JP2010158618A - 排ガス浄化触媒及びこれを用いた排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化触媒及びこれを用いた排ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃費の悪化を避けて高いNOx浄化性能を示す排ガス浄化装置と排ガス浄化触媒を提供する。
【解決手段】窒素酸化物を除去するための排ガス浄化触媒であって、この排ガス浄化触媒はメソ多孔体であり、このメソ多孔体は、細孔径20〜100Åの細孔容積の割合が、細孔径20〜1000Åの細孔容積に対して90%以上であり、かつ、タンタルの酸化物又はタンタル及びコバルトの酸化物を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化触媒及びこれを用いた排ガス浄化装置に関する。
近年、空燃比(ガス中の空気と燃料との比)を燃料希薄な状態(リーン)とするリーンバーンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービン及び化学プラント等の化学量論量よりも過剰な酸雰囲気下で運転される熱機関が増加しており、過剰酸素下でも窒素酸化物を浄化できる方法が望まれている。
特許文献1には、ボイラやガスタービンの排ガス浄化の場合に、アンモニアを還元剤として、酸化チタン系触媒上で過剰酸素下でも窒素酸化物を選択的に接触還元する方法が開示されている。
特許文献2には、排ガス中に元々含有されている水素、一酸化炭素、炭化水素等を還元剤とし、多孔質金属酸化物担体に担持されたロジウム及び銀を有してなる排ガス浄化触媒を用いて窒素酸化物を還元浄化する方法が開示されている。そして、この排ガス浄化触媒を用いることにより過剰の酸素を含有する排気ガス中の炭化水素、一酸化炭素及び窒素酸化物を同時に除去できることが開示されている。
特許文献3には、排ガス中の炭化水素を不完全燃焼させることにより、酸素を含有する排ガス中の窒素酸化物の還元効率が高まることが開示されている。
特許文献4には、NOx吸蔵触媒を用いることにより、空燃比がリーンの時は排ガス中の窒素酸化物を一旦酸化して触媒に捕捉し、一定量の窒素酸化物が捕捉された後、空燃比をストイキ若しくはリッチに切り替えることで捕捉された窒素酸化物を浄化する技術が開示されている。
特許文献5には、NOx吸蔵触媒の前段に水素生成触媒を設置する浄化装置が開示されている。そして、貴金属を含有する水素生成触媒を用いることで、水蒸気改質反応が進行し、活性が向上することが開示されている。
特許文献6には、炭化水素を部分酸化して水素と一酸化炭素を含有する混合ガスを生成させる部分酸化触媒において、希土類元素の酸化物とAlを担体として含み、これにNiを含む触媒活性金属を担持してなることを特徴とする部分酸化触媒が開示されている。
特許文献7には、窒素酸化物を除去するNOx浄化触媒を備えた排ガス浄化装置であって、NOx浄化触媒の表面の細孔の平均直径が20〜100Åの細孔分布であり、このNOx浄化触媒は多孔質担体と、この多孔質担体に担持された触媒活性成分とを有し、この触媒活性成分として、バナジウム、ニオブ、タンタル、スズから選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置が開示されている。
非特許文献1には、酸化タンタルを含む非晶質のメソポーラス金属酸化物の結晶化に関する技術が開示されている。
特公昭52−22839号公報 特開平8−998号公報 特開平6−319953号公報 特開平11−319564号公報 特開2003−10646号公報 特開2007−237084号公報 特開2008−238069号公報 Chem. Mater.、Vol.20、No.3、pp.835−847(2008):Crystallization of Mesoporous Metal Oxides
特許文献1に記載された発明においては、アンモニアの管理及びアンモニア使用のコストが課題である。
特許文献、2及び3に開示された発明においては、炭化水素、一酸化炭素、或いは不完全燃焼時の生成物を用いて窒素酸化物を還元浄化するものであるが、特に、窒素酸化物に対する浄化効率が十分ではない。
また、特許文献4に開示された技術は、窒素酸化物の還元効率は高まるが、空燃比をリッチにする必要があり、エンジンの制御が不可欠であることからボイラ等のプラントには適用性に課題を有する。さらに、リッチ時に燃料が多く消費されるため燃費の悪化につながる。特許文献5に開示された技術においても、水蒸気改質反応を生じさせるためには空燃比をリッチにすることが必要であり、特許文献4と同様の課題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、燃費の低下を避け、NOx浄化性能が高い排ガス浄化触媒及びこれを用いた排ガス浄化装置を提供することにある。
本発明の排ガス浄化触媒は、窒素酸化物を除去するための排ガス浄化触媒であって、この排ガス浄化触媒はメソ多孔体であり、このメソ多孔体は、細孔径20〜100Åの細孔容積の割合が、細孔径20〜1000Åの細孔容積に対して90%以上であり、かつ、タンタルの酸化物又はタンタル及びコバルトの酸化物を含むことを特徴とする。
また、本発明の排ガス浄化装置は、上記の排ガス浄化触媒を排ガス流路に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気で運転される熱機関において、一酸化炭素を用いて窒素酸化物を浄化することができ、熱機関からの窒素酸化物の排出量を効果的に抑制することができる。
本発明は、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスの窒素酸化物を還元浄化する排ガス浄化触媒を備えた熱機関の排ガス浄化装置であり、前記排ガス浄化触媒はメソ多孔体であり、該メソ多孔体は、細孔径が20〜100Åの範囲における細孔容積の割合が細孔径として20〜1000Åの範囲の細孔容積に対して90%以上であり、かつ、タンタル又はタンタル及びコバルトの酸化物で形成されていることにある。上記の排ガス浄化触媒は、リーン排ガス中に共存する一酸化炭素を用いて排ガス中の窒素酸化物を還元浄化することが特徴である。
ここで、タンタル及びコバルトの酸化物とは、タンタル酸化物の表面にコバルト酸化物が担持されたもの、及びタンタルとコバルトとを含む複合酸化物を含む。
また、排ガス中に炭化水素類が含まれる場合には、窒素酸化物の還元浄化性能が低下する場合がある。その場合には、排ガス流路において排ガス浄化触媒の上流側に排ガス中に共存する炭化水素類除去装置を用いることが好ましい。炭化水素除去装置としては、炭化水素を一酸化炭素に部分酸化する部分酸化触媒を備えることが好ましい。
上記排ガス浄化触媒及び排ガス浄化装置を用いることにより、排ガス中の一酸化炭素を用いて窒素酸化物を高効率で浄化することが可能となる。
一般に、ボイラ、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中には、窒素酸化物以外に一酸化炭素と炭化水素とが共存している。一酸化炭素(CO)を用いた窒素酸化物の還元反応はそれぞれ下記(1)式で表される。
NOx+CO→N、CO (1)
ところが、ボイラ、ディーゼルエンジン等から排出される排ガスは化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気であることが多く、その場合、COの燃焼反応が優先され、(1)式の反応は進行しにくい。
しかし、我々が鋭意検討した結果、以下の特徴を有する排ガス浄化触媒を用いると、(1)式の反応が進み、窒素酸化物が浄化されることがわかった。
排ガス浄化触媒は、タンタルの酸化物又はタンタル及びコバルトの酸化物を含む。この排ガス浄化触媒はメソ多孔体であり、このメソ多孔体は、細孔径が20〜100Åの範囲における細孔容積の割合が細孔径として20〜1000Åの範囲における細孔容積に対して90%以上である。
この排ガス浄化触媒はタンタルの酸化物であることが望ましい。さらに、タンタルの酸化物の上にコバルト酸化物が担持されることで窒素酸化物の浄化性能は向上する。そして、この酸化物がタンタルとコバルトとを含む複合酸化物であることが好適である。
ここで、複合酸化物とは、タンタル及びコバルトの各原子が酸素を介在して結合している状態を意味する。
窒素酸化物の浄化反応が進む理由は明らかでないが、メソ多孔体の平均細孔直径が20〜100Åである場合、窒素酸化物と一酸化炭素との接触しやすく、両者の反応が生じやすいためではないかと考えている。
メソ多孔体の細孔直径が20Åよりも小さい場合、窒素酸化物、一酸化炭素等の細孔内への拡散が遅くなり、反応が進みにくくなると考えている。さらに、活性成分の原料としてアルコキシドを用いた場合、アルコキシドが細孔内に入りにくくなり、活性成分を多孔質担体上に高分散させることができなくなる。以上の理由により活性が低下すると考えられる。メソ多孔体の細孔直径が100Åよりも大きい場合、触媒の比表面積が小さいと考えられるため、この場合も活性成分の分散度が低くなり活性低下につながる。
さらに、金属酸化物の中ではタンタル及びコバルトが好適である。例えば、ニオブ、鉄及びマンガンの酸化物に比べて、タンタル及びコバルトの酸化物は、窒素酸化物の吸着が起こりやすいため、吸着した窒素酸化物と一酸化炭素との反応が起こりやすいと考えている。
ここで、金属酸化物は、多孔質担体の役割もする。したがって、タンタルの酸化物の上にコバルトの酸化物を担持させると、タンタルの酸化物に対して窒素酸化物の還元浄化性能を高めることができる。
さらに、タンタルとコバルトとを含む複合酸化物とすることで、タンタルとコバルトの高分散化が図られて窒素酸化物の吸着能が高まり、窒素酸化物の還元浄化反応が効率よく進む。
本発明における金属酸化物を構成する原子は、酸素原子を介して相互に結合していると考えられる。この場合、活性成分が高分散して活性成分の表面積が向上する。また、酸素原子との結合が強く、熱によるシンタリングが生じにくい。したがって、高い性能を長期間維持することが可能になる。単に担体上に金属酸化物成分を担持したのみでは、金属酸化物成分の分散度が低く、また、担体と金属酸化物成分との結合が弱いと考えられるため、熱によるシンタリングが生じやすくなると推測される。したがって、金属酸化物成分で比表面積の高い触媒を得ることで、窒素酸化物の還元浄化性能が向上することができ、長期間にわたって触媒活性を維持することができる。
タンタルとコバルトとを組み合わせる場合、コバルトとタンタルとの組成比は、Co/Taのモル比で0.08〜0.16とすることが好ましい。望ましくは、Co/Taのモル比で0.10〜0.15である。
理由は不明ではあるが、Co/Taのモル比が0.08より小さいと、タンタル酸化物単独よりNOx浄化性能は悪くなる。一方、Co/Taのモル比が0.15より大きくなると、Co量が多くなりすぎて細孔閉塞などが起こるため、NOx浄化性能が低下すると推察される。
排ガス浄化触媒のメソ多孔体の細孔直径は揃っていることが望ましい。具体的には、20〜1000Åの細孔直径を有する細孔の微分細孔容積の総計に対し、20〜100Åの細孔直径を有する細孔の微分細孔容積の総計が90%以上にすることで一酸化炭素によるNOx浄化反応が促進される。細孔の直径を揃える事で一酸化炭素と窒素酸化物との接触が高まるものと考えている。
排ガス浄化触媒の調製方法は、混練法、共沈法、ゾルゲル法等の物理的調製方法や化学反応を利用した調製方法等、いずれも適用可能である。特に、化学反応を利用すれば、細孔直径の揃った金属酸化物を得ることができる。
排ガス浄化触媒の出発原料としては、硝酸化合物、酢酸化合物、錯体化合物、水酸化物、炭酸化合物、有機化合物などの種々の化合物や金属及び金属酸化物を用いることができる。
特に、界面活性剤と金属酸化物成分の塩化物塩溶液とアルコール類とを用いてゾル溶液を作製し、このゾル溶液を乾燥した後に焼成することにより、本発明の金属酸化物を得ることができる。
排ガス浄化触媒に流入する排ガスに一酸化炭素に加えて炭化水素が含まれている場合がある。本発明の窒素酸化物の場合、窒素酸化物の還元浄化性能が低下する場合がある。その場合には、排ガス流路において排ガス浄化触媒の上流側に排ガス中に共存する炭化水素類を一酸化炭素に部分酸化する部分酸化触媒を備えた排ガス浄化装置を用いる。
炭化水素の部分酸化触媒としては、炭化水素を部分酸化して水素と一酸化炭素を含有する混合ガスを生成させる部分酸化触媒において、希土類元素の酸化物とAlを担体として含み、これにNiを含む触媒活性金属を担持してなることを特徴とする部分酸化触媒(特許文献6)などがある。
上記の排ガス浄化装置を用いることにより、排ガス中に共存する一酸化炭素を用いて窒素酸化物を高効率で浄化することが可能となる。
本発明は、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する雰囲気で燃料等を燃焼させた熱機関の排ガスに対して有効である。化学量論量と同等若しくはそれ以下の酸素雰囲気(リッチガス)に対しても使用できるが、その場合、熱機関もしくは排ガス流路に添加される燃料が多くなり、コストの増加につながる。したがって、特に必要が無ければ、ガス雰囲気をリッチとする必要は無く、過剰な酸素雰囲気を有する排ガス(リーンガス)に対して用いることができる。
排ガス浄化触媒に流入する一酸化炭素の量が、排ガス中の窒素酸化物を全て浄化しうる量に満たない場合、熱機関の燃焼状態を変えることで、この排ガス浄化触媒に流入する一酸化炭素又は炭化水素及び窒素酸化物量を変化させても良い。この場合、一酸化炭素の注入機器が不要であるといったメリットがある。上記の燃焼状態を変えるためには、燃焼状態制御装置により、燃料・空気等の流入量を調整することができる。
排ガス浄化触媒を使用する温度は250〜350℃とすることが好ましい。充分に触媒の温度が高くならない場合や、熱機関の作動開始時等には、触媒を暖めるヒーターを用いてもよい。
本発明による排ガス浄化触媒の形状は、用途に応じて各種の形状で適用できる。コージェライト、SiC、ステンレス等の各種材料で形成されたハニカム構造体に各種成分を担持した排ガス浄化触媒をコーティングして得られるハニカム形状を始めとし、ペレット状、板状、粒状、粉末状等が適用できる。ハニカム形状の場合、その基材はコージェライトが最適であるが、触媒温度が高まるおそれがある場合、触媒成分と反応しにくい基材、例えば、金属製のものを用いても良好な結果を得ることができる。また、排ガス浄化触媒のみで形成されたハニカムを形成しても良好な結果が得られる。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
まず、排ガス浄化触媒の調製法について説明する。
界面活性剤(BASF社製、P−123)を1g、エタノール10gに十分に溶解させた後、TaCl6mmol及び精製水6mmolを添加して30分間攪拌した。攪拌により得られた透明なゾル溶液を40℃で7日間乾燥した。この乾燥物を回収後、500℃で5時間の空気焼成を実施して、タンタル酸化物(Ta)を得た。さらに、Taを加圧成型して、粒子径1〜2mmのTa粒子を得た。
実施例1の触媒に硝酸コバルト溶液を含浸した後、120℃で乾燥し、さらに500℃で2時間空気焼成を施した。コバルトの担持量はTa粒子1gに対して、コバルト金属換算で0.06mmolとした。
(比較例1)
市販のMCM−41(日本化学工業製、SILFAM−A)に硝酸コバルト溶液を含浸した後、120℃で乾燥し、さらに500℃で2時間空気焼成を施した。なお、MCM−41はSiの酸化物である。また、コバルトの担持量はMCM−41の1gに対して、コバルト金属換算で0.06mmolとした。
(比較例2)
実施例触媒1の触媒調製法に対して、界面活性剤を添加せずに得た触媒を比較例触媒2とする。すなわち、エタノール10gにTaClを6mmolと精製水6mmolを添加して30分間攪拌した。攪拌により得られた透明なゾル溶液を40℃で7日間乾燥した。この乾燥物を回収後、500℃で5時間の空気焼成を実施して、Ta酸化物を得た。さらに、Ta酸化物を加圧成型して、粒子径1〜2mmのTa酸化物粒子を得た。このTa酸化物粒子を比較例触媒2とする。
(触媒性能評価法)
触媒の性能を評価するためのNOx浄化性能試験は、次の条件で行った。容量0.8cmの粒状触媒を石英ガラス製反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に導入し、反応管に導入されるガス温度が200〜400℃となるように加熱制御した。
反応管に導入されるガスは、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスを模擬するモデルガスとした。モデルガスの組成は、一酸化炭素によるNOxの還元反応を行う際には、NOx:150ppm、CO:1600ppm、O:3%、HO:3%、He:残差とし、SVは30000h−1とした。
このとき、触媒のNOx浄化性能を次式に示すNOx浄化率により見積もった。
NOx浄化率(%)=((触媒に流入したNOx量)−(触媒から流出したNOx量))
÷(触媒に流入したNOx量)×100
(触媒性能評価結果)
実施例1〜2、比較例1及び2の測定温度に対するNOx浄化率を評価した。表1に測定温度に対するNOx浄化率を示す。
比較例1の場合、300℃以下ではNOx浄化性能が得られなかった。また、比較例2では350℃及び400℃においてもNOx浄化性能が得られなかった。一方、実施例1〜2の場合、200〜400℃においてNOx浄化率は5%以上となった。
したがって、本発明に基づく触媒は高いNOx浄化性能が得られるのは明らかである。
また、Ta単独(実施例1)に対して、Taにコバルトを担持した実施例2の方がNOx浄化性能の改善が認められた。
Figure 2010158618
(細孔分布評価法とその結果)
サンプルの細孔分布測定はMicromeritics社製ASAP2010を用いて、N吸着法により実施した。サンプルを真空中で200℃の熱を加えることでサンプルに付着している水分、ガス等を除去した。測定は20〜1000Åの範囲で行った。
図1は、代表例として実施例1の触媒の細孔分布を示したものである。横軸に細孔径、縦軸に微分細孔容積(dVp/dDp)をとっている。
本図から、細孔分布が、細孔径が約4nmのときにピークを有することがわかる。
また、本図において、20〜1000Åの細孔分布の面積に対して、20〜100Åの部分の面積は90%以上であった。
実施例2及び比較例1の場合においても、同様に、20〜1000Åの細孔分布の面積に対して、20〜100Åの部分の面積は90%以上であった。
一方、比較例2の場合、20〜1000Åの細孔分布の面積に対して、20〜100Åの細孔直径を有する細孔容積の面積は85%であった。
(細孔形状)
さらに、実施例1に関して、細孔の様子を走査電子顕微鏡(STEM:日立ハイテクノロジーズ製S−5200)を用いて観察した。図2Aに80万倍での撮像結果を示す。また、図2Bは、この微細構造を模式的に示したものである。
図2Aにおいて、黒色部分は空間部分であり、灰色部分はTaの部分である。細孔径4nm程度の細孔が規則正しく並んだ構造であることがわかる。
図2Bにおいて、符号101はTaを示し、102は空間部分を示す。本図は、細孔を有する微細構造が、六角柱を規則的に重ねた構造であることを模式的に表したものである。
以上のことから、排ガス浄化触媒としては、タンタルとコバルトとを触媒成分として含有することが必要であり、かつ20〜1000Åの細孔直径を有する細孔容積は、20〜100Åの細孔直径を有する細孔容積の総計に対して90%以上であることも必要であることは明らかである。
(触媒性能評価法)
炭化水素を用いたときのNOx浄化率を調べた。
触媒の性能を評価する為行ったNOx浄化性能試験は、次の条件で行った。容量0.8cmの粒状触媒を石英ガラス製反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に導入し、反応管に導入されるガス温度が200〜400℃となるように加熱制御した。
反応管に導入されるガスは、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスを模擬するモデルガスとした。モデルガスの組成は、一酸化炭素に加えて炭化水素としてCを加えた。その組成は、NOx:150ppm、CO:1600ppm、O:3%、HO:3%、C:500ppm、He:残差とし、SVは30000h−1とした。
(触媒性能評価結果)
実施例1及び2に関する、350℃におけるNOx浄化率を表2に示す。なお、NOx浄化率は、モデルガスへのC添加の有無で比較した。
実施例1及び実施例2のいずれも、モデルガスにCが添加されるとNOx浄化率が低下した。したがって、本発明の排ガス浄化触媒に流入する排ガスには炭化水素が含まれていないことが望ましいことは明らかである。
Figure 2010158618
(排ガス浄化触媒の設置例)
図3は、本発明による排ガス浄化触媒の配置を示す模式図である。
本図においては、ボイラ1及び排ガス浄化触媒3が排ガス流路2によって接続されている。すなわち、ボイラ1の下流側に排ガス浄化触媒3を設置した例を示す。
ボイラ1の排ガス中には、窒素酸化物以外に一酸化炭素が含まれているため、実施例1の触媒により窒素酸化物が一酸化炭素により還元浄化される。
(部分酸化触媒との組み合わせの例)
図4は、本発明による排ガス浄化触媒及び部分酸化触媒の配置を示す模式図である。
本図においては、ボイラ1、部分酸化触媒4及び排ガス浄化触媒3が排ガス流路2によって接続されている。すなわち、排ガス浄化触媒3の上流側に、部分酸化触媒4を設けた場合を示す。
ガソリン自動車からの排ガスにはCなどの炭化水素が共存する。このため、本図においては、排ガスは、部分酸化触媒4により炭化水素類をCOに部分酸化された後、排ガス浄化触媒3へ導かれるようにしてある。
本図に示す装置構成とすることにより、炭化水素によるNOx浄化性能の低下を防止することができる。さらに、部分酸化反応により、窒素酸化物の還元反応に必要なCO濃度を高めることが可能となり、排ガス浄化触媒での窒素酸化物の還元浄化反応の向上にも寄与する。
(CoとTaとの組成比に対するNOx浄化性能)
実施例2において、CoとTaとの組成比を変えたときのNOx浄化性能を調べた。触媒性能評価法は上述の方法に準じた。
350℃における試験結果を図5に示す。
本図において、タンタルとコバルトとを組み合わせた場合、タンタルとコバルトとの組成比(Co/Taのモル比)が0.08〜0.16の範囲で、NOx浄化率がタンタル酸化物単独より優れていることがわかる。また、Co/Taのモル比が0.10〜0.15の場合には、NOx浄化率は17%以上となっていることがわかる。
理由は不明ではあるが、Co/Taのモル比が0.08より小さいと、タンタル酸化物単独よりNOx浄化性能は悪くなった。なお、Co/Taのモル比が0.15より大きくなると、Co量が多くなりすぎて細孔の閉塞などが起こるため、NOx浄化性能が低下すると推察される。
本発明による実施例1の触媒の細孔分布を示すグラフである。 本発明による実施例1の触媒の走査電子顕微鏡画像である。 本発明による実施例1の触媒の微細構造を示す模式図である。 本発明による排ガス浄化触媒の配置を示す模式図である。 本発明による排ガス浄化触媒及び部分酸化触媒の配置を示す模式図である。 本発明による排ガス浄化触媒におけるタンタルとコバルトとの組成比に対するNOx浄化率を示すグラフである。
1:ボイラ、2:排ガス流路、3:排ガス浄化触媒、4:部分酸化触媒。

Claims (5)

  1. 窒素酸化物を除去するための排ガス浄化触媒であって、この排ガス浄化触媒はメソ多孔体であり、このメソ多孔体は、細孔径20〜100Åの細孔容積の割合が、細孔径20〜1000Åの細孔容積に対して90%以上であり、かつ、タンタルの酸化物又はタンタル及びコバルトの酸化物を含むことを特徴とする排ガス浄化触媒。
  2. 前記タンタル及びコバルトの酸化物が、タンタル酸化物の表面にコバルト酸化物が担持されたものであることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化触媒。
  3. 前記タンタル及びコバルトの酸化物が、タンタルとコバルトとを含む複合酸化物であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の排ガス浄化触媒を、排ガス流路に備えたことを特徴とする排ガス浄化装置。
  5. 前記排ガス浄化触媒の上流側に部分酸化触媒を設けたことを特徴とする請求項4記載の排ガス浄化装置。
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