JP2018076812A - 排気浄化システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排気に含まれる窒素酸化物を還元する炭化水素化合物の外部への排出量を低減する排気浄化システムの制御装置を提供する。【解決手段】 排気浄化システム1が備える制御装置20は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、炭化水素濃度センサ24、触媒温度センサ25、スリップ量演算部261および制御部262を有する。流量センサ21、酸素濃度センサ22および触媒温度センサ25は、排気中の窒素酸化物を還元可能な排気浄化部13の状態を検出可能である。炭化水素濃度センサ24は、排気浄化部13に流入する炭化水素化合物の種類および濃度を検出可能である。スリップ量演算部261は、排気浄化部13から流出する炭化水素化合物の流出量である炭化水素スリップ量を演算する。制御部262は、スリップ量演算部261における演算結果に基づいて排気浄化部12を流れる気体に燃料を添加可能な燃料添加部11を制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関が排出する排気を浄化する排気浄化システムに適用される排気浄化システムの制御装置に関する。
従来、内燃機関の排気に含まれる窒素酸化物を還元し排気を浄化する内燃機関の排気浄化システムが知られている。例えば、特許文献1には、排気に燃料を添加可能な燃料添加部、燃料添加部によって添加された添加燃料を改質可能な改質部、改質部において改質された炭化水素化合物によって窒素酸化物を還元可能な排気浄化部、および、添加燃料の一部を酸化可能な酸化触媒を備え、酸化熱を排気浄化部の昇温に利用する排気浄化システムが記載されている。
特開2009−156168号公報
特許文献1に記載の排気浄化システムの制御装置では、排気浄化部における窒素酸化物の除去率および酸化触媒において発生する酸化熱に基づいて添加燃料の供給量を制御している。しかしながら、炭化水素化合物は、分子構造などによって窒素酸化物の還元率や酸化反応の特性が異なるため、添加燃料の供給量のみの制御では窒素酸化物の還元や酸化熱の生成に寄与しない炭化水素化合物の外部への排出量を制御することは困難である。このため、排気浄化部から炭化水素化合物のまま排出される炭化水素化合物の量が多くなるおそれがある。
本発明は、上述の点を鑑みてなされたものであり、排気に含まれる窒素酸化物を還元する炭化水素化合物の外部への排出量を低減する排気浄化システムの制御装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関(5)の排気系(9)に設けられ、炭化水素化合物を還元剤として排気に含まれる窒素酸化物を還元可能な触媒(12)と、内燃機関の燃料を添加燃料として排気に添加可能な燃料添加部(11)と、を有する排気浄化システムの制御装置であって、第一検出部(21,22,23,25)、炭化水素情報取得部(24)、スリップ量演算部(261,361)、および、制御部(262,362)を備える。
第一検出部は、触媒の状態を検出可能に設けられ、触媒の状態に応じた信号を出力する。
炭化水素情報取得部は、触媒に流入する炭化水素化合物の種類および濃度に関する情報を取得可能に設けられ、炭化水素化合物の種類および濃度に応じた信号を出力する。
スリップ量演算部は、第一検出部および炭化水素情報取得部と電気的に接続し、第一検出部および炭化水素情報取得部が出力する信号に基づいて触媒から流出する炭化水素化合物の流出量である炭化水素スリップ量を演算する。
制御部は、スリップ量における演算結果に基づいて燃料添加部を制御する。
一般に、炭化水素化合物を還元剤とする窒素酸化物の非選択接触還元法では、炭化水素化合物の酸化反応に対応して窒素酸化物の還元反応が起こる。炭化水素化合物の酸化しやすさは、触媒の状態や炭化水素化合物の種類によって異なる。したがって、窒素酸化物の非選択接触還元法において、窒素酸化物の還元に寄与することなく外部に排出される炭化水素化合物の量は、触媒の状態や炭化水素化合物の種類によって左右される。
本発明の排気浄化システムの制御装置では、第一検出部が検出する触媒の状態、ならびに、炭化水素情報取得部が取得する触媒に流入する炭化水素化合物の種類および濃度に関する情報に基づいて、触媒から流出する炭化水素化合物の流出量である炭化水素スリップ量をスリップ量演算部が演算する。制御部は、演算された炭化水素スリップ量に基づいて炭化水素スリップ量が少なくなるよう燃料添加部を制御する。
このように、本発明の排気浄化システムの制御装置では、触媒の状態および炭化水素化合物のそれぞれの特性に基づいて炭化水素スリップ量を高精度に算出し、当該算出した結果に基づいて炭化水素スリップ量が少なくなるよう添加燃料を供給する。これにより、本発明の排気浄化システムの制御装置は、外部に排出される炭化水素化合物の量を低減することができる。
本発明の第一実施形態による排気浄化システムの制御装置が適用される排気浄化システムの模式図である。 本発明の第一実施形態による排気浄化システムの制御装置における排気浄化システムの制御プロセスのメインフローチャートである。 本発明の第一実施形態による排気浄化システムの制御装置における排気浄化システムの制御プロセスのサブフローチャートである。 本発明の第一実施形態の排気浄化システムにおける炭化水素化合物一分子当たりの炭素数と炭化水素化合物の浄化率との関係を示す特性図である。 本発明の第一実施形態の排気浄化システムの燃料添加部の制御内容を説明する特性図である。 本発明の第二実施形態による排気浄化システムの制御装置における排気浄化システムの制御プロセスのフローチャートである。 本発明の第三実施形態による排気浄化システムの制御装置が適用される排気浄化システムの模式図である。 本発明の第三実施形態による排気浄化システムの制御装置における排気浄化システムの制御プロセスのメインフローチャートである。 本発明の第三実施形態による排気浄化システムの制御装置における排気浄化システムの制御プロセスのサブフローチャートである。 本発明の第三実施形態による排気浄化システムの制御装置の改質部における改質部の温度と改質部の空燃比との関係を示す特性図である。 本発明の第四実施形態による排気浄化システムの制御装置における排気浄化システムの制御プロセスのフローチャートである。 本発明の第五実施形態による排気浄化システムの制御装置が適用される排気浄化システムの模式図である。 本発明の第六実施形態による排気浄化システムの制御装置が適用される排気浄化システムの模式図である。 本発明の第七実施形態による排気浄化システムの制御装置が適用される排気浄化システムの模式図である。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による「排気浄化システムの制御装置」は、内燃機関が排出する排気に含まれる窒素酸化物を排気から除去する排気浄化システムに適用される。
最初に、排気浄化システム1の構成について図1に基づいて説明する。排気浄化システム1は、「内燃機関」としてのエンジン8に適用され、「炭化水素濃度制御部」としての燃料添加部11、「触媒」としての排気浄化部12、制御装置20などを有する。なお、図1には、排気浄化システム1における気体の流れを実線矢印Fgで示す。
燃料添加部11は、エンジン8の排気系9に設けられている。排気系9が有する排気通路90には、エンジン8が排出する排気が流れる。燃料添加部11は、エンジン8に燃料を噴射供給する燃料噴射弁51の燃料を一時的に貯留するコモンレール52に図示しない圧力調整部を介して接続している。コモンレール52には、燃料タンク50が貯留し高圧ポンプ53によって昇圧された比較的高圧の燃料が貯留されている。燃料添加部11は、後述する制御装置20が有する制御ユニット26と電気的に接続している。燃料添加部11は、所望の圧力に調整したコモンレール52内の燃料の一部を制御ユニット26の指令に基づいて排気通路90に噴射可能である(図1の点線F1参照)。また、燃料添加部11は、高圧ポンプ53とは別異のポンプによって所望の圧力まで昇圧した燃料タンク50の燃料を排気通路90に噴射可能であってもよい。以下、燃料添加部11が噴射した燃料を「添加燃料」という。
排気浄化部12は、排気系9において燃料添加部11の下流側に設けられている。排気浄化部12は、還元触媒を有する。排気浄化部12は、添加燃料に含まれる炭化水素化合物(以下、単に「炭化水素」という)を利用して排気に含まれる窒素酸化物を還元することによって排気から窒素酸化物を取り除く。排気浄化部12には、排気通路90を流れるエンジン8の排気、および、添加燃料が流入し、窒素酸化物が除去された排気、および、窒素酸化物の還元に利用されなかった炭化水素が流出する。
制御装置20は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、「炭化水素情報取得部」としての炭化水素濃度センサ24、触媒温度センサ25、および、制御ユニット26を有する。流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、および、触媒温度センサ25は、特許請求の範囲に記載の「第一検出部」に相当する。
流量センサ21は、排気系9において排気浄化部12の上流側を流れる気体、すなわち、排気通路90を流れるエンジン8の排気の流量を検出可能に設けられている。これにより、流量センサ21は、排気浄化部12を流れる気体の流量を「触媒の状態」として検出可能である。流量センサ21は、制御ユニット26と電気的に接続している。流量センサ21は、排気通路90を流れるエンジン8の排気の流量に応じた信号を制御ユニット26に出力する。
酸素濃度センサ22は、排気系9において排気浄化部12の上流側を流れるエンジン8の排気の酸素濃度を検出可能に設けられている。これにより、酸素濃度センサ22は、排気浄化部12を流れる気体の酸素濃度を「触媒の状態」として検出可能である。酸素濃度センサ22は、制御ユニット26と電気的に接続している。酸素濃度センサ22は、エンジン8の排気の酸素濃度に応じた信号を制御ユニット26に出力する。
NOx濃度センサ23は、排気系9において排気浄化部12の上流側を流れるエンジン8の排気のNOx濃度を検出可能に設けられている。これにより、NOx濃度センサ232は、排気浄化部12を流れる気体のNOx濃度を「触媒の状態」として検出可能である。NOx濃度センサ23は、制御ユニット26と電気的に接続している。NOx濃度センサ23は、エンジン8の排気に含まれる酸素濃度に応じた信号を制御ユニット26に出力する。
炭化水素濃度センサ24は、排気系9において燃料添加部11の下流側であって排気浄化部12の上流側を流れる排気と燃料添加部11によって添加される添加燃料との混合気に含まれる炭化水素の濃度を検出可能に設けられている。炭化水素濃度センサ24は、制御ユニット26と電気的に接続している。炭化水素濃度センサ24は、排気と添加燃料との混合気の炭化水素の濃度に応じた信号を制御ユニット26に出力する。
触媒温度センサ25は、排気浄化部12の「触媒の状態」としての温度を検出可能に設けられている。触媒温度センサ25は、制御ユニット26と電気的に接続している。触媒温度センサ25は、排気浄化部12の温度に応じた信号を制御ユニット26に出力する。
制御ユニット26は、演算手段としてのCPU、ならびに、記憶手段としてのRAM、および、ROMなどを有するマイクロコンピュータなどから構成されている。制御ユニット26は、燃料添加部11と電気的に接続している。制御ユニット26は、スリップ量演算部261、および、制御部262を有する。
スリップ量演算部261は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、炭化水素濃度センサ24、および、触媒温度センサ25と電気的に接続している。スリップ量演算部261は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、炭化水素濃度センサ24、および、触媒温度センサ25が出力する信号に基づいて排気浄化部12から流出する炭化水素の流出量である炭化水素スリップ量(以下、「HCスリップ量」という)を算出する。また、スリップ量演算部261は、排気浄化部12における炭化水素のNOx除去率を算出する。スリップ量演算部261における演算内容は後述する。
制御部262は、スリップ量演算部261と電気的に接続している。また、制御部262は、燃料添加部11と電気的に接続している。制御部262は、スリップ量演算部261における演算結果に基づいて燃料添加部11における添加燃料の噴射制御の内容、例えば、添加燃料の供給量や噴射タイミングなどを決定し、当該決定された制御内容に応じた指令信号を燃料添加部11に出力する。
制御ユニット26は、このようにして、流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、炭化水素濃度センサ24、および、触媒温度センサ25が出力する信号に基づいて、燃料添加部11を制御する。
次に、制御装置20における排気浄化システムの制御プロセスについて図2〜5に基づいて説明する。図2に制御装置20における排気浄化システムの制御プロセスのメインフローチャートを示す。図3に制御装置20における排気浄化システムの制御プロセスのサブフローチャートを示す。図2に示すフローチャートは、エンジン8が駆動している間、常時実行される。
最初に、ステップ(以下、単に「S」という)101において、排気浄化部12の状態を検出する。S101では、スリップ量演算部261は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、および、触媒温度センサ25が出力する信号に基づいて、排気浄化部12に流入する気体の流量、酸素濃度、および、排気浄化部12の温度を検出する。
次に、S102において、排気浄化部12に流入する気体の種類およびその濃度を検出する。S102では、スリップ量演算部261は、排気浄化部12に流入する気体に含まれる炭化水素の種類およびその濃度、ならびに、窒素酸化物の濃度を検出する。炭化水素の種類およびその濃度は、炭化水素濃度センサ24によって検出する。炭化水素濃度センサ24は、検出した炭化水素の種類およびその濃度に応じた信号をスリップ量演算部261に入力する。窒素酸化物の濃度は、NOx濃度センサ23によって検出する。NOx濃度センサ23は、検出した窒素酸化物の濃度に応じた信号をスリップ量演算部261に入力する。
次に、S103において、窒素酸化物の目標除去率を設定する。S103では、スリップ量演算部261は、S102でNOx濃度センサ23によって検出された窒素酸化物の濃度と規制値に沿った値との比較から窒素酸化物の目標除去率を設定する。
次に、S104において、NOx除去率マップを選択する。ここで、NOx除去率マップとは、炭化水素の種類ごとにそれぞれの炭化水素の窒素酸化物の還元特性をまとめたマップである。NOx除去率マップには、排気浄化部12の温度を基準軸として、排気浄化部12における流量、酸素濃度、および、炭化水素一分子当たりの炭素数(以下、「平均炭素数」という)別にそれぞれの炭化水素の窒素酸化物の還元特性が記載されている。
S104では、スリップ量演算部261は、S101で検出した排気浄化部12を流れる気体の流量、酸素濃度、および、排気浄化部12の温度におけるNOx除去率マップを炭化水素の種類ごとに選択する。
次に、S105において、窒素酸化物の除去に用いる添加燃料の供給量を算出する。S105では、制御部262は、S104においてスリップ量演算部261が選択したマップに基づいて窒素酸化物の目標除去率を達成可能な添加燃料の供給量を算出する。このとき、燃料添加部11における添加燃料の噴射制御の内容は、例えば、比較的短時間に全ての添加燃料を噴射するなど、制御部262に事前に設定されている内容とする。
次に、S106において、目標HCスリップ量を設定する。S106では、スリップ量演算部261は、規制値に沿って目標HCスリップ量を設定する。
次に、S107において、総HCスリップ量を算出する。S107では、S105で算出された添加燃料の供給量に基づいて、燃料添加部11が当該供給量を噴射するときのHCスリップ量の合計である総HCスリップ量を算出する。S107における総HCスリップ量の算出方法を図3に示すサブフローチャートに基づいて説明する。
図3には、図2のS107における総HCスリップ量の算出プロセスのフローチャートを示す。
最初に、S1071において、HC浄化率マップを選択する。S1071では、スリップ量演算部261は、複数のHC浄化率マップから、S101で検出した排気浄化部12の状態およびS102で検出した排気浄化部12に流入する気体に含まれる炭化水素の種類に対応するHC浄化率マップを選択する。ここで、HC浄化率マップとは、炭化水素の種類ごとにそれぞれの炭化水素の排気浄化部12における消費率をまとめたマップである。
具体的には、排気浄化部12に流入する炭化水素は、窒素酸化物の還元に利用される、窒素酸化物の還元に利用されないものの排気浄化部12の触媒によって酸化される、または、炭化水素のまま排気浄化部12から排出される、のいずれかとなる。このうち、排気浄化部12に流入する炭化水素の全量が窒素酸化物の還元に利用されるまたは排気浄化部12の触媒によって酸化されると、HC浄化率は、100%となる。すなわち、HC浄化率とは、排気浄化部12に流入する炭化水素の流入量に対する排気浄化部12における炭化水素の消費量の割合である。
図4にHC浄化率マップの一例を示す。図4には、排気浄化部12が窒素酸化物を還元可能な活性温度領域におけるHC浄化率と平均炭素数との関係を示している。図4では、温度軸T4に沿って、例えば、250度以下の低温領域、250度から450度までの間の中温領域、および、450度以上の高温領域のそれぞれにおけるHC浄化率(図4に示す「RpHC」)と平均炭素数(図4に示す「NuC」)との関係を示している。なお、図4に示す特性図において横軸の平均炭素数のスケールは、低温領域から高温領域まで全て同じにしてある。
また、図4に示す三つの特性図のそれぞれには、分子構造が異なる複数の炭化水素ごとにHC浄化率と平均炭素数との関係を示している。具体的には、直鎖パラフィンの特性を実線L41で示し、オレフィンの特性を点線L42で示している。また、芳香族化合物、ナフテン、または、側鎖を有する炭化水素やパラフィンなどの炭化水素を含む低反応性炭化水素の特性を不等間隔の一点鎖線L43で示し、アルデヒドなど分子内の歪みが比較的小さい含酸素炭化水素の特性を一点鎖線L44で示し、環状エーテルなど分子内の歪みが比較的大きい含酸素炭化水素の特性は二点鎖線L45で示す。なお、図4に示す特性図は、発明者らの実験によって得られたデータに基づいている。
図4に示すように、いずれの炭化水素も平均炭素数が多くなると、HC浄化率が高くなる。また、平均炭素数が多くなると、いずれの炭化水素も直鎖パラフィンのHC浄化率に近づく。
オレフィンは、平均炭素数が同じ直鎖パラフィンに比べHC浄化率が高い。
含酸素炭化水素は、平均炭素数が同じ直鎖パラフィンやオレフィンに比べHC浄化率が高い。また、分子内の歪みが比較的大きい含酸素炭化水素は、分子内の歪みが比較的小さい含酸素炭化水素に比べHC浄化率が高い。特に、低温領域および中温領域において平均炭素数が小さくなると、分子内の歪みが比較的大きい含酸素炭化水素のHC浄化率と分子内の歪みが比較的小さい含酸素炭化水素のHC浄化率との差が大きくなる。
低反応性炭化水素は、平均炭素数が同じ直鎖パラフィンに比べHC浄化率が低くなっている。
S1071では、スリップ量演算部261は、複数のHC浄化率マップからS101で検出した排気浄化部12の状態およびS102で検出した排気浄化部12に流入する気体に含まれる炭化水素の種類に対応するHC浄化率マップを選択する。
次に、S1072において、総HC浄化率を算出する。S1072では、スリップ量演算部261は、S1071で選択したHC浄化率マップに基づいて添加燃料に含まれる炭化水素の種類ごとのHC浄化率を算出し、これを合計することによって総HC浄化率を算出する。
次に、S1073において、S105において算出した添加燃料の供給量を取得する。
次に、S1074において、総HCスリップ量を算出する。S1074では、スリップ量演算部261は、S1072で算出した総HC浄化率とS1073で取得した添加燃料の供給量とに基づいて総HCスリップ量を算出する。総HCスリップ量を算出する計算式は、総HCスリップ量をHCst、添加燃料の供給量をSf、および、総HC浄化率をHCctとすると、以下のように表すことができる。
HCst = Sf×(1−HCct)
図2のメインフローチャートに戻り、S108において、総HCスリップ量が目標HCスリップ量以下であるか否かを判定する。S108では、スリップ量演算部261は、S106で設定された目標HCスリップ量とS1074で算出された総HCスリップ量との大小関係を比較する。総HCスリップ量が目標HCスリップ量以下であると判定されると、S110に進む。総HCスリップ量が目標HCスリップ量に比べ大きいと判定されると、S109に進む。
S108において総HCスリップ量が目標HCスリップ量に比べ大きいと判定される場合、S109において、燃料添加部11の制御内容を変更する。ここで、燃料添加部11の制御内容について、図5を参照して説明する。
図5には、燃料添加部10が排気通路90に噴射する添加燃料の量の時間変化を示す。図5では、横軸に時間を示し、縦軸に一回の添加燃料の供給時間に比べ短い単位時間当たりの添加燃料の供給量(以下、「単位供給量」という)を示す。具体的には、図5において一回の添加燃料は、例えば、時刻t10から時刻t20までの間、時刻t20から時刻t30までの間に行われている。
今回の制御装置20における排気浄化システムの制御プロセスでは、S105において、窒素酸化物の目標除去率を達成可能な添加燃料の供給量が算出されている。このとき、燃料添加部11による添加燃料は、比較的短時間に全ての添加燃料を噴射することとなっている。1回目のS105において設定されている単位供給量の時間変化を点線L51で示す。このときの添加燃料の噴射時間は、時刻t10から時刻t11までの間や時刻t20から時刻t21までの間であって、単位供給量の最大値は、単位供給量Mij1となる(図5参照)。
しかしながら、点線L51で示す燃料添加部11の制御内容では、S108における判定によって総HCスリップ量が目標HCスリップ量に比べ大きいと判定されている。そこで、制御部262は、例えば、図5の実線L52で示すように、単位供給量の最大値を単位供給量Mij1に比べて少ない単位供給量Mij2とする一方、添加燃料の供給時間を時刻t10から時刻t12までの間や時刻t20から時刻t22までの間のように点線L51で示す制御内容に比べ長くする。S109において、制御内容を変更した後、S104に戻る。
次に、S104からS107において、S109で変更された燃料の添加制御における窒素酸化物の目標除去率を達成可能な添加燃料の供給量の算出(S105)、および、総HCスリップ量の算出(S107)を行い、S108において、総HCスリップ量が目標HCスリップ量以下であるか否かを判定する。ここで、総HCスリップ量が目標HCスリップ量に比べ大きいと再び判定されると、再びS109に進む。
また、S108において総HCスリップ量が目標HCスリップ量以下であると判定されると、S110において、添加燃料を噴射する。S110では、制御部262は、燃料添加部11を制御する指令信号を燃料添加部11に出力する。燃料添加部11では、この指令信号に基づいて排気に添加燃料を噴射する。
第一実施形態による制御装置20は、このようにして排気浄化システム1を制御し、窒素酸化物の除去率およびHCスリップ量を所望の値とする。
(a)第一実施形態による制御装置20では、制御ユニット26は、スリップ量演算部261において、流量センサ21、酸素濃度センサ22、および、触媒温度センサ25が検出する排気浄化部12の状態、ならびに、炭化水素濃度センサ24が検出する炭化水素の種類および濃度に基づいてHCスリップ量を算出する。このとき、スリップ量演算部261は、排気浄化部12の温度を基準として炭化水素の種類ごとのHC浄化率に基づいてHCスリップ量を算出する。制御部262は、算出されたHCスリップ量が目標スリップ量以下となるよう燃料添加部11による添加燃料の噴射制御の内容を決定し、燃料添加部11を制御する。これにより、第一実施形態による制御装置20が適用される排気浄化システム1は、大気への炭化水素の排出量を低減することができる。
(b)また、制御装置20では、スリップ量演算部261は、発明者らの実験によって得られた図4に示す複数の炭化水素のそれぞれにおけるHC浄化率と平均炭素数との関係に基づいてHCスリップ量を高精度に算出する。制御部262は、算出されたHCスリップ量が規定値に沿って設定された目標スリップ量以下となるよう燃料添加部11の制御内容を決定する。これにより、燃料添加部11は、排気浄化部12の温度や炭化水素の種類に応じて高精度に算出されたHCスリップ量に基づいて添加燃料を噴射することができるため、大気に排出される炭化水素の量を確実に規制値以下とすることができる。
(c)制御装置20では、スリップ量演算部261は、炭化水素の種類ごとにそれぞれの炭化水素の窒素酸化物の還元特性をまとめたNOx除去率マップに基づいて窒素酸化物の目標除去率を達成可能な添加燃料の供給量を算出する。スリップ量演算部261では、算出した添加燃料の供給量と総HC浄化率との関係から総HCスリップ量を算出する。制御部262は、総HCスリップ量と目標スリップ量との大小関係の判定結果に基づいて燃料添加部11を制御する。これにより、第一実施形態による制御装置20が適用される排気浄化システム1は、大気に排出される炭化水素の量を低減しつつ窒素酸化物の目標除去率を達成することができる。
(d)制御装置20では、一度設定した燃料添加部11の制御内容では総HCスリップ量が目標HCスリップ量に比べ大きいと判定とされると、燃料添加部11の制御内容を総HCスリップ量が目標HCスリップ量以下となるよう変更する。燃料添加部11の制御内容を変更すると、排気浄化部12における炭化水素による窒素酸化物の還元反応の進行の度合いが変わることが考えられる。これにより、第一実施形態による制御装置20が適用される排気浄化システム1は、燃料添加部11における添加燃料の供給量および供給タイミングを窒素酸化物の除去率およびHCスリップ量に対して最適化することができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による排気浄化システムの制御装置を図6に基づいて説明する。第二実施形態は、排気浄化システムの制御プロセスが第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態による制御装置20における排気浄化システムの制御プロセスについて図6に基づいて説明する。図6に制御装置20における排気浄化システムの制御プロセスのフローチャートを示す。図6に示すフローチャートは、排気浄化部12を昇温したいときに実行される。排気浄化部12の昇温する理由として、例えば、エンジン8が駆動直後であって排気浄化部12の触媒の温度が活性温度領域に到達していないときや、排気に含まれる硫黄化合物や炭化水素によって活性が低下している触媒を再生するときなどが挙げられる。
最初に、S201において、第一実施形態のS101と同様に、排気浄化部12の状態を検出する。
次に、S202において、第一実施形態のS102と同様に、排気浄化部12に流入する気体の種類およびその濃度を検出する。
次に、S203において、排気浄化部12の温度が最低活性温度以上であるか否かを判定する。ここで、最低活性温度とは、活性温度領域の最低温度であって、排気浄化部12の触媒が炭化水素を酸化可能な最低温度である。スリップ量演算部261は、触媒温度センサ25が検出する排気浄化部12の温度が最低活性温度以上であるか否かを判定する。排気浄化部12の温度が最低活性温度以上であると判定すると、S204に進む。排気浄化部12の温度が最低活性温度より低いと判定すると、今回の制御プロセスを一旦終了する。
S203で排気浄化部12の温度が最低活性温度以上であると判定されると、S204において、排気浄化部12の温度が目標温度より低いか否かを判定する。ここで、目標温度とは、活性温度領域内の温度であって、効率的に窒素酸化物を除去することが可能な触媒の温度、排気に含まれる硫黄化合物を除去可能な温度、または、排気に含まれる炭化水素を除去可能な温度である。スリップ量演算部261は、触媒温度センサ25が検出する排気浄化部12の温度が目標温度より低いか否かを判定する。排気浄化部12の温度が目標温度より低いと判定すると、S205に進む。排気浄化部12の温度が目標温度以上であると判定すると、今回の制御プロセスを終了する。
S204で排気浄化部12の温度が目標温度より低いと判定されると、S205において、第一実施形態のS1071と同様に、HC浄化率マップを選択する。S205では、スリップ量演算部261は、複数のHC浄化率マップからS201で検出した排気浄化部12の状態およびS202で検出した排気浄化部12に流入する気体に含まれる炭化水素の種類に対応するHC浄化率マップを選択する。
次に、S206において、第一実施形態のS1072と同様に、総HCスリップ率を算出する。S206では、スリップ量演算部261は、S1071で選択したHC浄化率マップに基づいて添加燃料に含まれる炭化水素の種類ごとのHC浄化率を算出し、これを合計することによって総HCスリップ率を算出する。
次に、S207において、第一実施形態のS106と同様に、目標HCスリップ量を設定する。
次に、S208において、炭化水素供給量の上限を算出する。S208では、制御部262は、S206で算出した総HCスリップ率とS207で設定した目標HCスリップ量とに基づいて炭化水素供給量の上限値を算出する。炭化水素供給量の上限値を算出する計算式は、炭化水素供給量の上限値をSfmax、目標HCスリップ量HCsm、および、総HCスリップ量をHCstとすると、以下のようになる。
Sfmax = HCsm/HCst
次に、S209において、第一実施形態のS110と同様に、添加燃料を噴射する。S209では、制御部262は、燃料添加部11を制御する指令信号を燃料添加部11に出力する。燃料添加部11では、この指令信号に基づいて排気に添加燃料を供給する。
第二実施形態による制御装置20は、このようにして排気浄化システム1を制御し、排気浄化部12の触媒を昇温するととともにHCスリップ量を所望の値とする。
一般に、炭化水素化合物を還元剤とする窒素酸化物の非選択接触還元法では、排気浄化部の触媒の温度が目標温度に到達していない場合、燃料添加部が噴射する添加燃料を酸化することによって発生する反応熱を利用して触媒を昇温する。このとき、添加燃料の供給量が不適切だと触媒の昇温が不十分だったり、酸化されなかった炭化水素が外部に排出されたりするおそれがある。
(e)第二実施形態による制御装置20では、スリップ量演算部261は、排気浄化部12の温度が目標温度に到達していないとき、炭化水素の種類ごとのHC浄化率マップに基づいて算出される総HC浄化率を利用して炭化水素供給量の上限を算出する。制御部262は、目標HCスリップ量を維持しつつ、可能なかぎり多くの炭化水素を排気に供給することによって排気浄化部12の昇温を迅速に行う。これにより、第二実施形態による制御装置20が適用される排気浄化システム1は、第一実施形態の効果(a)〜(c)を奏するとともに、触媒の温度が活性温度領域内の温度に到達していないため窒素酸化物を還元できない時間を短縮しつつ大気に排出される炭化水素の量を規制値以下とすることができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による排気浄化システムの制御装置を図7〜10に基づいて説明する。第三実施形態は、排気系に炭化水素を改質可能な改質部が設けられている点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態の排気浄化システム3は、エンジン8に適用され、燃料添加部11、排気浄化部12、改質部13、制御装置30などを有する。なお、図7には、排気浄化システム3における気体の流れを実線矢印Fgで示す。
改質部13は、排気系9の燃料添加部11の下流側に設けられる。改質部13は、制御装置30が有する制御ユニット36の指令に基づいて燃料添加部11が排気通路90に噴射する添加燃料(図7の点線F3参照)に含まれる炭化水素を改質する。改質部13において改質された炭化水素は、排気通路90を通り排気浄化部12に流入する。
改質部13には、改質部13の温度を検出可能な「第二検出部」としての改質部温度センサ131、および、改質部13の温度を変更可能な「温度制御部」としてのヒータ132が設けられている。改質部温度センサ131は、検出した改質部13の温度に応じた信号を制御ユニット36に出力する。
制御装置30は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、炭化水素濃度センサ24、触媒温度センサ25、および、制御ユニット36を有する。第三実施形態では、炭化水素濃度センサ24は、排気系9において改質部13の下流側に設けられている。
制御ユニット36は、演算手段としてのCPU、ならびに、記憶手段としてのRAM、および、ROMなどを有するマイクロコンピュータなどから構成されている。制御ユニット36は、燃料添加部11およびヒータ132と電気的に接続している。制御ユニット36は、スリップ量演算部361、および、制御部362を有する。
スリップ量演算部361は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、炭化水素濃度センサ24、触媒温度センサ25、および、改質部温度センサ131と電気的に接続している。スリップ量演算部361は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、炭化水素濃度センサ24、触媒温度センサ25、および、改質部温度センサ131が出力する信号に基づいて排気浄化部12のHCスリップ量を算出する。また、スリップ量演算部361は、排気浄化部12における炭化水素のNOx除去率、および、改質部13の制御可能範囲を算出する。スリップ量演算部361における演算内容は後述する。
制御部362は、スリップ量演算部361と電気的に接続している。また、制御部362は、燃料添加部11およびヒータ132と電気的に接続している。制御部362は、スリップ量演算部361における演算結果に基づいて燃料添加部11における添加燃料の噴射制御の内容およびヒータ132の発熱制御の内容を決定する。制御部362は、当該決定された制御内容に応じた指令信号を燃料添加部11およびヒータ132に出力する。
制御ユニット36は、このようにして、流量センサ21、酸素濃度センサ22、NOx濃度センサ23、炭化水素濃度センサ24、触媒温度センサ25、および、改質部温度センサ131が出力する信号に基づいて、燃料添加部11およびヒータ132を制御する。
次に、制御装置30における排気浄化システムの制御プロセスについて図8〜10に基づいて説明する。図8に制御装置30における排気浄化システムの制御プロセスのメインフローチャートを示す。図9に制御装置30における排気浄化システムの制御プロセスのサブフローチャートを示す。図8に示すフローチャートは、エンジン8が駆動している間、常時実行される。
最初に、S301において、第一実施形態のS101と同様に、排気浄化部12の状態を検出する。
次に、S302において、第一実施形態のS102と同様に、排気浄化部12に流入する気体の種類およびその濃度を検出する。
次に、S303において、改質部13の制御可能範囲を算出する。S303では、スリップ量演算部361は、流量センサ21、酸素濃度センサ22、炭化水素濃度センサ24、および、改質部温度センサ131が出力する信号に基づいて現在の改質部13の流量、酸素濃度、温度、および、空燃比を算出した上で改質部13の制御可能範囲を算出する。
次に、S304において、改質HCマップを選択する。ここで、改質HCマップとは、改質部13の状態ごとに改質部13で生成される炭化水素の種類およびその生成割合をまとめたマップである。スリップ量演算部361は、S303で算出した改質部13の制御可能範囲における改質HCマップを選択する。
ここで、改質部13の制御によって生成される炭化水素の種類について、図10に基づいて説明する。
図10には、改質部13の温度と改質部13の空燃比との関係において生成される炭化水素の種類を示している。図10では、アルデヒドなど窒素酸化物の還元率が比較的高い高活性炭化水素が生成される領域を領域A101で示し、芳香族化合物やナフテンなど窒素酸化物の還元率が比較的低い低活性炭化水素が生成される領域を領域A102で示す。また、炭化水素が酸化することによって主に一酸化炭素などに変化する領域を領域A103とする。なお、図10に一点鎖線で示す境界は厳密な境界ではない。
図10に示すように、改質部13の温度および改質部13の空燃比を変更することによって、改質部13で生成される炭化水素の種類が変化する。例えば、比較的低温で空燃比がリッチな条件で改質部13から低活性炭化水素が比較的多く排出される場合、改質部13の温度を上げるとともに空燃比をリーンな条件にすると(図10に示す点線矢印F10)、高活性炭化水素が生成されやすくなる。
次に、S305において、生成可能な炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを選択する。S305では、スリップ量演算部361は、S304において選択した改質HCマップに基づいて、改質部13において生成可能な炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを選択する。
次に、S306において、第一実施形態のS103と同様に、窒素酸化物の目標除去率を設定する。
次に、S307において、第一実施形態のS104と同様に、NOx除去率マップを選択する。
次に、S308において、窒素酸化物の目標除去率を達成可能な炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを選択する。S308では、スリップ量演算部361は、S305で選出された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせのうち、窒素酸化物の目標除去率を達成可能な組み合わせを選択する。窒素酸化物の目標除去率を達成可能な組み合わせが複数選択可能な場合、複数の組み合わせをそのまま選択しておく。また、S305で選出された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせでは窒素酸化物の目標除去率を達成不可能な場合、窒素酸化物の除去率が最大となる組み合わせを選択する。このとき、制御部362は、炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせに対応する改質部13の温度を記憶するとともに当該組み合わせに対応する添加燃料の供給量を算出する。
次に、S309において、第一実施形態のS106と同様に、目標HCスリップ量を設定する。
次に、S310において、組み合わせごとの総HCスリップ量を算出する。S310では、S308で選択された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせ、ならびに、算出された添加燃料の供給量に基づいて、組み合わせごとの1回の添加燃料の供給におけるスリップ量の合計である総HCスリップ量を算出する。S310における組み合わせごとの総HCスリップ量の算出方法を図9に示すサブフローチャートに基づいて説明する。
最初に、S3101において、第一実施形態のS1071と同様に、HC浄化率マップを選択する。S3101では、スリップ量演算部361は、S308において選択された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせごとにHC浄化率マップを選択する。したがって、S308において窒素酸化物の目標除去率を達成可能な組み合わせが複数選択されている場合、複数のHC浄化率マップが選択される。
次に、S3102において、第一実施形態のS1072と同様に、総HC浄化率を算出する。S3102では、スリップ量演算部361は、S308において選択された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせごとに、S3101で選択したHC浄化率マップに基づいて改質部13が生成する炭化水素の種類ごとのHC浄化率を算出する。スリップ量演算部361は、算出したHC浄化率を合計することによって組み合わせごとの総HC浄化率を算出する。したがって、S308において窒素酸化物の目標除去率を達成可能な組み合わせが複数選択されている場合、複数の総HC浄化率が算出される。
次に、S3103において、第一実施形態のS1073と同様に、S308において算出した添加燃料の供給量を取得する。S3103では、スリップ量演算部361は、S308において選択された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせのそれぞれに対応する添加燃料の供給量を取得する。
次に、S3104において、第一実施形態のS1074と同様に、総HCスリップ量を算出する。S3104では、スリップ量演算部361は、S308において選択された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせごとに、S3102で算出した総HCスリップ率とS3103で取得した添加燃料の供給量とに基づいて総HCスリップ量を組み合わせごとに算出する。総HCスリップ量を算出する計算式は、第一実施形態と同様である。
図8のメインフローチャートに戻り、S311において、総HCスリップ量が目標HCスリップ量以下となる炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを選択する。S311では、スリップ量演算部361は、S310で算出された組み合わせごとの総HCスリップ量とS309で設定された目標HCスリップ量との大小関係を比較し、総HCスリップ量が目標HCスリップ量以下となる炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを選択する。複数の組み合わせが選択される場合、改質部13の温度制御の幅が最も小さい組み合わせを選択する。
次に、S312において、ヒータ132を制御したあと添加燃料を噴射する。S312では、制御部362は、改質部13の温度がS311で選択された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせに対応する温度となるようヒータ132を制御した後、燃料添加部11を制御する指令信号を燃料添加部11に出力する。燃料添加部11では、この指令信号に基づいて添加燃料を排気に供給する。
制御装置30は、このようにして排気浄化システム3を制御し、窒素酸化物の除去率およびHCスリップ量を所望の値とする。
(f)第三実施形態による制御装置30は、改質部13によって所望の炭化水素を生成することが可能である。制御ユニット36では、改質部13を制御することによって生成可能な炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを選択する。スリップ量演算部361は、当該選択された組み合わせにおけるHCスリップ量を排気浄化部12の温度や炭化水素の種類ごとのHC浄化率などに基づいて算出する。制御部362は、演算されたHCスリップ量に基づいてヒータ132による改質部13の温度制御の内容および燃料添加部11による添加燃料の噴射制御の内容を決定し、ヒータ132および燃料添加部11を制御する。これにより、第三実施形態による制御装置30が適用される排気浄化システム3は、第一実施形態の効果(a)〜(c)を奏するとともに、第一実施形態の排気浄化システム1に比べ効率的に窒素酸化物を除去しつつ炭化水素の大気への排出量を低減することができる。
(g)また、第三実施形態による制御装置30では、総HCスリップ量が目標HCスリップ量以下となる炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせが複数選択されるとき、改質部13の温度制御の幅が最も小さい組み合わせが選択される。これにより、窒素酸化物の除去率およびHCスリップ量を所望の値とするときに必要とするエネルギを低減することができる。したがって、第三実施形態による制御装置30は、排気浄化システム3の運転コストを低減することができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態による排気浄化システムの制御装置を図11に基づいて説明する。第四実施形態は、排気浄化システムの制御プロセスが第三実施形態と異なる。なお、第三実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第四実施形態による制御装置30における排気浄化システムの制御プロセスについて図11に基づいて説明する。図11に制御装置30における排気浄化システムの制御プロセスのメインフローチャートを示す。図11に示すフローチャートは、エンジン8が駆動直後であって排気浄化部12の触媒の温度が活性温度領域に到達していないときや排気に含まれる硫黄化合物によって活性が低下している触媒を再生するときなど排気浄化部12を昇温したいときに実行される。
最初に、S401において、第三実施形態のS301と同様に、排気浄化部12の状態を検出する。
次に、S402において、第三実施形態のS302と同様に、排気浄化部12に流入する気体の種類およびその濃度を検出する。
次に、S403において、排気浄化部12の温度が最低活性温度以上であるか否かを判定する。スリップ量演算部361は、触媒温度センサ25が検出する排気浄化部12の温度が最低活性温度以上であるか否かを判定する。排気浄化部12の温度が最低活性温度以上であると判定すると、S404に進む。排気浄化部12の温度が最低活性温度より低いと判定すると、今回の制御装置30における排気浄化システムの制御プロセスを一旦終了する。
S403で排気浄化部12の温度が最低活性温度以上であると判定されると、S404において、排気浄化部12の温度が目標温度より低いか否かを判定する。スリップ量演算部361は、触媒温度センサ25が検出する排気浄化部12の温度が目標温度より低いか否かを判定する。排気浄化部12の温度が目標温度より低いと判定すると、S405に進む。排気浄化部12の温度が目標温度以上であると判定すると、今回の制御装置30における排気浄化システムの制御プロセスを終了する。
S404で排気浄化部12の温度が目標温度より低いと判定されると、S405において、第三実施形態のS303と同様に、改質部13の制御可能範囲を算出する。
次に、S406において、第三実施形態のS304と同様に、改質HCマップを選択する。
次に、S407において、第三実施形態のS305と同様に、改質部13において生成可能な炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを選択する。
次に、S408において、第三実施形態のS3101と同様に、S407において選択された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせごとにHC浄化率マップを選択する。
次に、S409において、第三実施形態のS3102と同様に、S407において炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせごとの総HC浄化率を算出する。このとき、総HC浄化率が所定の値以上の組み合わせを選定する。また、総HC浄化率が所定の値に比べ小さい場合、総HC浄化率が最も大きい組み合わせを選定する。
次に、S410において、第三実施形態のS309と同様に、目標HCスリップ量を設定する。
次に、S411において、炭化水素供給量の上限を算出する。S411では、制御部362は、S409で算出した総HCスリップ率とS410で設定した目標HCスリップ量とに基づいて炭化水素供給量の上限値を算出する。炭化水素供給量の上限値を算出する計算式は、第二実施形態と同様である。
次に、S412において、第三実施形態のS312と同様に、ヒータ132を制御したあと添加燃料を噴射する。S412では、制御部362は、改質部13の温度がS411で選択された炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせに対応する温度となるようヒータ132を制御した後、燃料添加部11を制御する指令信号を出力する。燃料添加部11では、この指令信号に基づいて添加燃料を排気に供給する。
第四実施形態による制御装置30は、このようにして排気浄化システム3を制御し、排気浄化部12の触媒を昇温するととともにHCスリップ量を所望の値とする。
(h)第四実施形態による制御装置30では、スリップ量演算部361は、排気浄化部12の温度が目標温度に到達していないとき、炭化水素の種類ごとのHC浄化率マップに基づいて算出される総HC浄化率を利用して炭化水素供給量の上限を算出する。制御部362は、目標HCスリップ量を維持しつつ、可能なかぎり多くの炭化水素を排気に供給することによって排気浄化部12の昇温を迅速に行う。これにより、第四実施形態による制御装置30が適用される排気浄化システム3では、第一実施形態の効果(a)〜(c)、第二実施形態の効果(e)、および、第三実施形態の効果(f)を奏する。
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態による排気浄化システムの制御装置を図12に基づいて説明する。第五実施形態は、改質部が設けられる位置が第三実施形態と異なる。なお、第三実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第五実施形態の排気浄化システム5は、エンジン8に適用され、燃料添加部11、排気浄化部12、改質部13、「流速制御部」としての供給ポンプ14、制御装置30などを有する。なお、図12には、排気浄化システム5における気体の流れを実線矢印Fgで示す。
排気浄化システム5は、排気系9において排気浄化部12の上流側に接続する還元剤添加管111を有する。還元剤添加管111は、大気中の空気を導入可能に形成されている。燃料添加部11は、還元剤添加管111が有する還元剤添加通路110に添加燃料を供給可能に設けられている。燃料添加部11が還元剤添加通路110に供給する添加燃料(図12の点線F5参照)は、還元剤添加管111に設けられる改質部13に流入し改質される。
炭化水素濃度センサ24は、還元剤添加管111において改質部13の下流側に設けられる。
供給ポンプ14は、還元剤添加管111の燃料添加部11の上流側に大気中の空気を還元剤添加通路110に導入可能に設けられている。供給ポンプ14は、制御ユニット36と電気的に接続している。供給ポンプ14は、制御ユニット36の指令に応じて、還元剤添加通路110を流れる空気の流量を調整することが可能である。
還元剤添加管111において供給ポンプ14と改質部13との間には「第二検出部」としての流量センサ141および酸素濃度センサ142が設けられている。
流量センサ141は、還元剤添加管111において大気から流入する空気と添加燃料との混合気の流量を検出可能に設けられている。流量センサ141は、制御ユニット36と電気的に接続している。流量センサ141は、還元剤添加通路110を流れる空気と添加燃料との混合気の流量に応じた信号をスリップ量演算部361に出力する。
酸素濃度センサ142は、還元剤添加管111において大気から流入する空気と添加燃料との混合気の酸素濃度を検出可能に設けられている。酸素濃度センサ142は、制御ユニット36と電気的に接続している。酸素濃度センサ142は、還元剤添加通路110を流れる空気と添加燃料との混合気の酸素濃度に応じた信号をスリップ量演算部361に出力する。
第五実施形態では、改質部13は、大気から流入する空気と添加燃料との混合気に含まれる炭化水素に対して改質を行う。排気浄化システム5では、大気から流入する空気の流量が供給ポンプ14によって制御可能であるため、改質部13における改質反応の流量に関する制御可能範囲を広げることができる。これにより、ヒータ132による改質部13の温度制御や燃料添加部11による添加燃料の噴射制御とあわせて改質部13で生成される炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを増やすことができる。したがって、第五実施形態による制御装置30が適用される排気浄化システム5は、第一実施形態の効果(a)〜(c)、および,第三実施形態の効果(f),(g)を奏するとともに、第三実施形態の排気浄化システム3に比べさらに効率的に窒素酸化物を除去しつつ炭化水素の大気への排出量をさらに低減することができる。
(第六実施形態)
次に、本発明の第六実施形態による排気浄化システムの制御装置を図13に基づいて説明する。第六実施形態は、改質部が設けられる位置が第三実施形態と異なる。なお、第三実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第六実施形態の排気浄化システム6は、エンジン8に適用され、燃料添加部11、排気浄化部12、改質部13、「酸素濃度制御部」としての大気供給バルブ15、制御装置30などを有する。なお、図13には、排気浄化システム6における気体の流れを実線矢印Fgで示す。
排気浄化システム6は、排気系9において排気浄化部12の上流側に接続するバイパス管60を有する。バイパス管60は、燃料添加部11および改質部13が設けられ、両端が排気系9に接続している。バイパス管60の排気系9に接続している端部のうちエンジン8に近い側の端部61からバイパス管60が有するバイパス通路600にエンジン8が排出する排気が流入する。バイパス通路600を流れる排気には、燃料添加部11が噴射する添加燃料(図13の点線F6参照)が添加される。バイパス通路600を流れる排気と添加燃料との混合気は、バイパス管60に設けられる改質部13において改質される。改質部13において改質された炭化水素は、バイパス管60の排気系9に接続している端部のうちエンジン8から遠い側の端部62を通って排気系9に戻される。
炭化水素濃度センサ24は、バイパス管60において改質部13の下流側に設けられる。
大気供給バルブ15は、バイパス管60の燃料添加部11の上流側に設けられている。大気供給バルブ15は、制御ユニット36と電気的に接続している。大気供給バルブ15は、制御ユニット36の指令に応じて自身の開度を制御することによって、バイパス通路600に空気を供給することが可能である。これにより、バイパス通路600を流れる気体の酸素濃度を調整することが可能となっている。
バイパス管60において大気供給バルブ15と改質部13との間には「第二検出部」としての流量センサ151および酸素濃度センサ152が設けられている。
流量センサ151は、バイパス管60において改質部13の上流側を流れるエンジン8の排気の一部、大気供給バルブ15を介して大気から流入する空気、および、添加燃料との混合気の流量を検出可能に設けられている。流量センサ151は、制御ユニット36と電気的に接続している。流量センサ151は、バイパス通路600を流れる排気と空気と添加燃料との混合気の流量に応じた信号をスリップ量演算部361に出力する。
酸素濃度センサ152は、バイパス管60において改質部13の上流側を流れる排気、空気、および、添加燃料との混合気の酸素濃度を検出可能に設けられている。酸素濃度センサ152は、制御ユニット36と電気的に接続している。酸素濃度センサ152は、バイパス通路600を流れる排気と空気と添加燃料との混合気の酸素濃度に応じた信号をスリップ量演算部361に出力する。
第六実施形態では、改質部13は、大気供給バルブ15を介して大気から流入する空気と排気と添加燃料との混合気に含まれる炭化水素に対して改質を行う。排気浄化システム6では、大気供給バルブ15を介して大気から流入する空気の流量を大気供給バルブ15の開度によって制御可能であるため、改質部13における改質反応の酸素濃度に関する制御可能範囲を広げることができる。これにより、ヒータ132による改質部13の温度制御や燃料添加部11による添加燃料の噴射制御とあわせて改質部13で生成される炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを増やすことができる。したがって、第六実施形態による制御装置30が適用される排気浄化システム6は、第一実施形態の効果(a)〜(c)、および,第三実施形態の効果(f),(g)を奏するとともに、第三実施形態の排気浄化システム3に比べさらに効率的に窒素酸化物を除去しつつ炭化水素の大気への排出量をさらに低減することができる。
(第七実施形態)
次に、本発明の第七実施形態による排気浄化システムの制御装置を図14に基づいて説明する。第七実施形態は、バイパス通路に流量制御バルブが設けられている点が第六実施形態と異なる。なお、第六実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第七実施形態の排気浄化システム7は、エンジン8に適用され、燃料添加部11、排気浄化部12、改質部13、「流量制御部」としての流量制御バルブ16、制御装置30などを有する。なお、図14には、排気浄化システム7における気体の流れを実線矢印Fgで示す。
流量制御バルブ16は、バイパス管60の改質部13の下流側に設けられている。流量制御バルブ16は、制御ユニット36と電気的に接続している。流量制御バルブ16は、制御ユニット36の指令に応じて自身の開度を制御することによって、バイパス通路600を流れる気体を調整することが可能となっている。
第七実施形態では、改質部13は、バイパス通路600を流れる排気と添加燃料との混合気に含まれる炭化水素に対して改質を行う。排気浄化システム7では、バイパス通路600を流れる混合気の流量が流量制御バルブ16の開度によって制御可能であるため、改質部13における改質反応の流量に関する制御可能範囲を広げることができる。これにより、ヒータ132による改質部13の温度制御や燃料添加部11による添加燃料の噴射制御とあわせて改質部13で生成される炭化水素の種類およびその濃度の組み合わせを増やすことができる。したがって、第七実施形態による制御装置30が適用される排気浄化システム7は、第一実施形態の効果(a)〜(c)、および,第三実施形態の効果(f),(g)を奏するとともに、第三実施形態の排気浄化システム3に比べさらに効率的に窒素酸化物を除去しつつ炭化水素の大気への排出量をさらに低減することができる。
また、第七実施形態では、第六実施形態に比べ大気をバイパス通路600に導入する構成が不要となる。これにより、排気浄化システム7は、第六実施形態の排気浄化システム6に比べ構成を簡素にすることができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、「第一検出部」は、流量センサ、酸素濃度センサ、NOx濃度センサ、および、触媒温度センサであるとした。しかしながら、「第一検出部」はこれに限定されない。排気浄化部の触媒の状態を検出可能であればよい。
上述の実施形態では、図4に示すように、五種類の炭化水素のHC浄化率と平均炭素数とを示すマップに基づいて総HCスリップ量を算出するとした。二種類以上の炭化水素のHC浄化率と平均炭素数とを示すマップに基づけばよい。
上述の実施形態では、排気浄化部に流入する炭化水素の種類およびその濃度は、炭化水素濃度センサによって検出されるとした。しかしながら、炭化水素の種類およびその濃度の情報を取得する方法はこれに限定されない。燃料添加部が噴射する添加燃料の添加量と、エンジンの運転条件とに基づいて排気浄化部に流入する炭化水素の種類およびその濃度を決定することが可能なマップから当該情報を得てもよい。この場合、炭化水素濃度センサが不要となるため、制御装置の製造コストを低減することができる。
また、第三〜七実施形態では、改質部温度センサ、供給ポンプまたは大気供給バルブと改質部との間に設けられる流量センサおよび酸素濃度センサが検出する改質部の状態、および、制御部による改質部の制御内容に基づいて排気浄化部に流入する炭化水素の種類および濃度に関する情報を推定してもよい。この場合でも、炭化水素濃度センサが不要となるため、制御装置の製造コストを低減することができる。
上述の実施形態では、燃料添加部の噴射制御の最初の内容は事前に設定されている内容であるした。しかしながら、制御部において最初に設定される燃料添加部の噴射制御の内容はこれに限定されない。
第三〜七実施形態では、「温度制御部」としてヒータを備えるとした。しかしながら、「温度制御部」はこれに限定されない。クーラーによって改質部を冷却してもよい。
上述の実施形態では、「炭化水素濃度制御部」として燃料添加部を備えるとした。しかしながら、「炭化水素濃度制御部」はこれに限定されないし、なくてもよい。内燃機関の燃料を添加燃料として排気に添加可能な構成があればよい。
第五実施形態では、「流速制御部」として大気を供給可能な供給ポンプを備えるとした。しかしながら、「流速制御部」はこれに限定されない。供給ポンプの代わりにバルブを設け、バルブの開度を制御することによって改質部における流速を制御してもよい。
第六実施形態では、「酸素濃度制御部」として排気に空気を混合可能な大気供給バルブを備えるとした。しかしながら、「酸素濃度制御部」はこれに限定されない。
第三〜七実施形態では、改質部における改質反応に影響を与える流量、酸素濃度、炭化水素濃度、および、改質部の温度のいずれかを制御することとした。しかしながら、改質部を制御しなくてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1,3,5,6,7・・・排気浄化システム
5・・・エンジン(内燃機関)
20,30・・・制御装置(排気浄化システムの制御装置)
11・・・燃料添加部
12・・・排気浄化部(触媒)
21・・・流量センサ(第一検出部)
22・・・酸素濃度センサ(第一検出部)
23・・・NOx濃度センサ(第一検出部)
24・・・炭化水素センサ(炭化水素情報取得部)
25・・・触媒温度センサ(第一検出部)
261,361・・・スリップ量演算部
262,362・・・制御部

Claims (18)

  1. 内燃機関(5)の排気系(9)に設けられ、炭化水素化合物を還元剤として排気に含まれる窒素酸化物を還元可能な触媒(12)と、
    前記内燃機関の燃料を添加燃料として排気に添加可能な燃料添加部(11)と、
    を有する排気浄化システムの制御装置であって、
    前記触媒の状態を検出可能に設けられ、前記触媒の状態に応じた信号を出力する第一検出部(21,22,23,25)と、
    前記触媒に流入する炭化水素化合物の種類および濃度に関する情報を取得可能に設けられ、炭化水素化合物の種類および濃度に応じた信号を出力する炭化水素情報取得部(24)と、
    前記第一検出部および前記炭化水素情報取得部と電気的に接続し、前記第一検出部および前記炭化水素情報取得部が出力する信号に基づいて前記触媒から流出する炭化水素化合物の流出量である炭化水素スリップ量を演算するスリップ量演算部(261,361)と、
    前記スリップ量演算部における演算結果に基づいて前記燃料添加部を制御する制御部(262,362)と、
    を備える排気浄化システムの制御装置。
  2. 前記スリップ量演算部は、前記炭化水素情報取得部が濃度に関する情報を取得可能な炭化水素化合物の複数の種類のそれぞれにおける前記触媒に流入する炭化水素化合物の流入量に対する前記触媒における炭化水素化合物の消費量の割合である炭化水素浄化率を示すマップを有する請求項1に記載の排気浄化システムの制御装置。
  3. 前記スリップ量演算部は、炭素数が多くなるにしたがって炭化水素浄化率が高くなることを示す直鎖パラフィンに関するマップを有する請求項2に記載の排気浄化システムの制御装置。
  4. 前記スリップ量演算部は、同じ炭素数の直鎖パラフィンに比べ炭化水素浄化率が高くなることを示すオレフィンに関するマップを有する請求項2または3に記載の排気浄化システムの制御装置。
  5. 前記スリップ量演算部は、同じ炭素数のオレフィンに比べ炭化水素浄化率が高くなることを示す含酸素炭化水素化合物に関するマップを有する請求項2〜4のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  6. 前記スリップ量演算部は、同じ炭素数であって分子内の歪みの大きさが異なる含酸素炭化水素化合物に関するマップを有し、
    当該マップは、分子内の歪みが比較的大きい含酸素炭化水素化合物の炭化水素浄化率が分子内の歪みが比較的小さい含酸素炭化水素化合物の炭化水素浄化率に比べ高くなることを示す請求項2〜5のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  7. 前記スリップ量演算部は、同じ炭素数の直鎖パラフィン、オレフィン、および、含酸素炭化水素化合物に比べ炭化水素浄化率が低くなることを示す低反応性炭化水素化合物に関するマップを有する請求項2〜6のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  8. 前記制御部は、前記燃料添加部と前記触媒との間に設けられ添加燃料に含まれる炭化水素化合物を改質可能な改質部(13)における添加燃料中の炭化水素化合物の改質反応を制御可能である請求項1〜7のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  9. 前記改質部の状態を検出可能に設けられ、前記改質部の状態に応じた信号を前記スリップ量演算部に出力する第二検出部(131,141,142,151,152)をさらに備え、
    前記制御部は、前記第二検出部が出力する信号に応じて前記改質部における炭化水素化合物の改質反応を制御する請求項8に記載の排気浄化システムの制御装置。
  10. 前記炭化水素情報取得部は、前記第二検出部が検出する前記改質部の状態、および、前記制御部による前記改質部の制御内容に基づいて前記触媒に流入する炭化水素化合物の種類および濃度に関する情報を推定する請求項9に記載の排気浄化システムの制御装置。
  11. 前記制御部は、前記改質部における炭化水素化合物の濃度を制御可能な炭化水素濃度制御部(11)を制御可能である請求項8〜10のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  12. 前記制御部は、前記改質部の温度を制御可能な温度制御部(132)を制御可能である請求項8〜11のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  13. 前記制御部は、前記改質部における気体の流速を制御可能な流速制御部(14)を制御可能である請求項8〜12のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  14. 前記制御部は、前記改質部における酸素濃度を制御可能な酸素濃度制御部(15)を制御可能である請求項8〜13のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  15. 前記スリップ量演算部は、前記炭化水素情報取得部が濃度に関する情報を取得可能な炭化水素化合物のそれぞれの種類における窒素酸化物の還元率であるNOx除去率を示すマップに基づいて前記触媒における炭化水素化合物のNOx除去率を演算する請求項1〜14のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  16. 前記スリップ量演算部は,前記触媒における炭化水素化合物の反応熱によって前記触媒の温度が目標温度となるよう添加燃料の供給量を演算する請求項1〜15のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
  17. 前記スリップ量演算部は、炭化水素化合物の反応熱によって前記触媒を昇温するとき、炭化水素浄化率を示すマップおよび目標炭化水素スリップ量に基づいて添加燃料の供給量の上限を算出可能である請求項16に記載の排気浄化システムの制御装置。
  18. 前記炭化水素情報取得部は、前記燃料添加部が排気に添加する添加燃料の量、および、前記内燃機関の運転条件に基づいて前記触媒に流入する炭化水素化合物の種類および濃度に関する情報を推定する請求項1〜17のいずれか一項に記載の排気浄化システムの制御装置。
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