JP2001158696A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法

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JP2001158696A
JP2001158696A JP33838999A JP33838999A JP2001158696A JP 2001158696 A JP2001158696 A JP 2001158696A JP 33838999 A JP33838999 A JP 33838999A JP 33838999 A JP33838999 A JP 33838999A JP 2001158696 A JP2001158696 A JP 2001158696A
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Atsuhito Okamoto
篤人 岡本
Naohiro Sugiyama
尚宏 杉山
Toshihiko Tani
俊彦 谷
Nobuo Kamiya
信雄 神谷
Hiroyuki Kondo
宏行 近藤
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Denso Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化珪素単結晶に存在しているマイクロパイ
プ欠陥を炭化珪素単結晶の内部で閉塞させる。 【解決手段】 マイクロパイプ欠陥6を有する炭化珪素
基板結晶1を用意し、、炭化珪素基板結晶1の両面に接
するように被覆材料5を配置する。そして、被覆材料5
が配置された炭化珪素基板結晶1に対して加圧熱処理を
行い、被覆材料5と炭化珪素基板結晶1とを一体化させ
る。この後、被覆材料5と一体化された炭化珪素基板結
晶1に熱処理を施すことにより、炭化珪素基板結晶1に
存在するマイクロパイプ欠陥6を炭化珪素基板結晶1の
内部で閉塞させる。このような加圧熱処理を施すことに
より、被覆材料5によって炭化珪素基板結晶1に形成さ
れたマイクロパイプ欠陥を隙間なく埋めることができる
ため、マイクロパイプ欠陥閉塞工程で効果的にマイクロ
パイプ欠陥6を閉塞することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロパイプ欠
陥が閉塞された炭化珪素(SiC)単結晶の製造方法お
よびマイクロパイプ欠陥が閉塞された炭化珪素単結晶に
関する。
【0002】
【従来の技術】SiC単結晶を種結晶として、改良レー
リー法(昇華法)にてSiC単結晶を製造する際、マイ
クロパイプ欠陥(中空貫通欠陥)と呼ばれる直径サブμ
m乃至数μmの中空貫通孔が略成長方向に沿って伸長
し、成長結晶中に内在される。マイクロパイプ欠陥はデ
バイスの電気的特性に悪影響を与えるため、マイクロパ
イプ欠陥があるSiC単結晶はデバイス形成用の基板に
適さない。このため、マイクロパイプ欠陥を低減するこ
とが重要な課題となっている。
【0003】マイクロパイプ欠陥の低減方法として、米
国特許第5,679,153号明細書や特許第2804
860号公報や特許第2876122号公報に示される
方法が提案されている。
【0004】米国特許第5,679,153号明細書に
示される方法は、シリコン中のSiC溶融を用いた液相
エピタキシー法によって結晶成長させると、エピタキシ
ャル成長途中でマイクロパイプ欠陥が閉塞されていくこ
とを利用して、マイクロパイプ欠陥を有する種結晶(欠
陥密度:50〜400cm-2)上にマイクロパイプ欠陥
が低減されたエピタキシャル層(欠陥密度:0〜50c
-2)を成長させている。
【0005】特許第2804860号公報に示される方
法は、種結晶の成長面として(0001)面に垂直な面
を使用することによって、アルカリエッチングに際し、
六角形エッチピットが全く観察されない単結晶、つまり
マイクロパイプ欠陥が存在しない単結晶を種結晶上に成
長させている。
【0006】特許第2876122号公報に示されてい
る方法は、α(六方晶)−SiC単結晶基板(種結晶)
の表面に、熱化学的蒸着(CVD)法によりβ(立方
晶)−SiCもしくはα−SiCの多結晶膜の成膜と、
それによって得られた複合体に対する熱処理とを複数回
繰り返すことにより、複数層のβ−SiCもしくはα−
SiC多結晶膜をα−SiC単結晶基板(種結晶)の結
晶軸と同一方位に配向(ある種の固相エピタキシャル成
長)させることによって、種結晶上にマイクロパイプ欠
陥などの結晶欠陥のない高品質、かつ、高膜厚の単結晶
SiCを成長させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した3つの方法は
共に、種結晶上に新たな単結晶を成長させ、その成長層
においてマイクロパイプ欠陥密度を低減するようにして
いる。
【0008】このため、第1の方法では、マイクロパイ
プ欠陥が無い部分を得るために、液相エピタキシー法に
て20〜75μm以上のエピタキシャル層を成長させな
ければならず、また、その範囲以下では、依然としてマ
イクロパイプ欠陥が存在するという問題がある。また、
このように形成されたエピタキシャル層を種結晶とし
て、再び昇華法によって単結晶成長を行うと、マイクロ
パイプ欠陥が閉塞された部分が薄いことから、その閉塞
された部分が昇華して再びマイクロパイプ欠陥の開口部
を生じる可能性があり、種結晶の試料調整や昇華法成長
条件の適正化が困難であるという問題もある。
【0009】一方、第2の方法では、マイクロパイプ欠
陥の発生を抑制する点では効果があるが、成長させた単
結晶に新たな積層欠陥が導入されるため、基板の電気的
特性に異方性を生じ、電子デバイス用基板としては適さ
ないという問題がある。
【0010】他方、第3の方法では、α−SiC単結晶
基板(種結晶)の表面にCVD法でβ−SiCもしくは
α−SiC多結晶膜を形成するため、結晶粒界を内在し
たSiC複合体が得られる。この複合体を熱処理し、種
結晶上に固相エピタキシャル成長させると、β−SiC
もしくはα−SiC多結晶膜中の結晶子が派生成長(ov
er growth)して明確な結晶粒界は熱処理とともに減少
していくが、上記結晶粒界や不均一相変態に伴う結晶境
界などにおける内部歪みを原因とした結晶欠陥が導入さ
れる危惧がある。こうした欠陥はキャリアのトラップ源
となるため電子デバイス用基板としては適さないという
問題がある。
【0011】本発明は上記問題に鑑みてなされ、新たな
成長層においてマイクロパイプ欠陥の発生、継承を抑制
するのではなく、炭化珪素単結晶に存在しているマイク
ロパイプ欠陥を炭化珪素単結晶の内部で閉塞させること
ができるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明者らは、マイクロパイプ欠陥を有する炭化珪素単
結晶からなる炭化珪素基板結晶を被覆した状態で熱処理
を施すことにより、マイクロパイプ欠陥を炭化珪素基板
結晶の内部で閉塞させることができることを見出した。
【0013】しかしながら、被覆材料と炭化珪素基板結
晶との間に空隙が生じ、被覆材料によってマイクロパイ
プ欠陥が完全に埋められていないと、マイクロパイプ欠
陥閉塞効率が悪いということが判った。
【0014】そこで、請求項1に記載の発明では、マイ
クロパイプ欠陥(6)を有する炭化珪素単結晶からなる
炭化珪素基板結晶(1)を用意する工程と、炭化珪素基
板結晶の両面に接するように被覆材料(5)を配置する
工程と、被覆材料が配置された炭化珪素基板結晶に対し
て加圧熱処理を行い、被覆材料と炭化珪素基板結晶とを
一体化させる工程と、被覆材料と一体化された炭化珪素
基板結晶に熱処理を施すことにより、炭化珪素基板結晶
に存在するマイクロパイプ欠陥を炭化珪素基板結晶の内
部で閉塞させ、マイクロパイプ欠陥の少なくとも一部が
塞がれた閉塞孔(7)を形成する工程と、を備えている
ことを特徴としている。
【0015】このように、被覆材料が配置された炭化珪
素基板結晶に対して加圧熱処理を行うことにより、被覆
材料によって炭化珪素基板結晶に形成されたマイクロパ
イプ欠陥を隙間なく埋めることができる。このため、マ
イクロパイプ欠陥閉塞工程で効果的にマイクロパイプ欠
陥を閉塞することができる。
【0016】また、請求項2に示すように、マイクロパ
イプ欠陥を有する炭化珪素基板結晶を複数枚用意し、複
数枚のそれぞれの炭化珪素基板結晶の間、及び、該積層
された複数枚の炭化珪素基板結晶を挟み込むように被覆
材料を配置し、被覆材料が配置された複数枚の炭化珪素
基板結晶に対して加圧熱処理を行えば、複数枚の炭化珪
素基板結晶と被覆材料とを隙間なく一体化させることが
できる。
【0017】これにより、複数枚の炭化珪素基板結晶に
対して同時に被覆材料と一体化することができるため、
製造プロセスの効率化を図ることができ、コスト削減を
図ることができる。
【0018】被覆材料としては、請求項3に示すよう
に、珪素と炭素の混合物で構成することができる。例え
ば、炭化珪素基板結晶の両側に珪素基板を配置し、さら
にその両側に炭素材料を配置したものを用いることがで
きる。このようにすれば、加圧熱処理温度より低い温度
(1400℃程度)で珪素が融液になるため、温度の上
昇と共に周りの炭素と反応して炭化珪素となり、マイク
ロパイプ欠陥の開口部を隙間なく効果的に塞ぐことが可
能となる。
【0019】また、請求項4に示すように、被覆材料を
炭化珪素で構成することもできる。このように炭化珪素
材料を配置して加圧熱処理を施せば、固相成長によって
マイクロパイプ欠陥の開口部を隙間なく塞ぐことができ
る。
【0020】さらに、請求項5に示すように、被覆材料
を炭素材料で構成することもできる。例えば、炭化珪素
基板結晶の両面に炭素材料を配置して加圧熱処理を施す
ことで、炭化珪素基板結晶を炭素材料の中に埋没させる
ことができるため、マイクロパイプ欠陥の開口部を隙間
なく塞ぐことができる。
【0021】なお、請求項6に示すように、加圧熱処理
の温度としては1800℃〜2500℃とするのが好ま
しい。また、請求項7に示すように、加圧熱処理の圧力
としては1MPa〜1GPaとするのが好ましい。
【0022】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に、炭化珪
素基板結晶(炭化珪素単結晶)1のマイクロパイプ欠陥
6を閉塞するのに用いる熱処理装置の概略断面図を示
す。
【0024】熱処理装置は、上部が開口したるつぼ2
と、るつぼ2の開口部を覆う蓋体3により構成されてい
る。これらるつぼ2と蓋体3はグラファイトで構成され
ている。
【0025】るつぼ2内には、マイクロパイプ欠陥6を
閉塞するための熱処理を再現性良く安定に行うための原
料となる炭化珪素4が収容されている。
【0026】マイクロパイプ欠陥6を有する炭化珪素基
板結晶1は、その両面が被覆材料5で覆われるようにし
て被覆材料5と一体化されている。この一体化処理につ
いて説明する。この一体化処理は加圧熱処理によって行
われ、マイクロパイプ欠陥6を閉塞するための熱処理に
先立って行われる。
【0027】この加圧熱処理の一例を図2に示す。この
図は、加圧熱処理用の装置に炭化珪素基板結晶1と被覆
材料5とを配置したときの断面を示している。加圧熱処
理は、マイクロパイプ欠陥6を有する炭化珪素基板結晶
1の両表面に被覆材料5を配置した状態で図中の矢印方
向に加圧しつつ熱処理を行うことによって行われる。こ
のとき、熱処理はグラファイト製の抵抗発熱体(図示せ
ず)による温度調整と、不活性ガス等の圧力調整により
行われる。このような加圧熱処理を行うことによって被
覆材料5と炭化珪素基板結晶1とを隙間なく密着させ、
炭化珪素基板結晶1に形成されたマイクロパイプ欠陥6
の開口部を被覆材料5によって確実に被覆することがで
きる。
【0028】このときの加圧熱処理の温度範囲としては
1800〜2500℃が適している。これは、1800
℃より低い温度では炭化珪素基板結晶1と被覆材料5の
界面で原子の拡散が活発でなく、マイクロパイプ欠陥6
の開口部を隙間なく埋めることが困難であり、また、2
500℃より高い温度では炭化珪素基板結晶1から珪素
などのガス種の昇華が激しくなり、熱処理中にマイクロ
パイプ欠陥6の開口部を生じる、及び基板結晶1が炭化
される危惧があるからである。
【0029】また、加圧熱処理の圧力範囲としては1M
Pa〜1GPaが適している。これは、1MPaより低
い圧力では炭化珪素基板結晶1や被覆材料5に存在する
反りなどを起因として被覆材料5との界面に空隙を生じ
る場合が発生し、マイクロパイプ欠陥6の開口部を隙間
なく被覆するることが困難になり、また、1GPaより
高い圧力では炭化珪素基板結晶1に亀裂を生じるため望
ましくないからである。なお、加圧熱処理装置として
は、既存の一軸加圧焼結炉、等方加圧焼結炉を用いるこ
とができる。
【0030】一方、ここで用いる被覆材料5としては、
単結晶、多結晶(焼結体を含む)、アモルファスの炭化
珪素材料、グラファイトなどの炭素材料、および珪素と
炭素の混合物を使用することができる。
【0031】被覆材料5として珪素と炭素の混合物を用
いる場合、例えば、炭化珪素基板結晶1の両側に珪素基
板を配置し、さらにその両側に炭素材料を配置するよう
にしたものを用いることができる。このようにすると、
加圧熱処理温度(1800〜2500℃)より低い温度
(1400℃程度)で珪素が融液となり、温度の上昇と
共に周りの炭素材料と反応して炭化珪素となるため、マ
イクロパイプ欠陥の開口部を隙間なく効果的に被覆する
ことが可能となる。
【0032】また、被覆材料5として、炭化珪素基板結
晶1の両面に炭化珪素材料を配置したのち加圧熱処理を
施せば、固相成長によってマイクロパイプ欠陥6の開口
部を隙間なく被覆することもできる。
【0033】また、被覆材料5として、炭化珪素基板結
晶1の両面に炭素材料を配置したのち加圧熱処理を施せ
ば、炭化珪素基板結晶1を炭素材料の中に埋没させるこ
とでマイクロパイプ欠陥6の開口部を隙間なく塞ぐこと
ができる。この場合、炭化珪素基板結晶1がその炭素材
料を通して熱処理中に昇華してしまうとマイクロパイプ
欠陥の閉塞のために望ましくないので、気体が通過可能
なポーラス状の炭素材料は上記被覆材料として適さな
い。
【0034】なお、被覆材料5の厚みは特に限定される
ものでないが、熱処理条件の自由度と製造コストを考慮
して、数100μm〜数mmの範囲で適宜選択が可能で
ある。また、基板結晶1の厚さは、製造コストと製造プ
ロセスにおける操作性を考慮して、少なくとも100μ
m以上が望ましい。
【0035】そして、このように被覆材料5と一体化さ
れた炭化珪素基板結晶1は、図1に示すように炭化珪素
4の近傍、本図においては炭化珪素4に囲まれるように
設置される。また、2300℃を超えるような温度条件
で熱処理を行う場合は、炭化防止材料として例えば炭化
珪素4の代わりに炭化珪素と珪素の混合粉末が好適に用
いられる。この後、マイクロパイプ欠陥6を閉塞させる
ために、るつぼ2内が高温となるように熱処理を行う。
【0036】なお、図1において図示していないが、る
つぼ2の外周には、グラファイト製の抵抗発熱体が配置
されており、この抵抗発熱体によってるつぼ2内の温
度、具体的には基板結晶1の温度や炭化珪素4の温度が
調整可能となっている。また、図示されていないが、る
つぼ2は雰囲気の圧力を調整できる容器内に入れられて
おり、るつぼ2内への不活性ガス等の導入や、雰囲気圧
力の調整が可能となっている。
【0037】マイクロパイプ欠陥閉塞のための熱処理前
後の様子をそれぞれ図3、図4に示す。図3に示される
ように、熱処理前においては、炭化珪素基板結晶1の両
表面を貫通し、表面に開口を有するようにマイクロパイ
プ欠陥6が形成されていた。このマイクロパイプ欠陥6
が熱処理時間の経過と共に、図4に示されるように炭化
珪素基板結晶1の厚み内で少なくとも一方から徐々に閉
塞されていく。
【0038】このようにマイクロパイプ欠陥6が閉塞さ
れるメカニズムについては、以下のように推測される。
【0039】マイクロパイプ欠陥は大きなバーガースベ
クトルを有するらせん転位芯が、大きな弾性歪みエネル
ギーを緩和するために中空貫通孔になったものと考えら
れている(F.C.Frank.Acta.Crys
t.4(1951)497参照)。
【0040】マイクロパイプ欠陥6の閉塞現象は上記マ
イクロパイプ欠陥6のメカニズムとは逆の現象が起きて
いると推定される。マイクロパイプ欠陥6の閉塞推定モ
デルを図5を用いて説明する。
【0041】マイクロパイプ欠陥6を含む炭化珪素基板
結晶1が3C−SiCエピタキシャル膜からなる被覆材
料5に覆われている場合を考える(図5(a))。この
状態で図1に示した熱処理装置内に配置し、適当な温度
・圧力条件にて熱処理を行うと、その温度における平衡
蒸気圧を保つために、マイクロパイプ欠陥6の周辺、3
C−SiCエピタキシャル膜からなる被覆材料5から、
Si、SiC2 、Si 2 C等の蒸気種が図中の矢印のよ
うに昇華する。(図5(b))。
【0042】その後、現在まだ理由は明らかでないが、
閉塞箇所の透過電子顕微鏡観察結果から、被覆材料5と
の界面において、大きなバーガースベクトルを有するら
せん転位(Super Screw Dislocation)から形成され
るマイクロパイプ欠陥6が分解されて、1c(6H−S
iCの場合、c=1.5nmで、cは単位格子のc軸長
に対応する。)以下のバーガースベクトルを有する数本
のらせん転位の集合体(積層欠陥、刃状転位を含む)と
なるとともに、中空孔にSiCが析出したと推定され
る。
【0043】なぜなら、その箇所においては、表面を有
する中空孔であるよりSiCが析出した方が、表面を形
成していることによる表面エネルギー不利が解消され、
さらに、環境相(気相)の分子が結晶中に組み込まれる
ことによる自由エネルギーの低下が、SiCの析出によ
って生じる結晶中の歪みエネルギーによる損失を上回る
ため、全系として自由エネルギーの利得がある。このた
め、昇華−再析出(/再配列)が進行したと推定される
(図5(c)(d))。
【0044】なお、閉塞のための原子の移動(拡散)は
気相を介して行われるように説明したが、空孔、格子間
原子を介した固体内拡散、マイクロパイプ欠陥内壁表面
の表面拡散によって行われるメカニズムも考えられる。
【0045】本実施形態のマイクロパイプ欠陥6を有す
る炭化珪素基板結晶1の少なくとも一方の面を被覆材料
5で被覆して熱処理を行うことがマイクロパイプ欠陥6
(らせん転位)のバーガースベクトルを分解する役目を
果たし、結果的にマイクロパイプ欠陥6が閉塞される効
果を奏したと推定される。
【0046】そして、本実施形態においては、マイクロ
パイプ欠陥6の両開口端を隙間なく塞ぐことが可能とな
るため、被覆材料5と炭化珪素基板結晶1の界面がマイ
クロパイプ欠陥閉塞における触媒的な作用を有効に果た
し、巨大なバーガースベクトルをもつらせん転位(マイ
クロパイプ欠陥)を小さならせん転位に分解することが
可能となる。
【0047】その結果、マイクロパイプ欠陥6が閉塞孔
7となり、実質的にマイクロパイプ欠陥6が存在しない
炭化珪素単結晶を製造することができる。
【0048】なお、加圧熱処理(一体化処理)の前に、
予め炭化珪素単結晶のマイクロパイプ欠陥6の孔の中
に、超臨界流体を利用して炭化珪素の原料を充填するこ
とも可能である。こうすることによって、上記マイクロ
パイプ欠陥閉塞のための熱処理工程で、効果的にマイク
ロパイプ欠陥6を閉塞孔7とすることができる。
【0049】このようにして得られた基板結晶1からマ
イクロパイプ欠陥6が存在しない領域((0001)面
に平行な基板若しくはoff−axis基板)を切り出
すことによって、全くマイクロパイプ欠陥6のない基板
結晶1を得ることができる。こうして得られた基板結晶
は、そのまま高性能の高耐圧、高周波数、高速、耐環境
デバイス用の基板として供することができる。また、マ
イクロパイプ欠陥6が閉塞された基板結晶1を再び昇華
法の種結晶として供することも可能であり、これにより
得られた炭化珪素単結晶インゴットから数多くの基板を
切り出して加工処理することで、炭化珪素単結晶基板の
製造コストの大幅な低減を図ることができる。
【0050】また、炭化珪素基板結晶1と被覆材料5と
の一体化を加圧熱処理によって行っているため、被覆材
料5の形成に高価な化学蒸着プロセスを用いる必要がな
いため、コスト削減という効果も得られる。
【0051】(第2実施形態)上記第1実施形態では、
炭化珪素基板結晶1と被覆材料5とを隙間なく密着させ
るための加圧熱処理と、マイクロパイプ欠陥閉塞のため
の熱処理工程をそれぞれ別々に行ったが、熱処理工程の
初期段階において加圧熱処理を行い炭化珪素単結晶と被
覆材料5とを一体化させ、その後、連続的にマイクロパ
イプ欠陥閉塞のための熱処理を行うこともできる。この
場合、炭化珪素基板結晶1及び被覆材料5に対して加圧
した状態でマイクロパイプ欠陥閉塞のための熱処理工程
を行えば、より効果的にマイクロパイプ欠陥6を閉塞さ
せることができる。
【0052】また、この場合、炭化珪素基板結晶1の表
面のグラファイト化を防止するため、予め炭化珪素の原
料となる材料、例えば炭化珪素粉末の成形体が配置され
るようにするのが望ましい。特に、2300℃を超える
熱処理条件の時は、Si粉末が含有された上記成形体を
用いるのが好ましい。
【0053】(第3実施形態)上記第1、第2実施形態
では、1枚の炭化珪素基板結晶1に対して、加圧熱処理
及びマイクロパイプ欠陥閉塞のための熱処理工程を行う
ようにしているが、多数枚の炭化珪素基板結晶1を同時
に加圧熱処理及びマイクロパイプ欠陥閉塞のための熱処
理工程を行うことも可能である。
【0054】例えば、以下の工程を行えば良い。まず、
マイクロパイプ欠陥6を有する炭化珪素基板結晶1を複
数枚用意し、複数枚のそれぞれの炭化珪素基板結晶1の
間、及び、積層された複数枚の炭化珪素基板結晶1を挟
み込むように被覆材料5を配置する。その後、被覆材料
5が配置された複数枚の炭化珪素基板結晶1に対して積
層方向両側から加圧しつつ熱処理を行う。これにより、
複数枚の炭化珪素基板結晶1と被覆材料5とが一体化さ
れる。この被覆材料5と一体化された複数枚の炭化珪素
基板結晶1に対して、マイクロパイプ欠陥閉塞のための
熱処理を行えば、複数枚の炭化珪素基板結晶1それぞれ
のマイクロパイプ欠陥6を閉塞することが可能である。
【0055】このように複数枚の炭化珪素基板結晶1の
マイクロパイプ欠陥6を同時に閉塞することにより、製
造コストを低減することができる。
【0056】なお、マイクロパイプ欠陥閉塞のための熱
処理装置として、図1に示す装置の他に蓋体3が位置す
るるつぼ2の上部に基板結晶1を配置し、下部に炭化珪
素4を配置する装置(図6)、また、るつぼ2の上部に
炭化珪素4、下部に基板結晶1を配置する場合について
も適用可能である。また、縦型の熱処理装置について述
べたが、横型の熱処理装置にも適用可能である。さら
に、加熱方式も従来周知の高周波誘導加熱方式を用いて
も同様な効果が得られる。
【0057】なお、基板結晶1が炭化珪素の場合につい
て述べたが、それ以外の結晶、例えばZnS等の中空貫
通欠陥を有する材料にも上記方法を適用することができ
る。
【0058】
【実施例】以下、本実施形態における実施例について具
体的に説明する。 (実施例1)本実施例は、上記第1実施形態を具体的に
実験したものである。
【0059】まず、欠陥密度が約50cm-2のマイクロ
パイプ欠陥6を有する厚さ300μmの6H多形の炭化
珪素単結晶で構成された炭化珪素基板結晶1を用意し、
この炭化珪素基板結晶1の両面に被覆材料5として厚さ
500μmの3C−SiC多結晶基板を配置した。そし
て、炭化珪素基板結晶1及び被覆材料5を図2に示す加
圧熱処理装置に配置し、温度が2100℃、圧力が約5
0MPaとなる条件で6時間の熱処理を行った。
【0060】なお、このような加圧熱処理と同様の処理
を行って被覆材料5と一体化させた炭化珪素基板結晶1
を縦断面試料にして、透過型の光学顕微鏡を用いて観察
したところ、マイクロパイプ欠陥6の開口部は被覆材料
5によって隙間なく塞がれていた。なお、被覆材料5は
3C多形のままであり、多形変態は観察されなかった。
【0061】次に、上記加圧熱処理を施して得られた被
覆材料5と一体化された炭化珪素基板結晶1を図1に示
した熱処理装置に配置した。そして、マイクロパイプ欠
陥閉塞のための熱処理工程として、雰囲気圧力を6.6
7×104Pa(500Torr)、炭化珪素基板結晶
1の温度を2300℃として6時間の熱処理を行った。
【0062】このような工程を経て得られた炭化珪素基
板結晶1を(0001)面に垂直切断した後に鏡面研磨
した後、透過型の光学顕微鏡を用いてマイクロパイプ欠
陥6の閉塞状況を詳細に観察した。その結果、炭化珪素
基板結晶1中に存在していたすべてのマイクロパイプ欠
陥6が閉塞孔7となっており、平均閉塞長(各々のマイ
クロパイプ欠陥6を閉塞している部分の全長の和をすべ
てのマイクロパイプ欠陥の本数で割ったもの)は約20
0μmであった。
【0063】(実施例2)本実施例は、上記第1実施形
態で示した炭化珪素基板結晶1の両側に被覆材料5とし
て珪素材料と炭素材料を配置した場合について実験した
ものである。
【0064】まず、欠陥密度が約50cm-2のマイクロ
パイプ欠陥6を有する厚さ300μmの6H多形の炭化
珪素単結晶で構成された炭化珪素基板結晶1を用意し、
この炭化珪素基板結晶1の両面に被覆材料5として厚さ
100μmの珪素基板と、さらにその両側に厚さ1mm
の黒鉛板を図2に示す加圧熱処理装置に配置し、温度が
2100℃、圧力が約50MPaとなる条件で6時間の
熱処理を行った。
【0065】なお、このような加圧熱処理と同様の処理
を行って被覆材料5と一体化させた炭化珪素基板結晶1
を縦断面試料にして、透過型の光学顕微鏡を用いて観察
したところ、マイクロパイプ欠陥6の開口部は被覆材料
5によって隙間なく塞がれていた。
【0066】次に、上記加圧熱処理を施して得られた被
覆材料5と一体化された炭化珪素基板結晶1を図1に示
した熱処理装置に配置した。そして、マイクロパイプ欠
陥閉塞のための熱処理工程として、雰囲気圧力を6.6
7×104Pa(500Torr)、炭化珪素基板結晶
1の温度を2300℃として6時間の熱処理を行った。
【0067】このような工程を経て得られた炭化珪素基
板結晶1を(0001)面に垂直切断した後に鏡面研磨
した後、透過型の光学顕微鏡を用いてマイクロパイプ欠
陥6の閉塞状況を詳細に観察した。その結果、炭化珪素
基板結晶1中に存在していたすべてのマイクロパイプ欠
陥6が閉塞孔7となっており、平均閉塞長は約150μ
mであった。 (実施例3)本実施例は、上記第1実施形態で示した炭
化珪素基板結晶1の両側に被覆材料5として炭素材料を
配置した場合について実験したものである。
【0068】まず、欠陥密度が約50cm-2のマイクロ
パイプ欠陥6を有する厚さ300μmの6H多形の炭化
珪素単結晶で構成された炭化珪素基板結晶1を用意し、
この炭化珪素基板結晶1の両面に被覆材料5として厚さ
1mmの黒鉛板を配置した。そして炭化珪素基板結晶1
及び被覆材料5を図2に示す加圧熱処理装置に配置し、
温度が2100℃、圧力が約50MPaとなる条件で6
時間の熱処理を行った。
【0069】次に、上記加圧熱処理を施して得られた被
覆材料5と一体化された炭化珪素基板結晶1を図1に示
した熱処理装置に配置した。そして、マイクロパイプ欠
陥閉塞のための熱処理工程として、雰囲気圧力を6.6
7×104Pa(500Torr)、炭化珪素基板結晶
1の温度を2300℃として6時間の熱処理を行った。
【0070】このような工程を経て得られた炭化珪素基
板結晶1を(0001)面に垂直切断した後に鏡面研磨
した後、透過型の光学顕微鏡を用いてマイクロパイプ欠
陥6の閉塞状況を詳細に観察した。その結果、炭化珪素
基板結晶1中に存在していた80%のマイクロパイプ欠
陥6が閉塞孔7となっており、平均閉塞長は約130μ
mであった。
【0071】(実施例4)本実施例は、上記第2実施形
態を具体的に実験したものである。
【0072】まず、欠陥密度が約50cm-2のマイクロ
パイプ欠陥6を有する厚さ300μmの6H多形の炭化
珪素単結晶で構成された炭化珪素基板結晶1を用意し、
この炭化珪素基板結晶1の両面に被覆材料5として厚さ
500μmの3C−SiC多結晶基板を配置した。そし
て、炭化珪素基板結晶1及び被覆材料5を図2に示す加
圧熱処理装置に配置し、温度が2100℃、圧力が約5
0MPaとなる条件で6時間の熱処理を行った。
【0073】次に、上記加圧熱処理を施してで得られた
被覆材料5と一体化された炭化珪素基板結晶1を連続的
に、図2に示した加圧熱処理装置で熱処理を行った。こ
のとき、マイクロパイプ欠陥閉塞のための熱処理工程と
して、雰囲気圧力を1.01×105Pa(760To
rr)、炭化珪素基板結晶1の温度を2100℃とし、
さらに、炭化珪素基板結晶1及び被覆材料5を圧力1G
Paで加圧した状態で6時間の熱処理を行った。
【0074】このような工程を経て得られた基板結晶を
(0001)面に垂直切断した後に鏡面研磨した後、透
過型の光学顕微鏡を用いてマイクロパイプ欠陥の修復状
況を詳細に観察した。その結果、炭化珪素単結晶中に存
在していたすべてのマイクロパイプ欠陥6が閉塞してお
り、平均閉塞長は実施例1と同様に約200μmであっ
た。 (実施例5)本実施例は、第3実施形態を具体的に実験
したものである。
【0075】まず、欠陥密度が約50cm-2のマイクロ
パイプ欠陥6を有する厚さ300μmの6H多形の炭化
珪素単結晶で構成された炭化珪素基板結晶1を5枚用意
し、これら炭化珪素基板結晶1の間及び5枚の炭化珪素
基板結晶1を挟み込むように、被覆材料5として厚さ5
00μmの3C−SiC多結晶基板を合計6枚配置し
た。そして、炭化珪素基板結晶1及び被覆材料5を図2
に示す加圧熱処理装置に配置し、温度が2100℃、圧
力が約50MPaとなる条件で6時間の熱処理を行っ
た。
【0076】次に、上記加圧熱処理を施して得られた被
覆材料5と一体化された5枚の炭化珪素基板結晶1を図
1に示した熱処理装置に配置した。そして、マイクロパ
イプ欠陥閉塞熱処理工程として、雰囲気圧力を6.67
×104Pa(500Torr)、炭化珪素基板結晶1
の温度を2300℃として6時間の熱処理を行った。
【0077】このような工程を経て得られた炭化珪素基
板結晶1を(0001)面に垂直切断した後に鏡面研磨
した後、透過型の光学顕微鏡を用いてマイクロパイプ欠
陥6の閉塞状況を詳細に観察した。その結果、炭化珪素
基板結晶1中に存在していたすべてのマイクロパイプ欠
陥6が閉塞孔7となっており、平均閉塞長は約200μ
mであった。(比較例1)まず、欠陥密度が約50cm
-2のマイクロパイプ欠陥6を有する厚さ300μmの6
H多形の炭化珪素単結晶で構成された炭化珪素基板結晶
1を用意し、この基板結晶1の両面に被覆材料5として
厚さ500μmの3C−SiC多結晶基板を配置した。
そして、炭化珪素基板結晶1及び被覆材料5を図2に示
す加圧熱処理装置に配置し、温度が2100℃、圧力が
約0.3MPaとなる条件で6時間の熱処理を行った。
【0078】なお、このような加圧熱処理と同様の処理
を行って被覆材料5と一体化させた炭化珪素基板結晶1
を縦断面試料にして、透過型の光学顕微鏡を用いて観察
したところ、炭化珪素基板結晶1と被覆材料5に存在す
る反り等が原因と考えられる空隙が観測され、マイクロ
パイプ欠陥6の開口部が被覆材料5によって隙間なく塞
がれていない箇所が観察された。
【0079】次に、上記加圧熱処理を施して得られた被
覆材料5と一体化された炭化珪素基板結晶1を連続的
に、図2に示した加圧熱処理装置で熱処理を行った。こ
のとき、マイクロパイプ欠陥閉塞のための熱処理工程と
して、雰囲気圧力を1.01×105Pa(760To
rr)、炭化珪素基板結晶1の温度を2100℃とし、
さらに、炭化珪素基板結晶1及び被覆材料5を圧力1G
Paで加圧した状態で6時間の熱処理を行った。
【0080】このような工程を経て得られた基板結晶を
(0001)面に垂直切断した後に鏡面研磨した後、透
過型の光学顕微鏡を用いてマイクロパイプ欠陥の修復状
況を詳細に観察した。その結果、炭化珪素単結晶中に存
在していたマイクロパイプ欠陥6の30%しか閉塞され
ておらず、平均修復長は約40μmに留まった。
【0081】このように、加圧熱処理時における圧力が
所望値よりも低かった場合には、マイクロパイプ欠陥6
が閉塞されはするが、十分な結果が得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるマイクロパイプ
欠陥閉塞工程における熱処理装置の断面構成を示す図で
ある。
【図2】マイクロパイプ欠陥閉塞工程に先立って行う加
圧熱処理工程を説明するための図である。
【図3】マイクロパイプ欠陥閉塞工程前の炭化珪素基板
結晶1の様子を示す図である。
【図4】マイクロパイプ欠陥閉塞工程後の炭化珪素基板
結晶1の様子を示す図である。
【図5】マイクロパイプ欠陥閉塞のメカニズムを説明す
るための図である。
【図6】図1とは異なる熱処理装置の断面構成を示す図
である。
【符号の説明】
1…炭化珪素基板結晶、2…るつぼ、3…蓋体、4…炭
化珪素、5…被覆材料、6…マイクロパイプ欠陥、7…
閉塞孔。
フロントページの続き (72)発明者 杉山 尚宏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 谷 俊彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 神谷 信雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 近藤 宏行 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE08 ED01 ED06 EE10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロパイプ欠陥(6)を有する炭化
    珪素単結晶からなる炭化珪素基板結晶(1)を用意する
    工程と、 前記炭化珪素基板結晶の両面に接するように被覆材料
    (5)を配置する工程と、 前記被覆材料が配置された
    炭化珪素基板結晶に対して加圧熱処理を行い、前記被覆
    材料と前記炭化珪素基板結晶とを一体化させる工程と、 前記被覆材料と一体化された前記炭化珪素基板結晶に熱
    処理を施すことにより、前記炭化珪素基板結晶に存在す
    る前記マイクロパイプ欠陥を前記炭化珪素基板結晶の内
    部で閉塞させ、前記マイクロパイプ欠陥の少なくとも一
    部が塞がれた閉塞孔(7)を形成する工程と、 を備えていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 マイクロパイプ欠陥を有する炭化珪素基
    板結晶を複数枚用意し、前記複数枚のそれぞれの炭化珪
    素基板結晶の間、及び、該積層された複数枚の炭化珪素
    基板結晶を挟み込むように被覆材料を配置する工程と、 前記被覆材料が配置された前記複数枚の炭化珪素基板結
    晶に対して加圧熱処理し、前記被覆材料と前記炭化珪素
    基板結晶とを一体化させる工程と、 前記被覆材料と一体化された前記炭化珪素基板結晶に熱
    処理を施すことにより、前記炭化珪素基板結晶に存在す
    る前記マイクロパイプ欠陥を前記炭化珪素基板結晶の内
    部で閉塞させ、前記マイクロパイプ欠陥の少なくとも一
    部が塞がれた閉塞孔(7)を形成する工程と、 を備えていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記被覆材料を珪素と炭素の混合物で構
    成することを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪
    素単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記被覆材料を炭化珪素材料で構成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪素単結
    晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記被覆材料を炭素材料で構成すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪素単結晶の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記加圧熱処理の温度を1800℃〜2
    500℃とすることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記加圧熱処理のときの圧力を1MPa
    〜1GPaとすることを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか一つに記載
    の単結晶製造方法を用いて製造された、マイクロパイプ
    欠陥の少なくとも一部が閉塞された閉塞孔を有する炭化
    珪素基板結晶を種結晶として、該種結晶上に炭化珪素単
    結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製
    造方法。
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