JP3560147B2 - 排気ガス浄化システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関や燃焼器等から排出される排気ガスを浄化するためのシステムに係り、特に酸素を過剰に含むリーンバーン排ガス中の窒素酸化物(NOx)を高効率で浄化するための触媒を用いて成る排気ガス浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等の内燃機関から排出される排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOx)等を浄化する触媒としては、理論空燃比で働く三元触媒が用いられている。しかし、三元触媒では、内燃機関の排気ガスが酸素過剰の時には窒素酸化物を浄化することができない。
このような内燃機関の排気ガスが酸素過剰の時に窒素酸化物を浄化する方法として、特許掲載第2600429号公報では、排気ガスが酸素過剰の時にNOxを吸収させ、吸収させたNOxを、NOx吸収剤に流入する排気ガス中の酸素濃度を低下させて放出させ、浄化処理するという方法を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許掲載第2600429号公報に記載されているような、排気ガスが酸素過剰の時にNOxを吸収させ、その後、NOx吸収剤に流入する排気ガス中の酸素の濃度を低下させ、吸収させたNOxを放出させて浄化処理するという方法では、酸素過剰の運転領域においても排気ガス中の酸素濃度を定期的に低下させる必要があり、酸素過剰で走行することによる燃費向上の効果が充分に得られないという課題があった。
【0004】
また、NOxを脱離浄化する時には、酸素濃度が低下した条件下でNOxを還元反応させるために、還元剤としてHC、COを供給してやる必要がある。このため、NOx以外のHC、CO成分を充分に浄化するためには、NOx吸蔵触媒でNOx浄化反応で消費されない分のHC、COを酸化反応で浄化させるか、NOx吸蔵触媒の後段に三元触媒を配置して浄化する必要がある。
しかしながら、このような触媒システムでは、HC、COを浄化する触媒が排気流路の後段に配置されるため、十分なHC、COの浄化性能が得られず、特にエンジン始動直後に排出されるHC、CO成分浄化が困難であるという課題もあった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述の如く、吸収させたNOxを放出させて浄化処理する時に排気ガス中の酸素濃度を低下させて処理するために、燃費向上効果が充分に得られないという課題を解決し、酸素過剰で走行することによる燃費向上効果が充分に得られ、NOxのみならずHC及びCO成分を効率良く浄化でき、特にエンジン始動直後の低温時に排出されるHC及びCOを効率良く浄化できる排気ガス浄化システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の排気ガス組成調整手段をNOx浄化触媒の上流側に配置し、酸素過剰状態のまま、排気ガス由来の特定還元ガスを供給し、NOx浄化触媒の入口における排気ガス組成を適切に制御することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の排気ガス浄化システムは、還元剤によりNOxを還元処理するNOx浄化触媒と、理論空燃比近傍及び酸素過剰雰囲気下で炭化水素類(HC)の濃度が低減した低HC還元ガスを生成する排気ガス組成調整手段と、を内燃機関又は燃焼装置の排気ガス通路に設置して成り、
上記NOx浄化触媒の排気ガス通路上流側に、上記排気ガス組成調整手段を配置して成り、上記低HC還元ガスが、上記NOx浄化触媒の入口において、NOx/HCが50以上の排気ガス組成を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の排気ガス浄化システムの好適形態は、上記低HC還元ガスが、上記NOx浄化触媒の入口において、NOx/HCが80以上の排気ガス組成を有することを特徴とする。
この場合、この低HC還元ガスが、上記NOx浄化触媒の入口において、50ppm以下のHCを含有することが望ましい。
【0009】
更に、本発明の排気ガス浄化システムの他の好適形態は、上記排気ガス組成調整手段が、理論空燃比近傍から酸素過剰雰囲気下においてHC及び一酸化炭素(CO)を浄化する触媒であることを特徴とする。
【0010】
更にまた、本発明の排気ガス浄化システムの更に他の好適形態は、上記NOx浄化触媒が、上記低HC還元ガスを還元剤として一時的に保持し、且つNOxを還元浄化する際に放出してNOxの還元浄化に供することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の排気ガス浄化システムの他の好適形態は、上記排気ガス組成調整手段として、還元ガスを供給する還元ガス供給装置を配置して成ることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の排気ガス浄化システムの更に他の好適形態は、上記還元ガス供給装置からの還元ガスが、燃料の改質反応により発生した水素を含むことを特徴とする。
【0013】
更にまた、本発明の排気ガス浄化システムの他の好適形態は、上記還元ガス供給装置からの還元ガスが、貯蔵体、水素吸着体及び水素吸蔵体から成る群より選ばれた少なくとも1種のものから得られた水素を含むことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化システムについて詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示す。
上述の如く、本発明の浄化システムは、排気ガス通路の上流側、好ましくはエンジンの排気ガス出口の直後に、酸素過剰雰囲気下で炭化水素類(HC)の濃度が低減した低HC還元ガスを生成する排気ガス組成調整手段を配置し、その下流側に、酸素過剰雰囲気下で排気ガス中のNOxを酸化吸収/吸着し、且つ還元剤によりNOxを還元処理する触媒(NOx浄化触媒)を配置して成る。
【0015】
ここで、排気ガス組成調整手段としては、上述の如く、酸素過剰雰囲気下でHC濃度が低い還元ガス(低HC還元ガス)を生成・供給できれば十分であるが、その具体例としては、排気ガス中のHC、COを浄化処理する触媒(以下、「マニ高性能三元触媒」と称す)、Hを含む還元ガスを供給する還元ガス供給装置を挙げることができる。
【0016】
このマニ高性能三元触媒は、酸素過剰雰囲気下の運転領域において、排気ガス中のHCを酸素と酸化反応させて浄化処理でき、従って、排気ガス中のHC濃度が低減され、具体的には、酸素過剰雰囲気下でNOx/HCの割合が50以上であるような排気ガス組成を有する低HC還元ガスを生成する。
かかるNOx/HC比が50未満では、後段のNOx浄化触媒において、リーン域におけるNOxの吸収/吸着が残存するHCにより阻害されたり、リーン域でのH、NHとNOxの反応が阻害され、十分なNOx浄化性能が得られない。
また、H、NHとNOxの反応阻害を更に緩和させるためには、NOx/HC比が80以上であることが好ましい。
【0017】
を含む還元ガスを供給する還元ガス供給装置としては、例えば、燃料を改質反応させることにより水素を発生させて供給するもの、ボンベ等に貯蔵してある水素、又は水素吸蔵合金、水素吸蔵体及び水素吸着体(カーボンナノチューブ等)に貯蔵させた水素を供給するもの、を挙げることができる。
なお、上記還元ガス供給装置を複数組合せて用いることや、上記還元ガス供給装置とマニ高性能三元触媒とを組合せて用いることも可能である。
【0018】
また、実際の排気ガス中の排気成分のガス濃度は、エンジンからの排出ガス組成に影響を受け、マニ高性能三元触媒によって浄化される量も異なり、また還元ガス供給装置から供給されるガス組成及びガス量によっても異なるが、本発明においては、代表的に、酸素過剰雰囲気下でNOx浄化触媒の入口におけるHC濃度が50ppm以下となるように、マニ高性能三元触媒でHCをOと酸化反応させて浄化処理したり、還元ガス供給装置からガス供給をしている。
HC濃度が50ppmを超えると、リーン域でのH、NHとNOxの反応が阻害され、十分なNOx浄化性能が得られなかったり、後段のNOx浄化触媒でHCが浄化されずに排出されてしまい、排気ガス浄化システムとして十分なHC浄化性能が得られないことがある。
【0019】
なお、このような低HC条件下においては、特許掲載第2600429号公報記載のような従来のNOx吸着触媒を用いたシステムでは、NOxを脱離浄化させるための還元剤成分であるHC及びCOがマニ三元触媒で酸化反応してしまい、排気流路の下流のNOx吸蔵触媒には必要なだけの還元剤が供給されないために、排気ガス中の酸素濃度を低下させてNOxを脱離させても充分なNOx浄化性能が得られない。
これに対し、本発明においては、酸素過剰雰囲気下でNOx浄化触媒に吸着されたNOxを処理するために必要となる還元剤は、上述のマニ高性能三元触媒や還元ガス供給装置から、上述のような入口ガス組成を有する低HC還元ガスとして供給されるが、この際、低HC還元ガスでは、マニ高性能三元触媒によってHC及びCO(特にHC)が浄化・低減されているものの、後述するようにNHやHが生成され、還元ガス供給装置によってHが供給されており、主としてこれらが還元剤として機能するので、NOxの良好な浄化を確保できる。
【0020】
以下、マニ高性能三元触媒による低HC還元ガスの生成につき説明する。
かかる低HC還元ガスは、エンジンから排出される排気ガス中のHC、NOx等のガスをマニ高性能三元触媒によって触媒反応させることにより得られる。
このようなマニ高性能三元触媒での反応としては、触媒活性種のパラジウム上でまず排気ガス中のHC成分を酸素と反応させて部分酸化させた状態のHCとし、更に酸化セリウムを含む触媒中の触媒活性種のパラジウム上でCOとHOとを反応させてHを生成させる反応、パラジウム上で生成させた部分酸化状態のHCとHOとを触媒活性種のロジウム上で反応させてHを生成させる反応を挙げることができる。
この場合、濃度変動させる還元剤成分のうちのHCについては、酸化過剰雰囲気下では、マニ高性能三元触媒において最終的に反応浄化されるため、NOx浄化触媒の入口の排気ガスに含まれない。
【0021】
上述の場合、マニ高性能三元触媒における低HC還元ガスの生成反応としては、次のような反応が考えられる。以下に反応のイメージ式を示す。
HC+O→CO+H
NOx+H→NH
HC+NOx→NH+CO
本発明の浄化システムでは、このように生成されたNHやHが還元剤成分として働き、これらがNOx浄化触媒においてNOxと反応してNOxが浄化処理される。
なお、上記反応式にも示したように、本発明においては、マニ高性能三元触媒が排気ガスの組成を調整することによりNHなどの還元成分を生成するのであり、この点において、排気ガスにNHガスなどの還元成分を強制的に混入するNHによるNOxの選択還元法と全く異なることを付記する。
【0022】
また、上述の場合、NOx浄化触媒におけるNOxの浄化反応としては、次のような反応が考えられる。
4NO+4NH+O→2N+6H
2NO+2H→N+2H
後段に用いる触媒が、NOx選択還元触媒である場合には、リーン条件下においてもH、NHと選択的に反応をするため、特にNOx吸着及び浄化のための放出は必要ではない。
一方、後段に用いる触媒が、NOx吸着型触媒の場合には、定常運転時などにNOxを一時的に吸収/吸着させておき、NOxを浄化する際に放出させて還元剤と反応させ浄化を行う。この場合、NOxを放出させる手段としては、エンジンからの排出ガスのガス容量を変化させたり、エンジンの運転条件を制御することで、酸素濃度を一定で、他のHC、CO、NOx等の排気ガス成分の濃度比率を変化させる方法を用いることができる。
また、排気ガスの組成が、理論空燃比近傍においてリーン側にシフトしているレベルのリーン条件下においては、還元触媒として三元触媒を用いることができる。この場合も、NOxの吸着及び脱離という過程は必要ではなく、直接的に排気ガス中でNOxの反応浄化が行われる。
【0023】
還元剤を生成させるための還元剤の濃度変動は、走行条件に拘わらず一定時間おきに入れる方法や走行条件を考慮してNOx浄化触媒でのNOx吸収/吸着量が多くなっている条件下、あるいはNOx浄化触媒がNOxを還元浄化しやすい条件(温度条件、排気ガス流量条件等)下のタイミングに合わせて、制御することができる。
更に、本発明においては、マニ三元触媒において生成された還元剤を生成された時に反応浄化せずに、NOx浄化触媒において一時的に保存しておき、NOx浄化反応に適した条件になった時に放出させてNOxを浄化するようにしている。
【0024】
この場合、供給された還元剤は、NOx浄化触媒に使用可能なアルミナやゼオライト等の高比表面積を有する多孔質担体の表面上への吸着や、NOx浄化触媒への添加成分であるセシウム、バリウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ランタン及びカルシウム等への吸着又は吸収により、保持させることができる。
また、一時的に保持させる期間としては、例えば、還元剤が定常走行時に生成された場合、定常走行から加速走行等に移行し、排気ガスの排気温度が一定温度から上昇するまでの期間が挙げられる。
【0025】
次に、還元ガス供給装置からの還元ガスの供給につき説明する。
還元ガスの供給方法としては、上述したようにガソリンや軽油等の燃料を改質反応させて水素を発生させて供給する方法や、小型のタンク等に水素を貯蔵しておき必要量を供給する方法や、水素吸蔵合金やカーボンナノチューブなどの水素を吸着/吸蔵するものに水素を吸着/吸蔵させておき必要量を供給する方法を用いることができる。
【0026】
ガソリンや軽油等の燃料を用いて水素を発生させる改質反応としては、次のような水蒸気改質反応が考えられる。以下に反応のイメージ式を示す。
CnHm+nHO → nCO+(n+m/2)H
ここで、上記反応式中のCnHmは炭化水素(HC)の一般式を表しており、ガソリン、軽油ではそれぞれの炭化水素成分が該当する。また、このような反応が容易に起こるようアルミナやマグネシウム等の担体に遷移金属や貴金属を担持させた触媒を用いることができる。更に、一般的にこの反応は吸熱反応であるため、反応が起こるためには触媒をある程度の温度以上にする必要があるが、その熱源としては、エンジンからの廃熱を利用することが考えられる。
【0027】
また、還元ガス供給装置を用いる場合には、排気ガス中のNOx/HCの比率を、NOxガスセンサーやHCガスセンサーを用いて測定したガス濃度から算出したり、エンジンの運転条件(走行負荷や回転数、進角など)から推定して算出することができ、NOx/HC比が低い条件でHを供給するように制御することができる。
更に、還元ガス供給装置は、上述のマニ高性能三元触媒と併せて用いることもできる(図3)。この場合には、上記NOx/HCの比率は、マニ高性能三元触媒の出口の排気ガス組成を上記ガスセンサーを用いて測定したガス濃度から算出したり、マニ高性能三元触媒の触媒反応をエンジンから排出される排気ガス組成、触媒入口の排気ガス温度から推定して算出することができ、NOx/HCが低い条件でHを供給するように制御することができる。
なお、水素を吸蔵させる水素吸蔵合金としては、MmNi系、TiCrMn系、LaNi系、MmPd系、LaPd系等を用いることができる。
【0028】
以上に説明した本発明の浄化システムの代表的構成を、図1に示す。
同図において、エンジン1の排気系には、エンジン1の排気ガス出口の直後に排気ガス中のHC及びCOを浄化処理するマニ高性能三元触媒2が配置され、その下流側には、排気中に含まれるNOxをエンジンの酸素過剰雰囲気で酸化吸着し、且つ還元剤が供給された時にNOxを還元処理により浄化するNOx浄化触媒3が配置されており、本発明の排気ガス浄化システムを構成している。
【0029】
また、還元ガス供給装置を用いた浄化システムの代表的構成を、図2及び図3に示す。
図2において、エンジン1の排気系には、エンジン1の排気ガス出口の上流側に還元ガス供給装置10が配置され、その下流側には、排気中に含まれるNOxをエンジンの酸素過剰雰囲気で酸化吸着し、且つ還元剤が供給された時にNOxを還元処理により浄化するNOx浄化触媒3が配置されており、本発明の排気ガス浄化システムを構成している。なお、かかるシステムには、エンジン制御装置(ECU)11が設けられ、このECU11は、上記エンジン1、排気通路、還元ガス供給装置、及びNOx浄化触媒3の入口に配置されたセンサー等により、エンジンの流入空気量、排気ガスのA/F、HC・NOx濃度、吸着材温度及び排気ガス温度を検知し、還元ガスの供給量を制御弁により制御できる。
図3においては、図2に示すシステムとほぼ同様な構成を有し、エンジン1の排気ガス出口の直後で、且つ還元ガス供給装置の上流に、排気ガス中のHC及びCOを浄化処理するマニ高性能三元触媒が配置されており、本発明の排気ガス浄化システムを構成している。
【0030】
次に、上述したNOx浄化触媒及びマニ高性能三元触媒の材質や構成などにつき詳細に説明する。
本発明において、マニ高性能三元触媒及びNOx浄化触媒は、一体構造型担体に担持して用いるのが好ましい。
一体構造型担体としては、耐熱性材料から成るハニカム状のモノリス担体が好ましく、例えばコーディライトなどのセラミックや、あるいはフェライト系ステンレスなどの金属製のものが用いられる。
【0031】
また、マニ高性能三元触媒及びNOx浄化触媒では、多孔質体として、アルミナ、シリカアルミナ又はゼオライト及びこれらの任意の組合せが好適に用いられるが、特に活性アルミナが好ましく用いられる。
更に、耐熱比表面積を高める目的で、これら多孔質体に希土類元素やジルコニウムなどを添加してもよい。
かかる多孔質担体の使用量は、触媒1L当たり50〜300gの範囲であることが好ましい。
50g未満では、触媒反応が起きるコート層内での排気ガスの滞留時間が短く、十分な浄化性能が得られず、300gを超えると、コート層が厚くなり、ハニカム担体での排気ガスの拡散性が悪くなり、十分な浄化性能が得られないことがある。
【0032】
上記マニ高性能三元触媒は、代表的に、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム又はサマリウム及びこれらの任意の混合物に係る希土類元素と、所要に応じてジルコニウムと、白金、パラジウム又はロジウム及びこれらの任意の混合物に係る貴金属元素とを含み、通常は、これら触媒成分をハニカム状モノリス担体にコートして用いられる。
このマニ高性能三元触媒における貴金属量は、所定の三元機能が十分に得られる限り特に制限されないが、触媒1L当たり10g〜30gの範囲であることが好ましい
10g未満では、排気温度が低い条件下では十分な酸化性能が得られず、30gを超えると、増加させた貴金属量に対して十分な性能向上効果が得られないことがある。
【0033】
なお、上記貴金属元素の少なくとも一部は、上記多孔質体に担持されることが好ましく、なかでもアルミナに担持されることが好ましい。この際に用いるアルミナは耐熱性の高いものが好ましく、なかでも比表面積が50〜300m/g程度の活性アルミナが好ましい。
また、上述の如く、アルミナの耐熱性を向上させる目的で、セリウム及びランタン等の希土類化合物やジルコニウムなどの添加物を更に加えてもよい。
【0034】
上記NOx浄化触媒は、セシウム、バリウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ランタン又はカルシウム及びこれらの任意の混合物に係る金属元素と、白金、パラジウム又はロジウム及びこれらの任意の混合物に係る貴金属元素を含み、通常は、かかる触媒成分をハニカム状モノリス担体にコートして用いられる。
このNOx浄化触媒における貴金属量は、NOx吸収/吸着機能とNOx還元浄化機能が十分に得られる限り、特に制限されないが、一般の三元触媒で用いられているように触媒1L当たり0.1〜10gの範囲であることが好ましい。
【0035】
また、NOx浄化触媒には、理論空燃比時の三元触媒としての機能も必要であるため、上記貴金属元素の少なくとも1種は、少なくともその一部が多孔質体に担持されることが好ましく、なかでもアルミナに担持されることが好ましい。
この際に用いるアルミナは耐熱性の高いものが好ましく、なかでも比表面積が50〜300m/g程度の活性アルミナが好ましい。
【0036】
また、上述の如く、アルミナの耐熱性を向上させる目的で、従来から三元触媒で適用されているように、セリウム及びランタン等の希土類化合物やジルコニウムなどの添加物を更に加えてもよい。
更に、三元触媒としての機能を増強するために従来から三元触媒に用いられている材料を添加してもよく、例えば酸素ストレージ機能を持つセリアや、貴金属へのHC吸着被毒を緩和するバリウムや、Rhの耐熱性向上に寄与するジルコニア等を加えてもよい。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
【0038】
(実施例1)
[マニ高性能三元触媒の調製]
硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末1)を得た。この粉末のPd濃度は17.0%であった。
また、硝酸Rh水溶液をセリウム、ジルコニウムを添加した活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持アルミナ粉末(粉末2)を得た。この粉末のRh濃度は3.0%であった。
更に、硝酸Pt水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt担持アルミナ粉末(粉末3)を得た。この粉末のPt濃度は1.0%であった。
【0039】
粉末1を377.6g、粉末2を107.6g、粉末3を64.9g、酸化セリウム粉末を49g、活性アルミナ粉末を200.9gアルミナゾルを1000gを磁性ボールミルに投入し、1時間混合粉砕してスラリ液を得た。このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量140g/L−担体を得た。
更に、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒(マニ高性能三元触媒)を調製した。この時の貴金属量としては、白金/パラジウム/ロジウムの比が1/100/5としてトータルの貴金属量が14g/Lになるようにした。
【0040】
[NOx浄化触媒の調製]
硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末B)を得た。この粉末のPd濃度は5.0%であった。
また、硝酸Rh水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持アルミナ粉末(粉末C)を得た。この粉末のRh濃度は3.0%であった。
【0041】
粉末Bを347g、粉末Cを58g、活性アルミナ粉末を496g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリ液を得た。なお、粉砕時間は1時間とした。このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量200g/L−担体を得た。
更に、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒(NOx浄化触媒)を調製した。
【0042】
[排気ガス浄化システムの構築]
上述のようにして得られたマニ高性能三元触媒を排気系の上流に、NOx浄化触媒をその下流に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0043】
(実施例2)
マニ高性能三元触媒は、実施例1と同様に調製した。
一方、NOx浄化触媒は、酢酸バリウムの代わりに炭酸セシウムを用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、調製した。
得られた両触媒を実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0044】
(実施例3)
マニ三元高性能触媒は、実施例1と同様に調製した。
一方、NOx浄化触媒は、酢酸バリウムの代わりに炭酸ナトリウムを用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、調製した。
得られた両触媒を実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0045】
(実施例4)
マニ高性能三元触媒は、実施例1と同様に調製した。
NOx浄化触媒は、酢酸バリウムの代わりに炭酸カリウムを用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返して調製した。
得られた両触媒を実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0046】
(実施例5)
マニ高性能三元触媒は、実施例1と同様に調製した。
NOx浄化触媒は、酢酸バリウムの代わりに炭酸マグネシウムを用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返して調製した。
得られた両触媒を実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0047】
(実施例6)
マニ高性能三元触媒は、実施例1と同様に調製した。
NOx浄化触媒は、酢酸バリウムの代わりに炭酸ランタンを用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返して調製した。
得られた両触媒を実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0048】
(実施例7)
マニ高性能三元触媒は、実施例1と同様に調製した。
NOx浄化触媒は、酢酸バリウムの代わりに炭酸カルシウムを用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返して調製した。
得られた両触媒を実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0049】
(実施例8)
マニ高性能三元触媒は、実施例1と同様に調製した。
炭酸ランタンと炭酸バリウムと炭酸コバルトの混合物にクエン酸を加え、乾燥後700℃で焼成し、粉末(粉末D)を得た。この粉末は金属原子比でランタン/バリウム/コバルト=2/7/10であった。
実施例1と同様にして調製した粉末Bを347g、粉末Cを58gと粉末Dを360g、活性アルミナ粉末を136g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリ液を得た。粉砕時間は1時間とした。
このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量200g/L−担体を得、この触媒をNOx浄化触媒とした。
得られた両触媒を実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0050】
(実施例9)
実施例1で用いた粉末1を509.6g、粉末2を115.2g、粉末3を86.8g、酸化セリウム粉末を49g、活性アルミナ粉末を39.4gアルミナゾルを1000gを磁性ボールミルに投入し、1時間混合粉砕してスラリ液を得た。このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量140g/L−担体を得た。
更に、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒(マニ高性能三元触媒)を調製した。この時の貴金属量としては、白金/パラジウム/ロジウムの比が1/100/4としてトータルの貴金属量が18.5g/Lになるようにした。
一方、NOx浄化触媒は、実施例1と同様に調製した。
得られた両触媒を実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0051】
(実施例10)
[マニ高性能三元触媒(前段)の調製]
硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末4)を得た。この粉末のPd濃度は7.5%であった。
粉末4を963g、活性アルミナ粉末を37g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリ液を得た。粉砕時間は1時間とした。
このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(0.6L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量80g/L−担体を得た。
この触媒担体に、実施例1で調製した粉末1を986g、活性アルミナ粉末を14g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、1時間混合粉砕して得たスラリ液を用いて付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート量重量が71g/Lとなるように調製した。更に、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒(前段用のマニ高性能三元触媒)を調製した。
【0052】
[マニ高性能三元触媒(後段)の調製]
同様にコート層重量80g/Lとした触媒に、実施例1で調製した粉末2を443g、粉末3を334g、ジルコニウムを添加した酸化セリウムを189g、活性アルミナ粉末を34g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、1時間混合粉砕して得たスラリ液を用いて付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート量重量が53g/Lとなるように調製した。更に、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒(後段用のマニ高性能三元触媒)を調製した。
【0053】
[排気ガス浄化システムの構築]
上述のようにして得られた前段用のマニ高性能三元触媒を排気流入側の前段に、後段用触媒を排気流入側の後段に配置し、両触媒を同一の触媒コンバータ内に収容して本例に係るマニ高性能三元触媒とした。
そして、その排気系の下流側に、実施例2と同様にして調製したNOx浄化触媒を配置し、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0054】
(実施例11)
マニ高性能三元触媒は、実施例10と同様に調製した。
一方、実施例2と同様に調製したNOx浄化触媒を別々の触媒コンバータに収容し、これを2個縦列に配置したものを、本例に係るNOx浄化触媒とした。
排気系の上流に上記マニ高性能三元触媒、その下流に上述の如く縦列配置したNOx浄化触媒を配置し、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0055】
(実施例12)
実施例1で調製した粉末1を304.8g、粉末2を86.8g、粉末3を52.4g、酸化セリウムを49g、活性アルミナを307.0g、アルミナゾルを1000g、磁性ボールミルに投入して上記同様に調製し、白金/パラジウム/ロジウムの重量比を1/100/5とし、トータルの貴金属量が11.30g/Lになるようにして、マニ高性能三元触媒を調製した。
NOx浄化触媒は実施例3で調製した触媒を用い、得られた両触媒を用いて実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0056】
(実施例13)
実施例1で調製した粉末1を364.5g、粉末2を103.9g、粉末3を62.7g、酸化セリウム粉末を45g、活性アルミナ粉末を223.9g、アルミナゾルを1000g、磁性ボールミルに投入し、1時間混合粉砕してスラリ液を得た。
このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量140g/L−担体を得た。
更に、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒を調製した。この時の貴金属量としては、白金/パラジウム/ロジウムの比が1/100/5としてトータルの貴金属量が14g/Lになるようにした。
NOx浄化触媒は実施例2で調製した触媒を用い、得られた両触媒を用いて実施例1と同様に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
【0057】
(実施例14)
本実施例では、還元ガスの供給装置として、図2に示すような燃料改質触媒を用いた。
燃料改質触媒を入れた触媒容器に燃料タンクから、燃料の供給を行うがその途中で燃料を揮発させてガス状にした。このガス状にした燃料を燃料改質触媒に導入し燃料ガスの改質反応を行い、水素ガスを発生させた。
上記燃料改質触媒としては、遷移金属のNiをアルミナに担持した触媒を用い、それをコーディライト質モノリス担体にコーティングしたものを用いた。この場合のハニカム触媒の触媒容量は0.15Lとした。
γ−アルミナ、η−アルミナ及びθ−アルミナ等を主成分とする活性アルミナに硝酸NI、酢酸Ni等の水溶性のNi化合物を用いて調整したNi含有水溶液を含浸させてNiを担持し乾燥後、空気中300℃で1時間焼成を行い10%NiO担持したNiO担持アルミナ粉末を調整した。このNiO担持アルミナ粉末1000g、水500gを混合粉砕してスラリ液を得た。この時の粉砕時間は1時間とした。
このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(0.15L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、300℃で1時間焼成し、コート層重量150g/Lとなる改質触媒を得た。このようにして得た燃料改質触媒を還元ガス供給装置として用い、NOx浄化触媒の上流側に配置して、本例の排気ガス浄化システムを構築した。
ここで用いたNOx浄化触媒については、実施例1と同様にして調整した触媒を用いた。
燃料改質触媒を通して発生した還元ガス(H2含有ガス)は、制御弁を介してNOx浄化触媒の入口に導入した。
燃料改質触媒に供給される燃料の量は、NOx浄化触媒で必要とされる還元ガス量から求め、燃料供給ポンプにより制御した。
【0058】
(実施例15)
燃料改質触媒として、Niの代わりにRhを用いた以外は実施例14と同様に触媒を調整した。
Rhを担持は、硝酸Rh溶液などの水溶液を用いて、実施例14と同様にして活性アルミナに担持させ、乾燥、焼成後、Rh担持量が1wt%となるように調整した。
【0059】
(実施例16)
還元ガス供給装置として、燃料改質触媒の代わりに水素吸蔵合金を用いた以外は、実施例14と同様に触媒を配置して、本発明の排気ガス浄化システムを構築した。
実施例14の還元ガス供給装置内に燃料改質触媒の代わりに水素吸蔵合金を配置した。あらかじめ水素吸蔵合金には水素を吸蔵させておき、必要なときに水素を制御弁を介して排気管中に供給を行った。
本実施例では、水素吸蔵合金としてMnNi系の水素吸蔵合金を用いた。
【0060】
(実施例17)
還元ガス供給装置として、燃料改質触媒のかわりに小型のHガスボンベを用いた以外には実施例14と同様にして、本発明の排気ガス浄化システムを構築した。
小型HガスボンベからのHガス供給量は、制御弁を用いて実施例14と同様に調整を行った。
【0061】
(実施例18)
本実施例では、図3に示すように、マニ高性能三元触媒及び還元ガス供給装置を用いた。
マニ高性能三元触媒としては、コーディライト質モノリス担体の容量を0.5Lとした以外は、実施例1と同様に調整を行った触媒を用いた。
還元ガス供給装置としては、実施例14で用いた燃料改質触媒を用いた装置を用いた。
NOx浄化触媒については、実施例1と同様に調整した触媒を用いた。
0.5Lの高性能三元触媒をエンジンの排気ガス出口の直後に配置し、その下流側に還元ガス供給装置を配置し、更にその下流側にNOx浄化触媒を配置して、本発明の排気ガス浄化システムを構築した。
【0062】
(比較例)
排気系の上流に、以下の操作で得られた通常のマニ三元触媒を配置し、下流にNOx浄化触媒を配置して本例の排気ガス浄化システムを構築した。なお、NOx浄化触媒は実施例1と同様に調製したものを用いた。
【0063】
[通常のマニ三元触媒の調製]
硝酸Pd水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pd担持アルミナ粉末(粉末1)を得た。この粉末のPd濃度は17.0%であった。
硝酸Rh水溶液をセリウム、ジルコニウムを添加した活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh担持アルミナ粉末(粉末2)を得た。この粉末のRh濃度は3.0%であった。
実施例1で用いた粉末1を190.7g、粉末2を54.0g、酸化セリウム粉末を49g、活性アルミナ粉末を506.3gアルミナゾルを1000gを磁性ボールミルに投入し、1時間混合粉砕してスラリ液を得た。
このスラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層重量140g/L−担体を得た。
更に、このコートを行なった担体に酢酸バリウム水溶液を用いて含浸担持を行ない、120℃で乾燥後400℃で焼成を行ない触媒(通常のマニ三元触媒)を調製した。この時の貴金属量としては、パラジウム/ロジウムの比が20/1としてトータルの貴金属量が7g/Lになるようにした。
【0064】
<性能評価方法>
上記各例の排気ガス浄化システムを、排気量1.8Lの直噴ガソリンエンジンを搭載した乗用車の排気流路において、エンジンの排気直後にマニ高性能三元触媒を、その後段にNOx浄化触媒を配置して搭載し、排気ガス浄化性能評価を行なった。なお、上述のように、実施例14〜16及び18は、上記マニ高性能三元触媒とNOx浄化触媒との間に還元供給装置を配置した排気ガス浄化システムであり、実施例17は、エンジンとNOx浄化触媒の間に還元剤供給手段を配置した排気ガス浄化システムである。また、上記性能評価は車両評価を行い、北米のテストモードであるFTP−75モードにて走行し、その時の排気ガス中の各成分量を測定して行った。
得られた結果を表2に示す。また、各例の触媒仕様を表1に示した。
【0065】
【表1】
Figure 0003560147
【0066】
【表2】
Figure 0003560147
【0067】
上記の表2において、残存率は下記の式より求めた。
残存率=(1−NOx浄化触媒出口の排出ガス中のHC、CO及びNOx排出量/エンジンアウトの排出ガス中のHC、CO及びNOx排出量)×100(%)
ここで、排出ガス中のHC、CO及びNOx排出量は、上記の車両評価モードを走行したときの排出量を示す。
表2のNOx/HCの比率は、上記の車両評価モードを走行中のスタート直後の走行部分、具体的にはFTP−75モードのスタート後、約200秒までの走行部分を除いた部分のNOx、HCの各成分の平均濃度を用いて計算した値である。また、HC濃度も同様にして計算した平均濃度を示している。
なお、スタート直後の走行部分を除くのは、エンジンスタート直後で未燃焼のHC排出によりHC濃度が高いためである。
【0068】
以上、本発明を若干の実施例により詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の開示の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、マニ高性能三元触媒及びNOx浄化触媒としては、上述した本発明に係る所定の機能を果たすことができれば十分であり、上記実施例に示した触媒構成に限定されるものではない。
また、かかるマニ高性能三元触媒及びNOx浄化触媒は、少なくとも各1個が排気系に設置されていれば十分であり、複数個設置することも可能である。
更には、通常の三元触媒、HCトラップ触媒などを本発明の排気ガス浄化システムに組み入れることも可能である。
更にまた、還元ガス供給装置として、他の水素吸蔵合金(TiCrMn系、LaNi系、MnPd系及びLaPd系など)、水素吸蔵能力を有するカーボンナノチューブ及び小型Hボンベなどを単独又は適宜組合せて用いた排気ガス浄化システムを構築することもできる。また、かかる還元ガス供給装置は排気ガス浄化システムと一体化して成るものであっても良いし、システムの外部から供給できる構成であっても良い。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特定の排気ガス組成調整手段をNOx浄化触媒の上流側に配置し、酸素過剰状態のまま、排気ガス由来の特定還元ガスを供給し、NOx浄化触媒の入口における排気ガス組成を適切に制御することとしたため、吸収/吸着させたNOxを放出させて浄化処理する時に排気ガス中の酸素濃度を低下させて処理するために、燃費向上効果が充分に得られないという課題を解決し、酸素過剰で走行することによる燃費向上効果が充分に得られ、NOxのみならずHC及びCO成分を効率良く浄化でき、特にエンジン始動直後の低温時に排出されるHC及びCOを効率良く浄化できる排気ガス浄化システムを提供することができる。
即ち、本発明の排気ガス浄化システムを用いると、酸素過剰雰囲気下においても還元剤濃度の変化によりNOx浄化処理でき、燃費性能に優れ、同時にHC、CO浄化性能とNOx浄化性能を高い転化率で両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス浄化システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の排気ガス浄化システムの一例を示すシステム構成図である。
【図3】本発明の排気ガス浄化システムの一例を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 マニ高性能三元触媒
3 NOx浄化触媒
10 還元ガス供給装置
11 ECU

Claims (15)

  1. 還元剤によりNOxを還元処理するNOx浄化触媒と、酸素過剰雰囲気下で炭化水素類(HC)の濃度が低減した低HC還元ガスを生成する排気ガス組成調整手段と、を内燃機関又は燃焼装置の排気ガス通路に設置して成り、
    上記NOx浄化触媒の排気ガス通路上流側に、上記排気ガス組成調整手段を配置して成り、上記低HC還元ガスが、上記NOx浄化触媒の入口において、NOx/HCが50以上の排気ガス組成を有することを特徴とする排気ガス浄化システム。
  2. 上記低HC還元ガスが、上記NOx浄化触媒の入口において、NOx/HCが80以上の排気ガス組成を有することを特徴する請求項1記載の排気ガス浄化システム。
  3. 上記低HC還元ガスが、上記NOx浄化触媒の入口において、50ppm以下のHCを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の排気ガス浄化システム。
  4. 上記排気ガス組成調整手段が、理論空燃比近傍から酸素過剰雰囲気下においてHC及び一酸化炭素(CO)を浄化する触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  5. 上記排気ガス組成調整手段が、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム及びサマリウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の希土類元素及び/又はジルコニウムと、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素を含む触媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  6. 上記NOx浄化触媒が、上記低HC還元ガスを還元剤として、酸素過剰雰囲気でNOxを還元浄化する際に放出してNOxの還元浄化に供することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  7. 上記NOx浄化触媒が、銅、コバルト、ニッケル、鉄、ガリウム、ランタン、セリウム、亜鉛、チタン、カルシウム、バリウム及び銀から成る群より選ばれた少なくとも1種の金属元素と、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素とを含むゼオライト又はアルミナを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  8. 上記NOx浄化触媒が、上記低HC還元ガスを還元剤として一時的に保持し、且つNOxを還元浄化する時に放出してNOx還元浄化に供することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  9. 上記NOx浄化触媒が、セシウム、バリウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ランタン及びカルシウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属元素と、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属とを含むことを特徴とする請求項1〜5及び8のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  10. 上記NOx浄化触媒が、理論空燃比近傍の酸素過剰雰囲気で上記低HC還元ガスを還元剤としてNOxを還元浄化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  11. 上記NOx浄化触媒が、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム及びサマリウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の希土類元素及び/又はジルコニウム及び/又はバリウムと、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属を含むことを特徴とする請求項1〜5及び10のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  12. 上記排気ガス組成調整手段として、還元ガスを供給する還元ガス供給装置を配置して成ることを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化システム。
  13. 上記還元ガス供給装置からの還元ガスが、水素を含むことを特徴とする請求項1又は12記載の排気ガス浄化システム。
  14. 上記還元ガス供給装置からの還元ガスが、燃料の改質反応により発生した水素を含むことを特徴とする請求項1、12及び13のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
  15. 上記還元ガス供給装置からの還元ガスが、貯蔵体、水素吸着体及び水素吸蔵体から成る群より選ばれた少なくとも1種のものから得られた水素を含むことを特徴とする請求項1及び12〜14のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化システム。
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