JP2007029778A - 排ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents

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雅紀 中村
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克雄 菅
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広憲 若松
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一幸 白鳥
Hirobumi Yasuda
博文 安田
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Abstract

【課題】触媒の耐久劣化を防止し、さらに低コスト化を実現した排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供する。
【解決手段】平均粒径が3nm以上20nm以下である貴金属粒子2と、貴金属粒子2の表面に被覆されて、表面積が250m2/g以下であり、かつ、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物から形成される担体3と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車に代表される内燃機関から排出される炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などを含む排ガスを浄化する排ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
自動車に代表される内燃機関から排出される排ガス中には、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などの有害なガスが含まれており、有害なガスを浄化するために三元触媒を用いている。三元触媒は、排ガス規制の強化に伴い、その使用量が急増しつつある。三元触媒は、担体(例えば、アルミナ(γ−Al2O3))上に貴金属粒子(例えば、Pt、Pd、Rhなど)を担持した触媒である。
近年、排ガス規制が厳しくなりつつあり、三元触媒の使用量の増加に伴い、貴金属の使用量も増加する傾向にある。しかし、地中における貴金属の埋蔵量には限界があり、また貴金属コストは高い。このため、触媒の活性を低下させることなく、貴金属量の使用量を減らす研究が盛んに行われている。
排ガス浄化触媒は、貴金属粒子の表面において反応が進む接触反応であり、触媒の活性は、貴金属粒子の表面積にほぼ比例する。このため、担体表面に粒径の小さい貴金属粒子(例えば、粒径1nm以下)を均一に分散させて担持した触媒とし、貴金属粒子の表面積を大きくし、触媒の活性を高めている。しかし、粒径の小さい貴金属粒子は、大きな表面エネルギを持ち、凝集し易いことから、貴金属粒子の凝集を抑えることが必要である。
従来から担体に担持した貴金属粒子の凝集を抑制するために、研究が行われているが、貴金属粒子の凝集が生じる要因として、貴金属粒子自身が移動して凝集することと、担体の収縮に伴い担体上の貴金属粒子の凝集が生じることの二つの要因があることが判明している。前者の要因は触媒を耐久させた直後に生じ(触媒の初期劣化)、後者の要因は触媒の初期劣化に続いて起こる。
触媒の初期劣化を抑制するために、例えば、担体表面に担持した貴金属粒子上に、さらに金属酸化物から成る被覆層を形成した触媒が開示されている(特許文献1参照)。この触媒によれば、被覆層を形成することにより貴金属粒子自身の移動を抑制して、触媒の初期劣化を防ぐことができる。
特開2003−117393号公報
しかしながら、従来の触媒では、依然として、耐久後に触媒の活性が低下するという恐れを有していた。
貴金属粒子の移動を抑制するために、貴金属粒子の表面を担体(例えば、Al2O3)により被覆する際、有機塩(アルミニウムアルコキシドなどの金属アルコキシド塩)を用いて被覆することが有効であるが、この方法を使用すると、担体の表面積が著しく大きくなるという問題を有していた。
担体の表面積が大である触媒を耐久させると、耐久時に担体の収縮が生じ、これに伴い担体上の貴金属粒子が凝集し、触媒の活性が低下する恐れを有していた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、貴金属粒子の表面に被覆される担体の表面積を意図的に低下させて、耐久時の担体の収縮に伴う貴金属粒子の凝集を抑制し、耐久後の触媒の活性低下を抑制したものである。
すなわち、本発明の排ガス浄化触媒は、平均粒径が3nm以上20nm以下である貴金属粒子と、貴金属粒子の表面に被覆されて、表面積が250m2/g以下であり、かつ、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物から形成される担体と、を含むことを要旨とする。
本発明の排ガス浄化触媒の製造方法は、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の元素を含む貴金属粒子の表面に、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物の前駆体又は二種以上の複合酸化物の前駆体を被覆して触媒前駆体とし、得られた触媒前駆体を不活性ガス雰囲気下において700℃以上1000℃以下で1時間以上焼成して触媒とすることを要旨とする。
本発明の排ガス浄化触媒によれば、担体の収縮に伴う貴金属粒子の凝集を抑制することにより、触媒の耐久劣化を防止し、さらに低コスト化を実現することができる。
本発明の排ガス浄化触媒の製造方法によれば、低コスト化し、さらに耐久劣化を抑制した触媒を得ることができる。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒及びその製造方法を説明する。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の断面図を図1に示す。排ガス浄化触媒1は、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種以上の貴金属粒子2と、貴金属粒子2の表面に被覆されて、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物から形成される繊維状の担体3と、を有する。
貴金属粒子2の平均粒径は、3nm以上20nm以下である。触媒の活性を考慮すると、貴金属粒子2の平均粒径を10nm以下とすることが好ましいが、貴金属粒子2が微粒になりすぎると、後述する製造工程において僅かであるが貴金属粒子2の凝集が生じてしまう。このため、貴金属塩から貴金属粒子を析出させる際に、貴金属粒子の平均粒径を3nm以上10nm以下とすることが好ましい。さらに、耐久初期の劣化抑制、触媒の反応性を考慮すると、貴金属粒子2の平均粒径を5nm以上15nm以下、さらに5nm以上8nm以下とすることが好ましい。なお、ここで、貴金属粒子2の平均粒径とは、貴金属粒子2が球状の場合には、その直径を意味し、貴金属粒子2が球状ではない場合は、その直径の最大値と最小値との平均値を意味する。
担体3の平均細孔径は2nm以上8nm以下である。担体3の平均細孔径を本範囲としたのは、平均細孔径が2nm未満になると、排ガスの拡散性が悪くなるためであり、逆に、平均細孔径が8nmを超えると、担体3が凝集し、担体3表面に担持される貴金属粒子2が凝集し易くなるからである。
また、担体3の表面積は250m2/g以下である。この理由は、表面積が250m2/gを超えると、耐久時に担体3の表面積が著しく低下し、担体3の収縮が生じる恐れがあるからである。
担体3は、前述したように、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物から形成されるが、一種の酸化物よりもむしろ二種以上の複合酸化物とすることが好ましい。特に、Ceは、貴金属粒子3の凝集を抑制する効果があり、二種以上の複合酸化物とすることにより、反応性が向上する。例えば、貴金属粒子2としてPt粒子、担体3としてAl2O3とCeO2との複合酸化物を用いた場合、担体3をAl2O3のみから形成した場合に比べて、CeO2を入れることでCeO2がPtのアンカーとなり、Pt粒子の粒移動を抑制することができる。また、貴金属粒子2としてRh粒子を用いた場合、担体3としてAl2O3とZrO2との複合酸化物を用いることにより、Al2O3がRhのアンカーとなり、Rh粒子の粒移動を抑制することができる。さらに、貴金属粒子2としてPd粒子を用いた場合、Al2O3自身がアンカーとなることから、Al2O3のみから担体3を形成しても良いが、反応性を考慮した場合、担体3としてCeO2を含めることが好ましい。PdとRhは、いずれもAl2O3に固溶してアンカーとして機能する点で共通しているが、Rhは固溶すると触媒活性が失われ、Pdは固溶しても触媒活性が失われることがない点に違いがある。このため、Rh粒子のアンカーとして担体酸化物中にAl2O3を含める場合には、アンカーとして働くだけのAl2O3量を酸化物中に含めると良い。さらに具体的には、Al2O3量は、Rh量のmol比で半分程度とすることが好ましい。
貴金属粒子2の表面積残存率は70%以上とすることが好ましい。ここで、貴金属粒子2の表面残存率は、下式に示すように、排ガス浄化触媒を700℃で30時間焼成した後の貴金属粒子2の表面積と、焼成前の貴金属粒子2の表面積から求められる。
Figure 2007029778
従来の含浸法を用いて製造した触媒では、貴金属粒子2の表面積残存率は、約5%程度である。また、貴金属粒子2の表面を担体3により被覆して、担体3の表面積を300m2/g以上とした触媒では、貴金属粒子2の表面積残存率は約50%である。これに対して、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒1についての貴金属粒子2の表面積残存率は、70%以上90%以下となる。このため、この排ガス浄化触媒1を700℃で焼成した後も、貴金属粒子2の凝集を抑制することができる。さらに、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒1では、担体3の表面積を250m2/g以下として意図的に低下させたため、担体2の収縮による貴金属粒子2の凝集を抑制することができる。この結果、耐久後も、貴金属粒子2の分散度を高め、貴金属粒子2を微粒のまま維持し、触媒の活性低下を抑制することができる。
さらに、上記排ガス浄化触媒は、例えば、前述した触媒を含む触媒スラリとし、この触媒スラリを耐火性の無機基材上にコーティングして、触媒層を有する排ガス浄化触媒として、実際に使用されることが好ましい。
次に、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の製造方法を説明する。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の製造方法は、図2に示すように、まず、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の元素を含む貴金属塩を還元剤により還元析出させて貴金属粒子とする(工程1)。次に、貴金属粒子の表面に、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物の前駆体又は二種以上の複合酸化物の前駆体を被覆して触媒前駆体とする(工程2)。さらに、得られた触媒前駆体を不活性ガス雰囲気下において700℃以上1000℃以下で1時間以上焼成して触媒とする(工程3)。
上記排ガス浄化触媒の製造方法において、工程1、工程2では、逆ミセル法やコロイド法を用いて触媒前駆体とすることができ、その方法は特に限定されるものではない。その方法の詳細については後述する。
ここでは、まず、工程3での焼成条件が重要であり、特に、触媒前駆体を不活性雰囲気下において700℃以上1000℃以下で1時間以上焼成し、担体を焼き固めて、担体の表面積を250m2/g以下とし、焼成前の担体の表面積(約300m2/g)よりも小さくしている。また、焼成前の担体の平均細孔径に比べて小さくすることができ、担体の平均細孔径を2nm以上8nm以下とした触媒を得ることができる。
焼成雰囲気として不活性ガスを用いるが、不活性ガスとしては、例えば、窒素(N2)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)などの希ガスを挙げることができる。焼成温度は、700℃以上1000℃以下と規定したが、焼成温度が700℃未満になると、担体の表面積と平均細孔径を上記範囲とすることができず、逆に、焼成温度が1000℃を超えると、担体酸化物の相転移が生じるからである。
また、上記排ガス浄化触媒の製造方法において、貴金属塩としてPt塩を用いたときに、触媒前駆体を、還元雰囲気下において上記条件により焼成することが好ましい。また、貴金属塩としてPd塩又はRh塩を用いたときに、触媒前駆体を、酸化雰囲気下において上記条件により焼成することが好ましい。
次に、工程1、工程2を具体的に説明する。
逆ミセル法では、まず、有機溶媒中に界面活性剤を溶解させた混合溶液を調整し、この混合溶液に貴金属塩の混合水溶液を投入して攪拌する。すると、直径約数十nmの逆ミセルが形成されて、逆ミセル内部の水相に貴金属塩を含む水溶液が含有される。その後、逆ミセルを含む有機溶媒の混合溶液に還元剤を投入し、攪拌して貴金属塩を逆ミセルの内部で還元してメタル化する。
さらに、担体金属水溶液を混合して攪拌し、一部酸化した貴金属を含有した逆ミセル内に担体金属の塩及び水を含有させる。その後、逆ミセルを含む有機溶媒の混合溶液中に沈殿剤水溶液を混合し、逆ミセル内部の担体金属の塩を析出させる。この場合、逆ミセル内部の担体金属の塩がメタル化して担体金属として析出されて、貴金属粒子を担体金属により包接する。
そして、逆ミセルを含む有機溶媒の混合溶液中にアルコールを添加して攪拌し、逆ミセルを崩壊させると、貴金属粒子を担体金属により包接した沈殿物が得られる。
次に、得られた沈殿物をメンブランフィルタでろ過した後、アルコール及び水を用いて洗浄し、沈殿物に含まれる不純物(例えば界面活性剤など)を除去する。さらに、沈殿物を乾燥した後、空気気流中で沈殿物を焼成し、触媒粉末とする。得られた触媒粉末は、貴金属粒子の表面が担体に被覆された状態となる。
ここで、逆ミセル法において使用する有機溶媒としては、シクロヘキサン、シクロヘプタン、オクタノール、イソオクタン、n−ヘキサン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが使用可能であり、これら二種以上の混合溶液を用いても良い。界面活性剤としては、ポリエチレングリコール(5)モノ−4−ノニルフェニルエーテル、ペンタエチレングリコールドデシルエーテルなどが使用可能である。貴金属塩としては、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、アミン化合物、カルボニル化合物、金属アルコキシドなどが使用可能であり、また、二種以上の混合溶液を使用しても良い。還元剤としては、アンモニア、テトラメチルアンモニウム、アルカリ金属水酸塩、ヒドラジン、ホウ素化水素ナトリウムなどが使用可能である。担体金属の塩としては、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、アミン化合物などが使用可能である。沈殿剤としては、ヒドラジン、ホウ素化水素ナトリウム、アンモニアなどが使用可能であり、また、これらの二種以上の混合溶液を用いても良い。また、アルコールとして、メタノール、エタノールなどが使用可能である。
次に、コロイド法を説明する。まず、分散媒中に金属塩と有機分子を投入して攪拌し、分散媒中に金属のイオンと、有機分子とが存在する混合溶液を調製する。その後、混合溶液に還元剤を加えて金属イオンを還元し、還元された貴金属粒子の周囲に有機分子が配位した金属コロイドの分散液とする。
この分散液に担体前駆体である担体金属水和物を投入し、攪拌した後、さらに沈殿剤水溶液を投入して一晩熟成させる。すると、金属コロイドが担体の前駆体である水酸化物に取り込まれた触媒前駆体の沈殿物が得られる。
さらに、得られた沈殿物をメンブランフィルタでろ過した後、大量の水を用いて沈殿物を洗浄し、この沈殿物を一昼夜乾燥した後、沈殿物を空気気流中で焼成して、触媒とする。
ここで、コロイド法で使用する貴金属塩としては、ジニトロジアミン塩、トリアンミン塩、テトラアンミン塩、ヘキサアンミン塩などの貴金属錯体、硝酸塩、塩化物、硫酸塩などの無機塩が使用可能である。有機分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミド、ポリアクリル酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸などが使用可能であり、また、これら2種以上の混合溶液を用いても良い。還元剤としては、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素ガスなどが使用可能である。なお、担体の前駆体は含水物としても良く、また、沈殿剤水溶液としては、アンモニア水やTMAH水溶液などが使用可能である。
得られた触媒は、金属コロイドが担体の前駆体である水酸化物に取り込まれた触媒前駆体を焼成したため、水酸化物から水が蒸発し、水酸化物が脱水収縮する。この際に担体には細孔が多く形成され、水酸化物に取り込まれた金属コロイドが担体の外表面及び細孔内部である内表面に金属粒子が埋没した状態となる。このように、担体上に金属粒子が均一に分散されて強固に固定され、また、担体が貴金属粒子のアンカーとして作用することから、貴金属粒子の凝集が抑制され、触媒活性の高い触媒を得ることができる。
さらに、以下に示す方法を用いることもできる。
まず、担体成分の酸化物を調製した後、含浸法により担体上に貴金属粒子を担持し、その後、選択析出法により貴金属粒子上に貴金属粒子を担持して貴金属粒子の粒径を調整し、さらに、担体の前駆体により貴金属粒子の表面を被覆して触媒前駆体とするものである。
ここで、含浸法とは、担体の細孔中に貴金属を含む溶液を浸み込ませて細孔壁に固定し、乾燥、焼成して、担体上に貴金属粒子を担持する方法である。また、選択析出法とは、担体上に貴金属粒子を担持させたものを含む溶液中に、貴金属を含む溶液を浸み込ませて、担体細孔壁に固定した後、還元剤を入れて、貴金属粒子上に貴金属粒子を選択的に析出させる方法である。例えば、担体上に貴金属粒子が担持された粉末を、貴金属を含む溶液中に分散させて、攪拌した後、還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)を入れて、貴金属粒子上にさらに貴金属粒子を還元析出させて、さらに攪拌し、乾燥、焼成して、粉末を得るものである。このように選択析出法を用いることにより、貴金属粒子の平均粒径を3nm〜10nmに制御することが可能である。
なお、本実施の形態に係る触媒の製造方法において、触媒の活性はその元素の種類や使用条件などにより異なるため、目的とする触媒に応じて、使用する元素、還元剤及び析出剤の種類や反応温度、反応時間、攪拌強度及び攪拌方法などを適宜変更すると良い。
以下、実施例を用いてさらに具体的に説明する。
実施例1
溶媒であるシクロヘキサン1L中に界面活性剤としてポリエチレングリコール−p−ノニルフェニルエーテル66g を投入し、混合して溶液を得た。この時の比(界面活性剤/溶媒)は0.15mol/Lとした。その後、得られた溶液中に8.46%ジニトロジアミン白金水溶液0.0356gと水8.064mlを加えた後、攪拌して水溶液を得た。得られた水溶液中に、NaBH40.0018gを投入し、2時間攪拌した。このときの比(還元剤/貴金属)は3とした。その後、さらに水45.9gを投入して水溶液を得た。
次に、溶媒であるシクロヘキサン20mL中に、アルミニウムイソプロポキシド3.81gを加え、攪拌して溶液を得た。得られた溶液中に、前述した水溶液を投入した後、さらにメタノール100mlを投入し、攪拌して水溶液を得た。
得られた水溶液をメンブランフィルタで濾過した後、エタノール洗浄し、さらに水洗浄を行い、120℃で一昼夜乾燥させた後、700℃で1時間、水素2%−He98%雰囲気中で焼成して、触媒粉末を得た。
実施例2
水:エタノール=1:1の割合で混合した混合分散溶液中に、ポリビニルピロリドン55mmolとジニトロジアミンPt1.54mmolとを投入した後、攪拌して水溶液を得た。得られた水溶液中に、ヒドラジンを加えて還元した後、平均粒径3.9nmのPt微粒子が分散されたPt微粒子分散液を得た。
次に、2−メチル−2,4,-ペンタンジオール89.6g中にアンモニウムイソプロポキシド20g を投入し、120℃で4時間攪拌して溶液を得た。
得られた溶液中にPt微粒子分散液を投入し、さらに水10g を投入し、攪拌して水溶液を得た。
その後、水溶液を80℃で減圧乾燥した後、H22%−He98%雰囲気中、700℃で1時間焼成して、触媒粉末を得た。
実施例3
水にアルミナを分散させた水溶液中にジニトロジアミン白金塩を投入し、水溶液を得た。この時、表面積195mm2/gのアルミナに対してジニトロジアミン白金塩を0.01wt%となるようにした。得られた水溶液を2時間攪拌した後、一昼夜120℃で乾燥し、その後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。
得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、さらにジニトロジアミン白金塩と還元剤であるヒドラジンを投入し、先に担持したPt上に選択的にPtを析出させた。このとき、Pt量は先の0.01wt%と合計し、0.3%wtとなるようにした。その後、2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、さらにアンモニア水を投入し、水溶液のpHを10とした。
得られた水溶液中にアンモニウムイソプロポキシドを投入し、Pt粒子の表面にアルミニウム水酸化物を形成させた触媒前駆体を含む水溶液を得た。
得られた水溶液を120℃で一昼夜乾燥した後、H22%−He98%雰囲気中、700℃で1時間焼成して、触媒粉末を得た。
実施例4
溶媒であるシクロヘキサン1L中に、界面活性剤としてポリエチレングリコール−p−ノニルフェニルエーテル66g を投入し、攪拌して溶液を得た。この時の比(界面活性剤/溶媒比)は0.15mol/Lとした。得られた溶液中に、8.46%のジニトロジアミン白金水溶液0.0356gと水8.064mLを加え、攪拌した後、さらにNaBH40.0018gを投入し、2時間攪拌して水溶液を得た。この時の比(還元剤/貴金属)は3とした。得られた水溶液中に、さらに水45.9gを投入して水溶液とした。
次に、溶媒であるシクロヘキサン20ml中に、界面活性剤としてアルミニウムイソプロポキシド3.81gを投入し、攪拌して溶液を得た。
得られた溶液を前述した水溶液中に投入した後、さらにメタノール100mlを投入して攪拌した後、メンブランフィルタで濾過し、エタノール洗浄後、水洗浄を行った。さらに、120℃で一昼夜乾燥した後、He雰囲気中、700℃で1時間焼成して、触媒粉末を得た。
比較例1
8.46%ジニトロジアミン白金水溶液中に、表面積200m2/gのアルミナを投入して、1時間攪拌して水溶液を得た。得られた水溶液を、120℃で一昼夜乾燥した後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して触媒粉末を得た。
比較例2
8.46%ジニトロジアミン白金水溶液中に、表面積200m2/gのアルミナを投入して、1時間攪拌して水溶液を得た。得られた水溶液を、120℃で一昼夜乾燥した後、H22%−He98%雰囲気中、700℃で1時間焼成して触媒粉末を得た。
比較例3
溶媒であるシクロヘキサン1L中に、界面活性剤としてポリエチレングリコール−p−ノニルフェニルエーテル66g を投入し、攪拌して溶液を得た。このときの比(界面活性剤/溶媒比)は0.15mol/Lとした。得られた溶液中に、8.46%のジニトロジアミン白金水溶液0.0356gと、水9.046mLとを加えて攪拌した後、さらにNaBH4 0.0018gを投入し、2時間攪拌して水溶液を得た。この時の比(還元剤/貴金属)は3とした。得られた水溶液中にさらに水45.9gを投入して水溶液とした。
次に、溶媒であるシクロヘキサン20mL中に、アルミニウムイソプロポキシド3.81gを加えて攪拌し、溶液を得た。
得られた溶液を、前述した水溶液中に投入した後、さらにメタノール100mlを投入して攪拌した。その後、メンブランフィルタで濾過した後、エタノール洗浄、水洗浄を行い、120℃で一昼夜乾燥した後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して触媒粉末を得た。
上述した実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例3から得られた各触媒粉末を用いて、貴金属粒子の平均粒径、担体の表面積、担体の平均細孔径、被覆率を調べた。以下、各測定方法を説明する。
貴金属粒子の平均粒径は、まず、触媒を用いて、TEM測定を実施する。TEM(透過型電子顕微鏡)は、HF-2000(日立製作所(株)社製)を使用し、加速電圧を200kVとし、切削条件を常温とした。具体的には、触媒粉末をエポキシ樹脂にて包理処理し、エポキシ樹脂が硬化した後、ウルトラミクロトームにより超薄切片を作成した。その切片を用いて、TEM観察により各種結晶粒の分散状態を調べた。得られた映像の中で、コントラスト(影)の部分に焦点を充て、金属種を限定し、その金属の粒径を測定し、測定値の平均値を算出して貴金属粒子の平均粒径とした。
担体の平均細孔径は、Micromeritics ASAP 2010 Analyser (Accelerated Surface Area and Porosimetry Systemを用いて測定した。
表1に、上述した方法を用いて測定された結果を示す。
Figure 2007029778
さらに、表1に示す各触媒粉末を700℃で30時間焼成して耐久させた。この時の雰囲気ガスは、H2 2%/He2 balanceのガスと、O2 5%/He balanceのガスとを10秒ずつ切り替えた。
その後、貴金属粒子の表面積残存率を求めた。表2にその結果を示す。
Figure 2007029778
また、実施例1、比較例1及び比較例3の各触媒に関して、触媒を耐久させたときの貴金属粒子の表面積残存率(%)と担体の表面積残存率(%)とを調べた。なお、貴金属粒子の表面積残存率は、前述した方法を用いて求め、担体の表面積残存率は、以下のように求めた。
担体の表面積残存率(%)は、(Micromeritics ASAP 2010 Analyser (Accelerated Surface Area and Porosimetry System)を用いて測定したBET表面積に基づき、下式に基づき求めた。
表面残存率=(700℃で30hr焼成した後のBET表面積)/(700℃で30hr焼成する前のBET表面積)
図3(a)は、実施例1の耐久時間と貴金属粒子の表面積残存率との関係を示し、耐久前(初期)の貴金属粒子の表面積残存率を100%としている。図3(b)は、実施例1の耐久時間と担体の表面積残存率との関係を示し、耐久前(初期)の担体の表面積残存率を100%としている。
図3(a)に示すように、触媒を1時間耐久させると、貴金属粒子の移動による凝集が生じ、貴金属粒子の表面積残存率が75%前後に低下していた。その後、担体の収縮に伴う貴金属粒子の凝縮が生じ、緩やかに貴金属粒子の表面積残存率が低下していたが、30時間触媒を耐久させた後も貴金属粒子の表面積残存率は72.3%であり、実施例1の貴金属粒子の表面積残存率が70%以上であることが判明した。
図4は、比較例1の結果を示し、(a)は、耐久時間と貴金属粒子の表面積との関係、(b)は、耐久時間と貴金属粒子の表面積残存率との関係、(c)は、耐久時間と担体の表面積との関係、(d)は、耐久時間と担体の表面積残存率との関係をそれぞれ示す。図4(a)及び(b)に示すように、比較例1の触媒を1時間耐久させると、貴金属粒子の移動による凝集が生じ、貴金属粒子の表面積が著しく減少し、貴金属粒子の表面積残存率が15%前後に低下していた。その後、担体の収縮に伴う貴金属粒子の凝縮が生じ、緩やかに貴金属粒子の表面積残存率が低下し、30時間触媒を耐久させた後の貴金属粒子の表面積残存率が7.2%に低下していた。
図5は、比較例3の結果を示し、(a)は、耐久時間と貴金属粒子の表面積残存率との関係、(b)は、耐久時間と担体の表面積残存率との関係を示す。図5(a)に示すように、比較例3の触媒を1時間耐久させると、貴金属粒子の移動による凝集が生じ、貴金属粒子の表面積残存率が約65%に低下していた。その後は、担体の収縮に伴う貴金属粒子の凝縮が生じ、貴金属粒子の表面積残存率が大幅に低下し、30時間触媒を耐久させた後の貴金属粒子の表面積残存率が46.3%にまで低下していた。
比較例1及び比較例3の触媒では、いずれも通常の含浸法を用いて調製していたが、比較例3は、貴金属粒子(Pt粒子)を担体(Al2O3)により被覆したため、耐久直後の貴金属粒子(Pt粒子)の移動による凝集を抑制することができた。しかし、比較例3の触媒は、担体の初期の表面積が323m2/gと大きく、平均細孔径も20nmと大きいことから、耐久時に担体の収縮が生じ、貴金属粒子の表面積残存率が低下したものと判明した。これに対して、実施例1は、耐久直後の貴金属粒子の凝集を抑制し、さらに担体の収縮に伴う貴金属粒子の凝集を抑制することができることが判明した。
次に、担体と貴金属粒子の材料を変えて、同様に実験を行った。
実施例5
溶媒であるシクロヘキサン1L中に、界面活性剤としてポリエチレングリコール−p−ノニルフェニルエーテル66g を投入し、混合して溶液を得た。この時の比(界面活性剤/溶媒比)は0.15mol/Lとした。その後、得られた溶液中に、8.46%のジニトロジアミン白金水溶液0.0356gと水8.064mlを加えて、攪拌して水溶液を得た。得られた水溶液中にNaBH4 0.0018g を投入し、2時間攪拌した。この時の比(還元剤/貴金属)は3とした。さらに酢酸Ce水溶液45.9gを投入して水溶液を得た。
次に、溶媒であるシクロヘキサン20mL中にアルミニウムイソプロポキシド2.98gを加え、攪拌して溶液を得た。
得られた溶液を、前述した水溶液中に投入した後、メタノール100mLを投入した後、攪拌して水溶液を得た。
この水溶液をメンブランフィルタで濾過した後、エタノール洗浄、水洗浄を行い、120℃で一昼夜乾燥した後、H22%−He98%雰囲気中、700℃で1時間焼成して触媒粉末を得た。
実施例6
表面積195mm2/gのアルミナに酢酸CeをCeO2として8.8wt%となるように含浸した。その後、120℃で一昼夜乾燥し、600℃で1時間焼成して粉末を得た。この時の表面積は172m2/gであった。
得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、さらにテトラアンミン白金水酸塩を、粉末に対して0.01重量%となるように投入し、2時間攪拌して水溶液を得た。この水溶液を一昼夜120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。
得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、さらにジニトロジアミン白金塩と還元剤であるヒドラジンを投入し、先に担持したPt粒子上に選択的にPt粒子を析出させた。このとき、Pt量は先の0.01wt%と併せて0.3 wt%となるようにした。その後、アンモニア水を投入し、水溶液のpHを10とした。
得られた水溶液中に、アンモニウムイソプロポキシドを投入し、Pt粒子表面にアルミニウム水酸化物を被覆するようにした。
これを120℃で一昼夜乾燥した後、H22%−He98%雰囲気中、700℃で1時間焼成して、触媒粉末を得た。
実施例7
表面積195m2/gのアルミナを水に分散させた水溶液中に、硝酸Pdを0.01wt%となるように投入し、2時間攪拌した後、一昼夜120℃で乾燥し、その後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。
得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、硝酸Pdと還元剤としてヒドラジンを投入し、先に担持したPd粒子上に選択的にPd粒子を析出させた。このとき、Pd量は先の0.01wt%と併せて0.3%となるようにした。その後、2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末を水に分散させた水溶液中にアンモニア水を投入し、水溶液のpHを10とした。
次に、得られた水溶液中にアンモニウムイソプロポキシドを投入し、Pd粒子表面にアルミニウム水酸化物を被覆するようにした。
これを120℃で一昼夜乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で1時間焼成して触媒粉末を得た。
実施例8
表面積195m2/gのアルミナを水に分散させた水溶液中に、硝酸Rhを0.01wt%となるように投入し、2時間攪拌した。その後、一昼夜120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。
次に、得られた粉末を水に分散させた水溶液中に硝酸Rh塩と還元剤であるNaBH4を投入し、先に担持したRh粒子上に選択的にRh粒子を析出させた。このとき、Rh量は先の0.01wt%と併せて0.3wt%となるようにした。その後、2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。得られた粉末を水に分散させた水溶液中にアンモニア水を投入し、水溶液のpHを10とした。
得られた水溶液中にアンモニウムイソプロポキシドを投入し、Rh粒子の表面にアルミニウム水酸化物を被覆するようにした。
その後、得られた水溶液を120℃で一昼夜乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で1時間焼成して、触媒粉末を得た。
実施例9
表面積195m2/gのアルミナに硝酸AlをAl2O3として0.15wt%となるようにして含浸した後、120℃で一昼夜乾燥し、600℃で1時間焼成して粉末を得た。この時の表面積は53.4m2/gであった。
得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、硝酸Rhを粉末に対して0.01wt%となるように投入し、2時間攪拌した後、一昼夜120℃で乾燥し、その後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。
得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、さらに硝酸Rh塩と還元剤であるNaBH4を投入し、先に担持したRh粒子上に選択的にRh粒子を析出させた。Rh量は先の0.01wt%と併せて0.3wt%となるようにした。その後、2時間攪拌し、一昼夜120℃で乾燥した後、空気雰囲気中、400℃で1時間焼成して粉末を得た。
次に、得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、アンモニア水を投入し、水溶液のpHを10とした後、さらにアンモニウムイソプロポキシドを投入し、Rh粒子の表面にアルミニウム水酸化物を被覆するようにした。
これを120℃で一昼夜乾燥した後、空気雰囲気中、700℃で1時間焼成して、触媒粉末を得た。
比較例4
水に表面積195m2/gのアルミナを分散させた水溶液中に、硝酸Pd塩を0.3wt%となるように投入し、2時間攪拌して水溶液を得た。その後、得られた水溶液を一昼夜120℃で乾燥した後、空気中400℃で1時間焼成して触媒粉末を得た。
比較例5
水に表面積195m2/gのアルミナを分散させた水溶液中に、硝酸Rh塩を0.3wt%となるように投入し、2時間攪拌して水溶液を得た。その後、得られた水溶液を一昼夜120℃で乾燥した後、空気中400℃で1時間焼成して触媒粉末を得た。
比較例6
表面積195m2/gのアルミナに硝酸AlをAl2O3として0.15wt%となるようにして含浸した後、120℃で一昼夜乾燥し、その後、600℃で1時間焼成して粉末を得た。この時の表面積は53.4m2/gであった。
得られた粉末を水に分散させた水溶液中に、さらに硝酸Rhを粉末に対して0.3wt%となるように投入して2時間攪拌した後、一昼夜120℃で乾燥し、その後、空気気流中、400℃で1時間焼成して触媒粉末を得た。
上述した実施例5〜実施例9及び比較例4〜比較例6から得られた各触媒粉末について、貴金属粒子の平均粒径、担体の表面積、担体の平均細孔径及び被覆率を調べた。表3に、その結果を示す。
Figure 2007029778
また、各触媒を耐久させて、貴金属粒子の表面積残存率を求めた。表4に、その結果を示す。
Figure 2007029778
表3及び表4に示すように、比較例4〜比較例6の触媒の貴金属粒子は担体により被覆されていないことから、耐久初期の貴金属粒子の凝集を抑制することができなかった。また、担体の表面積が195m2/g以下であり、平均細孔径も2nm以上8nm以下の範囲から外れているため、耐久時の担体の収縮に伴う貴金属粒子の凝集を抑制することができず、耐久後の貴金属粒子の表面積残存率が6.8%以下の値を示していた。これに対して、実施例6〜実施例9の触媒の貴金属粒子表面は担体により被覆されているため、耐久初期の貴金属粒子の凝集を抑制することができる。さらに、担体を予め焼き固めて、担体の表面積を250m2/g以上、平均細孔径を2nm以上8nm以下の範囲としたため、担体の収縮に伴う貴金属粒子の凝集を抑制することができた。この結果、貴金属粒子の表面積残存率が、いずれも70%以上の高い値を示していた。特に、貴金属粒子としてPt粒子を用い、Al2O3にCeO2を複合化した複合酸化物を担体とした実施例6及び実施例7は、貴金属粒子の表面積残存率が約82%を超えており、触媒の活性を高く維持できることが判明した。
最後に、以下の各実施例についての触媒性能を評価した。
実施例10
実施例1により調製した触媒粉末225g、アルミナゾル25g、水230g、硝酸20gを磁性ボールミルに投入した後、混合、粉砕して触媒スラリを得た。
得られた触媒スラリをコーデェライト質のモノリス担体(0.119L、400セル)に付着させて、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除き、120℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して、コート層150.0g/Lとした触媒を得た。
実施例11
実施例1により調製した触媒粉末に硝酸MnをMnO2として5%となるように含浸した後、120℃で一昼夜乾燥し、その後、400℃で1時間焼成して粉末を得た。
得られた粉末225g、アルミナゾル25g、水230g、硝酸20gを磁性ボールミルに投入した後、混合、粉砕して触媒スラリを得た。
得られた触媒スラリをコーデェライト質のモノリス担体(0.119L、400セル)に付着させて、空気気流にてセル内の余剰のスラリを取り除き、120℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して、コート層150.0g/Lとした触媒を得た。
実施例12〜実施例21
実施例12から実施例21までは、実施例11の硝酸Mnを変えて、実施例11と同様の手順を用いて触媒を調製した。具体的には、実施例12は硝酸Fe、実施例13は硝酸Co、実施例14は硝酸Ni、実施例15は酢酸Mg、実施例16は酢酸Ca、実施例17は酢酸Ba、実施例18は酢酸La、実施例19は酢酸Nd、実施例20は酢酸Pr、実施例21は酢酸Yをそれぞれ用いた。
比較例7
比較例1により調製した触媒粉末225g、アルミナゾル25g、水230g、硝酸20gを磁性ボールミルに投入し、混合、粉砕して触媒スラリを得た。得られた触媒スラリをコーデェライト質のモノリス担体(0.119L、400セル)に付着させて、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除き、120℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層150.0g/Lとした触媒を得た。
比較例8
比較例3により調製した触媒粉末225g、アルミナゾル25g、水230g、硝酸20gを磁性ボールミルに投入し、混合、粉砕して触媒スラリを得た。得られた触媒スラリをコーデェライト質のモノリス担体(0.119L、400セル)に付着させて、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除き、120℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層150.0g/Lとした触媒を得た。
上記実施例11〜実施例21、比較例7及び比較例8から得られた各触媒を排気量4500ccのエンジンの排気系に装着し、触媒入口温度を700℃として30時間運転して、触媒を耐久させた。
耐久後の各触媒を下表5に示すモデルガスにより、室温(38℃)から400℃まで10℃/分で昇温したときの、HC、CO、NOxの50%転化率温度を求めた。表6に、その結果を示す。
Figure 2007029778
Figure 2007029778
表6に示すように、比較例7、比較例8の触媒では、耐久後の50%転化率温度が高い値を示していたのに対し、実施例10〜実施例21の各触媒では、比較例に比べていずれも低い値を示しており、耐久後も触媒活性が維持されることが判明した。実施例の中でも、添加元素を含めた実施例11〜実施例21の触媒は、添加元素を含めない実施例10に比べて、いずれも50%転化率温度が低く、触媒の活性低下を抑制することができると判明した。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の断面図である。 本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の製造方法の工程図である。 本発明の実施の形態に係る実施例1の評価結果を示し、(a)は、耐久時間と貴金属粒子の表面積残存率との関係を示す図、(b)は、耐久時間と担体の表面積残存率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る比較例1の評価結果を示し、(a)は、耐久時間と貴金属粒子の表面積との関係を示す図、(b)は、耐久時間と貴金属粒子の表面積残存率との関係を示す図、(c)は、耐久時間と担体の表面積との関係を示す図、(d)は、耐久時間と担体の表面積残存率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る比較例3の評価結果を示し、(a)は、耐久時間と貴金属粒子の表面積残存率との関係を示す図、(b)は、耐久時間と担体の表面積残存率との関係を示す図である。
符号の説明
1…排ガス浄化触媒、
2…貴金属粒子(Pt、Pd、Rh)
3…担体、

Claims (11)

  1. 平均粒径が3nm以上20nm以下である貴金属粒子と、
    前記貴金属粒子の表面に被覆されて、表面積が250m2/g以下であり、かつ、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物から形成される担体と、
    を含むことを特徴とする排ガス浄化触媒。
  2. 平均粒径が3nm以上20nm以下である貴金属粒子と、
    前記貴金属粒子の表面に被覆されて、平均細孔径が2nm以上8nm以下であり、かつ、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物から形成される担体と、
    を含むことを特徴とする排ガス浄化触媒。
  3. 前記貴金属粒子は、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の元素を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス浄化触媒。
  4. 前記貴金属粒子の平均粒径は、5nm以上15nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  5. 前記貴金属粒子の表面積残存率が、70%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
    Figure 2007029778
  6. さらに、前記担体は、Mn、Fe、Co、Ni、Mg、Ca、Ba、La、Nd、Pr及びYの中から選択される少なくとも一種以上の元素を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  7. 前記触媒を含む触媒層を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
  8. Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の元素を含む貴金属粒子の表面に、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物の前駆体又は二種以上の複合酸化物の前駆体を被覆して触媒前駆体とし、
    得られた前記触媒前駆体を不活性ガス雰囲気下において700℃以上1000℃以下で1時間以上焼成して触媒とすることを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。
  9. 前記貴金属粒子は、Pt、Pd及びRhの中から選択される少なくとも一種の元素を含む貴金属塩を還元剤により還元析出させて得られることを特徴とする請求項8記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  10. 前記貴金属塩としてPt塩を用いたときに、
    還元析出された前記Pt粒子の表面に、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物の前駆体又は二種以上の複合酸化物の前駆体を被覆して形成された触媒前駆体を、還元雰囲気下で焼成することを特徴とする請求項8又は9記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  11. 前記貴金属塩としてPd塩又はRh塩を用いたときに、
    還元析出された前記Pd粒子又はRh粒子の表面に、Al2O3、CeO2、ZrO2、TiO2及びSiO2の中から選択される一種の酸化物の前駆体又は二種以上の複合酸化物の前駆体を被覆して形成された触媒前駆体を、酸化雰囲気下で焼成することを特徴とする請求項8又は9記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
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