JP5795071B2 - Nox浄化触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、窒素酸化物(以下、NOと略記することもある。)浄化触媒に関し、さらに詳しくは固体中でAu原子とNi原子とを含み低温および/又は酸化雰囲気でNO浄化が可能である新規なNO浄化触媒に関する。
近年、地球環境保護の観点から、排気ガス規制が世界的に年々強化されている。この対応策として、内燃機関においては、排気ガス浄化触媒が用いられる。この排気ガス浄化触媒において、排ガス中のHC(ハイドロカーボン)、COおよびNOを効率的に除去するために、触媒成分としてPt、Au、Rh等の貴金属が使用されている。
この浄化用触媒を用いた自動車、例えばガソリンエンジン車あるいはジーゼルエンジン車では触媒活性とともに燃費の向上を図るために種々のシステムが用いられている。例えば、燃費を上げるために定常運転中では空燃比(A/F)がリーン(酸素過剰)の条件で燃焼させ、触媒活性を向上させるために一時的にストイキ(理論空燃比、A/F=14.7)〜リッチ(燃料過剰)の条件で燃焼させている。
これは、従来公知のPt、Au、Rh等の貴金属触媒は低温および酸化条件でのNO浄化性能が低く、浄化性能を高めるために浄化用触媒を高温にすることとHC又はCO等を加えることによる還元雰囲気を必要とするためである。この触媒活性への影響から、定常運転中でも空燃比(A/F)を大きくできず、前記貴金属触媒では燃費の向上に限界がある。
このように従来公知の貴金属触媒では、浄化性能を得るために浄化用触媒を高温にするためのエネルギーと浄化用触媒を一時的に還元雰囲気にするための燃料とエンジンでの空燃比(A/F)を低くすることが必要であり、自動車用エンジンを始め内燃機関の燃費を向上するためには低温および/又は酸化雰囲気でNO浄化性能を発揮し得る新たな浄化用触媒が求められている。
一方、前記の貴金属触媒はいずれも資源枯渇の問題を抱えており、他の金属を用いて従来の貴金属触媒と同程度以上の浄化性能を有する触媒又は貴金属の使用量を少なくし得る浄化触媒が求められている。
例えば、特開平10−216518号公報には、Auと金属M:Pt、Pd、Ag、Cu、Niの1種又は2種以上との金合金触媒であって、重量比がAu/M=1/9〜9/1であり、合金中のAu固溶量が20〜80重量%である金合金触媒が記載されている。そして、前記公報に具体例として示されている触媒は、AuとMがPd又はPtとの金合金をAl担体に担持した触媒であり還元雰囲気では高いNO浄化性能を発揮するものの低温および/又は酸化雰囲気ではNO浄化性能が低いものである。
また、特開平10−216519号公報には、Au、Pt、Pd、Rh、Ag、Ir、Ru、Osから選ばれる1種又は2種以上の元素と、金属M:Sr、Nb、Li、La、Al、Si、Mg、Ca、Ba、Ce、Nd、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、V、Ta、Cr、Mo、W、Na、K、Be、Sc、Y、In、Sn、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上の元素で構成される金属化合物を、酸素を含有する雰囲気で熱処理して製造される金属微粒子担持酸化物触媒が記載されている。そして、前記公報に具体例として示されている触媒は、AuとMがSr又はLaとの金合金をAl担体に担持した触媒であり還元雰囲気では比較的高いNO浄化性能を発揮するものの低温および/又は酸化雰囲気ではNO浄化性能が極めて低いものである。
また、特開2001−239161号公報には、金属酸化物又は炭素質材料の担体に高温高圧流体を用いてPt、Pd、Rh、Ru、Ir、Os、Au、Ag、Cu、Mn、Fe、Niからなる群から選択される少なくとも一種の金属の超微粒子を担持させた低温有害ガス浄化触媒が記載されている。そして、前記公報に具体例として示されている触媒は、Pt、Pd、Rh、Ru、Ni、Ni又はAuの1種類を担持させた浄化触媒であり還元雰囲気でNO浄化性能を奏することが示されている。
さらに、特開2003−190787号公報には、主成分の12CaO・7Alに金、銀、鉄、亜鉛、マンガン、セリウム及び白金族元素の中から選ばれた1種又は2種以上を担持したエンジン排ガス浄化用触媒が記載されている。そして、前記公報には具体例として主成分の12CaO・7Alに金、銀、白金、パラジウム、銅、鉄、亜鉛、マンガン、セリウム又はロジウムの1種又は銀とロジウム、ルテニウム又は銅との2種類を600℃で焼成し担持させた浄化用触媒は酸素ラジカルによる微粒子物質(Particulate Matter:PM)の酸化反応によって燃焼温度を低下させる効果を奏することが示されている。しかし、前記公報には2種類の金属の位置関係については規定されてなく、前記公報に具体例として示される触媒がNO浄化性能を発揮するものであるか不明である。
特開平10−216518号公報 特開平10−216519号公報 特開2001−239161号公報 特開2003−190787号公報
従って、これら公知の浄化用触媒では貴金属の使用量を低減し且つ低温および/又は酸化雰囲気でNO浄化性能を奏することは困難である。
従って、本発明の目的は、貴金属の使用量を低減し且つ低温および/又は酸化雰囲気でNO浄化性能を奏し得る触媒を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成することを目的として鋭意研究を行った結果、NOの分解反応はNOの解離吸着→N、Oの脱離であり、N脱離温度およびO脱離温度の低い、特にO脱離温度の低い材料が高いNO浄化性能を有し得ることを見出し、さらに検討を行った結果、本発明を完成した。
本発明は、350〜500℃の範囲を含む温度の排気ガスと接触させて排気ガス中のNO を浄化するための窒素酸化物浄化用触媒であって、金属酸化物担体に担持された固体中でAu原子とNi原子とが合金化して存在し、前記固体の平均粒径が1.5〜5.5nmである、前記触媒に関する。
本発明によれば、貴金属の使用量を低減し且つ低温および/又は酸化雰囲気でNO浄化性能を奏し得る触媒を得ることができる。
図1Aは、実施例で得られたAuNi/Al系NO浄化触媒のAuNi(Au:Ni=50:50)ナノ粒子のTEM像である。 図1Bは、上記の倍率を変えたTEM像である。 図1Cは、上記のさらに倍率を変えたTEM像である。 図2Aは、実施例で得られたAuNi/SiO系NO浄化触媒のAuNi(50:50)ナノ粒子のTEM像である。 図2Bは、上記の倍率を変えたTEM像である。 図3は、実施例で得られたAuNi/Al系NO浄化触媒のAuNi(Au:Ni=50:50)ナノ粒子について得られたHRTEM像での100個のナノ粒子の粒径分布を示すヒストグラムである。 図4は、実施例で得られたAuNi/SiO系NO浄化触媒のAuNi(Au:Ni=50:50)ナノ粒子について得られたHRTEM像での100個のナノ粒子の粒径分布を示す粒子サイズの分散ヒストグラムである。 図5は、実施例で得られたAuNi/Al系NO浄化触媒のAuNi(Au:Ni=50:50)ナノ粒子のTEM−EDSスペクトルである。 図6は、実施例で得られたAuNi/SiO系NO浄化触媒のAuNi(Au:Ni=50:50)ナノ粒子のTEM−EDSスペクトルである。 図7は、実施例で得られたAuNi/Al系NO浄化触媒と本発明の範囲外のNO浄化触媒のNO−CO触媒活性を比較して示すグラフである。 図8は、実施例および比較例で得られたNO浄化触媒のNO浄化特性を比較して示すグラフである。 図9は、実施例および比較例で得られたNO浄化触媒のNO浄化特性を示すグラフである。 図10は、実施例および比較例で得られたNO浄化触媒の室温でNOを1Langmuir吸着後のN1s XPSスペクトルである。 図11は、実施例で得られたAuNi/SiO系NO浄化触媒と本発明の範囲外のNO浄化触媒のNO−H触媒活性を比較して示すグラフである。 図12は、本発明の他の実施例で得られた二元金属薄膜NO浄化触媒を製造する一例を示す模式図である。 図13は、本発明の実施例で得られた二元金属薄膜NO浄化触媒についてNOの吸着の可能性のある状態をIn situ XPSスペクトル分析する状態を示す模式図である。 図14は、本発明の実施例で得られた二元金属薄膜NO浄化触媒および比較例で得られた金属薄膜NO浄化触媒の室温でNOを1Langmuir吸着後のN1s XPSスペクトルである。 図15は、本発明の実施例で得られた二元金属薄膜NO浄化触媒および本発明の範囲外の金属薄膜NO浄化触媒又は金属薄膜からのNO解離、OおよびNの脱離温度(高真空下)を示す柱状グラフである。 図16は、実施例のAuNi二元金属薄膜NO浄化触媒と本発明の範囲外のAuFe二元金属薄膜NO浄化触媒におけるNO処理温度と薄膜表面の表面濃度比との関係を示すグラフである。 図17は、担体上のAu、Ni金属原子からのO、Nの脱離と、NO吸着と分解の原理を示す模式図である。 図18は、本発明の実施態様のNO浄化触媒におけるAu−Ni二元金属薄膜による触媒性能の作用機構を説明するための模式図である。 図19は、本発明の範囲外のNO浄化触媒におけるAu−Fe二元金属薄膜による触媒性能の作用機構を説明するための模式図である。 図20は、Au原子とNi原子との割合がAu:Ni=50:50である場合の両原子の位置関係の一例を示す模式図である。 図21は、Au原子とNi原子との割合がAu:Ni=67:33である場合の両原子の位置関係の一例を示す模式図である。 図22は、Au原子とNi原子との割合がAu:Ni=17:83である場合の両原子の位置関係の一例を示す模式図である。 図23は、実施例および比較例で得られたNO浄化触媒のNO浄化特性を比較して示すグラフである。 図24は、実施例および比較例で得られたAuNi/SiO系NO浄化触媒のX線回折である。
本発明のNO浄化触媒は、固体中でAu原子とNi原子とが近接した状態で存在していることが必要である。
前記の固体中でAu原子とNi原子とが近接した状態とは、前記Au原子と前記Ni原子とを、Au原子およびNi原子の一方の原子に接して他方の原子の少なくとも1つが一次粒子であるナノ粒子中又は薄膜中で存在している状態のことをいう。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳説する。
図1A、図1Bおよび図1Cを参照すると、実施例で得られた前記NO浄化触媒は担体の一例であるAl担体粒子上にAu原子とNi原子とがAu:Ni=50:50で近接した状態で担持されていてAu−Ni(50:50)二元金属粒子の粒径が3.76±0.76nmのナノ粒子である。
図3を参照すると、前記NO浄化触媒についてHRTEM多重像の100個のナノ粒子について求めた粒径分布は、ナノ粒子が1.5〜5.5nmの範囲であることを示している。
図5を参照すると、TEM−EDSスペクトルにより、Cuコートグリッド上のNO浄化触媒のAuNi(Au:Ni=50:50)二元金属粒子は、コアシェル粒子であることを示している。
図7から、本発明の実施態様によるAlにAu−Ni合金粒子を担持したNO浄化触媒は、本発明の範囲外のAl担体上にNi単独、Au単独又はAuとNiとの単なる混合物を担持させたNO浄化触媒に比べて300〜500℃の範囲において高いNO−CO触媒活性を有している。特に本発明の前記二元金属の例は約425℃以上の温度で高いNO−CO触媒活性を有していることを示している。また、AuとNiとを併用しても両原子が近接して存在し得ない単なる混合物では、500℃でのNO−CO触媒活性がNi単独のものよりも却って低くなっている。
図8によれば、Alに二元金属を担持したNO浄化触媒の中で、本発明の実施態様によるAuNi系NO浄化触媒は、本発明の範囲外のAuFe系NO浄化触媒に比べて350〜500の範囲の温度で高いNO転化率を示す。また、Au系、AuW系、AuRe系、AuMn系、AuMo系、AuCu(Cu:5.9%)系NO浄化触媒(いずれも本発明の範囲外)は、いずれも500℃でのNO転換率が0%であり、本発明のAuNi系NO浄化触媒が特別な特性を示すことは明らかである。
図9を参照すると、Al担体上にAu原子とNi原子とがAu:Ni=50:50、25:75および75:25で合金化して近接した状態で存在しているAu−Niナノ粒子からなるNO浄化触媒はすべて約425℃以上の温度において良好なNO浄化特性を示している。これらの例の中でも特に、Au:Ni=50:50が最も高いNO転化率を示し、順次、Au:Ni=25:75、Au:Ni=75:25の順にNO転化率が低くなっている。これに対して、Ni、Auの各々単独のナノ粒子およびAuとNiとの単なる混合物をAl担体に担持したNO浄化触媒は500℃でも低いNO転化率しか示さないことが理解される。
図10を参照すると、Al担体上にAu原子とNi原子とがAu:Ni=3:7又は6:4で近接した状態で存在しているAuNiナノ粒子系NO浄化触媒は、本発明の範囲外のNO浄化触媒と比べてNO解離吸着特性が異なっていることが理解される。
図2A、図2Bおよび図4を参照すると、本発明の実施例のSiO担体上にAu原子とNi原子とがAu:Ni=50:50で近接した状態で存在しているAuNi(50:50)二元金属粒子系NO浄化触媒は、平均粒径が4.37±0.97nmのナノ粒子であり、2〜9nmの範囲の粒径分布を有していることが理解される。
図6を参照すると、SiO上のAuNi二元金属粒子(Au:Ni=58:42)はTEM−EDSスペクトルによりAuおよびNiの金属を含んでいることが確認される。
図11から、本発明の実施例によるSiOにAuNi二元金属粒子を担持したNO浄化触媒は、本発明の範囲外のSiO担体上にNi単独、Au単独、AuMn合金を担持したNO浄化触媒に比べて350〜500℃の範囲において高いNO−H触媒活性を示していることが理解される。
図12から、本発明の実施態様によるNO浄化触媒は、酸化物担体基材上のAuとNiとの積層薄膜を加熱処理することによって、AuNi二元金属薄膜/酸化物担体として得ることができる。
このAuNi二元金属薄膜は、図13に示すようにIn situ XPS測定することによって、図14に示すようにAuFe薄膜とは異なるNO解離吸着特性を示すN1s XPSスペクトルを与え得る。
図15を参照すると、本発明におけるAuNi二元金属薄膜によれば、Auの存在がNiからのN脱離、O脱離を促進し、Rhより高い分解性能をもたらすことが理解される。このAuNi二元合金薄膜による効果の理論的な解明はされていないが、NOの分解反応が、NO解離性吸着とそれに続くN、O脱離であり、N、O脱離温度が低いほどNO浄化性能が高いことによると考えられる。図15において、N、Oを脱離し難いことが、本発明の例であるAuNi二元金属以外のどの系も活性を下げている要因と考えられる。従来の触媒であるRhでは、酸化雰囲気ではNO浄化できず、還元雰囲気にして還元し、NO浄化温度よりも低温で酸素除去を促進する必要があった。これに対して、本願発明の実施態様のNO浄化触媒は、AuNi二元金属が活性点を提供しN、Oの脱離温度が下がるため、400℃程度の低い温度でも雰囲気によらずNO浄化を可能にすると考えられる。
さらに、図16によれば、本発明の実施態様のAuNi二元金属薄膜系NO浄化触媒はNO処理温度を200〜650℃の範囲内で変化させても二元金属薄膜表面のNi/Au比は変化しない。この結果は、本発明の範囲外のAuFe二元金属薄膜系NO浄化触媒が、350℃以上のNO処理温度においてFe/Au比率が大幅に変化するのと比べて特異的で、AuNi二元金属系NO浄化触媒は表面を一定に保持しやすいことを示している。
図17に示すように、本発明のAuNi系NO浄化触媒においては、Au原子がO脱離、N脱離のサイトで、Ni原子がNO分解のサイトであると考えられる。
図18に示すように、本発明のAuNi系NO浄化触媒は、構造が安定でAu、Ni原子が動き難く、吸着されている酸素のNiサイトとの結合エネルギー(Ni−O)が2.0eVである。
これに対して、図19に示すように、本発明の範囲外のAuFe系NO浄化触媒は、Feが表面を移動して酸化物を形成し、吸着されている酸素のFeとの結合エネルギー(Fe−O)が3.2eVであり、Ni金属と酸素との結合エネルギーに比べて少し大きい。つまり、AuFe系ではAuNi系に比べてFeとOとの結合力が強く酸化鉄となりやすく、酸化鉄はHなどで還元処理しないと元の金属に戻らない。このHによる還元反応では、AuFe系合金の触媒活性にとって不利なHOが生成し得る。
本発明のNO浄化触媒において、図20に示すように、Au:Ni=50:50の実施態様においては、金属3原子に囲まれたサイトであるホローサイト(Hollow site)がNO解離サイトであると考えられる。
また、本発明のNO浄化触媒において、図21に示すように、Au:Ni=67:37の実施態様においては、金属3原子に囲まれたサイトであるホローサイト(Hollow site)はないが、2種類の金属原子がブリッジを形成し得てNO解離サイトとなり得ると考えられる。
また、本発明のNO浄化触媒において、図22に示すように、Au:Ni=17:63の実施態様においては、AuからNiへの電子供与が少ないので前の2例の実施態様に比べて触媒活性は高くないが、AuがNiの酸化を抑制しているのでNiが酸化し難い効果があり、これが酸化雰囲気での良好なNO浄化性能をもたらし得ると考えられる。
本発明のNO浄化触媒は、前記のように、固体中、例えばナノ粒子又は薄膜中でAu原子とNi原子とが近接した状態で存在していることが必要である。このため、両原子が近接している領域には両原子と合金化可能な他の金属原子は含まれ得る。従って、担体を使用する必要がある場合は、本発明のNO浄化触媒は、例えば担体を構成する材料のナノ粒子を核として両金属が近接したナノ粒子を得るか又は担体基板に前記のAu原子とNi原子とを積層、薄膜化、好適には加熱処理して二元金属化することによって得ることができる。
前記のAu原子とNi原子の両原子と合金化可能な他の金属原子としては、例えば合金化によってAuの耐熱性を改善し得るW(タングステン)を挙げることができる。
また、前記担体としては、Al、SiO、CeO、CeO−ZrOなどの金属酸化物や炭素、炭化ケイ素を挙げることが出来る。
本発明のNO浄化触媒がナノ粒子である場合、前記の担体にAu原子とNi原子とが近接した状態で含まれるナノ粒子を担持させることによって得ることができる。
前記のAu原子とNi原子とが近接した状態で含まれるナノ粒子は、例えば高分子保護材の存在下に、金塩とニッケル塩との混合物を還元剤、例えばポリオール、アルコール、NaBH、ブチルリチウム、アンモニア、ボラン等を用いて還元することによって得ることができる。前記の還元反応は溶液中、好適には水溶液中で攪拌下に行うことが好ましい。
前記還元反応の終了時、高分子保護材を、例えば遠心分離や抽出法などによって分離除去し、得られたAu原子とNi原子とが近接した状態で含まれるコロイド状物と担体とを均一に混合することによって、担体にAu原子とNi原子とが近接した状態で含まれるナノ粒子を担持させ得る。
前記のAu原子とNi原子とが近接した状態で含まれるAu−Ni粒子のサイズは0.2〜100nm程度、好適には2〜10nmであり得る。
前記金塩としては、塩化金酸(HAuCl)、塩化金酸ナトリウム、塩化金酸カリウム、亜硫酸金ナトリウム、亜硫酸金カリウムなどが挙げられる。
前記ニッケル塩として、例えば、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、水酸化ニッケルなどが挙げられる。
前記還元用のポリオールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。前記金イオンおよびニッケルイオンの還元を完了させるために、還元の最終段階で、例えばジメチルアミノホウ素、ジエチルアミノホウ素、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素など又は他のホウ素化合物を還元剤として加えてもよい。
前記高分子保護材としては、ポリ−N−ビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリルアミド、N−ビニルピロリドンとアクリル酸とのコポリマー、ポリビニルピリジン、ポリビニルメチルケトン、ポリ(4−ビニルフェノール)、オキサゾリンポリマー、ポリアルキレンイミンおよび官能基含有の他のポリマーが挙げられる。
そして、本発明のNO浄化触媒が薄膜である場合、最外層はNiの薄層又はAuの薄層のいずれでもあってよい。本発明のNO浄化触媒は、例えば最外層が0.25〜50nm、特に1〜5nmのNi薄層で、最内層は0.25〜50nmのAu薄層である薄膜、又は最外層が0.25〜10nm、特に1〜5nmのAu薄層で、最内層が10〜50nm程度のNi薄層からなる薄膜であり得る。
前記の薄膜において、AuおよびNiの堆積量、還元雰囲気化、加熱温度および加熱時間を変えることによって最外層における両元素の組成を変えることが可能である。
前記の薄膜状のNO浄化触媒は、好適には加熱処理することによってAuとNiとを合金化し得る。
前記の加熱は、例えば赤外線レーザーで堆積物を350〜450℃の温度に加熱して行い得る。
また、前記の加熱は、輻射加熱方式や電子線加熱であってもよい。また、加熱の際に、堆積物を置く試料台はよく加熱された履歴を持つものが好適であり、例えば加熱により反応性の高いガスを放出しないものが望ましい。
本発明のNO浄化触媒は、前記固体がAuとNiとを主成分とする一次粒子又は薄膜であって、固体中のAuとNiとの組成が、Au:Ni=7:93〜91:9(at%)、特に20:80〜80:20(at%)、その中でも40:60〜60:40(at%)であることが好ましい。固体中のAuとNiとの組成が前記の範囲外であると、NO浄化触媒のNO浄化性能が低下する傾向がある。
本発明のNO浄化触媒は、AuとNiとを近接した状態で組み合わせてそしてAu又はNiの単成分ではなし得なかった優れたNO浄化性能を与えるシナジー効果を示す。特に、本発明は他の合金およびRhなどの単一貴金属粒子と比較してNO浄化において特に優れた触媒活性を示す。
本発明のNO浄化触媒によれば、NO浄化活性を上げるための加熱温度を従来の触媒のように高い温度にする必要がなく、酸化雰囲気でもNO浄化活性を有することから、雰囲気を還元状態にするための燃料の使用が不必要になるか大幅に低減することが可能となる。
また、本発明のNO浄化触媒によれば、エンジンでの空燃比(A/F)を低くすることが必要でなく、例えば高い空燃比(A/F)、例えば定常運転時に、ガソリンエンジンの場合はA/F≧20、ジーゼルエンジンの場合はA/F≧30を可能とし得る。
以下、本発明の実施例を示す。
以下の各例において、得られた触媒の評価は以下に示す測定法によって行った。
1.O脱離温度およびN脱離温度の測定
測定方法:加熱温度を変えてAES(オージェ電子分光分析:Auger Electron Spectroscopy)によるピーク強度の測定
測定装置:KITANO SEIKI KCMA2002
2.NO解離性吸着温度の測定
測定方法:加熱温度を変えてXPS(X線光電子分光法)スペクトル測定
測定装置:φESCA1600
3.触媒の二元金属組成の測定
測定方法:XRD(X線回折:X-Ray Diffraction)によりバルク全体の組成測定
測定装置:PHILIPS X’Pert MRD
4.二元金属ナノ粒子の粒子形状と粒度分布の測定
測定方法1:TEM(Transmission Electron Microscope 透過型電子顕微鏡)による測定
TEM測定装置:JEOL JEM−3011
測定方法2:HRTEM(High Resolution Transmission Electron Microscope 高分解能電子顕微鏡)による測定
HRTEM測定装置:HITACHI HD2000
5.合金ナノ粒子の元素分析の測定
測定方法:TEM−EDS(EDS:エネルギー分散型X線分光法)による組成比測定
TEM−EDS測定装置:HITACHI HD2000
6.薄膜表面の元素組成比の測定
測定方法:AES(オージェ電子分光分析:Auger Electron Spectroscopy)によるAu:M(例えば、Ni)組成比測定
測定装置:KITANO SEIKI KCMA2002
7.NO解離性吸着の評価
測定方法:NO浄化触媒について室温でNOを1Langmuir吸着後のN1s XPSスペクトルにより結合エネルギーを測定
装置:φESCA 1600
8.触媒活性の測定
触媒ペレットをガラスの反応管につめ、ガラスウールで固定する。1000ppmのNOと1000ppmのH又はCOとNで流量をバランスし、あらかじめ混合したガスを、ガラスの反応管に流す。ガス温度は20℃/minの昇温速度で100℃から500℃まで上昇させる。NO濃度は排ガス分析計(HORIBA MEXA7100H)若しくはMS(質量分析)で測定する。
なお、Hを含まないガスを流す場合は、500℃で水素還元後に測定を行った。
実施例1
1.AuNiナノ粒子の合成
二又フラスコ中で1.1gのポリ-n-ビニルピロリドン(PVP)を120mLの無水エチレングリコールに加えた。この混合物に0.1404gの硫酸ニッケル・7水和物を加え、混合物を80℃で3時間攪拌して、溶液(溶液1)を得た。
別に、二又フラスコ中で蒸留水50mLに0.1809gのNaAuClを入れ、混合物を2時間以上強く攪拌し溶解させて、鮮やかなオレンジ色の溶液(溶液2)を得た。
溶液1を0℃まで冷却し、溶液1に溶液2を注ぎ均一に攪拌した。混合溶液のpHが9〜10となるように1M NaOH溶液(約5mL)で調整した。混合溶液をオイルバスで100℃に加熱し、攪拌しながら2時間保持した。その後、オイルバスからフラスコを引き上げて、コロイド懸濁液が室温に冷却されるまで放置した。フラスコ内の全てのイオンを完全に還元するため、混合物を撹拌しながら水素化ホウ素ナトリウム0.038gを加え、その後懸濁液をしばらく放置した。
生成したナノ粒子は、所定量のナノ粒子を含む一定分量を多量のアセトンで処理し、これにより、PVPがアセトンの相に抽出され、メタルのナノ粒子が凝集した。上澄み液を移す(デカンテーション)又は遠心分離してコロイドを取り出した。アセトン相を取り除いた後、精製したコロイドを純エタノール中に緩やかな攪拌で分散させた。
2.AuNiナノ粒子の担体への担持
100mLのシュレンク容器に1gの担体(例えば、Al)を入れた。シュレンク容器内を真空に引き、Nを流し込んで配管を洗浄し完全に空気を取り除いた。先に合成したコロイドの懸濁液(精製したコロイドと残りの液との両方)については濃度を把握しておき、Rh0.5wt%相当モルのAu、Ni金属量を含む精製コロイド懸濁液を、ゴムのセプタムを通してシュレンク容器に注入した。混合物を室温で3時間攪拌し、溶媒は真空に引いて取り除いた。その後、コロイド沈殿物の残りの高分子保護材を取り除き、200〜1000℃の真空、空気中、H雰囲気で加熱して乾燥した。得られた触媒粉末に圧力をかけて約2mmのペレットとした。
3.触媒の評価
得られたAuNi(50:50)/Al触媒について、二元金属粒子の形状、粒度分布、および元素分析をTEMおよびTEM−EDSで測定した。
TEM像を図1A、図1B、図1Cに、測定したHRTM像での100個の粒度分布を示すナノ粒子サイズのヒストグラムを図3に示す。ナノ粒子の平均サイズは3.75nm±0.70nmであった。
また、Cu被覆グリッド上のAuNi(50:50)コロイドについて測定したTEM−EDSスペクトルを図5に示す。図5から、すべての個々の粒子がAu、Niを含むことを示した。
また、得られたAuNi(50:50)/Al触媒について、下記のガス条件でNO浄化特性を測定した。
ガス流条件:
ガス組成 NO 1000ppm、CO 1000ppm、N bal./10L
Flow rate:500mL/min、ペレット:150mg,
Space Velocity:3.3L/min・g
Ni、卑金属濃度:各々0.0486mmol/g−cat
結果を他の結果とまとめて図7、図8、図9に示す。
比較例1
溶液1を用いない他は実施例1と同様にして、Au/Al触媒を得た。
得られたAu/Al触媒について、実施例1と同様にしてNO浄化特性を測定した。結果を他の結果とまとめて図7、図8、図9に示す。
比較例2
Niナノ粒子の合成
4.400gのPVPを120mLの無水エチレングリコールに加えた。この混合物に0.2811gの硫酸ニッケル(II)・7水和物を加え(前の50:50AuNi合成で用いたのと当量の全金属の担持を与える)、そして得られた淡緑色物を80℃で3時間攪拌した。得られた溶液を0℃まで冷却し、50mLの1,4−ジオキサンを加え、1MのNaOH(約5mL)を用いてpHを9〜10に調整した。次いで、混合物を還流下に198℃で攪拌しながら3時間保持した。その後、混合物を室温まで冷却し、薄茶色の懸濁液を得た。精製および沈殿はAu−Niナノ粒子と同様の手順で行った。
Niナノ粒子の担持
100mLのシュレンク容器に1gの担体(例えば、Al)を入れた。シュレンク管内を真空に引き、Nで配管をパージした。先に合成したコロイド懸濁液(精製したものと残りの液との合計)は濃度を把握しておく。Rh0.5wt%相当モルのNi金属量を含む精製コロイド懸濁液をシュレンク容器に注入し、混合物を室温で3時間攪拌し、溶媒は真空にて取り除いた。その後、コロイド沈殿物の残部の保護材を取り除き、得られた材料を200〜600℃の真空又は空気中で焼成して乾燥した。得られた触媒粉末に圧力を掛けて、約2mmサイズのNi/Al触媒ペレットを得た。
得られたNi/Al触媒について、実施例1と同様にしてNO浄化特性を測定した。結果を他の結果とまとめて図7、図8、図9に示す。また、NO解離吸着性を評価した。結果を他の結果とまとめて図10に示す。
比較例3
硫酸ニッケル・7水和物およびNaAuClを別々に用いた他は比較例2と同様にして、AuとNiの混合金属イオン溶液の蒸発により金属を析出させて、AuとNiとが近接状態で存在していない(Au+Ni)混合物/Al触媒ペレットを得た。
得られた触媒について、実施例1と同様にしてNO浄化特性を測定した。結果を他の結果とまとめて図7、図8、図9に示す。
比較例4〜8
実施例1において、硫酸ニッケル・7水和物に代えて塩化タングステン(比較例4)、塩化レニウム(比較例5)、酢酸マンガン(比較例6)又は酢酸モリブデン(比較例7)を用いる、若しくは銅アセチルアセトナートを用いてさらに量を変えた(比較例8)他は実施例1と同様にして、AuW(50:50)/Al触媒、AuRe(50:50)/Al触媒、AuMn(50:50)/Al触媒、AuMo(50:50)/Al触媒、AuCu(Cu:5.9%)/Al触媒を得た。
得られた触媒について、実施例1と同様にしてNO浄化特性を測定した。結果を実施例1の触媒の結果とまとめて図8に示す。
実施例2〜3
AuとNiの割合を、Au:Ni=50:50からAu:Ni=25:75に変えた(実施例2)又はAu:Ni=75:25に変えた他は実施例1と同様にして、AuNi(25:75)/Al触媒およびAuNi(75:25)/Al触媒を得た。
得られた触媒について、実施例1と同様にしてNO浄化特性を測定した。結果を他の結果とまとめて図9に示す。
実施例4〜5および参考例1
AuとNiの割合を、Au:Ni=50:50からAu:Ni=3:7に変えた(実施例4)又はAu:Ni=6:4に変えた(実施例5)か、若しくは硫酸ニッケルに代えて酢酸鉄を用いAu:Ni=50:50からAu:Fe=6:4に変えた(参考例1)他は実施例1と同様にして、AuNi(3:7)/Al触媒、AuNi(6:4)/Al触媒又はAuFe(6:4)/Al触媒を得た。
得られた触媒についてNO解離性吸着を評価した。結果を他の結果とまとめて図10に示す。
図10の結果は、AuNiのNO解離性吸着はAuFeと異なることを示している。
実施例6
担体をAlからSiOに変えた他は実施例1と同様にして、AuNi(50:50)/SiO触媒を得た。
得られたAuNi(50:50)/SiO触媒について、二元金属粒子の形状、粒度分布測定を行った。
TEM像を図2Aに、そして倍率を変えたTEM像を図2Bに、測定したHRTM像での100個の粒度分布を示すナノ粒子のサイズの分散ヒストグラムを図4に示す。
また、Cu被覆グリッド上のAuNi(50:50)コロイドについて測定したCuピークがグリッドから出るTEM−EDSスペクトルを図6に示す。図6から、すべての個々の粒子がAu、Niを含むことを示した。
また、得られたAuNi(50:50)/Al触媒について、下記のガス流条件でNO−H触媒活性を測定した。
ガス流条件:
ガス組成 NO 1000ppm、H 1000ppm、N bal./10L
流量:10L/min、ペレット:2g,
空間速度:5L/min・g
Ni、卑金属濃度:各々0.0486mmol/g−cat
得られた結果を、他の結果とまとめて図11に示す。
比較例9
担体をAlからSiOに変えた他は比較例1と同様にして、Au/SiO触媒を得た。
得られた触媒について、NO−H触媒活性を測定した。結果を他の結果とまとめて図11に示す。
比較例10
担体をAlからSiOに変えた他は比較例2と同様にして、Ni/SiO触媒を得た。
得られた触媒について、NO−H触媒活性を測定した。結果を他の結果とまとめて図11に示す。
比較例11
硫酸ニッケルに代えて硫酸マンガンを用いた他は実施例6と同様にして、AuMn(50:50)/SiO触媒を得た。
得られた触媒について、NO−H触媒活性を測定した。結果を他の結果とまとめて図11に示す。
図7、図8、図9および図11から、本発明の実施態様のAuNi/担体系NO浄化用触媒は、低温および/又は酸化雰囲気で良好なNO浄化性能を有することを示している。
実施例7
図12に模式図を示すように、下記の各工程によって、Al(サファイア)基板上にAu、次いでNiを堆積して薄膜を形成し、次いで加熱処理して、AuNi二元金属薄膜/Al基板のNO浄化触媒を調製した。
1)イオンスパッタ装置(HITACH E101 エネルギー 100eV、イオン電流 15mA)でAl(サファイア)基板上に、Auスパッタ膜を作製した。2分間x5回でスパッタリングを行う(合計10分間)ことにより厚さ約50nmの均一なAu膜を堆積させた。
2)堆積物を、図12に模式図を示す機構を持つPLD(パルスレーザー堆積)装置[X線光電子分光法(XPS)を備えてある]の真空チャンバーに搬送する。
このPLDと分析手段とはIn−situである。ただし、In−situである必要はなく、以下に示す前処理を分析直前に行えるのであれば、一旦大気中に曝して搬送し得る。
3)エキシマレーザー(LAMBDA PHYSIC、25〜29kV、1〜10Hz、KrF 3000mbar)をチャンバー中に入射し、Niターゲットに当て第2成分(Ni)を堆積させて、数nmの均一なNi膜を形成した。
4)真空下に、赤外線レーザーで堆積物を350℃に加熱して二元金属化して、AuNi二元金属薄膜/Al基板のNO浄化触媒を得た。
引き続いて、得られた触媒について下記の工程で評価を行った。
5)1Langmuir(5.0x10−6Pa、44s/1Langmuir 室温:25℃)のNOガス量をチャンバーに導入して、触媒にNOガスを吸着させる。
6)XPS装置(Φ ESCA1600、Monochlo Al−Ka(1486.7eV)、350W、14.0kV)でN1sのピーク(室温)を観察して、NO解離性吸着、N脱離、O脱離特性の分析を行う。エネルギーピーク位置によりNO吸着状態であるか又はN/O解離状態であるか区別できる。
NO解離性吸着、N脱離、O脱離特性について測定した結果を他の結果とまとめて図14、図15に示す。
また、表面Ni/Au濃度比の合金薄膜を下記条件でNO処理し、NO処理の温度依存性を測定した。測定結果をまとめて図16に示す。
NO処理条件:NOを5x10−6Paで45秒間流した後、5℃/minの昇温速度で温度を上昇させた。
比較例11〜13
単一金属を基板に堆積した他は実施例7と同様にして、薄膜の厚さを変えないでNi薄膜/Al基板のNO浄化触媒(比較例11)、Fe薄膜/Al基板のNO浄化触媒(比較例12)、およびRh薄膜/Al基板のNO浄化触媒(比較例13)を得た。
得られた触媒について NO解離性吸着、N脱離、O脱離特性について測定した。
得られた結果を他の結果とまとめて図14、図15に示す。
参考例2
Niに代えてFeを堆積させた他は実施例7と同様にして、AuFe二元金属薄膜/Al基板のNO浄化触媒を得た。
得られた触媒についてNO解離性吸着、N脱離、O脱離特性について測定した。得られた結果を図14、図15に示す。
また、薄膜の表面Fe/Au濃度比のNO処理温度依存性を測定した。得られた結果を他の結果とまとめて図16に示す。
図16の結果は、AuFe系ではNO処理温度が上昇するに伴い表面のFe/Auが400℃以上で急激に大きくなるのと比べてAuNi系では200〜650℃の範囲で表面のNi/Auが一定であり二元金属表面状態を一定に保持しやすいことを示している。
また、図14および図15の結果から、積層薄膜からなる固体中でNiとAuとが近接して存在している場合、表面がNi100%であっても加熱処理によって二元金属化が可能であり、NO解離性吸着は約200℃以下、N脱離およびO脱離の各温度がいずれも約425℃に低下しており、Rh薄膜のO脱離温度700℃以上に比べてO脱離温度の低温度化の効果が顕著であり、本発明の効果が認められる。
比較例14〜17
特開平10−216518号公報に記載の触媒の合成法に従って触媒を合成し、本発明による触媒を含めて触媒性能を比較した。前記公報に記載の合成法は、共含浸法(Au、Ni共含浸)である。
触媒の調製
1)触媒1−1:Au/Al、触媒1−2:Au/SiOの合成
実施例1に記載の溶液1を加えなかった他は実施例1と同様にして、粉末状のAu/Al又はAu/SiO触媒を調製した。
2)触媒2−1:Ni/Al、触媒2−2:Ni/SiOの合成
二又フラスコの中で、4.400gのポリ−n−ビニルピロリドン(PVP)を12 0mlの無水エチレングリコールに加えた。この混合物に0.2811gの硫酸ニッ ケル・7水和物を実施例1におけるAuとNiとの合計モルと同じモル量加え、得ら れた混合物を80℃で3時間攪拌した。その後、溶液を冷却バスの中で0℃まで冷却 し、1,4−ジオキサン50mlを加えて均一攪拌した。混合液のpHを1MのNa OH約5mL加えて調整した。混合液を198℃に加熱し、温度を攪拌しながら3時 間保持し、その後、室温まで冷却して薄い茶色の懸濁液を得た。次いで、実施例1と 同様に精製、担体への担持を行って触媒を得た。
3)触媒3−1:Au+Ni/Al、触媒3−2:Au+Ni/SiOの合成
実施例1と同じ量の硫酸ニッケル(又は酢酸ニッケル)と塩化金酸とを100ml の水に溶かした。別の容器に、攪拌しながら200mlの水に50gの担体(Al又はSiO)を入れたコロイド懸濁液に、その硫酸ニッケルと塩化金酸との混 合水溶液液を加え、2時間放置した。その後、水分を70〜90℃で蒸発させ、12 0℃で15時間乾燥し、500℃で2時間焼成した。得られた触媒粉末に圧力を加え て約2mmのペレットを得た。
4)触媒4−1:Au+Ni/Al、触媒4−2:Au+Ni/SiOの調製
上記のそれぞれ粉末状の触媒成分1−1と触媒成分2−1、触媒成分1−2と触媒 成分2−2とをそれぞれ乳鉢で混合し、得られた触媒粉末に圧力を加えて約2mmの ペレットを得た。
触媒の評価
得られた上記の触媒3−1(比較例14)、触媒4−1(比較例16)および実施例1で得られた触媒について、比較例14:Au+Ni/Alのみは前記公報に記載の方法に従って1000℃でH還元処理を行い、測定装置を変えた他は実施例1と同様にしてNO浄化特性を測定した。また、実施例6で得られた触媒と触媒3−2(比較例15):Au+Ni//SiOは前記公報に記載の方法に従って1000℃でH還元処理を行って、XRDスペクトル測定を行った。
NO浄化特性評価結果をまとめて図23に、XRDスペクトル測定結果を図24に示す。
図23から、本発明のNO浄化触媒が高いNO浄化性能を示すのに対して、比較例14のAu,Ni−共含浸法触媒はNO浄化性能を示さない。この理由として、両触媒のXRDスペクトルを示す図24から、特開平10−216518号公報に記載の共含浸法Au,Ni触媒では、本発明による触媒に比べてX線回折ピークがNi(1111)ピークの方にシフトしていない、つまり両金属(Au,Ni)が近接した状態で存在していないことによると考えられる。
本発明のNO浄化触媒によれば、資源枯渇の観点からAuと、Cuと同等程度存在するNiとを用いることが可能であり、且つNO浄化活性を上げるための加熱温度を従来のように高い温度にする必要がなく、酸化雰囲気でもNO浄化活性を有することから雰囲気を還元状態にするための燃料の使用が不必要になるか又は少なくとも大幅に低減することが可能となり、定常時のエンジンでの空燃比(A/F)をストイキ(A/F=14.7)に近くにすることが必要でなく、高い空燃比(A/F)での、例えばガソリンエンジンの場合はA/F=20、ジーゼルエンジンの場合はA/F=30での運転を可能とし得る。

Claims (4)

  1. 350〜500℃の範囲を含む温度の排気ガスと接触させて排気ガス中のNO を浄化するための窒素酸化物浄化用触媒であって、金属酸化物担体に担持された固体中でAu原子とNi原子とが合金化して存在し、前記固体の平均粒径が1.5〜5.5nmである、前記触媒。
  2. 前記固体中のAuとNiとの組成が、Au:Ni=7〜91:93〜9(at%)である請求項1に記載の触媒。
  3. 前記固体中のAuとNiとの組成が、Au:Ni=20〜80:80〜20(at%)である請求項1に記載の触媒。
  4. 前記固体中のAuとNiとの組成が、Au:Ni=40〜60:60〜40(at%)である請求項1に記載の触媒。
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