JP2006289213A - 排ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents

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博文 安田
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Toshifumi Fukushige
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Abstract

【課題】 特に高温環境下における貴金属粒子の凝集を抑制し、触媒の活性を高めた排ガス浄化触媒を提供する。また、触媒の活性が高い排ガス浄化触媒を簡単に製造できる排ガス浄化触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】 担体2に複数の貴金属粒子3が担持され、貴金属粒子3の平均粒径Yが2 nm以上10 nm以下であり、かつ、貴金属粒子3の平均粒子間距離Zが200nm以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車に代表される内燃機関から排出される炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などを含む排ガスを浄化する排ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
自動車から排出される排ガス中には、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などの有害なガスが含まれており、これらの有害なガスを浄化するために排ガス浄化触媒を使用している。排ガス浄化触媒は、排ガス規制の強化に伴い、その使用量が急増しつつある。排ガス浄化触媒は、担体(例えば、アルミナ(Al2O3))表面に貴金属粒子(例えば、Pt、Pd、Rhなど)を担持した触媒であることから、排ガス浄化触媒の使用量の増加に伴い、貴金属の使用量も増加する傾向にある。しかし、地中における貴金属の埋蔵量には限界があり、さらに貴金属のコストは高いことから、貴金属の使用量を減らした上で触媒の活性を高める研究が盛んに行われている。
排ガス浄化触媒は、貴金属粒子の表面において反応が進む接触反応であることから、触媒の活性は貴金属粒子の表面積にほぼ比例する。このため、触媒の活性を高めるために、粒径の小さい貴金属粒子を担体表面に均一に分散させて担持すると良い。しかし、排ガス浄化触媒は高温環境下(約900℃)に晒されると、貴金属粒子が凝集してその表面積が低下し、触媒の活性が低下する要因となっていた。そこで、高温環境下における貴金属粒子の凝集を抑制することが重要となっている。貴金属粒子の凝集を抑制する方法として、以下の2つの方法がある。第1の方法は、貴金属粒子の持つ表面エネルギを低下させて、貴金属粒子の凝集を抑制するものである。第2の方法は、貴金属粒子を担持する担体の耐熱性を向上させて、貴金属粒子の凝集を抑制する方法である。
しかし、第2の方法により、高耐熱性材料から担体を構成した場合であっても、貴金属粒子の持つ表面エネルギを下げることができないため、貴金属粒子の凝集を抑制することができなかった。このため、貴金属粒子の平均粒径を予め大きくした(約50nm〜100nm)触媒とし、貴金属粒子の表面エネルギを低下させた触媒の技術が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この技術によれば、含浸法を用いて触媒を作製した後に、さらに高温(800℃)での熱処理により貴金属粒子を凝集させて、貴金属粒子の平均粒径を大きくしている。
特開平10−118455号公報 特開平9−262467号公報
しかしながら、貴金属粒子の平均粒径が大きくなると、その表面積が低下し、触媒の活性も低下してしまう。このため、従来における触媒では、依然として、充分な触媒の活性を得ることができなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、貴金属粒子の平均粒径と平均粒子間距離を規定値とすることにより、貴金属粒子の凝集を抑制したものである。
すなわち、本発明の排ガス浄化触媒は、担体に複数の貴金属粒子が担持され、貴金属粒子の平均粒径Yが2 nm以上10 nm以下であり、かつ、貴金属粒子の平均粒子間距離Zが200nm以上であることを要旨とする。
本発明の排ガス浄化触媒の製造方法は、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の貴金属粒子をAl2O3、ZrO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物である担体に貴金属粒子の担持濃度が0.01重量%以下となるように担持した後、貴金属粒子上に、選択的に、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の貴金属粒子を析出させて、貴金属粒子の全体の担持濃度を0.1重量%以上1.0重量%以下にすることを要旨とする。
本発明の排ガス浄化触媒によれば、特に高温環境下においても貴金属粒子の凝集を抑制することができ、触媒の活性を高めることができる。
本発明の排ガス浄化触媒の製造方法によれば、貴金属粒子の平均粒径及び平均粒子間距離を規定値とした触媒の活性が高い排ガス浄化触媒を簡単に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒及びその製造方法を説明する。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の断面図を図1に示す。図1に示すように、排ガス浄化触媒1は、担体2に複数の貴金属粒子3が担持され、貴金属粒子3の平均粒径Yは2 nm以上10 nm以下であり、貴金属粒子3の平均粒子間距離Zは200nm以上である。貴金属粒子3は、その平均粒径を小さくして微粒にすると貴金属粒子3の表面積が増加して触媒の活性が高まるが、逆に、貴金属粒子3の平均粒径が小さくなりすぎると、貴金属粒子3の表面エネルギが高くなり、貴金属粒子3が凝集してシンタリングし易くなる。このため、貴金属粒子3の移動のみを考えた場合、貴金属粒子3の平均粒径を大きくすると良い。しかし、貴金属粒子3の平均粒径が大きくなると、その表面積も低下するため触媒の活性も低下してしまう。このため、貴金属粒子3の移動や触媒の活性を考慮して、貴金属粒子3の平均粒径を2 nm以上10 nm以下と規定したものである。なお、ここで、貴金属粒子3の平均粒径とは、貴金属粒子3が球状である場合には、その直径を意味し、貴金属粒子3が球状ではない場合には、直径の最大値と最小値との平均値を意味する。
また、貴金属粒子3の平均粒径に応じて、担体2上を移動する貴金属粒子3の距離が決まるが、貴金属粒子3の平均粒子間距離を200nm以上に規定すると、貴金属粒子3が凝集するときの移動距離よりも貴金属粒子3の平均粒子間距離が離れているため、貴金属粒子3の凝集を抑制できるものと考えられる。
さらに、担体2に貴金属粒子3を担持する濃度をX重量%、貴金属粒子3の平均粒径をYnmとしたときに、両者を一般化して排ガス浄化触媒1を表すと、貴金属粒子3の平均粒径Yは、AX0.3341nm 以上10nm以下である。ここで、Aは、担体の比表面積L、貴金属粒子の密度K、貴金属粒子の平均粒子間距離Zから求められる定数であり、3以上50以下の値である。さらに、以下の式から求められる貴金属粒子3の平均粒子間距離Zは、200nm以上である。
Figure 2006289213
Aの値を3以上としたが、これは、例えば、担体の比表面積100050nm2/g、Pt粒子の担持濃度0.01%としたとき、Pt粒子の平均粒子間距離200nmを維持しようとすると、理論上、Pt粒子の平均粒径は0.68nmとなることから(なお、実際には、Pt粒子の平均粒径は1.2 nm〜1.6nmである)、これらの各値に基づきAの値を逆算したものである。一方、Aの値を50以下としたが、これは、Pt粒子の担持濃度が0.01%より低くなることは実際にはあり得ず、Pt粒子の担持濃度が0.01%であり、Pt粒子の平均粒径が10nmであるときに最大値となることから、これらの値に基づきAの値を逆算したものである。ただし、Aの値を3以上50以下と規定しただけでは一般的な触媒も含まれてしまうことから、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒1では、上記の式から求められるPt粒子の平均粒子間距離Zを200nm以上とすることが必須となる。このようにPt粒子の平均粒子間距離Zを200nm以上にすると、Pt粒子の粒凝集を大幅に抑制することができる。この結果、貴金属粒子3の分散度低下を抑制し、かつ、貴金属粒子3の平均粒径を小さい値に維持することができる。さらに、後述する実験により明らかになるが、Pt粒子の平均粒子間距離Zは350nm以上にすることがより好ましく、これにより貴金属粒子3の凝集がほとんど生じなくなる。
上記排ガス浄化触媒1において、貴金属粒子3は、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種又は二種以上の元素とすることが好ましい。
担体2は、Al2O3、ZrO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物とすることが好ましく、また、担体2の比表面積Lは、50nm2/g以上とすることが好ましい。担体2の比表面積Lが小さくなると、貴金属粒子3の平均粒子間距離Zを200nm以上にすることができないからである。また、貴金属粒子3の平均粒子間距離を200nm以上にすることができた場合であっても、貴金属粒子3の平均粒径が10nmを超えることから貴金属粒子3の表面積が減少してしまい、触媒の活性が低下するからである。
また、上記排ガス浄化触媒1において、貴金属粒子3は、その少なくとも一部が担体2中に埋没していることが好ましい。あるいは、貴金属粒子3は、その少なくとも一部が担体2により被覆されていることが好ましい。このように貴金属粒子3を担体2中に埋没させるか、あるいは担体2により被覆することにより、貴金属粒子3の移動を物理的に抑制することができる。さらに、貴金属粒子3は、その表面積の10%〜80%の範囲で担体2により被覆されていることが好ましい。通常、触媒として有効に機能するのは排ガス浄化触媒1表面の存在する貴金属粒子3である。このため、貴金属粒子3が被覆される割合が高い、すなわち、被覆率が高い場合には貴金属粒子3が安定化し、貴金属粒子3の凝集を抑制できるが、表面積が減少し反応物質と接触する割合が減るため、触媒活性が低下してしまう。これに対して、貴金属粒子3の被覆率が低くなると、触媒の初期活性は高いが、加熱により貴金属粒子3が凝集してしまう。このため、凝集抑制能と触媒性能とのバランスを考慮すると、貴金属粒子3は、その表面積の10%〜80%の範囲で被覆されていることが好ましい。被覆率がこの範囲にある場合には、貴金属粒子3の凝集が抑制される。なお、被覆率の計算方法については、後述する。
さらに、図1に示した排ガス浄化触媒1には図示しないが、Mn、Fe、Co、Ni、Mg、Ca、Ba、La、Nd、Pr及びYの中から選択される少なくとも一種の元素から成る粒子を含むことが好ましい。例示した元素から成る粒子を担体に担持させると、貴金属粒子3の熱凝集が抑制され、排ガス浄化触媒の活性を高めることができる。
次に、貴金属粒子3の平均粒径、貴金属粒子3の平均粒子間距離及び貴金属粒子3の担持濃度の関係を調べるために、実験を行った。
まず、8%ジニトロジアミンPt水溶液を用いて、比表面積200nm2/gのアルミナ(Al2O3)担体に、それぞれ担持濃度を変えてPt粒子を担持した後、焼成温度を400℃、700℃、900℃に変えて1時間焼成した。この時のPt粒子の担持濃度(%)、Pt粒子の初期の平均粒子間距離(nm)、Pt粒子の平均粒径(nm)及び焼結温度900℃でのPt粒子の粒成長度を表1に示す。
Figure 2006289213
また、Pt粒子の平均粒径と焼成温度との関係を図2に示した。なお、図2では、Pt粒子の担持濃度を0.01%としたときのデータを□、Pt粒子の担持濃度を0.10%としたときのデータを■、Pt粒子の担持濃度を1.00%としたときのデータを△としてプロットした。
図2に示すように、焼成温度を400℃にすると、Pt粒子の平均粒径は、Pt粒子の担持濃度に影響されることなく、いずれも約1.2nm〜1.6nmの大きさとなる。このことから、Pt粒子の担持濃度を変えると、初期のPt粒子の平均粒子間距離が変化するだけであり、Pt粒子の平均粒径に影響を与えることがない。表1に示すように、Pt粒子の担持濃度を0.01%と低くすると、初期のPt粒子の平均粒子間距離を217nmに広げることができる。Pt粒子の平均粒子間距離を217nm以上にすると、900℃で焼成した場合でも、Pt粒子の平均粒径を5.21nmに維持できることが判った。この結果、Pt粒子の平均粒径が約1.2nm〜1.6nmであり、初期のPt粒子の平均粒子間距離を200nm以上にすると、Pt粒子の粒凝集を大幅に抑制できることが判明した。
また、表1に示す各データから、Pt粒子と焼成温度900℃におけるPt粒子の粒子成長度との関係を図3に示し、初期のPt粒子の平均粒子間距離と、焼成温度900℃におけるPt粒子の粒子成長度との関係を図4に示す。また、Pt粒子の平均粒子間距離200nm、担体の比表面積200nm2/g 及びPtの密度21.45g/ccとしたときの、Pt粒子の担持濃度と平均粒径との関係を図5に示す。
図3に示すように、粒子成長度が1である場合には、900℃で焼成した後においても、Pt粒子の凝集によるPt粒子の粒成長が生じることなく、Pt粒子の担持濃度を0.0064%にすると粒子成長度が1になる。なお、この時のPt粒子の平均粒子間距離は約370nmであり、Pt粒子の平均粒径は1.2〜1.6nmである。さらに、図4に示すように、初期のPt粒子の平均粒子間距離を350nm以上にすると、900℃で焼成した後にもPt粒子の凝集を抑制できることが確認された。
さらに、貴金属粒子3の平均粒径は、2 nm以上5nm以下とすると良く、3nm以上にすることがより好ましい。図5に示すように、現在存在する耐熱性の高い担体(比表面積200nm2/g)を使用して、Pt粒子の平均粒径を1nmに維持し、Pt粒子の平均粒子間距離を200nm以上離すためには、Pt粒子の担持濃度を約0.006%にまで下げる必要があり、現実的ではないからである。具体的には、触媒1Lあたり貴金属粒子3を1.5g使用する場合、耐火性無機担体上にコーティングすると、25000gの貴金属粒子3を担体2にコーティングしなければならず、現実的に不可能となる。このため、貴金属粒子3の平均粒径は、3nm以上5nm以下とすることが好ましい。
次に、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の製造方法を説明する。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の製造方法は、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の貴金属粒子をAl2O3、ZrO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物である担体に貴金属粒子の担持濃度が0.01重量%以下となるように担持した後、貴金属粒子上に、選択的に、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の貴金属粒子を析出させて、貴金属粒子の全体の担持濃度を0.1wt%以上1.0wt%以下にしている。その後、Al、Zr及びCeの中から選択される少なくとも一種の化合物塩を用いて、貴金属粒子上に化合物塩を被覆することが好ましい。
通常、担持濃度を0.3wt%としてPt粒子をAl2O3担体上に担持すると、Pt粒子の平均粒子間距離は約40nm〜60nmとなり、Pt粒子が凝集し易くなる。そこで、まず、貴金属粒子の担持濃度を0.01wt%以下、例えば、担持濃度を0.0064wt%にすると、貴金属粒子の平均粒子間距離が約370nmとなり、貴金属粒子の平均粒径が1.2nm〜1.6nmとなる。その後、Pt粒子上にPtを選択的に析出させて、Pt粒子の担持濃度を0.3wt%とし、Pt粒子の平均粒径を3nm〜5nmにすると、Pt粒子の平均粒径を維持したまま、Pt粒子の平均粒子間距離を200 nm以上にすることができる。このような2段階に亘る処理をすることにより、Pt粒子の凝集を抑制することができる。
なお、担体上での貴金属粒子の移動を抑制するためには、担体と同じ金属塩を用いて、貴金属粒子上に選択的に析出させて、貴金属粒子の一部を担体で被覆する方法が有効であるが、貴金属粒子(例えば、Pt粒子)を担体(Al2O3)に担持した後、担体と同じ塩を含む金属化合物(Al(NO3))を含浸させて、Pt粒子をAl2O3に埋没させても良い。
また、本発明の実施の形態に係る他の排ガス浄化触媒の製造方法は、まず、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の貴金属塩を液相中で還元して、貴金属粒子の平均粒径を1nm以上5nm以下とし、その後、貴金属粒子の表面に、Al2O3、ZrO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物及び二種以上の複合酸化物を被覆して、貴金属粒子の全体の担持濃度を0.1重量%以上1.0%重量以下にするものである。
ここで、貴金属塩(例えば、Pt、Pd、Rhなど)を液相中で還元して、貴金属粒子を析出する方法としては、逆ミセル法又はコロイド法を用いることができる。以下、逆ミセル法又はコロイド法を用いた排ガス浄化触媒の製造方法を説明する。
逆ミセル法では、まず、有機溶媒中に界面活性剤を溶解させた混合溶液を調整し、この混合溶液に貴金属塩の混合水溶液を投入して攪拌する。すると、直径約数十nmの逆ミセルが形成されて、逆ミセル内部の水相に貴金属塩を含む水溶液が含有される。その後、逆ミセルを含む有機溶媒の混合溶液に還元剤を投入し、攪拌して貴金属塩を逆ミセルの内部で還元してメタル化する。
さらに、担体金属水溶液を混合して攪拌し、一部酸化した貴金属を含有した逆ミセル内に担体金属の塩及び水を含有させる。その後、逆ミセルを含む有機溶媒の混合溶液中に沈殿剤水溶液を混合し、逆ミセル内部の担体金属の塩を析出させる。この場合、逆ミセル内部の担体金属の塩がメタル化して担体金属として析出させて、貴金属粒子を担体金属により包接する。
そして、逆ミセルを含む有機溶媒の混合溶液中にアルコールを添加して攪拌し、逆ミセルを崩壊させると、貴金属粒子を担体金属により包接した沈殿物が得られる。
次に、得られた沈殿物をメンブランフィルタでろ過した後、アルコール及び水を用いて洗浄し、沈殿物に含まれる不純物(例えば界面活性剤など)を除去する。さらに、沈殿物を乾燥した後、空気気流中で沈殿物を焼成し、触媒粉末とする。得られた触媒粉末は、担体金属中に貴金属粒子の一部が埋没された状態で担体表面に担持される。
ここで、逆ミセル法において使用する有機溶媒としては、シクロヘキサン、シクロヘプタン、オクタノール、イソオクタン、n−ヘキサン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが使用可能であり、これら二種以上の混合溶液を用いても良い。界面活性剤としては、ポリエチレングリコール(5)モノ−4−ノニルフェニルエーテル、ペンタエチレングリコールドデシルエーテルなどが使用可能である。さらに、貴金属塩としては、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、アミン化合物、カルボニル化合物、金属アルコキシドなどが使用可能であり、また、二種以上の混合溶液を使用しても良い。還元剤としては、アンモニア、テトラメチルアンモニウム、アルカリ金属水酸塩、ヒドラジン、ホウ素化水素ナトリウムなどが使用可能である。担体金属の塩としては、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、アミン化合物などが使用可能である。沈殿剤としては、ヒドラジン、ホウ素化水素ナトリウム、アンモニアなどが使用可能であり、また、これらの二種以上の混合溶液を用いても良い。また、アルコールとして、メタノール、エタノールなどが使用可能である。
次に、コロイド法を説明する。まず、分散媒中に金属塩と有機分子を投入して攪拌し、分散媒中に金属のイオンと、有機分子とが存在する混合溶液を調製する。その後、混合溶液に還元剤を加えて金属イオンを還元し、還元された貴金属粒子の周囲に有機分子が配位した金属コロイドの分散液とする。
この分散液に担体前駆体である担体金属水和物を投入し、攪拌した後、さらに沈殿剤水溶液を投入した上で一晩熟成する。すると、金属コロイドが担体の前駆体である水酸化物に取り込まれて、触媒前駆体の沈殿物が得られる。ここで、金属コロイドのうち一部は水酸化物に一部が取り込まれた状態であり、他は水酸化物に完全に包接された状態となる。
さらに、得られた沈殿物をメンブランフィルタでろ過した後、大量の水を用いて沈殿物を洗浄し、この沈殿物を一昼夜乾燥した後、沈殿物を空気気流中で焼成して、触媒とする。
ここで、コロイド法で使用する貴金属塩としては、ジニトロジアミン塩、トリアンミン塩、テトラアンミン塩、ヘキサアンミン塩などの貴金属錯体、硝酸塩、塩化物、硫酸塩などの無機塩が使用可能である。有機分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミド、ポリアクリル酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸などが使用可能であり、また、これら2種以上の混合溶液を用いて良い。還元剤としては、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素ガスなどが使用可能である。なお、担体の前駆体は含水物としても良く、また、沈殿剤水溶液としては、アンモニア水やTMAH水溶液などが使用可能である。
得られた触媒は、金属コロイドが担体の前駆体である水酸化物に取り込まれた触媒前駆体を焼成しているため、水酸化物から水が蒸発し、水酸化物が脱水収縮する。この際に担体には細孔が多く形成され、水酸化物に取り込まれた金属コロイドが担体の外表面及び細孔内部である内表面に金属粒子が埋没した状態となる。このように、担体上に金属粒子が均一に分散されて強固に固定され、また、担体が貴金属粒子のアンカーとして作用することから、貴金属粒子の凝集が抑制され、触媒活性の高い触媒を得ることができる。
なお、本実施の形態に係る触媒の製造方法において、触媒の活性はその元素の種類や使用条件などによって異なるため、目的とする触媒に応じて、使用する元素、還元剤及び析出剤の種類や反応温度、反応時間、攪拌強度及び攪拌方法などを適宜変更すると良い。
以下、実施例を用いてさらに具体的に説明する。
実施例1
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中にジニトロジアミン白金塩を投入し、比表面積195nm2/gのAl2O3に対してPtの担持濃度を0.01wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.22nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は214.2nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、ジニトロジアミン白金塩とヒドラジンを投入し、先に担持したPt粒子上にPtを選択的に析出させた。ここで、Pt量は、先に担持した0.01wt%と併せて全体で0.3wt%となるようにした。
この水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は4nmであり、Aの値は5.68であった。
実施例2
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中にジニトロジアミン白金塩を投入し、
比表面積195nm2/gのAl2O3に対してPtの担持濃度を0.005 wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.30nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は333.3nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、ジニトロジアミン白金塩とヒドラジンを投入し、先に担持したPt粒子上にPtを選択的に析出させた。ここで、Pt量は、先に担持した0.005wt%と併せて全体で0.3wt%となるようにした。
この水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は5.1nmであり、Aの値は7.63であった。
実施例3
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中にジニトロジアミン白金塩を投入し、比表面積195nm2/gのAl2O3に対してPtの担持濃度を0.01wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.30nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は214.2nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、ジニトロジアミン白金塩とヒドラジンを投入し、先に担持したPt粒子上にPtを選択的に析出させた。ここで、Pt量は、先に担持した0.005wt%と併せて全体で0.06wt%となるようにした。
この水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は2.2nmであり、Aの値は5.68であった。
実施例4
本実施例では、逆ミセル法を用いた。
溶媒であるシクロヘキサン1Lと、界面活性剤であるポリエチレングリコール-p-ノニルフェニルエーテル66g とを混合し、界面活性剤と溶媒との比(界面活性剤/溶媒比)を0.15mol/Lとした溶液とした。
その後、得られた溶液を攪拌し、NaBH4 0.0018gを投入した後、さらに2hr攪拌し、還元剤と貴金属粒子との比(還元剤/貴金属粒子)を3とした。
その後、得られた溶液を攪拌し、さらに水45.9gを投入して水溶液とした。
また、シクロヘキサン20mL中に、アルミニウムイソプロポキシド3.81gを加え、攪拌して溶液を得た。
得られた溶液を水溶液中に投入し、さらにメタノール100mlを投入して攪拌した。攪拌した後、メンブランフィルタで濾過し、エタノールで洗浄した後、さらに水により洗浄した。
これを120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1hr焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は3.7nmであり、Pt粒子の平均粒子間距離は209nmであった。また、BED表面積は、321nm2/gであった。
実施例5
本実施例では、コロイド法を用いた。
水とエタノールとを1:1の割合で混合した溶液中に、ポリビニルピロリドン55mmol、ジニトロジアミンPt1.54mmolを投入し、攪拌して溶液とした。
得られた溶液中にヒドラジンを加え、平均粒径3.9nmのPt粒子を分散させたPt粒子分散液とした。
その後、2-メチル-2,4,-ペンタンジオール89.6g 中にアンモニウムイソプロポキシド20g を投入し、120℃で4hr攪拌して溶液を得た。
得られた溶液中にPt粒子分散液を投入した後、さらに水10g を投入し、攪拌して水溶液を得た。
水溶液を80℃で減圧乾燥した後、400℃で1hr焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は3.9nmであり、Pt粒子の平均粒子間距離は226nmであった。さらに、BED表面積は362nm2/gであった。
実施例6
本実施例では、貴金属粒子をアルミナにより被覆した。
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中にジニトロジアミン白金塩を投入し、比表面積195nm2/gのAl2O3に対してPtの担持濃度を0.01wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.22nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は214.2nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、ジニトロジアミン白金塩とヒドラジンを投入し、先に担持したPt粒子上にPtを選択的に析出させた。ここで、Pt量は、先に担持した0.01wt%と併せて全体で0.30wt%となるようにした。
この水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は4.0nmであり、Aの値は5.68であった。
さらに、得られた粉末を水に分散させた後、アンモニア水を投入し、pHを10に調整した水溶液とした。
得られた水溶液中にアンモニウムイソプロポキシドを投入し、Pt粒子表面にアルミニウム水酸化物ができるようにした。
その後、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1hr焼成して粉末を得た。
実施例7
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中に硝酸Pdを投入して、比表面積195nm2/gのAl2O3に対してPtの担持濃度を0.006wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌した後、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.31nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は230.4nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、硝酸Pdとヒドラジンを投入し、先に担持したPd粒子上に選択的にPdを析出させた。Pd量は、先に担持した0.006wt%と併せて全体で0.30wt%となるようにした。
この水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPd粒子の平均粒径は5.1nmであり、Aの値は7.23であった。
実施例8
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中に硝酸Rhを投入して、比表面積195nm2/g のAl2O3に対してRhの担持濃度を0.006wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のRh粒子の平均粒径は1.25nmであり、Pd粒子の粒子間平均距離は218.2nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、硝酸Rh塩とNaBH4を投入し、先に担持したRh粒子上にRhを選択的に析出させた。ここで、Rh量は、先に担持した0.006wt%と併せて全体で0.30wt%となるようにした。
この水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のRh粒子の平均粒径は4.8nmであり、Aの値は6.90であった。
実施例9
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中に硝酸Rhを投入し、比表面積195nm2/gのAl2O3に対してRhの担持濃度を0.006wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のRh粒子の平均粒径は1.25nmであり、Pd粒子の粒子間平均距離は218.2nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、硝酸Rh塩とNaBH4を投入し、先に担持したRh粒子上にRhを選択的に析出させた。ここで、Rh量は、先に担持した0.006wt%と併せて全体で0.30wt%となるようにした。
この水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のRh粒子の平均粒径は4.8nmであり、Aの値は6.90であった。
実施例10
比表面積195nm2/gのアルミナ(Al2O3)に酢酸CeをCeO2として10wt%となるようにして含浸させた。これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して粉末を得た。この時の比表面積は172nm2/gであった。
得られた粉末を分散させた水溶液中にテトラアンミンPt水酸塩を投入し、粉末に対してPtの担持濃度が0.01wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌した後、一昼夜120℃で乾燥させて、その後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.38nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は242.0nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、ジニトロジアミンPt塩とヒドラジンを投入し、先に担持したPt粒子上に選択的にPtを析出させて、Pt量は、先の0.001重量%と併せトータルで0.3%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は4.9nmであり、Aの値は6.43であった。
実施例11
比表面積98nm2/gのジルコニアに硝酸AlをAl2O3として1wt%となるようにして含浸した。これを120℃で一昼夜乾燥し、600℃で1時間焼成して粉末を得た。この時の比表面積は74nm2/gであった。
得られた粉末を分散させた水溶液中に硝酸Rhを投入し、硝酸Rhを粉末に対して0.002wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.26nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は235.6nmであった。
さらに、得られた粉末を分散させた水溶液中に、硝酸RhとNaBH4を投入し、先に担持したRh上に選択的にRhを析出させた。Rh量は先の0.002wt%と併せトータルで0.3wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、空気中400℃で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は平均で7.0nmであり、Aの値は10.0であった。
実施例12
比表面積70nm2/gのジルコニアに硝酸AlをAl2O3として1wt%となるようにして含浸した。これを120℃で一昼夜乾燥し、600℃で1時間焼成して粉末を得た。この時の比表面積は53nm2/gであった。
得られた粉末を分散させた水溶液中に、硝酸Rhを投入し、粉末に対してRhを0.001wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.26nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は282.0nmであった。
得られた粉末を分散させた水溶液中に、硝酸RhとNaBH4を投入し、先に担持したRh上に選択的にRhを析出させた。Rh量は先の0.001重量%と併せトータルで0.3%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、空気中400℃で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のRh粒子の平均粒径は7.2nmであり、Aの値は12.6であった。
実施例13
実施例1により製造した触媒粉末に、さらに硝酸MnをMnO2として5%となるように含浸させた。これを120℃で一昼夜乾燥し、400℃で1時間焼成した後、粉末を得た。
実施例14
実施例13で使用した硝酸Mnを硝酸Feに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例15
実施例13で使用した硝酸Mnを硝酸Coに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例16
実施例13で使用した硝酸Mnを硝酸Niに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例17
実施例13で使用した硝酸Mnを酢酸Mgに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例18
実施例13で使用した硝酸Mnを酢酸Caに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例19
実施例13で使用した硝酸Mnを酢酸Baに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例20
実施例13で使用した硝酸Mnを酢酸Laに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例21
実施例13で使用した硝酸Mnを酢酸Ndに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例22
実施例13で使用した硝酸Mnを酢酸Prに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
実施例23
実施例13で使用した硝酸Mnを酢酸Yに変えた以外は、実施例13と同じ方法を用いて粉末を調整した。
比較例1
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中にジニトロジアミン白金塩を投入し、比表面積195nm2/gのAl2O3に対してPtの担持濃度を0.30wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPt粒子の平均粒径は1.30nmであり、Pt粒子の粒子間平均距離は43nmであり、Aの値は1.94であった。
比較例2
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中に硝酸Pd塩を投入し、比表面積195nm2/gのAl2O3に対してRdの担持濃度を0.30wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のPd粒子の平均粒径は1.35nmであり、Pd粒子の粒子間平均距離は34.0nmであり、Aの値は2.02であった。
比較例3
アルミナ(Al2O3)を分散させた水溶液中に硝酸Rh塩を投入し、比表面積195nm2/gのAl2O3に対してRhの担持濃度を0.30wt%となるようにした。
その後、得られた水溶液を2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、400℃の空気中で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末のRh粒子の平均粒径は1.33nmであり、Rh粒子の粒子間平均距離は33.8nmであり、Aの値は1.99であった。
上記実施例1〜実施例23及び比較例1〜比較例3により製造した各触媒粉末を用いて、触媒粉末225g、アルミナゾル25g、水230g、硝酸20gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、各触媒スラリを得た。
得られた各触媒スラリをコーデェライト質モノリス担体(0.119L、400セル)に付着させた後、空気流にてセル内の余剰スラリを取り除き、120℃で乾燥した。その後、400℃で1時間焼成し、コート層150.0g/Lの触媒を得た。
ここで、貴金属粒子の平均粒径及び被覆率の測定方法を説明する。
貴金属粒子の平均粒径は、まず、焼成前の触媒及び焼成後の触媒を用いて、TEM測定を実施する。TEM(透過型電子顕微鏡)は、HF-2000(日立製作所(株)社製)を使用し、加速電圧を200kVとし、切削条件を常温とした。具体的には、触媒粉末をエポキシ樹脂にて包理処理し、エポキシ樹脂が硬化した後、ウルトラミクロトームにより超薄切片を作成した。その切片を用いて、TEM観察により各種結晶粒の分散状態を調べた。得られた映像の中で、コントラスト(影)の部分に焦点を充て、金属種を限定し、その金属の粒径を測定し、測定値の平均値を算出し、貴金属粒子の平均粒径とした。
被覆率は、(100−露出率)%として求められる。露出率は、排ガス浄化触媒に存在する貴金属粒子のうち、複合化合物表面に露出した貴金属粒子の割合を意味し、具体的には、後述するCO吸着により算出した貴金属外表面積(PMSA)と、TEM観察結果により得られた貴金属粒子の平均粒径から理論的に算出した粒子表面積(TSA)の比から算出したものである。なお、TEMにより観察される貴金属粒子は、複合化合物表面に露出していない貴金属粒子をも観察することが可能である。このため、仮に貴金属粒子が全て複合化合物表面に露出している場合には、TSAに対し化学量論的に吸着したガス吸着量が得られ、TSAとPMSAとが同じ値になる。しかし、貴金属粒子が複合化合物表面上で被覆された状態で担持されている場合には、貴金属粒子の粒径から求められる貴金属表面積に対し化学量論的に吸着したガス吸着量が得られない。そこで、TEM観察された貴金属粒子の平均粒径と、実際に試料に吸着したガス吸着量より、複合化合物表面に露出している貴金属表面積の割合を算出し、露出率とする。
PMSAは、以下に示す式により算出される。
Figure 2006289213
TSAは、次に示す方法により算出される。TEM観察による貴金属粒子の平均粒径を[D]とする。[D]1個を構成する貴金属の原子数を[A]とすると、調製時に仕込んだ貴金属原子数[N]より、触媒に含まれる[D]の個数(n)を算出することができる。
Figure 2006289213
Figure 2006289213
Figure 2006289213
得られたPMSAとTSAの比から露出率を計算する。
露出率(%)=(PMSA/TSA)×100
そして、100から露出率(%)を引いたものが被覆率(%)となる。
被覆率(%)=100−露出率
なお、これを簡略化すると次式が得られ、この式から被覆率を求めることができる。
Figure 2006289213
ここで使用した貴金属のデータを表2に示す。
Figure 2006289213
なお、上記被覆率を求めるために、単位CO吸着量を測定するが、この単位CO吸着量の測定には、金属分散度測定装置(日本ベル株式会社製、BEL-METAL-3)を用いて、以下の手順に従って測定した。試料は、He100%ガス気流中にて、10℃/minで400℃まで昇温した後、さらに、400℃、O2100%ガス気流中にて、15分間酸化処理を行った。そして、He100%ガスにて5分間パージし、400℃、H240%/Heバランスガス気流中にて15分間還元処理を行った。次に、He100%ガス気流中にて50℃まで降温した。そして、CO10%/Heバランスガスをパルス的に流入させて、単位CO吸着量を求めた。
さらに、上記の各実施例及び各比較例から得られた触媒を900℃で3時間焼成し、触媒を耐久させた。この焼成時のガス雰囲気は、H22%/He2 balanceのガスと、O225%/He balanceのガスとを10秒ずつ切り替えた。
その後、触媒の耐久後における貴金属粒子の平均粒径を測定した。さらに、触媒作製時の初期と耐久後とにおける貴金属粒子の平均粒径から、以下の式に基づき粒子成長度を算出し、これらの結果を表3に示した。
粒子成長度=(耐久後の貴金属粒子の平均粒径/触媒作製時の貴金属粒子の平均粒径)
Figure 2006289213
表3に示すように、比較例に比べて、貴金属粒子の平均粒径及び粒子間平均距離を本発明の範囲内とした実施例では、いずれも粒子成長度が低かった。また、各実施例を比較すると、貴金属粒子の平均粒子間距離が長くなる程、貴金属粒子の粒子成長度の値が低くなっていることが判明した。実施例の中でも、特に、逆ミセル法あるいはコロイド法を用いた調製した実施例4乃至実施例6の触媒は、Pt粒子の周囲を担体により被覆あるいは埋没したため、Pt粒子の移動が抑制される。このため、他の製造方法を用いて触媒を調製した場合に比べて、粒子成長度が低い値となっていた。さらに、初期のPt粒子の平均粒径を3.0nm未満とした実施例3の触媒では、粒子成長度が5.5であり、他の実施例と比較すると、若干大きい値となっていた。これは、貴金属粒子の平均粒径が小さくなると、貴金属粒子の表面エネルギが大きくなり、貴金属粒子が凝集し易くなるからであると考えられる。このため、貴金属粒子の平均粒子は、3nm以上とすることが好ましい。
さらに、各触媒の性能を評価した。
まず、排気量4500ccのエンジン(日産自動車(株)社製)の排気系に、実施例1、実施例13〜実施例23及び比較例1の触媒を装着し、触媒の入口温度を700℃となるように触媒位置を調節し、30時間運転を行った。なお、燃料として無鉛ガソリンを使用した。
触媒を耐久させた後、各触媒の一部をくり抜き、触媒容量40ccとした各触媒を模擬排ガス流通装置に組み込んだ。その後、表4に示す組成のモデルガスをガス流量40L/分として模擬排ガス流通装置に流通させて、触媒の温度を室温から400℃まで速度30℃/分で昇温させて、HC、CO、NOxのそれぞれの浄化率が50%となる温度T(℃)を調べた。これらの結果を50%転化率温度として、表5に示した。
Figure 2006289213
Figure 2006289213
表5に示すように、Pt粒子の平均粒径が2 nm未満であり、Pt粒子の平均粒子間距離が200nm未満とした比較例1に比べて、Pt粒子の平均粒径及び平均粒子間距離を本発明の範囲内とした実施例の50%転化率温度は低く、比較例に比べて実施例の浄化性能が向上していることが判明した。さらに、実施例13〜実施例23の触媒は、Mn、Fe、Coなどの元素から成る粒子を含むことから、実施例1よりも50%転化率温度が低く、Mn、Fe、Coなどから成る粒子を含むことにより、
より一層、触媒の浄化性能が向上することが判明した。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化用触媒の一部断面図である。 焼成温度とPt粒子の平均粒径との関係図である。 Pt粒子の担持濃度と900℃における粒子成長度との関係図である。 Pt粒子の初期の平均粒子間距離と900℃における粒子成長度との関係図である。 Ptの担持濃度とPt粒子の平均粒径との関係図である。
符号の説明
1…排ガス浄化触媒、
2…担体、
3…貴金属粒子、
Y…貴金属粒子の平均粒径、
Z…貴金属粒子の平均粒子間距離、

Claims (12)

  1. 担体に複数の貴金属粒子が担持され、前記貴金属粒子の平均粒径Yが2 nm以上10 nm以下であり、かつ、前記貴金属粒子の平均粒子間距離Zが200nm以上であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  2. 担体に複数の貴金属粒子が担持され、前記担体に前記貴金属粒子を担持する濃度をX重量%、貴金属粒子の平均粒径をYnmとしたときに、貴金属粒子の平均粒径Yは、AX0.3341nm 以上10nm以下であり、Aは、担体の比表面積L、貴金属粒子の密度K及び貴金属粒子の平均粒子間距離Zにより定まる3以上50以下の定数であり、さらに、以下の式から求められる前記貴金属粒子の平均粒子間距離Zが200nm以上であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
    Figure 2006289213
  3. 前記貴金属粒子の平均粒子間距離Zは、350nm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス浄化触媒。
  4. 前記貴金属粒子は、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種又は二種以上の元素であり、前記担体は、Al2O3、ZrO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  5. 前記担体の比表面積Lは、50nm2/g以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  6. 前記貴金属粒子の平均粒径Yは、3nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  7. 前記貴金属粒子は、その少なくとも一部が前記担体中に埋没していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  8. 前記貴金属粒子は、その少なくとも一部が前記担体により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  9. さらに、Mn、Fe、Co、Ni、Mg、Ca、Ba、La、Nd、Pr及びYの中から選択される少なくとも一種の元素から成る粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  10. Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の貴金属粒子をAl2O3、ZrO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物である担体に前記貴金属粒子の担持濃度が0.01重量%以下となるように担持した後、
    前記貴金属粒子上に、選択的に、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の貴金属粒子を析出させて、前記貴金属粒子の全体の担持濃度を0.1重量%以上1.0重量%以下にすることを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。
  11. さらに、Al、Zr、Ceの中から選択される少なくとも一種の化合物塩を用いて、前記貴金属粒子上に化合物塩を被覆することを特徴とする請求項10記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  12. Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の貴金属塩を液相中で還元して、前記貴金属粒子の平均粒径を1nm以上5nm以下とした後、
    前記貴金属粒子の表面に、Al2O3、ZrO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物及び二種以上の複合酸化物を被覆して、前記貴金属粒子の全体の担持濃度を0.1重量%以上1.0%重量以下にすることを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。
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