JP2001170500A - 多孔体及びその製造方法、並びに、該多孔体を用いた排ガス浄化用触媒 - Google Patents

多孔体及びその製造方法、並びに、該多孔体を用いた排ガス浄化用触媒

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JP2001170500A JP35667299A JP35667299A JP2001170500A JP 2001170500 A JP2001170500 A JP 2001170500A JP 35667299 A JP35667299 A JP 35667299A JP 35667299 A JP35667299 A JP 35667299A JP 2001170500 A JP2001170500 A JP 2001170500A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒および触媒担体や各種フイルタ−,酵素
用担体,吸着剤,充填材などの用途に有用な酸化物系多
孔体を提供する。 【解決手段】 “中心細孔径がメソ細孔領域の範囲内に
あり、該細孔の分布がシャープであり、細孔の少なくと
も一部は、三次元の網目状に連通し、該連通経路がラン
ダムで三次元網目構造を有し、かつ実質的に繊維状構造
を有しない”特徴を有する新規な多孔体、具体的には、
上記特徴を有する「非晶質である海綿状構造のアルミナ
多孔体」,同じく上記特徴を有する「アスペクト比が3
以下の結晶性酸化物の微粒子を疎に凝集させて形成し
た、アルミナ系多孔体,ジルコニア系多孔体,チタニア
系多孔体,マグネシア系多孔体,酸化鉄系多孔体,セリ
ア系多孔体」を提供するものであり、触媒および触媒担
体や各種フイルタ−,酵素用担体,吸着剤,充填材など
の用途に好適な、新規な多孔体を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてアルミナ
系多孔体,ジルコニア系多孔体,チタニア系多孔体,マ
グネシア系多孔体,酸化鉄系多孔体,セリア系多孔体な
どの酸化物および/または複合酸化物の多孔体及びその
製造方法、並びに、該多孔体を用いた排ガス浄化用触媒
に関する。
【0002】詳細には、本発明は、触媒および触媒担体
や各種フイルタ−,酵素用担体,吸着剤,充填材などの
用途に好適であって、「中心細孔径がメソ細孔領域にあ
り、該細孔の分布がシャープであり、細孔の少なくとも
一部が三次元網目構造を有し、かつ実質的に繊維状構造
を有しない」特徴を有する“海綿状構造の多孔体”、ま
たは、上記特徴を有する“アスペクト比が3以下の粒子
を凝集させ、該粒子の間隙に細孔を形成させた多孔
体”、および、それらの製造方法に関し、更に、その用
途として、特に該多孔体を用いた排ガス浄化用触媒に関
する。
【0003】
【従来の技術】[多孔体に係る従来技術]適切な細孔構
造を持つアルミナ系多孔体に係る先行技術としては、例
えば、特開昭58-190823号公報や特開昭60-54917号公報
には、「大細孔径でありながら、シャ−プな細孔分布を
持つと共に機械的強度にも優れているアルミナ担体」に
ついて記載されている。また、上記のような細孔構造を
持つアルミナ系多孔体を製造する手段としては、例え
ば、特開昭55-27830号公報には、「水酸化アルミニウム
含有スラリーのpHを5以下あるいは11以上にした
後、中和剤を加えてpH6〜10に戻す操作を繰り返す
方法(pHスウイング法)」が開示されており、同様な方
法が、特開昭58-190823号公報や特開昭60-54917号公報
にも記載されている。
【0004】一方、適切な細孔構造を持つシリカ系多孔
体に係る先行技術としては、特公平7-64543号公報に
「細孔容積が0.8〜1.8ml/g,表面積が20〜500m2/g,平
均細孔径が80〜1000Åである球状シリカ」が記載されて
いる。そして、この球状シリカは、ケイ酸アルカリ水溶
液を中和することにより得たシリカヒドロゲルを、スー
パーヒートスチームにより100〜1000℃で乾燥し、シリ
カキセロゲルとすることにより得られ、また、上記シリ
カヒドロゲルを予め、スチームで0.5〜5kg/cm2圧力下、
0.5〜24時間熟成することが好ましい旨記載されてい
る。
【0005】ジルコニア系多孔体に係る先行技術として
は、例えば、特開平8-66631号公報には、「酸化ジルコ
ニウムに0.1〜10重量%のシリカを含有させることによ
り、酸化ジルコニウムの結晶型が焼成工程で変化するの
を防ぎ、液体クロマトグラフィで重要な特性である細孔
径の分布がシャ−プな酸化ジルコニウム粒子を製造する
こと」について記載されている。
【0006】チタニア系多孔体に係る先行技術として
は、例えば、特開平6-340421号公報には、「平均短径が
80〜120Å,平均長径が240〜500Å,アスペクト比が2.4
〜6.4である針状多孔質性微粒子酸化チタン」について
記載されている。そして、この酸化チタンを製造する手
段として、 a) 加水分解性酸化チタン化合物と塩基とを反応させ
て、水和酸化チタンを析出させる工程、 b) 多塩基性カルボン酸を添加し、前記水和酸化チタン
を溶解させる工程、 c) アルカリを加えて、キレ−ト化しているチタン化合
物の加水分解を行わせる工程、 d) 析出沈澱に無機酸を添加して攪拌し、解膠させる工
程、 e) 生成微粒子の脱水後、200〜400℃で仮焼する工程、 からなる方法が開示されている。
【0007】マグネシア系多孔体に係る先行技術として
は、例えばスピネルについて、特開昭59−232915号公報
には、「水溶性マグネシウム塩及び水溶性アルミニウム
塩の混合水溶液をアルコールの存在下で、アルカリでp
H調整して沈殿物を生成させ、この沈殿物を乾燥し、焼
成してスピネルを得ること」が記載されている。
【0008】酸化鉄系多孔体に係る先行技術としては、
例えば、特開昭61-268358号公報には、「酸化鉄に酸化
クロムを配合した組成からなり、細孔が大きく、かつ該
細孔分布が狭い細孔構造を有し、酸化・還元に対しても
耐久性に優れた酸化鉄系多孔体」について記載されてい
る。また、セリア系多孔体についても同様な先行技術が
存在する。
【0009】[排ガス浄化用触媒に係る従来技術]自動
車の排ガス浄化用触媒としては、従来から、CO及びH
Cの酸化とNOXの還元とを同時に行って排ガスを浄化
する三元触媒が用いられている。このような三元触媒と
しては、例えば、コーディエライトなどからなる耐熱性
基材にγ−アルミナからなる多孔質担体層を形成し、そ
の多孔質担体層に白金(Pt),ロジウム(Rh)などの触
媒貴金属を担持させたものが広く知られている。また、
酸素吸蔵能をもつセリア(セリウム酸化物)を併用し、低
温活性を高めた三元触媒(特公平6−75675号公報参照)も
知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】[多孔体に係る従来技
術の問題点]ところで、実質上アルミナの製造方法であ
る前掲の「pHスィング法」では、前駆体であるベーマ
イト(AlOOH)を、酸性原料とアルカリ原料とを使用しp
Hをスィングさせて、結晶の可溶と析出を繰り返すこと
により繊維状に結晶成長させ、細孔分布のシャープなア
ルミナ多孔体を得ている。
【0011】しかし、結晶を成長させるためにpHを何
度もスィングさせるため、工程が多く時間がかかり、品
質を管理するための条件統一が容易でないと言う問題点
を有している。また、pHを変動させるため、第二成分
等を添加する際、一旦沈殿した第二成分が可溶化し、均
一に分散できなかったり、さらには、pH6〜11以外
で沈殿物を生成するような第二成分の場合には、この第
二成分を前駆体中に取り込むことができないと言う問題
点をあわせ持っている。そのうえ、前記従来の「pHス
ウイング法によるアルミナ多孔体」では、海綿状構造の
アルミナ系多孔体が得られず、また、アスペクト比が3
以下の粒子を凝集させた多孔体が得られない。
【0012】特に、前掲の特開昭58-190823号公報や特
開昭60-54917号公報に記載の多孔体は、多孔体を構成す
る粒子の形状が“繊維状”であり、後に詳記するが、繊
維状粒子が凝集した多孔体では、触媒担体として使用す
る場合、貴金属が高分散に担持されたとしても、繊維の
長さ方向に沿ってある結晶面が存在し、同一結晶面内に
担持される割合が高くなる傾向を示し、しかも、高温下
で凝縮し易くなるという欠点を有している。
【0013】一方、前掲の特公平7-64543号公報に記載
の球状シリカは、その多孔体を構成する粒子が非晶質で
あるため、例えば触媒担体として使用する場合、貴金属
を高分散に保持するための結晶面が存在しないので、貴
金属粒子が担体表面を容易に移動して貴金属のシンタリ
ングが進行し、活性が低下する。また、この多孔体がシ
リカからなるために、触媒担体として使用する場合、貴
金属との親和性が低く、例えばアルミナ等に比べて貴金
属がシンタリングし易く、活性が低下する。さらに、三
元触媒として使用した場合、コーキングを起こして失活
するという問題点を有している。
【0014】また、前記したジルコニア系,チタニア
系,マグネシア系,酸化鉄系,セリア系の各多孔体に係
る従来技術においても、「中心細孔径がメソ細孔領域に
あり、該細孔の分布がシャープであり、細孔の少なくと
も一部が三次元網目構造を有し、かつ実質的に繊維状構
造を有しない」特徴を有する海綿状構造のアルミナ系多
孔体、および、上記特徴を有する、アスペクト比が3以
下の粒子を凝集させた多孔体については、その製造方法
を含めて何等提案されていない。
【0015】[排ガス浄化用触媒に係る従来技術の問題
点]前記排ガス浄化用触媒に係る従来技術の“三元触
媒”を高温の排ガス中に長時間曝すと、貴金属が粒成長
を起こし、貴金属の排ガス中に含まれる一酸化炭素(C
O)、水素(H2)、および炭化水素(HC)と窒素酸化物
(NOX)を同時に酸化還元反応させる能力が低下するの
で、これが、三元触媒の高温耐久性低下の一因になって
いるものと考えられている。
【0016】[本発明の目的(技術課題)]そこで、本発
明の目的(技術課題)とするところは、前記多孔体および
排ガス浄化用触媒に係る従来技術の問題点を解消するこ
とにあり、 ・第一に、前記した「中心細孔径がメソ細孔領域にあ
り、該細孔の分布がシャープであり、細孔の少なくとも
一部が三次元網目構造を有し、かつ実質的に繊維状構造
を有しない」特徴を有する、新規な“非晶質な海綿状構
造の多孔体”を提供すること、つまり、中心細孔径の近
傍に高度に細孔が集中している海綿状構造のアルミナ系
多孔体を提供すること、 ・第二に、同じく前記した「中心細孔径がメソ細孔領域
にあり、該細孔の分布がシャープであり、細孔の少なく
とも一部が三次元網目構造を有し、かつ実質的に繊維状
構造を有しない」特徴を有する、新規な“アスペクト比
が3以下の粒子を凝集させた多孔体”を提供すること、
つまり、アスペクト比が3以下の粒子を凝集させ、該粒
子の間隙に細孔を形成させた多孔体であって、中心細孔
径の近傍に高度に細孔が集中している多孔体を提供する
こと、 ・第三に、上記第一および第二で目的とする多孔体を、
簡便な手段で、しかも安価に製造できる方法を提供する
こと、 ・第四に、多孔体の品質を改善するための第二成分を添
加し得る多孔体の製造方法を提供すること、 ・第五に、排ガス浄化能に優れた触媒であって、特に、
“高温排気ガス中で起こる貴金属の粒成長の抑制”を図
り、その結果として、高い高温耐久性を有する排ガス浄
化用触媒を提供すること、にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多孔体は、
「中心細孔径がメソ細孔領域の範囲内にあり、該細孔の
分布がシャープであり、細孔の少なくとも一部は、三次
元の網目状に連通し、該連通経路がランダムで三次元網
目構造を有し、かつ実質的に繊維状構造を有しないこ
と」(請求項1)、および、「前記中心細孔径が、2〜
100nmの範囲内にあること」(請求項2)、を特徴
(発明を特定する事項)とし、これにより、前記第一およ
び第二の目的とする多孔体であって、触媒および触媒担
体や各種フイルタ−,酵素用担体,吸着剤,充填材など
の用途に好適な新規な多孔体を提供するものである。
【0018】このうち、本発明の第1の多孔体として
は、「アルミナ系多孔体からなり、該多孔体が海綿状構
造であること」(請求項3)「前記海綿状構造のアルミナ
系多孔体が、非晶質であり、該多孔体内に細孔を有する
こと」(請求項4)、を特徴(発明を特定する事項)とし、
これにより、前記第一の目的とする多孔体であって、前
記した用途に好適な新規な多孔体を提供するものであ
る。
【0019】また、上記第1の多孔体は、 ・メソ細孔容積の70%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にある多孔体(請求
項5)、 ・メソ細孔容積の80%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にある多孔体(請求
項6)、 ・メソ細孔容積の70%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にある多孔体(請求
項6)、 ・メソ細孔容積の90%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にある多孔体(請求
項7)、 ・メソ細孔容積の80%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にある多孔体(請求
項7)、 ・メソ細孔容積の90%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にある多孔体(請求
項8)、 であって、このように細孔の分布がシャープであること
から、後に記載するように、特に、分子の寄与する反応
および分離、ないしは吸・脱着などに利用する場合に有
用な材料となり得るものである。
【0020】さらに、上記第1の多孔体は、「pH3〜
4.5の範囲においてアルミニウム塩水溶液からアルミ
ニウム成分の少なくとも一部を沈殿させ、該沈殿を含む
水溶液を飽和蒸気または飽和蒸気に近い雰囲気中で所定
時間保持して前駆体を生成させ、該前駆体を焼成して得
られたものであること」(請求項9)、「前記前駆体の焼
成が、前駆体中の粒子配列を維持しつつ水分を除去し、
非晶質化すること」(請求項10)、を特徴(発明を特定
する事項)とし、これにより、前記した特徴を有する海
綿状構造の多孔体(請求項3,請求項4の多孔体)、およ
び、前記した細孔分布を有する海綿状構造の多孔体(請
求項5〜請求項8の多孔体)を得るものである。
【0021】一方、本発明の第2の多孔体としては、
「アスペクト比が3以下の粒子が凝集してなる多孔体で
あって、該粒子間の間隙に細孔を有すること」(請求項
11)、「アスペクト比が3以下の結晶性酸化物の微粒
子を疎に凝集させて形成した多孔体であって、該結晶性
酸化物の微粒子が三次元的に連なってその間隙に細孔を
形成してなること」(請求項12)、を特徴(発明を特定
する事項)とし、これにより、前記第二の目的とする多
孔体であって、前記した触媒および触媒担体や各種フイ
ルタ−,酵素用担体,吸着剤,充填材などの用途に好適
な新規な多孔体を提供するものである。
【0022】第2の多孔体は、具体的には、アルミナ系
多孔体,ジルコニア系多孔体,チタニア系多孔体,マグ
ネシア系多孔体,酸化鉄系多孔体またはセリア系多孔体
の酸化物および/または複合酸化物の少なくとも一種で
あって、かつ結晶性物質からなる多孔体である(請求項
13)。そして、細孔分布については、アルミナ系多孔
体の場合、 ・メソ細孔容積の70%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にある多孔体(請求
項14)、 ・メソ細孔容積の80%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にある多孔体(請求
項15)、 ・メソ細孔容積の70%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にある多孔体(請求
項15)、 ・メソ細孔容積の90%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にある多孔体(請求
項16)、 ・メソ細孔容積の80%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にある多孔体(請求
項16)、 ・メソ細孔容積の90%以上が、メソ細孔領域に存在する
細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にある多孔体(請求
項17)、 であり、このように細孔の分布がシャープであることか
ら、後に記載するように、特に、分子の寄与する反応お
よび分離、ないしは、吸・脱着などに利用する場合に有
用な材料となり得るものである。
【0023】アルミナ系多孔体以外の多孔体としては、 ・ジルコニア系多孔体である場合、メソ細孔容積の40%
以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±
5nm以内の領域にある多孔体(請求項18)、 ・チタニア系多孔体である場合、メソ細孔容積の50%以
上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±5n
m以内の領域にある多孔体、または、メソ細孔容積の40
%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の
±3nm以内の領域にある多孔体(請求項19)、 ・マグネシア系多孔体である場合、メソ細孔容積の80%
以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±
5nm以内の領域にある多孔体(請求項20)、 ・酸化鉄系多孔体である場合、メソ細孔容積の40%以上
が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±5nm
以内の領域にある多孔体(請求項21)、 ・セリア系多孔体である場合、メソ細孔容積の70%以上
が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±5nm
以内の領域にある多孔体、または、メソ細孔容積の55%
以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±
3nm以内の領域にある多孔体(請求項22)、 であり、このようにアルミナ系多孔体以外の多孔体にお
いても、細孔分布がシャープであることから、前記アル
ミナ系多孔体の場合と同様、分子の寄与する反応および
分離、ないしは、吸・脱着などに利用する場合に有用な
材料となり得るものである。
【0024】さらに、上記第2の多孔体は、「熱分解に
より酸化物となる組成物を飽和蒸気または飽和蒸気に近
い雰囲気中で所定時間保持,熟成して前駆体を生成さ
せ、該前駆体を焼成して得られたもの」(請求項23)、
「前記前駆体の焼成が、前駆体中の粒子配列を維持しつ
つ溶媒成分を除去し、酸化物とすること」(請求項2
4)、を特徴(発明を特定する事項)とし、これにより、
前記した特徴を有する多孔体(請求項11,請求項12
の多孔体)、および、前記した細孔分布を有する多孔体
(請求項14〜請求項22の多孔体)を得るものであ
る。
【0025】また、上記第2の多孔体のうち、アルミナ
系多孔体は、さらに、希土類元素,アルカリ土類金属お
よびIV属元素のうち少なくとも一種を添加成分として含
むことが好ましい(請求項25)。特に、希土類元素のう
ちランタンを添加すること(請求項26)、および/また
は、IV属元素のうちチタン,ケイ素,ジルコニウムの少
なくとも一種を添加すること(請求項27)が好ましい。
これらの添加により、耐熱性の向上や、各種特性[例え
ば使用目的に応じ酸性ないしは塩基性の多孔体を得るこ
と(以下、単に“酸塩基性”という)]などを任意に調節
することができるため、排ガス浄化用触媒や燃料改質触
媒として特に有用である。
【0026】本発明に係る多孔体(前記第1の多孔体,
第2の多孔体を含む)は、「中心細孔径がメソ細孔領域
の範囲内にあり、該細孔の分布がシャープであり、細孔
の少なくとも一部は、三次元の網目状に連通し、該連通
経路がランダムで三次元網目構造を有し、かつ実質的に
繊維状構造を有しない多孔体」であることから、その用
途として、特に、触媒または触媒担体として有用である
(請求項28)。
【0027】本発明に係る多孔体の製造方法は、(1)熱
分解により酸化物となる組成物を準備する準備工程と、
(2)前記組成物を室温以上で所定時間保持し、前駆体を
生成させる熟成工程と、(3)前記前駆体を焼成する焼成
工程と、を含むことを特徴とし(請求項29)、この方法
によって、前記第三の目的および第四の目的を達成する
ことができる。即ち、本発明に係る多孔体であって、前
記した特徴を有する新規な多孔体を、簡便な手段で、し
かも安価に製造することができ、かつ、該多孔体の品質
を改善する等のために、第二成分を添加し得る多孔体を
容易に製造することができる。
【0028】この製造方法について更に説明すると、前
記(1)の準備工程では、 ・該工程で準備する組成物(熱分解により酸化物となる
組成物)が、溶媒を含むこと(請求項30)、 ・前記組成物が、溶媒和したものからなること(請求項
31)、 ・前記溶媒が、水,一価アルコール,二価アルコールお
よび三価アルコールの一種またはこれらの混合物、ある
いは、水および一価アルコールの一種またはこれらの混
合物であること(請求項32,請求項33)、 ・前記組成物が、アルミニウム,ジルコニウム,チタニ
ウム,マグネシウム,鉄,セリウムの水酸化物、およ
び、アルミニウム塩,ジルコニウム塩,チタニウム塩,
マグネシウム塩,鉄塩,セリウム塩のうちの少なくとも
一種から成るか、または、これを主成分とし、該主成分
に対して、希土類元素,アルカリ土類金属およびIV属元
素のうち少なくとも一種を添加成分として含むこと(請
求項34)、 ・前記水酸化物,前記塩が、溶媒中に浸漬されているこ
と(請求項35)、 ・溶媒中に浸漬されている前記組成物が、アルミニウム
塩,ジルコニウム塩,チタニウム塩,マグネシウム塩,
鉄塩,セリウム塩より生成させた沈殿物であること(請
求項36)、が、より好ましい。
【0029】また、前記(2)の熟成工程では、飽和蒸気
(水蒸気が好ましい)、又は、飽和蒸気に近い雰囲気中で
所定時間保持し、前駆体を生成させることが好ましく
(請求項37,請求項38)、水蒸気を用いる場合には、
その温度が200℃以下、好ましくは80〜150℃、より好ま
しくは100〜130℃である(請求項39〜請求項41)。一
方、熟成時間としては、0.5〜200時間である(請求項4
2)。
【0030】更に、前記(3)の焼成工程では、前駆体中
の粒子配列を維持しつつ溶媒成分を除去することが好ま
しく(請求項43)、また、焼成温度については、多孔体
の種類によって異なるが、300〜1200℃の範囲内である
(請求項44)。以上の(1)〜(3)の工程の組み合わせに
より、前記した特徴を有する本発明に係る新規な多孔体
を、より容易に製造することができる。
【0031】一方、本発明に係る排ガス浄化用触媒は、
「担体と、該担体に担持した貴金属とを含む排ガス浄化
用触媒において、前記担体の少なくとも一部が、前記本
発明に係る多孔体からなること」(請求項45)を特徴と
し、これにより、前記第五の目的とする触媒、特に、
“高温排気ガス中で起こる貴金属の粒成長の抑制”を図
り、その結果として、高い高温耐久性を有する排ガス浄
化用触媒を提供することができる。本発明に係る多孔体
は、前記したとおり、「中心細孔径がメソ細孔領域の範
囲内にあり、該細孔の分布がシャープであり、細孔の少
なくとも一部は、三次元の網目状に連なり、該連通経路
がランダムで三次元網目構造を有し、かつ実質的に繊維
状構造を有しない多孔体」であることから、以下の作用
が推定される。
【0032】本発明に係る多孔体が、中心細孔径がメソ
細孔領域の範囲内にあるため、貴金属をより高分散に、
安定に担持することが可能となり、かつ、該細孔の分布
がシャープであるため、貴金属をより均一に担持するこ
とが可能となり、粒成長の起点が発生しにくく、高温に
おける貴金属の粒成長が抑制される。また、中心細孔径
がメソ細孔領域の範囲内にあり、かつ、このメソ細孔領
域の細孔の少なくとも一部は、三次元の網目状に連な
り、該連通経路がランダムで三次元網目構造を有してい
るため、細孔中を通過する排ガス中の未燃HCやCO、
NOxなどが、効率的に反応しながら拡散して浄化され
る。
【0033】さらに、本発明に係る多孔体が、実質的に
繊維状構造を有しないために、上記に加えてさらに、下
記に示すように貴金属の凝集が起こりにくく、高温にお
ける貴金属の粒成長が抑制されて高温耐久性に優れた排
ガス浄化用触媒となる。つまり、担体を構成する粒子が
繊維状である場合には、貴金属が高分散に担持されたと
しても、繊維方向に沿ってある結晶面が存在するため
に、同一結晶面内に貴金属が担持される割合が高くな
り、かつ、担体粒子の同一結晶面内に担持された貴金属
は、異なった結晶面に担持された貴金属に比べて凝集し
やすい。しかし、前記第2の多孔体の場合、この多孔体
を構成する粒子はアスペクト比が3以下の粒子形状を持
つために、結晶面は粒子サイズに制限されており、貴金
属の担持された結晶面も制限されるため、凝集が起こり
にくい。このため、高温における貴金属の粒成長が抑制
されるものである。
【0034】また、担体を構成する粒子が非晶質である
場合には、貴金属が高分散に担持されたとしても、貴金
属が保持される結晶面が存在しないために、貴金属粒子
が担体表面を容易に移動して、凝集しやすい。しかし、
前記第1の多孔体の場合、この多孔体を形成する粒子が
非晶質であっても、海綿状構造であり、細孔が凹面で構
成されるために、貴金属粒子は細孔内に安定に保持さ
れ、凝集しにくい。このため、高温における貴金属の粒
成長が抑制されるものである。このように本発明に係る
多孔体を担体として用いることにより、特に、排ガス浄
化性能に優れ、かつ高温耐久性に優れた触媒を提供する
ことができる。
【0035】また、本発明に係る排ガス浄化用触媒は、
「担体(本発明に係る多孔体)の表面近傍に貴金属が濃化
して担持されている」(請求項46)ものであり、このよ
うに本発明に係る多孔体を担体として使用することによ
り、通常の貴金属担持法によって、担体表面における貴
金属の高濃度担持を可能にし、かつ、貴金属の粒成長を
抑制して排ガス浄化性能に優れた触媒を提供することが
できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。(なお、本明細書において、区別する必要が
ある場合には“本発明の第1の多孔体”“本発明の第2
の多孔体”と呼称し、特に区別する必要がなく、両多孔
体を含む場合は“本発明に係る多孔体”と呼称する。)
【0037】[本発明に係る多孔体の実施の形態]本発
明に係る多孔体は、前記したとおり、“中心細孔径がメ
ソ細孔領域の範囲内にあり、該細孔の分布がシャープで
あり、細孔の少なくとも一部は、三次元の網目状に連通
し、該連通経路がランダムで三次元網目構造を有し、か
つ実質的に繊維状構造を有しない”特徴を有する多孔体
であり、また、“前記中心細孔径が2〜100nmの範
囲内にある”特徴を有する多孔体である。
【0038】このように、本発明に係る多孔体は、細孔
の少なくとも一部は(一軸方向ではなく)三次元的に連
通しており、かつその経路はランダムである“三次元網
目構造”を有する、いわゆる“メソ多孔体”であるか
ら、特開平10-87319号公報に記載のFSM多孔体と明ら
かに相違する。なお、FSM多孔体もメソ多孔体である
が、これは、上記公報にも記載されているように、例え
ばSiO2シートの折れ曲がりによる構造的な細孔を有
するものであって、一軸方向にそろった細孔を持つもの
である。
【0039】本発明に係る多孔体において、“実質的に
繊維状構造を有しない”とは、アスペクト比が3を超え
る繊維状の粒子が凝集し、その繊維状の粒子間に細孔を
形成して成る構造を有しないことを意味する。したがっ
て、本発明に係る多孔体のうち、前記した特徴を有する
本発明の第1の多孔体は、海綿状構造の多孔体であっ
て、実質的に繊維状構造を有しないものである。また、
同じく前記した特徴を有する本発明の第2の多孔体は、
アスペクト比が3以下の粒子が凝集してなる構造の多孔
体であって、繊維状の粒子(アスペクト比が3を超える
粒子)が凝集したものと明らかに相違する。
【0040】まず、本発明に係る多孔体の実施形態につ
いて、図1の(A),同(B)を参照して説明する。
【0041】図1の(A)は、本発明の第1の多孔体10
を示す図であって、該第1の多孔体10における非晶質
粒子の最表面を模式的に示す図である。そして、細孔1
2は、同一平面上に独立して配置されていることを意味
するものではなく、この細孔12の少なくとも一部は、
非晶質粒子の内部において、三次元の網目状に連なった
“三次元網目構造”を有する。
【0042】すなわち、図1の(A)に示す本発明の第1
の多孔体10は、海綿状構造のアルミナ系多孔体であっ
て、非晶質であることを特徴とする。そして、この多孔
体10内に細孔12を有し、この細孔12の中心細孔径
がメソ細孔領域の範囲内にあり、かつ細孔12の分布が
シャープであり、しかも細孔12の少なくとも一部は、
非晶質粒子の内部において三次元の網目状に連通し、該
連通経路が三次元的にランダムで三次元網目構造を形成
している。
【0043】図1の(B)は、本発明の第2の多孔体20
を示す図であって、最表面に見える粒子21の集合状態
を模式的に示す図であり、各粒子21が同一平面上に配
置していることを意味するものではなく、疎に凝集して
いる様子を示す、つまり“三次元網目構造”を模式的に
示す図である。
【0044】すなわち、図1の(B)に示す本発明の第2
の多孔体20は、アスペクト比が3以下の、かつ平均的
な大きさの粒子(結晶性酸化物の微粒子)21が疎に凝集
している多孔体である。細孔22は、各粒子21が三次
元の網目状に連なってできる粒子間の間隙によるもので
あり、その細孔22の中心細孔径がメソ細孔領域の範囲
内にある。本発明の第2の多孔体20では、各粒子21
の形状および大きさが比較的揃っているので、細孔分布
はシャープとなり、また、細孔22の少なくとも一部
は、(一軸方向ではなく)三次元的に連通しており、かつ
その経路はランダムであって、三次元網目構造を形成し
ている。
【0045】本発明の第1の多孔体は、前記特徴を有す
る“海綿状構造のアルミナ系多孔体”である。一方、本
発明の第2の多孔体は、同じく前記特徴を有する“アス
ペクト比が3以下の粒子が凝集してなる構造の多孔体”
であって、具体的には、アルミナ系,ジルコニア系,チ
タニア系,マグネシア系,酸化鉄系,セリア系の酸化物
および/または複合酸化物の少なくとも一種であって、
かつ結晶性酸化物からなる多孔体である。以下に記載す
るこれら多孔体の中心細孔径や細孔分布については、本
発明の第1の多孔体の場合、多孔体の製造条件によって
異なり、また、第2の多孔体の場合では、製造条件に加
えて多孔体の種類などによっても相違する。
【0046】本発明の第1の多孔体、および、本発明の
第2の多孔体のうちアルミナ系多孔体では、次のa),
b)の細孔分布を有する。 a) メソ細孔容積の70%以上または80%以上、さらに
は、90%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細
孔径の±5nm以内の領域にある多孔体。 b) メソ細孔容積の70%以上または80%以上、さらに
は、90%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細
孔径の±3nm以内の領域にある多孔体。
【0047】本発明の第2の多孔体のうち、アルミナ系
多孔体以外の多孔体としては、 ・ジルコニア系多孔体の場合、メソ細孔容積のメソ細孔
容積の40%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心
細孔径の±5nm以内の領域にある多孔体、 ・チタニア系多孔体の場合、メソ細孔容積の50%以上
が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±5nm
以内の領域にある多孔体、または、メソ細孔容積の40%
以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±
3nm以内の領域にある多孔体、 ・マグネシア系多孔体の場合、メソ細孔容積のメソ細孔
容積の80%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心
細孔径の±5nm以内の領域にある多孔体、 ・酸化鉄系多孔体の場合、メソ細孔容積の40%以上が、
メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±5nm以内
の領域にある多孔体、 ・セリア系多孔体の場合、メソ細孔容積の70%以上が、
メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±5nm以内
の領域にある多孔体、または、メソ細孔容積の55%以上
が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±3nm
以内の領域にある多孔体、である。
【0048】なお、本明細書で記載する「中心細孔径」
および「メソ細孔容積」は、以下の方法で評価した細孔
分布曲線から求めたものである。細孔が3.5nm以上
の領域は、主として水銀圧入法(ASTM D 4284-92;Stand
ard Test Method for Determining Pore Volume Distri
bution of Catalysts byMercury Intrusion Porosimetr
y)を用いて評価した。圧力と圧入量から細孔分布を算
出する際に用いた水銀の表面張力および接触角は、それ
ぞれ480d/cmおよび140°である。本明細書中
の細孔分布曲線とは、横軸を細孔直径、縦軸を累積細孔
容積分布の微分(ΔV/ΔlogD:ここでVは細孔容
積,Dは細孔直径)として各圧入データをプロットした
ものである。
【0049】また、3.5nm以下の領域は、以下に示
す装置および測定方法により窒素吸着等温線を作成して
評価した。窒素吸着等温線の作成は、次のようにした。
ガラス製の真空ラインに圧力センサー(MKS,Baratron
127AA、レンジ1000mmHg)およびコントロールバルブ(MS
K,248A)2個が接続された装置を用い、窒素ガスの真空
ラインへの導入およびサンプル管への導入が自動で行え
るようになっている。ガラス製のサンプル管に試料を入
れ、真空ラインに接続し、室温で約2時間脱気して10
-4mmHgとした。サンプル管を液体窒素に漬け、真空
ライン部に所定圧の窒素ガスを導入し、圧力が安定した
後、サンプル管のコントロールバルブを開き、圧力が一
定になった後、平衡圧(平衡圧が0〜760mmHgの
範囲で16〜18点同じ操作を繰り返した)を記録し
た。この平衡圧と圧力変化から求めた窒素吸着量をプロ
ットすることにより、窒素吸着等温線を作成した。本明
細書中の細孔分布曲線とは、窒素吸着等温線からCranst
on-Incaly法により求めたものである。
【0050】以上のようにして求めた細孔分布曲線を基
にして、本明細書で記載する「中心細孔径」とは、細孔
分布曲線における“極大ピ−クを示す細孔直径”をい
う。また、「メソ細孔容積」とは、細孔分布曲線におい
て“細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容積”を
いう。そして、本発明に係る多孔体において、メソ細孔
領域における細孔分布がシャープであることを表現する
手段として、上記「中心細孔径」「メソ細孔容積」を使
用している。つまり、本発明に係る多孔体において、
“メソ細孔容積のうちのどれだけの割合(%)が、メソ細
孔領域に存在する細孔の中心細孔径の±3nm以内の領
域、または、±5nm以内の領域にあるか”で表現して
いる。この割合(%)が大であるほど、その中心細孔径の
近傍に高度に細孔が集中し、細孔分布がシャープである
ことを示すものである。
【0051】本発明に係る多孔体は、上記のようにして
数値表現され、他と差別化される。このような本発明に
係る多孔体は、排ガス浄化用触媒に代表される触媒担体
だけでなく、燃料改質触媒などの触媒や各種フイルタ
ー、酵素用担体、吸着剤、充填材などの用途に有用であ
り、優れた作用効果が期待できる。更に、チタニア系多
孔体の場合、光触媒への用途の他、生態適合性が認めら
れているので、酵素等の固定化や徐放性を生かして、生
体関連材料としても好適である。また、ジルコニア系多
孔体の場合、生態適合性が認められているので、酵素等
の固定化や徐放性を生かして、生体関連材料としても好
適である。
【0052】本発明の第2の多孔体のうち、アルミナ系
多孔体の場合は、主成分のアルミナ以外に、希土類元
素,アルカリ土類金属およびIV属元素のうち少なくとも
一種を添加成分として含む多孔体をも包含する。例え
ば、ランタナ,マグネシア,カルシア,バリア,チタニ
ア,シリカ,ジルコニアなどの第二または第三成分を加
えても同様な多孔体が得られ、そのうえ更に、耐熱性や
各種特性(酸塩基性など)を調節することができる。アル
ミナ系多孔体以外のジルコニア系,チタニア系,マグネ
シア系,酸化鉄系,セリア系の多孔体についても、第二
または第三成分を添加しても同様な多孔体が得られ、耐
熱性や各種特性(酸塩基性など)を任意に調節することが
でき、これも本発明に包含されるものである。このよう
に第二成分などを添加した本発明の第2の多孔体も同様
に数値表現され、他と差別化される。また、用途も前記
と同様の用途に有用であり、優れた作用効果が期待でき
る。
【0053】中でも、本発明の第2の多孔体のうち、ア
ルミナ系多孔体、特にランタンを添加したアルミナ系多
孔体については、この多孔体を構成する粒子の形状,細
孔構造に加え、ランタン添加により、アルミナの耐熱性
を大きく改善することができるので望ましく、かつ、担
体の酸塩基性などの点からも、排ガス浄化用触媒として
有望である。また、チタンを添加したアルミナ系多孔体
も、この多孔体を構成する粒子の形状,細孔構造に加
え、チタン添加による酸塩基性などの点から、排ガス浄
化用触媒として有望である。
【0054】以上に示したような本発明に係る多孔体
は、前記した用途に限定されることなく、いずれも、分
子等の寄与する反応および分離、ないしは、吸・脱着な
どに利用する場合に、有用な材料と成り得る。なぜな
ら、メソ細孔領域の細孔内を分子などが拡散する際に
は、分子が細孔壁に衝突しながら移動するKundsen拡散
が支配的となり、メソ細孔領域より大きな細孔の場合に
おける分子同士の衝突が支配的となって細孔壁との接触
が減少するような拡散とは、明らかに異なるためであ
る。さらに、該細孔の少なくとも一部が、さらに三次元
の網目状に連なり、該連通経路がランダムで三次元網目
構造を有しているため、細孔中を通過する分子等が効果
的に作用するためである。しかも、本発明に係る多孔体
では、特に、該細孔の中心細孔径が任意に制御でき、か
つ該細孔の分布がシャープであることから、用途に応じ
て最適な材料と成り得る。
【0055】[本発明に係る多孔体の製造方法の実施の
形態]次に、本発明に係る多孔体の製造方法の実施形態
について説明する。本発明の方法は、前記したとおり、
「(1)熱分解により酸化物となる組成物を準備する準備
工程」,「(2)前記組成物を室温以上で所定時間保持
し、前駆体を生成させる熟成工程」,「(3)前記前駆体
を焼成する焼成工程」を含むことを特徴とする。以下
に、各工程順にその実施の形態について詳細に説明す
る。
【0056】「(1)熱分解により酸化物となる組成物を
準備する準備工程」この工程で準備する組成物(熱分解
により酸化物となる組成物)は、溶媒を含み、好ましく
は溶媒和したものからなる。そして、この溶媒として
は、水,一価アルコール,二価アルコールおよび三価ア
ルコールの一種またはこれらの混合物、または、水およ
び一価アルコールの一種またはこれらの混合物が好まし
い。より好ましくは、溶媒として水を使用する場合であ
る。上記一価アルコールとしては、メタノール,エタノ
ール,プロパノールなどを、二価アルコールとしては、
エチレングリコール,プロピレングリコールおよびそれ
らの重合体などを、三価アルコールとしては、グリセリ
ンなどを挙げることができる。
【0057】溶媒和する物質(熱分解により酸化物とな
る物質)としては、アルミニウム,ジルコニウム,チタ
ニウム,マグネシウム,鉄,セリウムの水酸化物、およ
び、アルミニウム塩,ジルコニウム塩,チタニウム塩,
マグネシウム塩,鉄塩,セリウム塩のうちの少なくとも
一種から成るか、または、これを主成分とし、該主成分
に対して、希土類元素,アルカリ土類金属およびIV属元
素のうち少なくとも一種を添加成分として含むものが挙
げられる。このような水酸化物および塩(硫酸塩,硝酸
塩など)は、溶媒中に浸漬されているのが好ましい。そ
して、溶媒中に浸漬されている組成物は、アルミニウム
塩,ジルコニウム塩,チタニウム塩,マグネシウム塩,
鉄塩,セリウム塩より生成させた沈殿物であるのがより
好ましい。
【0058】上記沈殿物を生成させるためには、例え
ば、上記に示す塩の水溶液に、アンモニアなどの中和剤
を添加してpHを調整して生成させることができる。p
H調整については、用いる原料水溶液や中和剤の種類に
よって相違するが、例えば、原料として硫酸アルミニウ
ムを用い、アンモニアでpHを調整する場合、本発明で
特に限定するものではないが、本発明の第1の多孔体で
は“pH3〜4.5”、本発明の第2の多孔体では“p
H8以上”が好ましい。なお、この(1)の準備工程で、
本発明の第2の多孔体に耐熱性や酸塩基性など各種特性
を調節するために、希土類元素,アルカリ土類金属およ
びIV属元素のうち少なくとも一種を添加成分として添加
することもできる。具体的には、ランタナ,マグネシ
ア,カルシア,バリア,チタニア,シリカ,ジルコニア
などを添加することができる。
【0059】「(2)前記組成物を室温以上で所定時間保
持する熟成工程」この熟成工程は、前記(1)の工程で準
備した組成物を室温以上(10℃以上)で所定時間(0.5〜20
0時間)保持し、前駆体を生成させる工程である。この工
程において、飽和蒸気または飽和蒸気に近い雰囲気中で
前駆体を生成させるのが好ましく、また、飽和蒸気とし
ては、水蒸気を用いるのが好ましい。
【0060】上記水蒸気の温度としては、200℃以下(好
ましくは80〜150℃,より好ましくは100〜130℃)が望ま
しく、また、その熟成時間は、0.5〜200時間である。上
記温度と熟成時間との関係では、例えば、120℃で“0.5
〜10時間”,80℃で“2〜30時間”,25℃で“5〜200時
間”などである。(なお、技術的には、熟成時間をこれ
以上としても効果が認められるけれども、経済的な観点
から、これ以上の熟成時間は不合理であるといえる。)
【0061】この熟成工程を採用することにより、本発
明に係る多孔体、即ち“中心細孔径がメソ細孔領域の範
囲内にあり、該細孔の分布がシャープであり、細孔の少
なくとも一部は、三次元の網目状に連通し、該連通経路
がランダムで三次元網目構造を有し、かつ実質的に繊維
状構造を有しない”という特徴を有する多孔体の前駆体
が得られるという顕著な作用効果が生ずる。
【0062】そのうえ、例えばアルミナ系多孔体の場
合、アルミナの耐熱性に対しても作用する。アルミナの
耐熱性とは、アルミナの結晶相として、熱安定性の観点
から、γ相がより高温まで維持され、α相が生成しにく
いものの方がより耐熱性が高いものである。この場合の
熟成温度として、室温未満(つまり10℃未満)のように低
い温度では、特に第二成分を添加して耐熱性を向上させ
ようとする場合、前駆体中の第2成分の均一性が短い時
間で十分に得られず、耐熱性が低下することになるので
好ましくない。一方、熟成温度が200℃を超える高温の
場合、前駆体が高温まで安定となって分解しにくくな
り、所望の細孔をγ相のアルミナとして制御することが
困難となり、また、経済的にも不合理となるので好まし
くない。
【0063】「(3)前記前駆体を焼成する焼成工程」こ
の焼成工程は、前記(2)の熟成工程で得られた前駆体を
焼成する工程であり、特に、前駆体中の粒子配列を維持
しつつ溶媒成分を除去する工程である。焼成温度として
は、多孔体の種類などによって異なるが、300〜1200℃
であり、特にアルミナ系多孔体を製造する場合には、40
0〜1200℃である。
【0064】本発明の方法は、上記(1)〜(3)の工程を
含むものであるが、上記(2)の“熟成工程”と(3)の
“焼成工程”との間に、「分離工程」「洗浄工程」「乾
燥工程」を組み入れることもできる。
【0065】「分離工程」この工程は、前記(2)の熟成
工程に続いて、熟成後の前駆体を溶媒と分離する工程で
あり、例えば、濾過法または遠心分離法により行うこと
ができる。ただし、熟成工程で得られた前駆体中の粒子
配列を破壊するような分離は好ましくない。また、この
分離工程は、後の(3)の“焼成工程”の効率を上げるた
めに行うものであるが、省略することもできる。
【0066】「洗浄工程」この工程は、前記(2)の熟成
工程に続いて、目的とする前駆体以外に生成する副生成
塩などを洗浄除去する工程である。ただし、熟成工程で
得られた前駆体中の粒子配列を破壊するような洗浄は好
ましくない。また、後の(3)の“焼成工程”で副生成塩
などが焼成除去できる場合は、この洗浄工程を省略する
ことができる。
【0067】「乾燥工程」この工程は、前記(2)の熟成
工程に続いて行う工程であって、後の(3)の“焼成工
程”における焼成効率を上げるために、前記「熟成工
程」で得られた前駆体を含む溶液または前記「分離工
程」で分離した前駆体あるいは前記「洗浄工程」で洗浄
した前駆体を乾燥(例えば80℃で24時間以上の乾燥)をさ
せる工程であるが、この工程も省略することができる。
【0068】本発明の製造方法によれば、特に、前記
(2)の前駆体を生成させる熟成工程、および、この熟成
工程により均一化した前駆体の粒子配列を維持しつつ、
溶媒成分を除去する焼成工程を組み合わせることによ
り、前記したとおり、本発明に係る多孔体、即ち、“中
心細孔径がメソ細孔領域の範囲内にあり、該細孔の分布
がシャープであり、細孔の少なくとも一部は、三次元の
網目状に連通し、該連通経路がランダムで三次元網目構
造を有し、かつ実質的に繊維状構造を有しない”特徴を
有する多孔体が得られる、という顕著な作用効果が生ず
る。
【0069】上記作用効果について、原料として例えば
硫酸アルミニウムを用い、アンモニアによりpHを3.8
にすることで調製された“アルミナ系多孔体(本発明の
第1の多孔体:海綿状構造のアルミナ系多孔体)”を例
に挙げて、説明する。この場合、熟成することにより、
前駆体として均一なアンモニウムみょうばん[NH4Al(S
O4)2・12H2O]の粗大結晶が生成する。そして、この前駆
体は均一であるため、焼成により均一に水や硫酸アンモ
ニウムの分解脱離[つまり、みょうばん[Al2(SO4)3・12
H2O]または中間体[NH4Al3(SO4)2(OH)6の分解]が進行す
る。このようにして800℃で焼成することで、海綿状の
形態を持った非晶質な多孔体が生成され、かつ中心細孔
径9.3nmのメソ細孔が形成される(後記実施例1参
照)。なお、さらに900℃または1000℃の焼成では、海綿
状の形態を持った非晶質な状態から均一にγ−アルミナ
の核が生成され、更には結晶成長して均一なサイズの粒
子が生成し、その間隙として例えば中心細孔径14.9n
m,16.7nmのメソ細孔が形成され、本発明の第2の多
孔体が得られる(後記実施例2-1参照)。
【0070】前記作用効果について、原料として硫酸ア
ルミニウムと硝酸ランタンを用い、アンモニアによりp
Hを8.8にすることで調製された次のアルミナ系多孔
体を例に挙げて、さらに説明する。 「アルミナ系多孔体:1molAl2O3−0.025molLa2O3」(本
発明の第2の多孔体) この場合、熟成により、前駆体として均一なベーマイト
ゲルが生成する。そして、この前駆体が均一であるた
め、焼成により均一に水の分解脱離[つまり、ベーマイ
トの分解]が進行して均一なサイズの結晶性アルミナと
なり、その粒子の間隙として、例えば、中心細孔径:4.
3nm,7.5nm,12.2nm,15.1nm,18.0nm,21.5
nm,26.0nmのメソ細孔が形成され、本発明の第2の
多孔体が得られる(後記実施例2-8参照)。
【0071】ここで、本発明の第1および第2の多孔体
を得る好ましい実施形態について説明するが、本発明
は、以下の手段に限定されるものではない。
【0072】本発明の第1の多孔体を得るには、pH3
〜4.5の範囲でアルミニウム塩水溶液からアルミニウ
ム成分の少なくとも一部を沈殿させ、該沈殿を含む水溶
液を飽和蒸気または飽和蒸気に近い雰囲気中で所定時間
保持して前駆体を生成させ、この前駆体を焼成する際、
前駆体中の粒子配列を維持しつつ水分を除去し、非晶質
とするのが好ましい。
【0073】また、本発明の第2の多孔体を得るには、
熱分解により酸化物となる組成物を飽和蒸気または飽和
蒸気に近い雰囲気中で所定時間保持,熟成して前駆体を
生成させ、この前駆体を焼成する際、同じく前駆体中の
粒子配列を維持しつつ溶媒成分を除去し、酸化物とする
のが好ましい。
【0074】[本発明に係る排ガス浄化用触媒の実施の
形態]本発明に係る排ガス浄化用触媒は、前記したとお
り、担体と、該担体に担持した貴金属とを含む排ガス浄
化用触媒において、この担体の少なくとも一部に、前記
本発明に係る多孔体(前記本発明の第1の多孔体,前記
本発明の第2の多孔体を含む)を用いるものである。ま
た、本発明に係る排ガス浄化用触媒は、担体(本発明に
係る多孔体)の表面近傍に貴金属が濃化して担持されて
おり、これにより、通常の貴金属担持法によって、担体
表面における貴金属の高濃度担持を可能にしている。
【0075】ここで言う貴金属とは、白金(Pt)、ロジウ
ム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム
(Ru)、銀(Ag)、金(Au)などを言い、貴金属の担持方法
は、貴金属の硝酸塩、酢酸塩または塩化物等を使用し、
本発明に係る多孔体を担体または担体の一部として、こ
れに直接、吸着担持または含浸担持する方法や、該担体
を単独もしくは他の助触媒や担体と混合スラリー化して
モノリス基材にコートしたものに、吸着担持または含浸
担持する方法をとることができる。貴金属の担持量は、
いずれの貴金属でも、担体100gに対して、0.1〜40gが
好ましく、特に0.5〜20gが好ましい。モノリス基材に
コートした場合においては、体積1リットル当たり0.1
〜30gが好ましく、特に0.3〜15gが好ましい。貴金属
が30gより多くても活性は向上せず、その有効利用は図
れない。また、貴金属の担持量が0.1gより少ないと、
実用上十分な活性が得られない。
【0076】こうして得た排ガス浄化触媒は、本発明に
係る多孔体の特徴を有するがために、下記のように高温
における貴金属の粒成長が抑制されて触媒性能劣化が抑
制され、また、細孔内で効率的に酸化還元反応(浄化反
応)が進行する。貴金属は、その担持場である細孔の中
心細孔径がメソ細孔領域にあるために、より高分散に、
安定に担持され、かつ、該細孔の分布がシャープである
ために、さらに均一に担持される。このため、高温にお
いて貴金属の粒成長の起点が発生しにくく、粒成長が抑
制されて、触媒性能劣化が抑制される。
【0077】また、このようなメソ細孔領域の細孔内を
分子などが拡散する際には、分子が細孔壁に衝突しなが
ら移動するKundsen拡散が支配的となる。メソ細孔領域
より大きな細孔の場合には、分子同士の衝突が支配的と
なって細孔壁との接触は減少することになる。つまり、
このようなメソ細孔領域の細孔の少なくとも一部が、さ
らに三次元の網目状に連なり、該連通経路がランダムで
三次元網目構造を有しているため、細孔中を通過する排
ガス中の未燃HCやCO、NOxなどが、細孔壁に担持
された貴金属上で効率的に反応しながら拡散して浄化さ
れる。
【0078】さらに、本発明に係る多孔体が、実質的に
繊維状構造を有しないために、上記に加えてさらに、下
記に示すように貴金属の凝集が起こりにくく、高温にお
ける貴金属の粒成長が抑制されて高温耐久性に優れた排
ガス浄化用触媒となる。つまり、担体を構成する粒子が
繊維状である場合には、貴金属が高分散に担持されたと
しても、繊維方向に沿ってある結晶面が存在するため
に、同一結晶面内に貴金属が担持される割合が高くな
り、かつ、担体粒子の同一結晶面内に担持された貴金属
は、異なった結晶面に担持された貴金属に比べて凝集し
やすい。しかし、前記本発明の第2の多孔体の場合、こ
の多孔体を構成する粒子はアスペクト比が3以下の粒子
形状を持つために、結晶面は粒子サイズに制限されてお
り、貴金属の担持された結晶面も制限されるため、凝集
が起こりにくい。このため、高温における貴金属の粒成
長が抑制されるものである。また、担体を構成する粒子
が非晶質である場合には、貴金属が高分散に担持された
としても、貴金属が保持される結晶面が存在しないため
に、貴金属粒子が担体表面を容易に移動して、凝集しや
すい。しかし、前記本発明の第1の多孔体の場合、この
多孔体を形成する粒子が非晶質であっても、海綿状構造
であり、細孔が凹面で構成されるために、貴金属粒子は
細孔内に安定に保持され、凝集しにくい。このため、高
温における貴金属の粒成長が抑制されるものである。
【0079】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は、これらの記載に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、
適宜変更することができる。
【0080】
【実施例】次に、本発明に係る多孔体およびその製造方
法、並びに、本発明に係る排ガス浄化用触媒の実施例を
比較例と共に挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明
は、以下の実施例により限定されるものではない。な
お、以下の実施例,比較例において、100℃以上で熟成
する場合、“熟成工程中の( )内の気圧”は、所定熟成
温度における“飽和水蒸気圧”を示す。
【0081】〈実施例1:第1の多孔体(海綿状構造の
多孔体)の実施例〉1リットルのイオン交換水に硫酸ア
ルミニウム0.21molを溶かして原料水溶液とし、この原
料水溶液に25%アンモニア水を48g加えてpH3.8とし
て沈澱物を得た。この沈澱物を120℃(2気圧)で2時間
熟成した後、洗浄,乾燥し、800℃で大気中で5時間焼
成した。得られたアルミナ多孔体(800℃焼成品)は、非
晶質であった。
【0082】得られたアルミナ多孔体(800℃焼成品)の
細孔分布曲線から、極大値を示す細孔直径である「中心
細孔径」を求め、また、メソ細孔容積(細孔径2〜10
0nmの領域の細孔の容積)に対する「中心細孔径±5
nm以内の領域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔
容積の占める割合」を求め、各測定結果を表1に示す。
(なお、細孔分布曲線は、PMI社製のPMIポロシメ
ータを使用して測定した。)
【0083】図2の写真Aは、上記実施例1で得られた
“800℃焼成品”のTEM像である。(なお、写真Aの寸
法;1.5cmは、50nmに相当する。) 写真Aから、実施例1で得られた“非晶質であることを
特徴とする800℃焼成品のアルミナ多孔体”は、海綿状
に均一な細孔が存在する特殊な構造を有していることが
わかる。
【0084】〈実施例2:第2の多孔体(アルミナ系多
孔体)の実施例〉以下の実施例2(実施例2-1〜実施例2
-18)は、本発明の第2の多孔体のうち、アルミナ系多孔
体の実施例である。
【0085】〈実施例2-1〉前記実施例1は、800℃で
焼成したものであるが、この実施例2-1では、この焼成
温度を900℃,1000℃としたものであり、この点以外
は、前記実施例1と同じ方法でアルミナ多孔体を得た。
得られたアルミナ多孔体は、900℃焼成品および1000℃
焼成品ともγ−アルミナであった。得られたアルミナ多
孔体に対して、前記実施例1と同様、「中心細孔径」
「中心細孔径±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm
以内の領域の細孔容積の占める割合」を求め、各値を表
1に示す。また、得られたアルミナ多孔体のTEM写真
(TEM像を示す写真)から任意に選出した50個の粒子
(多孔体を構成する粒子)の「アスペクト比」を求めたと
ころ、うち48個(96%)の粒子の「アスペクト比」は
全て3以下であった。さらに、TEM観察の結果、アス
ペクト比3以下の粒子が疎に凝集してメソ細孔を形成し
ていることがわかった。
【0086】〈比較例1〉前記実施例1,実施例2-1で
は、前駆体として、みょうばんを経由していると推察さ
れることから、比較のため、原料水溶液として“みょう
ばん水”を使用した例を挙げる。即ち、この比較例1で
は、表1に示すように、水49gにみょうばん(試薬)8.9
gを添加し、これを原料水溶液とした。そして、この原
料水溶液(みょうばん水)を、前記実施例1,実施例2-1
と同様、120℃(2気圧)で2時間熟成した。その後、洗
浄せずに所定温度(800℃,1000℃)で、大気中で5時間
焼成した。得られたアルミナ多孔体に対して、前記実施
例1と同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内
の領域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占
める割合」を求め、各値を表1に示す。
【0087】比較例1のアルミナ多孔体は、焼成してい
っても非晶質とはならず、800℃焼成品では、γ−アル
ミナ(一部未分解の硫酸アルミニウム)であり、TEM観
察の結果からも、前記実施例1の800℃焼成品(第1の多
孔体)のような海綿状の特殊な構造は有していなかっ
た。また、比較例1の1000℃焼成品でも、γ−アルミナ
であったが、TEM観察の結果から、多孔体を構成する
粒子の形状は均一とは言いがたく、前記実施例2-1(第
2の多孔体)とも形状は全く異なっていた。更に、比較
例1の800℃焼成品および1000℃焼成品はいずれも、そ
の細孔分布は、実施例1,実施例2-1の多孔体のように
シャープではないことがわかった。
【0088】
【表1】
【0089】表1から、熟成した後に800℃で焼成して
得られたアルミナ多孔体(実施例1のアルミナ多孔体)
は、中心細孔径がメソ細孔領域の範囲内にあり、かつ細
孔分布がシャープであることがわかる。また、写真Aか
ら、前記したとおり、海綿状に均一な細孔が存在する特
殊な構造を有していることがわかる。また、さらに高い
温度(900℃,1000℃)で焼成したアルミナ多孔体(実施例
2-1のアルミナ多孔体)では、非晶質であることを特徴
とする海綿状の形態から均一なサイズのγ−アルミナ粒
子が生長し、その間隙に均一な細孔が形成されたもので
ある。これもまた、表1から、中心細孔径がメソ細孔領
域の範囲内にあり、かつ細孔分布がシャープであること
がわかる。この900℃焼成品,1000℃焼成品は、前記実
施例2-1の項で記載したとおり、多孔体を構成するγ−
アルミナ粒子のアスペクト比は、3以下であることがT
EM観察の結果わかった。
【0090】これに対して、比較例1の800℃焼成品で
は、前記したとおり、γ−アルミナ(一部未分解の硫酸
アルミニウム)であり、TEM観察の結果からも、前記
実施例1の800℃焼成品(第1の多孔体)のような海綿状
の特殊な構造は有していなかった。また、比較例1の10
00℃焼成品でも、γ−アルミナであったが、TEM観察
の結果から、多孔体を構成する粒子の形状は均一とは言
いがたく、前記実施例2-1(第2の多孔体)とも形状は全
く異なっていた。更に、表1から明らかなように、比較
例1の800℃焼成品及び1000℃焼成品はいずれも、その
細孔分布は、実施例1,実施例2-1の多孔体のようにシ
ャープではないことがわかった。
【0091】〈実施例2-2〉1リットルのイオン交換水
に硫酸アルミニウム0.21molを溶かして原料水溶液と
し、この原料水溶液に25%アンモニア水を85.7g加えて
pH8.8として沈澱物を得た。この沈澱物を120℃(2気
圧)で2時間熟成した後、洗浄,乾燥し、所定温度(800
℃,900℃,1000℃)で、大気中で5時間焼成した。得ら
れたアルミナ多孔体は、800℃および900℃焼成品;γ−
アルミナ、1000℃焼成品;γ−アルミナ(副相;α相)で
あった。ここで、副相とは、主たる結晶相以外の結晶相
をいう(→以下の記載も同じ)。
【0092】得られたアルミナ多孔体の細孔分布曲線か
ら、前記実施例1と同様、極大値を示す細孔直径である
「中心細孔径」を求め、また、メソ細孔容積(細孔径2
〜100nmの領域の細孔の容積)に対する「中心細孔
径±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm以内の領域
の細孔容積の占める割合」を求め、各測定結果を表2に
示す。また、得られたアルミナ多孔体のTEM写真(T
EM像を示す写真)から任意に選出した50個の粒子(多
孔体を構成する粒子)の「アスペクト比」を求めたとこ
ろ、うち48個(96%)の粒子の「アスペクト比」は全
て3以下であった。さらに、TEM観察の結果、アスペ
クト比3以下の粒子が疎に凝集してメソ細孔を形成して
いることがわかった。
【0093】〈実施例2-3〉前記実施例2-2おける熟成
[120℃(2気圧)で2時間] を“150℃(5気圧)で2時
間”行ったこと以外は、前記実施例2-2と同じ方法でア
ルミナ多孔体を得た(焼成温度:800℃,1000℃)。得ら
れたアルミナ多孔体は、800℃焼成品;γ−アルミナ、1
000℃焼成品;γ−アルミナ(副相;α相)であった。得
られたアルミナ多孔体に対して、前記実施例1と同様、
「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領域,中心
細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める割合」を
求め、各値を表2に示す。また、TEM観察の結果、ア
スペクト比3以下の粒子が疎に凝集してメソ細孔を形成
していることがわかった。
【0094】〈実施例2-4〉前記実施例2-2における熟
成[120℃(2気圧)で2時間]を“180℃(10気圧)で2時
間”行ったこと以外は、実施例2-2と同じ方法でアルミ
ナ多孔体を得た(焼成温度:800℃,1000℃)。得られた
アルミナ多孔体は、800℃焼成品;ベーマイト(前駆
体)、1000℃焼成品;γ−アルミナ(副相;α相)であっ
た。得られたアルミナ多孔体に対して、前記実施例1と
同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領
域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める
割合」を求め、各値を表2に示す。また、TEM観察の
結果、アスペクト比3以下の粒子が疎に凝集してメソ細
孔を形成していることがわかった。
【0095】上記実施例2-4と前記実施例2-2との対比
から、熟成条件が厳しくなるに従って、アルミナ多孔体
の前駆体であるベーマイトの分解温度が上昇する傾向に
ある。焼成工程のコストを考慮すると、これ以上の熟成
は、あまり好ましくないことがわかる(→後記表2参
照)。
【0096】〈実施例2-5〉前記実施例2-2における原
料[硫酸アルミニウム:0.21mol]を“硝酸アルミニウム
0.42mol”とし、沈殿生成における[pH8.8]を“pH8.
5”としたこと以外は、前記実施例2-2と同じ方法でア
ルミナ多孔体を得た(焼成温度;800℃,900℃)。得られ
たアルミナ多孔体は、いずれもγ−アルミナであった。
得られたアルミナ多孔体に対して、前記実施例1と同
様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領域,
中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める割
合」を求め、各値を表2に示す。また、TEM観察の結
果、アスペクト比3以下の粒子が疎に凝集してメソ細孔
を形成していることがわかった。
【0097】
【表2】
【0098】〈実施例2-6〉1リットルの水に、表3に
示すように、硫酸アルミニウム0.2molと硝酸ランタン0.
01molを溶かして原料水溶液とし、この原料水溶液に25
%アンモニア水83.6gを加えてpH8.8として沈殿物を
得た。これを30℃(1気圧)で24時間熟成した後、洗浄、
乾燥し、所定温度(800℃,1050℃)で、大気中5時間焼
成してアルミナ系多孔体を得た。得られたアルミナ系多
孔体は、800℃焼成品でγ−アルミナ、1050℃焼成品で
γ−およびθ−アルミナ(副相;α相,ランタンアルミ
ネ−ト)であった。得られたアルミナ系多孔体に対し
て、前記実施例1と同様、「中心細孔径」「中心細孔径
±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm以内の領域の
細孔容積の占める割合」を求め、各値を表3に示す。ま
た、TEM観察の結果、アスペクト比3以下の粒子が疎
に凝集してメソ細孔を形成していることがわかった。
【0099】〈実施例2-7〉前記実施例2-6における熟
成[30℃(1気圧)で24時間]を“80℃(1気圧)で2時間”
行ったこと以外は、実施例2-6と同じ方法でアルミナ系
多孔体を得た(焼成温度;800℃,1050℃)。得られたア
ルミナ系多孔体は、800℃焼成品でγ−アルミナ、1050
℃焼成品でγ−およびθ−アルミナ(副相;α相,ラン
タンアルミネ−ト)であった。得られたアルミナ系多孔
体に対して、前記実施例1と同様、「中心細孔径」「中
心細孔径±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm以内
の領域の細孔容積の占める割合」を求め、各値を表3に
示す。また、TEM観察の結果、アスペクト比3以下の
粒子が疎に凝集してメソ細孔を形成していることがわか
った。
【0100】〈実施例2-8〉前記実施例2-6における熟
成[30℃(1気圧)で24時間]を“120℃(2気圧)で2時
間”行ったこと以外は、実施例2-6と同じ方法でアルミ
ナ系多孔体を得た(焼成温度:200℃,600℃,800℃,90
0℃,1000℃,1050℃,1100℃,1200℃)。得られたアル
ミナ系多孔体の構造は、200℃焼成品;ベーマイト(前駆
体)、600〜1050℃焼成品;γ−アルミナ、1100℃焼成
品;γ−アルミナ(副相;θ相)、1200℃焼成品;θ−ア
ルミナ(副相;α相)であった。得られたアルミナ系多孔
体に対して、前記実施例1と同様、「中心細孔径」「中
心細孔径±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm以内
の領域の細孔容積の占める割合」を求め、各値を表3に
示す。
【0101】図3の写真Bは、上記実施例2-8で得られ
た“1000℃焼成品”のTEM像である。(なお、写真B
の寸法;1.5cmは、50nmに相当する。) 前駆体であ
るベ−マイト(200℃焼成品)は、平滑な表面を有してお
り、多孔体構造になっていないが、1000℃で焼成するこ
とにより、ベ−マイトが分解してγ−アルミナとなり、
写真Bのように、アスペクト比:3以下のγ−アルミナ
の粒子が疎に凝集してメソ細孔を成していることがわか
る。
【0102】上記実施例2-6と前記実施例2-7,実施例
2-8との対比から、熟成条件を厳しくするにしたがって
添加成分であるランタンの均一化と、前駆体の粒子配列
の均一化が進行し、耐熱性と細孔分布が向上する(→後
記表3参照)。この事実を考慮すると、熟成温度として
は“100℃以上”が好ましいことがわかる。
【0103】〈実施例2-9〉前記実施例2-8は、原料水
溶液中の硝酸ランタンを0.01molとし、25%アンモニア
水83.6gを加えてpH8.8としたものであるが、この実
施例2-9では、原料水溶液中の硝酸ランタンを0.006mol
とし、25%アンモニア水82.8gを加えてpH8.8とした
こと以外は、実施例2-8と同じ方法でアルミナ系多孔体
を得た(焼成温度:800℃,1000℃,1200℃)。得られた
アルミナ系多孔体は、800℃および1000℃焼成品;γ−
アルミナ、1200℃焼成品;α−およびθ−アルミナであ
った。得られたアルミナ系多孔体に対して、前記実施例
1と同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の
領域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占め
る割合」を求め、各値を表3に示す。また、TEM観察
の結果、アスペクト比3以下の粒子が疎に凝集してメソ
細孔を形成していることがわかった。
【0104】上記実施例2-9は、前記実施例2-8に比べ
て、アルミナの高温相であるα相への変態が進行してい
ることから(→後記表3参照)、耐熱性の面で第二成分
“ランタナ”の添加量は、アルミナ1molに対して0.015
mol以上が好ましい。
【0105】〈実施例2-10〉前記実施例2-8におい
て、原料水溶液中の硝酸ランタンを0.02molとし、25%
アンモニア水85.7gを加えてpH8.8としたこと以外
は、実施例2-8と同じ方法でアルミナ系多孔体を得た
(焼成温度:800℃,1000℃,1200℃)。得られたアルミ
ナ系多孔体は、800℃および1000℃焼成品;γ−アルミ
ナ、1200℃焼成品;θ−アルミナ(副相ランタンアルミ
ネート)であった。得られたアルミナ系多孔体に対し
て、前記実施例1と同様、「中心細孔径」「中心細孔径
±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm以内の領域の
細孔容積の占める割合」を求め、各値を表3に示す。ま
た、TEM観察の結果、アスペクト比3以下の粒子が疎
に凝集してメソ細孔を形成していることがわかった。
【0106】実施例2-10は、前記実施例2-8に比べ、
アルミナのα相への変態が抑制され、耐熱性は向上して
いるが、新たにランタンアルミネートが生成したため、
比表面積は低下する特徴を有する。高比表面積が必要な
場合には、第二成分“ランタナ”の添加量は、アルミナ
1molに対して0.05mol以下が好ましい。
【0107】
【表3】
【0108】〈実施例2-11〉1リットルの水に、表4
に示すように、硝酸アルミニウム0.4molと硝酸ランタン
0.01molを溶かして原料水溶液とし、この原料水溶液に2
5%アンモニア水83.6gを加えてpH8.5として沈殿物を
得た。これを120℃(2気圧)で2時間熟成した後、洗
浄、乾燥し、所定温度(600℃,800℃,1050℃,1200℃)
で、大気中5時間焼成してアルミナ系多孔体を得た。得
られたアルミナ系多孔体は、600〜1050℃焼成品;γ−
アルミナ、1200℃焼成品;θ−アルミナであった。特
に、1200℃焼成においてもα化が見られず、耐熱性が高
かった。得られたアルミナ系多孔体に対して、前記実施
例1と同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内
の領域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占
める割合」を求め、各値を表4に示す。また、TEM観
察の結果、アスペクト比3以下の粒子が疎に凝集してメ
ソ細孔を形成していることがわかった。
【0109】〈実施例2-12〉前記実施例2-11におい
て、原料水溶液中の硝酸ランタンを0.02molとし、25%
アンモニア水85.7gとしたこと以外は、実施例2-11と
同じ方法でアルミナ系多孔体を得た(焼成温度;600℃,
800℃,1000℃,1200℃)。得られたアルミナ系多孔体
は、600〜1000℃焼成品;γ−アルミナ、1200℃焼成
品;θ−アルミナ(副相ランタンアルミネート)であっ
た。得られたアルミナ系多孔体に対して、前記実施例1
と同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領
域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める
割合」を求め、各値を表4に示す。また、TEM観察の
結果、アスペクト比3以下の粒子が疎に凝集してメソ細
孔を形成していることがわかった。
【0110】〈実施例2-13〉前記実施例2-11におい
て、原料水溶液中の[硝酸ランタン:0.01mol]にかえ
て“四塩化チタン:0.005mol”を用い、25%アンモニア
水を83gを加えてpHを8.4とし、熟成後に洗浄を行わ
なかったこと以外は、実施例2-11と同じ方法でアルミ
ナ系多孔体を得た(焼成温度;800℃)。得られたアルミ
ナ系多孔体は、γ−アルミナであった。得られたアルミ
ナ系多孔体に対して、前記実施例1と同様、「中心細孔
径」「中心細孔径±5nm以内の領域,中心細孔径±3
nm以内の領域の細孔容積の占める割合」を求め、各値
を表4に示す。また、TEM観察の結果、アスペクト比
3以下の粒子が疎に凝集してメソ細孔を形成しているこ
とがわかった。
【0111】前記実施例2-12は、前記実施例2-11と同
様、アルミナのα相への変態は抑制され、耐熱性は向上
しているが、新たにランタンアルミネートが生成したた
め、比表面積は低下する特徴を有する。高比表面積が必
要な場合には、第二成分“ランタナ”の添加量は、アル
ミナ1molに対して0.05mol以下が好ましい。また、前記
実施例2-13は、第二成分として“チタン”を用いた例
であるが、このように第二成分がチタンであっても、本
発明の第2の多孔体を得ることができる。
【0112】
【表4】
【0113】〈比較例2-1〉前記実施例2-6で熟成を行
わなかったこと以外は、前記実施例2-6と同じ方法でア
ルミナ系多孔体を得た(焼成温度;800℃,1000℃,1050
℃,1100℃,1200℃)。得られたアルミナ系多孔体は、8
00℃焼成品;γ−アルミナ、1000℃焼成品;γ−および
θ−アルミナ、1050℃焼成品;θ−アルミナ、1100℃焼
成品;θ−アルミナ(副相;ランタンアルミネート)、12
00℃焼成品;α−およびθ−アルミナ(副相;ランタン
アルミネート)であった。得られたアルミナ系多孔体に
対して、前記実施例1と同様、「中心細孔径」「中心細
孔径±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm以内の領
域の細孔容積の占める割合」を求め、各値を表5に示
す。
【0114】〈比較例2-2〉比較例2-2は、従来の「p
Hスウィング法によるアルミナの例」である。なお、ア
ルミナの耐熱性を高めるためにランタナの添加が必要で
ある。しかし、pHスウィング法では、合成時にランタ
ナを添加することはできないので、後記するように、ア
ルミナ合成後、含浸によりランタナを添加した。
【0115】比較例2-2では、硫酸アルミニウムを1リ
ットルのイオン交換水に溶解し、90℃に加温した。次
に、別の容器のイオン交換水1リットルを95℃とし、先
に調製した硫酸アルミニウム溶液を0.6リットル加え、
攪拌しながら25%アンモニア水246mlを加え、pH9
とした。15分後、1段目の操作として、硫酸アルミニウ
ム溶液0.1リットルを加えてpH4とし、2分後、25%
アンモニア水45mlを加えてpH9とした。
【0116】この一段目の操作を85〜95℃に保ちなが
ら、3分後に1段目と同じ操作を繰り返した。10段目
のスラリーを濾過し、洗浄して硫酸根を除いた後、500
℃で3時間焼成してアルミナを得た。(この時、アルミ
ナ系多孔体を構成する粒子は、アスペクト比が5以上の
繊維状を成していた。) このようにして得たアルミナ0.2molを硝酸ランタン0.01
molの溶解している300mlのイオン交換水に浸漬し、含
浸担持後、乾燥して500℃で2時間焼成したものを800
℃,900℃,1000℃,1050℃,1100℃,1200℃の各温度
で大気中,5時間焼成して試料とした。
【0117】各温度で熱処理されたアルミナは、800℃
および900℃焼成品;γ−アルミナ、1000℃および1050
℃焼成品;γ−アルミナ(副相;θ相)、1100℃焼成品;
θ−アルミナ(副相;α相)、1200℃焼成品;α−および
θ−アルミナ(副相;ランタンアルミネート)であった。
得られたアルミナ系多孔体に対して、前記実施例1と同
様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領域,
中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める割
合」を求め、各値を表5に示す。また、前記実施例2-2
と同様、得られたアルミナ系多孔体のTEM写真(TE
M像を示す写真)から任意に選出した50個の粒子(多孔体
を構成する粒子)の「アスペクト比」を求めたところ、
うち25個(50%)の粒子の「アスペクト比」は全て
3.54(=5/√2)以上であった。このことから、比
較例2-2で得られたアルミナ系多孔体を構成する粒子の
アスペクト比は5以上であると言える。
【0118】
【表5】
【0119】上記表5より、熟成を行わない比較例2-1
のアルミナ系多孔体では、細孔分布がシャ−プでないこ
とが明らかである。また、アルミナの結晶相の安定性と
いう意味でも、θ相,α相への変態の温度が低く、か
つ、第二成分であるランタンとの反応生成物であるラン
タンアルミネートが検出されている(→1100℃焼成品,1
200℃焼成品参照)。これに対して、熟成を行った前記実
施例2-6,2-7,2-8(比較例2-1に対応する例)のア
ルミナ系多孔体では、前記表3から明らかなように、熟
成により、中心細孔径がメソ細孔領域にあり、該細孔分
布がシャープであり、かつ、アスペクト比が3以下の粒
子が三次元的な網目状に連なった粒子間隙による細孔を
持つ多孔体が得られるという作用効果が生じることだけ
でなく、アルミナの耐熱性に対しても作用することがわ
かる。
【0120】アルミナの耐熱性とは、アルミナの結晶相
として、熱安定性の観点から、γ相がより高温まで維持
され、α相が生成しにくいものの方がより耐熱性が高い
ものである。この観点からみると、前記実施例2-8のよ
うに、十分な熟成を行うことにより、前駆体の粒子配列
の均一化による細孔分布のシャープさが向上するだけで
なく、添加成分(ランタンなど)が均一に分散され、アル
ミナの耐熱性が向上することがわかる。
【0121】一方、従来の「pHスウィング法によるア
ルミナの例」である比較例2-2では、前記表5より明ら
かなように、前記比較例2-1と同様、細孔分布がシャー
プでないことがわかる。また、比較例2-2のアルミナで
は、その細孔分布曲線は、中心細孔径よりも大きい側に
裾をひくような分布を持っており、その結果、メソ細孔
容積に対して“中心細孔径±5nm以内の領域、また
は、中心細孔径±3nm以内の領域”の細孔容積の占め
る割合が低くなっていた。前記実施例1および前記実施
例2(実施例2-1〜実施例2-13)とは、明らかに異なる
細孔分布であることがわかる。
【0122】さらに、比較例2-2のアルミナ系多孔体
は、実施例2-1〜実施例2-13と異なり、その多孔体を
構成する粒子の「アスペクト比」は、前述したように、
TEM像の解析の結果、5以上であり、繊維状の形状を
していることが明らかである。また、アルミナの耐熱性
という面から、前記実施例2-8の1200℃焼成品と比較す
ると、比較例2-2では、α−アルミナへの相変化が進行
し、さらには、ランタンとの反応生成物であるランタン
アルミネ−トが検出されており(前記表5参照)、耐熱性
が劣っていることがわかる。
【0123】〈実施例2-14〉1リットルの水に硝酸ア
ルミニウム0.4molと硝酸ランタン0.01molを溶かして原
料水溶液とし、この原料水溶液に25%アンモニア水83.6
gを加えてpH8.5として沈殿物を得た。これを120℃
(2気圧)で2時間熟成し、前駆体を含む水溶液を得、そ
の後、この前駆体を含む水溶液から副生塩をできるだけ
洗浄・除去した後、所定温度(400℃,800℃,1000℃)
で、大気中5時間焼成してアルミナ系多孔体を得た。得
られたアルミナ系多孔体は、400℃焼成品;γ−アルミ
ナ(一部ベーマイトが残存)、800℃および1000℃焼成
品;γ−アルミナであった。得られたアルミナ系多孔体
に対して、カンタクロム社製のPoremaster PM-60を用
い、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領域,
中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める割
合」「メソ細孔容積」を求めた。また、「比表面積」を
求め、表6にまとめて示す。
【0124】〈実施例2-15〉前記実施例2-14では、副
生塩をできるだけ洗浄・除去した後、焼成したものであ
るが、この実施例2-15は、洗浄操作を行わないもので
ある。即ち、熟成後、前駆体を含む水溶液を遠心分離し
て上澄液のみを除去し、得られた沈降物を所定温度(400
℃,600℃,800℃,1000℃,1200℃)で焼成した。以上
の点を除いて、前記実施例2-14と同一手段でアルミナ
系多孔体を得た。得られたアルミナ系多孔体は、400℃
焼成品;γ−アルミナ(一部ベーマイトが残存)、600〜1
000℃焼成品;γ−アルミナ、1200℃焼成品;θ−アル
ミナであった。このアルミナ系多孔体に対して、前記実
施例2-14と同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5n
m以内の領域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容
積の占める割合」「メソ細孔容積」「比表面積」を求
め、表6に示した。
【0125】〈実施例2-16〉この実施例2-16は、前記
実施例2-14の洗浄を行わず、前駆体を含む水溶液をそ
のまま所定温度(400℃,600℃,800℃,1000℃,1200
℃)で焼成してアルミナ系多孔体を得た例であり、その
他は、前記実施例2-14と同じである。得られたアルミ
ナ系多孔体は、400℃焼成品;γ−アルミナ(一部ベーマ
イトが残存)、600〜1000℃焼成品;γ−アルミナ、1200
℃焼成品;θ−アルミナ,ランタンアルミネートであっ
た。このアルミナ系多孔体に対して、前記実施例2-14
と同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領
域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める
割合」「メソ細孔容積」「比表面積」を求め、表6に示
した。
【0126】〈実施例2-17〉この実施例2-17は、前記
実施例2-14において、原料水溶液中の硝酸アルミニウ
ム0.4mol,硝酸ランタンを0.01molとする以外に、更に
硝酸アンモニウムを1.23mol添加・混合して原料水溶液
とし、アンモニア水を加えて沈殿させた後に熟成し、そ
して、洗浄を行わなかったこと以外は、前記実施例2-1
4と同じ方法でアルミナ系多孔体を得た。これは、積極
的に副生塩を共存させて所定温度(800℃,1000℃)で焼
成した例である。得られたアルミナ系多孔体は、800℃
焼成品,1000℃焼成品ともγ−アルミナであった。この
アルミナ系多孔体に対して、前記実施例2-14と同様、
「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領域,中心
細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める割合」
「メソ細孔容積」「比表面積」を求め、表6に示した。
【0127】〈実施例2-18〉この実施例2-18は、前記
実施例2-14において、原料水溶液中の硝酸アルミニウ
ムを0.4mol,硝酸ランタンを0.01molとする以外に、さ
らに界面活性剤(ライオン社製の商品名“レオコン”)を
30重量%(アルミナ比)添加・混合し、そして、前記実施
例2-17と同じ考え方で、洗浄を行わず、副生塩以外に
更に上記界面活性剤を積極的に共存させて所定温度(800
℃,1000℃)で焼成した例である。得られたアルミナ系
多孔体は、800℃焼成品,1000℃焼成品ともγ−アルミ
ナであった。このアルミナ系多孔体に対して、前記実施
例2-14と同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm
以内の領域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積
の占める割合」「メソ細孔容積」「比表面積」を求め、
表6に示した。
【0128】〈比較例2-3〉この比較例2-3は、前記実
施例2-14と同じ方法で前駆体を合成するが、その後、
界面活性剤(ライオン社製の商品名“レオコン”)を30重
量%(アルミナ比)添加・混合する。続いて、この混合液
を、ホモジナイザーを使用して強攪拌した後、所定温度
(800℃,1000℃)で焼成した例である。つまり、界面活
性剤を添加・混合し強攪拌することにより、均一化した
前駆体の配列を壊してしまう例である。得られた800℃
焼成品,1000℃焼成品は、いずれもγ−アルミナであっ
た。この焼成品に対して、前記実施例2-14と同様、
「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領域,中心
細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める割合」
「メソ細孔容積」「比表面積」を求め、表6に示した。
【0129】〈比較例2-4〉この比較例2-4は、前記実
施例2-14(前記比較例2-3)と同じ方法で前駆体を合成
するが、その後、灯油を30重量%(アルミナ比)添加・混
合する。続いて、この混合液を、ホモジナイザーを使用
して強攪拌した後、830℃で噴霧燃焼させた例である。
即ち、熟成により均一化した前駆体の配列を強攪拌によ
り壊し、さらに、噴霧燃焼の急加熱による焼成条件下で
(溶媒成分の除去および前駆体の分解の際に、粒子が凝
集することができない焼成条件下で)、酸化物とした例
である。得られた830℃焼成品はγ−アルミナであっ
た。この焼成品に対して、前記実施例2-14と同様、
「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領域,中心
細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める割合」
「メソ細孔容積」「比表面積」を求め、表6に示した。
【0130】
【表6】
【0131】表6から、次の(1)〜(3)に示す事実が判明
した。 (1) 比較例2-3に示すように、前駆体の粒子配列を強攪
拌して破壊し、その状態を、界面活性剤を介在させて保
持し、実施例2-16と同様に焼成すると、表6に示すよ
うに、細孔分布はブロードになった。このことから、前
駆体の粒子配列を維持しつつ焼成することは、本発明に
係る多孔体(細孔分布がシャープな多孔体)を得るために
必要であることが明らかである。
【0132】(2) 比較例2-4に示すように、前駆体の粒
子配列を強攪拌することにより該粒子配列を完全に破壊
し、その上更に、前駆体の粒子配列を維持しつつ凝集で
きないように、噴霧して燃焼させると、メソ細孔領域の
細孔分布曲線は、表6に示すように、1ピークではなく
なり、そろった細孔は形成されず、細孔分布はシャープ
でなくなった。(比較例2-4では、メソ細孔領域の細孔
分布曲線は、中心細孔径:5.3nm,8.9nm,23.8nmの3点
でブロードなピークがみられる。) このことから、本発明に係る多孔体(細孔分布がシャー
プな多孔体)を得るためには、「前駆体の粒子配列を維
持しつつ水分を除去して凝集させる」ことが不可欠であ
ることが明らかである。
【0133】(3) 比較例2-3および比較例2-4による上
記(1)および(2)の事実からわかるように、「前駆体の粒
子配列を維持する」こと、「該粒子配列を維持しつつ、
焼成により水分を除去して凝集させる」ことを、本発明
に係る多孔体の製造方法を特定する事項として必須構成
要件とする限り、 ・実施例2-14のように、前駆体を含む水溶液から副生
塩をできるだけ洗浄・除去する場合、 ・実施例2-15のように、遠心分離して余剰水分を除去
する場合、 ・実施例2-16のように、余剰水および副生塩の除去操
作をしない場合、 ・実施例2-17,実施例2-18のように、添加元素以外
の、分解性の塩類(例えば硝酸アンモニウム)や界面活性
剤が混在している場合、 のいずれの場合であっても、本発明で目的とする所望の
多孔体が得られ、本発明の範疇であることが明らかであ
る。
【0134】〈実施例3;第2の多孔体(ジルコニア多
孔体)の実施例〉600mlのイオン交換水にオキシ硝酸ジ
ルコニウム(18wt%ZrO2)溶液;273.2gを加えて原料水
溶液とし、該原料水溶液に25%アンモニア水を55g加え
て沈澱物を得た。この沈澱物を120℃(2気圧)で2時間
熟成した後、および、113℃(1.6気圧)で同じく2時間熟
成した後、洗浄,乾燥し、所定温度(400℃,600℃)で大
気中で5時間焼成した。得られたジルコニア多孔体に対
して、前記実施例1と同様、「中心細孔径」「中心細孔
径±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm以内の領域
の細孔容積の占める割合」を求め、各値を表7に示す。
また、TEM観察の結果、アスペクト比3以下の粒子が
疎に凝集してメソ細孔を形成していることがわかった。
【0135】〈実施例4;第2の多孔体(チタニア多孔
体)の実施例〉1000mlのイオン交換水に四塩化チタン
0.3molを溶かして原料水溶液とし、該原料水溶液に25%
アンモニア水を81.6g加えて沈澱物を得た。この沈澱物
を120℃(2気圧)で2時間熟成した後、および、113℃
(1.6気圧)で同じく2時間熟成した後、洗浄,乾燥し、
所定温度(400℃,600℃,800℃)で大気中で5時間焼成
した。得られたチタニア多孔体に対して、前記実施例1
と同様、「中心細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領
域,中心細孔径±3nm以内の領域の細孔容積の占める
割合」を求め、各値を表7に示す。また、TEM観察の
結果、アスペクト比2.3以下の粒子が疎に凝集してメ
ソ細孔を形成していることがわかった。
【0136】〈実施例5;第2の多孔体(マグネシア多
孔体)の実施例〉1800mlのイオン交換水に、酢酸マグ
ネシウム107gと硝酸アルミニウム379gを溶かして原料
水溶液とし、該原料水溶液に25%アンモニア水を650g
加えて沈澱物を得た。この沈澱物を120℃(2気圧)で2
時間熟成した後、所定温度(850℃)で大気中で5時間焼
成した。得られたマグネシウムアルミニウムスピネル多
孔体に対して、前記実施例1と同様、「中心細孔径」
「中心細孔径±5nm以内の領域,中心細孔径±3nm
以内の領域の細孔容積の占める割合」を求め、各値を表
7に示す。また、TEM観察の結果、アスペクト比3以
下の粒子が疎に凝集してメソ細孔を形成していることが
わかった。
【0137】〈実施例6;第2の多孔体(酸化鉄多孔体)
の実施例〉1000mlのイオン交換水に硝酸鉄0.4molを溶
解して原料水溶液とし、該原料水溶液に25%アンモニア
水を81.6g加えて沈澱物を得た。この沈澱物を120℃(2
気圧)で2時間熟成した後、洗浄,乾燥し、所定温度(40
0℃,600℃)で大気中で5時間焼成した。得られた酸化
鉄多孔体に対して、前記実施例1と同様、「中心細孔
径」「中心細孔径±5nm以内の領域,中心細孔径±3
nm以内の領域の細孔容積の占める割合」を求め、各値
を表7に示す。また、TEM観察の結果、アスペクト比
3以下の粒子が疎に凝集してメソ細孔を形成しているこ
とがわかった。
【0138】〈実施例7;第2の多孔体(セリア多孔体)
の実施例〉1000mlのイオン交換水に硝酸セリウム0.3m
olを溶解して原料水溶液とし、該原料水溶液に25%アン
モニア水を81.6g加えて沈澱物を得た。この沈澱物を12
0℃(2気圧),113℃(1.6気圧)および80℃(1気圧)でそ
れぞれ2時間熟成した後、洗浄,乾燥し、所定温度(400
℃,600℃,800℃)で大気中で5時間焼成した。得られ
たセリア多孔体に対して、前記実施例1と同様、「中心
細孔径」「中心細孔径±5nm以内の領域,中心細孔径
±3nm以内の領域の細孔容積の占める割合」を求め、
各値を表7に示す。また、TEM観察の結果、アスペク
ト比3以下の粒子が疎に凝集してメソ細孔を形成してい
ることがわかった。
【0139】
【表7】
【0140】熟成して得たジルコニア多孔体(実施例
3),チタニア多孔体(実施例4),マグネシア多孔体(実
施例5),酸化鉄多孔体(実施例6),セリア多孔体(実施
例7)のいずれも、前記したとおり、アスペクト比が3
以下(特にチタニア多孔体では2.3以下)の粒子が疎に
凝集し、該粒子の間隙に細孔を有する多孔体が得られ
た。そして、前記表7から明らかなように、この細孔の
中心細孔径がメソ細孔領域の範囲内にあり、該細孔の分
布がシャープであり、細孔の少なくとも一部は、三次元
の網目状に連通し、該連通経路がランダムで三次元網目
構造を有し、かつ実質的に繊維状構造を有しない、とい
う特徴を有する多孔体が得られることがわかった。
【0141】〈実施例8:排ガス浄化用触媒の実施例〉
次の実施例8-1〜実施例8-6は、本発明のアルミナ系多
孔体を担体として使用した排ガス浄化用触媒に係る実施
例である。なお、各実施例に対応する比較例を挙げ、比
較例3-1〜比較例3-6として、実施例8-1〜実施例8-6
の各実施例の後に併記した。
【0142】〈実施例8-1〉 ・触媒A1の調製 前記実施例2-8で得られた「800℃焼成品のアルミナ系
多孔体」の粉末20gに、ジニトロジアンミン白金硝酸溶
液を使用してPt(1g)/担体(120g)となるように貴金
属を含浸担持し、乾燥後、500℃で2時間大気焼成して
触媒を得た。この触媒を圧粉した後、破砕して0.5〜1m
mのペレット形状とした(以下、この触媒を“触媒A1
と略記する)。 ・触媒A2の調製 前記触媒A1を、さらに1000℃で5時間、“酸素3%/水
3%/窒素”の混合ガスおよび“水3%/窒素”の混合ガ
スを5分間交互に切り替えた雰囲気下で、耐久処理を行
った(以下、この耐久処理後の触媒を“触媒A2”と略記
する)。
【0143】・触媒A1,触媒A2に対する昇温評価 触媒A1または触媒A2を固定床流通式の反応管に0.5g
を詰め、ストイキ(4%,2秒周期の変動あり)条件のモデ
ルガスを流通させ、昇温評価を行った。この昇温評価の
結果、触媒A1では、SV;25万/hの条件で、各成分
の50%浄化温度は「HC50(249℃),NO50(239℃),C
50(239℃)」であった(後記表8参照)。 一方、触媒
2では、SV;25万/hの条件で、各成分の50%浄化
温度は、「HC50(436℃),NO50(436℃),CO50(430
℃)」であった(後記表8参照)。
【0144】〈比較例3-1〉 ・触媒a1の調製 前記比較例2-2(従来のpHスウィング法によるアルミ
ナ多孔体)で得られた「800℃焼成品であるアルミナ多孔
体」の粉末20gに、前記実施例8-1と同様に、Pt(1
g)/担体(120g)となるペレット形状の触媒を得た(以
下、この触媒を“触媒a1”と略記する)。 ・触媒a2の調製 上記触媒a1を、前記実施例8-1と同様の方法で、耐久
処理を行った(以下、この耐久処理後の触媒を“触媒
2”と略記する)。
【0145】・触媒a1,触媒a2に対する昇温評価 触媒a1と触媒a2について、前記実施例8-1と同様の方
法で昇温評価を行った。その結果、触媒a1では、S
V;14万/hの条件で、各成分の50%浄化温度は、「H
50(273℃),NO50(252℃),CO50(251℃)」であっ
た(後記表8参照)。 一方、触媒a2では、SV;16万
/hの条件で、各成分の50%浄化温度は、「HC50(470
℃),NO50(467℃),CO50(455℃)」であった(後記表
8参照)。
【0146】前記実施例8-1の触媒A1と前記比較例3-
1の触媒a1との“初期の触媒性能”を比較すると、触媒
1では、触媒a1に比べ、SVが約1.8倍という厳し
い条件であっても、HC50で24℃活性が高いことがわ
かる。触媒A1および触媒a1を、エレクトロンブローブ
マイクロアナリシス(EPMA)およびセカンダリーイオ
ンマススペクトロスコピー(SIMS)で分析したとこ
ろ、触媒A1では、触媒a1に比べて、Ptが担体の二次
粒子の表面近傍に約2割程度濃化して担持されていた。
この結果より、触媒A1では、通常の含浸担持法によっ
て、担体の表面におけるPtの高濃度担持が達成される
ため、SVが厳しい条件であっても、初期の触媒性能が
触媒a1より高くなったものである。
【0147】また、貴金属の表面濃化が実現されている
ために、通常、貴金属を増量して(EPMAなどで観察
できる)表面近傍の貴金属濃度を上げる必要がなく、コ
スト面でもメリットがある。このような表面濃化の効果
が顕著に現れるためには、1割以上の濃化が必要であ
る。
【0148】また、耐久処理を行った触媒A2(実施例8
-1)と触媒a2(比較例3-1)との触媒性能を比較すると、
触媒A2では、触媒a2に比べて、SVが約1.6倍とい
う厳しい条件であっても、HC50で34℃活性が高いこ
とがわかる。これは、X線回析の結果、触媒A2上のP
t粒径が29.5nmであったのに対して、触媒a2上のP
t粒径が35.2nmと粒成長していたことから、SVが厳
しい条件であっても、触媒A2の耐久後の触媒性能が触
媒a2より高くなったものである。さらに、触媒A1
は、Ptが表面に濃化して担持されており、Ptが粒成
長し易い条件にあるにも関わらず、触媒A2上のPtの
粒成長が抑制されている。これは、中心細孔径がメソ細
孔領域にあり、かつ細孔分布がシャ−プな担体がPtの
粒成長を抑制する効果を持つことを示唆する結果であ
り、本発明のアルミナ系多孔体がPtの担体として優れ
ていることがわかる。
【0149】〈実施例8-2〉 ・触媒B2の調製 前記実施例2-12で得られた「600℃焼成品であるアルミ
ナ系多孔体」の粉末20gを担体として、ジニトロジアン
ミン白金硝酸溶液を使用してPt(1g)/担体(300g)と
なるように貴金属を含浸担持し、乾燥後500℃で2時間
大気焼成して触媒を得た。この触媒を圧粉した後、破砕
して0.5〜1mmのペレット形状とし、前記実施例8-1と
同様の方法で、耐久処理を行った(以下、この耐久処理
を行った触媒を“触媒B2”と略記する)。 ・触媒B2に対する昇温評価 上記触媒B2を固定床流通式反応管に2ccまたは1cc充
填して、前記実施例8-1と同様の方法で、昇温評価した
結果、触媒B2では、SV;10万/hの条件で、各成分
の50%浄化温度は「HC50(451℃),NO50(442℃),C
50(413℃)」であった(後記表8参照)。また、SV;2
0万/hの条件で、各成分の50%浄化温度は「HC50(46
6℃),NO50(463℃),CO50(416℃)」であった(後記
表8参照)。
【0150】〈比較例3-2〉 ・触媒b2の調製 前記比較例2-2(従来のpHスウィング法によるアルミ
ナ多孔体)で得られた「800℃焼成品であるアルミナ多孔
体」の粉末20gを担体として、前記実施例8-2と同様
に、Pt(1g)/担体(300g)となるペレット形状の触媒
を得、同じく前記実施例8-2と同様の方法で、耐久処理
を行った(以下、この耐久処理を行った触媒を“触媒
2”と略記する)。 ・触媒b2に対する昇温評価 触媒b2に対して、前記実施例8-2と同様の方法で、昇
温評価をした結果、触媒b2は、SV;10万/hの条件
で、各成分の50%浄化温度は、「HC50(461℃),NO
50(459℃),CO50(425℃)」であった(後記表8参照)。
また、SV;20万/hの条件で、各成分の50%浄化温度
は、「HC50(509℃),NO50(509℃),CO50(439
℃)」であった(後記表8参照)。
【0151】前記実施例8-2と前記比較例3-2から、同
じSVでの耐久処理後の触媒性能を比較すると、触媒B
2は、触媒b2に比べて、SV;10万/hの場合、HC50
で10℃活性が高く、SV;20万/hの場合、HC50
43℃活性が高いことがわかる。X線回析の結果、触媒
2上のPt粒径が27.8nmであったのに対して、触媒
2上のPt粒径が35.2nmと粒成長していたことか
ら、耐久処理後の触媒性能がB2触媒で高くなったもの
である。さらに、B2触媒は、SVが10万/hから20万
/hとなった場合に、HC50で15℃高温化したのに対
して、b2触媒では48℃高温化した。このことから、中
心細孔径がメソ細孔領域にあり、かつ細孔分布がシャ−
プな本発明のアルミナ系多孔体を担体とすることで、S
V特性が優れた触媒を得られることがわかる。
【0152】〈実施例8-3〉 ・触媒C1の調製 前記実施例8-1において、パラジウム硝酸塩を使用して
Pd(2g)/担体(120g)となるようにしたこと以外は、
実施例8-1と同様にして触媒を得た(以下、この触媒を
“触媒C1”と略記する)。 .触媒C2の調製 上記触媒を、前記実施例8-1と同様の方法で、耐久処理
を行った(以下、この耐久処理を行った触媒を“触媒
2”と略記する)。
【0153】・触媒C1,触媒C2に対する昇温評価 触媒C1および触媒C2を、前記実施例8-1と同様の方法
で昇温評価した結果、触媒C1では、SV;25万/hの
条件で、各成分の50%浄化温度は、「HC50(193℃),
NO50(163℃),CO50(191℃)」であった(後記表8参
照)。触媒C2では、SV;25万/hの条件で、各成分の
50%浄化温度は、「HC50(255℃),NO5 0(248℃),C
50(252℃)」であった(後記表8参照)。
【0154】〈比較例3-3〉 ・触媒c1の調製 前記比較例3-1において、パラジウム硝酸塩を使用して
Pd(2g)/担体(120g)となるようにしたこと以外は、
比較例3-1と同様にして触媒を得た(以下、この触媒を
“触媒c1”と略記する)。 ・触媒c2の調製 上記触媒c1を、前記実施例8-3と同様の方法で、耐久
処理を行った(以下、この耐久処理を行った触媒を“触
媒c2”と略記する)。
【0155】・触媒c1,触媒c2に対する昇温評価 触媒c1及び触媒c2を、前記実施例8-1と同様の方法
で、昇温評価した結果、触媒c1では、SV;15万/h
の条件で、各成分の50%浄化温度は、「HC50(201
℃),NO50(160℃),CO50(198℃)」であった(後記表
8参照)。また、触媒c 2では、SV;15万/hの条件
で、各成分の50%浄化温度は、「HC50(273℃),NO
50(285℃),CO50(263℃)」であった(後記表8参照)。
【0156】前記実施例8-3と比較例3-3から、初期の
触媒性能を比較すると、触媒C1は、触媒c1に比べて、
SVが約1.7倍という厳しい条件であっても、HC50
で8℃活性が高いことがわかる。触媒C1と触媒c1を、
水素1%を含む窒素ガスで500℃,2時間還元して、酸
化パラジウムを金属パラジウムとしてX線光電子分光法
(XPS)で分析したところ、触媒c1(比較例3-3)に比
べて、触媒C1(実施例8-3)では、Pdが担体の二次粒
子の表面近傍に約3割程度濃化して担持されていたこと
から、SVが厳しい条件であっても、初期の触媒性能が
1触媒(比較例3-3)よりで高くなったものである。
(なお、先に示したPtの例では、エレクトロンブロー
ブマイクロアナリシス(EPMA)により分析したが、こ
こでは、AlとPdのピークが重なるために、X線光電
子分光法(XPS)という手段を取った。)
【0157】また、Pt同様、ここでも貴金属の表面濃
化が実現されているため、通常のように貴金属を増量し
て表面近傍の貴金属濃度を上げる必要がなく、コスト面
でもメリットがある。このような表面濃化の効果が顕著
に現れるためには、1割以上の濃化が必要であるが、こ
こではそれが十分である。
【0158】また、耐久処理後の触媒性能を比較する
と、触媒C2は、触媒c2に比べて、SVが約1.7倍と
いう厳しい条件であっても、HC50で18℃活性が高い
ことがわかる。これは、X線回析の結果、触媒C2上の
PdO粒径およびPd粒径が触媒c2より小さくシンタ
リングが抑制されていたことから、SVが厳しい条件で
あっても、触媒C2(実施例8-3)の耐久処理後の触媒性
能が、触媒c2(比較例3-3)より高くなったものであ
る。また、触媒C2では、Pdが表面に濃化して担持さ
れており、Pd(またはPdO)が粒成長し易い条件にあ
るにも関わらず、触媒C2上のPd(PdO)の粒成長が
抑制されていることから、中心細孔径がメソ細孔領域に
あり、かつ細孔分布がシャ−プな本発明のアルミナ系多
孔体は、Pdの担体としても優れていることがわかる。
【0159】〈実施例8-4〉 ・触媒D1の調製 前記実施例2-8で得られた「800℃焼成品であるアルミ
ナ系メソ多孔体」の粉末100gと、セリア−ジルコニア
固溶体60gと、炭酸ランタン20gとを、アルミナ系のバ
インダーと混合してスラリーを得た。これを乾燥して、
ジニトロジアンミン白金硝酸溶液および硝酸ロジウム溶
液を使用してPt(1g),Rh(0.2g)/アルミナ系多孔
体(120g)となるように貴金属を担持し、圧粉した後、
破砕して0.5〜1mmのペレット形状とした(以下、この
触媒を“触媒D1”と略記する)。 ・触媒D2の調製 上記触媒D1を、さらに1000℃で5時間、“ストイキガ
ス/酸素5%/水3%”の混合ガス、および、“ストイ
キガス/水素1%/水3%”の混合ガスを1分および5
分交互に切り替えた雰囲気下で、耐久処理を行った(以
下、この耐久処理を行った触媒を“触媒D2”と略記す
る)。
【0160】・触媒D1,触媒D2に対する降温評価 触媒D1および触媒D2を固定床流通式の反応管に0.794
gを充填し、ストイキ条件のモデルガスを流通させ、降
温評価を行った結果、触媒D1では、SV;22万/hの
条件で、各成分の50%浄化温度は、「HC50(215℃),
NO50(210℃),CO50(210℃)」であった(後記表8参
照)。一方、触媒D2では、SV;22万/hの条件で、各
成分の50%浄化温度は、「HC50(331℃),NO50(298
℃),CO50(289℃)」であった(後記表8参照)。
【0161】〈比較例3-4〉 ・触媒d1の調製 前記比較例2-2(従来のpHスウィング法によるアルミ
ナ多孔体)で得られた「800℃焼成品であるアルミナ多孔
体」の粉末100gを、前記実施例8-4のアルミナ系多孔
体の代わりに用いたこと以外は、実施例8-4と同様にし
て、ペレット触媒を得た(以下、この触媒を“触媒d1
と略記する)。 ・触媒d2の調製 上記触媒d1を、前記実施例8-4と同様の方法で、耐久
処理を行った(以下、この耐久処理を行った触媒を“触
媒d2”と略記する)。
【0162】・触媒d1,触媒d2に対する降温評価 触媒d1および触媒d2を、前記実施例8-4と同様の方法
で降温評価した結果、触媒d1では、SV;16.5万/h
の条件で、各成分の50%浄化温度は「HC50(255℃),
NO50(228℃),CO50(229℃)」であった(後記表8参
照)。一方、触媒d 2では、SV;16.5万/hの条件で、
各成分の50%浄化温度は、「HC50(342℃),NO50(29
9℃),CO50(312℃)」であった(後記表8参照)。
【0163】前記実施例8-4と比較例3-4から、初期の
触媒性能を比較すると、触媒D1では、触媒d1に比べ
て、SVが約1.3倍という厳しい条件であっても、H
50で40℃活性が高いことがわかる。また、耐久処理
後の触媒性能を比較すると、触媒D2では、触媒d2に比
べて、SVが約1.3倍という厳しい条件であっても、
HC50で11℃活性が高いことがわかる。これは、X線
回折の結果、触媒D2上のPt粒径は20.9nmであり、
触媒d2上のPt粒径は26.8nmと粒成長していたこと
から、SVが厳しい条件であっても、触媒D2の耐久処
理後の触媒性能が触媒d2より高くなったものである。
このように、本発明のアルミナ系多孔体は、Ptおよび
Rhの担体としても、さらに、助触媒等を含む系におい
ても、優れていることがわかる。
【0164】
【表8】
【0165】〈実施例8-5〉 ・触媒E1の調製 前記実施例2-8で得られた「1000℃焼成品のアルミナ系
多孔体」の粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を
使用してPt(2g)/担体(120g)となるようにPtを選
択吸着させ、乾燥後、300℃で3時間大気焼成した。さ
らに、K(0.2mol)/Pt(2g)/担体(120g)となるよう
に、酢酸カリウムを使用して含浸担持させ、乾燥後300
℃で3時間大気焼成して触媒を得た。この触媒を圧粉し
た後、破砕して0.3〜0.7mmのペレット形状とした(以
下、この触媒を“触媒E1”と略記する)。 ・触媒E2の調製 上記触媒E1を、さらに800℃で5時間、“リーン1分”
“リッチ4分”で交互に切り替えた雰囲気下で、耐久処
理を行った(以下、この耐久処理を行った触媒を“触媒
2”と略記する)。この場合のリ−ンガスの組成および
リッチガスの組成を表9に示す。
【0166】
【表9】
【0167】触媒E2を、固定床流通式の反応管に0.5g
詰め、毎分3リットルのリーンガスを流通させたリーン
雰囲気において、NOxを硝酸塩として吸蔵させ、3秒
間のリッチ雰囲気において、N2等として還元させる試
験を300〜600℃において実施した。その結果を表11に
示す。この場合のリ−ンガスの組成およびリッチガスの
組成を表10に示す。
【0168】
【表10】
【0169】〈比較例3-5〉 ・触媒e1の調製 前記比較例2-2(従来のpHスウィング法によるアルミ
ナ多孔体)で得られた「800℃焼成品のアルミナ多孔体」
の粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液を使用し
て、前記実施例8-5と同様、Pt(2g)/担体(120g)と
なるようにPtを選択吸着させ、乾燥後300℃で3時間
大気焼成した。さらに、同じく実施例8-5と同様、K
(0.2mol)/Pt(2g)/担体(120g)となるように酢酸カ
リウムを使用して含浸担持させ、乾燥後、300℃で3時
間大気焼成して触媒を得た。この触媒を圧粉した後、破
砕して0.3〜0.7mmのペレット形状とした(以下、この
触媒を“触媒e1”と略記する)。 ・触媒e2の調製 上記触媒e1を、前記実施例8-5と同様、さらに800℃で
5時間、“リーン1分”“リッチ4分”で交互に切り替
えた雰囲気下で、耐久処理を行った(以下、この耐久処
理を行った触媒を“触媒e2”と略記する)。
【0170】触媒e2を、前記実施例8-5と同様、固定
床流通式の反応管に0.5g詰め、毎分3リットルのリー
ンガスを流通させたリーン雰囲気において、NOxを硝
酸塩として吸蔵させ、3秒間のリッチ雰囲気においてN
2などとして還元させる試験を300〜600℃において実施
した。その結果を表11に示す。なお、この場合のリ−
ンガスの組成およびリッチガスの組成は、前掲の表10
のとおりである。
【0171】
【表11】
【0172】前記実施例8-5と比較例3-5から“耐久後
の触媒性能”を比較すると、NOxの吸蔵量を示す値と
して用いているNOx飽和吸蔵量では、表11に示すよ
うに、300℃以外では、触媒E2が触媒e2より優れてい
た。また、還元量を示す値として用いているリッチスパ
イクNOx吸蔵量では、各温度において触媒E2が触媒e
2より優れていた。
【0173】〈実施例8-6〉 ・触媒F1の調製 前記実施例5で得られた「マグネシウムアルミニウムス
ピネル多孔体」の粉末に、ジニトロジアンミン白金硝酸
溶液を使用してPt(2g)/担体(120g)となるように、
Ptを選択吸着させ、乾燥後、300℃で3時間大気焼成
した。さらに、K(0.2mol)/Pt(2g)/担体(120g)と
なるように、酢酸カリウムを使用して含浸担持させ、乾
燥後、300℃で3時間大気焼成して触媒を得た。この触
媒を圧粉した後、破砕して0.3〜0.7mmのペレット形状
とした(以下、この触媒を“触媒F1”と略記する)。 ・触媒F2の調製 上記触媒F1を、前記実施例8-5と同様に、さらに800℃
で5時間、“リーン1分”“リッチ4分”で交互に切り
替えた雰囲気下で、耐久処理を行った(以下、この耐久
処理を行った触媒を“触媒F2”と略記する)。
【0174】触媒F2を、前記実施例8-5と同様、固定
床流通式の反応管に0.5g詰め、毎分3リットルのリー
ンガスを流通させたリーン雰囲気において、NOxを硝
酸塩として吸蔵させ、3秒間のリッチ雰囲気において、
2などとして還元させる試験を300〜600℃において実
施した。その結果を表13に示す。この場合のリ−ンガ
スの組成およびリッチガスの組成を表12に示す。
【0175】
【表12】
【0176】〈比較例3-6〉 ・触媒f1の調製 前記実施例8-6で熟成を行わなかったこと以外は、実施
例8-6と同様にして触媒f1を得た。 ・触媒f2の調製 上記触媒f1を、前記実施例8-6と同様に、さらに800℃
で5時間、“リーン1分”“リッチ4分”で交互に切り
替えた雰囲気下で、耐久処理を行った(以下、この耐久
処理を行った触媒を“触媒f2”と略記する)。
【0177】触媒f2を、前記実施例8-6と同様、固定
床流通式の反応管に0.5g詰め、毎分3リットルのリー
ンガスを流通させたリーン雰囲気において、NOxを硝
酸塩として吸蔵させ、3秒間のリッチ雰囲気において、
2などとして還元させる試験を300〜600℃において実
施した。その結果を表13に示す。この場合のリ−ンガ
スの組成およびリッチガスの組成は、前掲の表12のと
おりである。
【0178】
【表13】
【0179】前記実施例8-6と比較例3-6から“耐久後
の触媒性能”を比較すると、表13に示すように、NO
xの吸蔵量を示す値として用いているNOx飽和吸蔵量、
還元量を示す値として用いているリッチスパイクNOx
吸蔵量が全ての温度において、触媒F2の方が触媒f2
り優れていた。
【0180】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、“中心
細孔径がメソ細孔領域の範囲内にあり、該細孔の分布が
シャープであり、細孔の少なくとも一部は、三次元の網
目状に連通し、該連通経路がランダムで三次元網目構造
を有し、かつ実質的に繊維状構造を有しない”特徴を有
する新規な多孔体を提供するものである。具体的には、
「海綿状構造のアルミナ多孔体であって、非晶質である
ことを特徴とし、該多孔体内に細孔を有し、その中心細
孔径がメソ細孔領域の範囲内にあり、かつ細孔の分布が
シャープであり、細孔の少なくとも一部は、三次元の網
目状に連通し、該連通経路がランダムで三次元網目構造
を形成してなる多孔体」,「アスペクト比が3以下の結
晶性酸化物の微粒子を疎に凝集させて形成した、アルミ
ナ系多孔体,ジルコニア系多孔体,チタニア系多孔体,
マグネシア多孔体,酸化鉄系多孔体,セリア系多孔体の
酸化物および/または複合酸化物であって、該結晶性酸
化物の微粒子が三次元的に連なってその間隙に細孔を形
成しており、その中心細孔径がメソ細孔の領域にあり、
該細孔の分布がシャープであり、前記メソ細孔の少なく
とも一部は、三次元的に連通してなり、かつ、該連通経
路がランダムで三次元網目構造を形成してなる多孔体」
を提供するものであり、触媒および触媒担体や各種フイ
ルタ−,酵素用担体,吸着剤,充填材などの用途に好適
な酸化物系多孔体を提供するものである。
【0181】また、本発明は、上記多孔体を簡便な手段
で、しかも安価に製造でき、かつ上記多孔体の品質など
を改善するために、第二成分(希土類元素,アルカリ土
類金属,IV属元素など)を容易に添加することができる
方法を提供するものである。
【0182】さらに、本発明は、担体と、該担体に担持
した貴金属とを含む排ガス浄化用触媒において、この担
体の少なくとも一部として、前記多孔体を用いることを
特徴とし、これにより、排ガス浄化性能に優れ、かつ高
温耐久性に優れた排ガス浄化用触媒を提供することがで
きる。また、上記排ガス浄化用触媒は、“担体の表面近
傍に貴金属が濃化して担持されている”ものであり、通
常の貴金属担持法によって、担体表面における貴金属の
高濃度担持を可能にし、かつ、貴金属の粒成長を抑制し
て排ガス浄化性能に優れた触媒を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多孔体を説明する図であって、
(A)は本発明の第1の多孔体を、(B)は本発明の第2の
多孔体を模式的に示す図である。
【図2】実施例1で得られた単成分系アルミナ多孔体(8
00℃焼成品)のTEM像の写真である。
【図3】実施例2-8で得られたLa成分添加アルミナ系
多孔体(1000℃焼成品)のTEM像の写真である。
【符号説明】
10 第1の多孔体 12 細孔 20 第2の多孔体 21 粒子 22 細孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月17日(1999.12.
17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/38 ZAB B01J 23/58 A 23/63 23/89 A 23/58 32/00 23/89 35/10 301F 32/00 C04B 38/00 303Z 35/10 301 B01D 53/36 102H C04B 38/00 303 B01J 23/56 301A (72)発明者 寺尾 直洋 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 秋元 裕介 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA06 AA13 AA18 AB01 AB02 AB05 AB07 BA01X BA02Y BA03X BA06Y BA07X BA08X BA14X BA15Y BA18X BA19X BA30X BA31X BA32Y BA33X BA34Y BA36X BA41X BA42X BB01 BB16 BB17 DA03 DA05 DA13 EA04 4G019 FA04 FA11 FA13 4G069 AA01 AA02 AA03 AA08 AA12 AA14 BA01A BA01B BA04A BA04B BA05A BA05B BA06A BA06B BA20A BA20B BA21C BB01C BB02A BB02B BB04A BB04B BB05C BB06A BB06B BB16B BC03B BC08A BC10A BC10B BC10C BC16A BC16B BC16C BC32A BC33A BC38A BC42A BC42B BC43A BC43B BC43C BC49A BC50A BC50B BC50C BC51A BC51C BC66A BC66B BC66C BC69A BC70A BC71A BC71B BC72A BC72B BC74A BC75A BC75B BD01C BD02C BD05A BE06C CA02 CA03 CA07 CA08 CA13 CA14 CA15 DA05 EA01X EA02Y EB11 EB19 EB20 EC06X EC06Y EC14X EC14Y EC15X EC15Y EC16X EC19 EC22X EC26 EC29 ED06 FA01 FB08 FB10 FB30 FB31 FB34 FC01 FC04 FC06 FC07 FC09 FC10

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心細孔径がメソ細孔領域の範囲内にあ
    り、該細孔の分布がシャープであり、細孔の少なくとも
    一部は、三次元の網目状に連通し、該連通経路がランダ
    ムで三次元網目構造を有し、かつ実質的に繊維状構造を
    有しないことを特徴とする多孔体。
  2. 【請求項2】 前記中心細孔径が、2〜100nmの範
    囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の多孔体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の多孔体
    が、アルミナ系多孔体からなり、該アルミナ系多孔体が
    海綿状構造であることを特徴とする多孔体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の海綿状構造の多孔体
    が、非晶質であり、該多孔体内に細孔を有することを特
    徴とする多孔体。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の多孔体
    が、メソ細孔容積(細孔径2〜100nmの領域にある
    細孔の容積)の70%以上が、メソ細孔領域に存在する
    細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にあることを特
    徴とする多孔体。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4に記載の多孔体
    が、メソ細孔容積(細孔径2〜100nmの領域にある
    細孔の容積)の80%以上が、メソ細孔領域に存在する
    細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にあること、ま
    たは、メソ細孔容積の70%以上が、メソ細孔領域に存
    在する細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にあるこ
    と、を特徴とする多孔体。
  7. 【請求項7】 請求項3または請求項4に記載の多孔体
    が、メソ細孔容積(細孔径2〜100nmの領域にある
    細孔の容積)の90%以上が、メソ細孔領域に存在する
    細孔の中心細孔径の±5nm以内の領域にあること、ま
    たは、メソ細孔容積の80%以上が、メソ細孔領域に存
    在する細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にあるこ
    と、を特徴とする多孔体。
  8. 【請求項8】 請求項3または請求項4に記載の多孔体
    が、メソ細孔容積(細孔径2〜100nmの領域にある
    細孔の容積)の90%以上が、メソ細孔領域に存在する
    細孔の中心細孔径の±3nm以内の領域にあることを特
    徴とする多孔体。
  9. 【請求項9】 請求項3〜請求項8のいずれかに記載の
    多孔体が、pH3〜4.5の範囲においてアルミニウム
    塩水溶液からアルミニウム成分の少なくとも一部を沈殿
    させ、該沈殿を含む水溶液を飽和蒸気または飽和蒸気に
    近い雰囲気中で所定時間保持して前駆体を生成させ、該
    前駆体を焼成して得られたことを特徴とする多孔体。
  10. 【請求項10】 前記前駆体の焼成が、前駆体中の粒子
    配列を維持しつつ水分を除去し、非晶質化することを特
    徴とする請求項9に記載の多孔体。
  11. 【請求項11】 請求項1または請求項2に記載の多孔
    体が、アスペクト比が3以下の粒子が凝集してなる多孔
    体であって、該粒子間の間隙に細孔を有することを特徴
    とする多孔体。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の多孔体が、アスペ
    クト比が3以下の結晶性酸化物の微粒子を疎に凝集させ
    て形成した多孔体であって、該結晶性酸化物の微粒子が
    三次元的に連なってその間隙に細孔を形成してなること
    を特徴とする多孔体。
  13. 【請求項13】 請求項11または請求項12に記載の
    多孔体が、アルミナ系多孔体,ジルコニア系多孔体,チ
    タニア系多孔体,マグネシア系多孔体,酸化鉄系多孔体
    およびセリア系多孔体の酸化物および/または複合酸化
    物の少なくとも一種からなり、かつ結晶性物質からなる
    ことを特徴とする多孔体。
  14. 【請求項14】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、アルミナ系多孔体であって、メソ細孔
    容積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容積)
    の70%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細
    孔径の±5nm以内の領域にあることを特徴とする多孔
    体。
  15. 【請求項15】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、アルミナ系多孔体であって、メソ細孔
    容積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容積)
    の80%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細
    孔径の±5nm以内の領域にあること、または、メソ細
    孔容積の70%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の
    中心細孔径の±3nm以内の領域にあること、を特徴と
    する多孔体。
  16. 【請求項16】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、アルミナ系多孔体であって、メソ細孔
    容積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容積)
    の90%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細
    孔径の±5nm以内の領域にあること、または、メソ細
    孔容積の80%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の
    中心細孔径の±3nm以内の領域にあること、を特徴と
    する多孔体。
  17. 【請求項17】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、アルミナ系多孔体であって、メソ細孔
    容積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容積)
    の90%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細
    孔径の±3nm以内の領域にあることを特徴とする多孔
    体。
  18. 【請求項18】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、ジルコニア系多孔体であって、メソ細
    孔容積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容
    積)の40%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中
    心細孔径の±5nm以内の領域にあることを特徴とする
    多孔体。
  19. 【請求項19】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、チタニア系多孔体であって、メソ細孔
    容積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容積)
    の50%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細
    孔径の±5nm以内の領域にあること、または、メソ細
    孔容積の40%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の
    中心細孔径の±3nm以内の領域にあること、を特徴と
    する多孔体。
  20. 【請求項20】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、マグネシア系多孔体であって、メソ細
    孔容積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容
    積)の80%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中
    心細孔径の±5nm以内の領域にあることを特徴とする
    多孔体。
  21. 【請求項21】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、酸化鉄系多孔体であって、メソ細孔容
    積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容積)の
    40%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔
    径の±5nm以内の領域にあることを特徴とする多孔
    体。
  22. 【請求項22】 請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載の多孔体が、セリア系多孔体であって、メソ細孔容
    積(細孔径2〜100nmの領域にある細孔の容積)の
    70%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中心細孔
    径の±5nm以内の領域にあること、または、メソ細孔
    容積の55%以上が、メソ細孔領域に存在する細孔の中
    心細孔径の±3nm以内の領域にあること、を特徴とす
    る多孔体。
  23. 【請求項23】 請求項11〜請求項22のいずれかに
    記載の多孔体が、熱分解により酸化物となる組成物を飽
    和蒸気または飽和蒸気に近い雰囲気中で所定時間保持,
    熟成して前駆体を生成させ、該前駆体を焼成して得られ
    たことを特徴とする多孔体。
  24. 【請求項24】 前記前駆体の焼成が、前駆体中の粒子
    配列を維持しつつ溶媒成分を除去し、酸化物とすること
    を特徴とする請求項23に記載の多孔体。
  25. 【請求項25】 請求項11〜請求項17のいずれかに
    記載の多孔体が、さらに、希土類元素,アルカリ土類金
    属およびIV族元素のうち少なくとも一種を添加成分とし
    て含むことを特徴とする多孔体。
  26. 【請求項26】 前記希土類元素が、ランタンであるこ
    とことを特徴とする請求項25に記載の多孔体。
  27. 【請求項27】 前記IV族元素が、チタン,ケイ素,ジ
    ルコニウムのうちの少なくとも一種であることを特徴と
    する請求項25に記載の多孔体。
  28. 【請求項28】 請求項1〜請求項27のいずれかに記
    載の多孔体を、触媒または触媒担体として使用すること
    を特徴とする多孔体。
  29. 【請求項29】 (1)熱分解により酸化物となる組成物
    を準備する準備工程と、(2)前記組成物を室温以上で所
    定時間保持し、前駆体を生成させる熟成工程と、(3)前
    記前駆体を焼成する焼成工程と、を含むことを特徴とす
    る多孔体の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記(1)の熱分解により酸化物となる
    組成物が、溶媒を含むことを特徴とする請求項29に記
    載の多孔体の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記(1)の準備工程における熱分解に
    より酸化物となる組成物が、溶媒和したものからなるこ
    とを特徴とする請求項29または請求項30に記載の多
    孔体の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記溶媒が、水,一価アルコール,二
    価アルコールおよび三価アルコールの一種またはこれら
    の混合物であることを特徴とする請求項30または請求
    項31に記載の多孔体の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記溶媒が、水及び一価アルコールの
    一種又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項
    30または請求項31に記載の多孔体の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記熱分解により酸化物となる組成物
    が、アルミニウム,ジルコニウム,チタニウム,マグネ
    シウム,鉄,セリウムの水酸化物、および、アルミニウ
    ム塩,ジルコニウム塩,チタニウム塩,マグネシウム
    塩,鉄塩,セリウム塩のうちの少なくとも一種から成る
    か、または、これを主成分とし、該主成分に対して、希
    土類元素,アルカリ土類金属およびIV族元素のうち少な
    くとも一種を添加成分として含むことを特徴とする請求
    項29〜請求項31のいずれかに記載の多孔体の製造方
    法。
  35. 【請求項35】 前記溶媒和した前記組成物であるアル
    ミニウム,ジルコニウム,チタニウム,マグネシウム,
    鉄,セリウムの水酸化物、および、アルミニウム塩,ジ
    ルコニウム塩,チタニウム塩,マグネシウム塩,鉄塩,
    セリウム塩が、溶媒中に浸漬されていることを特徴とす
    る請求項31〜請求項34のいずれかに記載の多孔体の
    製造方法。
  36. 【請求項36】 前記溶媒中に浸漬されている前記組成
    物が、アルミニウム塩,ジルコニウム塩,チタニウム
    塩,マグネシウム塩,鉄塩,セリウム塩より生成させた
    沈殿物であることを特徴とする請求項35に記載の多孔
    体の製造方法。
  37. 【請求項37】 前記(2)の熟成工程が、飽和蒸気また
    は飽和蒸気に近い雰囲気中で所定時間保持し、前駆体と
    する熟成工程であることを特徴とする請求項29に記載
    の多孔体の製造方法。
  38. 【請求項38】 前記飽和蒸気が、水蒸気であることを
    特徴とする請求項37に記載の多孔体の製造方法。
  39. 【請求項39】 前記水蒸気の温度が、200℃以下で
    あることを特徴とする請求項38に記載の多孔体の製造
    方法。
  40. 【請求項40】 前記水蒸気の温度が、80〜150℃
    であることを特徴とする請求項38に記載の多孔体の製
    造方法。
  41. 【請求項41】 前記水蒸気の温度が、100〜130
    ℃であることを特徴とする請求項38に記載の多孔体の
    製造方法。
  42. 【請求項42】 前記(2)の熟成工程における熟成時間
    が、0.5〜200時間であることを特徴とする請求項
    29または請求項37に記載の多孔体の製造方法。
  43. 【請求項43】 前記(3)の焼成工程が、前駆体中の粒
    子配列を維持しつつ溶媒成分を除去することを特徴とす
    る請求項29または請求項37に記載の多孔体の製造方
    法。
  44. 【請求項44】 前記(3)の焼成工程における焼成温度
    が、300〜1200℃であることを特徴とする請求項
    29または請求項43に記載の多孔体の製造方法。
  45. 【請求項45】 担体と該担体に担持した貴金属とを含
    む排ガス浄化用触媒において、前記担体の少なくとも一
    部が、請求項1〜請求項28のいずれかに記載の多孔体
    からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  46. 【請求項46】 請求項45に記載の排ガス浄化用触媒
    が、担体の表面近傍に貴金属が濃化して担持されている
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
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