JP2009138591A - 熱機関の排ガス浄化装置、排ガス浄化方法及びNOx浄化触媒 - Google Patents

熱機関の排ガス浄化装置、排ガス浄化方法及びNOx浄化触媒 Download PDF

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雅人 金枝
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秀宏 飯塚
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Abstract

【課題】化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気で運転される熱機関からの排ガスに含まれるNOxを、COを用いて浄化するのに好適な排ガス浄化装置と浄化方法及びNOx浄化触媒を提供する。
【解決手段】化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスが流入する熱機関の排ガス流路に、COを用いて排ガス中のNOxを還元浄化するNOx浄化触媒として多孔質担体とその担体上に担持された触媒活性成分からなり、多孔質担体がCeを含み、触媒活性成分としてCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含むものを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気下で運転される熱機関の排ガスに含まれる窒素酸化物(以下、NOxという)を浄化する排ガス浄化装置と排ガス浄化方法及びNOx浄化触媒に関する。
近年、空燃比(ガス中の空気と燃料の比)を燃料希薄とするリーンバーンエンジンやディーゼルエンジン、あるいはガスタービンや化学プラント等のように化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気下で運転される熱機関が増加しており、過剰酸素下でNOxを浄化する方法が要求されている。
過剰酸素下でもNOxを浄化できる方法としては、アンモニアを還元剤として酸化チタン系触媒上でNOxを選択的に接触還元する方法が知られており、ボイラーやガスタービンの排ガス浄化に適用されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アンモニアは刺激臭を有する毒ガスであるため安全性に問題があり、更にアンモニア自体のコストもかかる。
そこで、排ガス中に元々含有されている水素、一酸化炭素(CO)、炭化水素等の還元剤を用いてNOxを還元浄化する方法が試みられてきた。
その一つに多孔質金属酸化物担体にロジウム及び銀を担持したNOx浄化触媒を用いる方法がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、過剰の酸素を含有する排気ガス中の炭化水素、CO及びNOxを同時に除去できることが記載されている。
また、特許文献3には、排ガス中の炭化水素を不完全燃焼させることで、酸素を含有する排ガス中のNOxの還元効率が高まることが記載されている。
一方、特許文献4には、NOx吸蔵触媒を用いて、空燃比がリーンの時には排ガス中のNOxを一旦酸化して触媒に捕捉し、一定量のNOxが捕捉されたならば、空燃比をストイキもしくはリッチに切り替えて、捕捉されたNOxを浄化する技術が開示されている。
更に特許文献5には、NOx吸蔵触媒の前段に水素生成触媒を設置する浄化装置が記載されている。特許文献5には、貴金属を含有する水素生成触媒を用いることで、水蒸気改質反応が進行し、活性が向上することが記載されている。
特公昭52−22839号公報 特開平8−998号公報 特開平6−319953号公報 特開平11−319564号公報 特開2003−10646号公報
特許文献2および3に開示された内容は、炭化水素、CO、或いは不完全燃焼時の生成物を用いてNOxを還元浄化するものであるが、NOxに対する浄化効率が十分ではない。また特許文献4に開示された技術によればNOxの還元効率は高まるが、空燃比をリッチにする必要があり、エンジンの制御が不可欠であることからボイラー等のプラントには適用しにくい。更にリッチ時に燃料が多く消費されるため燃費の悪化につながる。特許文献5に開示された技術においても、水蒸気改質反応を生じさせるためには空燃比をリッチにすることが必要であり、特許文献4と同様の不具合が生じる。特許文献2ないし5には、上記の不具合に対処する方法は示されていない。
本発明の目的は、上記の不具合を解消し、高いNOx浄化性能を示す排ガス浄化装置と排ガス浄化方法及びNOx浄化触媒を提供することにある。
本発明は、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスが流入する熱機関排ガス流路に、COを用いて排ガス中のNOxを還元浄化するNOx浄化触媒を備え、前記NOx浄化触媒が多孔質担体と前記多孔質担体上に担持された触媒活性成分を含み、前記多孔質担体がCeを含み、前記触媒活性成分としてCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置にある。
本発明は、多孔質担体と前記多孔質担体上に担持された触媒活性成分を含み、前記多孔質担体がCeを含み、前記触媒活性成分がCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含むNOx浄化触媒を用いて、熱機関から排出された化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスに含まれるNOxを還元浄化することを特徴とする熱機関の排ガス浄化方法にある。
本発明は、排ガス中のNOxをCOにより還元浄化する触媒であって、多孔質担体と前記多孔質担体上に担持された触媒活性成分を含み、前記多孔質担体がCeを含み、前記触媒活性成分がCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とするNOx浄化触媒にある。
本発明の排ガス浄化方法、排ガス浄化装置及びNOx浄化触媒によれば、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気で運転される熱機関からの排ガスに含まれるNOxを、還元剤としてCOを用いて効率よく浄化することができ、熱機関のNOx排出量を抑制することができる。
一般にボイラー等から排出される排ガスは、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気であることが多い。ボイラー排ガスにはNOx以外にCOが含まれているので、下記の(1)式の還元反応が進めばNOxは還元浄化される。しかし、酸素雰囲気であることから、多くの場合、COの燃焼反応が優先して進んでしまい、(1)式の反応は進行しにくい。
NOx + CO → N2,CO2 …(1)式
我々は鋭意検討し、以下のことを確認した。
すなわち、NOx浄化触媒が多孔質担体とその多孔質担体上に担持された触媒活性成分を含み、多孔質担体がCeを含み、触媒活性成分としてCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含む場合に、(1)式の反応が進み、NOxが浄化されることを明らかにした。
NOxの浄化反応が進む理由は明らかでないが、おそらくCo,Fe,Cu,Nb,TaによりNOxがNとOに解離しやすくなり、更に担体がCeを含む場合、酸素吸蔵能力が高いため、NOxの解離によって生成したOが担体に取り込まれやすくなり、NOxの解離反応が促進されるためではないかと考えられる。取り込まれたOは(4)式にしたがって、COにより除去されると考えられる。また(2)式の反応が進むことで、(3)式の反応が進みやすくなると考えられる。
NOx → N + O …(2)式
N + N → N2 …(3)式
O + CO → CO2 …(4)式
さらに、理由は定かでないが、後述するように触媒活性成分の分散度が高いため、Co,Fe,Cu,Nb,Taが有するNOx還元能が高まることも、NOx浄化反応が進みやすくなる一因ではないかと考えている。
多孔質担体としては、酸素吸蔵能を有するものであれば特にこだわらない。セリアの他にセリア−ジルコニア、セリアまたはセリア−ジルコニアにPr,Yの少なくとも一方を添加したものが好適である。
多孔質担体は基材上に担持しても良く、その場合には、基材1Lに対し多孔質担体の担持量を50g以上400g以下にすると、NOx浄化性能の向上に好ましい。多孔質担体の担持量が50gより少ないと多孔質担体の効果は不十分となり、400gより多いと多孔質担体自体の比表面積が低下し、基材がハニカム形状の場合、目詰まりが生じやすくなる。
Co,Fe,Cu,Nb,Taの少なくとも一種の担持量は、多孔質担体1.9mol部に対して元素換算で0.005mol部以上2.5mol部以下とすることが好ましい。0.01mol部以上2mol部以下にするとなお好適である。Co,Fe,Cu,Nb,Taの少なくとも一種の担持量が0.005mol部より少ないと担持効果は不十分となり、2.5mol部より多いと触媒自体の比表面積が低下して活性低下につながりやすくなる。ここでmol部とは、各成分のmol数換算での含有比率を表したものであり、例えばA成分2mol部に対してB成分の担持量が1mol部ということは、A成分の絶対量の多少に関わらず、mol数換算でAが2に対しBが1の割合で担持されていることを意味する。
触媒活性成分の粒子径は1nm以下が好ましく、これによりNOx浄化反応が促進される。粒子径を1nm以下とすることで活性成分が高分散し、触媒活性成分の表面積が向上すること、及び微粒子特有の触媒性能が現れるためと考えている。触媒活性成分の原料、触媒調製温度、触媒調製時の多孔質担体と触媒活性成分原料との接触時間等を制御することで、粒子径を調整することができる。
NOx浄化触媒の調製方法は、含浸法、混練法、共沈法、ゾルゲル法、イオン交換法、蒸着法等の物理的調製方法や化学反応を利用した調製方法等がいずれも適用可能である。特に化学反応を利用すれば、触媒活性成分の原料と多孔質担体との接触が強固になり、触媒活性成分のシンタリング等を防ぐことができる。
NOx浄化触媒の出発原料としては、硝酸化合物、酢酸化合物、錯体化合物、水酸化物、炭酸化合物、有機化合物などの種々の化合物や金属及び金属酸化物を用いることができる。特に活性成分原料としてアルコキシドを用いれば多孔質担体上に活性成分を均一に高分散化して担持させることができるので好適である。アルコキシドであれば特にこだわらないが、Co(O−i−C、Fe(O−i−C、Fe(OC、Cu(O−i−C、Cuメトキサイド、Nb(OC、Nb(O−n−C、Ta(OC、Ta(O−n−C等は好ましいものの一つである。これらアルコキシドを担体上のOH基と反応させることで、活性成分を担体上に均一に高分散化して担持させることができる。
NOx浄化触媒に接触する排ガス中に含まれる炭化水素量が、炭素原子換算でCO量以下であると、NOx浄化反応は促進される。理由は定かではないが、炭化水素がNOx浄化触媒に接触すると活性成分に炭化水素が吸着し、COによるNOx還元反応が進みにくくなるためではないかと考えている。COに対する炭化水素量を低減させるためには、後述するように排ガス流路にCOを注入しても良いし、炭化水素吸着材をNOx浄化触媒の前段に設置しても良い。
NOx浄化触媒に流入するCOの量が、排ガス中のNOxを全て浄化しうる量に満たないことがある。その場合には、排ガス流路にCOを注入して、NOx浄化触媒に接触するCOの量を増加させることが考えられる。
NOx浄化触媒のCO酸化率が高い場合には、NOx浄化触媒層の入口付近でCOが消費されてしまい、NOx浄化触媒全体にCOが行き渡らず、NOx浄化反応が効率よく生じないおそれがある。この場合には、複数個のNOx浄化触媒を排ガス流路に沿って設置し、更にNOx浄化触媒とNO浄化触媒との間の排ガス流路にCO注入装置を設けることが好ましい。
NOx浄化触媒に流入するCOまたは炭化水素の量が、排ガス中のNOxを全て浄化しうる量に満たない場合、NOx浄化触媒の前段または後段に、NHを還元剤とすることでNOxを還元する能力を有する触媒すなわちNH脱硝触媒を設置してもよく、これによりNOx浄化性能を高めることができる。NH脱硝触媒の前段でNHを吹き込めば、NOxがNH脱硝触媒上で還元浄化されるからである。NH脱硝触媒の代表例としてはTiOあるいはゼオライトとV,Fe等とを触媒活性成分として含むものがある。本発明のNOx浄化触媒とNH脱硝触媒とを混ぜ合わせて一体化したものを触媒として、CO、NHをこの触媒に流入させることでNOxを浄化することもできる。この場合、触媒設置に要するスペースが少なくてすむというメリットがある。
本発明は化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスに含まれるNOxを浄化するのに適する。化学量論量と同等もしくはそれ以下の酸素雰囲気(リッチガス)に対しても使用できなくはないが、その場合には、熱機関もしくは排ガス流路に添加される燃料が多くなり、コストの増加につながりやすい。従って、特に必要が無ければガス雰囲気をリッチとする必要は無く、常に過剰な酸素雰囲気を有する排ガス(リーンガス)に対して適用することが好ましい。
NOx浄化触媒に流入するCOの量が、排ガス中のNOxを全て浄化しうる量に満たない場合には、熱機関の燃焼状態を変えることで、NOx浄化触媒に流入するCO及びNOx量を変化させても良い。この場合、COの注入機器が不要であるといったメリットがある。
NOx浄化触媒の後段にNOxセンサーを設けて、NOx浄化触媒の後段に含まれるNOx量を計測しても良い。NOxセンサーを設けてNOx浄化触媒後流の排ガス中に含まれるNOx量すなわち浄化されなかったNOx量を計測することで、NOx浄化触媒に流入するCOを最適化する。NOx浄化触媒に流入するCO量は、NOx浄化触媒の前段にCOを注入する、または熱機関の燃焼状態を変化させる等により制御できる。NOx浄化触媒により浄化されなかったNOx量を計測することで、NOx量が多い場合にはNOx浄化触媒に流入するCOを増やし、NOx量が観測されない場合にはNOx浄化触媒に流入するCOを減らす制御を行う。このようにすることで、高いNOx浄化活性を維持することができ、大気へのCOの流出を低減でき、使用するCO量を減らすことにもつながる。NOx浄化触媒の後段にNOxセンサーを設けた装置構成とすることで、NOx浄化触媒の後段に含まれるNOx量を計測でき、浄化されないNOx量が少なくなるように最適なCO添加量を決めることができる。
NOx浄化触媒の形状は、用途に応じて種々設定できる。コージェライト、SiC、ステンレス等の各種材料からなるハニカム構造体に、本発明のNOx浄化触媒をコーティングして得られるハニカム形状を始め、ペレット状、板状、粒状、粉末状等として適用できる。ハニカム形状の場合、その基材はコ−ジェライトが最適であるが、触媒温度が高まるおそれがある場合には、触媒活性成分と反応しにくい基材、例えば金属製のものを用いても良好な結果を得ることができる。また多孔質担体と触媒活性成分のみでハニカムを形成しても良好な結果が得られる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
(NOx浄化触媒調製法)
市販のCeO(第一稀元素製、HS)をシュレンクフラスコに入れて200℃の温度で9時間、真空脱気を行った後、脱水したTHF(テトラヒドロフラン)を添加してシュレンクフラスコの中でCeOをTHF中にけん濁させた。また、CoのアルコキシドCo(O−i−Cをシュレンクフラスコの中に入れ、THFに溶解させた。次にこのCo溶液をTHF中にけん濁しているCeOへ添加し、15hの撹拌を行った。その後、撹拌を止め、THFを真空排気で除去した後、大気中で200℃×5h処理することでCoが担持されたCeOの触媒粉である、Co/CeOを得た。Coの添加量はCeOが1gに対し、金属元素換算で0.6mmolとした。この触媒を実施例触媒1とする。
同様にして、触媒活性成分をFe,Cu,Nb,Taに変え、FeについてはFe(O−i−Cを、CuについてはCu(O−i−Cを、NbについてはNb(OCを、TaについてはTa(OCを用いて実施例触媒2ないし5を調製した。更に比較例触媒1,2としてMo(OCを原料として用いたMo/CeO、及びVO(O−n−Cを原料として用いたV/CeOを調製した。表1に調製した触媒一覧を示す。
Figure 2009138591
(触媒性能評価方法)
触媒の性能を評価するため、次の条件でNOx浄化性能試験を行った。
容量4c.c.の粒状触媒(直径0.75mm〜1.5mm)を石英ガラス製反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に導入し、反応管に導入されるガス温度が200℃〜400℃となるように加熱制御した。反応管に導入されるガスは、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスを模擬するモデルガスとした。モデルガスの組成は、NOx:150ppm、CO:1500ppm、O:3%、HO:3%、N2:残部とした。SVは30,000/hとした。
触媒のNOx浄化性能は、次式に示す計算式によりNOx浄化率を求めることで判定した。
NOx浄化率(%)=((触媒に流入したNOx量)−(触媒から流出したNOx量))÷(触媒に流入したNOx量)×100
(検討結果)
実施例触媒1〜5及び比較例触媒1,2のCOによるNOx浄化率を評価した。図1に300℃でのNOx浄化率を示す。比較例触媒1,2ではNOx浄化率が5%以下であるのに対し、実施例触媒1〜5では10%以上の高いNOx浄化率を示すことが確認された。
従って、Co,Fe,Cu,Nb,Taを触媒活性成分として用いた場合、高いNOx浄化率が得られることは明らかである。
実施例1において、CeOの代わりに、CeZrO粉(第一希元素製)、Pr添加CeZrO粉、Y添加CeZrO粉を用いたこと以外は実施例触媒1と同様の調製法により、各粉体にCoを添加した実施例触媒6〜8を調製した。一方、実施例1において、CeOの代わりに、Al(サソール製)、MCM−41(日本化学工業製)を用いたこと以外は実施例触媒1と同様の調製法を用いて、各粉体にCoを添加した比較例触媒3,4を調製した。表2に調製した触媒一覧を示す。
Figure 2009138591
実施例触媒1及び実施例触媒6〜8、比較例触媒3,4のCOによるNOx浄化率を評価した。図2に300℃でのNOx浄化率を示す。
担体成分としてCe及びZr,Pr,Yから選ばれた成分を含む触媒の場合には、NOx浄化率が20%を超え、高い浄化率を示すことがわかる。担体がAlの場合にはごくわずかな浄化率しか得られず、MCM−41の場合にはNOx浄化性能は認められなかった。
担体としてCe及びZr,Pr,Yを含有する触媒の場合、高いNOx浄化率が得られることは明らかである。
実施例1で用いたCeOに対し、硝酸Co水溶液を含浸法にて添加した後、150℃で乾燥し、400℃×2hの焼成を施すことで、表3に示す実施例触媒9を得た。Co添加量は実施例触媒1と同様にCeOが1gに対し、金属元素換算で0.6mmolとした。図3に実施例触媒9の300℃でのNOx浄化率を、アルコキシドを用いて調製した実施例触媒1〜3と比較して示す。
図3より、硝酸塩を用いて調製した実施例触媒9のNOx浄化率は10%程度であり、原料としてアルコキシドを使用した実施例触媒1〜3に比べるとNOx浄化率は低かったが、それでも比較的高いNOx浄化率が得られた。
Figure 2009138591
実施例触媒1〜5に対し、STEM(日立製、HD−2300)による各活性成分の粒子径観察を行った。EDX分析を行った所、各活性成分が担持されていることを確認した。しかし、各活性成分の粒子を観測することはできなかった。これは各粒子の粒子径が極めて小さく、測定限界以下(1nm)であるためである。
以上により、実施例触媒1〜5は各活性成分の粒子径が1nm以下であり、好ましいことが確認された。
炭化水素共存の影響を評価するために、モデルガスの組成を、NOx:150ppm、CO:1500ppm、C:500ppm、O:3%、HO:3%、N:残部とし、SVを30,000/hとして、このモデルガスにより実施例触媒1〜5のNOx浄化率を評価した。図4にCの有無に関して300℃でのNOx浄化率を示す。
が共存する場合、実施例触媒1〜5のNOx浄化率は2%以下となり、大きく低下する。従って、本発明の触媒は炭化水素が共存しない雰囲気で使用することが好ましい。
実施例触媒1を排ガス流路に沿って2個設置し、触媒間にCOガス注入口を設けた場合の装置例を図5(a)に示す。実施例触媒1はCO酸化能が高く、図1で示したデータを取得した実験の場合、触媒後段から排出されるCO量は0ppmである。従って、図5(b)のように実施例触媒1を単純に2個重ねるだけでは、後段の触媒にCOが流入せずNOx浄化率は向上しない。一方、図5(a)のように触媒間にCOガス注入口を設けた場合には、後段の触媒にもCOが流入するため、NOx浄化率が向上する。
図6にボイラー排ガス流路に、実施例触媒1、NH脱硝触媒及びNH注入口を設置した例を示す。ボイラー排ガス中にはNOx以外にCOが含まれているため、実施例触媒1によりNOxがCOにより還元浄化される。しかし、ボイラーからのNOxの排出量が極めて多い場合、もしくはCOの排出量が少ない場合には、実施例触媒1のみではNOxを十分に浄化できない場合がある。その場合、後段にTi−V系触媒に代表されるNH脱硝触媒を設置し、その前段にNHを吹き込むことでNOxを十分浄化することができる。
図7は本発明の排ガス浄化装置を備えた熱機関の一実施態様を示す全体構成図である。本発明の排ガス浄化装置は、ボイラー1、NOx浄化触媒6、CO注入系(COタンク3、CO注入口4)、センサー系(COセンサー2、NOx浄化触媒入口ガス温度センサー5、NOxセンサー7)及び制御ユニット8から構成される。
上記の排ガス浄化装置は下記のように機能する。
ボイラー1からの排ガスは化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有し、酸素以外にCO、NOxを含んでいる。排ガスがNOx浄化触媒6に接触すると、排ガス中のCOとNOxとが反応しNOxが除去される。
NOx浄化触媒6に流入する排ガスの温度は、常にNOx浄化触媒入口ガス温度センサー5によりモニターされている。またCOセンサー2により排ガス中のCO濃度を測定している。これらセンサーの信号は全て制御ユニット8へ入力される。制御ユニット8ではボイラー及び排ガス浄化装置の状態を評価して、適切な燃焼条件、浄化条件に制御する。
大気中に排出されるNOx量は、NOx浄化触媒6の後流に設置されたNOxセンサー7により常に測定しており、NOx量が多いと制御ユニット8が判定した場合には、ボイラーの燃焼状態を変更することでボイラー排ガス中のCO濃度を適切な濃度に設定する制御を行うか、またはCOタンク3からCOを排ガス流路に注入する制御を行う。このようにすることで、排出NOx量を低減することができる。
以上の操作により、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスを排出する熱機関に対し、NOxの排出量を効果的に低減することができる。
触媒活性成分が異なる各種NOx浄化触媒について、COによるNOx浄化活性を示した図である。 担体成分が異なる各種NOx浄化触媒について、COによるNOx浄化活性を示した図である。 触媒活性成分の原料を変えたものについて、COによるNOx浄化活性を示した図である。 各種NOx浄化触媒について、排ガス中のCの有無によるNOx浄化活性の違いを示した図である。 (a)は2個のNOx浄化触媒の間にCO注入口を設けた熱機関排ガス浄化装置の構成図であり、(b)は2個のNOx浄化触媒を排ガス流路に沿って設置した熱機関排ガス浄化装置の構成図である。 NOx浄化触媒の後段にNH脱硝触媒を設けた熱機関排ガス浄化装置の構成図である。 本発明の排ガス浄化装置の一実施態様を示す構成図である。
符号の説明
1…ボイラー、2…COセンサー、3…COタンク、4…CO注入口、5…NOx浄化触媒入口ガス温度センサー、6…NOx浄化触媒、7…NOxセンサー、8…制御ユニット。

Claims (15)

  1. 化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスが流入する熱機関排ガス流路に、COを還元剤として排ガス中のNOxを還元浄化するNOx浄化触媒を備えた排ガス浄化装置において、前記NOx浄化触媒が多孔質担体と前記多孔質担体上に担持された触媒活性成分を含み、前記多孔質担体がCeを含み、前記触媒活性成分がCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  2. 請求項1において、前記多孔質担体がCeと、さらにZr,Pr,Yから選ばれた少なくとも一種とを含む酸化物よりなることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  3. 請求項1または2において、前記触媒活性成分の粒子径が1nm以下であることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項において、前記NOx浄化触媒に接触するCO量に対し、前記NOx浄化触媒に接触する炭化水素量が炭素原子換算でCO量以下であることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項において、前記触媒活性成分がアルコキシドを原料として調製されたものであることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項において、前記NOx浄化触媒に接触する排ガスのCO濃度を高めるためのCO注入装置を具備することを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれか一項において、前記NOx浄化触媒を排ガス流れ方向に沿って複数個備え、各触媒間の排ガス流路にCO注入装置を備えたことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項において、前記NOx浄化触媒の前段または後段に、NHを還元剤としてNOxを還元する能力を有する触媒を備えたことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、前記NOx浄化触媒が、常に化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気の排ガスが流れる熱機関排ガス流路に設置されていることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  10. 化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスが流入する熱機関排ガス流路に、多孔質担体と前記多孔質担体上に担持された触媒活性成分を含み、前記多孔質担体がCeを含み、前記触媒活性成分がCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含むNOx浄化触媒及びNOxセンサーを備え、前記NOx浄化触媒の後段のガス中に含まれるNOx量に応じて、前記NOx浄化触媒に流入するCOの量を調整するようにしたことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  11. 排ガス中のNOxをCOにより還元浄化する触媒であって、多孔質担体と前記多孔質担体上に担持された触媒活性成分を含み、前記多孔質担体がCeを含み、前記触媒活性成分がCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含むことを特徴とするNOx浄化触媒。
  12. 請求項11において、前記多孔質担体がCeと、さらにZr,Pr,Yから選ばれた少なくとも一種とを含む酸化物よりなることを特徴とするNOx浄化触媒。
  13. 多孔質担体と前記多孔質担体上に担持された触媒活性成分を含み、前記多孔質担体がCeを含み、前記触媒活性成分がCo,Fe,Cu,Nb,Taから選ばれた少なくとも一種を含むNOx浄化触媒を用いて、熱機関から排出された化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気を有する排ガスに含まれるNOxを還元浄化することを特徴とする熱機関の排ガス浄化方法。
  14. 請求項13において、前記多孔質担体がCeと、さらにZr,Pr,Yから選ばれた少なくとも一種とを含む酸化物よりなることを特徴とする熱機関の排ガス浄化方法。
  15. 請求項13または14において、前記熱機関の燃焼状態を変えることで、前記NOx浄化触媒に流入するCOまたはNOx量を変化させることを特徴とする熱機関の排ガス浄化方法。
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