JP2006026557A - 合金触媒及び合金触媒の調製方法 - Google Patents

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Hironori Wakamatsu
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Hirobumi Yasuda
博文 安田
Katsuo Suga
克雄 菅
Toru Sekiba
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Abstract

【課題】初期状態での触媒活性が高く、過酷な雰囲気下においても安定に使用できる合金触媒を提供する。また、初期状態において、基材上に貴金属と遷移金属との合金を担持した合金触媒を得られる合金触媒の調製方法を提供する。
【解決手段】Al2O3、SiO2、チタニア、ジルコニア、セリア又はこれらの複合化合物を含む金属酸化物から形成される基材と、基材上に担持されると共に、初期状態において少なくとも貴金属と遷移金属とがその一部又は全部で合金形成された触媒活性成分と、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車等の移動体に搭載されて、特に、排ガス中に含まれるCOの浄化性能に優れた合金触媒及び合金触媒の調製方法に関する。
自動車等の移動体車両から排出される排ガス中には、一酸化炭素(CO)等の有害成分が含まれており、排ガス中の有害成分を浄化するために排ガス浄化用触媒が使用されている。排ガス浄化用触媒は、例えば、アルミナ(Al2O3)等の多孔質酸化物から形成される基材上に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属を触媒成分として担持して構成される。排ガス浄化用触媒は、高温ガス雰囲気下に曝されるため、高温耐久性を高めるために排ガス浄化用触媒の開発が各種進められている。
例えば、同一の基材上に、Pt、Pdの少なくとも一方の貴金属と、少なくとも一種の遷移金属と、を担持した排ガス浄化用触媒が開示されている(例えば、特許文献1参照)。排ガス浄化用触媒は、基材に貴金属と遷移金属の触媒成分を高分散の状態で担持しているため、排ガス浄化用触媒を高温の排気ガス中に曝すと、貴金属と遷移金属とが基材上を移動して貴金属と遷移金属の合金が形成される。一旦、合金が形成されると、合金の粒子径が肥大化することなく触媒成分の分散状態が維持されるため、排ガス浄化用触媒は、長期に亘り触媒活性を持続することができる。
また、貴金属と遷移金属の合金を形成した触媒の中でも、貴金属としてPtを用いたPtと遷移金属の合金触媒は、耐CO被毒特性に優れていることが知られている。
特開2003−181293号公報(第5頁)
しかしながら、基材として非導電性の金属酸化物を用いた場合には、金属酸化物と遷移金属の複合化合物が形成されてしまい、貴金属と遷移金属とによる合金を形成することが難しかった。
また、特許文献1記載の排ガス浄化用触媒は、高温の排気ガス中に曝した場合に、貴金属と遷移金属との合金を形成するため、高温の排気ガス中に曝す前の初期状態では、基材上に貴金属と遷移金属とが分散して担持されているにすぎなかった。このため、初期状態では、金属と遷移金属との合金が形成されず、高い触媒活性を得られない恐れがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明の合金触媒は、Al2O3、SiO2、チタニア、ジルコニア、セリア又はこれらの複合化合物を含む金属酸化物から形成される基材と、基材上に担持されると共に、初期状態において少なくとも貴金属と遷移金属とがその一部又は全部で合金形成された触媒活性成分と、を含むことを要旨とする。
本発明の合金触媒の調製方法は、pHを調整した貴金属塩水溶液中において金属酸化物から形成される基材上に貴金属塩を吸着させた後、貴金属塩を還元して基材上に貴金属を析出させる貴金属析出工程と、遷移金属塩水溶液中において基材上に析出した貴金属上に遷移金属塩を選択的に吸着させた後、貴金属上に遷移金属を析出させる遷移金属析出工程と、還元雰囲気下において貴金属及び遷移金属を析出させた基材を焼成して貴金属と遷移金属とを合金化する焼成工程と、を含むことを要旨とする。
本発明の合金触媒によれば、初期状態での触媒活性が高く、酸化雰囲気下あるいは還元雰囲気と酸化雰囲気とが交互に繰り返される過酷な雰囲気下においても安定に使用することができる。
本発明の合金触媒の調製方法によれば、初期状態において、基材上に貴金属と遷移金属との合金を担持することができるため、より一層触媒活性の高い合金触媒を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る合金触媒及び合金触媒の調製方法について、図1から図4までを用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る合金触媒は、Al2O3、SiO2、チタニア、ジルコニア、セリア又はこれらの複合化合物を含む金属酸化物から形成される基材と、基材上に担持されると共に、初期状態において少なくとも貴金属と遷移金属とがその一部又は全部で合金を形成した触媒活性成分と、を含む。
上記合金触媒において、貴金属は、PtまたはPdのいずれか1種以上の元素とすることが好ましい。特に、PtはCO浄化性能に優れ、各種の遷移金属と合金を形成することができる。また、遷移金属は、Ce、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znの中から選択される1種以上の元素とすることが好ましい。特に、Mn、Fe、Co、Niは、貴金属と合金を形成すると耐CO被毒性が向上するため、触媒性能が高まる。
従来から、貴金属と遷移金属とを合金化した合金触媒は数多く存在し、特に、貴金属としてPtを用いて遷移金属と合金化した合金触媒Ptと遷移金属との合金触媒は、耐CO被毒特性に優れ、低温域においても触媒活性を有することが知られている。しかし、酸化雰囲気下で安定な非導電性の金属酸化物から基材を形成した場合には、基材上で、遷移金属と金属酸化物とが、例えば、スピネル等の複合酸化物や固溶体を形成してしまい、貴金属と遷移金属の合金形成が非常に困難となっていた。
本発明の実施の形態に係る合金触媒では、酸化雰囲気下でも安定な金属酸化物の基材上に、貴金属と遷移金属との合金を担持している。このため、従来、カーボン等の導電性化合物から形成した基材とした場合に使用できなかった酸化雰囲気下、あるいは還元雰囲気と酸化雰囲気とが交互に繰り返される過酷な雰囲気下であっても安定して使用することができる。また、貴金属と遷移金属とを合金化したため、低温域での触媒性能が向上する。
また、上記合金触媒において、触媒活性成分は、さらに、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ba、La、W、Ce、Pr、Nd及びZrの中から選択される少なくとも1種以上の元素を含むことが好ましい。
触媒活性成分として上記元素を第三の元素として添加することにより、高温環境下においても合金触媒が安定化し、触媒活性がより一層高まる。なお、上記元素を添加する際には、蒸発乾固法、含浸法、スプレードライ法、選択析出法等を用いることができる。さらに、上記元素は、前述した貴金属と遷移金属の合金と複合化合物あるいは合金を形成しても良く、また、貴金属と遷移金属の合金とは個別に、基材上に上記元素の酸化物を担持することもできる。
また、本発明の実施の形態に係る合金触媒の調製方法は、基本的に、貴金属析出工程と、遷移金属析出工程と、焼成工程と、を含む。上記合金触媒の調製方法では、貴金属析出工程によりpH等の各条件を精密に制御することにより、その後の遷移金属析出工程において、金属酸化物上に遷移金属を選択的に吸着させて析出することができ、さらに、焼成工程において貴金属と遷移金属とを合金化する。以下、各工程を詳細に説明する。
貴金属析出工程は、pHを調整した貴金属塩水溶液中において、金属酸化物から形成される基材上に貴金属塩を吸着させた後、貴金属塩を還元して基材上に貴金属を析出させる工程である。
金属酸化物上に貴金属を還元析出させる方法は、特に問わないが、金属酸化物上の貴金属の還元状態を精密に制御できる液相還元を用いることが好ましい。液相還元は、まず、例えば、貴金属塩水溶液中に、水酸化ナトリウム、アンモニア又は炭酸水素ナトリウム等を添加して溶液のpHを調整するか、あるいは、予め所望のpHに調整した貴金属塩水溶液を用いることによりpHを調整する。このようにpHを調整することにより、金属酸化物の表面に存在する水酸基等の末端基の状態や表面酸量を制御することができ、金属酸化物上に貴金属塩を吸着し易くすることができる。なお、貴金属析出工程では、基材を形成する金属酸化物の種類に応じて貴金属塩水溶液のpHを調整することが好ましい。具体的には、基材としてα- Al2O3を使用したときに、貴金属塩水溶液のpHを6〜8の範囲に調整し、基材としてSiO2を使用したときに、貴金属塩水溶液のpHを9〜11の範囲に調整することが好ましい。
次に、貴金属を金属酸化物上に析出させる際にも液相で行うことが好ましい。液相において還元剤や還元条件を選択することにより、貴金属の析出状態を精密に制御することができる。具体的には、還元剤として後述する材料を使用することが好ましく、還元温度は還元剤の種類及び量により異なるが、室温から80℃程度の温度とすることが好ましい。
遷移金属析出工程は、遷移金属塩水溶液中において基材上に析出した貴金属上に遷移金属塩を選択的に吸着させた後、貴金属上に遷移金属を析出させる工程である。具体的には、遷移金属塩水溶液を用いて貴金属を析出させた金属酸化物上に、含浸、スプレードライ等の任意の方法を用いて遷移金属塩を析出させる。前述した貴金属析出工程において、金属酸化物の表面状態や貴金属の還元状態を適切に制御することにより、遷移金属析出工程において、遷移金属塩を貴金属上に選択的に吸着することができる。
焼成工程は、還元雰囲気下において貴金属及び遷移金属を析出させた基材を焼成して貴金属と遷移金属とを合金化する工程である。焼成工程においては、窒素ガス、又は窒素ガスと水素ガスとの混合ガスの焼成雰囲気下において、気相焼成することが好ましい。焼成雰囲気が酸化雰囲気となると、貴金属と遷移金属酸化物とが個別に化合物を形成してしまい、貴金属と遷移金属とが合金化し難いからである。また、焼成温度は、金属酸化物上に析出した貴金属と、貴金属上に選択析出させた遷移金属とを合金化するために、800℃以上とすることが好ましい。焼成温度が800℃未満になると、結晶の揃った合金を得ることが難しいからである。なお、焼成温度は、900℃以上とすることがより好ましい。
以下、上記合金触媒の調製方法において使用する材料を説明する。
還元剤としては、ヒドラジン、ホウ素化水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸、アルデヒド、ホルムアルデヒド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、エチレン、ビタミンB等を適宜用いることができる。また、例示した2種以上の材料を用いて混合溶液としても良い。
pH調整剤としては、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム等、水酸化物が得られるものを用いることができる。
貴金属塩としては、ジニトロジアンミンPt(II)硝酸酸性水溶液、ヘキサクロロPt(IV)酸溶液、ヘキサアンミンPt(IV)テトラクロライド溶液、塩化Pd水溶液、硝酸パラジウム水溶液、ジニトロジアンミンPdジクロライド溶液等を用いることができる。
遷移金属塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩、炭酸塩等の化合物を用いることができる。より具体的には、硝酸コバルト6水和物、硝酸セリウム6水和物、硝酸鉄9水和物、硝酸ニッケル6水和物、酢酸コバルト4水和物、酢酸マンガン2水和物、酢酸ニッケル4水和物、塩化コバルト6水和物、塩化マンガン6水和物、塩化鉄6水和物、塩化マンガン4水和物等を用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて具体的に説明するが、本発明の合金触媒は、例示した実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
[実施例1]
実施例1では、図1に示す手順に従い触媒粉末を調製した。図1に示すように、まず、純水にジニトロジアミンPt硝酸酸性水溶液(Pt8.46wt%)36.5gを加えた後(工程1)、25%アンモニア水を加えて、pHを中性に近い状態に調整した(工程2)。その後、α−Al2O3 100gを加えて分散、攪拌した後(工程3)、さらにエタノール158.7gを加えて攪拌し、80℃で約6時間攪拌しながら環流してPtを析出させた(工程4)。この後、濾過、乾燥して(工程5)、Pt3%を担持したα−Al2O3を得た。
その後、純水に硝酸コバルト6水和物1.54gを溶解した水溶液を調製し、この水溶液中に、Pt3%を担持したα−Al2O3を分散、攪拌し(工程6)、その後、蒸発、乾燥させて(工程7)、PtとCoとを各々担持したα−Al2O3を得た。
900℃の窒素雰囲気下において、PtとCoとを各々担持したα−Al2O3を1時間焼成して(工程8)、α−Al2O3にPt3Coを担持した触媒粉末とした。
[実施例2]
実施例2は、実施例1とほぼ同様の手順を用いて触媒を調製した。実施例1と異なるのは、触媒活性成分として、さらに第三の元素であるCeを析出させた点にある。
実施例1の工程7から得られたPtとCoとを各々担持したα−Al2O3を用いて、これを900℃の窒素雰囲気下において1時間焼成して、α−Al2O3にPt3Coを担持した。
次に、純水中に硝酸Ce水和物を溶解した水溶液を調製し、この水溶液中にPt3Coを担持したα−Al2O3を分散して攪拌した。その後、乾燥し、400℃の窒素雰囲気下において1時間焼成し、Pt3Co/α−Al2O3にCeO2を5wt%担持した触媒粉末とした。
[実施例3]
実施例3は、金属酸化物としてSiO2を使用すると共に、pH調製時にpHをアルカリ側とした以外は、基本的に、実施例1と同様の調製方法を用いて、SiO2にPt3Coを担持した触媒粉末とした。
[実施例4]
実施例4は、実施例3とほぼ同様の手順を用いて触媒粉末を調製した。実施例3と異なるのは、触媒活性成分である第三の元素としてRhを析出させた点にある。
実施例3で作製したSiO2にPt3Coを担持した触媒粉末を用いて、この触媒粉末を900℃の窒素雰囲気下において1時間焼成して、SiO2にPt3Coを担持した触媒粉末とした。
次に、純水中に硝酸Rh水溶液を溶解した水溶液を調製し、この水溶液中に、SiO2にPt3Coを担持した触媒粉末を分散、攪拌した後、乾燥し、400℃の窒素雰囲気下において1時間焼成して、Pt3Co/α−Al2O3にRh0.6wt%を担持した触媒粉末とした。
[比較例1]
比較例1は、図2に示す手順を用いて触媒粉末を調製した。図2に示すように、まず、純水にジニトロジアミンPt硝酸酸性水溶液(Pt8.46wt%)36.5gを加えた後(工程10)、α−Al2O3100gを加えて分散、攪拌した(工程11)。その後、蒸発、乾燥させて(工程12)、500℃の空気雰囲気下において3時間焼成して(工程13)、α−Al2O3にPt3%を担持した触媒粉末を得た。
その後、純水95.5mlに、触媒粉末100g、硝酸コバルト6水和物1.54g、アルコルビン酸Na1g、クエン酸三Na2.0gを加えて分散させた後、30℃で20時間攪拌して(工程14)、溶解した。これを濾過、乾燥した後(工程15)、500℃の空気雰囲気下において2時間焼成して、α−Al2O3にPtとCoとを各々担持した。
500℃の空気雰囲気下において、PtとCoとを各々担持したα−Al2O3を焼成して(工程16)、比較例1の触媒粉末とした。
[比較例2]
比較例2は、実施例1とほぼ同様の手順を用いて比較例2の触媒粉末を調製した。実施例1と異なるのは、700℃の焼成温度を900℃に変えた点にある。具体的には、900℃の窒素雰囲気下においてPtとCoとを各々担持したα−Al2O3を1時間焼成して、α−Al2O3にPt3Coを担持した比較例2の触媒粉末とした。
[比較例3]
比較例3は、実施例1とほぼ同様の手順を用いて比較例3の触媒粉末を調製した。実施例1と異なるのは、pH調製剤であるアンモニア水を加えず、酸性(pH2.5)のままとした点にある。
[比較例4]
比較例4は、実施例1とほぼ同様の手順を用いて比較例4の触媒粉末を調製した。実施例1と異なるのは、還元剤として使用したエタノールをNaBH4に変えた点にある。実施例1のエタノールと同モル量加えた以外は実施例1と同様にして、比較例4の触媒粉末とした。
[比較例5]
比較例5は、実施例3とほぼ同様の手順を用いて、比較例5の触媒粉末を調製した。実施例3と異なるのは、pH調製剤であるアンモニア水を加えず、酸性(pH3.1)のままとした点にある。
[比較例6]
比較例6は、実施例3とほぼ同様の手順を用いて、比較例6の触媒粉末を調製した。実施例3と異なるのは焼成条件を変えた点にあり、焼成雰囲気を空気気流下とし、焼成温度700℃とした。
上記実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6から得られた各触媒粉末を各々100g、その後、得られた触媒粉末500g、ベーマイト10g、314gの10%硝酸含有水溶液をアルミナ製磁性ポットに投入し、アルミナボールと共に振とう粉砕して触媒スラリを得た。
その後、得られた触媒スラリをコージェライト製のハニカム担体(900セル/2.5ミル)に投入して、空気気流下で余剰スラリを除去した。その後、120℃で乾燥した後、400℃の空気気流中で焼成して触媒を得た。
得られた実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6の各触媒について、X線回折装置を用いて合金の生成の有無を確認し、また、電気放射型透過電子顕微鏡を用いて貴金属と遷移金属の位置を観察した。さらに、触媒耐久試験後の触媒性能を評価して、触媒の各物性を調査した。
[合金生成有無の観察]
X線回折装置(MXP18VAHF:マックスサイエンス社製)を用いて、各触媒についてのPtとPt3Coの111面と200面のXRDピークを計測して、触媒中での合金生成の有無を調べた。なお、計測時の電圧/電流は40kV/300mAとし、線源としてCuKαを使用した。図3(a)は、実施例1、実施例2と比較例1〜比較例4のXRDリファレンスピークを示し、図3(b)は、実施例3、実施例4と比較例5〜比較例6のXRDリファレンスピークを示す。なお、各図では、各実施例のXRDピークは実線、各比較例のXRDピークは一点鎖線として示した。図3の(a)(b)に示すように、各比較例の触媒についての111面及び200面のXRDピークは、39.77、46.24付近にあるため、触媒中に合金が形成されずPtの状態であることが判明した。また、各比較例では添加Co量が少ないため、Coに起因するピークを確認することができなかった。これに対して各実施例の触媒についての111面及び200面のXRDピークは40.53、47.12付近にあり、合金(Pt3Co)が形成されていることが判明した。
[貴金属、遷移金属の位置の観察]
電界放射型透過型電子顕微鏡(Tecnai G2 F20:FEI社製)を用いて、実施例1及び比較例1の各触媒について、EDX面分析(元素マッピング)、EDX線分析をした。分析時の加速電圧は200kVとした。EDX面分析(元素マッピング)では、500nm×500nmの領域を150点×150点に分割して、1点あたりを100ms(0.1s)で測定した。EDX線分析では、100 nm〜150nmの長さを50点に分割して、1点あたり10,000ms(10s)で測定した。また、測定する特性X線は、Al-K線、Co-K線、Pt-MorL線とし、撮影倍率は、面分析のHAADF像80,000倍、線分析のHAADF像25,000倍とした。図4(a)に実施例1の観察結果、図4(b)に比較例1の観察結果を各々示す。なお、図4(a)(b)から観察したPt3CoとPtのXRDリファレンスピークを表1及び表2に示した。
Figure 2006026557
Figure 2006026557
図4(b)の比較例1は、PtとCoとがばらついて存在しており、PtとCoによる合金が形成されていなかった。これに対して、図4(a)の実施例1は、PtとCoが同じ位置に存在するだけでなく、同位置でCoの3倍以上のPtがカウントされており、合金(Pt3Co)が形成されていることが判明した。
さらに、得られた各触媒について耐久試験を行った後、触媒性能を評価した。
[触媒の耐久試験]
触媒耐久試験には、日産自動車(株)社製のV型6気筒エンジンと燃料として無鉛ガソリンを使用した。また、テストピース用にハニカム基材への排ガス流量を調節可能な治具を使用し、触媒の入口温度が700℃となるように触媒の位置を調整した上で、30時間エンジンを稼働させて、各触媒の耐久試験を行った。
[触媒性能評価]
触媒の性能は、昇温法を用いて、耐久試験後の合金触媒の一部をくり抜いて触媒容量40ccとして、表3に示す成分の反応ガスを使用して、反応ガス流量40L/分、昇温速度10℃/分として触媒の性能を評価した。なお、反応ガスは、酸素量と還元剤量とが等しいストイキの組成とした。
Figure 2006026557
触媒性能は、CO50%の転化温度をCO−T50として表4に示した。
Figure 2006026557
表4に示すように、各比較例のCO−T50は最低でも258℃と転化温度が高く、各実施例に比べていずれも転化温度が高かった。この理由は、各実施例では触媒中に合金が形成されて、転化温度が下がったことによるものである。また、特に、第三元素を析出させた実施例2と実施例4のCO−T50は、大幅に低い値となっていることが判明した。
本発明の実施の形態に係る実施例1についての触媒の調製方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態に係る比較例2についての触媒の調製方法を説明する工程図である。 X線回折装置による測定結果を示す図であり、(a)は、実施例1,2、比較例1〜4のXRDリファレンスピーク、(b)は、実施例3,4と比較例5,6のXRDリファレンスピークを各々示す図である。 電界放射型透過型電子顕微鏡による観測結果を示す図であり、(a)は実施例1の観察結果、(b)は比較例1の観察結果である。

Claims (8)

  1. Al2O3、SiO2、チタニア、ジルコニア、セリア又はこれらの複合化合物を含む金属酸化物から形成される基材と、
    前記基材上に担持されると共に、初期状態において少なくとも貴金属と遷移金属とがその一部又は全部で合金形成された触媒活性成分と、
    を含むことを特徴とする合金触媒。
  2. 前記貴金属は、PtまたはPdのいずれか1種以上の元素であり、前記遷移金属は、Ce、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnの中から選択される1種以上の元素であることを特徴とする請求項1記載の合金触媒。
  3. 前記触媒活性成分は、さらに、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ba、La、W、Ce、Pr、Nd及びZrの中から選択される少なくとも1種以上の元素を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の合金触媒。
  4. pHを調整した貴金属塩水溶液中において金属酸化物から形成される基材上に貴金属塩を吸着させた後、貴金属塩を還元して前記基材上に貴金属を析出させる貴金属析出工程と、
    遷移金属塩水溶液中において前記基材上に析出した貴金属上に遷移金属塩を選択的に吸着させた後、貴金属上に遷移金属を析出させる遷移金属析出工程と、
    還元雰囲気下において前記貴金属及び遷移金属を析出させた基材を焼成して貴金属と遷移金属とを合金化する焼成工程と、
    を含むことを特徴とする合金触媒の調製方法。
  5. 前記貴金属析出工程は、前記基材を形成する金属酸化物に応じて、前記貴金属塩水溶液のpHを調整することを特徴とする請求項4記載の合金触媒の調製方法。
  6. 前記貴金属析出工程は、前記基材としてα−Al2O3を使用したときに、前記貴金属塩水溶液のpHを6〜8の範囲に調整し、前記基材としてSiO2を使用したときに、前記貴金属塩水溶液のpHを9〜11の範囲に調整することを特徴とする請求項4記載の合金触媒の調製方法。
  7. 前記焼成工程は、窒素ガス、又は窒素ガスと水素ガスとの混合ガスの還元雰囲気下において、前記貴金属及び遷移金属を析出させた基材を800℃以上で気相焼成することを特徴とする請求項4記載の合金触媒の調製方法。
  8. 前記基材として、Al2O3、SiO2、チタニア、ジルコニア、セリア又はこれらの複合化合物を含む金属酸化物を用いることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の合金触媒の調製方法。
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