JP3552396B2 - ブラシレスdcモータの制御駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は単相交流を電源としPWM制御されながら駆動されるブラシレスDCモータの制御駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、単相交流電圧を整流して使用するブラシレスDCモータの制御駆動装置は単相交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、変換された直流電圧をPWM制御しながらモータの回転子位置に応じてモータの巻線への通電切り替えを行うPWM駆動回路から構成されている。
【0003】
整流回路としては等倍整流回路と倍電圧整流回路があり、それぞれの条件に応じて使い分けられている。
【0004】
等倍整流回路は、図4(a)に回路図を示すように電源電圧を整流した後コンデンサに充電して平滑化し、コンデンサの両端から直流電圧を取り出すもので、コンデンサが1個でよい為コスト的に有利で、さらにコンデンサ容量を大きくしやすいので電流波形がきれいであるという長所があり、単相交流電圧でブラシレスDCモータを駆動するための整流回路として通常はこの方式が使われている。
【0005】
倍電圧整流回路は、図4(b)に示すように電源電圧を整流したものを直列に接続された2組のコンデンサに交互に充電することにより、直列に接続されたコンデンサの両端に電源電圧の2倍の直流電圧を発生させるもので、電圧が2倍となるので同じ電力を扱うのであれば電流値を1/2にできるという長所があり、比較的出力の大きなブラシレスDCモータで電流値を制限する必要がある時などに使用される。
【0006】
PWM駆動回路はモータ回転子位置に応じてモータ巻線への通電切り替えを行いながら、印加電圧を数kHz〜数十kHzの間の一定の周波数でON・OFFさせ、ON時間とOFF時間の合計時間に対するON時間の比率すなわちデューティ比を変化させて電圧平均値を変えることによりモータ回転数を制御するものである。このとき電圧平均値は印加電圧にデューティ比を乗じた値となるので、デューティ比は高速回転域では大きく、低速回転域では小さくなる。
【0007】
図5(a)に単相交流電圧波形を、図5(b)に倍電圧整流回路使用時の電圧波形を、図5(c)にPWM駆動のモータ巻線印加電圧波形(倍電圧整流時)を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エアコンや冷蔵庫で使用されるコンプレッサ駆動用モータのように運転回転数の下限と上限の比率が大きく(通常は2倍以上)、かつ低速回転領域でも高いモータ効率を要求されるブラシレスDCモータにおいては、低速回転域ではPWM制御のデューティ比が極端に小さくなることにより高調波電流成分が大きくなって、モータ鉄損やモータ巻線の表皮効果による銅損が増大し効率の低下を招いていた。
【0009】
さらに、ブラシレスDCモータの回転子に永久磁石の飛散防止用として非磁性体のステンレスパイプ等を回転子外周に装着したものがあるが、このタイプのモータでは高調波電流成分による渦電流がステンレスパイプに流れるため渦電流損が発生し、低速回転域でのデューティ比が小さくなることによる効率低下は特に著しいものがあった。
【0010】
本発明は上記課題を解決するもので、ブラシレスDCモータの効率を改善することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、高速回転域では整流回路を倍電圧整流としてPWM駆動回路に印加される直流電圧を高圧にし、低速回転域では整流回路を等倍整流に切り替えてPWM駆動回路に印加される直流電圧を低圧にする構成としたものである。
【0012】
これにより、低速回転域におけるPWM駆動回路の印加電圧は半分となるのでデューティ比は2倍に設定することができ、高調波電流の発生が抑制されるのでモータ効率が低下することを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、単相交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記直流電圧をPWM制御しながらモータ巻線への通電切り替えを行うPWM駆動回路とから成るブラシレスDCモータの制御駆動装置において、前記整流回路はモータ回転数が低速の時には等倍整流、高速の時には倍電圧整流となるように切り替え可能としたものであり、単相交流電圧を高速域では倍電圧整流、低速域では等倍整流に切り替えることにより低速域でデューティ比が極端に小さくならないようにしてブラシレスDCモータに印加される高調波電流を抑制してブラシレスDCモータの効率を改善することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、整流回路の等倍整流と倍電圧整流の切り替えをモータ回転数指令信号に基づいてSCRまたは双方向性SCRを制御することによって行うものであり、倍電圧整流と等倍整流とを容易に切り替えることができるという作用を有する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態によるブラシレスDCモータの制御駆動装置の構成図を示し、図1において単相交流電源1は整流回路2に単相交流電圧を供給している。整流回路2は整流ダイオード5a,5b,5c,5dとコンデンサ6a,6b,6cとスイッチング素子7a,7bで構成されており、供給された単相交流電圧を直流電圧に交換しPWM駆動回路3に供給している。
【0016】
PWM駆動回路3はモータ4の回転子位置信号8に応じてモータ巻線4a,4b,4cへの通電切り替えを行うと同時に印加電圧を数kHz〜数十kHzの間の一定の周波数でON・OFFさせ、そのデューティ比をモータ回転数指令信号9に基づいて変化させて電圧平均値を変えることによりモータ4の回転数を制御している。
【0017】
スイッチング素子駆動回路10はモータ回転数指令信号9に応じて整流回路2のスイッチング素子7aと7bをON・OFF制御するもので、高速回転域では7aをON、7bをOFFとすることで整流回路2を倍電圧整流回路として動作させ、低速回転域では7aをOFF、7bをONとすることで整流回路2を等倍整流回路として動作させる。
【0018】
図2は本発明の一実施の形態による整流回路切り替え制御のフローチャートを示したものである。図2においてステップ100に示すモータ回転数指令信号により、ステップ101で等倍整流駆動運転範囲かどうかを比較判断する。この時、モータ回転指令信号が等倍整流駆動範囲であればステップ102aに示すように図1のスイッチング素子7aをOFFとしスイッチング素子7bをONにする。また、モータ回転指令信号が等倍整流運転範囲でない場合はステップ102bに示すようにスイッチング素子7aをONとしスイッチング素子7bをOFFにする。このような制御を行うことによりブラシレスDCモータの回転数指令信号に応じて整流回路を倍電圧整流と等倍整流の間で切り替えることが可能である。
【0019】
図3は本発明の一実施の形態によるブラシレスDCモータの回転数に対する効率の特性図である。図3においてa点は整流回路を等倍整流と倍電圧整流の間で切り替える変更点であり、b点はブラシレスDCモータの最高回転数(理論的最高回転数ではなく実用上の最高回転数である)を示す点である。従来の技術のように倍電圧整流のみで低速域での等倍整流への切り替えを行わない制御方式では、図中波線で示すように低速になるに従ってモータ効率が低下しているのに対して、本発明の実施の形態では低速域のモータ効率が改善されている。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、単相交流電圧を整流回路によって直流電圧に変換し、PWM駆動回路に供給してブラシレスDCモータを駆動制御するブラシレスDCモータの制御駆動装置で、整流回路をブラシレスDCモータの回転数に応じて等倍整流と倍電圧整流との間で切り替え制御することでPWM駆動のデューティ比が低速域で極端に小さくなることを防止し、高調波電流成分を抑制することでブラシレスDCモータの低速域での効率を改善することができるという有利な効果が得られる。
また、特に、ブラシレスDCモータの回転子に永久磁石の飛散防止用として非磁性体のステンレスパイプ等を回転子外周に装着した回転子を具備したブラシレスDCモータである場合、高調波電流成分による渦電流がステンレスパイプに流れるため渦電流損が発生し、低速回転域でのデューティ比が小さくなることによる効率低下を防止することが可能であり、ブラシレスDCモータの効率を改善することができる。
さらに、上記モータを搭載したコンプレッサ、エアコンまたは冷蔵庫においても同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるブラシレスDCモータの制御駆動装置の構成図
【図2】本発明の一実施の形態による整流回路切り替え制御のフローチャート
【図3】本発明の一実施の形態によるブラシレスDCモータの回転数に対する効率の特性図
【図4】(a)は等倍整流回路の一例を示す図
(b)は倍電圧整流回路の一例を示す図
【図5】(a)は単相交流電圧波形図
(b)は倍電圧整流回路の出力電圧波形図
(c)はPWM駆動のモータ巻線印加電圧波形図
【符号の説明】
1 単相交流電源
2 整流回路
3 PWM駆動回路
4 ブラシレスDCモータ
4a〜4c モータ巻線
5a〜5d ダイオード
6a〜6c コンデンサ
7a,7b スイッチング素子
8 モータ回転子位置信号
9 モータ回転数指令信号
10 スイッチング素子駆動回路
Claims (6)
- 単相交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記直流電圧をPWM制御しながらモータ巻線への通電切り替えを行うPWM駆動回路と、前記整流回路のスイッチング素子を制御するスイッチング素子駆動回路と、前記スイッチング素子駆動回路へ入力されるモータ回転数指令信号とを有するブラシレスDCモータの制御駆動装置において、
前記整流回路は、第1の整流ダイオード(5a)と第2の整流ダイオード(5b)と第3の整流ダイオード(5c)と第4の整流ダイオード(5d)と第1のコンデンサ(6a)と第2のコンデンサ(6b)と第3のコンデンサ(6c)と第1のスイッチング素子(一方の7a)と第2のスイッチング素子(他方の7a)と第3のスイッチング素子(7b)とから構成され、
前記モータ回転数指令信号が高速回転域のときには前記スイッチング素子駆動回路からの制御により前記第1のスイッチング素子(一方の7a)と前記第2のスイッチング素子(他方の7a)とがONへ制御され、かつ前記第3のスイッチング素子(7b)がOFFへ制御されることにより、前記整流回路が前記第1の整流ダイオード(5a)と前記第2の整流ダイオード(5b)と前記第2のコンデンサ(6b)と前記第3のコンデンサ(6c)とからなる倍電圧整流回路(図4(b))の動作であり、
一方、前記モータ回転数指令信号が低速回転域のときには前記スイッチング素子駆動回路からの制御により前記第1のスイッチング素子(一方の7a)と前記第2のスイッチング素子(他方の7a)とがOFFへ制御され、かつ前記第3のスイッチング素子(7b)がONへ制御されることにより、前記整流回路を前記第1の整流ダイオード(5a)と前記第2の整流ダイオード(5b)と前記第3の整流ダイオード(5c)と前記第4の整流ダイオード(5d)と前記第3のコンデンサ(6c)とからなる等倍整流回路(図4(a))の動作であり、
前記高速回転域のときには前記PWM駆動回路へ供給される直流電圧が前記倍電圧整流回路(図4(b))からの供給であり、
一方、前記低速回転域のときには前記PWM駆動回路へ供給される直流電圧を前記等倍整流回路(図4(a))からの供給である構成を具備するブラシレスDCモータの制御駆動装置。 - ブラシレスDCモータの高速回転域と低速回転域との間に整流回路が倍電圧整流回路又は等倍整流回路のいずれかに切り替えられる変更点を有する請求項1記載のブラシレスDCモータの制御駆動装置。
- ブラシレスDCモータの低速回転域においてPWM駆動回路のデューティ比が小さくなることを抑制する請求項1又は請求項2のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御駆動装置。
- 整流回路の等倍整流と倍電圧整流の切り替えがモータ回転数指令信号に基づいてSCR又は双方向性SCRを制御することによって行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御駆動装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御駆動装置を有するエアコン。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御駆動装置を有する冷蔵庫。
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1996
- 1996-03-29 JP JP07613196A patent/JP3552396B2/ja not_active Expired - Fee Related
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