主回路29に接続する。通電信号生成回路37
は、位置信号Su 〜Sw を入力し120°通電方式に従
った通電信号Dup〜Dwnを生成する。通電幅信号生成回
路39は、ゼロクロス点検出回路38により交流電源電
圧のゼロクロス点が検出される毎に、そのゼロクロス点
を始点とし電圧指令Sv に応じた幅だけハイレベルとな
る通電幅信号Sonを生成する。波形合成回路40は、通
電信号Dup〜Dwnと通電幅信号Sonとを波形合成し、通
電幅信号Sonがハイレベルの期間だけ通電可能状態とす
るための通電信号Gup〜Gwnを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集塵用のファンを
ブラシレスモータで駆動するように構成した電気掃除
機、およびブラシレスモータを駆動するためのインバー
タ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電機器などに用いられるモータ
には、可変速範囲が広くモータ効率が高いブラシレスモ
ータの採用が進んでおり、このブラシレスモータをイン
バータ装置で駆動することにより、使い勝手の向上や消
費電力の低減といった性能の向上が図られている。
【0003】例えば、電気掃除機においては、従来はフ
ァンが交流整流子電動機により駆動されていた。しか
し、電気掃除機のファンは広範囲の可変速が要求される
ことから、交流整流子電動機が有する可変速能力では不
足する場合があった。そこで、近年においては、例えば
特開昭63−95884号公報、特開昭63−2494
88号公報、特開平7−337067号公報などに開示
されているように、ファンをインバータ装置で制御され
るブラシレスモータで駆動するように構成したものが提
案されている。
【0004】以下、図4を参照しながら、家電機器など
に用いられる一般的なインバータ装置の構成について簡
単に説明する。インバータ装置の電気的構成を示す図4
において、インバータ装置1は、直流電源回路2、イン
バータ主回路3、および制御回路4から構成されてい
る。このうち直流電源回路2は、交流電源5(例えば単
相100Vの商用電源)の一方の電源線に接続された力
率改善用のリアクトル6、このリアクトル6を介して交
流電源5の両電源線に接続されたダイオードブリッジ
7、およびダイオードブリッジ7の整流出力端子間に接
続された平滑用のコンデンサ8から構成されている。ま
た、インバータ主回路3は、IGBT9a〜9fと還流
ダイオード10a〜10fとを三相ブリッジ接続した周
知の電圧形インバータとして構成され、このインバータ
主回路3の出力端子にはブラシレスモータ11の巻線1
1u〜11wの端子が接続されている。
【0005】ブラシレスモータ11には、ロータの回転
位置を検出しそれを位置信号として出力する位置検出素
子12u〜12wが設けられている。波形合成回路13
は、通電信号生成回路14が位置信号に基づいて生成し
た通電信号Dup〜Dwnと、PWM回路15が電圧指令に
基づいて生成したPWM信号とを合成してPWM制御さ
れた通電信号Fup〜Fwnを得、その通電信号Fup〜Fwn
を駆動回路16を介してIGBT9a〜9fのゲートに
印加するようになっている。
【0006】以上の構成により、ブラシレスモータ11
の巻線11u〜11wには電圧指令に応じた三相交流電
圧が印加され、家電機器における種々の負荷(例えばフ
ァン)が接続されたブラシレスモータ11が回転駆動さ
れるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記構成においては、
直流電源回路2において交流電源5の交流電圧から直流
電圧を得るために、力率改善用のリアクトル6および平
滑用のコンデンサ8が必要となる。しかしながら、リア
クトル6の体積と重量、およびコンデンサ8の体積は大
きく、これが機器全体としての体積と重量が増加する原
因となっていた。特に、電気掃除機などのように移動さ
せながら使用する機器にあっては、体積、重量の増加は
使用者の使い勝手を悪化させるという問題があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、小型且つ軽量の電気掃除機を提供する
こと、およびブラシレスモータを用いた一般の電気機器
に適用可能な小型且つ軽量のインバータ装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載した電気掃除機は、ファンと、複数
相の巻線を有し前記ファンを駆動するブラシレスモータ
と、このブラシレスモータを駆動するインバータ装置と
を備えて構成され、前記インバータ装置は、前記ブラシ
レスモータが有するロータの回転位置を検出する位置検
出手段と、この検出されたロータの回転位置に基づいて
前記複数相の巻線に通電するための通電信号を生成する
通電信号生成手段と、交流電源を入力としその電圧を全
波整流して得た全波整流電圧を出力する整流手段と、こ
の整流手段から出力される全波整流電圧を入力とし前記
通電信号に基づいて前記複数相の巻線に通電するインバ
ータ主回路とを備えて構成されていることを特徴とす
る。
【0010】この構成によれば、インバータ主回路は、
整流手段が交流電源電圧を全波整流して得た全波整流電
圧を入力電圧としてブラシレスモータの巻線への通電を
行うので、従来交流電源と整流手段との間に挿入されて
いた力率改善などを目的とするリアクトルおよび平滑用
のコンデンサが不要となる。これにより、電気掃除機を
小型軽量化することができ、使用者の使い勝手が向上す
る。
【0011】この場合、インバータ装置は、交流電源電
圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出手段と、
この検出されたゼロクロス点と電圧指令とに基づいて前
記交流電源電圧に同期し且つ前記電圧指令に応じた幅を
有する期間有効となる通電幅信号を生成する通電幅信号
生成手段とを備え、通電信号生成手段は、前記通電幅信
号が有効となる期間において通電信号を生成するように
構成すると良い。
【0012】この構成によれば、通電信号生成手段は、
検出されたゼロクロス点により交流電源電圧との同期を
とり、電圧指令に応じた期間だけ通電信号を生成してブ
ラシレスモータの巻線への通電を行うので、電圧指令に
応じた電圧が巻線に印加され、ブラシレスモータを可変
速可能に駆動することができる。
【0013】また、上記目的を達成するため、請求項3
に記載したインバータ装置は、複数相の巻線を有するブ
ラシレスモータを駆動するインバータ装置において、交
流電源を入力としその電圧を全波整流して得た全波整流
電圧を出力する整流手段と、前記交流電源電圧のゼロク
ロス点を検出するゼロクロス点検出手段と、この検出さ
れたゼロクロス点と電圧指令とに基づいて、前記交流電
源電圧に同期し且つ前記電圧指令に応じた幅を有する期
間有効となる通電幅信号を生成する通電幅信号生成手段
と、前記ブラシレスモータが有するロータの回転位置を
検出する位置検出手段と、前記通電幅信号と前記検出さ
れたロータの回転位置とに基づいて、前記通電幅信号が
有効となる期間において前記複数相の巻線に通電するた
めの通電信号を生成する通電信号生成手段と、前記整流
手段から出力される全波整流電圧を入力とし前記通電信
号に基づいて前記複数相の巻線に通電するインバータ主
回路とを備えて構成されていることを特徴とする。
【0014】この構成によれば、上記した作用と同様の
作用により、ブラシレスモータの巻線に印加する電圧を
電圧指令に応じた値に制御でき、しかもリアクトルおよ
び平滑用のコンデンサが不要となるのでインバータ装置
を小型軽量化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気掃除機の
一実施形態について、図1ないし図3を参照しながら説
明する。図2は、電気掃除機の概略的な横断面図を示し
ている。この図2において、電気掃除機の本体21内に
は、ブラシレスモータ22とそのブラシレスモータ22
を駆動するためのインバータ装置23が設けられてお
り、ブラシレスモータ22の回転軸22aには集塵用の
ファン24が取り付けられている。また、本体21内に
は、吸込口25に通じる孔部21aとファン24との間
に位置して集塵室26が設けられている。さらに、電気
掃除機の操作部(図示せず)には、例えば運転スイッ
チ、停止スイッチ、および吸引力を複数段階(例えば4
段階)に設定可能な能力可変スイッチが設けられてい
る。なお、本体21の移動が容易となるように、本体2
1には1対の車輪27、27が設けられている。
【0016】ファン24の回転によって吸込口25から
空気とともに吸い込まれた塵は、本体21内に設けられ
た図示しないフィルタの集塵作用によって集塵室26内
に集められる。そして、清浄化された空気は、ブラシレ
スモータ22の内部を通過してブラシレスモータ22の
冷却に寄与した後、本体21の後部から外部へ排出され
るようになっている。
【0017】続いて、本体21に収納された上記インバ
ータ装置23の電気的構成について図1に基づいて説明
する。インバータ装置23は、整流手段としての整流回
路28、インバータ主回路29、および制御回路30か
ら構成されている。整流回路28は例えばダイオードブ
リッジ28aから構成されており、その交流入力端子に
は交流電源31(例えば単相100Vの商用電源)が接
続され、その整流出力端子には正側電源線32pおよび
負側電源線32nを介してインバータ主回路29が接続
されている。ここで、本インバータ装置23の一つの特
徴として、交流電源31と整流回路28との間には力率
改善用のリアクトルは挿入されておらず、また正側電源
線32pと負側電源線32nとの間には平滑用のコンデ
ンサは接続されていない。
【0018】インバータ主回路29は、スイッチング素
子例えばIGBT33a〜33fと、これらIGBT3
3a〜33fに対しそれぞれ通電方向が逆方向となる向
きに並列接続される還流ダイオード34a〜34fとを
三相ブリッジ接続して構成されている。このインバータ
主回路29の出力端子35u、35v、35wは、それ
ぞれブラシレスモータ22の巻線22u、22v、22
wの各端子に接続されている。
【0019】そのブラシレスモータ22は、巻線22
u、22v、22wが巻回されたステータ22s(図2
参照)と永久磁石が配設されたロータ22r(図2参
照)とを備えて構成されており、ロータ22rの回転位
置を検出するために例えばホール素子からなる3つの位
置検出素子36u、36v、36w(本発明における位
置検出手段に相当)が設けられている。この位置検出素
子36u、36v、36wからは、ロータ22rの回転
位置に対応してハイレベルまたはロウレベルを有する位
置信号Su 、Sv 、Sw (図3参照)が出力されるよう
になっている。
【0020】さて、上記インバータ主回路29を制御す
る制御回路30は、マイクロコンピュータを主体として
以下のように構成されている。すなわち、通電信号生成
手段としての通電信号生成回路37は、位置信号Su 、
Sv 、Sw を入力し、それらを論理演算して120°通
電方式に従った通電信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dw
p、Dwn(図3参照)を生成する。また、ゼロクロス点
検出手段としてのゼロクロス点検出回路38は、交流電
源31の交流電圧についてゼロクロス点を検出し、その
検出時点においてハイレベルとなるパルス状のゼロクロ
ス信号を出力するようになっている。
【0021】通電幅信号生成手段としての通電幅信号生
成回路39は、上記ゼロクロス点が検出される毎に、そ
のゼロクロス点から電圧指令Sv に応じた幅だけ有効レ
ベルとしてのハイレベルとなる通電幅信号Sonを生成す
る。そして、上記通電信号生成回路37とともに通電信
号生成手段を構成する波形合成回路40は、生成された
通電信号Dup〜Dwnと通電幅信号Sonとを波形合成して
通電信号Gup〜Gwnを生成し、その通電信号Gup〜Gwn
を駆動回路41を介してIGBT33a〜33fの各ゲ
ートに印加するように構成されている。なお、通電信号
Dup〜Dwnと通電信号Gup〜Gwnは、ハイレベルがIG
BT33a〜33fのオンに対応し、ロウレベルがオフ
に対応するようになっている。
【0022】次に、本実施形態の作用について図3も参
照しながら説明する。電気掃除機の操作部の停止スイッ
チがオンになると、操作部から通電幅信号生成回路39
に対し出力電圧0%の電圧指令Sv が与えられ、操作部
の運転スイッチがオンになると、操作部から通電幅信号
生成回路39に対し能力可変スイッチの状態に応じて出
力電圧0%から100%の間の所定の電圧指令Sv が与
えられる。この場合、吸引能力が高いほど電圧指令値が
大きくなり、能力可変可能な4段階のうち「最大能力」
に設定された場合には例えば100%の電圧指令Sv 、
つまりインバータ主回路29が出力し得る最大電圧が指
令されるようになっている。また、電圧指令Sv が0%
の場合には、通電幅信号Sonの信号幅が0となることか
ら、波形合成回路40は通電信号Gup〜Gwnの出力を禁
止し、巻線22u、22v、22wへの通電は停止す
る。
【0023】図3には、交流電源31の半周期毎に電圧
指令値が増加する場合の各部の波形が示されている。こ
の図3において、例えば50Hzあるいは60Hzの周
波数を有する交流電源31の交流電圧は、整流回路28
で全波整流されて全波整流電圧となる。通電幅信号生成
回路39は、ゼロクロス信号が入力される交流電源31
の半周期毎に、そのゼロクロス点を始点として電圧指令
Sv に対応した時間幅だけハイレベルとなる通電幅信号
Sonを生成する。この通電幅信号Sonのハイレベル(有
効レベル)の幅(通電幅)は、次式により演算される。 通電幅[秒]=電圧指令値×(1/電源周波数)/2 …(1) ただし、電圧指令値:0(0%)〜1(100%)
【0024】図3においては、期間1が「最低能力」の
場合を示し、期間4が「最大能力」の場合を示し、期間
2および3がこれらの中間能力の場合を示している。
「最大能力」である期間4では、(1)式に基づいて通
電幅はゼロクロス点間の時間間隔(つまり交流電源電圧
の半周期)に等しくなる。
【0025】一方、通電信号生成回路37は、ロータ2
2rの回転位置に対応し互いに120°だけ位相がずれ
た位置信号Su 、Sv 、Sw に基づいて、120°通電
方式に従った通電信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dwp、
Dwnを生成する。そして、波形合成回路40は、通電幅
信号Sonと通電信号Dup〜Dwnとを論理的に乗算するこ
とにより、通電幅信号Sonがハイレベルにある期間にあ
っては通電信号Dup〜Dwnに等しく、通電幅信号Sonが
ロウレベルにある期間にあってはロウレベルとなる通電
信号Gup〜Gwnを生成する。これら通電信号Gup〜Gwn
は、それぞれ駆動回路41を通してIGBT33a〜3
3fのゲートに印加され、ブラシレスモータ22の各相
の巻線端子には三相交流電圧が印加される。これに伴っ
て、巻線22u、22v、22wには、全波整流電圧の
大きさに応じた振幅(図3において二点鎖線で示す)を
有する電流iu 、iv 、iw が流れる。
【0026】つまり、(1)式に従って電圧指令Sv に
応じた通電幅が決定され、その通電幅の期間内(通電幅
信号Sonがハイレベルの期間)においては120°通電
方式による通電が行われ、その通電幅の期間外(通電幅
信号Sonがロウレベルの期間)においては通電が禁止さ
れる。これにより、電圧指令Sv に応じて巻線22u〜
22wに印加される平均的な電圧が決定されるので、ブ
ラシレスモータ22を可変速駆動することが可能とな
る。
【0027】以上述べたように、本実施形態によれば、
インバータ装置23は交流電源31の全波整流電圧をイ
ンバータ主回路29の入力としてブラシレスモータ22
への通電を行うように構成されているので、従来構成
(図4参照)のインバータ装置1で用いられていたリア
クトル6およびコンデンサ8が不要となり、インバータ
装置23を小型軽量化することができる。その結果、電
気掃除機が小型軽量化され使い勝手が向上するととも
に、そのコストも下がる。
【0028】インバータ装置23は、交流電源電圧に同
期してその半周期毎に電圧指令Svに応じた通電幅を決
定し、ゼロクロス点を始点としてその通電幅の期間だけ
巻線22u〜22wに通電するように構成されている。
すなわち、インバータ装置23は、PWMを行うことな
く巻線22u〜22wへの印加電圧を可変することがで
きる。これにより、ブラシレスモータ22を広範囲に可
変速駆動することが可能になる。そして、通電幅信号S
onと交流電源電圧とが同期しているので、電圧指令Sv
に対するインバータ主回路29の出力電圧の単調増加性
が確保され、電圧の制御性が良い。
【0029】また、電圧制御にPWMを必要としないこ
とから、インバータ主回路29のスイッチングによるス
イッチングノイズの発生が少なく電波障害の発生を抑え
ることができる。加えて、スイッチング損失が低減する
ので、IGBT33a〜33fや還流ダイオード34a
〜34fの放熱板を小型化できる。さらに、交流電源3
1にPWMに伴う高調波電流が流れることがないという
利点もある。
【0030】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
形態に限定されるものではなく、以下のような拡張また
は変更が可能である。インバータ装置23は、電気掃除
機の他、例えば家電機器や移動しながら使用する電気機
器について好適である。インバータ装置23は、速度指
令を入力し、この速度指令値と位置信号Su 、Sv 、S
w に基づいて得た速度検出値とから電圧指令Sv を生成
するように構成しても良い。
【0031】正側電源線32pと負側電源線32nとの
間に、ノイズフィルタやスナバとして機能するコンデン
サ、あるいは交流電源31から侵入する外来ノイズを除
去する目的のためのコンデンサを設けることは、本発明
の趣旨から外れるものではない。同様に、整流回路28
と交流電源31との間に、ノーマルモードフィルタ用あ
るいはコモンモードフィルタ用のリアクトルやコンデン
サを設けても良い。
【0032】通電幅信号Sonの有効レベル(ハイレベ
ル)の始点はゼロクロス点に限らず、例えばゼロクロス
点から電圧指令Sv に応じた時間が経過した時点を始点
としても良い。また、通電幅は、ゼロクロス点間の中央
点(全波整流電圧の最大点)を中心にその前後に広がる
ように設定しても良い。さらに、通電幅をゼロクロス点
間(交流電源31の半周期内)で複数に分割して設定し
ても良い。
【0033】電圧指令Sv に基づく通電幅の演算方法は
(1)式に限定されるものではなく、例えば全波整流電
圧を考慮して電圧指令値とインバータ主回路29の出力
電圧とが線形となるような演算方法を用いても良い。
【0034】
【発明の効果】以上説明した通り本発明の電気掃除機に
搭載されるインバータ装置は、交流電源電圧を全波整流
して得た全波整流電圧をインバータ主回路の入力として
ブラシレスモータを駆動するので、力率改善などを目的
とするリアクトルおよび平滑用のコンデンサが不要とな
る。従って、インバータ装置ひいては電気掃除機を小型
軽量化でき、電気掃除機の使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すインバータ装置の電
気的構成図
【図2】電気掃除機の概略的な横断面図
【図3】インバータ装置の作用を説明するための各部の
波形を示す図
【図4】従来技術を示す図1相当図
【符号の説明】
22はブラシレスモータ、22rはロータ、22u、2
2v、22wは巻線、23はインバータ装置、24はフ
ァン、28は整流回路(整流手段)、29はインバータ
主回路、36u、36v、36wは位置検出素子(位置
検出手段)、37は通電信号生成回路(通電信号生成手
段)、38はゼロクロス点検出回路(ゼロクロス点検出
手段)、39は通電幅信号生成回路(通電幅信号生成手
段)、40は波形合成回路(通電信号生成手段)であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファンと、 複数相の巻線を有し前記ファンを駆動するブラシレスモ
    ータと、 このブラシレスモータを駆動するインバータ装置とを備
    えて構成され、 前記インバータ装置は、 前記ブラシレスモータが有するロータの回転位置を検出
    する位置検出手段と、 この検出されたロータの回転位置に基づいて前記複数相
    の巻線に通電するための通電信号を生成する通電信号生
    成手段と、 交流電源を入力としその電圧を全波整流して得た全波整
    流電圧を出力する整流手段と、 この整流手段から出力される全波整流電圧を入力とし前
    記通電信号に基づいて前記複数相の巻線に通電するイン
    バータ主回路とを備えて構成されていることを特徴とす
    る電気掃除機。
  2. 【請求項2】 インバータ装置は、 交流電源電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス点検
    出手段と、 この検出されたゼロクロス点と電圧指令とに基づいて、
    前記交流電源電圧に同期し且つ前記電圧指令に応じた幅
    を有する期間有効となる通電幅信号を生成する通電幅信
    号生成手段とを備え、 通電信号生成手段は、前記通電幅信号が有効となる期間
    において通電信号を生成するように構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
  3. 【請求項3】 複数相の巻線を有するブラシレスモータ
    を駆動するインバータ装置において、 交流電源を入力としその電圧を全波整流して得た全波整
    流電圧を出力する整流手段と、 前記交流電源電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス
    点検出手段と、 この検出されたゼロクロス点と電圧指令とに基づいて、
    前記交流電源電圧に同期し且つ前記電圧指令に応じた幅
    を有する期間有効となる通電幅信号を生成する通電幅信
    号生成手段と、 前記ブラシレスモータが有するロータの回転位置を検出
    する位置検出手段と、前記通電幅信号と前記検出された
    ロータの回転位置とに基づいて、前記通電幅信号が有効
    となる期間において前記複数相の巻線に通電するための
    通電信号を生成する通電信号生成手段と、 前記整流手段から出力される全波整流電圧を入力とし前
    記通電信号に基づいて前記複数相の巻線に通電するイン
    バータ主回路とを備えて構成されていることを特徴とす
    るインバータ装置。
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