JP2007239616A - 排ガスの浄化装置及び排ガスの浄化方法,浄化触媒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスが流入する内燃機関排ガス流路に、炭化水素を用いて排ガス中のNOxを還元浄化するNOx浄化触媒を備えた排ガス浄化装置において、該NOx浄化触媒が排ガスに接触する前に、排ガス中のCOの一部或いは全部を除去する工程を有することを特徴としてなるものである。
【選択図】図1
Description
COを選択的に酸化する触媒を用いる等が考えられる。
NOx+HC→N2,CO2,H2O …(2)
例えばCOを選択的に酸化する触媒を用いた場合でも一部の炭化水素の燃焼除去は生じてしまったり、COが残留したりする場合があるが、COのモル数が炭化水素のモル数より小さい範囲であればよい。
COと同時に炭化水素を除去してしまうと、炭化水素を用いたNOxの還元反応が生じにくくなり、NOxの浄化効率は下がる。従ってCOのみを選択的に除去する工程が望ましい。そのようにすることでNOx浄化触媒のCOによる活性低下が無くなり、炭化水素を還元剤とするNOx浄化反応が促進される。
Ptの場合は0.002mol部以上0.1mol部以下、Rhの場合は0.0003mol部以上
0.02mol部以下、Pdの場合は0.001部以上0.2mol 部以下とすることが望ましい。ここでmol 部とは、各成分のmol 数換算での含有比率を表したものであり、例えばA成分1.9mol部に対してB成分の担持量が2mol 部ということは、A成分の絶対量の多少に関わらず、mol 数換算でAが1.9 に対しBが2の割合で担持されていることを意味する。貴金属の担持量が上記範囲に示す量より少ないと貴金属添加効果は小さく、上記範囲に示す量より多いと貴金属自身の比表面積が小さくなり、やはり貴金属添加効果が小さくなる。
NOx浄化触媒の出発原料としては、硝酸化合物,酢酸化合物,錯体化合物,水酸化物,炭酸化合物,有機化合物などの種々の化合物や金属及び金属酸化物を用いることができる。
Nb,W,Ta,Ni担持量は多孔質担体1.9mol部に対して元素換算で0.005mol部以上2.5mol部以下とすることが好ましい。0.01mol部以上2mol 部以下にするとなお好適である。Mg,Zn,Mn,Nb,W,Ta,Ni担持量が0.005mol部より少ないと担持効果は不十分となり、2.5mol部より多いと触媒自体の比表面積が低下し活性低下につながるため好ましくない。
アルミナ粉末及びアルミナの前駆体からなり硝酸酸性に調製したスラリーをコージェライト製ハニカム(400セル/inc2)にコーティングした後、乾燥焼成して、ハニカムの見掛けの容積1リットルあたり1.9molのアルミナをコーティングしたアルミナコートハニカムを得た。該アルミナコートハニカムに、ジニトロジアンミンPt硝酸溶液を含浸し、200℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。
触媒の性能を評価する為、次の条件でNOx浄化性能試験を行った。容量6c.c.のハニカム触媒を石英ガラス製反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に導入し、反応管に導入されるガス温度が200℃〜350℃となるように加熱制御した。反応管に導入されるガスは、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスを模擬するモデルガスとした。モデルガスの組成は、NOx:100ppm,C3H6:167ppm,CO:1000ppm,O2:6%,H2O:7%,N2:残差とし、SVは50,000/hとした。
以上の方法で触媒の性能を評価する方法を評価方法1とする。評価方法1と同様の手順であるが、モデルガスにCOを含まずに触媒の性能を評価する方法を評価方法2とする。更に、評価方法1と同様の手順であるが、C3H6濃度を167ppmから500ppmに増量させて触媒の性能を評価する方法を評価方法3とする。また、評価方法1と同様の手順であるが、モデルガスにCOを含まずに、C3H6濃度を167ppmから500ppmに増量させて触媒の性能を評価する方法を評価方法4とする。
NOx浄化触媒1を評価方法1及び2により評価した。図1に評価方法1及び2により評価した場合のNOx浄化率を示す。図1より、モデルガス中にCOを含む評価方法1で測定した場合より、モデルガス中にCOが含まれていない評価方法2で測定した場合の方がNOx浄化率は高い。従ってNOx浄化触媒に流入するCOを減らすとNOx浄化率が向上するのは明らかである。
NOx浄化触媒1に対し、評価方法1〜4でNOx浄化活性を評価した場合のNOx浄化率を図2に示す。図2には触媒入口温度200℃での活性を示した。実施例1で示したように、COを含まない評価方法2で評価した場合、NOx浄化率は向上するが、CO濃度は変化させずHC濃度のみ増加させた評価方法3ではNOx浄化率が大きく低下した。しかしモデルガス中にCOを含まず、HC濃度を増加させた評価方法4ではNOx浄化率が大きく向上した。以上の結果から、NOx浄化触媒に流入するCOを減らすことでHC増量の効果が大きく現れることは明らかである。
NOx浄化触媒1で用いたものと同仕様のアルミナコートハニカムに、硝酸Mg溶液を含浸し、200℃で乾燥、続いて600℃で1時間焼成した。得られたMg添加アルミナコートハニカムにジニトロジアンミンPt硝酸溶液を含浸し、200℃で乾燥、続いて
600℃で1時間焼成した。以上により、ハニカム1Lに対してアルミナが190g、及び元素換算でMgが0.1mol、Pt2.8g を含有するNOx浄化触媒2を得た。更に
Mgの代わりにZn,Mn,Nb,W,Niをそれぞれ添加したこと以外はNOx浄化触媒2と同様の方法で調製したNOx浄化触媒3〜7を得た。Zn,Mn,Niに関しては各成分の硝酸溶液を、Wに関してはメタタングステン酸アンモニウム溶液を、Nbに関してはNb2O5ゾルをそれぞれ原料として用いた。
ジニトロジアンミンPt硝酸溶液ではなく、ジニトロジアンミンPd硝酸溶液とジニトロジアンミンPt硝酸溶液の混合溶液を含浸させたこと以外はNOx浄化触媒5と同様の調製法により、ハニカム1Lに対してアルミナを190g、及び元素換算でNbを0.1
mol、Ptを2.8g、Pdを0.6g 含有するNOx浄化触媒9を得た。更にジニトロジアンミンPt硝酸溶液ではなく、硝酸Rh溶液とジニトロジアンミンPt硝酸溶液の混合溶液を含浸させたこと以外はNOx浄化触媒5と同様の調製法により、ハニカム1Lに対してアルミナを190g、及び元素換算でNbを0.1mol、Ptを2.8g、Rhを0.14g含有するNOx浄化触媒10を得た。NOx浄化触媒1,5,9,10を評価方法2及び4で評価した結果を図4に示す。触媒入口温度200℃でのNOx浄化率を示した。丸囲み数字は各触媒の番号を示している。図4から、NOx浄化触媒5,9,10はNOx浄化触媒に流入するCOを減らした場合、及びさらにHCを増量させた場合、NOx浄化触媒1と比較してNOx浄化率が向上しており、Nb,Pd,Rh添加効果が生じていることは明らかである。
排ガス中に含まれるCOとHCの比がNOx浄化活性に及ぼす影響を評価した。NOx浄化触媒10に対しモデルガス中に含まれるCO量を変化させた事以外は他のガス組成を評価方法3と同様にしてNOx浄化率を評価した。図5に結果を示す。触媒入口温度200℃でのNOx浄化率を示した。図5からモデルガス中に含まれるCOとC3H6の比がモル比でCO/C3H6<1の場合にNOx浄化率が70%を超え、高いNOx浄化活性を示すことは明らかである。
図6にディーゼルエンジンから排出される排ガス流路にNOx浄化触媒の前段にCO酸化触媒を設置した実施例を示す。ディーゼルエンジンからは化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスが排出される。ジニトロジアンミンPt硝酸溶液の代わりに硝酸
Fe溶液を用いた事以外はNOx浄化触媒1と同様の方法で調製して得られたFe/
Al2O3(ハニカム1Lに対してアルミナが190g、及び元素換算でFeが0.1mol)をCO酸化触媒として用い、更にNOx浄化触媒10をNOx浄化触媒として用いた。
CO酸化触媒の温度が200℃付近の場合、排ガス中のCOは酸化され除去されるが排ガス中のHCは殆ど除去されず排ガス中に残留しNOx浄化触媒に流入する。実施例4で示したように、NOx浄化触媒に流入するCOが少ないため、図6に示した装置構成とすることで高いNOx浄化率を得ることができる。
図7はCO酸化触媒とNOx浄化触媒とを一体化した構成とした触媒例を示す。アルミナスラリーにMnを添加して得られたMn含有アルミナスラリーをNOx浄化触媒10にコーティングし、200℃で乾燥、600℃で1h焼成することにより図7で示した触媒が得られる。この触媒を200℃で用いれば排ガス中に含まれるCOは表層のCO酸化触媒で酸化除去され、炭化水素はCO酸化触媒層を通過する。従ってNOx浄化触媒層には炭化水素及びNOxが主に接触することになる。実施例4で示した結果から高いNOx浄化率を得ることができる。
図8はCO酸化触媒とNOx浄化触媒との間の排ガス流路に炭化水素注入口を設けた場合の装置例を示す。注入する炭化水素源としてはガス上のC2H4及びC3H6または液状の軽油等が考えられる。実施例4の結果から、例えばNOx浄化触媒10をNOx浄化触媒として用いた場合、排ガス中のCOを減らしかつHC濃度を増加させればNOx浄化率が向上することが分かっている。従って図8で示した装置構成とすることでNOx浄化率が向上する。
図9には、ボイラから排出される排ガス流路にNOx浄化触媒の前段にCO酸化触媒を設置し、更にCO酸化触媒とNOx浄化触媒との間の排ガス流路に炭化水素注入口を、
NOx浄化触媒の後段にNOxセンサを設けた装置構成を示す。ボイラからは化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスが排出される。NOxセンサを設けてNOx浄化触媒後流の排ガス中に含まれるNOx量を計測することで、該NOx量が多い場合には添加する炭化水素量を増やし、該NOx量が観測されない場合は添加する炭化水素量を減らす制御を行う。このようにすることで常に高いNOx浄化活性を維持することができ、更には大気への炭化水素の流出及び使用炭化水素量の低減につながる。
図10は本発明の排ガス浄化装置を備えた内燃機関の一実施態様を示す全体構成図である。本発明の浄化装置は、ボイラ1,CO酸化触媒4,NOx浄化触媒8,軽油注入系
(軽油タンク5,軽油注入口6),センサ系(COセンサ2,CO酸化触媒入口ガス温度センサ3,NOx浄化触媒入口ガス温度センサ7,NOxセンサ9)及び制御ユニット
10から構成される。
Claims (15)
- 内燃機関の排ガス流路に設置され、排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
排ガス中のNOxを、炭化水素を用いて還元浄化するNOx浄化触媒と、該NOx浄化触媒の排ガス流路上流側に設置された排ガス中のCOを除去する手段と、を有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 請求項1に記載された排ガス浄化装置であって、
前記COを除去する手段の後流側であって、前記NOx浄化触媒の上流側に、炭化水素を注入する手段を有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 請求項2に記載された排ガス浄化装置であって、
該NOx浄化触媒の後段にNOxセンサを設け、該NOxセンサの情報に応じて前記炭化水素を注入する手段を制御することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載された排ガス浄化装置であって、
前記NOx浄化触媒に流入する排ガス中のCOのモル数が炭化水素のモル数よりも少ないことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載された排ガス浄化装置であって、
前記COを除去する手段はCOを酸化するCO酸化触媒であることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 請求項5に記載された排ガス浄化装置であって、
前記CO酸化触媒は前記NOx浄化触媒と層状に設けられていることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載された排ガス浄化装置であって、
前記NOx浄化触媒は、Pt,Pd,Rhの少なくとも一種を含むことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載された排ガス浄化装置であって、
前記NOx浄化触媒は、Mg,Zn,Mn,Nb,W,Ta,Niの少なくともいずれかを含有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載された排ガス浄化装置であって、
前記内燃機関より流出する排ガスは、空燃比が化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - リーンバーンエンジンより流出する排ガスを浄化する排ガス浄化方法であって、
前記排ガス中のCOを除去する工程と、前記排ガス中のNOxを炭化水素との反応により除去する工程とを有することを特徴とする排ガス浄化方法。 - 請求項10に記載された排ガス浄化方法であって、
前記COを除去した排ガス中に炭化水素を注入する工程を有することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。 - 請求項11に記載された排ガス浄化方法であって、
前記NOx除去工程後の排ガス中のNOx量を測定し、前記測定結果に基づき炭化水素の注入量を制御することを特徴とする内燃機関の排ガス除去方法。 - 請求項11または12に記載された排ガス浄化方法であって、
前記炭化水素を注入する工程は、前記NOx除去工程前の排ガス中の炭化水素のモル数がCOのモル数よりも多くなる量の炭化水素を注入することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。 - 請求項10ないし13のいずれかに記載された排ガス浄化方法であって、
前記COを除去する工程はCOを酸化する工程であることを特徴とする排ガス浄化方法。 - 内燃機関の排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒であって、
前記触媒は、基体と、前記基体上に形成されたNOxを還元するNOx触媒層と、前記NOx触媒層の上層に形成されたCOを除去するCO除去層とを有することを特徴とする排ガス浄化触媒。
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