JP2012016681A - 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法ならびに排気ガス浄化方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒およびその製造方法ならびに排気ガス浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温に曝された後においても優れた触媒性能(熱安定性)を有する高温耐久性に優れた排気ガス浄化用触媒を提供する。
【解決手段】パラジウムまたはパラジウム酸化物およびマグネシウムまたは酸化マグネシウムを含む複合体、ならびにランタン含有アルミナを含み、前記複合体の少なくとも一部が前記ランタン含有アルミナによって被覆される、排気ガス浄化用触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、内燃機関から排出される排気ガスの浄化用触媒およびその製造方法ならびにこれを用いた排気ガス浄化方法に関するものである。詳しくは、本発明は、高温耐久処理後であっても、理論空燃費(A/F)が低い燃料過剰な条件で内燃機関から排出されるガス、特に当該ガス中の窒素酸化物(NOx)を効率良く浄化することができる排気ガス浄化用触媒およびその製造方法ならびに排気ガス浄化方法に関する。
内燃機関からの排気ガスを浄化する触媒として、一般的に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)等の貴金属成分を活性アルミナ等の担体に担持したものが使用されている。これらの触媒のうち、パラジウムを使用した触媒(Pd触媒)は、白金やロジウムを使用した触媒(Pt/Rh触媒)に比して、燃料過剰な理論空燃費(A/F)の低い条件下では、窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素(CO)の浄化率が低いことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムなどの電子供与性および/または二酸化窒素の吸収や放出作用を有する物質と白金、パラジウム、ロジウムなどの貴金属とを含む低温着火性触媒組成物とゼオライトからなる吸着材とが内燃機関の排気管内に配置されてなる排気ガス浄化システムが開示されており、電子供与性物質から貴金属へ電子が供与されるため、炭化水素(HC)および/または一酸化炭素(CO)の貴金属に対する吸着力が弱められ、HCおよび/またはCOとOとの反応が促進されると示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、パラジウムとマグネシウムとを含む排気ガス浄化触媒において、マグネシウムが排気ガス中のHCを捕獲・吸着することによってパラジウムへのHCの吸着が抑制されることが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、パラジウムと水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも一方とを混合した水溶液を用いて作製した触媒が開示されており、カルシウムおよびマグネシウムが硫黄成分と反応して硫化物となるためパラジウムの硫黄被毒が抑制されることが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−872号公報 特開平8−229395号公報 特開平7−136512号公報
J.C.Summers,J.J.White,W.B.Williamson,SAE PAPER,890794(1989)
しかしながら、非特許文献1に記載の触媒では、燃料過剰なA/F値の低い条件でのNOx浄化率が低く、内燃機関からの排気ガスの排出規制が強化されている現行では、NOx浄化率が十分であるとはいいがたい。また、ロジウムは、パラジウムに比してA/F値の低い条件でのNOx浄化率は高いものの、パラジウムより高価であるため、経済的な観点からは、その削減が望まれている。
また、特許文献1や2に記載の触媒は、貴金属粒子の大部分が担体(担持基材)表面に存在するため、貴金属のシンタリングに対する物理的障壁が少なく、高温下での使用や長持間高温に曝すと貴金属粒子のシンタリングが生じやすく、性能低下を招くという問題がある。また、特許文献1〜3に記載の触媒はいずれも、アルミナゾルを用いて調製されているが、ゾルやゲルを乾燥、焼成する過程を少なくとも2回必要とするため、触媒調製コストが高くなったり、触媒調製サイクルタイムが長くなったりする問題がある。さらに、特許文献2及び3に記載の触媒はいずれも、要求される細孔径が、それぞれ、5〜20nm及び20〜60nmであるが、これらの触媒は活性成分である貴金属等の担体として用いられており、貴金属が被覆された触媒において要求される細孔径とは領域が異なる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、A/F値(空燃比)が理論空燃比である14.7未満、すなわち、還元性の炭化水素を多く含む燃料過剰なリッチな雰囲気下において、貴金属としてパラジウムのみを使用した場合であっても、内燃機関からの窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素(CO)を効率よく浄化できる排気ガス浄化用触媒、及びその製造方法、並びに当該排気ガス浄化用触媒を用いて効率よく内燃機関の排気ガスを浄化する方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高温に曝された後においても優れた触媒性能(熱安定性)を有する高温耐久性に優れた排気ガス浄化用触媒およびその安価な製造方法ならびに当該排気ガス浄化用触媒を用いて効率よく内燃機関の排気ガスを浄化する方法を提供することにある。
上記課題に鑑み鋭意検討した結果、パラジウムまたはパラジウム酸化物とマグネシウムまたは酸化マグネシウムとの複合体の少なくとも一部を、ランタン含有アルミナによって被覆することにより、得られた触媒は、高温に曝された後においても優れた触媒性能(熱安定性)及び高温耐久性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題は、パラジウムまたはパラジウム酸化物およびマグネシウムまたは酸化マグネシウムを含む複合体、ならびにランタン含有アルミナを含み、前記複合体の少なくとも一部が前記ランタン含有アルミナによって被覆される、排気ガス浄化用触媒により解決される。
本発明の排気ガス浄化用触媒は、高温に曝された後においても優れた触媒性能(熱安定性)及び高温耐久性に優れ、A/F値(空燃比)が理論空燃比である14.7未満、すなわち、還元性の炭化水素を多く含む燃料過剰なリッチ雰囲気下でも、内燃機関からの排気ガス、特に排気ガス中の窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素(CO)を効率よく浄化できる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の担持状態を模式的に示す平面図である。 ランタン含有アルミナによってPd/Pd酸化物は被覆されるが、Mg/Mg酸化物が上記Pd/Pd酸化物とは近接せずに担持された複合体の状態を模式的に示す平面図である。 含浸法を用いて作製される従来の排気ガス浄化用触媒におけるPd/Pd酸化物とアルミナとの担持状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例の触媒AのTEM−EDS分析結果を示す図である。 本発明の実施例の触媒BのTEM−EDS分析結果を示す図である。 比較例の触媒DのTEM−EDS分析結果を示す図である。
本発明による排気ガス浄化用触媒は、パラジウムまたはパラジウム酸化物およびマグネシウムまたは酸化マグネシウムを含む複合体、ならびにランタン含有アルミナを含み、前記複合体の少なくとも一部が前記ランタン含有アルミナによって被覆されることを特徴とするものである。このような構造を有する本発明の排気ガス浄化用触媒は、高温に曝された後においても優れた触媒性能(熱安定性)及び高温耐久性に優れ、A/F値(空燃比)が理論空燃比である14.7未満、すなわち、還元性の炭化水素を多く含む燃料過剰なリッチ雰囲気下でも、内燃機関からの排気ガス、特に排気ガス中の窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素(CO)を効率よく浄化できる。このように本発明の排気ガス浄化用触媒が上記したような効果を奏する理由は不明であるが、以下のように推論される。なお、本発明は、下記推論によって限定されるものではない。
すなわち、触媒にはMg/Mg酸化物が存在するが、このMg/Mg酸化物は、排気ガス中の水素(H)を選択的に吸蔵すると、局所的に出力向上や排気ガスの浄化に適したストイキ状態よりに雰囲気を緩和すると考えられる。また、局所的な雰囲気変動が起こるとPd/Pd酸化物をA/F値の低い(リッチ)雰囲気下においても酸化状態で保持することが可能であり、酸化パラジウム上の酸素を利用して、NO+O→NO、HC+NO→N+HO+COの反応が進行すると考えられる。複合体がランタン含有アルミナで被覆されると、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが高温に晒された後においても近接して担持されるため、上記酸化状態を保持しやすいと、考えられる。このため、本発明による触媒は、高温に曝された後においても、A/F値が低い雰囲気下において、上記反応が進行しやすいと、考えられる。
なお、本明細書では、「本発明の排気ガス浄化用触媒」を「本発明の触媒」とも;「パラジウムまたはパラジウム酸化物」を「Pd/Pd酸化物」とも;および「マグネシウムまたは酸化マグネシウム」を「Mg/Mg酸化物」とも、それぞれ称する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。しかし、本発明は、下記に限定されるものではない。なお、本明細書中の「A〜B」は「A以上、B以下」を意味し、例えば、明細書中で「1質量%〜30質量%」または「1〜30質量%」と記載されていれば「1質量%以上、30質量%以下」を示す。また、本明細書中の「Cおよび/またはD」とは、C及びDのいずれか一方または両方を含むことを意味する。また、本明細書で挙げられている各種物性は、特記しない限り、後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。
(I)排気ガス浄化用触媒
本発明の触媒は、パラジウムまたはパラジウム酸化物およびマグネシウムまたは酸化マグネシウムを含む複合体が、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆されてなる複合体を含む。ここで、「ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、パラジウムまたはパラジウム酸化物とマグネシウムまたは酸化マグネシウムとからなる複合体」を、図1を参照しながら説明する。なお、図1〜3は、各成分の位置関係を模式的に示した図であるため、実際の距離、形状、粒子径を表すものではない。
図1は、本発明の触媒に含まれる、ランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆された、パラジウムまたはパラジウム酸化物とマグネシウムまたは酸化マグネシウムとからなる複合体の状態を模式的に示す平面図および部分拡大図である。例えば、図1において、符号1は一つのランタン含有アルミナしか指していないが、白色の不定形で表されている物質は全てランタン含有アルミナであり、他の符号についても同様のことを意味する。また、図2,3においても同様である。
図1に示されるように、ランタン含有アルミナ1は、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体2の周囲に近接して担持される。ここで、「近接して担持される」とは、Pd/Pd酸化物またはMg/Mg酸化物とランタン含有アルミナ1とが一部接触している状態を指す。また、「近接して担持された状態」では、Pd/Pd酸化物またはMg/Mg酸化物とランタン含有アルミナ1との接触部において、Pd/Pd酸化物またはMg/Mg酸化物に吸着可能な分子(例えば酸素(O)や一酸化炭素(CO))が吸着できない。
図1に示すように、「Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とからなる複合体」は、Pd/Pd酸化物及びMg/Mg酸化物のそれぞれ1原子以上が、少なくとも一部接触してなる複合体であり、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との固溶体、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との混合物等、またはこれらの2以上の組み合わせが含まれる。
Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが複合体2を形成した状態であれば、Mg/Mg酸化物がPd/Pd酸化物の近傍に存在するため、燃料過剰な理論空燃費(A/F)の低い条件下でも、窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素(CO)を効率よく浄化できる。また、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とからなる複合体の少なくとも一部がランタン含有アルミナによって被覆されることにより、ランタン含有アルミナがパラジウムのシンタリングに対する物理的障壁になるため、高温に曝されても、Pd粒子のシンタリングを抑制・防止できるとともに、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが近接した状態で担持できる。ゆえに、本発明の触媒は、高温に曝された後においても優れた触媒性能(熱安定性)及び高温耐久性を発揮できる。なお、本発明は、上記推論に限定されない。
これに対して、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが複合体を形成していない、例えば、図2に示されるように、ランタン含有アルミナ1によってPd/Pd酸化物3は被覆されているが、Mg/Mg酸化物4がPd/Pd酸化物3とは近接せずにかつランタン含有アルミナ1に被覆されない状態で担持された場合には、多くのPd/Pd酸化物およびMg/Mg酸化物は近接せずに担持される、またはMg/Mg酸化物はPd/Pd酸化物と無関係に担持される。このため、燃料過剰な理論空燃費(A/F)の低い条件下では、Pd本来の触媒性能しか示さず、窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素(CO)を効率よく浄化できない。
また、図3に示されるように、Pd/Pd酸化物3が担体であるランタン含有アルミナ1の表面に担持される場合には、Mg/Mg酸化物4は、Pd/Pd酸化物3の比較的近傍に担持されるが、Pd/Pd酸化物3は、図1及び図2のように被覆されていないためシンタリングを起こし易く、Mg/Mg酸化物も被覆層という物理的障壁がないために移動が容易である。したがって、触媒調製時にPd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが近接した状態で担持されたとしても、高温に曝された場合には、近接した状態を保持することは困難である。なお、図3は、含浸法を用いて作製される従来の排気ガス浄化用触媒におけるPd/Pd酸化物3とランタン含有アルミナ1との担持状態を模式的に示す平面図である。
なお、上記「シンタリング」とは、高温に曝されることで粒子同士が結合して粗大化することを意味する。触媒成分であるPd/Pd酸化物がシンタリングを起こすと、Pd/Pd酸化物粒子の表面積が減少し、触媒活性が低下するため好ましくない。
以下、本実施の形態に係る上記複合体を構成する各成分について説明する。
(i)触媒活性成分
本発明の触媒は、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体を触媒活性成分として含む。ここで、一方の触媒活性成分である、Pd/Pd酸化物は、パラジウムまたはパラジウム酸化物いずれの形態で存在してもよいが、好ましくはパラジウム酸化物の形態で存在することが好ましい。このような形態により、加速時などのA/F値(空燃比)が理論空燃比である14.7未満の燃料リッチな雰囲気下でも、Rhを用いない場合においても排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を浄化できる。また、Pd/Pd酸化物は、少なくとも一部がランタン含有アルミナによって被覆されているが、本発明の触媒は、Pd/Pd酸化物を上記被覆形態で使用されてもよいが、被覆形態のPd/Pd酸化物を三次元構造体上にさらに担持した構造を有することが好ましい。このように表面積が大きい三次元構造体を用いることにより、排気ガス浄化用触媒を効率よく担持することができるため、排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化効率を向上させることができる。ここで、Pd/Pd酸化物の担持量は、特に制限されないが、例えば、触媒活性成分が三次元構造体上に担持される場合には、三次元構造体1リットル(以下、「L」と表記する場合がある)当り、パラジウム換算(Pd換算)で、好ましくは0.05〜20g、より好ましくは0.1〜10g、さらにより好ましくは1〜7g/L、特に好ましくは2〜4g/Lである。Pd/Pd酸化物の担持量が上記範囲であれば、NOxやCOを効率よく浄化でき、また、炭化水素の燃焼が充分進行し、投入量に見合ったHCの燃焼性を達成できるなど、優れた触媒性能を発揮できる。また、少量で十分な効果を奏するので、コストパフォーマンスの面でも好ましい。なお、上記Pd/Pd酸化物の担持量は、本発明の触媒に使用される総Pd/Pd酸化物量を意味し、例えば、下記に詳述されるように、ランタン含有アルミナにより被覆されないPd/Pd酸化物が存在する場合には、被覆されたおよび被覆されないPd/Pd酸化物の合計担持量を意味する。
また、ランタン含有アルミナで被覆された形態のPd/Pd酸化物の被覆の程度は、特に制限されないが、ランタン含有アルミナで被覆される被覆Pd/Pd酸化物の量は、パラジウム換算(Pd換算)で、Pd:ランタン含有アルミナの質量比が、好ましくは4:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:50、特に好ましくは1:2〜1:12となるような量である。ここで、Pd:ランタン含有アルミナの質量比が4:1以下であることにより、Pd/Pd酸化物をランタン含有アルミナにより被覆することができ、Pd/Pd酸化物の移動に対する物理的障壁となることができる。一方、Pd:ランタン含有アルミナの質量比が1:100以上であることにより、被覆されたPd/Pd酸化物でも排気ガスの浄化を効率よく行える。
本発明の触媒は、ランタン含有アルミナにより被覆されていないPd/Pd酸化物を含んでもよい。本実施の形態に係る触媒活性成分を三次元構造体上に担持する場合、ランタン含有アルミナにより被覆されていないPd/Pd酸化物の使用量は、パラジウム換算(Pd換算)で、三次元構造体1リットル当たり、0.5〜15gであることが好ましく、1〜10gであることがより好ましい。また、三次元構造体に担持させない場合における、ランタン含有アルミナにより被覆されていないPd/Pd酸化物の使用量は、パラジウム換算(Pd換算)で、全パラジウム質量の0〜90質量%であることが好ましく、0〜85質量%であることがより好ましい。
また、Pd/Pd酸化物の形状は特に制限されず、Pd/Pd酸化物は、粒状、微粒子状、粉末状、円筒状、円錐状、角柱状、立方体状、角錐状、不定形など、いずれの形状をとることができる。かかる場合、Pd/Pd酸化物粒子は、一次粒子であっても二次粒子であってもよいが、一次粒子が凝集した二次粒子であることが好ましい。
また、もう一方の触媒活性成分である、Mg/Mg酸化物は、マグネシウムまたはマグネシウム酸化物いずれの形態で存在してもよいが、好ましくはマグネシウム酸化物の形態で存在することが好ましい。このような形態でPd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが近接して担持されることにより、加速時などのA/F値(空燃比)が理論空燃比である14.7未満の燃料リッチな雰囲気下でも、貴金属としてPdのみでも排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を浄化できる。また、Mg/Mg酸化物は、少なくとも一部がランタン含有アルミナによって被覆されているが、本発明の触媒は、Mg/Mg酸化物を上記被覆形態で使用されてもよいが、被覆形態のMg/Mg酸化物を三次元構造体上にさらに担持した構造を有することが好ましい。このように表面積が大きい三次元構造体を用いることにより、排気ガス浄化用触媒を効率よく担持することができるため、排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化効率を向上させることができる。ここで、マグネシウムの担持量は、特に制限されないが、Pd(パラジウム換算(Pd換算)):Mg(酸化マグネシウム換算(MgO換算))の質量比が10:1〜1:5が好ましく、より好ましくは5:1〜1:2、特に好ましくは3:1〜2:3である。Mg/Mg酸化物の量が上記範囲であれば、Mg/Mg酸化物がPd/Pd酸化物の表面に過剰に被覆することなく、Pd/Pd酸化物の効果を十分発揮させることができる。なお、上記Mg/Mg酸化物の担持量は、本発明の触媒に使用される総Mg/Mg酸化物量を意味し、例えば、下記に詳述されるように、ランタン含有アルミナにより被覆されないMg/Mg酸化物が存在する場合には、被覆されたおよび被覆されないMg/Mg酸化物の合計担持量を意味する。
本実施の形態に係る触媒活性成分を三次元構造体上に担持する場合、ランタン含有アルミナにより被覆されていないMg/Mg酸化物の使用量は、Pd(パラジウム換算(Pd換算)):Mg(酸化マグネシウム換算(MgO換算))の質量比が10:1〜1:5が好ましく、より好ましくは5:1〜1:2、特に好ましくは3:1〜2:3となるような量である。
また、Mg/Mg酸化物は、粒状、微粒子状、粉末状、円筒状、円錐状、角柱状、立方体状、角錐状、不定形など、いずれの形状をとることができる。好ましくは、Mg/Mg酸化物は、Mg/Mg酸化物粒子である。かかる場合、Mg/Mg酸化物粒子は、一次粒子であっても二次粒子であってもよいが、一次粒子が凝集した二次粒子であることがより好ましい。また、Mg/Mg酸化物粒子の大きさは特に制限されないが、スラリーとする前のMg/Mg酸化物粒子の平均粒子径が、好ましくは0.5〜150μm、より好ましくは1〜50μmである。
ここで、上述したように、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との担持位置は、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが近接し、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが少なくとも一部接触した状態である。ここで、「Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが少なくとも一部接触した状態である」とは、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが部分的に互いに接触している状態に加え、Pd/Pd酸化物がMg/Mg酸化物を被覆した状態、あるいはMg/Mg酸化物がPd/Pd酸化物を被覆した状態をも包含するが、好ましくは、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが部分的に互いに接触するか、またはPd/Pd酸化物がMg/Mg酸化物を被覆する状態である。さらに、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物が一部接触していなくても、数nm以下の近隣に存在していれば良い。このような担持状態にすることでPd/Pd酸化物を酸化状態が支配的な状況で担持することが可能となる。また、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物が一部接触した状態として担持させるために、酸化Mg/Mg酸化物上に直接Pd/Pd酸化物を担持しても良い、またはPd/Pd酸化物上に直接酸化Mg/Mg酸化物を担持しても良い。近接して担持された状態は、例えば、TEM−EDX、TEM−EDSなどエネルギー分散型X線検出器を備えた電子顕微鏡観察、X線回折分析によって確認できる。
TEM−EDSでは図4及び5に示されるようにPdに帰属するスペクトルが検出された粒子上または近傍にMgに帰属するスペクトルが検出されることで近接した状態を確認できる。また、図4及び図5に示されるように、粒子近傍のマッピング測定を行うことで視覚的にもPd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが同一粒子上に存在し、少なくとも一部接触した状態であることが確認できる。
さらに、ランタン含有アルミナが、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体の周囲に近接して担持された状態についても、図4及び図5に示されるように、Pd粒子の周囲にAlおよびLaが検出されることで確認できる。
一方、X線回折分析では、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが近接した状態である場合、Pdの一部がMgの一部と化合物の形成を確認することで近接した状態で担持されていることを確認できる。すなわち、Pd/Pd酸化物およびMg/Mg酸化物を含む本発明に係る複合体において、パラジウムとマグネシウムとからなる化合物(MgとPdとの化合物)が形成されていることが好ましい。ここで、MgとPdとの化合物とは、MgPd、MgPd、MgPd、MgPd、MgPd、MgPd、MgPd、MgPdなどであり、好ましくはMgPdである。
(ii)ランタン含有アルミナ
本発明の触媒は、上記Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体に加えて、ランタン含有アルミナを含む。ここで、ランタン含有アルミナは、特に限定されるものではなく、ランタンとアルミナとが混合されているものであればよい。ランタン含有アルミナとしては、例えば、酸化ランタン(La)とアルミナ(Al)との混合物、ランタン−アルミナ複合酸化物(LaAlO等)、ランタン−アルミナ複合酸化物(LaAlO等)と酸化ランタン(La)との混合物およびランタン−アルミナ複合酸化物(LaAlO等)とアルミナ(Al)との混合物などが挙げられる。このうち、ランタンは、酸化ランタンおよび/またはランタン−アルミナ複合酸化物(LaAlO等)の形態で含有されることが好ましく、酸化ランタン(La)の形態で含有されることがより好ましい。また、「ランタン含有アルミナ」は、酸化ランタンとランタン−アレミナ複合酸化物とを共に含むものであることがさらに好ましい。上記ランタン含有アルミナは、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記ランタン含有アルミナにおけるランタンの含有量は、酸化ランタン換算(La換算)で、ランタン(La換算)とアルミナ(Al換算)との合計量に対して、0.2〜30質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましい。ランタンの含有量が0.2質量%以上であることにより、高温耐久後においてもPd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが近接して担持することが可能であるため、好ましく、また、15質量%以下であることにより、アルミナと比較して表面積が小さいランタンの割合が大きくなりすぎないため、他の触媒および/または助触媒成分の分散性を低下させ難いため好ましい。
(iii)耐火性無機酸化物
本発明の触媒は、上記Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体およびランタン含有アルミナに加えて、耐火性無機酸化物、より好ましくは耐火性無機酸化物粉末を含むことが好ましい。これにより、上記複合体が耐火性無機酸化物により分散されるため、排気ガスをより効率的に排気ガス浄化用触媒成分に接触させることができる。よって、高温下における排気ガス浄化をより効率的に行うことができる。
耐火性無機酸化物は、特に制限されず、公知の耐火性無機酸化物が使用できるが、融点の高い無機酸化物、より好ましくは融点が1000℃以上の無機酸化物が好ましく使用される。より好ましくは融点が1000〜3000℃、特に好ましくは1500〜3000℃の無機酸化物が使用される。耐火性無機酸化物としては、通常、排気ガス用の触媒担体として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、α−アルミナ(Al)、若しくはγ、δ、η、θなどの活性アルミナ、シリカ(SiO)、ゼオライト、チタニア(TiO)、マグネシア(MgO)、もしくはジルコニア、チタニア、酸化珪素またはこれらの複合酸化物、例えば、シリカ−アルミナ(SiO−A1)などを用いることができるが、好ましくはアルミナ、ジルコニア、マグネシアであり、より好ましくはアルミナ、特にアルミナの粉体である。ここで、耐火性無機酸化物は、単独で配合されてもあるいは2種以上の混合物の形態で配合されてもよい。
また、上記耐火性無機酸化物は、希土類金属を含有していてもよい。その含有形態としては、単独で含まれてもまたは2種以上の混合物の形態であってもよい。後者の場合には、混合状態は、単なる物理的な混合状態でもまたは2種以上の希土類金属の複合酸化物の形態でもよい。ここで、希土類金属としては、セリウム(Ce)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、プラセオジム(Pr)等があり、好ましくは、セリウム、ランタン、ネオジム、イットリウム、プラセオジム等である。なお、上記希土類金属は、金属そのままの形態であってもあるいは酸化物の形態であってもあるいは耐火性無機酸化物との複合酸化物の形態であってもよい。該希土類金属の使用量は、特に制限されないが、酸化物換算で、三次元構造体1リットル当り5〜150g、好ましくは5〜80gである。
または、上記耐火性無機酸化物には、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン等の遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらの酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を添加することもできる。
また、上記耐火性無機酸化物は、ランタン含有アルミナにより被覆されていてもよいし、被覆されていなくてもよい。なお、「ランタン含有アルミナにより被覆されていない」とは、Pd/Pd酸化物とランタン含有アルミナとの接触部において、Pd/Pd酸化物とランタン含有アルミナとの間に当該物質が存在しない状態をいう。つまり、例えば、「耐火性無機酸化物がランタン含有アルミナにより被覆されていない」状態とは、「耐火性無機酸化物が、Pd/Pd酸化物とランタン含有アルミナとの間に存在しない」状態を意味する。
また、上記耐火性無機酸化物は、そのままあるいはランタン含有アルミナに担持されてもよいが、上記形態でさらに三次元構造体上に担持されることが好ましい。しかし、触媒活性成分である、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体が、一部、耐火性無機酸化物上に担持されることを排除するものではない。本発明の触媒が耐火性無機酸化物をさらに含む場合の、該耐火性無機酸化物の担持量は、特に制限されないが、例えば、耐火性無機酸化物が三次元構造体上に担持される場合には、三次元構造体1リットル当り、好ましくは10〜300g、より好ましくは30〜200g、特に好ましくは70〜150gである。または、三次元構造体に担持させない場合における、耐火性無機酸化物の使用量は、全触媒質量の5〜80質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。耐火性無機酸化物の使用量が上記範囲であれば、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体が十分に分散でき、耐久性を十分確保でき、また、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体と温度上昇用に導入される炭化水素との接触状態を良好にでき、温度上昇を速やかに促しうる。
本発明に使用される耐火性無機酸化物は、例えば、粒状、微粒子状、粉末状、円筒状、円錐状、角柱状、立方体状、角錐状、不定形など、いずれの形状をとることができる。好ましくは、耐火性無機酸化物、粒状、微粒子状、粉末状であり、より好ましくは粉末状である。耐火性無機酸化物が粒状、微粒子状、粉末状である際の耐火性無機酸化物の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5〜150μm、より好ましくは1〜100μmの範囲であることが好ましい。このような範囲であれば、三次元構造体上に良好に被覆(コート)することができる。なお、本発明における耐火性無機酸化物の「平均粒径」は、分級などの公知の方法によって測定される耐火性無機酸化物の粒子径の平均値により測定することができる。
該耐火性無機酸化物のBET比表面積は、特に制限されないが、好ましくは50〜750m/g、より好ましくは150〜750m/gである。
(iv)セリウム酸化物、セリア−ジルコニア複合酸化物
本発明の触媒は、セリウム酸化物および/またはセリア−ジルコニア複合酸化物をさらに含むことが好ましい。上記セリウム酸化物および/またはセリア−ジルコニア複合酸化物は、酸素吸蔵放出材として機能すると共に、助触媒として作用することができ、排気ガス浄化用触媒の耐熱性を向上させたり、排気ガス浄化用触媒の活性種による酸化還元反応を促進させたりする作用を有するものであるため、高温下における排気ガス浄化をより効率的に行うことができる。
ここで、セリウム酸化物およびセリア−ジルコニア複合酸化物は、単独で配合されてもあるいは2種以上の混合物の形態で配合されてもよい。上記セリウム酸化物およびセリア−ジルコニアは、そのままの形態で使用されてもよいが、三次元構造体上に担持されることが好ましい。この際の、セリウム酸化物および/またはセリア−ジルコニア複合酸化物の担持量は、特に制限されないが、例えば、耐火性無機酸化物が三次元構造体上に担持される場合には、三次元構造体1リットル当り、好ましくは250g以下、より好ましくは5〜150g、特に好ましくは10〜80gである。すなわち、該担持量が上記範囲内であれば、セリウム酸化物および/またはセリア−ジルコニア複合酸化物による排出ガス浄化または浄化補助効果を十分発現でき、また、コージェライト等の三次元構造体への担持性またはコート性もまた十分確保できる。また、排出ガス低減効果やコストパフォーマンスの点についても十分満足できる。
なお、上記「セリア−ジルコニア複合酸化物」とは、セリアにジルコニアが固溶した状態の複合酸化物のことであり、同時にランタン、イットリウム、プラセオジム等を含んでいてもかまわない。セリア−ジルコニア複合酸化物におけるセリアとジルコニアとの比は、質量比で90:10〜10:90であることが好ましく、セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるその他の成分の含有量はセリア−ジルコニア複合酸化物あたり20質量%以下であることが好ましい。セリア−ジルコニア複合酸化物は、例えば、共沈法(参考文献:触媒の事典、194頁、朝倉書店)によって調製することができる。
また、上記セリウム酸化物および/またはセリア−ジルコニア複合酸化物はセリウムを除く希土類金属を含有していてもよい。その含有形態としては、単なる物理的な混合状態でも良く、セリウムとの複合酸化物でもよい。ここで、希土類金属(セリウムを除く)としては、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、プラセオジム(Pr)等があり、好ましくは、ランタン、ネオジム、イットリウム、プラセオジム等である。なお、上記希土類金属は、金属そのままの形態であってもあるいは酸化物の形態であってもよい。該希土類金属(セリウムを除く)の使用量は、特に制限されないが、酸化物換算で、三次元構造体1リットル当り、5〜80g、好ましくは10〜50gである。
また、上記セリウム酸化物および/またはセリア−ジルコニア複合酸化物は、ランタン含有アルミナにより被覆されていてもよいし、被覆されていなくてもよい。ここで、セリア−ジルコニア複合酸化物は、ランタン含有アルミナにより複覆されていないことがより好ましい。これによって、排気ガスをより効率よく浄化することができる。なお、「ランタン含有アルミナにより被覆されていない」とは、Pd/Pd酸化物とランタン含有アルミナとの接触部において、Pd/Pd酸化物とランタン含有アルミナとの間に当該物質が存在しない状態をいう。つまり、例えば、「セリア−ジルコニア複合酸化物がランタン含有アルミナにより被覆されていない」状態とは、「セリア−ジルコニア複合酸化物が、Pd/Pd酸化物とランタン含有アルミナとの間に存在しない」状態を意味する。
(v)その他の成分
本発明の触媒は、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物との複合体、ランタン含有アルミナおよび必要であれば耐火性無機酸化物やセリウム酸化物および/またはセリア−ジルコニア複合酸化物に加えて、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有していてもよい。ここで、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、好ましくはカリウムである。また、アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、好ましくはバリウムである。ここで、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属は、単独で配合されてもあるいは2種以上の混合物の形態で配合されてもよい。上記アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属は、そのままの形態で使用されてもよいが、三次元構造体上に担持されることが好ましい。アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属が三次元構造体上に担持される際の、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の使用量は、特に制限されないが、酸化物換算で、三次元構造体1リットル当り、好ましくは0.5〜40gである。
また、本発明の触媒は、貴金属としてパラジウムのみを使用した場合であっても、内燃機関からの窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素(CO)を効率よく浄化できる。このため、本発明の触媒は、貴金属としてパラジウムのみを含めば、上記したような十分な性能を達成しうる。しかし、本発明の触媒は、上記パラジウムに加えて、他の貴金属を含んでもよい。ここで、使用できる貴金属としては、特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、白金、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウムなどが挙げられる。上記貴金属は、単独で使用されてもあるいは2種類以上の混合物の形態で使用されてもよい。上記貴金属のうち、三元触媒性能の高さなどを考慮すると、ロジウム、白金が好ましく使用される。また、窒素酸化物及び炭化水素の浄化率の高さを考慮すると、パラジウムであることが更に好ましい。本発明の触媒が貴金属を含む際の、貴金属の含有量は、特に制限されないが、例えば、触媒活性成分が三次元構造体上に担持される場合には、三次元構造体1リットル当り、金属換算で、好ましくは0.01〜5g、より好ましくは0.05〜3g、特に好ましくは0.1〜2gである。
(vi)三次元構造体
本発明の触媒は、三次元構造体上に担持されてなることが好ましい。つまり、本案施の形態に係る排気ガス浄化用触媒では、上述した各成分が、三次元構造体上に担持されていることが好ましい。
三次元構造体としては特に限定されるものではなく、例えば、ハニカム担体等の耐熱性担体が奉げられる。また、三次元構造体としては一体成形型のもの(一体構堰体)が好ましく、例えば、モノリス担体、メタルハニカム担体、ディーゼルパティキュレートフィルター等のプラグドハニカム担体、パンチングメタル等が好ましく用いられる。なお、必ずしも三次元一体構造体である必要はなく、例えばペレット担体等を用いることもできる。
モノリス担体としては、通常、セラミックハニカム担体と称されるものであればよく、特に、コージェライト、ムライト、α−アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を材料とするものが好ましく、中でもコージェライト質のもの(コージェライト担体)が特に好ましい。その他、ステンレス鋼、Fe−Cr−Al合金等を含む酸化抵抗性の耐熱性金属を用いて一体構造体としたもの等が用いられる。
これらモノリス担体は、押出成型法やシート状素子を巻き固める方法等によって製造される。そのガス通気口(セル形状)の形は、六角形、四角形、三角形又はコルゲーション形の何れであってもよい。セル密度(セル数/単位断面積)は100〜1200セル/平方インチであれば十分に使用可能であり、好ましくは200〜900セル/平方インチである。
本発明の触媒を三次元構造体上に担持する方法は、特に限定されるものではない。例えば、ウォッシュコート等の方法を用いることができる。
(vii)排気ガス浄化用触媒の特性
本発明の排気ガス浄化用触媒の諸特性は、特に制限されないが、以下のような特性を有することが好ましい。
(触媒の細孔構造)
本発明の排気ガス浄化用触媒の細孔の細孔容積は、特に制限されないが、160nm以上1000nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上20%以下であることが好ましい。より好ましくは、160nm以上800nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上18%未満であり、より好ましくは160nm以上600nm未満の範囲内の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の5%以上16%未満である。また、160nm未満の直径を有する細孔の細孔容積が、全細孔容積の70%以上90%以下であることが好ましい。より好ましくは、72%以上90%以下であり、さらに好ましくは77%以上89%以下である。このような細孔分布を有する触媒であれば、ランタン含有アルミナがMg/Mg酸化物とPd/Pd酸化物との複合体の周囲に近接して担持できるため、排気ガスがPd/Pd酸化物及びMg/Mg酸化物に吸着し易く、耐久処理後においてもシンタリングを抑制することができると共に、排気ガスの浄化反応が起こり易い。したがって、上記構成によれば、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とがランタン含有アルミナで被覆されているにも関わらず、効率良く排気ガスを浄化することができる。また、上記形態によると、Mg/Mg酸化物がPd/Pd酸化物の近傍に存在するため、酸素過剰のガスが流入した場合に、酸素吸蔵し、Pd/Pd酸化物周囲のガス雰囲気を酸素過剰の状態から緩和すると考えられる。同様に、酸素不足である還元雰囲気においては、酸素過剰雰囲気において吸蔵した酸素をPd/Pd酸化物周囲に放出するため酸素が有効に活用されると考えられる。
なお、本明細書では、800℃〜1000℃の温度に触媒を曝すことを「耐久処理」という。
(触媒の使用条件)
本発明の排気ガス浄化用触媒は、温度が800℃〜1000℃である内燃機関の排気ガスに曝された後においても、ランタン含有アルミナによって被覆された複合体を含有することが好ましい。即ち、この場合には、触媒床温度が達しうる最高温度に曝されても、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とが近接して担持されることで、加速時などのA/F値(空燃比)が理論空燃比である14.7未満の燃料リッチな雰囲気下でも、貴金属としてPdのみでも排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を浄化できる。よって、高温耐久処理に曝された後であってもなお、Pd/Pd酸化物によって排気ガスを効率よく浄化することが可能となる。
(II)排気ガス浄化用触媒の製造方法
本発明の触媒は、Pd/Pd酸化物およびMg/Mg酸化物の少なくとも一部を、ランタン含有アルミナで被覆することによって製造される。
(i)複合体の調製
本発明において、Pd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とからなる複合体がランタン含有アルミナによって少なくとも一部が被覆されてなる本発明の触媒の製造方法は、特に制限されないが、例えば、ゾルゲル法、アルコキシド法、逆ミセル法、水熱合成法等を用いることができる。
上記方法において、Pd/Pd酸化物の出発原料としてのパラジウム(Pd)源は、特に制限されることなく、排気ガスの浄化の分野で用いられている原料を用いることができる。具体的には、パラジウム;塩化パラジウム等のハロゲン化物;パラジウムの、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン塩、テトラアンミン塩等の、無機塩類;酢酸塩等のカルボン酸塩;および水酸化物、アルコキサイド、酸化物などが挙げられる。好ましくは硝酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、アミン塩、テトラアンミン塩、塩化物、炭酸塩が挙げられる。これらのうち、硝酸塩(硝酸パラジウム)、塩化物(塩化パラジウム)、酢酸塩(酢酸パラジウム)、テトラアンミン塩(テトラアンミンパラジウム)が好ましく、硝酸パラジウムがより好ましい。なお、本発明では、上記パラジウム源は、単独であってもあるいは2種以上の混合物であってもよい。ここで、パラジウム源の添加量は、上記したような量で三次元構造体上に担持される量である。
また、Mg/Mg酸化物の出発原料としてのマグネシウム原料(Mg源)は、特に制限されることなく、排気ガスの浄化の分野で用いられている原料を用いることができる。具体的には、マグネシウム;酸化マグネシウム、過酸化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、クロム酸マグネシウム等の酸化物;塩化マグネシウム等のハロゲン化物;硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等のマグネシウム塩などが挙げられる。これらのうち、酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウムが好ましく使用される。なお、本発明では、上記マグネシウム源は、単独であってもあるいは2種以上の混合物であってもよい。ここで、マグネシウム源の添加量は、上記したような量で三次元構造体上に担持される量である。
なお、本発明の触媒が貴金属としてパラジウム以外の貴金属を含む際の、出発原料としての貴金属原料は、特に制限されることなく、排気ガスの浄化の分野で用いられている原料を用いることができる。具体的には、貴金属単体;ハロゲン化物;硝酸塩、ジニトロジアンミン塩、テトラアンミン塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン塩、炭酸塩、重炭酸塩、亜硝酸塩等の、無機塩類;蟻酸塩、シュウ酸塩などのカルボン酸塩;ビスエタノールアミン塩、ビスアセチルアセトナート塩等の、有機塩;および水酸化物、アルコキサイド、酸化物などが挙げられる。なお、本発明では、上記貴金属源は、単独であってもあるいは2種以上の混合物であってもよい。ここで、貴金属源の添加量は、上記したような量で三次元構造体上に担持される量である。
上記複合体における、出発原料としてのランタン源は、特に制限されることなく、排気ガスの浄化の分野で用いられている原料を用いることができる。具体的には、酢酸ランタン(III)n水和物、硝酸ランタン六水和物、塩化ランタン七水和物、硫酸ランタン(III)n水和物、酸化ランタン等を用いることができる。これらのうち、酢酸ランタン(III)n水和物、硝酸ランタン六水和物が好ましく、酢酸ランタン(III)n水和物がより好ましい。上記ランタン源は、単独であってもあるいは2種以上の混合物であってもよい。ここで、ランタン源の添加量は、上記したような量で三次元構造体上に担持される量である。なお、「n水和物」におけるnは1以上の整数を意味する。
上記複合体における、出発原料としてのアルミニウム源は、特に制限されることなく、排気ガスの浄化の分野で用いられている原料を用いることができる。具体的には、アルミナゾル、べーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、硝酸アルミニウム、塩基性硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等を用いることができる。これらのうち、アルミナゾル、べーマイト、アルミニウムイソプロポキシドが好ましく、アルミナゾルがより好ましい。上記アルミナ源は、単独であってもあるいは2種以上の混合物であってもよい。ここで、アルミナ源の添加量は、上記したような量で三次元構造体上に担持される量である。
本実施の形態において、ランタン含有アルミナでPd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とからなる複合体を被覆する方法は、特に限定されるものではなく、アルミニウム源(アルミナ原料)の種類に応じて合った被覆法を適宜用いることが好ましい。例えば、アルミニウムのアルコキシドのアルコール溶液に、パラジウム源(溶液、好ましくは水溶液の形態を含む)とマグネシウム源(溶液、好ましくは水溶液の形態を含む)との混合物を添加した後、ランタン源(溶液、好ましくは水溶液の形態を含む)を添加し、乾燥、必要に応じて焼成する方法;アルミナゾルに、パラジウム源(溶液、好ましくは水溶液の形態を含む)及びマグネシウム源(溶液、好ましくは水溶液の形態を含む)を混合し、得られた混合物を添加してアルミナゾルをゲル化して、パラジウム源及びマグネシウム源をアルミナゲルでゲル化した後、ランタン源(溶液、好ましくは水溶液の形態を含む)を添加し、乾燥、必要に応じて焼成する方法などが挙げられる。
なお、上記排気ガス浄化用触媒を構成する各成分原料は、上述した各成分の含有量の範囲内となるように使用すればよい。
(ii)排気ガス浄化用触媒の製造方法
本実施の形態に係る排気ガス浄化用触媒を調製する方法としては、特に限定されるものではないが、上述した複合体を含む触媒組成物を十分に混合した後、円柱、球状等に成形して、排気ガス浄化用触媒とする方法等が挙げられる。
なお、上記触媒組成物には、アルミナ、セリア−ジルコニア複合酸化物等の耐火性無機酸化物、ランタン含有アルミナにより被覆されないMg/Mg酸化物、ランタン含有アルミナにより被覆されないPd/Pd酸化物等の上述した複合体以外の成分を含ませることができる。
また、上記三次元構造体を用いる場合は、上記触媒組成物を一括してボールミル等に投入し、湿式粉砕して水性スラリーとし、上記三次元構造体を上記水性スラリーに浸漬し、乾燥、焼成する方法等が挙げられる。
<複合体の原料としてアルミナゾルを用いる場合の製造方法>
まず、ゾルとは、コロイド溶液とほぼ同義で使用され、液体中に分散していて流動性を示している状態をいう。また、ゲルとは、コロイド粒子が独立した運動性を失って(流動性を失って)、三次元網目構造を形成した状態をいう。
流動性を失った場合とは具体的には、ゲルの粘度が5,000mPa・s(cP)以上500,000mPa・s(cP)以下であり、好ましくは10,000mPa・s(cP)以上100,000mPa・s(cP)以下であり、より好ましくは12,000mPa・s(cP)以上50,000mPa・s(cP)以下の場合である。5,000mPa・s(cP)以上であればゲル化が十分に進行しており、Pd/Pd酸化物及びMg/Mg酸化物を三次元網目構造内に良好に取り込むことができる。この場合には、Pd/Pd酸化物及びMg/Mg酸化物がランタン含有アルミナにより十分被覆されるため好ましい。また、500,000mPa・s(cP)以下であれば、スラリー化工程でのスラリー粘度が高くなりすぎず、三次元構造体へのウォッシュコートを良好に行うことができる。なお、上記ゲルの粘度の測定は、公知の方法によって行なわれ、具体的には、ブルックフィールド粘度計などの回転粘度計を用いて行なわれる。
ゾルをゲルに変化させるためには、ゾルが安定に存在できないpHにする必要がある。例えば、pH3〜5で安定なゾルを、ゲル化させるためには、pHを3未満とするか、5よりも高くすることが好ましい。
複合体の原料としてアルミナゾルを用いる場合には、作製される、ランタン含有アルミナゲルによりPd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とからなる複合体が被覆されたゲルを、乾燥及び焼結させることなく、他の触媒組成物と混合して水性スラリーとし、上記三次元構造体を上記水性スラリーに浸漬し、乾燥、焼成する方法等が挙げられる。つまり、かかる場合における、排気ガス浄化用触媒の製造方法は、ゲル作製工程を含み、さらに、スラリー化工程と、ウォッシュコート工程と、乾燥焼結工程と、を含むことが好ましい。したがって、本発明の触媒の製造方法は、
パラジウムまたはパラジウム酸化物およびマグネシウムまたは酸化マグネシウムを含む複合体の少なくとも一部を、アルミナゾルで被覆した複合体を含むゲルを得、さらに該ゲルをスラリーにし、該スラリーを三次元構造体にウォッシュコートし、該スラリーをウォッシュコートさせた三次元構造体を乾燥、焼成することをさらに有することが好ましい。
当該方法では、パラジウム源とマグネシウム源との複合体がランタン含有アルミナによって被覆された状態で三次元構造体上に担持された触媒を製造することにより、焼成回数を減らすことができ、焼成にかかる費用及び製造にかかる時間を短縮することができる。このため、より安価で且つより高い生産効率で排気ガス浄化用触媒を製造することができる。
(ゲル作製工程)
上記ゲル作製工程は、パラジウム源とマグネシウム源とからなる複合体が、ランタン含有アルミナゲルにより被覆した複合体を含むゲルを作製する工程である。具体的には、以下の方法により当該ゲルを作製することができる。
例えば、pH3〜5で安定なpH4.0のアルミナゾルを用いる場合では、アルミナゾルに、パラジウム源(溶液形態を含む)とマグネシウム源(溶液形態を含む)との混合水溶液をpHが1〜2となるように添加することによりゲル化が進行する。この時、粘度が上記範囲となることを確認する。粘度の変化が±100mPa・s(cP)/秒となるまで攪拌し、ランタン源(溶液形態を含む)をさらに添加することにより、ランタン含有アルミナゲルによりパラジウム源とマグネシウム源とがゲルの三次元網目構造内に取り込まれた複合体が得られる。この複合体を、必要であれば、耐火性無機酸化物等と共に三次元構造体にウォッシュコートすることでPd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物とがランタン含有アルミナに被覆された触媒が得られる。
(スラリー化工程)
上記スラリー化工程とは、パラジウム源とマグネシウム源とからなる複合体がランタン含有アルミナゲルにより被覆された上記ゲルをスラリーにする工程である。具体的には、上記ゲルに、耐火性無機酸化物等のその他の成分と混合して、湿式粉砕することにより作製することができる。
この時、複合体と耐火性無機酸化物等その他の成分との混合物における、複合体の含有率は、2〜40質量%が好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。2質量%以上であれば、複合体の割合の占める割合が十分高いため、耐熱性向上効果を十分に発現させることができる。また、40質量%以下であれば、複合体の割合が高くなりすぎないため、細孔径を所定の範囲に調整し易い。
なお、上記「湿式粉砕」とは、ボールミル等の粉砕装置を用いて、上記複合体と耐火性無機酸化物等その他の成分との混合溶液を粉砕することを指す。
上記スラリー中に含まれる上記混合成分の動的光散乱法により測定した粒子径は、2〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜8μmである。粒子径がこのような範囲内であれば、三次元構造体に対する密着強度をより高くすることができ、所定の細孔径分布で良好に担持きせることができる。また、スラリーにおける固形分濃度は、10〜60質量%の範囲が好ましい。
(ウォッシュコート工程)
上記ウォッシュコート工程とは、上記スラリー化工程で得られたスラリーを三次元構造体に担持させる工程である。
(乾燥焼結工程)
上記乾燥焼結工程とは、上記ウォッシュコート工程でスラリーをウォッシュコートした三次元構造体を、乾燥及び焼成する工程である。乾燥及び焼成に必要な温度及び時間等の条件は特には制限されないが、上記三次元構造体の質量変化がなくなるまで行う条件であることが好ましい。
上記乾燥は、例えば、空気中で50〜200℃、より好ましくは80〜180℃の温度で、好ましくは1分〜10時間、より好ましくは3分〜8時間、特に好ましくは5〜60分の条件で行うことができる。
また、上記焼成は、例えば、300〜1000℃、好ましくは400〜600℃で10分〜10時間、好ましくは30分〜6時間、特に好ましくは1〜3時間の条件で行うことができる。焼成温度が300℃以上であれば、原料中に含まれる炭化水素等を良好に焼失除去でき、1000℃以下であれば細孔の収縮を抑制できるため好ましい。
(III)排気ガス浄化方法
上記したような本発明の触媒または上記したような方法によって製造される触媒は、A/F値が理論空燃比(14.7)である内燃機関からの排出ガスのみならず、理論空燃比未満であるような内燃機関からの排出ガスに対して、高い浄化能を有する。ゆえに、本発明に係る触媒は、内燃機関の排気ガス中に還元性ガスを含む排気ガスを処理するのに好適に使用でき、特にガソリンエンジン等の内燃機関からの加速時などの還元性の高い排気ガス中に含まれる窒素酸化物および一酸化炭素の浄化に優れた効果を奏する。好ましくは、本発明に係る触媒は、内燃機関の排気ガス中のA/F値が14.7未満の排気ガスを処理するのに好適に使用できる。
したがって、本発明は、本発明の触媒を用いて還元性ガスを含む内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物および一酸化炭素を処理することを特徴とする排気ガスの浄化方法、すなわち、排気ガス浄化用触媒を用いて、内燃機関の排気ガス中の空燃比が14.7未満の排気ガス中の窒素酸化物および一酸化炭素を浄化する方法をも提供する。当該方法は、本発明の触媒を還元性ガスを含む内燃機関の排気ガスに曝す工程を含む。ここで、本明細書において「ガスに曝す」とは、排気ガス浄化用触媒をガスと接触させることをいい、触媒表面の全部分をガスと接触させる場合だけでなく、触媒表面の一部分をガスと接触させる場合も含まれる。
上記排気ガス浄化用触媒を上記排気ガスに曝す方法は特に限定されるものではなく、例えば、排気ガス浄化用触媒を内燃機関の排気ポートの排気流路中に設置し、排気ガスを排気流路に流入させることによって行うことができる。
上記ガスとしては、内燃機関の排気ガスであれば特に限定されるものではなく、例えば、窒素酸化物(例えば、NO、NO、NO)、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水素、アンモニア、水、二酸化硫黄、炭化水素全般が挙げられる。
上記内燃機関としては、特に限定されるものではない。例えば、ガソリンエンジン、ハイブリッドエンジン、天然ガス、エタノール、ジメチルエーテル等を燃料として用いるエンジン等を用いることができる。中でもガソリンエンジンであることが好ましい。
上記排気ガス浄化用触媒を上記排気ガスに曝す時間は特に限定されるものではなく、上記排気ガス浄化用触媒の少なくとも一部分が上記排気ガスと接触することができる時間が確保されればよい。
上記排気ガスの温度は、特に限定されるものではないが、0℃〜750℃、つまり通常運転時の排気ガスの温度範囲内であることが好ましい。ここで、温度が0℃〜750℃である上記内燃機関の排気ガスにおける空燃比は、10〜30未満であり、11以上14.7未満であることが好ましい。
上記したような本発明の触媒または上記したような方法によって製造される触媒は、温度が750〜1200℃である排気ガスに曝されていてもよい。ここで、温度が750〜1200℃である排気ガスの空燃比は、10〜18.6であることが好ましい。また、上記排気ガス浄化用触媒を温度が750〜1200℃の酸素過剰の排気ガスに曝す時間も、特に限定されるものではなく、例えば、5〜100時間曝されていてもよい。
なお、上記排気ガスの温度は、触媒入口部における排気ガスであることが好ましい。ここで、「触媒入口部」とは、排気ガス浄化用触媒が設置された排気ガス流入側の触媒端面から20cm内燃機関側までで、且つ、排気管垂直方向に対して中心の箇所をいう。また、「触媒床部」とは、排気ガス流入側端面から排気ガス流出側端面までの距離の中央で、且つ、排気管垂直方向に対して中心の箇所(排気管が円形でない場合は、排気管垂直方向の断面に対して重心の箇所)をいう。
また、前記本発明の触媒の前段(流入側)または後段(流出側)に同様の、または異なる排気ガス浄化触媒を配置しても良い。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1
パラジウム原料として硝酸パラジウム水溶液、マグネシウム原料として水酸化マグネシウム、被覆材であるアルミナの原料として、NO3−を安定剤として含み、pH3〜5において安定なpH4のアルミナゾル、ランタン原料として酢酸ランタンを用いて、被覆パラジウム:酸化マグネシウムMgO(マグネシウムMg):アルミナ:酸化ランタンの質量比が0.5:1(0.6):3.85:0.4となるように各原料をそれぞれ秤量した。
次に、硝酸パラジウム及び水酸化マグネシウムを混合し、当該混合溶液をアルミナゾルに添加した。添加直後から、アルミナゾルがゲル化し、硝酸パラジウム及び水酸化マグネシウムがアルミナゲルによって被覆されたゲルを得た。このゲルを5分間攪拌した後、酢酸ランタンを添加し、更に10分間攪拌することで、硝酸パラジウム及び水酸化マグネシウムが、酢酸ランタンを含むアルミナ層に被覆されたゲルGaを得た。この時のゲルGaの粘度は5,000cPを超え、ゲル化が確認された。
次に、含浸パラジウム:アルミナ:セリア−ジルコニア複合酸化物:酸化バリウムの質量比が2:127.75:50:7となるように各原料を秤量し溶液Saを得た。ゲルGa中の被覆パラジウム:溶液Sa中のパラジウムの質量比が0.5:2となるようにゲルGaおよび溶液Saを混合し、湿式粉砕することでスラリーとした。このスラリーを0.7Lのコージェライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、192.5g(PdはPd換算、MgはMgO換算)の触媒成分がコートされた触媒Aを得た。
実施例2
実施例1と同様の原料を用いて、被覆パラジウム:酸化マグネシウムMgO(マグネシウムMg):アルミナ:酸化ランタンの質量比が0.5:0.5(0.3):3.85:0.4となるように各原料をそれぞれ秤量し、実施例1と同様の手順でゲルGbを得た。
この時のゲルGbの粘度は5,000cPを超え、ゲル化が確認された。
次に、含浸パラジウム:アルミナ:セリア−ジルコニア複合酸化物:酸化バリウムの質量比が2:128.25:50:7となるように各原料を秤量し溶液Saを得た。ゲルGb中の被覆パラジウム:溶液Sa中のパラジウムの質量比が0.5:2となるようにゲルGbおよび溶液Sbを混合し、湿式粉砕することでスラリーとした。このスラリーを0.7Lのコージェライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、192.5g(PdはPd換算、MgはMgO換算)の触媒成分がコートされた触媒Bを得た。
比較例1
実施例1と同様の原料を用いて、被覆パラジウム:アルミナ:酸化ランタンの質量比が0.5:3.85:0.4となるように各原料をそれぞれ秤量し、実施例1と同様の手順でゲルGcを得た。この時のゲルGcの粘度は5,000cPを超え、ゲル化が確認された。
次に、含浸パラジウム:アルミナ:セリア−ジルコニア複合酸化物:酸化バリウムの質量比が2:128.75:50:7となるように各原料を秤量し溶液Scを得た。ゲルGc中の被覆パラジウム:溶液Sc中のパラジウムの質量比が0.5:2となるようにゲルGbおよび溶液Sbを混合し、湿式粉砕することでスラリーとした。このスラリーを0.7Lのコージェライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、192.5g(PdはPd換算)の触媒成分がコートされた触媒Cを得た。
比較例2
実施例1と同様の原料を用いて、含浸パラジウム:含浸酸化マグネシウム:アルミナ:セリア−ジルコニア複合酸化物:酸化バリウムの質量比が2.5:1:132:50:7となるように各原料を秤量し溶液Sdを得た。溶液Sdを湿式粉砕することでスラリーとした。このスラリーを0.7Lのコージェライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、192.5g(PdはPd換算、MgはMgO換算)の触媒成分がコートされた触媒Dを得た。
比較例3
実施例1と同様の原料を用いて、含浸パラジウム:アルミナ:セリア−ジルコニア複合酸化物:酸化バリウムの質量比が2.5:133:50:7となるように各原料を秤量し溶液Seを得た。溶液Seを湿式粉砕することでスラリーとした。このスラリーを0,7Lのコージェライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、192.5g(PdはPd換算)の触媒成分がコートされた触媒Eを得た。
上記実施例1及び2で得られた触媒A及びBならびに比較例1〜3で得られた触媒C、D及びEの組成を下記表1に要約する。
ここで、被覆パラジウムおよび被覆酸化マグネシウムとは、ランタン含有アルミナによって被覆される状態で調製されるパラジウムおよび酸化マグネシウムを意味する。一方、含浸パラジウムおよび含浸酸化マグネシウムなどの含浸とは、ランタン含有アルミナによって被覆されない状態で担持されたパラジウムおよび酸化マグネシウムを意味する。
<耐久処理>
上記実施例1及び2で得られた触媒A及びBならびに比較例1〜3で得られた触媒C、D及びEを、それぞれ、直列6気筒、3.0Lエンジンの排気口から40cm下流側に設置し、触媒床部の温度を980℃とした。触媒入口部のA/Fが14.6で20秒運転し、続いて燃料供給を停止して5秒運転するサイクルを繰り返して合計50時間運転し、耐久処理を行った。
<排気ガス浄化触媒の性能評価>
上記耐久処理後の各触媒を、それぞれ、直列6気筒、2.4Lエンジン排気口から30cm下流側に設置し、触媒床部温度を400℃に設定し、A/Fを14.1、14.3でA/F振幅±0.5で周波数0.5Hzで変動させながら、触媒出口から排出されるガスをサンプリングし、CO、THC、NOxの各浄化率を算出した。結果を表2及び表3に示す。また、同様にして触媒床部温度を500℃に設定し、A/Fを14.1で測定した。結果を表4に示す。
表2〜4に示されるように、実施例1及び2の触媒A及び触媒Bは、比較例1〜3の触媒C、D及びEに比して、高いNOx浄化率を示すことが確認できる。
実施例3
実施例1と同様の原料を用いて、被覆パラジウム:酸化マグネシウムMgO(マグネシウムMg):アルミナ:酸化ランタンの質量比が3:6(3.6):63.1=1.9となるように各原料をそれぞれ秤量し、実施例1と同様の手順でゲルGfを得た。この時のゲルGfの粘度は5,000cPを超え、ゲル化が確認された。
次に、セリア−ジルコニア複合酸化物:酸化バリウムの質量比が50:9となるように各原料を秤量し溶液Sfを得た。ゲルGf中の被覆パラジウム:溶液Sf中のセリア−ジルコニア複合酸化物の質量比が3:50となるようにゲルGfおよび溶液Sfを混合し、湿式粉砕することでスラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージェライト担体にウォッシュコートし、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、133g(PdはPd換算、MgはMgO換算)の触媒成分がコートされた触媒Fを得た。
比較例4
実施例1と同様の原料を用いて、被覆パラジウム:アルミナ:酸化ランタンの質量比が3:63.1:1.9となるように各原料をそれぞれ秤量し、実施例1と同様の手順でゲルGgを得た。この時のゲルGgの粘度は5,000cPを超え、ゲル化が確認された。
次に、セリア−ジルコニア複合酸化物:酸化バリウムの質量比が56:9となるように各原料を秤量し溶液Sgを得た。ゲルGg中の被覆パラジウム:溶液Sg中のセリア−ジルコニア複合酸化物の質量比が3:56となるようにゲルGgおよび溶液Sgを混合し、湿式粉砕することでスラリーとした。このスラリーを0.875Lのコージェライト担体にウォッシュコー卜し、150℃で10分乾燥後、500℃で1時間の空気焼成を行い、133g(PdはPd換算、MgはMgO換算)の触媒成分がコートされた触媒Gを得た。
<耐久処理>
実施例3の触媒F及び比較例4の触媒Gを、それぞれ、直列6気筒、3.0Lエンジンの排気口から40cm下流側に設置し、触媒床部の温度を980℃とした。触媒入口部のA/Fが14.6で20秒運転し、続いて燃料供給を停止して5秒運転するサイクルを繰り返して合計50時間運転し、耐久処理を行った。
<排気ガス浄化用触媒の性能評価>
上記耐久処理後の各触媒を、直列6気筒、2.4Lエンジン排気口から30cm下流側に設置し、触媒床部温度を400℃に設定し、A/Fを14.1、14.3、14.5でA/F振幅±0.5で周波数0.5Hzで変動させながら、触媒出口から排出されるガスをサンプリングし,CO、THC、NOxの各浄化率を算出した。結果を表5に示す。また、同様にして触媒床部温度を500℃に設定し、A/Fを14.1、14.3、14.5(A/F振幅±0.5)で測定した。結果を表6に示す。さらに、同様にして触媒床部温度を500℃に設定し、A/Fを14.1、14.3、14.5(A/F振幅±1.0)で測定した。結果を表7に示す。
表5〜7に示されるように、400℃においても、500℃においても、A/F値が14.1〜14.5の燃料過剰条件下において、実施例の触媒は比較例の触媒に対して高い浄化性能を示すことが確認される。
<TEM−EDS分析>
上記耐久処理および排気ガス浄化用触媒の性能評価後の各触媒を触媒活性成分のみをコージェライト担体から剥がし取り、TEM−EDS分析を行った。実施例の触媒A及びBは、それぞれ、図4及び図5に示されるように、Pd及びMgが同一粒子上に検出され、複合体として近接した状態で担持されていた。また、Pd及びMgに対して白色点線の領域について線分析を行った結果を、白色点線上の距離に対してEDSスペクトル強度をプロットしたところ、実施例の触媒A及びBは、図4及び図5に示されるように、Pd粒子とMg粒子との強度分布が同様であることから、複合体を形成していることが分かる。
これに対して、比較例の触媒Dは、図6に示されるように、MgはPdと無関係に検出されていることから、Pd及びMgは複合体を形成していないことが示される。
さらに、Al及びLaが前記複合体粒子を網羅するように検出されていることから、ランタン含有アルミナによって前記複合体が被覆されていることが示される。また、ゲルを乾燥・焼成することによって粉体化し、該粉体を含むスラリーをコージェライト担体にコートし、2回目の乾燥・焼成を行うのではなく、ゲルを含むスラリーを直接コートすることによって、焼成過程が1回でもPd/Pd酸化物とMg/Mg酸化物をランタン含有アルミナによって被覆できることが示される。
本発明の触媒は、高温下でも内燃機関からの排気ガスを効率よく浄化することができる。したがって、内燃機関を用いる産業全般、例えば、自動車、鉄道、船舶、航空機、各種産業機械などに、幅広く応用することが可能である。
1…ランタン含有アルミナ、
2…パラジウムまたはパラジウム酸化物およびマグネシウムまたは酸化マグネシウムとの複合体、
3…パラジウムまたはパラジウム酸化物
4…マグネシウムまたは酸化マグネシウム。

Claims (5)

  1. パラジウムまたはパラジウム酸化物およびマグネシウムまたは酸化マグネシウムを含む複合体、ならびにランタン含有アルミナを含み、前記複合体の少なくとも一部が前記ランタン含有アルミナによって被覆される、排気ガス浄化用触媒。
  2. 酸化セリウムまたはセリア−ジルコニア複合酸化物をさらに含む、請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
  3. パラジウムまたはパラジウム酸化物およびマグネシウムまたは酸化マグネシウムを含む複合体の少なくとも一部を、ランタン含有アルミナで被覆した複合体を得ることを有する、請求項1または2に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  4. 前記ランタン含有アルミナで被覆した複合体を含むゲルを得、さらに該ゲルをスラリーにし、該スラリーを三次元構造体にウォッシュコートし、該スラリーをウォッシュコートさせた三次元構造体を乾燥、焼成することをさらに有する、請求項3に記載の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の排気ガス浄化用触媒または請求項3または4に記載の方法によって製造される排気ガス浄化用触媒を用いて、内燃機関の排気ガス中の空燃比が14.7未満の排気ガス中の窒素酸化物および一酸化炭素を浄化することを有する、炭化水素または窒素酸化物の浄化方法。
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