JP2001160315A - 異方性導電フィルム - Google Patents

異方性導電フィルム

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JP2001160315A JP34506599A JP34506599A JP2001160315A JP 2001160315 A JP2001160315 A JP 2001160315A JP 34506599 A JP34506599 A JP 34506599A JP 34506599 A JP34506599 A JP 34506599A JP 2001160315 A JP2001160315 A JP 2001160315A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 130℃以下の低温、短時間の接着条件で
も、高導通信頼性、高接着力を発現することができる異
方性導電フィルムを提供する。 【解決手段】 導電性粒子が接着剤層中に分散された異
方性導電フィルム。接着剤は、ベース樹脂、反応性化合
物、有機過酸化物及び反応促進性化合物を含む熱硬化性
樹脂組成物に、導電性粒子を配合してなり、ベース樹脂
はポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポ
リアセタール化樹脂であり、反応性化合物はアクリロキ
シ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及びエポ
キシ基含有化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の化合物であり、反応促進性化合物は末端にラジカル
反応性基と酸性基とを有する化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対峙する回路間
に介装し、回路間を加熱、加圧することによりこれら回
路間を導電性粒子を介して導通すると共に、これら回路
同士を接着固定する目的に使用される厚み方向にのみ導
電性を付与する異方性導電フィルムに係り、特に、13
0℃以下の低温で圧着することができる低温接着性に優
れた異方性導電フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】異方性導電フィルムは、接
着剤に導電性粒子が分散され、厚さ方向に加圧すること
により厚さ方向に導電性が付与されるものであり、相対
峙する回路間に介装し、回路間を加圧、加熱することに
より回路間を導電性粒子を介して接続すると共に、これ
ら回路間を接着固定する目的に使用され、厚み方向にの
み導電性を与えるものである。
【0003】このような異方性導電フィルムは、フレキ
シブルプリント基板(FPC)やTABと液晶パネルの
ガラス基板上に形成されたITO端子とを接続する場合
をはじめとして、種々の端子間に異方性導電膜を形成
し、それにより該端子間を接着すると共に電気的に接合
する場合に使用されている。
【0004】従来の異方性導電フィルムは、一般にエポ
キシ系又はフェノール系樹脂と硬化剤を主成分とする接
着剤に導電性粒子を分散させたもので構成され、中でも
使用上の便宜等の点から接着剤としては1液型の熱硬化
型のものが主流になっている。また、異方性導電フィル
ムとしては、高温高湿下でも安定した接続信頼性が得ら
れるようにするため、種々の方法により接着強度の強化
が図られているが、従来のエポキシ系又はフェノール系
樹脂を用いた異方性導電フィルムは、接着力が低く、作
業性が悪く、耐湿耐熱性に問題があった。
【0005】このような点から、本出願人は、先にポリ
ビニルアルコールをアセタール化して得られるポリアセ
タール化樹脂を主成分とする熱又は光硬化性接着剤から
なる異方性導電フィルムを提案した(特開平10−33
8860号公報)。この異方性導電フィルムは、粘着力
が高く、かつ作業性がよく、しかも耐湿耐熱性の高いも
のである。
【0006】しかしながら、最近において、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)等のプラスチックフィルム
を基材とする液晶フィルムが多用され、このような液晶
フィルムの接続に異方性導電フィルムを使用することが
多くなっている。
【0007】かかる液晶フィルムの接続に異方性導電フ
ィルムを用いる場合、圧着時の最高到達温度が液晶フィ
ルムのプラスチックフィルム基材の耐熱温度を超すこと
がないように圧着する必要があるが、一般的にフィルム
基材の耐熱温度は、異方性導電フィルムを圧着するのに
用いられる圧着の最高到達温度である150℃乃至20
0℃よりも低いため、この温度で圧着すると、基材破壊
を招いてしまう問題があった。
【0008】一方、異方性導電フィルムの圧着を上記フ
ィルム基材の耐熱性を超えない温度にて行う場合、異方
性導電フィルムの接着反応及び硬化反応を起こすための
熱量、或いは異方性導電フィルムが流動するための熱量
が十分に付与されず、そのために接着特性や導通特性を
悪化させるなどの不具合を招いてしまう。
【0009】従って、このような耐熱性の低いポリマー
フィルムに異方性導電フィルムを用いる場合、低温、短
時間でも十分な接着特性、導通特性を与えることが求め
られている。また、プリント基板やICチップの接着に
異方性導電フィルムを用いる場合も、プリント基板やI
Cチップの高集積化(細密化)により、熱による基板や
ICチップの膨張・収縮の影響が大きく、この場合も低
温、短時間接着が求められている。
【0010】このような低温、短時間での導通、接着が
可能な異方性導電フィルムとして、本出願人は先にポリ
アセタール化樹脂に低温分解型有機過酸化物を配合した
熱硬化性接着剤を用いた異方性導電フィルムを提案した
(特願平11−207949号公報。以下「先願」とい
う。)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】先願の異方性導電フィ
ルムによれば、150℃以下の低温での導通、接着が可
能であるが、近年、異方性導電フィルムの被着体である
基板の低耐熱化(即ち、ポリイミド基板から安価なPE
T基板への移行)、微細化(高精細化)、更に製造ライ
ンの生産性の向上が進み、異方性導電フィルムにあって
は、130℃以下というようなより一層の低温、短時間
での接着条件で高導通信頼性、高接着力を発現すること
が要求されている。
【0012】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、130℃以下の低温、短時間の接着条件
でも、高導通信頼性、高接着力を発現することができる
異方性導電フィルムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の異方性導電フィ
ルムは、導電性粒子が接着剤層中に分散された異方性導
電フィルムにおいて、該接着剤が、ベース樹脂、反応性
化合物、有機過酸化物及び反応促進性化合物を含む熱硬
化性樹脂組成物に、導電性粒子を配合してなり、該ベー
ス樹脂がポリビニルアルコールをアセタール化して得ら
れるポリアセタール化樹脂であり、該反応性化合物がア
クリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物
及びエポキシ基含有化合物よりなる群から選ばれる少な
くとも1種の化合物であり、該反応促進性化合物がラジ
カル反応性基と酸性基とを末端に有する化合物であるこ
とを特徴とする。
【0014】即ち、本発明者らは、従来の異方性導電フ
ィルムでは十分な反応が進行せず、高い接着力が得られ
なかった、130℃以下の低温でも十分な接着力を得る
ことができる異方性導電フィルムを開発するべく鋭意検
討を重ねた結果、ラジカル反応性を有する基と、酸性基
とを末端に有する反応促進性化合物を配合することによ
り、ポリアセタール化樹脂の低温での接着反応を促進さ
せて高い接着力を得ることができることを見出し、本発
明を完成させた。
【0015】本発明において、熱硬化性樹脂組成物はベ
ース樹脂100重量部に対して反応促進性化合物を0.
5〜50重量部含有することが好ましく、この反応促進
性化合物は、ラジカル反応性基としてのアクリロキシ基
又はメタクリロキシ基と、酸性基としてのカルボキシル
基又は酸性水酸基とを有する化合物、具体的には、アク
リル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−ア
クリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシ
エチルヘキサヒドロフタル酸、メタクリル酸、2−メタ
クリロイロキシエチルコハク酸及び2−メタクリロイロ
キシエチルヘキサヒドロフタル酸よりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上が好ましい。
【0016】また、熱硬化性樹脂組成物は、ベース樹脂
100重量部に対して反応性化合物を0.5〜80重量
部含有することが好ましい。
【0017】有機過酸化物としては10時間半減期温度
が80℃以下の低温分解型有機過酸化物であることが好
ましく、熱硬化性樹脂組成物はベース樹脂100重量部
に対して有機過酸化物を0.1〜10重量部含有するこ
とが好ましい。
【0018】また、ベース樹脂としてのポリアセタール
化樹脂のアセタール基の割合は30モル%以上であるこ
とが好ましい。
【0019】本発明の熱硬化性樹脂組成物はベース樹脂
100重量部に対してシランカップリング剤を0.01
〜5重量部含有することが好ましい。
【0020】本発明の異方性導電フィルムは、相対峙す
る回路間に介装し、回路間を加熱、加圧することにより
これら回路間を導通すると共に接着固定する異方性導電
フィルムであって、加熱温度が130℃以下で接着処理
する異方性導電フィルムとして有効である。
【0021】このような本発明の異方性導電フィルム
は、下記の特長を有することができる。 1) 異方性導電フィルムと接着される被着体の耐熱性
が低くても、異方性導電フィルムを低温で圧着できるの
で、被着体の破壊を招くことなく、安定して優れた接着
特性及び導通特性を得ることができる。 2) 耐湿耐熱性に優れ、高温高湿下で長時間保持した
後においても、異方性導電フィルムの特性を有効に発揮
し、耐久性に優れている。 3) リペア性が良好である。 4) 透明性が良好である。 5) 従来品に比べ、安定して高い接着性を発揮する。 6) 透明なポリマーを原料としたフィルムを使用する
ことにより、電極位置決めの際の光透過性がよく、作業
性が良好となる。 7) エポキシ系等の従来品は、150℃以上の加熱が
必要であったが、本発明によれば、130℃以下、特に
100℃以下で硬化接着も可能であり、またUV硬化性
とすることもできるため、更に低温での硬化接着も可能
である。 8) 従来用いられているエポキシ系、フェノール系の
異方性導電フィルムは、粘着性がなく、フィルムが電極
に粘着力で仮止めしにくく、剥がれ易く、作業性が悪い
が、本発明の異方性導電フィルムは、仮止め時の粘着力
が高いため、作業性が良好である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0023】本発明において、接着剤を構成する熱硬化
性樹脂組成物のベース樹脂は、ポリビニルアルコールを
アセタール化して得られるポリアセタール化樹脂である
が、このポリアセタール化樹脂としては、アセタール基
の割合が30モル%以上であるものが好ましい。アセタ
ール基の割合が30モル%より少ないと耐湿性が悪くな
る恐れが生じる。このポリアセタール化樹脂としては、
ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が挙げ
られるが、特にはポリビニルブチラールが好ましい。こ
のようなポリアセタール化樹脂としては、市販品を用い
ることができ、例えば電気化学工業社製「デンカPVB
3000−1」「デンカPVB2000−L」などを用
いることができる。
【0024】本発明においては、異方性導電フィルムの
物性(機械的強度、接着性、光学的特性、耐熱性、耐湿
性、耐候性、架橋速度等)の改良や調節のために、アク
リロキシ基、メタクリロキシ基又はエポキシ基を有する
反応性化合物(モノマー)を用いるが、この反応性化合
物としては、アクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例え
ばそのエステル及びアミドが最も一般的であり、エステ
ル残基としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリ
ル、ラウリルのようなアルキル基のほかに、シクロヘキ
シル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、
2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基等が挙げられ
る。また、エチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の多官能アルコールとのエステルも同様に用いられる。
アミドとしては、ダイアセトンアクリルアミドが代表的
である。多官能架橋助剤としては、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル
酸又はメタクリル酸エステル等が挙げられる。また、エ
ポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペン
チルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェ
ニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)グリシ
ジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエー
テル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグ
リシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチル
グリシジルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ基
を含有するポリマーをアロイ化することによって同様の
効果を得ることができる。
【0025】これらの反応性化合物は1種又は2種以上
の混合物として、前記ベース樹脂100重量部に対し、
通常0.5〜80重量部、好ましくは0.5〜70重量
部添加して用いられる。この配合量が80重量部を超え
ると接着剤の調製時の作業性や成膜性を低下させること
がある。
【0026】本発明においては、熱硬化性樹脂組成物の
硬化のために、有機過酸化物を配合するが、この有機過
酸化物としては、10時間半減期温度が80℃以下、よ
り好ましくは70℃以下の低温分解性有機過酸化物が好
適である。なお、10時間半減期温度の下限は特に制限
されないが、通常50℃程度である。このような有機過
酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ステアロ
イルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0027】上記有機過酸化物の配合量は、前記ベース
樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部とするのが
好ましい。
【0028】本発明においては、ベース樹脂の低温での
接着反応の促進のために、反応促進性化合物として、ラ
ジカル反応性基と酸性基とを末端に有する化合物を用い
る。この反応促進性化合物としては、ラジカル反応性基
としてのアクリロキシ基又はメタクリロキシ基と、酸性
基としてのカルボキシル基又は酸性水酸基とを有する化
合物が好ましく、具体的には、アクリル酸、2−アクリ
ロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチ
ルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロ
フタル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチ
ルコハク酸及び2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒ
ドロフタル酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上
が挙げられる。
【0029】このような反応促進性化合物の配合量が過
度に少ないと反応促進性化合物の添加による低温接着反
応性の改善効果が十分に得られず、過度に多いと3次元
架橋密度が低下してしまうために、導通信頼性が悪化す
ることから、反応促進性化合物はベース樹脂100重量
部に対して0.5〜50重量部用いるのが好ましい。
【0030】本発明に係る熱硬化性樹脂組成物には、接
着促進剤としてシランカップリング剤を添加することが
好ましい。シランカップリング剤としては、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリク
ロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。
【0031】これらのシランカップリング剤の添加量
は、ベース樹脂100重量部に対し通常0.01〜5重
量部で充分である。
【0032】また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物に
は、加工性や貼り合わせ性等の向上の目的で炭化水素樹
脂を添加することができる。この場合、添加される炭化
水素樹脂は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでもよい。
天然樹脂系では、ロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹
脂が好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール
油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン
誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重
合、エステル化、金属塩化したものを用いることができ
る。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネン等のテ
ルペン系樹脂の他、テルペンフェノール樹脂を用いるこ
とができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、
コバル、シェラックを用いてもよい。一方、合成樹脂系
では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が
好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、
芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹
脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロン
インデン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂
ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用
いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、
変性キシレン樹脂を用いることができる。
【0033】このような炭化水素樹脂の添加量は適宜選
択されるが、ベース樹脂100重量部に対して1〜20
0重量部が好ましく、更に好ましくは5〜150重量部
である。
【0034】以上の添加剤のほか、本発明に係る熱硬化
性樹脂組成物には、老化防止剤、紫外線吸収剤、染料、
加工助剤等を本発明の目的に支障をきたさない範囲で用
いてもよい。
【0035】導電性粒子としては、電気的に良好な導体
であれば良く、種々のものを使用することができる。例
えば、銅、銀、ニッケル等の金属ないし合金粉末、この
ような金属又は合金で被覆された樹脂又はセラミック粉
体等を使用することができる。また、その形状について
も特に制限はなく、りん片状、樹枝状、粒状、ペレット
状等の任意の形状をとることができる。
【0036】なお、導電性粒子は、弾性率が1.0×1
〜1.0×1010Paであるものが好ましい。即
ち、プラスチックフィルムを基材とする液晶フィルムな
どの被接着体の接続で異方性導電フィルムを使用する場
合、導電性粒子として弾性率の高いものを用いると、被
接着体にクラックが生じるなどの破壊や圧着後の粒子の
弾性変形回復によるスプリングバックなどが発生し、安
定した導通性能を得ることができない恐れがあるため、
上記弾性率範囲の導電性粒子を用いることが推奨され
る。これにより、被接着体の破壊を防止し、圧着後の粒
子の弾性変形回復によるスプリングバックの発生を抑制
し、導電性粒子の接触面積を広くすることが可能になっ
て、より安定した信頼性の高い導通性能を得ることがで
きる。なお、弾性率が1.0×10Paより小さい
と、粒子自身の損傷が生じ、導通特性が低下する場合が
あり、1.0×1010Paより大きいと、スプリング
バックの発生が生じる恐れがある。このような導電性粒
子としては、上記のような弾性率を有するプラスチック
粒子の表面を前述の金属又は合金で被覆したものが好適
に用いられる。
【0037】本発明において、このような導電性粒子の
配合量は、前記ベース樹脂に対して0.1〜15容量%
であることが好ましく、また、この導電性粒子の平均粒
径は0.1〜100μmであることが好ましい。このよ
うに、配合量及び粒径を規定することにより、隣接した
回路間で導電性粒子が凝縮し、短絡し難くなり、良好な
導電性を得ることができるようになる。
【0038】本発明の異方性導電フィルムは、このよう
な導電性粒子を接着剤中に分散させてなるものである
が、この接着剤としては、メルトインデックス(MF
R)が1〜3000、特に1〜1000、とりわけ1〜
800であることが好ましく、また、70℃における流
動性が10Pa・s以下であることが好ましく、従っ
て、このようなMFR及び流動性が得られるように前記
ベース樹脂を適宜選択使用することが望ましい。
【0039】本発明の異方性導電フィルムは、前記ベー
ス樹脂を前述の添加剤、導電性粒子と所定の配合で均一
に混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー
ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法によ
り所定の形状に成膜することにより製造される。なお、
成膜に際しては、ブロッキング防止、被着体との圧着を
容易にするため等の目的で、エンボス加工を施してもよ
い。
【0040】このようにして得られた異方性導電フィル
ムを被着体(ポリイミド・銅箔等)と貼り合わせるに
は、常法、例えば、熱プレスによる貼り合わせ法や、押
出機、カレンダーによる直接ラミネート法、フィルムラ
ミネーターによる加熱圧着法等の手法を用いることがで
きる。
【0041】また、各構成成分を部材(セパレーター)
に何ら影響を及ぼさない溶媒に均一に溶解させ、部材
(セパレーター)の表面に均一に塗布し、他の被着体
(ポリイミド・銅箔等)を仮圧着した後、熱硬化させる
ことにより接着することもできる。
【0042】本発明の異方性導電フィルムにより接着さ
れる被着体には特に制限はないが、本発明の異方性導電
フィルムは、低温での接着反応性に優れることから、特
に耐熱性の低い被着体の接着に有効であり、プラスチッ
クフィルムを基材とする液晶フィルムの電極端子と、こ
れと接続されるべき電子部品、例えばフレキシブルプリ
ント基板(FPC)、TABなどの端子との間に介装さ
れ、これら両端子を接続するのに好適に用いられる。こ
の場合、液晶フィルムのプラスチックフィルム基材とし
ては、PET、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
エーテルサルフォン等の透明ポリマーフィルムが用いら
れ、特にPETフィルムが安価な点で有用である。ま
た、高集積化(細密化)されて熱による膨張・収縮の影
響大きいプリント基板、ICチップなどにも有効に用い
られる。
【0043】本発明の異方性導電フィルムは、このよう
に耐熱性の低い被着体に対して、熱硬化温度130℃以
下、好ましくは100〜130℃で、効果的に接着する
ことが可能である。なお、硬化時間は10〜30秒で良
く、この接着時の加圧で、加圧方向(フィルム厚さ方
向)に導電性が生じるが、この加圧力は適宜選定され、
通常0.5〜5MPa、特に1.0〜3.0MPaの加
圧力とすることが好ましい。
【0044】なお、本発明の異方性導電フィルムは、フ
ィルム厚さ方向に10Ω以下、特に5Ω以下の導電性を
有し、面方向の抵抗は10Ω以上、特に10Ω以上
であることが好ましい。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】実施例1〜3、比較例1 ポリビニルブチラール(電気化学工業社製「デンカPV
B3000−1」)のトルエン25重量%溶液を調製
し、ポリビニルブチラール100重量部に対して表1に
示す成分を表1に示す量で混合し、これをバーコーター
によりセパレーターであるポリテレフタル酸エチレン上
に塗布し、幅1.5mm、厚さ15μmのフィルムを得
た。
【0047】前記のサンプルをフレキシブルプリント基
板とPETをフィルム基材とする液晶フィルムとの接着
用として、セパレーターを剥離してモニターで位置決め
をし、130℃で20秒間、3MPaにおいて加熱圧着
した。得られたサンプルについて、引張試験機による9
0°剥離試験(50mm/min)により接着力を測定
すると共に、デジタルマルチメータにより厚み方向の導
通抵抗と面方向の絶縁抵抗を測定し、結果を表1に示し
た。
【0048】
【表1】
【0049】表1より本発明の異方性導電フィルムは低
温接着性に優れることがわかる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の異方性導電
フィルムによれば、130℃以下の低温、短時間の接着
条件でも、高導通信頼性、高接着力を発現することがで
きる異方性導電フィルムが提供される。従って、本発明
の異方性導電フィルムによれば、プラスチックフィルム
を基材とする液晶フィルムのような耐熱性の低い被着体
の電極端子と、FPC、TABなどの端子との接続や、
高集積化(細密化)されて熱による膨張・収縮の影響の
大きいプリント基板、ICチップ等の導通、接着を生産
性良く行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01B 1/00 H01B 1/00 A (72)発明者 森村 泰大 東京都小平市小川東町3−1−1 Fターム(参考) 4J004 AA02 AA08 AA10 AA13 AA17 AA18 AB01 AB03 BA02 EA05 FA05 FA08 4J040 DD071 DF032 DF062 EC002 FA132 HA066 HB41 JA09 JB02 JB10 KA16 KA17 KA26 KA32 LA09 MA02 MA10 MB09 NA20 5E319 BB16 GG15 5G301 DA10 DA42 DD08 5G307 HA02 HB03 HC01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粒子が接着剤層中に分散された異
    方性導電フィルムにおいて、 該接着剤が、ベース樹脂、反応性化合物、有機過酸化物
    及び反応促進性化合物を含む熱硬化性樹脂組成物に、導
    電性粒子を配合してなり、 該ベース樹脂がポリビニルアルコールをアセタール化し
    て得られるポリアセタール化樹脂であり、 該反応性化合物がアクリロキシ基含有化合物、メタクリ
    ロキシ基含有化合物及びエポキシ基含有化合物よりなる
    群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、 該反応促進性化合物がラジカル反応性基と酸性基とを末
    端に有する化合物であることを特徴とする異方性導電フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該熱硬化性樹脂組成
    物がベース樹脂100重量部に対して反応促進性化合物
    を0.5〜50重量部含有することを特徴とする異方性
    導電フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該反応促進性
    化合物は、ラジカル反応性基としてのアクリロキシ基又
    はメタクリロキシ基と、酸性基としてのカルボキシル基
    又は酸性水酸基とを有する化合物であることを特徴とす
    る異方性導電フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項3において、該反応促進性化合物
    がアクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、
    2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイ
    ロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、メタクリル酸、2
    −メタクリロイロキシエチルコハク酸及び2−メタクリ
    ロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸よりなる群から
    選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする異方
    性導電フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、該熱硬化性樹脂組成物がベース樹脂100重量部に
    対して反応性化合物を0.5〜80重量部含有すること
    を特徴とする異方性導電フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、該有機過酸化物が10時間半減期温度が80℃以下
    の低温分解型有機過酸化物であることを特徴とする異方
    性導電フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、該熱硬化性樹脂組成物がベース樹脂100重量部に
    対して有機過酸化物を0.1〜10重量部含有すること
    を特徴とする異方性導電フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
    て、該ポリアセタール化樹脂のアセタール基の割合が3
    0モル%以上であることを特徴とする異方性導電フィル
    ム。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項におい
    て、該熱硬化性樹脂組成物がベース樹脂100重量部に
    対してシランカップリング剤を0.01〜5重量部含有
    することを特徴とする異方性導電フィルム。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項にお
    いて、相対峙する回路間に介装し、回路間を加熱、加圧
    することによりこれら回路間を導通すると共に接着固定
    する異方性導電フィルムであって、該加熱温度が130
    ℃以下であることを特徴とする異方性導電フィルム。
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