JP3734583B2 - 電源装置 - Google Patents

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JP3734583B2
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源に直列に接続されたリアクタを介して電源を短絡することにより電源力率を改善した電源装置に関し、特に高速動作が可能で制御性に優れた電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電源装置からより多くの有効電力を取り出すには、電源力率を改善することが有効であり、多くの有効電力を負荷の機器に供給することにより機器の最大能力を増大することができる。また、電源力率を改善することにより、近年問題となりつつある電源の高調波電流を低減できる場合が多く、国内外の高調波電流規制にも対応することができる。
【0003】
電源装置の力率を改善する方法として、従来、例えば特開平7−7946号公報に開示されたものがある。この公報は、短絡素子によりリアクタを介して電源を短絡するものであり、具体的には負荷状態、短絡電流、高調波電流含有率、電源力率、波形歪率などに応じてリアクタの短絡開始までの遅延時間および短絡期間を決定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の力率改善方法では、負荷状態などを検出手段で検出し、この検出結果に基づいてリアクタの短絡開始までの遅延時間および短絡時間を決定しているものであるため、該検出手段の検出遅れにより短絡信号にも遅延が発生し、短絡開始までの遅延時間や短絡時間が不適切なものとなり、応答性や安定性が悪化し、適切な制御ができないという問題がある。
【0005】
なお、負荷状態の代わりに短絡電流、高調波電流含有率、電源力率、波形歪率などを使用しても同様に遅延が発生し、応答性や安定性が悪化し、適切な制御ができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、負荷状態等に対応する内部的状態に基づいてリアクタの短絡制御を行うことにより高速に動作し、安定性および制御性に優れた電源装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ、該コンバータからの直流電力をパルス幅変調制御して交流電力に変換するインバータ、前記交流電源に直列に接続されたリアクタ、および前記リアクタを介して交流電源を短絡する短絡手段を有する電源装置であって、前記インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比に基づいて前記短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、前記短絡手段を駆動するように制御して力率を改善する力率制御手段を有することを要旨とする。
【0008】
請求項1記載の本発明にあっては、インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比に基づいて短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、短絡手段を駆動制御して力率を改善しているため、検出手段などによる検出遅延もなく、高速かつ安定に動作することができる。
【0011】
また、請求項記載の本発明は、交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ、該コンバータからの直流電力をパルス幅変調制御して交流電力に変換するインバータ、前記交流電源に直列に接続されたリアクタ、および前記リアクタを介して交流電源を短絡する短絡手段を有する電源装置であって、前記インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比および出力周波数に基づいて前記短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、前記短絡手段を駆動するように制御して力率を改善する力率制御手段を有することを要旨とする。
【0012】
請求項記載の本発明にあっては、インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比および出力周波数に基づいて短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、短絡手段を駆動制御して力率を改善しているため、検出手段などによる検出遅延もなく、高速かつ安定に動作することができる。
【0013】
請求項記載の本発明は、交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ、該コンバータからの直流電力をパルス幅変調制御して交流電力に変換するインバータ、該インバータに接続され、該インバータによって駆動される電動機、前記交流電源に直列に接続されたリアクタ、および前記リアクタを介して交流電源を短絡する短絡手段を有する電源装置であって、前記インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比および前記電動機の実回転数に基づいて前記短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、前記短絡手段を駆動するように制御して力率を改善する力率制御手段を有することを要旨とする。
【0014】
請求項記載の本発明にあっては、インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比および電動機の実回転数に基づいて短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、短絡手段を駆動制御して力率を改善しているため、検出手段などによる検出遅延もなく、高速かつ安定に動作することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる電源装置の構成を示す回路図である。同図に示す電源装置は、交流電源1の一方の出力端に一端が接続されたリアクタ2を有し、該リアクタ2の他端は4個のダイオードからなる第1のダイオードブリッジ3と平滑用電解コンデンサ4,5,6とからなり、交流電源1からの交流電圧を倍電圧の直流電圧に整流する倍電圧整流回路を構成しているコンバータに接続されている。該コンバータからの直流電圧はインバータ回路7に供給されて、交流電圧に変換され、電動機8を駆動するようになっている。
【0019】
また、交流電源1の両端にはリアクタ2を介して第2のダイオードブリッジ9が接続され、この第2のダイオードブリッジ9の両出力端には例えばバイポーラトランジスタ、IGT、MOSFETなどからなるスイッチング素子である短絡素子10が接続され、該短絡素子10がオンした場合には、リアクタ2および第2のダイオードブリッジ9を介して交流電源1を短絡し、これにより電源装置の力率を改善しうるようになっている。
【0020】
前記短絡素子10の制御端子、すなわちベースはコントローラ11内に設けられた力率改善制御手段13に接続され、該力率改善制御手段13によって短絡素子10が駆動され、これにより短絡素子10はオンするようになっている。
【0021】
また、交流電源1の両端にはコントローラ11内に設けられたゼロクロス検出手段12が接続され、これによりゼロクロス検出手段12は交流電源1の交流電圧がゼロクロス点を通過する時点を検出し、この検出信号を力率改善制御手段13に供給するようになっている。
【0022】
更に、コントローラ11は、ゼロクロス検出手段12および力率改善制御手段13に加えて、インバータ制御手段14を有し、該インバータ制御手段14はインバータ回路7をパルス幅変調(PWM)制御し、これによりコンバータからの直流電圧を交流電圧に変換するようにインバータ回路7を制御している。また、インバータ制御手段14からインバータ回路7をPWM制御するPWM信号、具体的にはPWM信号のデューティ比信号が力率改善制御手段13にも供給されるようになっている。
【0023】
図2は、図1に示す電源装置の各部の信号の波形を示す図であり、特に短絡素子10を駆動する力率改善制御手段13の出力信号のパルス幅とインバータ回路7を駆動するインバータ制御手段14からのPWM信号のデューティ比との関係を示している。図2において、21は交流電源1の電圧波形、22は力率改善を行った場合の交流電源1の電流波形、23は短絡素子10を駆動する力率改善制御手段13の出力信号である短絡信号、24はインバータ制御手段14のPWM信号のデューティ比をアナログ値に変換して示しているものである。
【0024】
図3は、図1に示す電源装置の動作原理をわかりやすく説明するための図1の要部の機能図である。図3に示すように、インバータ制御手段14はインバータ回路7を制御するためのPWM信号のデューティ比および出力周波数(変調周波数)を計算し、このように計算したPWM信号でインバータ回路7を制御するとともに、該PWM信号のデューティ比を力率改善制御手段13に供給し、力率改善制御手段13はこのデューティ比に基づいて第2のダイオードブリッジ9および短絡素子10からなる短絡回路91を駆動する短絡信号23、具体的には短絡開始時間と短絡期間を規定した短絡信号23を発生し、この短絡信号23で短絡素子10を駆動し、これにより第2のダイオードブリッジ9、リアクタ2を介して交流電源1を短絡し、電源装置の力率を改善するというように本実施形態においてインバータ回路7を駆動するPWM信号のデューティ比をインバータ制御手段14から入手し、このデューティ比に基づいて短絡信号23を生成しているものである。
【0025】
インバータ回路7を駆動するPWM信号のデューティ比は、インバータ回路7の瞬時出力電力とほぼ等価であると考えられるので、デューティ比に基づいて短絡信号を生成し、この短絡信号でリアクタ2を介して交流電源1を短絡することにより、電源装置の負荷の運転状態に対応した力率改善を行うことができることになる。
【0026】
図1の電源装置の作用を更に詳しく説明する。図2の電圧波形21で示すような正弦波の交流電圧が交流電源1から入力されると、この交流電圧のゼロクロス点がコントローラ11のゼロクロス検出手段12で検出され、力率改善制御手段13に供給される。力率改善制御手段13は、インバータ制御手段14から供給されるPWM信号のデューティ比(図2の24)に基づいて短絡信号23のゼロクロス点からの短絡開始時間と短絡時間を計算し、この計算した短絡信号23をゼロクロス検出手段12で検出したゼロクロス点から短絡開始時間だけ遅延させて図2の23で示すように出力して、短絡素子10をオン状態に駆動し、これにより第2のダイオードブリッジ9、リアクタ2を介して交流電源1を短絡する。短絡信号23の間、交流電源1を短絡した後、短絡素子10をオフ状態に開放すると、リアクタ2に蓄積されたエネルギが負荷側に放出され、第1のダイオードブリッジ3およびコンデンサ4,5,6からなる倍電圧整流回路で整流され、インバータ回路7に供給される。
【0027】
このように交流電源1をリアクタ2を介して短絡することにより、図2の電流波形22で示すように電源電流の導通時間が拡大し、電源力率が改善されることになる。特に、本実施形態では、短絡信号をインバータ回路7を駆動するPWM信号のデューティ比に基づいて決定しており、このデューティ比はインバータ回路7の瞬時出力電力とほぼ等価であるため、電源装置の負荷の運転状態に対応した力率改善のための短絡信号が生成され、電源力率を最良の動作点で制御することができる。なお、従来は、例えば電流センサや電圧検出回路等の負荷状態の検出手段を設けていたが、本実施形態では、このような検出手段を必要としないため、検出手段の遅延の影響(ノイズフィルタ等のハード的な遅延)を受けることもない。また、従来のように負荷状態が変化したことを検出した後に、短絡信号の演算を行うこともないので、力率改善制御が遅延することもなく、高速に動作することができ、応答性および制御性を向上することができる。
【0028】
また実際には、図2において短絡信号23とデューティ比24を示すように、PWM信号のデューティ比24が大きくなっていくのと同時に、力率改善制御手段13からの短絡信号23の短絡時間も長くなっていくので、負荷電流や出力電圧が急変動したり、ハンチングや振動を行うことはなく、常に安定した動作を実現することができる。
【0029】
次に、短絡信号23の短絡開始時間および短絡期間の計算例について説明する。最も簡単な計算は、1次関数を利用する方法であり、以下のように計算できる。
【0030】
短絡開始時間=−(デューティ比−A)×B
短絡期間=C×(デューティ比−D)
ここで、A,B,C,Dはシステムによって決定される定数である。
【0031】
図4は、この計算結果の一例を示す図であり、横軸にデューティ比を取り、縦軸にゼロクロス点からの経過時間を示している。そして、斜線の部分が短絡期間である。短絡開始時間はデューティ比に対してほぼ一定であるが、短絡期間はデューティ比の増加とともに増大している。
【0032】
なお、この説明では、1次関数を用いて短絡期間を計算したが、実際には他の関数を用いたり、予め計算した値をデータテーブルに格納しておき、その値を用いてもよい。また、デューティ比の範囲に応じて定数A,B,C,Dを変更したり、計算方法を変更することで、更に優れた制御が可能である。
【0033】
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図5に示す電源装置は、交流電源1の両端に接続され、該交流電源1からの交流電圧を全波整流する第1のダイオードブリッジ3の一方の出力端にリアクタ2の一端を接続し、リアクタ2の他端と第1のダイオードブリッジ3の他端との間に短絡素子10を接続し、これにより該短絡素子10によりリアクタ2、第1のダイオードブリッジ3を介して交流電源1を短絡するように構成するとともに、リアクタ2の他端を逆流防止用のダイオード15を介して平滑用の電解コンデンサ6およびインバータ回路7に接続するように構成している。ダイオード15は短絡素子10がオンしてリアクタ2、第1のダイオードブリッジ3を介して交流電源1を短絡した場合に、平滑用電解コンデンサ6が短絡素子10で短絡されないようにしているものである。
【0034】
また、図5に示す電源装置は、図1の電源装置と同様に、交流電源1の一端がコントローラ11のゼロクロス検出手段12に接続され、短絡素子10の制御端子であるベースが力率改善制御手段13に接続され、インバータ回路7がインバータ制御手段14に接続され、図1で説明したと同様に動作するようになっている。
【0035】
図5に示す電源装置は、基本的には図3で説明した動作原理と同様に、インバータ回路7を制御するインバータ制御手段14のPWM信号のデューティ比を力率改善制御手段13に供給し、力率改善制御手段13はこのデューティ比に基づいて短絡素子10を駆動する短絡信号の短絡開始時間および短絡期間を決定し、この短絡信号を短絡回路91に供給して、短絡素子10をオン状態に駆動し、これによりリアクタ2、第1のダイオードブリッジ3を介して交流電源1を短絡して、電源力率を改善しているものである。なお、図5の回路構成では、図3に示す短絡回路91は第1のダイオードブリッジ3および短絡素子10で構成されることになる。
【0036】
更に詳しく説明すると、交流電源1の交流電圧はコントローラ11のゼロクロス検出手段12でゼロクロス点が検出され、この検出信号が力率改善制御手段13に供給される。また、力率改善制御手段13は、インバータ回路7を駆動制御するインバータ制御手段14からのPWM信号のデューティ比を受け取り、このデューティ比に基づいて短絡信号の短絡開始時間と短絡期間を図2の短絡信号23で示すように決定し、この短絡信号23で短絡素子10を導通制御し、これによりリアクタ2、第1のダイオードブリッジ3を介して交流電源1を短絡する。短絡信号23の間、交流電源1を短絡した後、短絡素子10をオフ状態に開放することにより、リアクタ2に蓄積されたエネルギが負荷側に放出され、ダイオード15およびコンデンサ6からなる整流平滑回路で整流され、インバータ回路7に供給される。
【0037】
このように交流電源1をリアクタ2を介して短絡することにより、図2の電流波形22で示すように電源電流の導通時間が拡大し、電源力率が改善されることになる。特に、本実施形態の電源装置は、図1の実施形態と同様に、短絡信号をPWM信号のデューティ比に基づいて決定しており、このデューティ比はインバータ回路7の瞬時出力電力とほぼ等価であるため、電源装置の負荷の運転状態に対応した力率改善のための短絡信号が生成され、電源力率を最良の動作点で制御することができる。
【0038】
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図6は、第3の実施形態の動作原理をわかりやすく説明するための基本的構成のみを示しているものであり、その具体的回路構成は図1および図5に示すいずれの回路構成の電源装置でも同様に実施し得るものである。なお、図1および図5に示す電源装置の回路構成については既に詳述したので、図6のみを参照して、第3の実施形態の基本的動作についてのみ説明する。
【0039】
第3の実施形態の電源装置は、図6に示すように、インバータ回路7を駆動制御するインバータ制御手段14のPWM信号の出力周波数(変調周波数)を力率改善制御手段13に供給し、これにより力率改善制御手段13はPWM信号の出力周波数のみに基づいて短絡信号の短絡開始時間および短絡期間を計算し、この計算した短絡信号を短絡回路91に供給し、これにより交流電源1を短絡して、電源力率を改善しているものである。出力周波数(変調周波数)は、例えば、インバータ回路の負荷が誘導モータ等の場合には、インバータ回路から出力される交流電源の周波数に相当し、また、例えば、インバータ回路の負荷がブラシレスDCモータ等の場合には、通電相の切り替え周波数に相当する。
【0040】
このように、デューティ比の代わりにインバータ制御手段14からのPWM信号の出力周波数を使用しても、短絡信号の短絡開始時間および短絡期間を適確に決定することができる。PWM信号の出力周波数は、インバータ回路7の瞬時出力電力と強い相関があるので、電源装置の運転状態に対応した短絡信号を常に生成し、電源力率を最良の動作点で制御することが可能である。なお、従来は別途電流センサや電圧検出回路等の負荷状態の検出手段を設けていたが、本実施形態では、このような検出手段を必要としないため、検出手段の遅延の影響(ノイズフィルタ等のハード的な遅延)を受けることもない。また、従来のように負荷状態が変化したことを検出した後に、短絡信号の演算を行うこともないので、力率改善制御が遅延することもなく、高速に動作することができ、応答性および制御性を向上することができる。
【0041】
短絡信号の短絡開始時間および短絡期間の計算列について説明する。最も簡単な計算は、1次関数を利用する方法であり、以下のように計算できる。
【0042】
短絡開始時間=−(出力周波数−A)×B
短絡期間=C×(出力周波数−D)
ここで、A,B,C,Dはシステムによって決定される定数である。なお、この計算では、1次関数を用いて短絡期間を計算したが、実際には他の関数を用いたり、予め計算した値をデータテーブルに格納しておき、その値を用いてもよい。また、出力周波数の範囲に応じて定数A,B,C,Dを変更したり、計算方法を変更することで、更に優れた制御が可能である。
【0043】
次に、図7を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。図7は、図6の場合と同様に、第4の実施形態の動作原理をわかりやすく説明するための基本的構成のみを示しているものであり、その具体的回路構成は図1および図5に示すいずれの回路構成の電源装置でも同様に実施し得るものである。なお、図1および図5に示す電源装置の回路構成については既に詳述したので、図7のみを参照して、第4の実施形態の基本的動作についてのみ説明する。
【0044】
第4の実施形態の電源装置は、図7に示すように、インバータ回路7を駆動制御するインバータ制御手段14がPWM信号のデューティ比および出力周波数を計算し、この計算したPWM信号でインバータ回路7を制御するとともに、インバータ制御手段14はPWM信号のデューティ比と出力周波数の両方を力率改善制御手段13に供給する。この結果、力率改善制御手段13はデューティ比に加えて出力周波数に基づいて短絡信号の短絡開始時間と短絡期間を計算し、この計算した短絡信号を短絡回路91に供給し、これにより交流電源1を短絡して、電源力率を改善しているものである。
【0045】
PWM信号のデューティ比と出力周波数は、インバータ回路7の瞬時出力電力と強い相関があるので、電源装置の運転状態に対応した短絡信号を常に生成し、電源力率を最良の動作点で制御することが可能である。また、従来のように、検出手段を必要としないため、検出手段の遅延の影響を受けることもなく、力率改善制御が遅延することもなく、高速に動作することができ、応答性および制御性を向上することができる。なお、第1ないし第3の実施形態に基づいてデューティ比と出力周波数のいずれかの変数により短絡信号を決定し、使用しなかった方の変数を用いて補正を行うようにすることも考えられる。
例えば、負荷にDCモータを接続した場合には、DCモータの回転数に応じて起電圧が発生する。負荷トルクが軽い時には、回転数が早くなって起電圧が高くなるので、消費電力は低くなるがデューティ比は大きくなる。この時は、デューティ比のみで決定した短絡期間よりも短い短絡期間とする。また、負荷が重いときには、回転数が遅くなって起電圧が低くなるので、消費電力は高くなるがデューティ比が小さくなる。この時は、デューティ比のみで決定した短絡期間よりも長い短絡期間とする。従って、例えば、次式のように、
【数1】
短絡期間=C×(デューティ比−D)−E×(実回転数−回転数N)
C,D,Eはシステムによって決定される定数である。
回転数N;本来、その時のデューティ比における回転数
(モータのV/Fカーブに基づき設定する。)
回転数による補正を行うことで、消費電力に合った短絡パルスを決定することが可能である。この一例を図4中の破線にて示す。
この例では、一次関数として補正を行っているが、モータの特性に合わせて、他の関数を用いたり、データテーブルを基に補正を行う方式も考えられる。
【0046】
図8は、本発明の第5の実施形態に係わる電源装置の構成を示す回路図である。同図に示す電源装置は、図1に示した電源装置においてインバータ回路7の出力に電動機8を接続するとともに、該電動機8の回転数をコントローラ11に設けた回転数検出手段16で検出し、この検出した電動機8の回転数を力率改善制御手段13に供給し、これにより力率改善制御手段13はインバータ制御手段14からのPWM信号のデューティ比と回転数検出手段16からの電動機8の回転数に基づいて短絡信号を決定するように構成しているものであり、この他の構成および作用は図1の電源装置と同じであり、同じ構成要素には同じ符号が付されている。
【0047】
図9は、図8に示す電源装置の動作原理をわかりやすく説明するための図8の要部の機能図である。図9に示すように、インバータ制御手段14はインバータ回路7を駆動するPWM信号のデューティ比および出力周波数を計算し、この計算したPWM信号でインバータ回路7を制御するとともに、この計算したPWM信号のデューティ比を力率改善制御手段13に供給する。また、インバータ回路7で駆動される電動機8の回転数、すなわち実回転周波数が前記回転数検出手段16で検出され、この検出された電動機8の実回転周波数が力率改善制御手段13に供給される。
【0048】
力率改善制御手段13は、このようにPWM信号のデューティ比および電動機8の実回転周波数を供給されると、デューティ比に基づいて短絡信号を決定するとともに、電動機8の実回転周波数によって力率改善のための短絡信号の補正を行う。例えば、電動機8の実回転周波数がシステムによって決定される予め予想された定常値と異なっている場合には、交流電源1の電圧が変動したかまたは電動機8の負荷トルクが変動したことなどが考えられるので、この場合にはインバータ回路7へ出力されるPWM信号のデューティ比を修正し、実回転周波数が目標回転周波数に近づくように電動機8を制御すると同時に、電動機8の実回転周波数に応じて短絡信号の短絡開始時間および短絡期間を補正する。このようにして、電源電圧の変動や負荷トルクの変動の影響を受けないように高速で制御性の優れた力率改善制御を行うことができる。
【0049】
次に、図10を参照して、本発明の第6の実施形態について説明する。図10は、第6の実施形態の動作原理をわかりやすく説明するための基本的構成のみを示しているものであり、その具体的回路構成は図8に示した回路構成の電源装置で実施し得るものである。なお、図8に示す電源装置の回路構成については既に詳述したので、図10のみを参照して、第6の実施形態の基本的動作についてのみ説明する。
【0050】
第6の実施形態の電源装置は、図10に示すように、インバータ回路7を駆動制御するインバータ制御手段14のPWM信号の目標回転周波数を力率改善制御手段13に供給するとともに、図8に示した回転数検出手段16で検出した電動機8の実回転数である実回転周波数も力率改善制御手段13に供給され、これにより力率改善制御手段13は目標回転周波数と実回転周波数に基づいて短絡信号を決定する。更に具体的には、力率改善制御手段13は、目標回転周波数に基づいて短絡信号を決定し、電動機8の実回転周波数により力率改善のための短絡信号の補正を行い、この補正された短絡信号により交流電源1を短絡して、電源力率を改善しているものである。
【0051】
例えば、電動機8の実回転周波数がシステムによって決定される予め予想された定常値と異なっている場合には、交流電源1の電圧が変動したかまたは電動機8の負荷トルクが変動したことなどが考えられるので、この場合にはインバータ回路7へ出力されるPWM信号のデューティ比を修正し、実回転周波数が目標回転周波数に近づくように電動機8を制御すると同時に、電動機8の実回転周波数に応じて短絡信号の短絡開始時間および短絡期間を補正する。これにより、電源電圧の変動や負荷トルクの変動の影響を受けないように高速で制御性の優れた力率改善制御を行うことができる。
【0052】
なお、上記各実施形態において、リアクタ、短絡回路、コンデンサなどの接続位置を入れ替えても同様の力率改善機能および同様な効果を有する電源装置を構成することができるものであり、本発明はこのように入れ替え変更された種々の電源装置にも同様に適用し得るものである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明によれば、インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比に基づいて短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、短絡手段を駆動制御することによりリアクタを介して交流電源を短絡して力率を改善しているので、従来のような検出手段などによる検出遅延もなく、電源力率が最良の点において高速かつ安定に動作することができる。
【0055】
請求項記載の本発明によれば、インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比および出力周波数に基づいて短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、リアクタを介して交流電源を短絡して力率を改善しているので、従来のような検出手段などによる検出遅延もなく、電源力率が最良の点で高速かつ安定に動作することができる。
【0056】
請求項記載の本発明によれば、インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比および電動機の実回転数に基づいて短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、リアクタを介して交流電源を短絡して力率を改善しているため、従来のような検出手段などによる検出遅延もなく、電源力率が最良の点で高速かつ安定に動作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる電源装置の構成を示す回路図である。
【図2】図1に示す電源装置の各部の信号の波形を示す図である。
【図3】図1に示す電源装置の動作原理をわかりやすく説明するための図1の要部の機能図である。
【図4】図1に示す電源装置においてデューティ比により計算された短絡信号の短絡開始時間および短絡期間を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係わる電源装置の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の動作原理をわかりやすく説明するための基本的構成のみを示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の動作原理をわかりやすく説明するための基本的構成のみを示す図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係わる電源装置の構成を示す回路図である。
【図9】図8に示す電源装置の動作原理をわかりやすく説明するための図の要部の機能図である。
【図10】本発明の第6の実施形態の動作原理をわかりやすく説明するための基本的構成のみを示す図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 リアクタ
3 第1のダイオードブリッジ
4,5,6 コンデンサ
7 インバータ回路
8 電動機
9 第2のダイオードブリッジ
10 短絡素子
11 コントローラ
12 ゼロクロス検出手段
13 力率改善制御手段
14 インバータ制御手段
16 回転数検出手段

Claims (3)

  1. 交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ、該コンバータからの直流電力をパルス幅変調制御して交流電力に変換するインバータ、前記交流電源に直列に接続されたリアクタ、および前記リアクタを介して交流電源を短絡する短絡手段を有する電源装置であって、
    前記インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比に基づいて前記短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、前記短絡手段を駆動するように制御して力率を改善する力率制御手段を有することを特徴とする電源装置。
  2. 交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ、該コンバータからの直流電力をパルス幅変調制御して交流電力に変換するインバータ、前記交流電源に直列に接続されたリアクタ、および前記リアクタを介して交流電源を短絡する短絡手段を有する電源装置であって、
    前記インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比および出力周波数に基づいて前記短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、前記短絡手段を駆動するように制御して力率を改善する力率制御手段を有することを特徴とする電源装置。
  3. 交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータ、該コンバータからの直流電力をパルス幅変調制御して交流電力に変換するインバータ、該インバータに接続され、該インバータによって駆動される電動機、前記交流電源に直列に接続されたリアクタ、および前記リアクタを介して交流電源を短絡する短絡手段を有する電源装置であって、
    前記インバータを制御するパルス幅変調制御信号のデューティ比および前記電動機の実回転数に基づいて前記短絡手段の短絡開始時刻および短絡期間を決定し、この短絡開始時刻から短絡期間の間、前記短絡手段を駆動するように制御して力率を改善する力率制御手段を有することを特徴とする電源装置。
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