JP2001126240A - 磁気ディスク媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク媒体およびその製造方法

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JP2001126240A
JP2001126240A JP30765299A JP30765299A JP2001126240A JP 2001126240 A JP2001126240 A JP 2001126240A JP 30765299 A JP30765299 A JP 30765299A JP 30765299 A JP30765299 A JP 30765299A JP 2001126240 A JP2001126240 A JP 2001126240A
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Japan
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organic
inorganic hybrid
magnetic disk
thin film
substrate
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JP30765299A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Kanno
敏之 管野
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形基板からなる磁気ディスクに関して、基
板が後工程の乾式プロセスに耐える耐熱性、磁性層との
密着性、及び吸湿あるいは熱による応力の経時変化など
によるクラックの発生に対する耐久性に優れた磁気ディ
スク媒体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 磁気ディスク媒体は、熱可塑性樹脂から
なる基板と、磁性層とを備え、該基板と該磁性層との間
に有機・無機ハイブリッド薄膜層を設けており、前述の
有機・無機ハイブリッド薄膜層は水酸基、カルボキシル
基またはアミノ基を含有し、末端に(メタ)アクリロイ
ル基を有したモノマー、オリゴマーおよびポリマー成分
を主成分とした高分子誘導体化合物を含む高分子組成物
と、金属アルコキシド、フェノキシド、アシレート、ま
たはキレート化合物である金属含有誘導体化合物とを含
有する有機・無機ハイブリッド組成物から形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ディスク媒体お
よびその製造方法に関し、特に熱可塑性樹脂から成形さ
れた基板上に有機・無機ハイブリッド薄膜層を設けるこ
とにより、耐久性と高密度記録に優れた磁気ディスク媒
体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化が一層進んで
いる。また記録信号もアナログ信号からデジタル信号に
変わってきている。そのために従来は磁気ヘッドのトラ
ッキングを高精度に行うため、ディスクの共振周波数を
高める必要性があることなどから基板はアルミニウム、
ガラスあるいはセラミックスなどの材料が用いられてい
た。そして、データの記録時にサーボライターにより同
時にサーボマークに書き込むことで、磁気ディスクに位
置信号を書き込むことをしていた。このようにして、磁
気ヘッドが記録トラックを追従するためのアドレス情報
を磁気ディスクに与えている。
【0003】しかし、高密度化に伴いトラック幅が狭く
なる一方であり、それに伴い上記方法では位置精度を高
めることが技術的に高度になり、装置が高価になる。そ
こで、ディスク基板にモールド技術を用いて凹凸サーボ
マークを形成する方法が提案されている(文献:Idema
Japan News No.27 P.10〜)。
【0004】モールド技術によって基板を成形し、凹凸
サーボマークを形成する方法は、生産性に優れ工業的に
優位である。成形材料として用いられる材料はガラスも
考えられるが低コスト化から熱可塑性樹脂が用いられ
る。その中でも一般的な熱可塑性樹脂としては、光ディ
スク基板として使用されているポリカーボネートをはじ
めポリアクリル、ポリスチレン、及びポリオレフィン系
樹脂などが挙げられる。
【0005】また、磁気ディスク媒体の基板として要求
される特性は、 転写性が良いこと(表面の平滑性など) 吸湿性が小さいこと 基板の熱変形が小さいこと(耐熱性) 発生ガスがないこと 後工程での成膜(磁性層の成膜)に悪影響を及ぼさな
いこと(表面の耐熱性) 磁性層との密着性が良いこと 耐環境性に優れていること などが挙げられる。
【0006】基本的に熱可塑性の高分子材料を基板に用
いると、基板の熱膨張・収縮性と、無機物質からなる磁
性層の熱膨張・収縮性との間に大きな違いがありクラッ
クが発生してしまうなどという問題が生じる。また、熱
可塑性の高分子材料を用いた基板は弾性率が低いため
に、共振周波数が低くなりサーボ帯域を大きく取りにく
くなるという難点を有する。さらに、基板に用いられる
材料の中でも光ディスクに使用されているポリカーボネ
ート樹脂は、凹凸パターン形状などの転写性は良好にな
ったが、吸湿性がまだ目的に対し大きい欠点がある。こ
れを解決するための手段が特開平7−153060号、
特開平7−218055号、特開平7−226044号
などで提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、それでも磁性
層の成膜などの後工程に対する基板の耐熱性、基板と磁
性層などとの密着性、および基板と無機物からなる薄膜
である磁性層との熱膨張・収縮係数の違い(熱特性)か
ら、基板が変形を起こしたり、基板と磁性層との界面で
クラックの発生を起こすという問題が生じる。また、基
板の表面にCr、SiNなどの無機物からなる薄膜を磁
性層の下地層とする方法も開示されている(特開平10
−289435、電子情報通信学会論文誌C−II V
ol.J73−c−II No.9 pp.525〜5
33など)がいまだ実用化に至っていない。
【0008】したがって、本発明は熱可塑性樹脂からな
る成形基板を有する磁気ディスクおよびその製造方法に
関して基板が、後工程の乾式プロセスに耐える耐熱性、
磁性層との密着性、及び吸湿あるいは熱による応力の経
時変化などによるクラックの発生に対する耐久性に優れ
た磁気ディスク媒体およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を鑑みて、鋭意
検討した結果、本発明にいたった。
【0010】本発明の磁気ディスク媒体は、熱可塑性樹
脂からなる基板と、磁性層とを備え、該基板と該磁性層
との間に有機・無機ハイブリッド薄膜層を有し、前述の
有機・無機ハイブリッド薄膜層は、高分子誘導体化合物
を含有する高分子組成物と金属含有誘導体化合物とを含
む、有機・無機ハイブリッド組成物から形成され、前述
の高分子誘導体化合物は、水酸基、カルボキシル基およ
びアミノ基より選択される官能基を含有し、末端に(メ
タ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマーまた
はポリマー成分を主成分としており、前述の金属含有誘
導体化合物は、Al、Ti、Zr、Si、In、Zn、
Ni、およびCuよりなる群から選択される金属を中心
金属とするアルコキシド、フェノキシド、アシレート、
またはキレート化合物である。
【0011】ここで上述の金属含有誘導体化合物は、下
記式1または式2で表される。
【0012】
【化2】 [式中、MはAl、Ti、Zr、Si、In、Zr、N
i、またはCuを表し、R1〜R7は、炭素数1〜18の
アルキル基、アリール基またはアシル基であるか、R1
〜R4の任意の2つが共働して環を形成するか、R5〜R
7の任意の2つが共働して環を形成する。] また、本発明に用いられる高分子誘導体化合物は前述の
高分子組成物に対して80重量%以上含有され、および
前述の高分子組成物は前述の有機・無機ハイブリッド組
成物に対して40〜99重量%含有されていることが好
ましい。
【0013】本発明に用いられる前述の金属含有誘導体
化合物は、有機・無機ハイブリッド組成物を1〜60重
量%含有されることが好ましい。
【0014】また、上述した有機・無機ハイブリッド薄
膜層は、耐熱度が130℃以上であり、膜厚が0.1〜
1.5μmであり、表面粗さが1nm以下であることが
好ましい。
【0015】さらに、前述の有機・無機ハイブリッド薄
膜層と前述の磁性層との間に無機物からなる薄膜である
下地層を設けてもよい。
【0016】さらに、上述した本発明の磁気ディスク媒
体の製造方法は、熱可塑性樹脂から成形によって基板を
得る工程と、該基板上に前述の有機・無機ハイブリッド
組成物と溶剤との混合溶液を塗布し、放射線および熱の
少なくとも一方を用いた重合反応および熱を用いた架橋
反応を行うことにより有機・無機ハイブリッド薄膜層を
設ける工程と、該有機・無機ハイブリッド薄膜層の上に
磁性層を設ける工程と、を備える。
【0017】また、有機・無機ハイブリッド薄膜層を設
ける工程と、磁性層を設ける工程の間に無機物からなる
薄膜である下地層を設ける工程を備えてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、成形された基板の上に
特定の組成物を用いて有機・無機ハイブリッド薄膜層を
形成した磁気ディスクおよびその製造方法を提供する。
該薄膜層は基板材料のガラス転移温度(Tg)以下の温
度で膜を硬化形成することによって得られ、膜厚が1.
5μm以下で表面が平滑であり、表面粗さを1nm以下
に最適化することによって、上記課題を解決する磁気デ
ィスク媒体を得ることができた。
【0019】以下、本発明について図を参照しながら詳
細に説明する。
【0020】図1および図2は、本発明にもとづく磁気
ディスク媒体の一例を示す断面図である。図1に示すよ
うに、本発明に基づく磁気ディスク媒体は、基板1、有
機・無機ハイブリッド薄膜層2、磁性層3、および通常
設けられている保護層4を順次積層して得られた積層体
である。また、図2に示すように、下地層5を有機・無
機ハイブリッド薄膜層2と磁性層3との間に設けてもよ
い。
【0021】ここで、基板1は、熱可塑性樹脂から製造
され、磁性層3および下地層5は一般に用いられている
材料である無機物よりなる薄膜である。
【0022】この熱可塑性樹脂からなる基板1と無機物
からなる薄膜である磁性層(図1の3)あるいは下地層
(図2の5)との間に形成された有機・無機ハイブリッ
ド薄膜層2は、基板の熱膨張・収縮率と、無機物薄膜の
熱膨張・収縮率との中間の熱膨張収縮率を有し、また基
板と無機物薄膜とは、有機・無機ハイブリッド薄膜層を
介することによって密着し易くなる。そのため、基板1
と有機・無機ハイブリッド薄膜層2との界面、有機・無
機ハイブリッド薄膜層2と磁性層3との界面(図1の場
合)、および有機・無機ハイブリッド薄膜層2と下地層
5との界面(図2の場合)での層間剥離やクラックの発
生がなく、磁気ディスク媒体の耐久性が向上する。
【0023】次に、本発明にもとづく磁気ディスク媒体
を、その製造方法の一例を挙げて説明する。
【0024】まず、熱可塑性樹脂を成形することによっ
て、基板1を製造する。熱可塑性樹脂としては、ポリア
クリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、非晶質ポリ
オレフィン、およびポリエーテルイミドなどが挙げられ
る。
【0025】また、基板表面にオゾン処理、プラズマ処
理などを施すと基板1と有機・無機ハイブリッド薄膜層
2との相関性が強固となる。
【0026】次に、該成形基板1の上に、有機・無機ハ
イブリッド薄膜層2を設ける。
【0027】この有機・無機ハイブリッド薄膜層2は、
本発明の目的とする優れた機能を基板に付与するための
薄膜保護膜である。
【0028】本発明に用いられる有機・無機ハイブリッ
ド薄膜層2は、高分子誘導体化合物を含む高分子組成物
と、金属含有誘導体化合物とを含有する有機・無機ハイ
ブリッド組成物から形成される。
【0029】この有機・無機ハイブリッド薄膜層2の膜
厚は、0.1〜1.5μmであり、好ましくは0.3〜
1.3μmである。0.1μm未満では基板表面の耐熱
性向上などの効果が薄れる。また、1.5μmを超える
と表面性および基板に形成されているバンプや案内溝の
形状などに悪影響を与える。0.1〜1.5μmの膜厚
で有機・無機ハイブリッド薄膜層2を塗布形成すること
によって、従来の課題を解決することができる。
【0030】本発明に用いられる高分子誘導体化合物
は、高分子組成物の重量を基にして80重量%以上、好
ましくは85〜95重量%含まれている。この高分子誘
導体化合物は、水酸基、カルボキシル基、およびアミノ
基より選択される官能基を含有し、末端に放射線重合
(紫外線重合、可視重合など)または熱重合機構を有す
る(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマ
ー、およびポリマー成分を主成分としたものである。
【0031】本発明に用いられる金属含有誘導体化合物
は、Al、Ti、Zr、Si、In、Zn、Ni、およ
びCuよりなる群より選択された金属を含有するアルコ
キシド、フェノキシド、アシレート、またはキレート化
合物である。この金属含有誘導体化合物は下記式1また
は式2で表すこともできる。
【0032】
【化3】 [式中、MはAl、Ti、Zr、Si、In、Zr、N
i、またはCuを表し、R1〜R7は、炭素数1〜18の
アルキル基、アリール基またはアシル基であるか、R1
〜R4の任意の2つが共働して環を形成するか、R5〜R
7の任意の2つが共働して環を形成する。]本発明の高
分子誘導体化合物は、親水性を示す水酸基、カルボキシ
ル基およびアミノ基より選ばれる官能基を含有すること
により、成形基板の表面層に不可侵である溶剤、代表的
には水、またはアルコール系溶剤などに対して可溶とな
る。また、成膜可能な上記高分子組成物、およびこれら
の高分子組成物の溶剤系に可溶である。
【0033】この高分子誘導体化合物は、その水酸基、
カルボキシル基またはアミノ基が、金属含有誘導体化合
物と脱アルコール縮合または水素結合形成をすることに
よって架橋反応作用を起こす。さらに、放射線重合(紫
外線硬化重合または可視硬化重合など)または熱重合反
応により、末端反応基である(メタ)アクリロイル基を
重合させる。好ましくは、光反応により、末端反応基同
士を先ず反応させる方が好ましい。
【0034】次いで、80〜160℃に加熱し、式1お
よび式2からなる金属含有誘導体化合物によりさらに架
橋反応させる。好ましくは、架橋反応は、100℃以上
で成形基板のTg以下の温度で、成形基板に悪影響を及
ぼさないように行われればよい。こうすることによっ
て、膜の特性が優れるとともに成形基板と、後工程にお
けるスパッタなどにより形成される磁性膜に代表される
無機物よりなる膜との密着性が向上する。また、高分子
誘導体化合物の水酸基、カルボキシル基、またはアミノ
基と、金属含有誘導体化合物(式1および式2)である
金属アルコキシド、フェノキシド、アシレート、キレー
ト化合物との脱アルコール縮合反応による架橋反応を併
用することにより、光学的、化学的、物理的、機械的か
つ後工程に耐える優れた有機・無機ハイブリッド薄膜2
を得ることができる。
【0035】上記水酸基、カルボキシル基、またはアミ
ノ基を有するモノマー成分としては、ビニルアルコー
ル、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、(ポ
リ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの
多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル、フマ
ール酸、マレイン酸、エステルなどの重合物、ビスフェ
ノールAタイプまたはノボラックタイプからなるエポキ
シ系樹脂などが挙げられる。
【0036】以下に、本発明に使用可能な活性な官能基
を有し、かつ末端に(メタ)アクリロイル基を有した放
射線および/または熱重合可能な化合物の一例を示す。
[単官能化合物] ・2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート ・2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート ・ε−カプロラクトン−β−ヒドロキシエチルアクリレ
ート ・ポリカプロラクトンアクリレート ・N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド ・商品名「東亜合成(株)製」アロニックスシリーズ M−5300、5400、5600、5700など [2官能化合物] ・ポリウレタンジアクリレート 商品名:M−215(東亜合成(株)製) ・ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型エポキシジ
アクリレート ・ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレー
ト ・脂環型エポキシジアクリレート ・エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)
アクリレート ・ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルジア
クリレート ・フタル酸ジグリシジルエステルジアクリレート ・末端水酸基含有ポリブタジエンエポキシ付加物 ・(ブロム化)ビスフェノールA型のエポキシジアクリ
レート及びノボラック型のポリマー 商品名:リポキシシリーズ(昭和高分子(株))など [3官能以上の化合物] ・ペンタエリスリトールトリアクリレート ・トリメチロールプロパン・プロピレンオキサイド付加
物トリアクリレート ・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート ・グリセロールポリグリシジルエーテルポリアクリレー
ト ・商品名:カラヤッドPET−30、PET−1040
(日本化薬(株)製)および「ビームセットEM−90
(荒川化学(株)製)などが挙げられるが、これらの化
合物に限定されるものではない。
【0037】これらの化合物は単独もしくは混合して使
用可能であり、混合した方が一般に膜特性として良好で
ある。さらに他のモノマー、オリゴマーなどとも併用し
てもよい。また、これらを重合または共重合化し、末端
に反応基である(メタ)アクリロイル基を有するオリゴ
マー、ないしはポリマーとして用いてもよい。
【0038】従来の放射線重合型の極性モノマーは基板
の表面を侵すことがあった。しかし、本発明では官能基
(水酸基、カルボキシル基、およびアミノ基から選択さ
れる官能基)が導入されることで、基板表面を侵食した
りする化学的影響は少なくなる。
【0039】さらに、放射線重合性樹脂としては、カチ
オン重合型の水酸基含有エポキシ樹脂やチオール化合物
も有効である。
【0040】上述の高分子誘導体化合物を含む高分子組
成物は、有機・無機ハイブリッド組成物の重量を基にし
て、40〜99重量%、好ましくは50〜95重量%含
有している。さらに、該高分子誘導体化合物は、高分子
組成物中に80重量%以上、好ましくは85〜95含有
されている。
【0041】該高分子誘導体化合物中に20重量%以上
の水酸基、カルボキシル基、およびアミノ基の官能基を
含む場合、これら高分子組成物は成形基板1を侵さない
水、アルコール系の溶剤または混合溶剤などに容易に溶
解し、容易に塗布ができ良好な成膜性を示す。しかし、
多すぎると、上記親水性官能基が残基として多く残り、
金属含有誘導体化合物で架橋させても、なお残基として
過剰となる。そして、有機・無機ハイブリッド薄膜層2
の親水性が増し、耐性などに悪影響を及ぼす。
【0042】また、逆に高分子誘導体化合物の水酸基、
カルボキシル基、およびアミノ基が2重量%以下の場合
は、有機・無機ハイブリッド組成物は成形基板の表面に
影響しない溶剤系に対する溶解性が極めて低下する。さ
らに金属アルコキシド、フェノキシド、アシレート、ま
たはキレート化合物と、高分子誘導体化合物の官能基と
の架橋効果が低減してしまう。よって放射線架橋剤と併
せても所定の保護膜特性が得られない。
【0043】次に、架橋剤として作用する金属含有誘導
体化合物である金属アルコキシド、フェノキシド、アシ
レートまたはキレート化合物について説明する。
【0044】金属含有誘導体化合物の中心金属として
は、Al、Ti、Si、Zr、In、Zn、Ni、およ
びCuなどが挙げられる。これらはいずれも従来法によ
り容易にアルコキシド、フェノキシド、またはキレート
化することができる。これらの化合物は、水分や高分子
中に活性水素原子を有する基、特に水酸基やカルボキシ
ル基、またはアミノ基とエステル交換による縮合化をし
て架橋形成を行うことができる。特に金属アルコキシド
は激しい加水分解性を示し、置換アルキル、アリール基
の炭素数が大きくなるに従い反応速度は遅くなり、te
rt−>sec−>n−の順に変化する。また、フェノ
キシドは一般にアルコキシドより反応速度は遅くなる。
更に、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、マロン酸
ジエチルなどのジケトン、ケトエステルなどによりキレ
ート化合物を形成することで、その反応性を制御でき
る。
【0045】上記高分子誘導体化合物の架橋剤としては
上述のいずれの金属アルコキシド、フェノキシド、アシ
レート、キレート化合物も適するが、特に好適なものと
しては、金属アルコキシド、フェノキシド等では金属が
Ti、Al、Zr、Cuであり、炭素数n=2〜6が好
ましく、またはその複合化合物系でもよい。また、キレ
ート化合物としてはジイソプロポキシチタンビス(アセ
チルアセトネート)またはSi、Zrの同キレート、ジ
ノルマルブトキシチタンビス(エチルアセトアセテー
ト)またはInの同キレートなどが挙げられる。
【0046】金属アルコキシド、フェノキシドまたはキ
レート化合物である金属含有誘導体化合物は、有機・無
機ハイブリッド組成物中に1〜60重量%含まれてい
る。金属含有誘導体化合物が多くなると基板1の表面上
でクラックが発生したりする。また少ないと架橋密度が
低下し、且つ膜の耐性が低下する。
【0047】有機・無機ハイブリッド薄膜層2を形成す
る工程はまず、前述した高分子誘導体化合物を有する高
分子組成物と、金属含有誘導体化合物とを溶剤に加え、
基体1に塗布する。この溶剤としては、成形基板の表面
を侵食しない、水またはアルコール系(例えば、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、nまたはイソブタノー
ルなど)またはこれらの混合溶剤を用いる。この溶剤に
前述の混合物を目的の膜厚と平滑性を得る為に濃度をコ
ントロールして溶解させる。
【0048】塗布方法としてはスピンコート法、ロール
コート法、ディッピング法などを単独でまたは併用して
使用することもできる。こうして均一、かつ高平坦な膜
が得られる。
【0049】その後、放射線照射(電子線硬化、紫外線
硬化または可視硬化など)または熱硬化により末端に
(メタ)アクリロイル基を有した高分子誘導体化合物
に、重合反応を起こさせる。好ましい方法は照射量を制
御した紫外線硬化が好ましい。
【0050】ここで、該高分子誘導体化合物の重合を開
始させるには、光などにより直接励起する方法と、間接
的に重合開始剤を使用してフリーラジカルを発生する方
法がある。本発明はどちらの方法も有効であるが、重合
開始剤を添加する方法を用いた方が膜特性がより安定と
なる。
【0051】重合開始剤としては、カルボニル化合物に
代表される分解型を始め、水素引き抜き型、開環型、イ
オン型などがある。更に、促進剤を併用して反応性を上
げることもでき、これらを複合化して反応性をコントロ
ールでき、適正に組み合わせて使用することができる。
開始剤の濃度は高分子誘導体化合物に対して約7%以下
が望ましく、有効である。
【0052】開始剤の例を商品名で具体的に挙げると、 チバガイキー社(株)製:イルガーキュアー184、6
51、1173、500、1000、907、369、
1700など 日本化薬社(株)製:CTX.DETX-S.BP-100.BMS.2-EAQ.DM
BIなど 精工化学(株)製:セイクオールZ.BZ.BEE.BIP.BIなど 多くの組み合わせが可能であり、上記化合物に限定され
ない。
【0053】高分子誘導体化合物の重合後、高分子誘導
体化合物の官能基(水酸基、カルボキシル基、またはア
ミノ基)と金属含有誘導体化合物などと80〜160
℃、好ましくは90〜150℃の熱を加えることによ
り、架橋反応を行う。得られる膜厚0.1〜1.5μ
m、好ましくは0.3〜1.3μmで平均表面粗さが1
nm以下の平滑性な薄膜である。表面粗さは小さければ
小さい方が良く、1nm以上になるとヘッドとの衝突が
起こるなど好ましくない。
【0054】このようにして得られた有機・無機ハイブ
リッド薄膜層2は、ガラス転移温度が130℃以上の膜
であり、更に化学的、物理的、機械的強度に優れた薄膜
である。また、ガスバリア性に優れた有機・無機ハイブ
リッド組成物からなる有機・無機ハイブリッド薄膜層2
を作成することによって、上記課題を解決することが可
能となる。
【0055】さらに、上述したように、有機・無機ハイ
ブリッド薄膜層2を形成する際に、成形基板1を侵食す
る悪影響を与えることなく、上記特性を有する薄膜を得
ることができる。
【0056】また、基板上にスピンコート法、ディッピ
ング法、ロールコート法など通常の方法で形成でき、反
応は光反応に代表される放射線反応、または約105℃
の熱反応により行うことができることから基板に影響な
く、簡便に薄膜形成できる。
【0057】このようにして成膜された有機・無機ハイ
ブリッド薄膜層2の上に、図1に示すように、磁性層
3、次いで保護層4を設ける。このとき、図2に示すよ
うに磁性層3を設ける前に、有機・無機ハイブリッド薄
膜層2の上に下地層5を設け、次いで磁性層3、保護層
4を設けることもできる。
【0058】ここで、磁性層3としては、一般に用いら
れているようなCo合金系の磁性層が用いられ、保護層
の材料としては例えばカーボンが用いられる。下地層と
してはCrまたはCr合金から形成されるものが挙げら
れる。
【0059】上述したように、本発明にもとづく有機化
合物である基板1と、無機物からなる薄膜である磁性層
3または下地層5との間に形成された有機・無機ハイブ
リッド薄膜層2は、以下のような利点を有し、熱可塑性
樹脂からなる基板の化学的、物理的、および機械的特性
を向上させることができる。 有機・無機ハイブリッド薄膜層は、熱可塑性樹脂から
なる基板の熱膨張・収縮率と、磁性層に代表される無機
物よりなる薄膜の熱膨張・収縮率との中間の熱膨張・収
縮率を有し、かつ有機・無機ハイブリッド薄膜層を介し
て基板と無機物よりなる薄膜とが密着し易くなる。した
がって、基板と有機・無機ハイブリッド薄膜層との界
面、および有機・無機ハイブリッド薄膜層と無機物から
なる薄膜との界面での層間剥離やクラックの発生がな
く、磁気ディスク媒体の耐久性が向上する。 熱可塑性樹脂からなる基板表面の耐熱性が向上するこ
とから、磁性層形成などの後工程の乾式プロセスによる
基板表面へのダメージを防ぐことができる。 熱可塑性樹脂からなる基板の吸湿性・発ガス防止性お
よび耐溶剤性・硬度が向上する。 熱可塑性樹脂からなる基板の帯電性を低減できる。
【0060】また、図1および図2には基板1の片面に
有機・無機ハイブリッド薄膜層2および磁性層3などを
積層した部分を記載したが、もう一方の面に同様に各層
を設けても設けなくてもよい。
【0061】以下、実施例に基づき本発明を説明する。
【0062】
【実施例】[実施例1]ポリオレフィン系樹脂(日本ゼ
オン社製:zeonex 280R)を射出成形機(日精樹脂社
製:MO40D3H)を用いて基板厚1.3mmの磁気
ディスク用の基板1を射出成形した。
【0063】得られた基板1の両面に本発明の有機・無
機ハイブリッド組成物からなる有機・無機ハイブリッド
薄膜層2を設けた。有機・無機ハイブリッド組成物は、
以下に示す組成を有した。 高分子組成物 グリセロールポリグリシジルエーテルポリアクリレート 35wt% (ナガセ化成(株)製 デナコールDA−314) ペンタエリスリトールトリアクリレート 10wt% (東亜合成(株)製 アロニックスM−305) DPHA(日本化薬(株) KAYARADDPHA) 10wt% 2−ヒドロ−2−フェノキシプロピルアクリレート 10wt% (東亜化成(株)製 アロニックスM−5700) 金属含有誘導体化合物 テトラ−i−プロポキシチタン TPT(日本曹達(株)製) 32wt% 重合開始剤 イルガーキュアー651(チバガイキー(株)製) 1wt% セイカオール BBI(精工化学(株)製) 1wt% 以上の有機・無機ハイブリッド組成物を、イソプロピル
アルコール70wt%と水30wt%の混合溶剤で固形
分30wt%に希釈し、スピンコート法により、基板1
の両面に0.8μmになるように混合液と成膜条件を調
整して、均一な膜形成した。次いで、高圧水銀灯を用い
て500mJ/cm2のエネルギーで照射し、更に10
5℃の真空オープンで30分間にわたって加熱乾燥し
て、硬化させて有機・無機ハイブリッド薄膜層2を得
た。
【0064】基板1の両面に得られた有機・無機ハイブ
リッド薄膜層2の上にそれぞれ図1に示すように、記録
層3としてCo系磁性層20nm、保護層4としてカー
ボン保護層10nmを連続スパッタ法で成膜して磁気デ
ィスクを得た。
【0065】[実施例2]基板材料として、ポリカーボ
ネート樹脂(帝人化成社製:パンライトAD5503)
を用いること以外は実施例1と同様の方法で磁気ディス
ク用基板1を成形した。
【0066】得られた基板1の両面に本発明の有機・無
機ハイブリッド組成物からなる有機・無機ハイブリッド
薄膜層2を設けた。有機・無機ハイブリッド組成物は、
以下に示す組成を有した。 高分子組成物 グリセロールポリグリシジルエーテルポリアクリレート 25wt% (ナガセ化成(株)製 デナコールDA−314) イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート 20wt% (東亜合成(株)製 アロニックスM−215) ネオペンチルグリコールジアクリレート 5wt% (東亜合成(株)製 アロニックスM−305) 2−ヒドロ−2−フェノキシプロピルアクリレート 7wt% (東亜化成(株)製 アロニックスM−215) 金属含有誘導体化合物 チタンテトラノルマルブトキシド TBT「日本曹達(株)製」 40wt% 重合開始剤 イルガーキュアー1174「チバガイキー(株)製」 1.8wt% セイカオール BBI「精工化学(株)製 1.2wt% 以上の有機・無機ハイブリッド組成物を、イソプロピル
アルコール65wt%と水35wt%の混合溶剤で固形
分30wt%に希釈し、スピンコート法により、基板の
両面に0.9μmになるように混合液と成膜条件を調整
して、均一な膜形成した。次いで、高圧水銀などを用い
て500mJ/cm2のエネルギーで照射し、その後1
05℃の真空オープンで30分間にわたって加熱乾燥し
て、硬化させて有機・無機ハイブリッド薄膜層2を得
た。
【0067】基板1の両面に得られた有機・無機ハイブ
リッド薄膜層2の上にそれぞれ図2に示すように、下地
層5としてCr層50nm、記録層3としてCo系磁性
層20nm、保護層4としてカーボン保護層10nmを
連続スパッタ法で成膜して磁気ディスクを得た。
【0068】[実施例3]ポリオレフィン系樹脂(日本
ゼオン社製:zeonex 280R)を用いて実施例1と同様の
方法で磁気ディスク用基板1を成形した。
【0069】得られた基板1の両面に本発明の有機・無
機ハイブリッド組成物からなる有機・無機ハイブリッド
薄膜層2を設けた。有機・無機ハイブリッド組成物は、
以下に示す組成を有した。 高分子組成物 グリセロールポリグリシジルエーテルポリアクリレート 35wt% (ナガセ化成(株)製 デナコールDA−314) ペンタエリスリトールトリアクリレート 10wt% (東亜合成(株)製 アロニックスM−305) DPHA(日本化薬(株) KAYARADDPHA) 10wt% 2−ヒドロ−2−フェノキシプロピルアクリレート 10wt% (東亜化成(株)製 アロニックスM−5700) 金属含有誘導体化合物 テトラ−i−プロポキシチタン TPT(日本曹達(株)製) 32wt% 重合開始剤 イルガーキュアー651(チバガイキー(株)製) 1wt% セイカオール BBI(精工化学(株)製) 1wt% 以上の有機・無機ハイブリッド組成物を、イソプロピル
アルコール70wt%と水30wt%の混合溶剤で固形
分30wt%に希釈し、スピンコート法により、基板1
の両面に0.8μmになるように混合液と成膜条件を調
整して、均一な膜形成した。次いで、高圧水銀灯を用い
て500mJ/cm2のエネルギーで照射し、更に10
5℃の真空オープンで30分間にわたって加熱乾燥し
て、硬化させて有機・無機ハイブリッド薄膜層2を得
た。
【0070】基板1の両面に得られた有機・無機ハイブ
リッド薄膜層2の上にそれぞれ実施例2と同様に下地層
5、記録層3、および保護層4を形成し、磁気ディスク
を得た。
【0071】[実施例4]基板材料としてポリエーテル
イミド系樹脂(GE社製:商品名ウルテム)を用いるこ
と以外は実施例1と同様の方法で磁気ディスク用基板1
を成形した。
【0072】得られた基板1の両面に本発明の有機・無
機ハイブリッド組成物からなる有機・無機ハイブリッド
薄膜層2を設けた。有機・無機ハイブリッド組成物は、
以下に示す組成を有した。 高分子組成物 イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート 35wt% (東亜合成(株)製 アロニックスM−215) オリゴエステルポリアクリレート 15wt% (東亜合成(株)製 アロニックスM−8030) プタル酸エポキシアクリレート 15wt% (ナガセ化成(株)製 デナコールDA−721) 金属含有誘導体化合物 ジルコンテトライソプロポキド化合物 32wt% 重合開始剤 イルガーキュアー1174(チバガイキー(株)製) 1wt% セイクオール BBI(精工化学(株)製) 1wt% KAYACURE2−EAQ (日本化薬(株)製) 1wt% 以上の有機・無機ハイブリッド組成物を、イソプロピル
アルコール70wt%と水30wt%の混合溶剤で固形
分30wt%に希釈し、スピンコート法により、基板1
の両面に0.8μmになるように混合液と成膜条件を調
整して、均一な膜形成した。次いで、高圧水銀灯を用い
て500mJ/cm2のエネルギーで照射し、更に12
0℃のオープンで30分間にわたって加熱乾燥して、硬
化させて有機・無機ハイブリッド薄膜層2を得た。
【0073】基板1の両面に得られた有機・無機ハイブ
リッド薄膜層2の上にそれぞれ実施例2と同様に下地層
5、記録層3、および保護層4を形成し、磁気ディスク
を得た。
【0074】[比較例1]実施例2で得た成形基板1に
本発明の有機・無機ハイブリッド薄膜層2を形成しない
で、直接下地層5としてCr層を設ける以外は実施例2
と同様にしてスパッタ法にて各層を成膜して、磁気ディ
スクを得た。
【0075】[比較例2]実施例3で得た成形基板1に
本発明の有機・無機ハイブリッド薄膜層2を形成しない
で、直接下地層5としてCr層を設ける以外は実施例3
と同様にしてスパッタ法にて各層を成膜して、磁気ディ
スクを得た。
【0076】[評価法]上記実施例1〜4、および比較
例1〜2で得られた磁気ディスク媒体について、以下の
ような評価を行った。平滑性 原子間力顕微鏡(AFM)(セイコー電子社製)を用い
て得られた磁気ディスク媒体の表面を観察した。後工程による影響 得られた磁気ディスク媒体の表面を光学顕微鏡を用いて
観察した。密着性 碁盤目セロテープ剥離試験 五段階評価法(○、○〜△、△、△〜×、×)耐久性 得られた磁気ディスク媒体を80℃および湿度80%の
条件下に30時間にわたって置き、その後、磁気ディス
ク媒体の表面を観察した。
【0077】評価結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、成形基板と磁性層との
間に有機・無機ハイブリッド材料からなる薄膜層を設け
ることにより、成形基板の表面が改質され、耐熱性が向
上し、後工程(磁性層など)の成膜時におけるクラック
の発生が防げた。また基板と無機薄膜との相互間の密着
性がよくなることで機械的強度が増し、耐久性が向上し
た。更に吸湿性・発ガス防止効果が見られることで高信
頼性な磁気ディスクおよびその製造方法を得ることがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく磁気ディスク媒体の断面図であ
る。
【図2】本発明にもとづく磁気ディスク媒体であり、下
地層を設ける場合の磁気ディスク媒体の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 有機・無機ハイブリッド薄膜層 3 磁性層 4 保護層 5 下地層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 G11B 5/84 G11B 5/84 Z Fターム(参考) 4J002 BE021 BG011 BG071 BH021 CD181 CD191 CK051 EC076 EE046 EG046 EJ076 FD146 GS01 4J011 AA05 AC04 PA25 PA29 PA33 PA49 PB30 PC02 PC08 QA06 QA07 QA08 QA14 QA15 QA22 QA23 QA24 QB19 QB20 QB24 SA00 UA01 UA03 UA08 VA01 WA02 WA10 5D006 CA01 CA05 CA06 CB01 DA03 5D112 AA02 AA03 AA05 AA11 AA24 BA01 BA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる基板と、磁性層と
    を備えた磁気ディスク媒体であって、該磁気ディスク媒
    体は前記基板と前記磁性層との間に有機・無機ハイブリ
    ッド薄膜層を有し、 前記有機・無機ハイブリッド薄膜層は、高分子誘導体化
    合物を含有する高分子組成物と金属含有誘導体化合物と
    を含む、有機・無機ハイブリッド組成物から形成され、 前記高分子誘導体化合物は、水酸基、カルボキシル基お
    よびアミノ基から選択される官能基を含有し、末端に
    (メタ)アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー
    またはポリマー成分を主成分としており、 前記金属含有誘導体化合物は、Al、Ti、Zr、S
    i、In、Zn、Ni、およびCuよりなる群から選択
    される金属を中心金属とするアルコキシド、フェノキシ
    ド、アシレート、またはキレート化合物であることを特
    徴とする磁気ディスク媒体。
  2. 【請求項2】 前記金属含有誘導体化合物は、式1また
    は式2で表されることを特徴とする請求項1に記載の磁
    気ディスク媒体。 【化1】 [式中、MはAl、Ti、Zr、Si、In、Zr、N
    i、またはCuを表し、R1〜R7は、炭素数1〜18の
    アルキル基、アリール基またはアシル基であるか、R1
    〜R4の任意の2つが共働して環を形成するか、R5〜R
    7の任意の2つが共働して環を形成する。]
  3. 【請求項3】 前記高分子誘導体化合物は前記高分子組
    成物に対して80重量%以上含有され、および前記高分
    子組成物は前記有機・無機ハイブリッド組成物に対して
    40〜99重量%含有されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の磁気ディスク媒体。
  4. 【請求項4】 前記金属含有誘導体化合物は、前記有機
    ・無機ハイブリッド組成物に対して1〜60重量%含有
    されていることを特徴とする請求項1から請求項3のい
    ずれか一項に記載の磁気ディスク媒体。
  5. 【請求項5】 前記有機・無機ハイブリッド薄膜層は、
    耐熱度が130℃以上であり、膜厚が0.1μm〜1.
    5μmであり、表面粗さが1nm以下であることを特徴
    とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気ディス
    ク媒体。
  6. 【請求項6】 前記有機・無機ハイブリッド薄膜層と前
    記磁性層との間に無機物からなる薄膜である下地層を設
    けることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に
    記載の磁気ディスク媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の磁気ディスク媒体の製
    造方法であって、 熱可塑性樹脂から成形によって基板を得る工程と、 前記基板上に請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド
    組成物と溶剤との混合溶液を塗布し、放射線および熱の
    少なくとも一方を用いた重合反応および熱を用いた架橋
    反応を行うことにより有機・無機ハイブリッド薄膜層を
    設ける工程と、 前記有機・無機ハイブリッド薄膜層の上に磁性層を設け
    る工程と、を備えることを特徴とする磁気ディスク媒体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の磁気ディスク媒体の製
    造方法であって、 熱可塑性樹脂から成形によって基板を得る工程と、 前記基板上に請求項1に記載の有機・無機ハイブリッド
    組成物と溶剤との混合溶液を塗布し、放射線および熱の
    少なくとも一方を用いた重合反応および熱を用いた架橋
    反応を行うことにより有機・無機ハイブリッド薄膜層を
    設ける工程と、 前記有機・無機ハイブリッド薄膜層の上に無機物からな
    る薄膜である下地層を設ける工程と、 前記下地層の上に磁性層を設ける工程と、を備えること
    を特徴とする磁気ディスク媒体の製造方法。
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