JP5821254B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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本発明は、自動車、二輪車などのエンジンから排出される排ガス中に含まれる有害成分を除去する排ガス浄化用触媒に関するものであり、特に卑金属の銅を含む排ガス浄化用触媒に関する。
自動車などのエンジンから排出される排ガスには、HC、CO、NOx等の有害成分が含まれている。これらの有害な排ガスを分解除去するために、アルミナ、セリア等の金属酸化物担体に、Pt、Pd、Rh等の白金族元素を主成分とする触媒粉末をコートした触媒が用いられている。
近年の自動車生産台数の増加や各国の排ガス規制強化から、触媒に用いる白金属元素の使用量は増加傾向にある。また、ハイブリッド車のようなエンジンの停止と運転を頻繁に繰り返す車両が多くなってきているが、排気ガスに含まれるNOx等はエンジン冷間始動直後が最も多く、低温における触媒活性の向上の必要性からも白金属元素の使用量は増加傾向にある。ところが、白金属元素は、産出される地域が偏在するために高価な資源であるため、触媒に用いる白金属元素の使用量を低減する必要性があり、そのための技術開発が精力的に行われている。
一方、白金属元素ではなく、資源量が豊富で安価な卑金属を用いた触媒が検討されている(特許文献1)。
特開2009−202127号公報
しかしながら、卑金属元素は白金属元素に比べて、排ガス成分の浄化反応に対する触媒活性が低い。とりわけ、NOxの還元浄化に対しては、卑金属元素と白金属元素との間で、顕著な差がある。
卑金属元素の触媒活性が低い理由として、浄化反応に対して活性を示す金属状態が不安定であり、不活性な酸化物を形成しやすいことが挙げられる。例えば、NOxの還元浄化反応に対しては、卑金属元素の中でCuの活性が高いことが知られているが、Cuは非常に酸化しやすく不安定であり、触媒活性が低下する問題がある。
このためCuの酸化抑制をし得る材料開発が必要と考えられるが、そのようなコンセプトでの実施例は報告されていない。
例えば、特許文献1に記載の排ガス浄化用触媒においては、所定の距離を隔てた第1活性成分及び第2活性成分と、それぞれの活性成分を担持する担体とを有するNOx浄化触媒が記載されているが、第1活性成分の複数の選択肢の1つにAu、第2活性成分の複数の選択肢の1つにCuが挙げられているのみであり、その組み合わせの実施例が具体的に示されていない。第1活性成分及び第2活性成分が空間的に隔てられている構成のため、この方法では、Cuが酸化しやすく触媒活性が低下するおそれがある。NOxの処理にAuを直接作用させるため、コストを下げにくいということも考えられる。また、分子設計上任意の金属組成の化合物を得ることは極めて困難である。
また、排ガス浄化用触媒の製造において、硝酸塩または錯塩の溶液を酸化物担体に含浸させて担体表面に金属酸化物を分散させ、次いで乾燥及び焼成して触媒を形成する方法が一般的であるが、このような方法では、組成が均一な合金粒子を担体上に担持することは困難である。
また、触媒金属の酸化失活を回避する方法として、例えばリッチ(還元雰囲気)運転を利用したエンジン制御を行い、排気中の還元成分によって、酸化した卑金属を還元する方法があるが、燃費の悪化につながるため実用的ではない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、資源量が豊富で安価な卑金属Cuの還元浄化特性を向上し、特にNOに対して浄化能に優れた排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
本発明の排ガス浄化用触媒は、金属酸化物からなる担体と、前記担体に担持された金属粒子とを備える排ガス浄化用触媒であって、前記金属粒子がAu及びCuを含むバイメタリッククラスターであることを特徴とする、排ガス浄化用触媒である。
本発明の排ガス浄化用触媒よれば、金属酸化物の担体に触媒活性点としてCu及びAuを含むバイメタリッククラスターを担持させているため、NOに対するCuの還元浄化特性を高めることができる。
本発明のCu/Auバイメタリッククラスターを担持した触媒の模式図である。 Cu/Au=3/1バイメタリッククラスターの走査型透過電子顕微鏡(STEM)観察像である。 Cu/Au=3/1バイメタリッククラスターの粒径のヒストグラムである。 Cu/Au=3/1バイメタリッククラスターのSTEM観察像である。 Cu/Au=3/1バイメタリッククラスターについての、走査型透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分析(STEM−EDX)による組成分析結果である。 Cu/Au=3/1バイメタリッククラスターについての、X線回折(XRD)測定結果である。 Cu/Au=3/1バイメタリッククラスターについての、in−situ XAFS測定結果である。 Cu/Auバイメタリッククラスター担持触媒のリッチ雰囲気におけるNO浄化特性を示すグラフである。 Cu/Auバイメタリッククラスター担持触媒のストイキ雰囲気におけるNO浄化特性を示すグラフである。 Cu/Auバイメタリッククラスター担持触媒の500℃におけるNO浄化特性を示すグラフである。
本発明の排ガス浄化用触媒は、金属酸化物からなる担体と、担体に担持された金属粒子とを備える排ガス浄化用触媒であって、金属粒子がCu及びAuを含むCu/Auバイメタリッククラスターである、排ガス浄化用触媒である。
CuとAuを組み合わせることによってAuがCuの酸化を抑制して、Cuの高活性な状態を維持することができ、排ガスに含まれるNOに対して、優れた浄化能を示すことができる。
本発明において、Cu/Auバイメタリッククラスター(以下Cu/Auクラスターと表す)とは、数十〜数万個程度のCu原子とAu原子が原子レベルで組み合わされた活性種であり、図1に模式的に示すように、CuとAuの原子が1つの粒子内に共存した構成を有する。Cu/Auクラスターの少なくとも一部が固溶体を形成していてもよい。
Cu/Auクラスター中のCuは、排ガス浄化用触媒の使用中に可逆的な酸化還元を示し得る。Cuは酸化され得るが、排ガス浄化用触媒の使用中に混合ガスを流通させ温度が高まっていくと、Auの作用によって容易に還元され得る。
好ましくは、Cu/Auクラスター中のAu含有量は、0原子%より大きく25原子%以下である。Au含有量がこの範囲内にあるとき、Cu/Auクラスター担持触媒の活性をさらに向上することができる。
さらに好ましくは、Cu/Auクラスター中のAu含有量は、0原子%よりも大きく18原子%以下である。この場合、低温浄化性及び高温域での浄化性がさらに優れた触媒を得ることができる。
Cu/Auクラスターは、Cu及びAuを主成分とするが、他の微量成分を含んでもよい。
Cu及びAuの含有量の比率が異なるCu/Auクラスターを担持させた複合触媒を用いることもできる。例えば、Cu/Auクラスター中のAu含有量が25原子%であるCu:Au=3:1(原子%)のCu/Auクラスターを担持した触媒と、Cu/Auクラスター中のAu含有量が3原子%であるCu:Au=30:1(原子%)のCu/Auクラスターを担持した触媒を併用することで、さらに低温浄化性に優れ、高温域での浄化性にも優れる触媒を形成することができる。
好ましくはCu/Auクラスターの平均粒径は0.1nm〜10nmであり、さらに好ましくは0.5nm〜5nmである。Cu/Auクラスターの平均粒径が上記範囲にあるとき、Cu/Auクラスターをより安定して製造することができ、Cu/Auクラスターの表面積を大きくして触媒活性をより向上させやすい。
Cu/Auクラスターの粒径は、Cu/Auクラスター分散液を乾燥した試料の走査型透過電子顕微鏡(STEM)観察像に基づいて粒径寸法を測定することによって得ることができる。この場合、少なくとも100個のCu/Auクラスター粒子の直径を測定することが好ましい。別法では、Cu/Auクラスターの粒径は、Cu/Auクラスター分散液を乾燥させた試料についてX線回折(XRD)分析を行い、検出ピークの半値幅から結晶子径として測定され得る。
また、好ましくはCu/Auクラスターの平均粒径の標準偏差は10nm以下であり、さらに好ましくは5nm以下である。
本発明においては、銅塩及び金塩を保護高分子とともにアルコール溶媒に溶解させ、この溶液に水酸化物を加えてアルカリ性にして、さらに還元剤を添加することによって、保護高分子に覆われたCu/Auクラスターを溶媒中に分散させたCu/Auクラスター分散液を得ることができる。
そして、金属酸化物担体を分散させた担体分散液とCu/Auクラスター分散液を混合して、保護高分子に覆われたCu/Auクラスターを担体に担持させ、次いで保護高分子を焼成除去することにより、Cu/Auクラスターを担持した触媒を得ることができる。
銅塩としては、溶媒に可溶であって、硫黄等の触媒毒となり得る元素を含まない塩が好ましく、例えば、酢酸銅、硝酸銅、銅アセチルアセトナート錯体等の銅塩を使用することができる。
金塩も同様に、溶媒に可溶であって、硫黄等の触媒毒となり得る元素を含まない塩が好ましく、例えば、塩化金酸、塩化金、テトラアンミン金(II)硝酸塩等の金塩を使用することができる。
保護高分子としては、Cuイオン及びAuイオンとの錯体の形成が可能でCu/Auクラスター微粒子の凝集を抑制することができる高分子を用いることができ、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール等の高分子化合物や、オレイン酸、オレイルアミン等の界面活性剤を使用することができる。
本発明におけるCu/Auクラスターを形成するためには、銅塩及び金塩をできるだけ同時に還元することが必要であることが分かった。そのためには、銅塩に比べて金塩は非常に還元されやすい性質があるため、まず溶媒に保護高分子及び銅塩を溶解させ、これを0〜10℃程度に冷却後、金塩を加えて溶解させ、冷却したまま、この溶液をアルカリ性にすることが好ましい。
溶媒としては、銅塩及び金塩並びに保護高分子を溶解することができ、金属に対して還元作用を有し、且つ150℃程度以上の高沸点を有する溶液が好ましく、例えばテトラエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール等を使用することができる。
水酸化物としては、銅塩及び金塩並びに保護高分子を溶解した溶液をアルカリ性にし、且つ銅塩及び金塩をそれぞれ水酸化物にすることができるものであって、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。溶液のpHは、水酸化物の生成のために、8〜12が好ましく、9〜10がさらに好ましい。
還元剤としては、銅及び金の水酸化物をそれぞれ還元してCu/Auクラスターを形成することができる還元剤を使用することができ、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、ボラン錯体等を使用することができる。また、完全に還元反応を進めるために、溶液に還元剤を添加した後、130〜170℃程度に加熱してもよい。
上記の還元反応により、溶媒中に分散したCu/Auクラスターを得ることができる。
次いで、このCu/Auクラスターが分散した反応溶液から溶媒を除去することができる。テトラエチレングリコール等の高沸点溶媒を除去するために、例えば、保護高分子で覆われたCu/Auクラスターが分散しない溶液を上記反応溶液に加えて希釈して、遠心分離等の方法により、Cu/Auクラスターを沈殿させ、次いで上澄みを除くことによって、Cu/Auクラスターの沈殿物を得ることができる。
保護高分子で覆われたCu/Auクラスターが分散しない溶液としては、アセトン、ヘキサン等が挙げられる。
次いで、Cu/Auクラスターの沈殿物を担体に担持可能な形態にするために、Cu/Auクラスターに、例えばエタノール、メタノール、水等のCu/Auクラスターが分散可能な低沸点のアルコール溶媒を加えて、Cu/Auクラスター分散液を生成することができる。
Cu/Auクラスターを金属酸化物担体に担持させる方法は、従来から用いられている含浸法等の方法を使用することができる。
担体としては、触媒担体として通常用いられる金属酸化物を使用することができ、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア等が挙げられる。またシリカ−アルミナ、ジルコニア−セリアなどの複合酸化物を用いることも可能である。
水等の溶媒中に分散させた金属酸化物担体粉末の分散液と、必要に応じて水等で希釈したCu/Auクラスターの分散液とを、130℃〜170℃程度で加熱攪拌し、分散媒を除去することによって、Cu/Auクラスターを金属酸化物担体に担持させた粉末を得ることができる。
次いで、約100℃〜140℃で乾燥した後、乳鉢で粉砕し、約250〜350℃で焼成することにより、保護高分子を焼成除去して、担体質量基準で、総金属重量0.01〜50wt%のCu/Auクラスターを担持した触媒粉末を得ることができる。また、得られた触媒粉末を約50〜300MPaで加圧プレスすることにより、ペレット状に成型することができる。
本発明について、実施例、参考例、及び比較例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
Cu/Au=30/1のバイメタリッククラスターを担持した触媒の形成
300mLビーカーにテトラエチレングリコール120mLを入れ、PVP K−25(平均分子量35000)7.5g(67.5mmol)と無水酢酸銅1.31g(6.58mmol)を加えて溶解させた。これを氷浴で液温を5℃に冷却し、金濃度30.3wt%の塩化金酸水溶液0.14g(0.22mmol)を加えて溶解させた。同温度で、1N水酸化Na水溶液8mLを加えてpHを10に調節し、500mLセパラブルフラスコに内容物を移した。これを窒素で10分間バブリングした後、テトラエチレングリコール40mLに溶解させた水素化ホウ素ナトリウム1.03g(27.0mmol)を加えて30分間室温で攪拌した。次いで、バス温を150℃に加熱して、同温度で1時間、攪拌を行った後、室温に冷却した。
この反応溶液を3Lビーカーに移し、アセトンで10倍に希釈した。この希釈溶液を遠心分離(3000rpm×10分)して沈殿物を生成し、上澄みを除去した。次いで、沈殿物を80mLのエタノール中に分散させ、CuとAuの原子%比率が約30:1のバイメタリッククラスターであるCu/Au(30/1)クラスター分散液を合成した。
合成したCu/Au(30/1)クラスター分散液を300mLビーカーに入れ、水を加えて150mLに希釈し、マグネチックスターラーで攪拌した。別のビーカーを用意し、アルミナ担体粉末を入れ、50mLの水を加えて分散させた。この担体粉末分散液を、上記の水で希釈したCu/Au(30/1)クラスター分散液に加えて150℃で加熱攪拌することにより、分散媒を除去した。次いで、120℃で12時間乾燥した後、乳鉢で粉砕し、空気中で30時間、300℃で焼成することにより、担体質量基準で総金属量5wt%を担持したCu/Au(30/1)クラスター担持触媒粉末を形成した。
(実施例2)
Cu/Au=9/1のバイメタリッククラスターを担持した触媒の形成
無水酢酸銅を1.22g(6.12mmol)とし、金濃度30.3wt%の塩化金酸水溶液を0.44g(0.68mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で、Cu/Au(9/1)クラスター分散液を合成した。
そして、実施例1と同様の方法で、担体質量基準で総金属量5wt%を担持したCu/Au(9/1)クラスター担持触媒粉末を形成した。
(実施例3)
Cu/Au=3/1のバイメタリッククラスターを担持した触媒の形成
無水酢酸銅を1.02g(5.10mmol)とし、金濃度30.3wt%の塩化金酸水溶液を1.10g(1.70mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で、Cu/Au(3/1)クラスター分散液を合成した。
そして、実施例1と同様の方法で、担体質量基準で総金属量5wt%を担持したCu/Au(3/1)クラスター担持触媒粉末を形成した。
(参考例1)
Cuクラスターを担持した触媒の形成
無水酢酸銅を1.36g(6.80mmol)とし、塩化金酸水溶液を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法でCuクラスター分散液を合成した。
そして、実施例1と同様の方法で、担体質量基準で総金属量5wt%を担持したCuクラスター担持触媒粉末を形成した。
(参考例2)
Auクラスターを担持した触媒の形成
無水酢酸銅を使用せず、金濃度30.3wt%の塩化金酸水溶液を4.41g(6.80mmol)としたこと以外は実施例1と同様の方法で、Auクラスター分散液を合成した。
そして、実施例1と同様の方法で、担体質量基準で総金属量5wt%を担持したAuクラスター担持触媒粉末を形成した。
(比較例1)
Cu担持触媒の形成
300mLビーカーに蒸留水100mLを入れ、硝酸銅3水和物5.71gを加えて室温で10分間、攪拌して均一に溶解させた。次いで、アルミナ担体粉末30gを加えて、ホットスターラーで130℃で加熱することで、溶媒成分を除去した。次いで、これを120℃で12時間乾燥後、乳鉢で粉砕し、空気中で500℃、2時間焼成することより、担体質量基準で銅を5wt%担持した触媒粉末を形成した。
粒径及び組成分析
Cu/Auクラスター分散液について、任意の濃度のエタノールで希釈した後にモリブデングリッドに滴下後乾燥させたものについて、走査型透過電子顕微鏡(STEM、日立製 HD−2000、加速電圧200kV)で観察した。
図2にCu/Au=(3/1)クラスターのSTEM観察像を示す。三谷商事株式会社製画像解析ソフトWinROOFを用いて、STEM観察像から、100個のCu/Auクラスター粒子の直径を測定した。粒子の直径は円相当径である。粒径測定結果から図3のヒストグラムを作成した。Cu/Au=(3/1)クラスター粒子の平均粒径は3nmであり、標準偏差は2.1nmであった。
また、図4のSTEM観察像における箇所1〜5について、走査型透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分析(STEM−EDX、空間分解能0.5nm、加速電圧200kV)を用いて組成分析を行った。箇所1はCu/Auクラスターの中心部、箇所2はCu/Auクラスターの周辺部、箇所3〜5はCu/Auクラスターの全体であり、それぞれについて組成分析を行った。図5に組成分析結果を示す。分析箇所1〜5のいずれの箇所においても、Cu:Auの仕込み量の割合3:1とほぼ同じ割合でCu及びAuが検出された。このように、本発明におけるCu/Auクラスターの製造方法によれば、Cu/Auクラスターに含まれるCu及びAuの含有量の割合を仕込み量とほぼ同じにすることができ、また任意にその割合を変更することが可能である。
XRD分析
Cu/Auクラスター分散液を乾燥させた試料について、XRD分析を行った。XRD分析にはリガク製RINT2000を使用し、X線源CuKα、サンプリング間隔0.02deg、スキャン速度2.4deg/分、発散スリット(DS)2/3deg、散乱スリット(SS)2/3deg、管電圧50kV、及び管電流300mAの条件で、Cu/Auクラスターの回折ピークを測定した。
図6に、実施例3で合成したCu/Au(3/1)クラスターの回折ピークを示す。41.1degにピークがみられた。Cu単独の(111)回折ピークは43.4degであり、Au単独の(111)回折ピークは38.2degにあるが、検出されたピーク位置は、CuとAuのそれぞれのピーク位置の中間からややCu側に寄った位置であり、Cu/Auクラスターの形成を示すものである。また、測定されたピークは、比較的シャープであり、且つCu単独及びAu単独のピークはほとんどみられないため、Cu/Auクラスターの少なくとも一部は、結晶性の良い固溶体を形成していることが示唆される。この回折ピークの半値幅から算出した結晶子径は2.8nmであり、STEM観察から測定した粒子径とほぼ一致した。
Cuの電子状態の分析
Cu/Auクラスター担持触媒粉末及びCuクラスター担持触媒粉末中のCuについて、昇温時の電子状態の変化を比較した。図7に、実施例3で形成したCu/Au(3/1)クラスター担持触媒粉末及び参考例1で形成したCuクラスター担持触媒粉末について、昇温時のCuの電子状態変化を比較した結果を示す。
本分析には、Spring8のBL33XUを使用し、Cu−K吸収端を測定した。X線単色化用モノクロメーターにはSi(111)面を使用した。NO 4000ppm+CO 0.8%+H2O 5%+N2バランスの混合ガス(リッチ)を、100mL/分で流通させ、50℃から500℃まで昇温速度10℃/分で導入ガス温度を上げながら、10℃毎にXANESスペクトルを透過法で測定した。図7の横軸は温度を示す。参考試料としてCu金属箔及びCuOのXANESスペクトルを測定した。実施例3及び参考例1で形成したそれぞれの試料について9020.5eVで測定されたCu−K吸収端エネルギー強度のスペクトルを、同様にCu金属箔について測定した9020.5eVのCu−K吸収端エネルギーの強度で規格化した値を、図7の縦軸に示す。
Cuクラスター担持触媒中のCuについては、200℃付近からCuの還元が開始し、500℃でほぼ全てのCuOが還元される挙動が観察された。これに対して、Cu/Au(3/1)クラスター担持触媒中のCuについては、空気中300℃で焼成された影響で最初は酸化しているが、より低温の100℃未満から還元が進行し、300℃でほぼ全て還元される挙動が観察された。本発明におけるCu/Auクラスター中のCuは、Auの作用により、すぐに還元されやすく、高活性な性質を発揮しやすい状態になることが示された。
触媒活性評価
実施例1〜3、参考例1〜2、及び比較例1で形成した触媒粉末をそれぞれ、196MPaで高圧成型することにより、ペレット状の触媒試料を作成した。
各触媒ペレット2gを用いて、NO 4000ppm+CO 0.8%+H2O 5%+N2バランスの混合ガス(リッチ)を10L/分で、入ガス温度を150℃から500℃に20℃/分で昇温させながら流通させて、入ガス中のNO量及び出ガス中のNO量を測定し、NO浄化率を連続的に測定した。
図8に、NO浄化率を測定したグラフを示す。比較例1のCu担持触媒に比べて、参考例1のCuクラスター担持触媒は若干低温からNOの浄化が開始しておりNOの低温浄化能が優れていることが分かる。
実施例1〜3のCu/Au(30/1)クラスター、Cu/Au(9/1)クラスター、及びCu/Au(3/1)クラスター担持触媒はいずれも、Cu担持触媒及びCuクラスター担持触媒よりも低温から、NOの浄化反応が進行していることが分かった。
同様に、NO 3000ppm+CO 0.3%+N2バランスの混合ガス(ストイキ)を1L/分で流通させて、各触媒ペレット0.2gのNOの浄化性能を評価した。図9に、実施例2及び3で調製したCu/Au(9/1)クラスター及びCu/Au(3/1)クラスター担持触媒のペレット状触媒試料、並びに参考例1で調製したCuクラスター担持触媒のペレット状触媒試料について、入りガス温度を20℃/分で昇温させたときのNO浄化率を測定したグラフを示す。
ストイキ雰囲気においても、Cu/Auクラスター担持触媒は、Cuクラスター担持触媒よりも低温からNOの浄化反応が進行し、高活性を示した。
図10に、各触媒ペレット2gを用いて、実ガス雰囲気に近いガス組成で500℃におけるNO浄化率を測定した結果を示す。実施例1〜3並びに参考例1〜2でそれぞれ形成したCu/Au(30/1)クラスター、Cu/Au(9/1)クラスター、及びCu/Au(3/1)クラスター担持触媒並びにCuクラスター及びAuクラスター担持触媒から作成した触媒ペレット2gを用いて、NO 3000ppm+C36 2000ppmC+CO 1.2%+O2 0.35%+H2O 3%+N2バランスの混合ガス(リッチ)を10L/分で流通させて、入ガス中のNO量及び出ガス中のNO量を測定し、NOの浄化性能を評価した。
500℃の高温雰囲気でプロピレン、酸素等が共存するガス下においても、Cu/Auクラスター触媒の活性は高く、特にAu含有量が40wt%以下、すなわち18原子%以下においてNOに対する浄化性能が高かった。
これらの結果から、本発明においては、資源量が豊富で安価な卑金属Cuを主触媒として機能させることが可能となり、貴金属の使用量を低減しつつ、NOに対する触媒活性及び低温浄化性を向上することができることが分かった。
1 Cu/Auバイメタリッククラスター担持触媒
2 銅原子
3 金原子
4 担体

Claims (2)

  1. 金属酸化物からなる担体と、前記担体に担持された金属粒子とを備える排ガス浄化用触媒であって、前記金属粒子がAu及びCuを含む平均粒径が0.5〜5nmの固溶体であ前記固溶体中の前記Auの含有量が、0原子%より大きく18原子%以下である、排ガス浄化用触媒。
  2. 前記Cuが、排ガス浄化用触媒の使用中に可逆的に酸化及び還元される、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
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