JP5261930B2 - ガス浄化方法,ガス浄化触媒、及び排ガス浄化装置 - Google Patents

ガス浄化方法,ガス浄化触媒、及び排ガス浄化装置 Download PDF

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Description

本発明は、排ガス中の窒素酸化物(NOx)、特に自動車等の内燃機関から排出されるガスを触媒で効率良く無害化する方法、またはガス浄化装置に関する。
NOxは酸性雨の原因となる環境破壊物質の一つである。NOxは自動車等の排ガスに含まれており様々な処理技術が検討されている。自動車業界では、年々厳しくなる排ガス規制に伴い、高除去率を示す触媒やNOx発生を抑制する制御技術などの開発を進めている。従来のガソリン触媒の場合は、三元触媒でNOxの還元,炭化水素(HC)の燃焼,一酸化炭素(CO)の酸化反応を行っていた。しかし、燃費向上の目的で酸素に対し供給される燃料の少ない条件の希薄燃焼で運転される車が年々増加してきている。
リーンバーンガソリンエンジン,ディーゼルエンジン、及び希薄燃焼で運転される
Direct-Injection(DI)エンジンなどは理論空燃比以上の酸素存在下で運転される。希薄燃焼雰囲気では、エンジンからの排ガスは酸素を多く含むことになり、従来のガソリンエンジン用の三元触媒では上述の排ガス中のHC及びCOは除去できるが、NOxを除去できない。このため、従来の三元触媒性能では特にNOxの還元性能が不十分となった。
そこで、現状はエンジン作動制御を工夫することでNOx放出を抑制している。即ち、空燃比を希薄燃焼側からパルス状に通常燃焼側(理論空燃比,過剰燃料状態等)になるように制御することで、希薄燃焼時に収着材に捕獲したNOxを、通常燃焼側時にHCや
CO等の還元剤で還元する。このため、エンジンの制御が複雑化している。
特開2004−322021号公報
高濃度のO2 存在下でNOxを還元除去することは非常に難しい。何故ならNOxの還元剤であるCOやHCが触媒で酸化されやすくなり、NOx還元に使用される還元剤がなくなるからである。本願発明の目的は、上記課題を解決し、高濃度の酸素が存在する条件下で排ガス中を浄化すること、特にNOxを高効率で窒素ガス(N2 )に還元することである。
また、比較的酸素が多い状態でのNOx除去が望まれている自動車,発電所,ボイラ等の内燃機関の排ガスを浄化する浄化装置を提供することにある。
上記課題を解決する本願発明の特徴は炭化水素ガス(HC)を還元剤としてNOxを窒素ガスに還元する触媒に排ガスを接触させ、前記排ガスをさらにHCを燃焼させる触媒に接触させる排ガス浄化方法であって、酸素が理論空燃比よりも高濃度の条件下(A/F>14.7 )で、175〜225℃の低温でNOx浄化を行うことにある。
発明者らは、HCを還元材としてNOxを還元する触媒の検討を進めていた。しかし、高濃度の酸素共存下では、排ガスを触媒と接触させる温度が高いとHCの燃焼が進行するため、NOxを還元することができない。また、低温で排ガスを触媒と接触させると、
HCの一部が燃焼せずに排ガス中に残存する。本願発明によれば、HCの燃焼が進行しにくく、浄化に充分HCを供給可能な225℃以下でNOxをN2 に還元した後、HCを燃焼除去する方法により高効率で排ガスを浄化することができる。
他の本発明の特徴は、高濃度の酸素が存在する条件下でもHCを還元剤として高効率でNOxを低温で無害化する触媒にある。例えば、コバルトまたはその化合物をチタン酸化物またはゼオライトに担持した触媒である。本願発明に使用される触媒は、触媒の粒子の小さいクラスターを使用することが好ましい。例えば、Co4(CO)12 粒子が挙げられる。微粒子クラスターは、分散性が高く、約1nm以下の大きさの粒子である。このような大きさの粒子は電子顕微鏡等で観察困難であるが、通常の金属触媒は粒子が凝集し、観察可能であるために区別が可能である。
また、他の本発明の特徴は、残存するHCを燃焼し、無害化する触媒にある。特に、
NOx除去触媒と同じ温度で反応するものが好ましい。
本発明により、酸素を高濃度で含む排ガスを、複雑な制御を必要とせず高効率で浄化することが可能である。
上述の通り、本発明は、具体的には高濃度のO2 共存下でHCを還元剤として高効率でNOxを低温で無害化する触媒と、HCを燃焼無害化する触媒を用いるものである。NOx浄化触媒に接触させる排ガスは、HCの濃度を高くするため、225℃以下の低温とする必要がある。NOx浄化後に、排ガス中に残存するHCを除去すればよく、NOx還元のための反応条件の制御が不要となる。
本願のNOxを還元するNOx除去触媒は、触媒表面でNOを還元する必要がある。還元のための還元材としては一般的な還元剤を使用することができるが、触媒反応時にガスであることが望ましく、特にHCが望ましい。従って、COやHCを適度に活性化し、
NOx還元反応に供給できる触媒である。
NOxを還元するNOx除去触媒は、具体的には、コバルトをTiO2 またはゼオライトに担持した触媒が挙げられる。TiO2 やゼオライトは触媒酸点を有する担体であり、この担体特性がNOx還元反応に寄与していると推察される。上記ゼオライトとしては、ZSM−5,Y型ゼオライト,X型ゼオライトなどゼオライト類を使用することができる。特にZSM−5が適度な細孔径を有しており好ましい。上記コバルトとしては、Co3O4などの酸化コバルトが挙げられる。また、特定の原子数からなるコバルトのクラスターを使用することが好ましい。クラスターを使用すると、性能が飛躍的に向上した。クラスター化によりコバルトの凝集を抑制でき、活性な表面が多く存在しているためと考えている。
Co以外の活性成分としてはNi,Cu,Fe,Pt,Pd,Auの少なくともいずれかをクラスターとして使用することができる。Ni,Cu,FeはCoと同等の効果、
Pt,Pd,Auは従来のバルクcat.の性能が飛躍的に向上する。
コバルトの担持量は、担体に対しCo金属として5〜15wt%で添加することが望ましい。これより少ないと活性点が少なくて十分なNOx還元性能が得られず、それ以上となると、Coクラスター間の凝集が進行しやすくなるためである。上記の触媒は、CO酸化,NOx還元の能力が高く、CHの酸化率が抑制されている。たとえば、上記のコバルト触媒のC36燃焼率は40〜80%である。触媒反応温度は160〜238℃が好適であり、特に、175〜225℃の範囲が望ましい。
一方、HCを燃焼無害化する触媒は、上記のNOxを還元する触媒を通過したHCを処
理する。NOx還元触媒と同等以下の反応温度で作動する触媒とすることにより、加熱す
る工程を加える必要をなくすことができる。具体的には、Co4(CO)12
Co3C(CO)9Clなどの原子数を制御したクラスターを原料としてゼオライトに担持し
た触媒が有効である。Coの担持量は担体重量に対しCoとして15wt%で担持するの
が好ましい。ゼオライトとしてはZSM型ゼオライトが好ましい。また、NOx除去触媒
と同じ温度以下でHCを酸化する触媒であることが好ましい。NOx除去触媒よりも後流
側で使用されるので、NOx除去後にさらに高温とする必要がないからである。
本発明によれば、低濃度の酸素存在下で、N2 への選択性を向上する触媒を使用する際に、その触媒性能が低下するのを抑制できる。また低濃度のO2 存在下で使用する触媒のプロセスにおいても、活性の低下を抑制できる。従って、触媒の性能を長期間維持し、高いNOx除去率,N2 選択性を得られる。
本発明における触媒は、粒状,柱状,ペレット状などに成形して使用することができる。成形法としては、押し出し成形法,打錠成形法,転動造粒法など目的に応じ任意の方法を採用できる。
本願の対象とする排ガスは、NOxと、酸素と炭化水素を含むガスであって、特にNOx,CO,HC、及びO2 を含むものである。これ以外に水蒸気等を含んでもよい。
触媒の活性成分の性能が低いと、高濃度の酸素存在下でのNOxの除去と還元が起こりにくい。触媒の活性成分の性能が高いと、酸素の濃度に関わらず反応性を向上させることが可能であるが、NOx以外のガス種についても還元効果を示す。従って、高活性な触媒を使用する場合には、排ガスからNOx浄化に使用しない成分を低減しておくことが望ましい。低減する方法としては、ガスを分離・捕捉する方法がある。
また、低濃度のO2 存在下で活性を示すNOxを無害化する触媒を使用する場合には、排ガスからNOx無害化に対する阻害作用を有するガス(炭化水素や水蒸気)を除去することにより性能が低下することを回避できる。例えばこれらのガスを無機多孔体などで捕捉できる。このような触媒としては三元触媒やリーンリッチ触媒などがある。
〔実施例〕
以下、実施例にて本発明を説明するが、これらに限定されるものではない。
本実施例では、Co34を各種担体に担持したNOx除去触媒を調製した。
担体として、ZSM型ゼオライト,TiO2,SiO2,Al23,メソポーラスシリカ(Mesoporous silica:MPS)を使用した。なお、ZSM−5担体は、ゼオライトの一種で、有効細孔径が0.54nm、酸素5員環が連結した構造であり、細孔は直線的なトンネルとジグザグ状のトンネルが直交した構造になっているものである。
参考触媒1>Co34/ZSM−5
担体として、ZSM−5(市販品、ズードケミー製,H−MFI−240)を使用した。ZSM−5は500kgf/cm2でプレス成型し、乳鉢で破砕し、0.5〜1.0mmに整粒した。整粒後、120℃で1時間乾燥し、硝酸コバルト6水和物を純粋に溶解した水溶液を含浸した。含浸後、120℃で1時間乾燥し、500℃で2時間焼成して試験に供した。尚、Coは金属として担体の10wt%となるよう含浸した。
参考触媒2>Co34/TiO2
担体として、TiO2(市販品、堺化学製,CS−200−24S)を使用した。粒状TiO2は、乳鉢で破砕し、0.5〜1.0mmに整粒した。整粒後、120℃で1時間乾燥し、硝酸コバルト6水和物を純粋に溶解した水溶液を含浸した。含浸後、120℃で1時間乾燥し、500℃で2時間焼成して試験に供した。尚、Coは金属として担体の10wt%となるよう含浸した。
参考触媒3>Co34/SiO2
担体として、SiO2(市販品、富士シリシア化学製,CARiACT Q−10)を使用した。粒状SiO2は、乳鉢で破砕し、0.5〜1.0mmに整粒した。整粒後、120℃で1時間乾燥し、硝酸コバルト6水和物を純粋に溶解した水溶液を含浸した。含浸後、120℃で1時間乾燥し、500℃で2時間焼成して試験に供した。尚、Coは金属として担体の10wt%となるよう含浸した。
参考触媒4>Co34/Al23
担体として、Al23(市販品、住友科学製,NKHD−24)を使用した。粒状Al23は、乳鉢で破砕し、0.5〜1.0mmに整粒した。整粒後、120℃で1時間乾燥し、硝酸コバルト6水和物を純粋に溶解した水溶液を含浸した。含浸後、120℃で1時間乾燥し、500℃で2時間焼成して試験に供した。尚、Coは金属として担体の10wt%となるよう含浸した。
参考触媒5>Co34/MPS
担体として、MPS(市販品、ズードケミー製,MCM41)を使用した。MPSは500kgf/cm2でプレス成型し、乳鉢で破砕し、0.5〜1.0mmに整粒した。整粒後、120℃で1時間乾燥し、硝酸コバルト6水和物を純粋に溶解した水溶液を含浸した。含浸後、120℃で1時間乾燥し、500℃で2時間焼成して試験に供した。尚、Coは金属として担体の10wt%となるよう含浸した。
参考触媒1〜5を用いてHCによるNO還元性能を調べた。反応ガス組成は下記とし、HCとしてC36を用いた。
[NO]=0.10(vol%)
[CO]=0.10(vol%)
[O2 ]=4.00(vol%)
[C36]=0.10(vol%)
Balance;He
反応ガスはPTFE(テフロン(登録商標))チューブを用いて石英反応管に導入した。空間速度は20,000h-1 となるよう設定した。反応管の寸法は10mmID×12mmID×800mmLであり、中央に触媒を保持する多孔板を設置した。多孔板の上にはグラスウールを敷き、各種触媒を充填した。触媒は反応管の外側から電気炉で加熱した。反応管入口ガス(反応ガス)及び出口ガス(分解ガス)の分析は、フーリエ変換赤外吸収分析計で行った。
2 生成率(NOx除去率)は次式で算出した。
2生成率(%)=(1−(出口のNO,NO2,N2O量)/(入口のNO,NO2
2O量))×100
また、C36燃焼率は次式で算出した。
36除去率(%)=(1−出口C36量/入口C36量)×100
空間速度は、次式で算出した。
空間速度(h-1)=反応ガス量(ml/h-1)/触媒量(ml)
図1に250〜450℃のN2生成率及びC36燃焼率を示す。参考触媒1,参考触媒2のN2生成率は300℃でそれぞれ33,15%を示した。一方のC36燃焼率は、それぞれ、77%,37%であった。参考触媒5,参考触媒3は95%以上の高いC36燃焼率を示すが、N2生成率は5.5%,7.3%と低く、C36が燃焼で減少し、NO還元反応が進行しにくいものと推定された。また、参考触媒4はC36燃焼率が11%と低く、C36を十分活性化できず、N2生成率が低いと考えられた。
従って、NOxをN2 に還元するための触媒の担体はゼオライト及びチタニアが好適である。なお、SiO2 ,メソポーラスシリカ等を使用する場合は、触媒表面にルイス酸点、ブレンステッド酸点などを設け、担体を触媒酸性質を有するものとすることにより、還元剤であるHCが活性化されるため良いと考えられる。上述の複合化やイオン交換等で酸性質を持たせると良い。また、C36を燃焼除去する触媒の担体としては、SiO2 ,メソポーラスシリカが好適である。
本実施例では、上記参考触媒1で使用したZSM−5担体を使用し、Co原子数が4のCoクラスターを担持した触媒6を作成した。
<触媒6>Co4クラスター/ZSM−5
Co原子数が4のクラスターであるCo4(CO)12を調製した。Co4(CO)12はCo2(CO)8の熱重合で調製した。1.00gのCo2(CO)8を二口フラスコに入れ、N2下で攪拌しながらオイルバス中で60℃に加熱した。加熱は20時間行った。加熱後、フラスコを室温まで徐冷し、固体のCo4(CO)12を得た。以降、Co4(CO)12をCo4と記す。担体は前述のZSM−5を用いた。シュレンク管に入れた200mgのZSM−5を、攪拌しながら真空下で195℃で2時間乾燥した。乾燥後、N2グローブボックス内でシュレンク管にCo4を添加した。Co4の添加量はZSM−5の重量に対してCo量として10wt%とした。Co4とZSM−5粉末をよく攪拌し、約20mlの無水エーテルを添加した。混合物はN2下で室温で48時間攪拌した。攪拌後、エーテルを真空吸引し、触媒粉末を得た。触媒粉末は200kgf/cm2でプレス成型し、乳鉢で破砕し、0.5〜1mm粒径に整粒した。
本実施例では、触媒6と参考触媒1を比較し、クラスター化の効果を調べた。
反応ガス組成,条件は下記であり、実施例1と同様に性能を確認した。
[NO]=0.10(vol%)
[CO]=0.10(vol%)
[O2]=4.00(vol%)
[C36]=0.10(vol%)
Balance;He
図2に150〜250℃のN2生成率及びC36燃焼率を示す。コバルトのクラスターを担体に担持した触媒は、高濃度のO2存在下でも高いNOx浄化活性を示した。図2によれば、160〜238℃において、30%のN2生成率(NO浄化率)を達成できる。特に、150〜200℃では、触媒6が参考触媒1より高い性能を示し、150℃で19%、200℃で59%となった。250℃では参考触媒1と同等であった。この結果からコバルトクラスターを使用することで、特に低温時の150℃,200℃の性能が向上したといえる。触媒6のC36燃焼率は150,200℃では、23%,89%であったが、250℃では99%となっている。触媒6のN2生成率が高温で低下した理由は、NO還元反応に使用できるC36がほとんどなかったためと考えられる。
通常、触媒の活性成分の特に活性な部分は相互に反応しやすいため、凝集体が形成されやすい。しかし、原子の数を制御してクラスターとすることで、反応面をより多く存在させることが可能であったと考えている。同様のクラスターを形成できる原子の例としては、コバルト,ニッケル,銅,鉄,白金,パラジウム,金がある。これらの原子を用いたクラスターであっても、触媒活性を得られると思われる。これらのクラスターは、金属原子を金属原子,金属酸化物、または配位子を有する金属として含む。配位子としては、一般的な配位子を使用することができる。
例えば、コバルトでは、配位子を有するコバルトクラスターとすることでコバルトの原子数を制御できる。特に配位子をCOとした場合、コバルトとCOが配位結合をしており、容易に脱離させることができ、活性な表面が出易いと考えられる。この配位子を有するクラスターを担体上に分散させることで、コバルトクラスターの凝集を数nm以下に抑制することができる。
本結果より、NOx浄化のための反応温度は、約150〜300℃が好ましいが、特に、175〜225℃では長時間Coクラスターの形態を保持するので望ましい。300℃以上では、還元剤が酸化されて反応に使用できなくなる。また、150℃以下での使用は、排ガス中に水蒸気を多量に含む場合等は、水の凝縮などが起こりやすくなるため、不適である。
本実施例では、触媒6のクラスター量を変化させた触媒7〜10を用いて、触媒のクラスター量の依存性を調べた。反応ガス組成,条件,装置は実施例2と同様とし、反応温度は200℃とした。
<触媒7>Co4クラスター/ZSM−5
触媒6と同様の方法でCo4を調製した。担体は前述のZSM−5を使用した。添加するCo量として4wt%とした以外は触媒6と同じ方法で調製した。
<触媒8>Co4クラスター/ZSM−5
触媒6と同様の方法でCo4を調製した。担体は前述のZSM−5を使用した。添加するCo量として7.5wt% とした以外は触媒6と同じ方法で調製した。
<触媒9>Co4クラスター/ZSM−5
触媒6と同様の方法でCo4を調製した。担体は前述のZSM−5を使用した。添加するCo量として15wt%とした以外は触媒6と同じ方法で調製した。
<触媒10>Co4クラスター/ZSM−5
触媒6と同様の方法でCo4を調製した。担体は前述のZSM−5を使用した。添加するCo量として20wt%とした以外は触媒6と同じ方法で調製した。
図3に各種組成の触媒のN2 生成率を示す。クラスター量が5〜20wt%の全てで高活性を示した。Co量が4wt%のとき48%、7.5wt%のとき64%、10wt%のとき61%、15wt%のとき52%、20wt%のとき48%となった。特に7.5〜10wt%で60%以上を示した。C36燃焼率は、Co量が4wt%のとき37%、7.5wt%のとき80% 、10wt%のとき89%、15wt%のとき97%、20
wt%のとき59%となった。N2生成率の高い7.5〜10wt%ではC36燃焼率は
90%未満であった。
今回使用したZSM−5では、NOx除去のためには、Co原子として5〜20wt%となるよう添加することが好ましい。特に7.5 〜15wt%が望ましい。また、C36除去のためには、10〜17.5wt% が望ましい。
上記結果より、担体に担持する活性成分の量は多すぎるとクラスター同士の凝集が起こりやすくなり、逆に少ないと、排ガス浄化効果が少ないことがわかった。
以下、上記の触媒を使用した場合のCH及びNOxを浄化する本発明のシステム例を示す。なお、触媒は適宜変更可能である。
図4は本実施例のシステムフローである。
内燃機関より排出された排ガス1を、HCを還元剤として使用するNOx除去触媒に接触させる。自動車排ガスやボイラ等の内燃機関から排出される排ガスには、通常、NOx,CO,炭化水素が少なくとも含まれる。その結果、排ガス中のNOx,CO、及びHCが除去される。NOx除去触媒の性質からNOx除去触媒を通過した排ガス2中にはHCの一部が残存する。このHCをHC除去触媒に接触させて除去する。
排ガス1のHC量がNOx還元反応に十分でないときは、NOx除去触媒の処理ガス中にHCを添加してHC/NOx比を制御してもよい。HCの添加位置は、排ガス1の配管に事前に添加してもよく、またNOx除去触媒に排ガス1とは別に供給してもよい。
上述の通り、高いNOx浄化率を有する条件でNOx除去触媒を使用した場合には、排ガス中に炭化水素が残留する。残留した炭化水素をHC除去触媒で除去する。排ガス2の酸素量がHCの燃焼反応に十分でないときは、酸素ガスや大気等を排ガスに供給してもよい。O2 の添加位置は、排管から排ガス1または2に事前に添加してもよく、またHC除去触媒に排ガス2とは別に供給してもよい。
NOx除去触媒とHC除去触媒は、排ガス流れ方向の先に接触する位置にNOx除去触媒を設置し、後流側,外側にHC燃焼触媒を設置する。これらの触媒を配管内に夫々設けてもよいが、一般的には、排ガスの余熱を利用して触媒を加熱するため、組み合わせて使用してもよい。なお、各触媒はハニカムなどの一般的担体に担持してよい。図5及び図6はNOx除去触媒とHC除去触媒の設置方法の例である。図5は一の担体の上流側にNOx除去触媒を形成し、後流側にHC除去触媒を形成した例である。図6は一の担体にHC除去触媒を担持し、その上層にNOx除去触媒を担持した例である。
排ガス中のNOxを高効率で除去し、N2 にすることができる。
本触媒の性能を示す図である。 本触媒の性能を示す図である。 本触媒の性能を示す図である。 本システムの構成を示す図である。 本システムの構成を示す図である。 本システムの構成を示す図である。

Claims (7)

  1. 内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガスの浄化方法であって、
    コバルトクラスターを担持したNOx除去触媒により、前記排ガス中の窒素酸化物を炭
    化水素で還元し除去するNOx除去工程と、
    前記排ガス中の炭化水素を燃焼させ除去するHC除去工程とを有することを特徴とする
    排ガス浄化方法。
  2. 内燃機関から排出され、理論空燃比より酸素の多い排ガスを浄化する排ガスの浄化方法
    であって、
    炭化水素と窒素酸化物を反応させるコバルトクラスターを担持したNOx除去触媒を炭
    化水素が完全に燃焼する温度以下で保持し、前記NOx除去触媒に前記排ガスを接触させ
    、前記排ガス中の窒素酸化物を炭化水素で還元し除去するNOx除去工程と、
    炭化水素を酸化させ除去するHC除去触媒に前記排ガスを接触させ、前記排ガス中の炭
    化水素を燃焼させて除去するHC除去工程と、
    を有することを特徴とする排ガス浄化方法。
  3. 請求項2に記載された排ガス浄化方法において、
    前記NOx除去触媒を150〜300℃で保持し、前記排ガス中の炭化水素と窒素酸化
    物を反応させることを特徴とする排ガス浄化方法。
  4. 希薄燃焼状態で運転される内燃機関の排ガス流路に設置され、前記内燃機関の排ガスを
    浄化する排ガス浄化装置であって、
    前記排ガス浄化装置は、窒素酸化物と炭化水素を反応させ、窒素酸化物を還元するコバ
    ルトクラスターを担持したNOx除去触媒と、排ガス中の炭化水素を酸化するHC除去触
    媒を有し、
    前記HC除去触媒は前記NOx除去触媒の排ガスの流路の後流側に設けられていること
    を特徴とする排ガス浄化装置。
  5. 請求項4に記載された排ガス浄化装置であって、
    前記NOx除去触媒は、前記コバルトクラスターである活性成分をTiO2担体またはゼオライト担体に担持した触媒であることを特徴とする排ガス浄化装置。
  6. 請求項5に記載された排ガス浄化装置であって、前記コバルトは金属換算で担体に対し
    5〜15%担持されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  7. 請求項4に記載された排ガス浄化装置であって、前記HC除去触媒は、ゼオライト担体
    に活性成分としてコバルトクラスターであるCo3C(CO)9Cl又は、Co4(CO)12担持させたものであることを特徴とする排ガス浄化装置。
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