JP5573799B2 - 排ガス浄化触媒およびそれを含む排ガス浄化触媒システム - Google Patents

排ガス浄化触媒およびそれを含む排ガス浄化触媒システム Download PDF

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本発明は、排ガス中の炭化水素(以下、HCと略記することもある。)の選択的酸化能を有する触媒に関する。さらに、本発明はこの触媒を用いた排ガス浄化システムに関する。
近年、地球環境保護の観点から、排ガス規制が世界的に年々強化されている。この対応策として、内燃機関においては、排ガス浄化用触媒が用いられる。この排ガス浄化用触媒において、排ガス中のハイドロカーボン(以下、HCと略記することもある。)、COおよび窒素酸化物(以下、NOxと略記することもある。)を効率的に除去するために、触媒成分としてPt、Pd、Rh等の白金族元素などを含め種々の触媒が使用されている。
従来公知の貴金属の触媒は、ストイキ条件近辺において、HC、CO、NOxを分解することが可能であるものの、いずれも資源枯渇の問題を抱えており、他の金属を用いて従来の貴金属触媒と同程度以上の浄化性能を有する触媒、または貴金属の使用量を少なくすることのできる浄化触媒が求められている。
しかし、例えば、卑金属の浄化触媒を用いると、貴金属触媒より浄化ウィンドウが限定的になるため、リーン〜リッチに条件が時々刻々と変動する実際の運転条件下では、HC、CO、NOxの混合物を一度に浄化することは、困難であった。
さらに、貴金属、卑金属を問わず従来の浄化触媒は、HCにより被毒してしまい、触媒のCO、NOx浄化機能が低下してしまうことが問題となっていた。
こうした背景から、浄化用触媒について種々の改良の試みがなされている。
引用文献1は、触媒活性を有する金属より選ばれた少なくとも1種の金属またはその化合物または金属酸化物を担持したリン酸塩の成形体であることを特徴とする排ガス浄化用触媒などを記載する。
引用文献2は、ジルコニウム、セリウム、ランタン、マンガン、コバルト、亜鉛、およびバナジウムから選択される少なくとも1種の元素で改質された固体アルミノリン酸塩組成物を含むメソ細孔性アルミノリン酸塩物質を含有する触媒組成物と、原料とを接触させることを含む、炭化水素原料を接触分解する方法などを記載する。しかし、この方法は、長鎖の炭化水素を切断する、所謂炭化水素のクラッキングであり、HCの酸化とは全く技術的思想が異なるものである。
特開平06−55075号公報 特開2003−518156号公報
これら公知の触媒を備えた排ガス浄化触媒では、先に分子構造の単純なCOを酸化してしまうなど、HCを選択的に酸化することのできる触媒は存在しておらず、HCを選択的に酸化できる能力の高い触媒が求められている。また、触媒の被毒を防ぐことが求められている。さらに、実際の使用条件下で、HC/CO/NOxなどの混合物を一度に浄化できる浄化システムが求められている。さらに貴金属の使用の低減が求められている。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、本発明の態様により上記課題を解決できることを見いだした。
本発明の態様は、以下のようである。
(1)リン酸アルミニウムにジルコニウムをドープした担体上に、銅が担持されてなる、排ガス浄化触媒であって、該リン酸アルミニウム中のアルミニウムに対する該ジルコニウムのドープ量が、0.05モル比〜0.5モル比である、排ガス浄化触媒。
(2)(1)に記載の排ガス浄化触媒を前段に、Cuを担持したAlの排ガス浄化触媒を後段に用いた、排ガス浄化触媒システム。
(3)(1)に記載の排ガス浄化触媒を前段に、AuとNiとからなる合金を担持したCZ排ガス浄化触媒を後段に用いた、排ガス浄化触媒システム。
本発明の態様により、驚くべきことに、HC、NOx、CO等を含む排ガスにおいて、HCを選択的に酸化できる触媒を提供することが可能となる。それにより触媒の被毒を解決できる。さらにこの本発明の態様に係る触媒は、HC酸化によりCOを生成して還元雰囲気としてNOx浄化を促進するため、還元雰囲気下でしかNOxを還元できなかった卑金属等の触媒であっても、本発明の態様に係る触媒を組み合わせることにより、リーン〜リッチの変動条件下においても、HC、CO、NOxの混合物を一度に浄化できる排ガス触媒システムを提供することが可能となる。さらに本発明に係る触媒により、貴金属使用量の低減を達成することが可能となる。
図1は、本発明一態様に係る触媒を用いた場合の、排ガス中の各成分のガス濃度を温度に対してプロットしたグラフである。 図2は、比較例に係る触媒を用いた場合の、排ガス中の各成分のガス濃度を温度に対してプロットしたグラフである。 図3は、本発明の一態様に係る排ガス浄化触媒システムを含む模式図である。
なお、本明細書中において、無機物の化合物の名称、または(下記に例示するような)含有される金属の比を用いた表記により、これらの組成を有するように生成させても、不純物などを含めて現実的に生成してしまう組成をも含むものとする。したがって、無機物の化合物の名称または含有される金属の比を用いた表記により、例えば、無機化合物の構造中において、例えば、酸素、水素、窒素などの元素が、化学式中±1原子比以下で過剰または過少に存在している組成の無機化合物、すなわち、例えばAlPO中でOの場合のAlPO〜AlPOをも含み、さらに化合物中に表記されていない水素を不純物として有するものなどをも含む。そして例えば、リン酸ジルコニウムアルミニウムはまた、含有されるドープ金属と担持される元素の比などに着目して、例えば、Al0.8Zr0.2POとも表記される。
本発明に係る排ガス浄化触媒システム1は、図3に示すように、エンジン2からの排ガス通路3の、例えばA/F計4の下流に設けられ、排ガス通路に設けられている。そして、HC酸化触媒5およびNOx還元触媒6は、それぞれ排ガス浄化触媒システム1中の、上流に近い前段および下流に近い後段に設けられている。
本発明に係るHC酸化触媒は、上記のように、まず、ドープ金属として、ジルコニウム(Zr)を使用して、リン酸アルミニウム中にドープするものである。ドープの形態については、特に制限なく、リン酸アルミニウム中に少量のジルコニウムがおおよそ一様にドープされていればよい。
ジルコニウムのリン酸アルミニウム中のアルミニウムに対するドープ量は、0.01モル比以上、0.05モル比以上、0.1モル比以上であることができ、0.7モル比以下、0.5モル比以下、0.4モル比以下であることができる。ジルコニウムのドープ量は、HCの選択的浄化可性能を高める上では、0.05モル比以上、0.5モル比以下であることが好ましい。
本発明に係るHC酸化触媒は、上記ジルコニウムをドープしたリン酸アルミニウムに、さらに銅(Cu)を担持させて成るものである。担持の形態については、特に制限なく、ジルコニウムドープリン酸アルミニウム上に銅がおおよそ一様に担持されていればよい。
担持される銅の粒径は、特に制約されないが、例えば、1nm以上、5nm以上、10nm以上であることができ、500nm以下、400nm以下、300nm以下であることができる。
銅のジルコニウムドープリン酸アルミニウムに対する量は、0.01wt%以上、0.1wt%以上、0.5wt%以上であることができ、30wt%以下、20wt%以下、10wt%以下であることができる。
上記のアルミニウム塩とジルコニウム塩を含む混合溶液において用いられる溶媒としては、これらの金属塩を溶解させることができる任意の溶媒、例えば、水などの水性溶媒や有機溶媒等を使用することができる。一般的には、アルミニウム塩とジルコニウム塩は、最終的に得られる金属粒子中のアルミニウムとジルコニウムのモル比になるように上記の溶媒中に添加することができる。
リン酸アルミニウムにジルコニウムをドープさせる方法としては、リン酸アルミニウム中のアルミニウム原子をジルコニウムに置換できる方法であれば特に制限なく、例えば、硝酸アルミニウムおよび硝酸ジルコニルの水溶液中に、リン酸水溶液を加え、さらにアンモニア水を加えてpHを調整するといった、中和法などの公知の方法を用いることができる。
ジルコニウムをドープしたリン酸アルミニウムに銅を担持させる方法としては、特に制限なく、共沈法、含浸法、浸漬法、イオン交換法、乾式混合法、湿式混合法などの公知の方法を用いることができる。
上記製造方法において、アルミニウム、ジルコニウムおよび銅の化合物については、特に限定はなく、例えば、市販の、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩等を使用することができる。
また、本発明に係るHC酸化触媒の焼成温度は、300℃以上、400℃以上、500℃以上、600℃以上であることができ、1100℃以下、1000℃以下、900℃以下、800℃以下であることができる。
焼成温度が、400℃より低いとアンモニウム塩の除去が不完全になり、1000℃より高いと触媒の比表面積の低下が著しくなって、単体のAlPOとあまり変わらなくなってしまうことから、400℃以上、1000℃以下であることが好ましい。さらに比表面積で単体のAlPOの2倍以上に相当する200m/g以上とすることができることから、500℃以上、900℃以下であるとより好ましい。
本発明に係るHC酸化触媒は、特に制限なく、ハニカム、円柱状、球状などのペレット、発泡体に形成されることができる。
さらに、本発明に係るHC酸化触媒は、NOx還元触媒と組み合わせることができる。
特に、NOx還元触媒がHC、Oの存在によって、失活する傾向を有する場合には、本発明に係る触媒をNOx還元触媒の前段に置いて、触媒システムとして組み合わせて使用すれば、NOx還元触媒の性能を低下させることなく好ましい。さらに、このNOx還元触媒が、例えば、酸化剤と還元剤が当量存在するストイキ〜リーン雰囲気下においてもNOxを還元できる場合には、燃費向上を達成でき、より好ましい。
本発明に係る触媒と組み合わせることのできるNOx還元触媒としては、例えば、種々の組成範囲を有する、AuとNiとからなる合金を担持したCeOとZrOとからなる触媒(以下、CeOとZrOとからなる触媒をCZと省略する場合がある。)、銅を担持したAlなどを挙げることができるが、これらに限られない。
本発明が実施形態により、制約されることを意図しないが、より理解の助けとするために、以下に、例示的に実施例および比較例を記載する。
以下の各例において、用いた測定法、測定装置、その他の装置、サンプル等について記載する。
(測定法および測定装置)
(触媒の組成の測定)
XRD(X線回折:X−Ray Diffraction)(PHILIPS製X′PertMRD)によりバルク全体の組成を測定した。
なお、具体的な測定条件は以下のとおりである。
測定方法: FT法(Fixed Time法)
X線源: CuKα
ステップ幅: 0.02deg.
計数時間: 0.5s
発散スリット(DS):2/3deg.
散乱スリット(SS):2/3deg.
受光スリット(RS):0.5mm
管電圧: 50kV
管電流: 300mA
(ナノ粒子の粒子形状と粒度分布の測定)
TEM(Transmission Electron Microscope 透過型電子顕微鏡)(日立製作所(株)社製 HD−2000、加速電圧:200kV)を用いてナノ粒子について形状と粒度分布を測定した。
(ナノ粒子の元素分析の測定)
TEM−EDS(EDS:エネルギー分散型X線分光法)(日立製作所(株)社製 HD−2000、加速電圧:200kV)を用いて、ナノ粒子の組成比を測定した。
(比表面積の測定)
測定方法としてBET吸着法により、比表面積を測定した。
(触媒活性の測定)
下記触媒ペレットをガラス反応管(内側直径:20mm)に厚さ(15mm)で詰め、ガラスウールで固定する。あらかじめ混合したモデル排ガスを、空間速度(SV)200000/時間で、ガラスの反応管に流して、触媒を通過させた。ガスの温度は18℃/分の昇温速度で100℃から600℃まで上昇させた。
HCの場合、HC濃度は、赤外分光光度計(メーカー名;(株)堀場製作所、型番:MEXA−7100H)を用いて測定した。
NOxの場合、NOx濃度は排ガス分析計(堀場製作所 MEXA7100H)で測定した。
(その他の装置類)
遠心分離器:メーカー名;国産遠心器(株)、品番:H−700
(合成例1)
30g(80ミリモル)の硝酸アルミニウム・9水和物および5.35g(20ミリモル)の硝酸ジルコニル・2水和物を、それぞれ100mLのイオン交換水中に溶解させた。100mLの上記硝酸アルミニウム水溶液中に、85wt%リン酸13.84gを含む水溶液1200mlを加えた後、これに100mLの上記硝酸ジルコニル水溶液を混合させた、この混合物に対し28wt%のアンモニア水を滴下して、pHが3.5〜4.5になるように調整して、室温下で12時間攪拌した。目視による観察では、生成された溶液は白濁していた。
この白濁した水溶液を、遠心分離器を用いて、3000回転/分で15分間遠心分離を行い、水溶液を沈殿物と上澄み液に分離し、この沈殿物を、イオン交換水を用いて2回洗浄し、次に室湿度下120℃で12時間乾燥した。得られた乾燥物を破砕して、室湿度下500℃で2時間焼成した。焼成物を室温まで放冷させ、さらに破砕して14.7gの白色の、ジルコニウムがドープされたリン酸アルミニウム粉末が得られた。
銅の担持は、以下に説明する含浸法を用いて行った。ジルコニウムがドープされたリン酸アルミニウム粉末10gを、200mLのイオン交換水中に分散させ、次に、50mLのイオン交換水中に溶解させた1.71g(7.9ミリモル)の酢酸銅(II)一水和物を室温下で加え、次に、この水溶液を攪拌しながら、120℃〜150℃に昇温して水を蒸発させて、9.4gの乾燥物を得た。この乾燥物を破砕して、室湿度下500℃で2時間焼成し、室温まで放冷後、焼成物を破砕して触媒粉末を得た。
(触媒ペレットの作製)
上記触媒粉末をプレス機を用いて、100MPaで加圧した後、これを解砕したものを用いて評価した。
モデル排ガスとしては、体積で、CO:0.6%、C:1000ppm、NO:3000ppm、O:0.44%、HO:3%、N:残余の組成(A/F=14.4相当、リッチ雰囲気)のガス(モデル排ガス1)を用いた。
(実施例1)
Al:Zr=0.8;0.2(モル比)になるようにして生成された銅を担持したジルコニウムドープリン酸アルミニウム触媒(Cuを担持したAl0.8Zr0.2PO)触媒の浄化プロファイルを、上記(モデル排ガス1)を用い、上記(触媒活性の測定)に従って測定した。このAl0.8Zr0.2POの比表面積は、107m/gであった。銅の担持量は、Al0.8Zr0.2POに対して5wt%であった。その結果を図1に示す。
図1に示すように、Cの浄化は昇温と共に進行するが、COの浄化はほとんど進行しなかった。そして排ガス中のCの濃度が低下すると、COの浄化が約500℃近辺から開始した。
上記のように、本発明に係る、Cuを担持したAl0.8Zr0.2PO触媒は、排ガス中のHCを選択的に浄化できることが確認できた。
(実施例2)
Al:Zr=0.9:0.1(モル比)である点を除き実施例1の手順に従ってサンプルを作製し、同様に評価したところ、実施例1とほぼ同様の選択的HC浄化機能を有することが確認された。
(比較例1)
上記(合成例1)において、硝酸ジルコニル・1水和物を用いなかったほかは、(合成例1)と同様に手順により、比較例1の評価サンプルを作製した。このAlPOの比表面積は、104m/gであり、銅の担持量は、AlPOに対して5wt%であった。生成された銅を担持したリン酸アルミニウム触媒(Cuを担持したAlPO)についての浄化プロファイルを、(実施例1)と同様に測定した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、COの浄化が先に始まり、その後にCの浄化が進行した。何らかの理論に拘束されることを意図しないが、380℃近辺からのCO濃度の増加は、Cの不完全酸化によるものと考えられる。
上記のように、比較例1のCuを担持したAlPO触媒は、排ガス中のHCを選択的に浄化できる機能を有さないことが確認された。
(参考合成例1)
硝酸鉄(III)水溶液を用いた含浸担持法により、Feを担持したAl触媒を得た。
(実施例3)
(実施例1)で得られた触媒(実施例3)と、(参考合成例1)で得られたNOx触媒(比較例2)とをC転化率、O転化率、CO残存率の3項目で評価した。
500℃の一定温度である点を除き、上記(モデル排ガス1)を用い、上記(触媒活性の測定)の手順に基づいて測定した。
実施例3(5wt%Cuを担持したAl0.8Zr0.2PO):
転化率 100%、O転化率85%、CO残存率95%
比較例2(5wt%Feを担持したAl):
転化率 41%、O転化率31%、CO残存率78%
上記(実施例3)および(比較例2)の結果から明らかなように、(実施例3)の触媒の方がHCを選択的に酸化する能力が高く、触媒を通ったガス流中のCOの量が多いことが判明した。
(参考合成例2)
硝酸銅(II)水溶液を用いた含浸担持法により、Cuを担持したAl触媒を得た。
(実施例4)
(実施例1)で得られた触媒を前段に配置し(参考合成例2)で得られたNOx触媒を後段に配置した触媒システム(実施例4)、(参考合成例1)で得られた触媒を前段に配置し(参考合成例2)で得られたNOx触媒を後段に配置した触媒システム(比較例3)について、実施例2と同じ条件下で、500℃におけるNOxの転化率を測定した。
実施例4(5wt%Cuを担持したAl0.8Zr0.2PO+5wt%Cuを担持したAl) 100%
比較例3(5wt%Feを担持したAl+5wt%Cuを担持したAl) 55%
上記(実施例4)、(比較例3)の結果から明らかなように、HCを選択的に酸化できる(実施例4)の触媒システムの方が、NOx浄化能力が高いことが判明した。
(参考合成例3)
(AuとNiとからなる合金ナノ粒子の合成)
二又フラスコ中で120mLの無水エチレングリコールに1.1gのポリ−n−ビニルピロリドン(PVP)(製造メーカー名:和光純薬工業(株))を加えた。この混合物に0.1404gの硫酸ニッケルを加えて80℃で3時間撹拝して、溶液(溶液1)を得た。
別に、二又フラスコ中で蒸留水50mLに0.1809gの塩化金酸(HAuCl)を入れ、2時間以上強く撹拝し溶解させて、濃い赤色溶液(溶液2)を得た。
溶液1を冷却バスで0℃まで冷却し、フラスコ中の溶液1に溶液2を注ぎ均一に撹拝した。混合溶液のpHが10となるように1M NaOH溶液(約5mL)で調整した。この混合溶液をオイルバスで100℃に加熱し、攪拌しながら2時間保持した。その後、オイルバスからフラスコを引き上げて、コロイド懸濁液が室温に冷却されるまで放置した。フラスコ内の全てのイオンを完全に還元するため、水素化ホウ素ナトリウム0.038gを加え、その後懸濁液をしばらく放置した。
生成したナノ粒子は、所定量のナノ粒子を含む一定分量を多量のアセトンで処理し、精製した。これにより、保護PVPはアセトンの相に抽出され、メタルのナノ粒子が凝集した。上澄み液を移す(デカンテーション)か、または3000回転/分で15分間の遠心分離によりコロイドを取り出した。アセトン相を取り除いた後、精製したコロイドは純エタノール中に緩やかな攪拌で分散させた。
(参考合成例4)
(AuとNiとからなる合金ナノ粒子のCZ触媒への担持)
100mLのシュレンク管に1gのCeOとZrOとからなる触媒(CZ)を入れた。シュレンク管内を真空に引き、Nを流し込んで配管を洗浄し完全に空気を取り除いた。先に合成したコロイドの懸濁液(精製したものと残りの液との両方)については濃度を把握しておき、Rhに対し、それぞれ0.5wt%相当のAu、Ni金属量を含む精製コロイド懸濁液を、ゴムのセブタムを通してシュレンク管に注入した。混合物を室温で3時間撹拝し、溶媒を減圧除去した。その後、コロイド沈殿物の残りの高分子保護剤を取り除くため、200〜600℃の真空ポンプ減圧下または空気中で焼成した。得られた触媒粉末は、上記の手順に従って成型し、AuとNiと(モル比で50:50)からなる合金を担持したCZ触媒を得た。
(触媒の分析)
得られたAuとNiと(モル比で50:50)からなる合金を担持したCZ触媒について、合金粒子の形状、粒度分布、元素分析をTEMおよびTEM−EDSで行った。
ナノ粒子のサイズは、3.61nm±0.9nmであった。
また、銅被覆グリッド上のAuとNiと(モルで50:50)からなる合金のコロイドについて測定したTEM−EDSスペクトルから、任意の各々の粒子がAu、Niを含むことを示した。
(実施例5)
(実施例1)で得られた触媒を前段に配置し(参考合成例4)で得られたNOx触媒を後段に配置した触媒システム(実施例5)、(参考合成例4)で得られたNOx触媒のみを使用した触媒システム(比較例4)、(参考合成例1)で得られた触媒を前段に配置し(参考合成例4)で得られたNOx触媒を後段に配置した触媒システム(比較例5)、(実施例1)で得られた触媒の代わりに(合成例1)においてAl0.8Zr0.2POの代わりにZSM−5を用いて得た、5wt%Cuを担持したZSM−5触媒を前段に配置し(参考合成例4)で得られたNOx触媒を後段に配置した触媒システム(比較例6)について、500℃の一定温度である点、およびモデル排ガス流は、体積で、NO:1500ppm、O:0.7%、C:1000ppm、CO:0.65%、CO:10%、HO:3%、残余はN(モデル排ガス2、A/F=14.6相当、ストイキ雰囲気)であった点を除き、上記(触媒活性の測定)の手順に基づいて、下記の触媒および種々のガス流について、500℃におけるNOxの転化率を測定した。
実施例5(5wt%Cuを担持したAl0.8Zr0.2PO+5wt%AuとNiとからなる合金を担持したCZ) 87%
比較例4(5wt%AuとNiとからなる合金を担持したCZのみ) 4%
比較例5(5wt%Feを担持したAl+5wt%AuとNiとからなる合金を担持したCZ) 34%
比較例6(5wt%Cuを担持したZSM−5+5wt%AuとNiとからなる合金を担持したCZ) 7%
上記(実施例5)、(比較例4)〜(比較例6)の結果から明らかなように、HC酸化触媒としてCuを担持したAl0.8Zr0.2POを前段に配置した触媒システムは、ストイキ雰囲気下においてもHC/CO/NOxを浄化できることが示された。
本発明によれば、資源枯渇の恐れのある白金族金属を用いることなく、HCを選択的に酸化できる触媒を提供でき、さらに、この触媒は、幅広い排ガス組成において、HCが存在すると活性が充分でなかった触媒との組み合わせをも可能にすることができる。
1 排ガス浄化触媒システム
2 エンジン
3 排ガス通路
4 A/F計
5 HC酸化触媒
6 NOx還元触媒

Claims (3)

  1. リン酸アルミニウムにジルコニウムをドープした担体上に、銅が担持されてなる、排ガス浄化触媒であって、該リン酸アルミニウム中のアルミニウムに対する該ジルコニウムのドープ量が、0.05モル比〜0.5モル比である、排ガス浄化触媒。
  2. 請求項1に記載の排ガス浄化触媒を前段に、Cuを担持したAlの排ガス浄化触媒を後段に用いた、排ガス浄化触媒システム。
  3. 請求項1に記載の排ガス浄化触媒を前段に、AuとNiとからなる合金を担持したCZ排ガス浄化触媒を後段に用いた、排ガス浄化触媒システム。
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