JP2015183587A - 熱機関の排ガス浄化装置、排ガス浄化方法及び排ガス浄化触媒 - Google Patents

熱機関の排ガス浄化装置、排ガス浄化方法及び排ガス浄化触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素過剰雰囲気の排ガス中のCO,HC,NOx,NHを高い浄化性能で浄化する熱機関の排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】多孔質担体と該多孔質担体上に担持された触媒活性成分を有し、前記触媒活性成分として、Ptと、Zn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量が、担体2mol部に対して、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部であるCO,HC,NOの酸化触媒を、化学量論量よりも酸素過剰な雰囲気の排ガスを排出する熱機関の排ガス流路に設置する。
【選択図】図7

Description

本発明は、ディーゼルエンジン、ボイラ及びガスタービンなどの熱機関の排ガス浄化に用いる排ガス浄化装置、排ガス浄化方法及び排ガス浄化触媒に関する。
ディーゼルエンジンやリーンバーンエンジン等の、理論空燃比よりも燃料希薄な混合気を燃焼して運転する内燃機関の排ガス、及び、ボイラやガスタービン等の外燃機関の排ガスは、酸素過剰であり、燃料の不完全燃焼により生じた一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)と、燃料や潤滑油の未燃分である炭化水素(HC)が含まれる。また、これらの排ガス中には、NOx浄化用に排ガス中に添加したアンモニア(NH)や、NOx浄化用に排ガス中に添加した尿素水溶液が熱分解及び加水分解することにより生成されるアンモニア(NH)も含まれる。従って、上述の各熱機関に適用する排ガス浄化装置、排ガス浄化方法及び排ガス浄化触媒には、酸素過剰の排ガス中でCO,NOx,HC及びNHを高度に酸化浄化できることが要求される。
従来、CO及びHCを酸化浄化する技術としては、白金(Pt)やパラジウム(Pd)などの貴金属触媒を用いるものが知られており、ディーゼルエンジン等の排ガス浄化に適用されている。しかし、貴金属触媒では、NOxを浄化することができない。
NOxの浄化技術としては、従来、尿素水溶液又はNHを排ガス流路内に吹き込み、NOx浄化触媒にてNOxとNHを反応させることでNOxを浄化する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、添加されたNH成分の大気中への拡散を防止するため、NOx浄化触媒の後段にNH酸化触媒を設置する技術も開示されている。
更に、リーンバーンエンジン用の排ガス浄化触媒としては、カルシウム(Ca)やバリウム(Ba)等のアルカリ土類金属よりなるNOx吸蔵材と、Pt等の触媒貴金属とを多孔質担体上に担持したNOx吸蔵還元型触媒も、従来知られている(例えば、特許文献2参照)。NOx吸蔵材は、燃料リーン雰囲気下でNOxを吸蔵し、理論空燃比〜燃料リッチ雰囲気下でNOxを放出する役割を果たす。即ち、特許文献2に記載のNOx吸蔵還元型触媒は、燃料リーン雰囲気でNOx吸蔵材がNOxを吸蔵する一方、間欠的に排ガスの雰囲気を理論空燃比〜燃料リッチ条件の還元雰囲気として、NOx吸蔵材からNOxを放出させ、それをHCやCO等の還元性成分と反応させて浄化するものである。
特開平08-038856号公報 特開2009-297616号公報
特許文献1には、NOxと反応しなかったNH成分と残留NOxを反応させてNHとNOxを浄化することが記載されているが、排ガス温度が低い場合のNOx浄化活性への影響については記載が無いばかりでなく、NOx浄化触媒としてTiO担体を用いていることから、熱負荷により浄化活性が低下すると考えられる。
また、特許文献2には、多孔質担体上にCaやBa等のアルカリ土類金属を担持する技術が開示されているが、特許文献2に記載のNOx吸蔵還元型触媒において、Ca,BaはNOx吸蔵材として作用すると記載されており、CO,HCの酸化浄化触媒としての作用については何ら言及されていない。また、当然のことながら、特許文献2には、NOx吸蔵材としてのCa,Baの担持量の最適範囲が記載されているが、CO,HCの酸化浄化触媒として最適なCa,Baの担持量の範囲については記載されていない。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱機関から排出される酸素過剰の排ガス中に含まれるCO,HC,NOx,NH成分を高度に浄化可能な熱機関の排ガス浄化装置、排ガス浄化方法及び排ガス浄化触媒を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、熱機関の排ガス浄化装置に関しては、熱機関の排ガス中に含まれるCO,HC,NOを酸化する酸化触媒を備え、前記酸化触媒は、多孔質担体に担持される触媒活性成分として、Ptと、Zn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量が、担体2mol部に対して、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部であることを特徴とする。
Ptは、排ガス中のCO及びHCを酸化浄化する触媒活性成分として知られている。このPtを触媒活性成分として含む酸化触媒にZn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種を添加すると、これらの触媒活性成分を添加していない酸化触媒に比べて、200℃〜250℃程度の低温域におけるCO,HC,NOの浄化率を高めることができる。CO,HC,NOの浄化率は、Zn,Ba,Ca,Pの添加量に応じて変化し、担体2mol部に対して、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部とすることにより、CO,HC,NOに対する良好な浄化率が得られる。よって、CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気で燃料を燃焼する、ディーゼルエンジンやリーンバーンエンジン等の内燃機関、及び、ガスタービンや化学プラント等の外燃機関の排ガス中に含まれるCO,HC,NOの除去に好適に適用することができる。
また本発明は、前記構成の熱機関の排ガス浄化装置において、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量を、これら触媒活性成分の種類に関わりなく、担体2mol部に対して、0.02〜0.5mol部としたことを特徴とする。
このように、Zn,Ba,Ca,Pの含有量を、担体2mol部に対して、0.02〜0.5mol部にすると、NOのみならず、CO,HCの酸化活性も高くなるので好適である。
また本発明は、前記構成の熱機関の排ガス浄化装置において、前記酸化触媒の触媒活性成分として、Ptと、Pと、Zn,Ba,Caから選ばれる少なくとも一種とを含むことを特徴とする。
Pは、イオウ酸化物(SOx)と反応しづらい元素であることから、酸化触媒の触媒活性成分としてPを含むと、イオウ(S)による触媒活性成分Ptの被毒を防止又は抑制することができる。
また本発明は、前記構成の熱機関の排ガス浄化装置において、前記排ガスの流れ方向に関し、前記酸化触媒の後段にNOx浄化触媒を設置することを特徴とする。
酸化触媒の後段(下流側)にNOx浄化触媒を設置すると、排ガス中のCO及びHCのみならず、NOxを浄化できるので、実用的な排ガス浄化装置とすることができる。そして、NOx浄化触媒の前段(上流側)に、触媒活性成分としてPtと、Zn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種とを含む酸化触媒を設置するので、NOx浄化触媒には、酸化触媒にて酸化処理されたNOが導入され、300℃以下でのNOx浄化活性が高められる。
また本発明は、前記構成の熱機関の排ガス浄化装置において、前記NOx浄化触媒の前段にNHを添加することを特徴とする。
NOx浄化触媒の前段(上流側)にNHを添加すると、NOx浄化触媒にてNOxとNHが反応し、NOxが浄化される。
また本発明は、前記構成の熱機関の排ガス浄化装置において、前記NOx浄化触媒の後段に、排ガス中のCO,HCあるいはNHを酸化する触媒を更に設置したことを特徴とする。
NOx浄化触媒の後段(下流側)に、排ガス中のCO,HCあるいはNHの酸化触媒を更に設置すると、排ガス中のCO,HC,NHを高度に浄化できる。
また本発明は、前記構成の熱機関の排ガス浄化装置において、前記酸化触媒には、触媒活性成分として、Pd,Ceから選ばれる少なくとも一種を更に含むことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
酸化触媒に触媒活性成分としてPd,Ceから選ばれる少なくとも1種を含むと、酸化活性を飛躍的に高めることができる。
また本発明は、前記構成の熱機関の排ガス浄化装置において、前記NOx浄化触媒は、ゼオライト担体上に、触媒活性成分として、V,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zrから選ばれる少なくとも1種を担持してなることを特徴とする。
ゼオライトは、比表面積が高いので、触媒活性成分の分散度を向上させて、NOx浄化性能を高める効果がある。また、触媒活性成分をイオン状態のまま担持できるので、NOxに対する活性が向上する。
また本発明は、前記構成の熱機関の排ガス浄化装置において、前記酸化触媒に流入する排ガスは、常に、CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも酸素過剰な雰囲気に保つことを特徴とする。
このように、前記酸化触媒に流入する排ガスは、常に、CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも酸素過剰な雰囲気に保つと、排ガスを酸素過剰な雰囲気と酸素不足の雰囲気に切り替える必要がないので、排ガスの浄化を効率的に行うことができる。
また本発明は、排ガス浄化方法に関して、CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気で燃料を燃焼する熱機関の排ガス流路に、多孔質担体に担持される触媒活性成分として、Ptと、Zn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量が、担体2mol部に対して、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部に調整された酸化触媒を設置し、排ガス中のCO,HC,NOを酸化することを特徴とする。
かかる構成によると、ディーゼルエンジンやリーンバーンエンジン等の内燃機関、及び、ガスタービンや化学プラント等の外燃機関の排ガス中に含まれるCO,HC,NOを効率的に除去できる。
また本発明は、CO,HC,NOの酸化触媒に関し、多孔質担体と該多孔質担体上に担持された触媒活性成分を有し、前記触媒活性成分として、Ptと、Zn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量が、担体2mol部に対して、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部であることを特徴とする。
かかる構成によると、ディーゼルエンジンやリーンバーンエンジン等の内燃機関、及び、ガスタービンや化学プラント等の外燃機関の排ガス中に含まれるCO,HC,NOを効率的に除去できる。
本発明によれば、熱機関が排出する酸素過剰な排ガスからNOx,CO,HC,NHを効率良く浄化できる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
Zn,Ba,Ca含有酸化触媒の、Zn,Ba,Ca添加量とHC浄化率との関係を示すグラフである。 基準触媒及びZn添加触媒の、触媒温度に対するHC浄化率変化を示すグラフである。 P,Zn,Ba,Ca含有酸化触媒の、P,Zn,Ba,Ca添加量とNO酸化率との関係を示すグラフである。 エンジン排ガス流路に実施例触媒2と実施例触媒1を設置し、実施例触媒1の前段にNHを噴射する排ガス浄化システムの構成図である。 図4に示した排ガス浄化システムにおける、実施例触媒2の有無によるNOx浄化活性の変化を示すグラフである。 エンジン排ガス流路に実施例触媒3と実施例触媒1を設置し、実施例触媒1の前段にNHを噴射すると共に、該部にCOセンサを設置した排ガス浄化システムの構成図である。 ディーゼルエンジンに適用される排ガス浄化装置の概略構成を示す図である。
以下、本発明に係る熱機関の排ガス浄化装置、排ガス浄化方法及び排ガス浄化触媒について詳細に説明する。
一般に、乗用車や建設機械等に搭載されるディーゼルエンジン等の内燃機関及びボイラやガスタービンなどの外燃機関から排出される排ガスは、化学量論量よりも酸素過剰な雰囲気であることが多い。また、これらの熱機関の排ガスには、NOx,CO,HCが含まれており、場合によってはNH成分も含まれている。なお、本発明において化学量論量とは、排ガス中に含まれるOとCO,HCが互いに過不足無く反応する場合の、O,CO,HCの量を意味する。
即ち、排ガス中にO,CO、及びHCが含有されている場合、これら3種のガス間では、下記の化学式(1),(2)で表される化学反応が生じる。
2CO+O → 2CO ・・・(1)
+(n+m/4)O → nCO+(m/2)HO ・・・(2)
排ガス中に300ppmのCOが存在する場合において、当該排ガス中に150ppmのOが存在すれば、化学式(1)の化学反応が成立する。同様に、排ガス中に300ppmのCが存在する場合において、当該排ガス中に1350ppmのOが存在すれば、化学式(2)の化学反応が成立する。このように、化学式で表される化学反応が成立し、成分に過不足を生じない各成分の量を化学量論量という。従って、化学量論量よりも酸素過剰な雰囲気とは、CO,HCが全て酸化されうる酸素量よりも酸素が過剰な雰囲気であることを意味し、上記の例に即して説明すると、Oが1500ppm(=150ppm+1350ppm)よりも多く存在する場合を意味する。
酸素過剰な雰囲気中では、酸化作用が活発になるため、Ptを含む酸化触媒を排ガス流路に設置すると、上記反応式(1),(2)によりCO,HCが酸化浄化されると共に、下記の反応式(3)により窒素酸化物(NO)が酸化され、NOが生成される。
2NO + O → 2NO ・・・(3)
また、Ptを含む酸化触媒の後段にゼオライト含有NOx浄化触媒を設置し、該NOx浄化触媒に流入する排ガス中にNH成分を混合すると、下記の反応式(4),(5)によりNOとNH、又は、NOとNHが化学反応し、NOxが浄化される。
4NO + 4NH + O → 4N + 6HO ・・・(4)
2NO + 4NH + O → 3N + 6HO ・・・(5)
反応式(4)の化学反応よりも反応式(5)の化学反応の方が反応速度が速いので、NOをNOx浄化触媒へ流入させるよりも、NOをNOx浄化触媒へ流入させた方が、NOx浄化活性は高まる。つまり、NOx浄化触媒の前段に酸化触媒を設置し、この酸化触媒にてNOの酸化を促進することにより、NOx浄化活性を高めることができる。乗用車や建設機械等に搭載されるディーゼルエンジンの排ガス温度や、ガスタービンから排出される排ガスの温度は、400℃以上になり得る。この温度域では反応式(1),(2),(3)で示した酸化反応が十分に速く進むため、好適である。
しかし、排ガス温度が低い場合は、反応式(1),(2),(3)で示した酸化反応の反応速度が低下するため、CO,HC,NOの酸化活性が低下する。例えばエンジン始動時のように、エンジンの冷却水温が低い状態では、排ガス温度も低いので、Ptを含む酸化触媒を設置していても、CO,HC,NOを十分に酸化できない可能性がある。
本願の発明者等は、排ガス流路へ酸化触媒を設置し、該酸化触媒を多孔質担体と該多孔質担体上に担持された触媒活性成分からなるものとし、該触媒活性成分としてPtを含み、更にZn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種を含み、かつ前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量が担体2mol部に対してそれぞれ、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部とすることで、低温時においてもCO,HC,NOの酸化活性を維持できることを見出した。
ここで「mol部」とは、各成分のmol数換算での含有比率を意味する。例えば、A成分2mol部に対してB成分の担持量が1mol部とは、A成分の絶対量の多少に関わらず、mol数換算でA成分が2に対し、B成分が1の割合で担持されていることを意味する。
排ガス流路へ前記酸化触媒を設置することで、CO,HC,NOの酸化活性が高まる。特に排ガス温度が300℃以下の場合に活性が高まる。一方で排ガス温度が300℃以上の場合も十分高い性能を維持する。
CO,HC,NOの酸化触媒の多孔質担体として、比表面積が高い酸化物を用いることで触媒活性成分が高分散化し、CO,HC,NO酸化性能が高まる。特に多孔質担体としてAlを含む酸化物を使用すると、安定して高い酸化性能が得られる。本発明において用いる多孔質担体の比表面積は、30〜800m/gの範囲が好ましく、特に50〜400m/gの範囲が好ましい。
触媒活性成分のZn,Ba,Ca,Pの含有量は、担体2mol部に対してそれぞれ、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部とするとNOの酸化活性が高まる。特にZn,Pの添加による活性向上幅が大きく、Pが中でも好適である。Zn,Ba,Ca,Pの含有量がそれぞれ0.02mol部未満であると担持効果は不十分であると考えられる。一方、含有量が多すぎるとZn,Ba,Ca,P自体の比表面積が低下し、更にはPtへの被覆等が生じやすくなるため、酸化活性が低下してしまうと考えられる。
Zn,Ba,Ca,Pの添加で、CO,HC,NO酸化活性が向上する原因は明らかでないが、これらの成分の添加により、酸化活性成分であるPtの触媒酸化作用が促進されるものと考えられる。Ba,Caは塩基成分であり、Ptの電子状態に好ましい作用を及ぼしている可能性がある。また、Zn,PはPtと化学的に結合することで、Ptの触媒作用に好ましい作用を与えている可能性がある。加えて、Zn,Ba,Ca,Pの元素種によって最適な含有量が異なる理由についても明らかではないが、活性成分であるPtへの促進作用が元素種によって異なることが考えられる。
なお、Zn,Ba,Ca,Pは、担体2mol部に対して、それぞれ0.02〜0.5mol部添加することにより、NOのみならずCO,HCの酸化活性を高めることができる。また、触媒活性成分としてZn,Ba,Ca,Pから選ばれる2種以上を含有させてもよい。例えばディーゼルエンジンの排ガス中にはイオウ酸化物(SOx等)の触媒被毒成分が存在しているが、PはSOxと反応しづらいと考えられるため、Zn,Ba,CaとPとの組み合わせにより、酸化触媒の耐S被毒性能を高められるものと考えられる。
上述したように、酸化触媒の後段にNOx浄化触媒を設置することにより、NOxの還元浄化も効率化することができる。低減対象となるNOxは、窒素と酸素からなるものであれば特に拘らない。例として、NO,NO,NO,N等が挙げられる。NOxの還元成分として代表的なものにNHガスや尿素等が挙げられる。更には排ガス流路へ添加するNH成分について、NHガスや尿素以外に、シアヌル酸、メラミン、ビウレット等が考えられる。また、COやHC及びHをNOxの還元成分として用いることもできる。この場合使用できるHCとしては、水素と炭素からなるものであれば特に拘らない。例としてCH,C,C,C,C等が挙げられる。
NOx浄化触媒に流入するNOx成分としてはNOよりもNOの場合にNOx浄化活性が高まる。特に、NOx浄化触媒へ流入する排ガス温度が300℃以下の場合に顕著にNOx浄化活性が高まる。理由は定かではないが、NOの方がNOx触媒上で活性化されやすいためではないかと考えられる。従って、NOx浄化触媒の前段に設置した酸化触媒にてNOを酸化してNOにすることで、NOx浄化活性が高まる。実施形態に係る酸化触媒を用いると、排ガス温度が300℃以下の比較的低温であっても効率よくNOが酸化される。従って、例えばエンジン始動時のように、エンジン温度がまだ低く、従ってエンジンから排出される排ガス温度が低い場合に、本特許は有効である。また、NH成分をNOxの還元成分として使用する際には、NOをNOx浄化触媒へ流入させたときにNOxとNHの反応が進むため、NOxのみならずNOx,NHの系外への放出を高度に抑制できる。
NOx浄化触媒の後段には、排ガス中のCO,HCを酸化する触媒を更に設置でき、これにより排ガス中のCO,HC,NHを高度に浄化できる。
NOx浄化触媒の前段及び後段に設置する酸化触媒には、酸化活性成分として、Pd,Rh,Au,Ir,Ru,Os,Ceから選ばれる少なくとも1種を更に含むことができる。特に、Pd,Ceから選ばれる少なくとも1種を含むと、酸化活性が飛躍的に高まる。理由は定かではないが、Pdを含むことでPtとPdが合金化し、酸化活性が高まるためと考えられる。また、PtとPdを組み合わせると、酸化触媒の耐熱性能は高まる。更に、Ceを含むことで触媒表面上に酸素が存在しやすくなり、酸化反応が進みやすくなると考えられる。
触媒活性成分のPt,Pd,Rh,Au,Ir,Ru,Osの合計担持量は、好ましくは、多孔質担体2mol部に対して元素換算で0.0003mol部〜1.0mol部である。Pt,Pd,Rh,Au,Ir,Ru,Osの合計担持量が0.0003mol部未満であると、担持効果は不十分となり、一方、1.0mol部を越えると、活性成分自体の比表面積が低下し、触媒コストが高価になる。
触媒活性成分のCeの担持量は、多孔質担体2mol部に対して元素換算で0.02mol部〜0.5mol部である。Ceの担持量が0.02mol部未満であると、担持効果は不十分となり、一方、0.5mol部を越えると、Ce自体の比表面積が低下し、更にはPtへの被覆等が生じやすくなる。
本発明に適用するゼオライト含有NOx浄化触媒は、NOxを浄化できるゼオライト含有触媒であれば良く、触媒活性成分については特に拘らない。しかしNOx浄化触媒として、ゼオライト担体と、当該ゼオライト担体上に触媒活性成分として担持されたバナジウム(V),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu),ジルコニウム(Zr)から選ばれる少なくとも1種を含む触媒を使用すると、排ガス中のNOxを効果的に浄化できる。更には、NH成分を排ガス流路へ吹き込むことでNOxを高度に浄化できる。このゼオライト含有NOx浄化触媒は、耐熱性能も高く、350℃以上の温度領域においてもNOxを効果的に浄化できる。
触媒活性成分として使用するV,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zrは、二元素以上組み合わせることが望ましい。理由は定かではないが、二元素以上組合せることで相互作用が生じ、高い性能を有すると考えられる。
担体成分として使用するゼオライトは比表面積が高く、触媒活性成分の分散度を向上させてNOx浄化性能を高める効果がある。また活性成分をイオン状態のまま担持できることで活性が向上すると考えられる。
ゼオライトについては特に限定されないが、SiOとAlのモル比が5以上であるハイシリカゼオライトを使用すると耐熱性能が高まる。用いるゼオライト種としてはβゼオライト、Y型ゼオライト、ZSM−5、モルデナイト、フェリエライト等が挙げられる。
触媒活性成分のV,MN,Fe,CO,Ni,Cu,Zrの合計担持量は、好ましくはゼオライト担体に対して元素換算で0.1wt%以上30wt%以下であり、より好ましくは1.0wt%以上10wt%以下である。V,MN,Fe,CO,Ni,Cu,Zrの合計量が0.1wt%以下であると、担持効果が不十分となり、30wt%を超えると活性成分自体の比表面積が低下すると共に、触媒コストが高くなるからである。
CO,HC,NO酸化触媒、NOx浄化触媒及びNOx浄化触媒の後段に設置する酸化触媒に使用する多孔質担体又は触媒活性成分は、基材上に担持させてもよい。基材としては従来から使用されてきたコージェライト、Si−Al−Oからなるセラミックス或いはステンレススチールなどの耐熱性金属基板などが適している。基材を用いる場合には、触媒性能を向上させる上で、多孔質担体の担持量は、基材1Lに対して10g以上300g以下であることが好ましい。10g以下であると活性成分の分散度が低下し触媒活性が低下する。一方、300g以上であると、基材がハニカム形状の場合にガス流路への目詰まりが発生し易くなる等の不具合が生じるようになる。
CO,HC,NO酸化触媒、NOx浄化触媒及びNOx浄化触媒の後段に設置する酸化触媒の調製方法としては、例えば、含浸法、混練法、共沈法、ゾルゲル法、イオン交換法、蒸着法等の物理的調製方法や化学反応を利用した調製方法等などを用いることができる。中でも、化学反応を利用した調製方法を用いることで、触媒活性成分の原料と多孔質担体との接触が強固になり、触媒活性成分のシンタリング等を防止できる。
更には酸化触媒へのZn,Ba,Ca,Pの添加方法として、予め熱機関の燃料中にZn,Ba,Ca,Pを添加しておき、Zn,Ba,Ca,Pを含む排ガスを酸化触媒へ導入することも考えられる。Zn,Ba,Ca,Pの含有量が担体2mol部に対してそれぞれ0.02〜0.5mol部に達した後は、Zn,Ba,Ca,Pを含まない燃料を使用することで、酸化触媒中のZn,Ba,Ca,P含有量を好ましい範囲に維持できる。
CO,HC,NO酸化触媒、NOx浄化触媒及びNOx浄化触媒の後段に設置する酸化触媒の出発原料としては、硝酸化合物、塩化物、酢酸化合物、錯体化合物、水酸化物、炭酸化合物、有機化合物などの種々の化合物、金属、金属酸化物を用いることができる。例えば、触媒活性成分として2種以上の元素を組み合わせる場合には、活性成分が同一の溶液中に存在するような含浸液を用いて共含浸法にて調製することで、触媒成分を均一に担持することができる。
CO,HC,NO酸化触媒、NOx浄化触媒及びNOx浄化触媒の後段に設置する酸化触媒の形状は、用途に応じて適宜調整できる。例えば、コージェライト、Si−Al−O、SiC、ステンレス等の各種基体材料からなるハニカム構造体に、本発明の浄化触媒をコーティングして得られるハニカム形状をはじめ、ペレット状、板状、粒状、粉末状などが挙げられる。ハニカム形状の場合、その基材はコ−ジェライト又はSi−Al−Oからなる構造体を用いることが好適であるが、触媒温度が高まる恐れがある場合には、触媒活性成分と反応しにくい基材(例えばFeを主成分とするメタルハニカム等の基材)を用いることが好ましい。また、多孔質担体と触媒活性成分のみでハニカムを形成しても良い。また、フィルタ機能を有する基材を使用すれば、排ガス中のすす等を浄化できるようになり好ましい場合がある。
実施形態に係るCO,HC,NO酸化触媒は、CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気の排ガスの浄化に対して特に有効である。この場合、特許文献2に記載のNOx浄化触媒のように、間欠的に排ガスの雰囲気を理論空燃比〜燃料リッチ条件の還元雰囲気に切り替える必要がないので、有利である。
排ガスによっては、CO,HC,NO酸化触媒に触媒活性成分としてZn,Ba,Ca,Pを全て含有する可能性がある。その場合には、CO,HC,NO酸化触媒に排ガスを長時間流通させると、酸化触媒のZn,Ba,Ca,Pの含有量が過剰になり、CO,HC,NO酸化活性が低下してしまう虞がある。このような不具合の発生を防止するためには、CO,HC,NO酸化触媒の後段に、CO,HC,NOxから選ばれる少なくとも1種の含有量を計測するセンサを設置することが考えられる。
以下、本発明に係る排ガス浄化装置及び排ガス浄化触媒の実施例を挙げ、本発明の効果を明らかにする。
<CO,HC,NO酸化触媒調製法>
ベーマイト粉末を電気炉で大気下にて600℃×5時間の焼成を行うことで得たAl粉末及びアルミナゾルを水へ添加して調製したスラリーを、コージェライト製ハニカム(300セル/inc)にコーティングした後、150℃の熱風を15分間流通させることで乾燥した。更に、得られたサンプルを電気炉で大気下にて600℃×1時間の焼成を行うことで、ハニカムの見かけの容積1L当たり200gのAlをコーティングしたAlコートハニカムを得た。得られたAlコートハニカムへ、ジニトロジアンミンPt硝酸溶液を含浸し、150℃×2時間乾燥後、電気炉を用いて600℃×1時間焼成した。
以上により、ハニカム1Lに対してAlが200gコーティングされ、元素換算でAlに対してPtを1wt%含有する基準触媒を得た。
<基準触媒へのZn,Ba,Ca,P添加>
基準触媒へ硝酸Zn溶液を含浸し、150℃×2時間乾燥後、電気炉にて500℃×1時間焼成することで、基準触媒へZnを添加した。Zn添加量は、ハニカム1Lに対して金属元素換算で0.02mol〜0.87molとした。また、硝酸Znの代わりに酢酸Ba、酢酸Ca、リン酸を用いたこと以外は同様の手法により、基準触媒へBa,Ca,Pをそれぞれ添加した。Ba,Ca添加量は、Znの場合と同様にハニカム1Lに対して金属元素換算で0.02mol〜0.87molとし、P添加量は、ハニカム1Lに対して金属元素換算で0.02mol〜1.7molとした。
<触媒性能評価方法>
触媒の性能を評価するため、以下の条件でCO,HC,NO酸化性能評価試験を行った。試験に際しては、容量6cmのハニカム触媒を石英ガラス製反応管中に固定し、この反応管を電気炉中に設置した。
ハニカム触媒の前処理として、4.5L/minの10%O−Nガスを流通させながら500℃まで昇温させた。その後、触媒温度を50℃付近にまで下げた後、下記の性能評価試験を実施した。反応管内に導入する反応ガスは、酸素過剰雰囲気の排ガスを模擬した組成であり、NOx:300ppm,C:300ppm,CO:300ppm,CO:6%,O:10%,HO:6%, N:残差とした。このガスを基準ガスとする。
触媒のCO,HC,NO酸化性能を、次式に示すCO浄化率、HC浄化率、NO酸化率により見積もった。なお、体積空間速度は45,000L/hとした。反応ガスを流通させながら、ガス温度を150℃から500℃にまで加熱制御し、CO,HC浄化性能を測定した。
CO浄化率(%)
=((触媒に流入したCO濃度)−(触媒から流出したCO濃度))
÷(触媒に流入したCO濃度)×100
HC浄化率(%)
=((触媒に流入したC濃度)−(触媒から流出したC濃度))
÷(触媒に流入したC濃度)×100
NO酸化率(%)
=((触媒に流入したNO濃度)−(触媒から流出したNO濃度))
÷(触媒に流入したNO濃度)×100
<検討結果:HC浄化率>
図1に、Zn添加触媒、Ba添加触媒及びCa添加触媒について、成分添加量を変化させた場合の200℃でのHC浄化率を示す。この図から明らかなように、Zn,Ba,Caの添加量がそれぞれ0.02mol/L以上0.5mol/Lの場合に、HC浄化率が向上し、その値は80%以上であった。
測定した触媒中に含まれるAl担体の量は2molである。この結果から、担体2molに対してZn,Ba,Caの添加量がそれぞれ0.02mol部以上0.5mol部以下の場合にHC浄化率が向上することが分かる。
<Zn添加触媒のHC浄化率>
図2に、基準触媒と、基準触媒へハニカム1L当たり金属元素換算で0.2molのZnを添加した触媒についてのHC浄化率の温度依存性を示す。この図から明らかなように、0.2molのZnを添加した触媒は、基準触媒と比較して300℃以下でのHC浄化率が高まることが分かる。特に、175℃でのHC浄化率は21%から61%まで飛躍的に向上している。本結果から、Znを添加することによりHC浄化率が向上するのは明らかである。
<NO酸化率>
図3に、P,Zn,Ba,Caを添加した基準触媒について、成分添加量を変化させた場合の250℃でのNO酸化率を示した。この図から明らかなように、P,Zn,Ba,Caの添加量がそれぞれ、Baの場合は0.02〜0.5mol、Caの場合は0.02〜0.5mol、Znの場合は0.02〜0.7mol、Pの場合は0.02〜1.4molの場合に、NO酸化率は向上し、基準触媒のNO酸化活性11%を上回った。
測定した触媒中に含まれるAl担体の量は2molである。この結果から、担体2molに対して、P,Zn,Ba,Caの添加量が、Baの場合は0.02〜0.5mol、Caの場合は0.02〜0.5mol、Znの場合は0.02〜0.7mol、Pの場合は0.02〜1.4molの場合にNO酸化率が向上することがは明らかである。
<ゼオライト含有NOx浄化触媒調製法>
Y型ゼオライト(東ソー製)粉末へ硝酸Fe溶液を含浸し、大気下にて150℃×10h乾燥し、サンプルを得た。得られたサンプルを電気炉で大気下にて600℃×1時間の焼成を行うことで、ゼオライトに対して金属元素換算で2wt%のFeが担持されたFe/ゼオライト粉末を得た。このFe/ゼオライト粉末及びアルミナゾルを水へ添加して調製したスラリーをコージェライト製ハニカム(300セル/inc)にコーティングした後、150℃の熱風を15分間流通させることで乾燥した。更に得られたサンプルを電気炉で大気下にて600℃×1時間の焼成を行うことで、ハニカムの見かけの容積1L当たり250gのFe/ゼオライトをコーティングしたハニカム触媒を得た。本触媒を実施例触媒1とする。
これに対して、基準触媒へハニカム1L当たり金属元素換算で0.09molのPを添加した触媒を実施例触媒2とする。図4に、エンジンの排ガス流路の上流側に実施例触媒2を設置し、下流側に実施例触媒1を設置した排ガス浄化システムを示す。
<NOx浄化率評価方法>
図4に示した排ガス浄化システムにおけるNOx浄化性能を評価するため、次の条件でNOx浄化性能を評価した。容量6cmのハニカム触媒を石英ガラス製反応管内に固定した。この反応管を電気炉中に設置した。反応管に導入する反応ガスは、酸素過剰雰囲気の排ガスを模擬した組成である、NO+NO:150ppm,NH:180ppm,CO:0%〜8.5%,O:10%,HO:6%,N:残差とした。NO+NOの組成は、実施例触媒2の後段のガスに含まれるNO+NOの組成と一致させた。具体的にはガス温度が200℃の場合は135ppmNO+15ppmNOとし、ガス温度が250℃の場合は115ppmNO+35ppmNOとした。触媒のNOx浄化性能を次式に示すNOx浄化率により見積もった。なお、体積空間速度は45,000/hとした。反応ガスを流通させながら、ガス温度を200℃及び250℃となるように加熱制御し、NOx浄化性能を測定した。
NOx浄化率(%)
=((触媒に流入したNOx濃度)−(触媒から流出したNOx濃度))
÷(触媒に流入したNO濃度)×100
<検討結果>
図5に、NOx浄化率の結果を示す。比較例として、実施例触媒2を設置せず、従って実施例触媒1へのNO流入が無い場合のNOx浄化率を示した。図5から、実施例触媒1の前段に実施例触媒2を設置することで、200℃及び250℃でのNOx浄化率が向上することは明らかである。
<センサ設置>
基準触媒へハニカム1L当たり金属元素換算で0.2molのZnを添加した触媒を実施例触媒3とする。図6に、エンジンの排ガス流路の上流側に実施例触媒3を設置し、下流側に実施例触媒1を設置すると共に、実施例触媒3と実施例触媒1との間にCOセンサを設置した排ガス浄化システムを示す。本例の排ガス浄化システムは、実施例触媒3と実施例触媒1との間にCOセンサを設置したので、実施例触媒3の出口側におけるCO濃度を測定することができ、実施例触媒3のCO,HC,NO酸化性能を確認できる。
図7に、ディーゼルエンジンへの本発明に係る排ガス浄化装置の適用例を示す。この図において、1はディーゼルエンジン、2は燃料噴射装置、3は排気管、4は吸気管、5はCO,HC,NO酸化触媒、6はNOx浄化触媒、7はNH酸化触媒、8はNHの注入口、9はエンジンコントローラ、10はCOセンサ、11はNHタンクを示している。
ディーゼルエンジン1は、燃焼室(シリンダ)1a内の空気をピストン1bで圧縮して高温にし、その圧縮空気に燃料噴射装置2から燃料を噴射して自然着火させることで動力を得ている。また、ディーゼルエンジン1は、吸気管4と燃焼室1aの間に吸気バルブ1cを備え、燃焼室1aと排気管3の間に排気バルブ1dを備えている。なお、図7には吸排気バルブ1c,1dを1個ずつ示したが、各バルブの数はこれだけに限定されるものではない。
排気管3には、排ガスの流れの上流側から、CO,HC,NO酸化触媒5と、NOx浄化触媒6と、NH酸化触媒7とをこの順に設置した。CO,HC,NO酸化触媒5としては上述の実施例触媒2を設置し、NOx浄化触媒6としては上述の実施例触媒1を設置し、NH酸化触媒としては上述の基準触媒が設置した。本例の排ガス浄化装置は、排気管3にCO,HC,NO酸化触媒5と、NOx浄化触媒6と、NH酸化触媒7とをこの順に設置したので、CO,HC,NOxを高度に除去することができる。また、COセンサ10にてCO,HC,NO酸化触媒5の出口側の排ガスに含まれるCO濃度をモニタリングすることで、CO,HC,NO酸化触媒5の酸化性能を確認することが可能であり、高度にCO,HC,NOxを除去することができる。
なお、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変形して実機に適用することができる。
1…エンジン、1a…燃焼室、1b…ピストン、1c…吸気バルブ、1d…排気バルブ、2…燃料噴射装置、3…排気管、4…吸気管、5…実施例触媒2、6…実施例触媒1、7…基準触媒、8…NH注入口、9…エンジンコントローラ、10…COセンサ、11…NHタンク

Claims (11)

  1. 熱機関の排ガス中に含まれるCO,HC,NOを酸化する酸化触媒を備え、前記酸化触媒は、多孔質担体に担持される触媒活性成分として、Ptと、Zn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量が、担体2mol部に対して、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部であることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  2. 請求項1に記載の熱機関の排ガス浄化装置において、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量を、これら触媒活性成分の種類に関わりなく、担体2mol部に対して、0.02〜0.5mol部としたことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  3. 請求項1又は2に記載の熱機関の排ガス浄化装置において、前記酸化触媒の触媒活性成分として、Ptと、Pと、Zn,Ba,Caから選ばれる少なくとも一種とを含むことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、前記排ガスの流れ方向に関し、前記酸化触媒の後段にNOx浄化触媒を設置することを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、前記NOx浄化触媒の前段にNHを添加することを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、前記NOx浄化触媒の後段に、排ガス中のCO,HC又はNHを酸化する触媒を更に設置したことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、前記酸化触媒には、触媒活性成分として、Pd,Ceから選ばれる少なくとも一種を更に含むことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、前記NOx浄化触媒は、ゼオライト担体上に、触媒活性成分として、V,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zrから選ばれる少なくとも1種を担持してなることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、前記酸化触媒に流入する排ガスは、常に、CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも酸素過剰な雰囲気に保つことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  10. CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気で燃料を燃焼する熱機関の排ガス流路に、多孔質担体に担持される触媒活性成分として、Ptと、Zn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量が、担体2mol部に対して、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部に調整された酸化触媒を設置し、排ガス中のCO,HC,NOを酸化することを特徴とする排ガス浄化方法。
  11. 多孔質担体と該多孔質担体上に担持された触媒活性成分を有し、前記触媒活性成分として、Ptと、Zn,Ba,Ca,Pから選ばれる少なくとも一種とを含み、前記Zn,Ba,Ca,Pの含有量が、担体2mol部に対して、Baの場合は0.02〜0.5mol部、Caの場合は0.02〜0.5mol部、Znの場合は0.02〜0.7mol部、Pの場合は0.02〜1.4mol部であることを特徴とするCO,HC,NOの酸化触媒。
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