JP2009190953A - 半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板 - Google Patents

半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板 Download PDF

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Abstract

【課題】原炭化珪素基板に内在する微細な転移欠陥等を十分に終端すると共に、新たな微細欠陥の発生を抑制することのできる半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板を提供する。
【解決手段】単結晶の原炭化珪素基板10上に、90atm%以上のSi原子からなるシリコン供給部30を形成するシリコン供給部形成工程と、Si原子を10atm%以下とし、熱分解してC原子を供給可能な炭素供給部40を形成する炭素供給部形成工程と、シリコン供給部30および炭素供給部40が形成された原炭化珪素基板10を1800℃以上で熱処理する熱処理工程と、熱処理後において、原炭化珪素基板10に当接して形成される低転移欠陥炭化珪素層50を残して、低転移欠陥炭化珪素層50上の熱処理生成物60を除去する熱処理生成物除去工程とを有してなる半導体基板100の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素からなる半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板に関する。
炭化珪素(SiC)基板および該SiC基板上に形成された炭化珪素エピタキシャル層(以下、SiCエピ層と略記)には、転位欠陥を含めた微細欠陥が多数あり、これらの結晶欠陥が、該SiC基板および該SiCエピ層の結晶品質を低下させている。このため、SiC基板やSiCエピ層上にデバイスを形成しても、SiC半導体が本来持っている物性を活かしきれず、良好なデバイス特性が得られていない状況にある。
そこで、SiC基板の結晶品質を向上させる研究が種々なされており、該結晶品質向上手段が、例えば、特開2005−294611号公報(特許文献1)と特開2005−1899号公報(特許文献2)に開示されている。
図10は、特許文献1により製造されるSiC基板の一例で、SiC基板90の模式的な断面を示す図である。
図10に示すSiC基板90は、以下のようにして製造する。最初に、SiC基板10を準備する。次に、CVD法により、Geドープバッファ層3をSiC基板10上に設ける。バッファ層3のゲルマニウム量は、10atm%以下が好ましく、バッファ層3の膜厚は1nm〜10μmが好ましい。バッファ層3は、SiC基板10からの太線で示した欠陥5を消滅するための層で、SiC単結晶基板10に存在する欠陥5がバッファ層へ伝播した際に、不純物であるGeが終端化することで、デバイスとなる後に形成するSiCエピタキシャル層4への欠陥伝播を抑制する。GeをドープしたSiCは、基板SiCに比べ格子定数が大きく、界面に欠陥を形成する。この欠陥と基板から伸びる欠陥5がぶつかり、欠陥5の進展方向が面内方向に曲げられたりループ化したりすることによって、エピタキシャル層4へ伝播する欠陥5の数を抑制できる。この界面領域にて多くの欠陥5が消滅する為、その領域を欠陥終端領域2と記述している。次に、バッファ層3の上にエピタキシャル成長層4をCVD法で設ける。かようにして、図10に示すSiC基板90が得られる。
図11は、特許文献2に開示されたSiC基板の製造方法の一例を示す、工程別の模式的な断面図である。尚、図11における原炭化珪素基板の炭化珪素(SiC)種結晶基板10は、図10における原炭化珪素基板のSiC基板10と同じ符号となっている。
最初に、図11(イ)に示すように、炭化珪素(SiC)種結晶基板10にシリコン(Si)12を積層した積層体14を形成する。種結晶基板10は、不純物やマイクロパイプ欠陥が多く、そのままでは半導体デバイスとして要求される高品質を満たさない。この種結晶基板10に積層されるシリコン12として、板状で表面が平滑なシリコン基板を用い、このシリコン12と種結晶基板10との間に隙間が生じないように密着させる。次に、図11(ロ)に示すように、積層体14を炭化珪素(SiC)被覆層16で全面被覆した複合体18を形成する。この炭化珪素被覆層16は、例えばCVD法によって成膜された炭化珪素多結晶の被覆層である。この炭化珪素被覆層16によって、種結晶基板10とシリコン12とからなる積層体14は、閉鎖空間内に封じ込められる。次に、複合体18を図示しない加熱炉内に挿入し、加熱温度をシリコンの融点よりも十分に高い2000℃以上、好ましくは2100〜2300℃程度で一定時間、保持して熱処理する。すると、図11(ロ)に示したシリコン12が溶融してシリコン融液の液相となる。その結果、図11(ハ)に示すように、炭化珪素被覆層16を構成する炭素原子がシリコン融液を介して種結晶基板10の側に運ばれ、種結晶基板10上にマイクロパイプ欠陥の発生を低減したエピタキシャル層20が形成される。また、シリコン融液の液相が炭化珪素被覆層16に覆われているので、上記したようにシリコンの融点よりも十分に高い温度2100〜2300℃程度の高温下でシリコン融液における炭素の溶解度を増加させ、結晶成長速度を向上させた効率のよいエピタキシャル層20の液相成長を実現することができる。次に、図11(ハ)の複合体18Aに薄くなって残存した炭化珪素被覆層16をダイヤモンドカッター等によって研削・研磨した後、残存したシリコン12の層をフッ酸や硝酸等の薬液で処理することによって、複合体18Aから炭化珪素被覆層16とシリコン12とを除去する。その結果、図11(ニ)に示すように、種結晶基板10の表裏に高品位なエピタキシャル層20を成長形成した半導体デバイス製造用の材料22が得られる。
特開2005−294611号公報 特開2005−1899号公報
図10に示したSiC基板90の製造方法では、SiC基板10上にバッファ層3を形成する場合、該バッファ層3には、基板の構成元素であるシリコン(Si)原子と炭素(C)原子以外のゲルマニウム(Ge)原子を導入する必要がある。しかしながら、
ゲルマニウム原子の導入は、新たに転位欠陥を生み出す起源となりうるものであり、SiC基板10の結晶品質が極めて悪い場合には有効であるが、SiC基板10の品質がある程度高品質な場合には、基板1の転位欠陥5の一部は欠陥終端層2で終端できるものの、新たにバッファ層3中から転位欠陥が発生し、上層のSiCエピタキシャル層4に転位欠陥が到達してしまう欠点がある。
また、図11に示したSiC基板22の製造方法では、マイクロパイプ欠陥の密度は低減されるものの、マイクロパイプ以外の微細な転位欠陥に対しては、ほとんど低減効果がない。この原因を推定すると、図11(ロ)と図11(ハ)に示した工程において周囲を炭化珪素(SiC)被覆層16で全面被覆していることから、熱処理時に炭化珪素(SiC)種結晶基板10の表面部分に大きな熱応力が発生するためであると考えられる。該熱応力のため、マイクロパイプ欠陥のような極めて大きな欠陥に対しては効果があったものの、微小な応力で発生するような転位欠陥に対しては逆に悪影響を与えているものと推測される。
そこで、本発明は、炭化珪素からなる半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板であって、原炭化珪素基板に内在する微細な転移欠陥等を十分に終端すると共に、新たな微細欠陥の発生を抑制することのできる半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、炭化珪素からなる半導体基板の製造方法であって、単結晶の原炭化珪素基板上に、90atm%以上のシリコン(Si)原子からなるシリコン供給部を形成する、シリコン供給部形成工程と、前記原炭化珪素基板上に、シリコン(Si)原子を10atm%以下とし、熱分解して炭素(C)原子を供給可能な、炭素供給部を形成する、炭素供給部形成工程と、前記シリコン供給部および炭素供給部が形成された原炭化珪素基板を、1800℃以上で熱処理する、熱処理工程と、前記熱処理後において、前記原炭化珪素基板に当接して形成される低転移欠陥炭化珪素層を残して、前記低転移欠陥炭化珪素層上の熱処理生成物を除去する、熱処理生成物除去工程とを有してなることを特徴としている。
上記半導体基板の製造方法における低転移欠陥炭化珪素層の成長は、以下のようにして進むと考えられる。すなわち、シリコン供給部は、1800℃以上の熱処理で、Si原子の液相や気相となる。一方、炭素供給部は、1800℃以上の熱処理で熱分解して、C原子の固相や気相となり、一部が上記Si原子の液相や気相中に拡散する。このようにして供給されるSi原子とC原子が原炭化珪素基板上で反応(Si+C→SiC)してSiCとなるが、この時生成するSiCは、表面エネルギーの大きい微細欠陥部に優先的に付着して、転移欠陥等の微細欠陥部を終端することとなる。これによって、上記半導体基板の製造方法では、原炭化珪素基板にある表面の微細欠陥密度を、低転移欠陥炭化珪素層において低減することが可能になる。
上記半導体基板の製造方法では、シリコン供給部形成工程で形成した90atm%以上のSi原子からなるシリコン供給部と、炭素供給部形成工程で形成したSi原子を10atm%以下とし、熱分解してC原子を供給可能な炭素供給部とを、熱処理工程において単結晶の原炭化珪素基板上で反応させて、原炭化珪素基板に当接する低転移欠陥炭化珪素層を形成する。従って、上記製造方法によれば、従来の製造方法のようにゲルマニウム等の重い第3元素を含有させたバッファ層を原炭化珪素基板上に設けることなく、熱処理後において原炭化珪素基板上に低転移欠陥炭化珪素層を形成することができる。このため、該低転移欠陥炭化珪素層においては、従来の製造方法のバッファ層において見られるような、ゲルマニウム等の重い第3元素を要因とする新たな転位欠陥の発生は見られない。
また、上記製造方法においては、シリコン供給部と反応させる炭素供給部を、Si原子を10atm%以下として、熱分解してC原子を供給可能な材料としている。該炭素供給部は、有機材料であってもよいし無機の炭素材であってもよいが、無機のSiC粒子として存在する量を最大10atm%として、無機のSiC粒子の含有量をできるだけ低くすることが好ましい。このように、上記製造方法においては、別の従来の製造方法のように、シリコン基板(シリコン供給部)と反応させる炭素供給部を、SiC被覆層としていない。従って、上記製造方法では、該従来の製造方法のように炭素供給部であるSiC被覆層が反応後にも残って、種結晶基板上に形成されたエピタキシャル層に不要な熱応力を発生することがない。また、該従来の製造方法においては、熱処理によって形成される種結晶基板上のエピタキシャル層に、C原子だけでなく、SiC被覆層から未反応のSiC粒子も供給されると考えられる。しかしながら、上記製造方法によれば、熱処理によって形成される原炭化珪素基板上の低転移欠陥炭化珪素層に、未反応のSiC粒子が供給されることがほとんどなく、低転移欠陥炭化珪素層をシリコン供給部からのSi原子と炭素供給部からの熱分解したC原子のみで成長させることができると考えられる。従って、上記製造方法により製造された半導体基板の低転移欠陥炭化珪素層においては、マイクロパイプ欠陥のような極めて大きな欠陥だけでなく、微小な応力で発生するような転位欠陥についても低減することができる。
以上のようにして、上記半導体基板の製造方法は、炭化珪素からなる半導体基板の製造方法であって、原炭化珪素基板に内在する微細な転移欠陥等を十分に終端すると共に、新たな微細欠陥の発生を抑制することのできる半導体基板の製造方法とすることができる。
上記製造方法における前記シリコン供給部は、請求項2に記載のように、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する、膜状のシリコン層とすることが好ましい。Si原子の含有量を多くするほど高純度のSi供給源とすることができると共に、膜状にすることで、原炭化珪素基板上へのSi供給量を該シリコン層の厚さで適宜管理することができる。
この場合、例えば請求項3に記載のように、前記シリコン層は、単結晶シリコン層、多結晶シリコン層またはアモルファスシリコン層のいずれであってもよい。また、前記シリコン層は、例えば請求項4に記載のように、真空蒸着、スパッタ、イオンビームスパッタ、CVDまたは塗布により形成することができる。詳細な試験によれば、1800℃以上の熱処理において原炭化珪素基板上での十分なSi原子供給量を確保するため、請求項5に記載のように、前記シリコン層の厚さは、1μm以上であることが好ましい。
上記製造方法における前記シリコン供給部は、膜状のシリコン層に限らず、請求項6に記載のように、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する、シリコン基板であってもよい。これによれば、上記膜状のシリコン層と較べて、簡単に高純度のSi供給源とすることができる。
この場合、例えば請求項7に記載のように、前記シリコン基板は、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板のいずれであってもよい。請求項8に記載のように、前記シリコン基板の厚さは、取り扱いが容易であることから、20μm以上であることが好ましい。
上記製造方法における前記炭素供給部は、請求項9に記載のように、膜状の炭素含有層であることが好ましく、前記炭素供給部形成工程において、前記炭素含有層を、前記シリコン供給部を覆うようにして形成することが特に好ましい。これによれば、膜状にすることで、シリコン層の場合と同様に、原炭化珪素基板上へのC供給量を該炭素含有層の厚さで適宜管理することができる。また、シリコン供給部を覆うようにして該炭素含有層を形成することで、1800℃以上での熱処理時において、該炭素含有層が熱分解して生成する固相のC原子からなる層が液相または気相状態にあるシリコン供給部を覆うこととなり、シリコン供給部からの気相状態にあるSi原子の無駄な蒸散を抑制することができる。
前記炭素含有層は、前述したように有機材料であってもよいし無機の炭素材であってもよいが、例えば請求項10に記載のように、有機レジスト層または無機炭素粒子を含有する有機材層とすることができる。炭素含有層として有機レジスト層を用いる場合には、簡単に精度よく所定量をシリコン供給部上に形成することができる。また、炭素含有接着材や炭素含有表面コート材のような無機炭素粒子を含有する有機材からなる層の場合には、
有機レジスト層を用いる場合に較べて、単位体積あたりのC原子供給量を大きくすることができる。
請求項11に記載のように、炭素含有層として有機材料を用いる場合には、例えば真空蒸着、CVDまたは塗布等を利用して形成することができ、炭素含有層として無機の炭素材を用いる場合には、例えばスパッタまたはイオンビームスパッタを利用して形成することができる。
詳細な試験によれば、1800℃以上の熱処理において原炭化珪素基板上での十分なC原子供給量を確保するため、請求項12に記載のように、前記炭素含有層の厚さは、1μm以上であることが好ましい。
上記半導体基板の製造方法において、請求項13に記載のように、前記シリコン供給部を、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する、膜状のシリコン層とし、前記炭素供給部を、膜状の炭素含有層とする場合には、前記シリコン供給部形成工程および前記炭素供給部形成工程により、前記シリコン層と前記炭素含有層を、交互に繰り返し積層した状態で、前記原炭化珪素基板上に形成することができる。これによれば、膜状のシリコン層と炭素含有層を用いる場合であっても、比較的均一な状態で、十分な量のSi原子とC原子を原炭化珪素基板上に供給することができる。
上記半導体基板の製造方法においては、例えば請求項14に記載のように、前記シリコン供給部を、シリコン粉末またはシリコン化合物粉末が混合されたシリコン粉末混合物とし、前記炭素供給部を、炭素粉末または炭素化合物粉末が混合された炭素粉末混合物として、前記シリコン供給部形成工程および前記炭素供給部形成工程において、前記シリコン粉末混合物と前記炭素粉末混合物を、混合した状態で、前記原炭化珪素基板上に配置するようにしてもよい。
詳細な試験によれば、1800℃以上の熱処理において原炭化珪素基板上での十分なSi原子とC原子の供給量を確保するため、請求項15に記載のように、前記原炭化珪素基板上に形成された前記シリコン粉末混合物と前記炭素粉末混合物の混合物の厚さは、1μm以上であることが好ましい。
上述した半導体基板の製造方法のいずれにおいても、請求項16に記載のように、前記熱処理工程において、前記シリコン供給部および炭素供給部が形成された原炭化珪素基板を、2500℃以下で熱処理することが好ましい。詳細な試験によれば、2500℃より高い温度で熱処理を行うと、上記低転移欠陥炭化珪素層において発生する微細欠陥の密度が再び増大する。その理由は明らかでないが、2500℃より高温の場合には、気相状態にあるSi原子が多くなって、シリコン供給部からの気相状態にあるSi原子の無駄な蒸散が多くなって、原炭化珪素基板上で十分なSi原子供給量が確保されていない可能性がある。
上述した半導体基板の製造方法は、いずれも、請求項17に記載のように、前記熱処理生成物除去工程後の半導体基板を前記原炭化珪素基板として、前記シリコン供給部形成工程、前記炭素供給部形成工程、前記熱処理工程および前記熱処理生成物除去工程を、繰り返し実施することができる。これによれば、繰り返し実施によって形成される低転移欠陥炭化珪素層において、繰り返し実施前の低転移欠陥炭化珪素層に残っている微細欠陥の密度を、さらに低減することができる。
請求項18〜21に記載の発明は、上述した製造方法によって製造される半導体基板に関する。
請求項18に記載の発明は、炭化珪素からなる半導体基板であって、単結晶の原炭化珪素基板上に、90atm%以上のシリコン(Si)原子からなるシリコン供給部を形成し、前記原炭化珪素基板上に、シリコン(Si)原子を10atm%以下とし、熱分解して炭素(C)原子を供給可能な、炭素供給部を形成し、前記シリコン供給部および炭素供給部が形成された原炭化珪素基板を、1800℃以上で熱処理し、前記熱処理後において、前記原炭化珪素基板に当接して形成される低転移欠陥炭化珪素層を残して、前記低転移欠陥炭化珪素層上の熱処理生成物を除去して得られることを特徴としている。
上記半導体基板の効果については、前述の製造方法において説明したとおりであり、その説明は省略する。
上記半導体基板は、特に請求項19に記載のように、前記低転移欠陥炭化珪素層における転移欠陥密度を、前記原炭化珪素基板における転移欠陥密度の略1/10とすることが可能である。
また、上記半導体基板を利用する場合には、所定の不純物濃度と所定の厚さを確保するために、請求項20に記載のように、前記低転移欠陥炭化珪素層上に、炭化珪素エピタキシャル層が形成されてなることが好ましい。これにより、該炭化珪素エピタキシャル層を、所定の不純物濃度と所定の厚さが確保されると共に微細欠陥密度が十分に低減されたデバイス形成層とすることができ、良好なデバイス特性を得ることが可能になる。
また、上記半導体基板は、請求項21に記載のように、新たな単結晶炭化珪素基板を製造するための種結晶基板として用いることも可能である。これによって、従来にない低欠陥密度のSiCウエハを製造することができる。
本発明は、炭化珪素(SiC)からなる半導体基板の製造方法に関するものである。以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明に係る半導体基板の製造方法の一例を示す図で、半導体基板100の製造工程別の模式的な断面図である。尚、図1における原炭化珪素基板10は、図10および図11における原炭化珪素基板と同じ符号となっている。また、図1では、原炭化珪素基板10中に当初から存在している微細欠陥部5を、図10と同様に太線で示してある。
図1の製造方法では、最初に、図1(a)に示すように、単結晶の原炭化珪素基板(以下、SiC基板と記載)10上に、90atm%以上のシリコン(Si)原子からなるシリコン供給部30を形成する。
図1(a)の例に示すシリコン供給部30は、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する膜状のシリコン層(以下、Si層と略記)である。シリコン供給部30は、後述するように別の形態であってもよいが、Si原子の含有量を多くするほど高純度のSi供給源とすることができると共に、膜状にすることで、後の熱処理時におけるSiC基板10上へのSi供給量を該Si層30の厚さで適宜管理することができる。Si層30は、単結晶シリコン層、多結晶シリコン層またはアモルファスシリコン層のいずれであってもよい。ここで、Si層30は、代表的なスパッタで形成した。これに限らず、例えば真空蒸着、イオンビームスパッタ等を用いてもよい。また、例えば有機シリコン層を塗布により形成後、120℃から250℃で焼成して形成したSi層30であってもよいし、CVD等を用いてシランSiHの熱分解によって成長したSi層30であってもよい。
次に、図1(b)に示すように、Si層30が形成されたSiC基板10上に、シリコン(Si)原子を10atm%以下とし、熱分解して炭素(C)原子を供給可能な、炭素(C)原子を主体とする炭素供給部40を形成する。
図1(b)の例に示す炭素供給部40は、膜状の炭素含有層(以下、C層と略記)である。このように、炭素供給部40を膜状にすることで、Si層30の場合と同様に、後の熱処理時におけるSiC基板10上へのC供給量をC層40の厚さで適宜管理することができる。また、C層40は、Si層30を覆うようにして形成することが好ましい。これによって、次の1800℃以上での熱処理時において、C層40が熱分解して生成する固相のC原子からなる層が液相または気相状態にあるSi層30を覆うこととなり、Si層30からの気相状態にあるSi原子の無駄な蒸散を抑制することができる。
図1(b)に示すC層40は、有機材料であってもよいし、無機の炭素材であってもよい。C層40は、例えば、光感光性の有機レジスト層または無機炭素粒子を含有する有機材層とすることができる。C層40として光感光性の有機レジスト層を用いる場合には、簡単に精度よく所定量をSi層30上に形成することができる。また、炭素含有接着材や炭素含有表面コート材のような無機炭素粒子を含有する有機材からなる層の場合には、有機レジスト層を用いる場合に較べて、単位体積あたりのC原子供給量を大きくすることができる。C層40として有機材料を用いる場合には、例えば真空蒸着、CVDまたは塗布等を利用して形成することができ、C層40として無機の炭素材を用いる場合には、例えばスパッタまたはイオンビームスパッタを利用して形成することができる。
次に、Si層30およびC層40が形成されたSiC基板10を、1800℃以上で熱処理する。熱処理雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、水素、水素+窒素混合ガス等の非酸化性雰囲気とする。また、真空であってもかまわない。熱処理温度範囲は、液相化したSi層30中にC層40からC原子が一部拡散する1800℃以上とし、好適条件は、後述するように、2000〜2400℃である。
この熱処理により、図1(c)に示すように、SiC基板10に当接して低転移欠陥炭化珪素層(以下、SiC層と記載)50が形成されると共に、該SiC層50上に熱処理生成物60が堆積する。SiC層50は、主として、C層40からSi層30中に拡散したC原子がSi+C→SiC反応を引き起こし、SiC基板10上で成長したと考えられる。また、熱処理条件によっては、Si層30中にSiC基板10からC原子が一部拡散してSi層30中でSi+C→SiC反応を引き起こし、SiC基板10の別位置に析出形成されたりする場合もあると考えられる。いずれも、熱処理後においては、単結晶のSiC基板10に当接して、エピタキシャル成長した単結晶のSiC層50が形成されている。また、SiC層50上に残る熱処理生成物60は、Si層30とC層40の残りやC原子が固溶したSi層30等、非炭化珪素(SiC)からなる残渣膜である。
最後に、図1(d)に示すように、SiC基板10に当接して形成されたSiC層50を残して、図1(c)の熱処理生成物60を除去する。これによって、単結晶SiC基板10とその上に形成された単結晶のSiC層50からなる、半導体基板100が完成する。
図1(a)〜(d)で例示した半導体基板100の製造方法におけるSiC層50の成長は、以下のようにして進むと考えられる。すなわち、Si層30からなるシリコン供給部は、1800℃以上の熱処理で、Si原子の液相や気相となる。一方、C層40からなる炭素供給部は、1800℃以上の熱処理で熱分解して、C原子の固相や気相となり、一部が上記Si原子の液相や気相中に拡散する。このようにして供給されるSi原子とC原子がSiC基板10上で反応(Si+C→SiC)してSiCとなるが、この時生成するSiCは、表面エネルギーの大きい微細欠陥部5に優先的に付着して析出し、転移欠陥等の微細欠陥部5が終端されたり、欠陥の種類が変換されたりすることとなる。これによって、SiC基板10に存在する微細欠陥部5が、SiC層50の表面に表出することがなくなる。以上のようにして、図1に示す半導体基板100の製造方法では、SiC基板10にある表面の微細欠陥密度を、SiC層50において低減することが可能になる。
図1(a)〜(d)で例示した半導体基板100の製造方法では、図1(a)のシリコン供給部形成工程で形成した90atm%以上のSi原子からなるシリコン供給部30と、図1(b)の炭素供給部形成工程で形成したSi原子を10atm%以下とし、熱分解してC原子を供給可能な炭素供給部40とを、図1(c)の熱処理工程において単結晶のSiC基板10上で反応させて、SiC基板10に当接するSiC層50を形成する。従って、図1の製造方法によれば、図10に示した従来の製造方法のようにゲルマニウム等の重い第3元素を含有させたバッファ層3をSiC基板10上に設けることなく、熱処理後においてSiC基板10上にSiC層50を形成することができる。このため、図1(d)のSiC層50においては、図10に示した従来の製造方法のバッファ層3において見られるような、ゲルマニウム等の重い第3元素を要因とする新たな転位欠陥の発生は見られない。
また、図1(a)〜(d)で例示した半導体基板100の製造方法においては、シリコン供給部30と反応させる炭素供給部40を、Si原子を10atm%以下として、熱分解してC原子を供給可能な材料としている。該炭素供給部40は、有機材料であってもよいし無機の炭素材であってもよいが、無機のSiC粒子として存在する量を最大10atm%として、無機のSiC粒子の含有量をできるだけ低くすることが好ましい。このように、図1の製造方法においては、図11に示した従来の製造方法のようにシリコン基板(シリコン供給部)12と反応させる炭素供給部をSiC被覆層16としていない。従って、図1の製造方法では、図11に示した従来の製造方法のように炭素供給部であるSiC被覆層16が反応後にも残って、種結晶基板10上に形成されたエピタキシャル層20に不要な熱応力を発生することがない。また、図11に示した従来の製造方法においては、熱処理によって形成される種結晶基板10上のエピタキシャル層20に、C原子だけでなく、SiC被覆層16から未反応のSiC粒子も供給されると考えられる。しかしながら、図1の製造方法によれば、熱処理によって形成されるSiC基板10上のSiC層50に、未反応のSiC粒子が供給されることがほとんどなく、SiC層50をシリコン供給部30からのSi原子と炭素供給部40からの熱分解したC原子のみで成長させることができると考えられる。従って、上記製造方法により製造された半導体基板100のSiC層50においては、マイクロパイプ欠陥のような極めて大きな欠陥だけでなく、微小な応力で発生するような転位欠陥についても低減することができる。
以上のようにして、図1(a)〜(d)で例示した半導体基板100の製造方法は、炭化珪素からなる半導体基板100の製造方法であって、SiC基板10に内在する微細な転移欠陥5等を十分に終端すると共に、新たな微細欠陥の発生を抑制することのできる半導体基板の製造方法となっている。
次に、図1に示した半導体基板100の製造方法に関する詳細について説明する。
図2は、熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のSi層30の厚さと熱処理後の検査でSiC層50表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。図2の試験では、C層40の厚さを1μmとして、Si層30の厚さが、それぞれ、0.5μm、1μm、2μm、10μmの場合について調べた。尚、比較のために、SiC基板10のエッチピット密度10000個/cmを、同時に一点鎖線で図示してある。
図2の試験結果によれば、1800℃以上の熱処理においてSiC基板10上での十分なSi原子供給量を確保するために、Si層30の厚さは、1μm以上であることが好ましい。この場合には、SiC基板10のエッチピット密度が10000個/cmであるのに対して、好適な2000〜2400℃の温度の熱処理によって得られたSiC層50では、エッチピット密度を1000個/cm以下まで低減できた。
図3は、熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のC層40の厚さと熱処理後の検査でSiC層50表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。図3の試験では、Si層30の厚さを10μmとして、C層40の厚さが、それぞれ、0.5μm、1μm、2μm、20μmの場合について調べた。
図3の試験結果によれば、1800℃以上の熱処理においてSiC基板10上での十分なC原子供給量を確保するために、C層40の厚さは、1μm以上であることが好ましい。熱処理後の状態観察によれば、C層40の厚さを0.5μmとした場合には、熱処理時にはC層40に亀裂が発生していると考えられる。このため、下地のSi層30を十分に被覆することができず、Si層30からSi原子の蒸発が起こるため、エッチピットの低減効果が得られなかったと考えられる。
また、図2と図3の試験結果によれば、熱処理工程では、Si層30とC層40が形成されたSiC基板10を、1800℃以上、2500℃以下で熱処理することが好ましい。1800℃より低い温度の熱処理ではSiC層50が十分に成長することができず、2500℃より高い温度で熱処理を行うと、SiC層50において発生する微細欠陥の密度が再び増大する。その理由は明らかでないが、2500℃より高温の場合には、気相状態にあるSi原子が多くなって、Si層30からの気相状態にあるSi原子の無駄な蒸散が多くなって、SiC基板10上で十分なSi原子供給量が確保されていない可能性がある。好適な熱処理温度範囲である2000〜2400℃で得られた半導体基板100では、SiC層50における転移欠陥密度を、SiC基板10における転移欠陥密度の1/10以下とすることが可能である。
図4は、本発明に係る製造方法の別の例を示す図で、製造途中にある半導体基板の模式的な断面図である。尚、以下に示す製造方法の各例において、図1に示した各部と同様の部分については、同じ符号を付した。
図4は、図1(a)に示したシリコン供給部形成工程と図1(b)に示した炭素供給部形成工程を、交互に繰り返し実施した後の状態を示す図である。すなわち、図4に示すように、シリコン供給部を膜状のSi層30とし、炭素供給部を膜状のC層40とする場合には、図1(a)に示したシリコン供給部形成工程と図1(b)に示した炭素供給部形成工程により、Si層30とC層40を、交互に繰り返し積層した状態で、SiC基板10上に形成することができる。これによれば、膜状のSi層30とC層40を用いる場合であっても、比較的均一な状態で、十分な量のSi原子とC原子をSiC基板10上に供給することができる。図4に示す複数のSi層30とC層40が交互に繰り返し積層されたSiC基板10についても、1800℃以上の温度で熱処理することにより、図1(c)に示したように、低欠陥密度のSiC層50がSiC基板10に当接して形成されることは言うまでもない。
図5は、別の製造方法の例を示す図で、図5(a)〜(d)は、半導体基板101の製造工程別の模式的な断面図である。図1に示した製造方法では、シリコン供給部として、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する膜状のSi層30を形成していた。これに対して、図5に示す製造方法では、シリコン供給部として、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する、シリコン基板(以下、Si基板と略記)31としている。その後は、図1のSi層30を用いる場合と同様にして、半導体基板101を製造することができる。
すなわち、最初に、図5(a)に示すように、単結晶のSiC基板10上に、Si基板31を配置する。Si基板31は、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板のいずれであってもよい。請求項8に記載のように、Si基板31の厚さは、取り扱いが容易であることから、20μm以上であることが好ましい。次に、図5(b)に示すように、Si基板31が配置されたSiC基板10上に、C層41を形成する。この場合も、Si基板31を覆うようにして、C層41を形成することが好ましい。次に、Si基板31上にC層41が形成されたSiC基板10を、1800℃以上で熱処理する。この熱処理により、図5(c)に示すように、SiC基板10に当接して低欠陥密度のSiC層51が形成されると共に、該SiC層51上に熱処理生成物61が堆積する。最後に、図5(d)に示すように、SiC基板10に当接して形成されたSiC層51を残して、図5(c)の熱処理生成物61や残っているC層41を除去する。これによって、単結晶SiC基板10とその上に形成された単結晶のSiC層51からなる、半導体基板101が完成する。図5の製造方法で使用されているSi基板31は、高純度の基板が容易に入手でき、図1の製造方法で使用されているSi層30と較べて、簡単に高純度のSi供給源とすることができる。
図6は、熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のSi基板31の厚さと熱処理後の検査でSiC層51表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。図6の試験では、C層41の厚さを1μmとして、Si基板31の厚さが、それぞれ、20μm、100μm、500μmの場合について調べた。
また、図7は、熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のC層41の厚さと熱処理後の検査でSiC層51表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。図7の試験では、Si基板31の厚さを50μmとして、C層41の厚さが、それぞれ、0.5μm、1μm、2μm、20μmの場合について調べた。
図6と図7の試験結果からわかるように、シリコン供給部としてSi基板31を用いる場合にも、図2に示したシリコン供給部としてSi層30を用いた場合と同様に、好適な2000〜2400℃の温度の熱処理によって得られたSiC層51では、エッチピット密度を1000個/cm以下まで低減できた。
図8も、別の製造方法の例を示す図で、図8(a)〜(c)は、半導体基板102の製造工程別の模式的な断面図である。図1と図5に示した製造方法では、シリコン供給部と炭素供給部を、それぞれ分離した状態で、SiC基板10上に配置していた。これに対して、図8に示す製造方法では、シリコン粉末混合物(以下、Si混合物と略記)32と炭素粉末混合物(以下、C混合物と略記)42を混合した状態で、SiC基板10上に配置している。その後は、図1のSi層30を用いる場合と同様にして、半導体基板102を製造することができる。
すなわち、最初に、図8(a)に示すように、単結晶のSiC基板10上に、Si混合物32とC混合物42を混合した状態で配置する。Si混合物32は、シリコン粉末またはシリコン化合物粉末の混合物で、シリコン供給部として機能する。例えば、Si混合物32として、Si微粉末や有機レジスト、水、でんぷんのり、エタノール、メタノール、キシレン、アセトン、イソプロピルアルコールとの混合物等を利用することができる。あるいは、これに限らず、Si樹脂接着剤や室温硬化型シリコーンゴム等であってもよい。また、C混合物42は、炭素粉末または炭素化合物粉の混合物で、炭素供給部として機能する。例えば、C混合物42として、C微粉末、カーボン接着剤、C微粉末と有機溶剤やシアノアクリル酸アルキル、エポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリクロロプレン、酢酸ビニル等との混合物を利用することができる。これらSi混合物32とC混合物42を混合し、印刷、スピンナ、はけ塗り等により塗布して、SiC基板10上に配置する。
次に、Si混合物32とC混合物42からなる混合物層が配置されたSiC基板10を、1800℃以上で熱処理する。この熱処理により、図8(b)に示すように、SiC基板10に当接して低欠陥密度のSiC層52が形成されると共に、該SiC層52上に熱処理生成物62が堆積する。
最後に、図8(c)に示すように、SiC基板10に当接して形成されたSiC層52を残して、図8(c)の熱処理生成物62や残っているC混合物42を除去する。これによって、単結晶SiC基板10とその上に形成された単結晶のSiC層52からなる、半導体基板102が完成する。
図9は、熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のSi混合物32とC混合物42からなる混合物層の厚さと熱処理後の検査でSiC層52表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。図6の試験では、Si混合物32とC混合物42からなる混合物層の厚さが、それぞれ、0.5μm、1μm、2μm、10μmの場合について調べた。
図9の試験結果によれば、1800℃以上の熱処理においてSiC基板10上での十分なSi原子とC原子の供給量を確保するためには、Si混合物32とC混合物42からなる混合物層の厚さが、1μm以上であることが好ましい。この場合にも、好適な2000〜2400℃の温度の熱処理によって得られたSiC層52では、SiC基板10のエッチピット密度が20000個/cmであるのに対して、エッチピット密度を2000個/cm以下まで低減できた。尚、Si混合物32とC混合物42からなる混合物層の厚さをさらに厚くして、50μmや200μmとしても、同じ2000個/cm程度のエッチピット密度が得られた。
図1,図5および図8に示した半導体基板100〜102のいずれの製造方法においても、熱処理工程において、シリコン供給部30〜32および炭素供給部40〜42が形成されたSiC基板10を、2500℃以下で熱処理することが好ましい。2500℃より高い温度で熱処理を行うと、図2,3,5,6,9に示したように、SiC層50〜52において発生する微細欠陥の密度が再び増大する。好適な熱処理温度範囲である2000〜2400℃で得られた半導体基板100〜102では、SiC層50〜52における転移欠陥密度を、SiC基板10における転移欠陥密度の略1/10とすることが可能である。
また、図1,図5および図8に示した半導体基板100〜102のいずれの製造方法についても、熱処理生成物除去工程後の半導体基板100〜102をSiC基板10に代わる原炭化珪素基板として、シリコン供給部形成工程、炭素供給部形成工程、熱処理工程および熱処理生成物除去工程を、繰り返し実施することができる。これによれば、繰り返し実施によって形成される低転移欠陥炭化珪素層において、繰り返し実施前の低転移欠陥炭化珪素層に残っている微細欠陥の密度を、さらに低減することができる。
例えば、図1に示した製造方法により得られた半導体基板100をSiC基板10に代わる原炭化珪素基板として、再び図1の製造工程を繰り返すと、エッチピット密度が100個/cm程度まで低減された低転移欠陥炭化珪素層を作製することができた。図5に示した製造工程を繰り返しても、同様にエッチピット密度が100個/cm程度まで低減された低転移欠陥炭化珪素層を作製することができた。また、図8に示した製造工程を繰り返したところ、エッチピット密度が200個/cm程度まで低減された低転移欠陥炭化珪素層を作製することができた。
上記のようにして製造された半導体基板を利用する場合には、所定の不純物濃度と所定の厚さを確保するために、低転移欠陥炭化珪素層上に、さらに炭化珪素エピタキシャル層が形成されてなることが好ましい。これにより、該炭化珪素エピタキシャル層を、所定の不純物濃度と所定の厚さが確保されると共に微細欠陥密度が十分に低減されたデバイス形成層とすることができ、良好なデバイス特性を得ることが可能になる。例えば、上記繰り返しプロセスで得られた半導体基板の低転移欠陥炭化珪素層上にCVD法で炭化珪素エピタキシャル層を成長させたところ、低転移欠陥炭化珪素層とほぼ同じエッチピット密度300個/cmの炭化珪素エピタキシャル層を得ることができた。
また、上記のようにして製造された半導体基板は、新たな単結晶炭化珪素基板を製造するための種結晶基板として用いることも可能である。これによって、従来にない低欠陥密度のSiCウエハを製造することができる。例えば、上記繰り返しプロセスで得られた低転移欠陥炭化珪素層のエッチピット密度が200個/cmの半導体基板を種結晶基板として単結晶炭化珪素基板を作製したところ、エッチピット密度300〜1000個/cm2の新たな単結晶炭化珪素基板を作製することができた。
以上示したように、上記した半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板は、炭化珪素からなる半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板であって、原炭化珪素基板に内在する微細な転移欠陥等を十分に終端すると共に、新たな微細欠陥の発生を抑制することのできる半導体基板の製造方法およびそれによって製造される半導体基板となっている。
(a)〜(d)は、本発明に係る半導体基板の製造方法の一例を示す図で、半導体基板100の製造工程別の模式的な断面図である。 熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のSi層30の厚さと熱処理後の検査でSiC層50表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。 熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のC層40の厚さと熱処理後の検査でSiC層50表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。 本発明に係る製造方法の別の例を示す図で、製造途中にある半導体基板の模式的な断面図である。 別の製造方法の例を示す図で、(a)〜(d)は、半導体基板101の製造工程別の模式的な断面図である。 熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のSi基板31の厚さと熱処理後の検査でSiC層51表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。 熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のC層41の厚さと熱処理後の検査でSiC層51表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。 別の製造方法の例を示す図で、(a)〜(c)は、半導体基板102の製造工程別の模式的な断面図である。 熱処理温度をパラメータとして、熱処理前のSi混合物32とC混合物42からなる混合物層の厚さと熱処理後の検査でSiC層52表面に見られるエッチピットの密度の関係をまとめた図である。 特許文献1により製造されるSiC基板の一例で、SiC基板90の模式的な断面を示す図である。 特許文献2に開示されたSiC基板の製造方法の一例を示す、工程別の模式的な断面図である。
符号の説明
100〜102 半導体基板
10 SiC基板(原炭化珪素基板)
5 微細欠陥部
30 Si層(シリコン層、シリコン供給部)
31 Si基板(シリコン基板、シリコン供給部)
32 Si混合物(シリコン粉末混合物、シリコン供給部)
40,41 C層(炭素含有層、炭素供給部)
42 C混合物(炭素粉末混合物、炭素供給部)
50 SiC層(低転移欠陥炭化珪素層)
60〜62 熱処理生成物

Claims (21)

  1. 炭化珪素からなる半導体基板の製造方法であって、
    単結晶の原炭化珪素基板上に、90atm%以上のシリコン(Si)原子からなるシリコン供給部を形成する、シリコン供給部形成工程と、
    前記原炭化珪素基板上に、シリコン(Si)原子を10atm%以下とし、熱分解して炭素(C)原子を供給可能な、炭素供給部を形成する、炭素供給部形成工程と、
    前記シリコン供給部および炭素供給部が形成された原炭化珪素基板を、1800℃以上で熱処理する、熱処理工程と、
    前記熱処理後において、前記原炭化珪素基板に当接して形成される低転移欠陥炭化珪素層を残して、前記低転移欠陥炭化珪素層上の熱処理生成物を除去する、熱処理生成物除去工程とを有してなることを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 前記シリコン供給部が、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する、膜状のシリコン層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  3. 前記シリコン層が、単結晶シリコン層、多結晶シリコン層またはアモルファスシリコン層であることを特徴とする請求項2に記載の半導体基板の製造方法。
  4. 前記シリコン層を、真空蒸着、スパッタ、イオンビームスパッタ、CVDまたは塗布により形成することを特徴とする請求項2または3に記載の半導体基板の製造方法。
  5. 前記シリコン層の厚さが、1μm以上であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法。
  6. 前記シリコン供給部が、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する、シリコン基板であることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  7. 前記シリコン基板が、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板であることを特徴とする請求項6に記載の半導体基板の製造方法。
  8. 前記シリコン基板の厚さが、20μm以上であることを特徴とする請求項6または7に記載の半導体基板の製造方法。
  9. 前記炭素供給部が、膜状の炭素含有層であり、
    前記炭素供給部形成工程において、
    前記炭素含有層を、前記シリコン供給部を覆うようにして形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法。
  10. 前記炭素含有層が、有機レジスト層または無機炭素粒子を含有する有機材層であることを特徴とする請求項9に記載の半導体基板の製造方法。
  11. 前記炭素含有層を、真空蒸着、スパッタ、イオンビームスパッタ、CVDまたは塗布により形成することを特徴とする請求項9または10に記載の半導体基板の製造方法。
  12. 前記炭素含有層の厚さが、1μm以上であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法。
  13. 前記シリコン供給部が、99atm%以上のシリコン(Si)原子を含有する、膜状のシリコン層であり、
    前記炭素供給部が、膜状の炭素含有層であり、
    前記シリコン供給部形成工程および前記炭素供給部形成工程により、
    前記シリコン層と前記炭素含有層を、交互に繰り返し積層した状態で、前記原炭化珪素基板上に形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  14. 前記シリコン供給部が、シリコン粉末またはシリコン化合物粉末が混合されたシリコン粉末混合物であり、
    前記炭素供給部が、炭素粉末または炭素化合物粉末が混合された炭素粉末混合物であり、
    前記シリコン供給部形成工程および前記炭素供給部形成工程において、
    前記シリコン粉末混合物と前記炭素粉末混合物を、混合した状態で、前記原炭化珪素基板上に配置することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
  15. 前記原炭化珪素基板上に形成された前記シリコン粉末混合物と前記炭素粉末混合物の混合物の厚さが、1μm以上であることを特徴とする請求項14に記載の半導体基板の製造方法。
  16. 前記熱処理工程において、
    前記シリコン供給部および炭素供給部が形成された原炭化珪素基板を、2500℃以下で熱処理することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法。
  17. 前記熱処理生成物除去工程後の半導体基板を前記原炭化珪素基板として、
    前記シリコン供給部形成工程、前記炭素供給部形成工程、前記熱処理工程および前記熱処理生成物除去工程を、繰り返し実施することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の半導体基板の製造方法。
  18. 炭化珪素からなる半導体基板であって、
    単結晶の原炭化珪素基板上に、90atm%以上のシリコン(Si)原子からなるシリコン供給部を形成し、
    前記原炭化珪素基板上に、シリコン(Si)原子を10atm%以下とし、熱分解して炭素(C)原子を供給可能な、炭素供給部を形成し、
    前記シリコン供給部および炭素供給部が形成された原炭化珪素基板を、1800℃以上で熱処理し、
    前記熱処理後において、前記原炭化珪素基板に当接して形成される低転移欠陥炭化珪素層を残して、前記低転移欠陥炭化珪素層上の熱処理生成物を除去して得られることを特徴とする半導体基板。
  19. 前記低転移欠陥炭化珪素層における転移欠陥密度が、前記原炭化珪素基板における転移欠陥密度の略1/10であることを特徴とする請求項18に記載の半導体基板。
  20. 前記低転移欠陥炭化珪素層上に、炭化珪素エピタキシャル層が形成されてなることを特徴とする請求項18または19に記載の半導体基板。
  21. 前記半導体基板が、新たな単結晶炭化珪素基板を製造するための種結晶基板として用いられることを特徴とする請求項18または19に記載の半導体基板。
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