JP2001110453A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP2001110453A
JP2001110453A JP28311699A JP28311699A JP2001110453A JP 2001110453 A JP2001110453 A JP 2001110453A JP 28311699 A JP28311699 A JP 28311699A JP 28311699 A JP28311699 A JP 28311699A JP 2001110453 A JP2001110453 A JP 2001110453A
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positive electrode
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Yoshito Inoue
嘉人 井上
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Sony Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電容量が損なわれずに高率放電時の容量低
下が小さくかつ出力特性に優れて携帯型電子機器等の電
源として好適に用いられる。 【解決手段】 帯状の正極集電体32に正極活物質層3
3を形成するとともに正極活物質の未塗布領域34に正
極集電タブ35を設けてなる正極材30と、帯状の負極
集電体36に負極活物質層37を形成するとともにこの
負極活物質層37を挟んだ負極活物質の未塗布領域38
a、38bにそれぞれ負極集電タブ39a、39bを設
けてなる負極材31とを備える。正極集電タブ35は、
正極材30と負極材31とをセパレータ7を介して重ね
合わせた状態において、負極集電タブ39a、39bか
らそれぞれ等間隔の略中間に位置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池等の非水電解液二次電池に関し、さらに詳しくは
正極及び負極の集電構造に関する。
【0002】
【従来の技術】電池は、各種の携帯型電子機器等の電源
として用いられており、特に繰り返し充電が可能である
二次電池の需要が大きい。二次電池としては、従来、鉛
電池やニッケルカドミウム蓄電池等の水溶液系二次電池
が用いられていた。携帯型電子機器、例えばラップトッ
プ型コンピュータやワードプロセッサ等の携帯型情報処
理機器、或いはカメラ一体型ビデオテープレコーダや液
晶テレビジョン受像機等の映像機器、携帯電話機等の移
動体通信機器等においては、より小型軽量化或いは多機
能化と、長時間使用の要求が大きく、これらの要求を実
現する高エネルギー密度の二次電池が求められている。
しかしながら、上述した水溶液系二次電池は、かかる携
帯型電子機器等の要求仕様に対応することができなかっ
た。
【0003】このために、新たな二次電池として、ニッ
ケル−水素蓄電池やリチウムイオン二次電池等の非水電
解液二次電池が注目されている。例えば、リチウムイオ
ン二次電池は、リチウムをドープ/脱ドープ可能とする
炭素系材料からなる負極活性物質によって負極を構成
し、リチウムコバルト酸化物やリチウムニッケル酸化物
等のリチウムを含む遷移金属酸化物材料からなる正極活
性物質によって正極を構成する。リチウムイオン二次電
池は、負極と正極との設計容量を最適化することによっ
て、従来のリチウム金属を用いたリチウム電池に生じる
リチウムデンドライトの生成が抑制される。したがっ
て、リチウムイオン二次電池は、クリーンで高エネルギ
ー密度を有するとともに、サイクル特性、安全性に優れ
かつ低温特性や負荷特性、急速充電性に優れるといった
種々の特徴を有している。
【0004】リチウムイオン二次電池は、かかる特性か
ら上述した各種の携帯型電子機器等の電源として好適に
用いられている。また、リチウムイオン二次電池は、携
帯型電子機器ばかりでなく、例えば電動工具や電動自転
車等のように高出力を必要とする機器類にも使用される
ようになっている。
【0005】リチウムイオン二次電池は、一般に上述し
た負極材と正極材とをセパレータを介して重ね合わせ、
これを渦巻き状に巻回した電極を円筒容器内に装填した
円筒型電池として提供されている。また、リチウムイオ
ン二次電池は、上述した負極材と正極材とをセパレータ
を介して重ね合わせて、これをつづら折りした短冊状電
極を扁平容器内に装填した扁平型電池として提供されて
いる。リチウムイオン二次電池は、負極材に設けられた
負極集電タブを電池缶に接続するとともに正極材に設け
た正極集電タブを正極端子に接続して電気エネルギーの
取り出しを行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リチウムイ
オン二次電池においては、上述したように負極材と正極
材との端部に、それぞれ負極集電タブと正極集電タブと
が1個ずつ設けられた構造であった。リチウムイオン二
次電池においては、各集電体における抵抗が、負極集電
タブと正極集電タブとの相対する距離に比例することか
ら、これら集電タブの付近では電池反応性が高いが集電
タブから離れるにしたがって電池反応性が低下する。し
たがって、リチウムイオン二次電池においては、電池反
応性が要求される高率放電時の電池容量が低下し、高出
力化が困難となるといった問題があった。
【0007】このため、特開平10−261439号
「リチウム二次電池」公報には、上述した問題点を解消
するリチウム二次電池が開示されている。この先願リチ
ウム二次電池は、長さ1m以上の帯状の正極集電体の両
面に正極活物質層が形成された正極材と、やや長尺の帯
状負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極材
とがセパレータを介して巻回される。先願リチウム二次
電池は、正極集電体に一定間隔で非正極活物質層を複数
箇所に形成してそれぞれに正極集電タブを設けるととも
に、負極集電体の正極材と対向しない両端位置にそれぞ
れ負極集電タブを設けてなる。先願リチウム二次電池に
よれば、かかる構成によって電位分布が均一となり、電
池の内部抵抗が小さくなることで電池容量が増大し、か
つ抵抗発熱が抑制されて電池性能の向上が図られるとの
ことである。
【0008】しかしながら、かかる先願リチウム二次電
池においては、負極集電タブと正極集電タブとの間隔が
それぞれ狭められることによって各集電体における抵抗
値が低減されるが、2個の正極集電タブ間からの集電が
得られないことから効率が劣化して大きな電池容量を得
られないといった問題がある。先願リチウム二次電池
は、このために電極材が1m以上の長さを有するような
限定的な大型電池においてのみ上述した作用を有すると
いっても過言では無く、上述した各種の携帯型電子機器
等のような小型の機器の電源として好適に用い得ないも
のであった。
【0009】したがって、本発明は、放電容量が損なわ
れずに高率放電時の容量低下が小さくかつ出力特性に優
れて携帯型電子機器等の電源として好適に用いられる非
水電解液二次電池を提供することを目的に提案されたも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明にかかる非水電解液二次電池は、帯状の正極集電
体に正極活物質を塗布した塗布層を形成するとともに正
極活物質の未塗布領域に正極集電タブを設けてなる正極
材と、帯状の負極集電体に負極活物質を塗布した塗布層
を形成するとともにこの塗布層を挟んだ負極活物質の未
塗布領域にそれぞれ負極集電タブを設けてなる負極材と
を備える。非水電解液二次電池は、正極集電タブが、正
極材と負極材とをセパレータを介して重ね合わせた状態
において負極集電タブから等間隔の略中間に位置されて
なる。
【0011】以上のように構成された本発明にかかる非
水電解液二次電池によれば、正極集電タブと負極集電タ
ブとの間隔が狭められることから、内部抵抗値が低減さ
れて放電容量の損失が低減されるようになる。非水電解
液二次電池は、これによって高率放電時の容量低下が抑
制されて高出力特性の向上が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として
示すリチウムイオン二次電池1は、図1に示すように有
底円筒状に形成されるとともに負極端子を構成する電池
缶2の開口部3を正極端子構体4によってかしめ封口し
てなる。リチウムイオン二次電池1は、電池缶2の内部
に正極材5と負極材6とセパレータ7とからなる発電体
を収納するとともに、非水電解液8を注入してなる。
【0013】正極材5は、アルミニウム箔等からなる帯
状の正極集電体9と、この正極集電体9の両面に正極活
物質合剤が塗布されて形成された正極活物質層10とか
らなる。正極活物質には、例えばTiS2、MoS2、N
bSe2、V25等のリチウムを含有しない金属硫化物
や酸化物、或いはLixMO2(式中、Mは一種以上の遷
移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、
通常0.05以上1.10以下である。)を主体とする
リチウム複合酸化物等が用いられる。遷移金属Mには、
例えばコバルト、ニッケル、マンガンが用いられ、具体
的には、LiCoO2、LiNiO2、LiNiyCo1-y
2(0<y<1)、LiMn24が用いられる。正極
活物質10は、これら材料にカーボン等の導電材とバイ
ンダ及び溶剤とが混合され、正極集電体9の両面に均一
に塗布される。勿論、正極活物質は、これら材料を単体
で用いるばかりでなく、複数を混合して用いてもよい。
【0014】正極活物質は、例えばバインダとしてポリ
フッ化ビニリデン(PVdF)が、溶媒としてn−メチ
ルピロドリン(NMP)が用いられる。正極活物質は、
これらの材料を混合してスラリー状とし、例えばドクタ
ーブレード法等によって正極集電体9の主面上に均一に
塗布される。正極活物質は、高温乾燥処理が施されるこ
とによってNMPが飛ばされ、さらにロールプレス処理
が施されることによって高密度化が図られて正極集電体
9に成膜形成される。
【0015】正極材5には、詳細を後述するように正極
集電体9の長さ方向の略中央部に正極活物質層10が形
成されていない領域が構成され、この未塗布領域10a
に正極集電タブ11が接合されている。正極集電タブ1
1は、例えばアルミニウムやニッケルによって形成さ
れ、図1に示すように正極材5から引き出されて水平方
向に対して略U字状に折曲される。正極集電タブ11
は、後述するように正極材5等が電極缶2の内部に装填
された状態において、電極缶2の開口部3の略中央部に
延在位置する。
【0016】負極材6は、銅箔からなる帯状の負極集電
体12と、この負極集電体12の両面に負極活物質合剤
が塗布されて形成された負極活物質層13とからなる。
負極活物質は、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能
な材料、例えばグラファイトや難黒鉛化炭素或いは易黒
鉛化炭素等の炭素材料が用いられる。負極活物質は、こ
れら炭素材料に対して、例えばバインダとしてPVdF
が、溶媒としてNMPが加えられてスラリー状化したも
のが、例えばドクターブレード法等によって負極集電体
12の主面上に均一に塗布される。負極活物質層13
は、高温乾燥処理が施されることによってNMPが飛ば
され、さらにロールプレス処理が施されることによって
高密度化が図られて負極集電体12に成膜形成される。
なお、負極活物質には、その素材として炭素材料の他に
も、ポリアセチレン、ポリプロピレン等の高分子材料や
SnO2等の酸化物も用いられる。
【0017】負極材6には、詳細を後述するように正極
材5と巻回された状態において最外周部と最外周部とな
る負極集電体12の両端部に負極活物質層13が形成さ
れない領域が構成され、これら未塗布領域12a、12
bにそれぞれ負極集電タブ14(14a、14b)が接
合されている。負極集電タブ14は、例えば銅やニッケ
ルによって形成されている。負極集電タブ14は、詳細
を省略するが、先端部がL字状に折曲されている。
【0018】セパレータ7は、リチウムイオンを通過さ
せる微多孔性質の帯状合成樹脂、例えばポリプロピレン
フィルムやポリエチレンによって形成される。セパレー
タ7は、正極材5や負極材6よりもやや幅広とされ、後
述するようにこれら正極材5と負極材6との間に挟み込
まれて巻回されることによってこれらを絶縁する。
【0019】非水電解液8は、溶媒に所定の濃度で電解
質を溶解してなる。溶媒には、例えば炭酸プロピレン、
炭酸エチレン或いは炭酸ブチレン等の環状カーボネート
や、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル或
いは炭酸ジプロピル等の鎖状カーボネートや、ジメトキ
シエタン、ジエトキシエタン、ジエトキシプロパン、ジ
オキソラン或いはジオキサン等のエーテル化合物が用い
られる。また、溶媒には、γブチルラクトン或いはσヘ
キシルラクトン等の環状エステル類や、スルホラン或い
はジメチルスルホラン等の有機イオウ化合物が用いられ
る。さらに、溶媒には、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、ぎ酸
プロピル、酢酸エステル化合物、プロピオン酸エステル
化合物等が用いられる。溶媒は、これらを単独で或いは
適宜混合して用いられる。電解質には、六フッ化燐酸リ
チウム、六フッ化砒酸リチウム、六フッ化アンチモン酸
リチウム、四フッ化珊酸リチウム、三フッ化メタンスル
ホン酸リチウム或いは三フッ化酢酸リチウム等が用いら
れる。
【0020】リチウムイオン二次電池1は、上述した正
極材5と負極材6とをセパレータ7を介して重ね合わせ
て発電体を構成し、この発電体を電池缶2の形状に合わ
せてコア材25の外周部に渦巻状に巻回したりつづら折
りする。コア材25には、ポリプロピレンフィルムやエ
チレンフィルム或いは他のポリオレフィン系高分子樹脂
フィルムが用いられる。コア材25は、その幅が正極材
5や負極材6とほぼ同等とされる。
【0021】リチウムイオン二次電池1は、上述した発
電体をポリプロピレン等の絶縁樹脂によって成形された
上下一対のインシュレータ15(15a、15b)を介
して電池缶2の内部に装填する。リチウムイオン二次電
池1は、図1に示すように正極材5の正極集電タブ11
の先端が電極缶2の開口部3の略中央部に延在位置され
るとともに、負極材6の負極集電タブ14がそれぞれ電
極缶2の底面と接続される。
【0022】リチウムイオン二次電池1においては、発
電体を装填した電池缶2内に非水電解液8が注入される
とともに、正極端子構体4の組付が行われる。正極端子
構体4は、図1に示すように正極端子蓋16と、安全弁
部材17と、PTC素子18と、押え部材19と、電流
遮断部材20と、スプリングプレート21等の部材が組
み合わされてなり、ガスケット22を介して電池缶2の
開口部3に組み付けられるとともにかしめ処理が施され
てこの開口部3を封口する。
【0023】正極端子蓋16は、電池缶2の開口部3の
開口径とほぼ等しい外径を有するとともに外周部にフラ
ンジ部を有する全体浅皿状に形成されている。安全弁部
材17も、電池缶2の開口部3の開口径とほぼ等しい外
径を有するとともに外周部にフランジ部を有する全体浅
皿状に形成されている。安全弁部材17には、中心部に
断面半円弧状の接触部が突設されている。正極端子板1
6と安全弁部材17とは、リング状のPTC素子18を
介してそれぞれのフランジ部が接合される。安全弁部材
17には、その底面部に、押え部材19と電流遮断部材
20とがその中心部に設けた開口部から接触部を下方へ
と臨ませて組み合わされる。スプリングプレート21
は、その開口部を閉塞するようにして電流遮断板20の
底面に組み付けられている。
【0024】上述した正極端子構体4は、開口部3から
電池缶2の内部に組み込まれて、この電池缶2に形成し
た受け部23上に保持される。受け部23は、上述した
発電体の上端に対してやや高い位置で、電池缶2の外周
壁を全周に亘って断面円弧状に絞り込むことによって内
方へと突出された部位からなる。受け部23は、その上
縁部で正極端子板16と安全弁部材17のフランジ部を
支えることによって正極端子構体4を保持する。
【0025】リチウムイオン二次電池1は、上述した電
池缶2に対する正極端子構体4の組み込みに際して、開
口部3の内周面にガスケット22があてがわれる。ガス
ケット22は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂を素
材とし、電池缶2の内径よりもやや大径であるリング状
の基部と、この基部の底面に全周に亘って一体に突設さ
れかつ受け部23の内径とほぼ等しい外径の袴部とから
なる。ガスケット22には、基部の内周部に、接合され
た正極端子板16と安全弁部材17とのフランジ部の外
周部が相対嵌合される嵌合溝が形成されている。
【0026】リチウムイオン二次電池1においては、図
1に示すように開口部3を構成する電池缶2の外周縁部
24を、全周に亘って内方へと折り込むかしめ処理が施
される。リチウムイオン二次電池1においては、ガスケ
ット22が、その基部の上面部を折曲された外周縁部2
4によって押しつぶされることで、外周部を外周縁部2
4と受け部23とに跨る内面に密着される。リチウムイ
オン二次電池1においては、このようにして電池缶2が
その開口部3を、ガスケット22を介して正極端子構体
4によって全周に亘って封口される。
【0027】次に、リチウムイオン二次電池について、
以下の実施例と比較例とをそれぞれ製作して、それぞれ
の電池特性について評価試験を実施した。各リチウムイ
オン二次電池1は、後述する仕様によって製作された正
極材5と負極材6とが備えられ、これら正極材5と負極
材6とを直径18mm、高さ67mmの電池缶2に装填
してなる。各リチウムイオン二次電池1には、エチレン
カーボネートと炭酸ジメチルとを体積比1:1で混合し
た混合溶媒に電解質として六フッ化燐酸リチウム(Li
PF6)を1mol/lに調製してなる非水電解液8が
用いられる。
【0028】
【実施例1】第1の実施例リチウムイオン二次電池1a
には、図2に示した正極材30と負極材31とが備えら
れている。正極材30は、厚みが20μm、長さが50
0mmのアルミ箔からなる正極集電体32に対して正極
合剤をドクターブレード法によって塗布した後、遠赤外
線炉内で120℃、10分間の乾燥を行い、さらに12
0℃でカレンダロールプレスを施して正極活物質層33
が形成される。正極合剤は、正極活物質として平均粒径
が20μmのLiCoO2を90重量部、導電剤として
平均粒径が10μmのグラファイトを6.5重量部、結
着剤としてPVdFを3.5重量部で混合し、これにN
MP溶液を加えて混煉りしてスラリー状化したものが用
いられる。
【0029】正極材30は、同図(a)に示すように、
正極集電体32に対してその中心部に幅10mmの未塗
布領域34を構成するようにして、上述した正極合剤を
厚みが135μm、全体塗布長が490mmで塗布した
正極活物質層33が形成される。正極材30には、未塗
布領域34に、厚さが0.1mm、幅が3mm、長さが
70mmのアルミ製正極集電タブ35が、正極集電体3
1から19mmの長さで突出するようにして超音波溶接
によって接合される。
【0030】負極材31は、正極材30よりも長尺で厚
みが10μmの銅箔からなる負極集電体36に対して負
極合剤をドクターブレード法によって塗布した後、遠赤
外線炉内で120℃、10分間の乾燥を行い、さらに1
20℃でカレンダロールプレスを施して負極活物質層3
7が形成される。負極合剤は、負極活物質として平均粒
径が10μmの黒鉛が90重量部、結着剤としてPVd
Fを10重量部で混合し、これにNMP溶液を加えて混
煉りしてスラリー状化したものが用いられる。
【0031】負極材31は、同図(b)に示すように負
極集電体36に対して、両端部に幅が10mmの未塗布
領域38a、38bをそれぞれ構成するようにして、上
述した負極合剤を厚みが155μm、全体塗布長が53
0mmで塗布して負極活物質層37が形成される。負極
材31には、各未塗布領域38a、38bに、それぞれ
厚さが0.1mm、幅が4mm、長さが65mmのニッ
ケル製負極集電タブ39a、39bが、それぞれ負極集
電体36から13mmの長さで突出するようにして超音
波溶接によって接合される。
【0032】第1の実施例リチウムイオン二次電池1a
は、上述した正極材30と負極材31とをセパレータ7
を介して巻回して発電体を構成し、この発電体を電池缶
2に装填してなる。第1の実施例リチウムイオン二次電
池1aは、正極材30の正極集電タブ35が負極材31
の一対の負極集電タブ39a、39bの略中央部に位置
されている。第1の実施例リチウムイオン二次電池1a
は、正極材30の正極集電タブ35と負極材31の負極
集電タブ39a、39bとの間隔がそれぞれ約265m
m(530/2)となり、内部抵抗が1/2に低減され
た構成となっている。
【0033】上述した第1の実施例リチウムイオン二次
電池1aにおいて、正極材30と負極材31との構成を
それぞれ逆にした構成を採用することも考慮される。し
かしながら、リチウムイオン二次電池においては、正極
材30が負極材31よりも小さい構成であることから、
正極活物質層32が塗布されないに未塗布領域が大きく
なって容量が低下するといった問題が生じるため、かか
る構成を採用することは好ましくは無い。
【0034】
【実施例2】第2の実施例リチウムイオン二次電池1b
は、上述した第1の実施例リチウムイオン二次電池1a
の正極材30と同様に製作された正極材30が備えられ
ており、その説明を省略する。ただし、正極材30は、
正極集電体32に対して正極活物質を塗布してなる正極
活物質層33の塗布長が495mmとわずかに長くなっ
ている。
【0035】第2の実施例リチウムイオン二次電池1b
には、上述した第1の実施例リチウムイオン二次電池1
aの負極材31と同様にして製作された負極材40が備
えられている。ただし、負極材40は、負極集電体41
に対して負極活物質を塗布して形成した負極活物質層4
2の長さが535mmとわずかに長くなっている。負極
材40には、セパレータ7を介して正極材30と巻回さ
れる際に、外周側となる一方の主面43側に、図3
(a)に示すように一端側に幅が10mmの負極活物質
が塗布されない未塗布領域44が形成される。また、負
極材40には、主面43側の巻回状態において最外周側
となる他端側に負極活物質が塗布されないやや幅広の未
塗布領域45が形成される。
【0036】負極材40には、セパレータ7を介して正
極材30と巻回される際に内周側となる他方の主面46
側において、同図(b)に示すように、その両端部に幅
が10mmの負極活物質が塗布されない未塗布領域47
a、47bがそれぞれ形成される。負極材40には、主
面43側の一方未塗布領域44と対向する、主面46側
の一方未塗布領域47aに負極集電タブ48が接合され
る。負極集電タブ48は、厚さが0.1mm、幅が4m
m、長さが65mmのニッケル板からなり、負極集電体
41から13mmの長さで突出するようにして未塗布領
域47aに超音波溶接によって固定される。
【0037】第2の実施例リチウムイオン二次電池1b
は、上述した正極材30と負極材40とを、負極材40
の一方主面43が外側となるようにしてセパレータ7を
介して巻回して発電体を構成し、この発電体を電池缶2
に装填してなる。第2の実施例リチウムイオン二次電池
1bも、正極材30の正極集電タブ35と負極材40の
負極集電タブ48及び幅広の未塗布領域45との間隔が
それぞれ約265mmよりもやや大きくなっている。
【0038】第2の実施例リチウムイオン二次電池1b
は、発電体がその外周部、換言すれば負極材40の未塗
布領域45を内面とのクリアランスが0.5mm以下と
なるようにして電池缶2に装填される。第2の実施例リ
チウムイオン二次電池1bにおいては、発電体が初充電
を行うことによって全体が膨張することで、最外周の未
塗布領域45が電池缶2の内面と接触するようになる。
したがって、第2の実施例リチウムイオン二次電池1b
は、負極集電体41の未塗布領域45が第2の負極集電
タブを構成する。
【0039】したがって、第2の実施例リチウムイオン
二次電池1bにおいては、正極材30の正極集電タブ3
5が、負極材40の負極集電タブ48と負極集電タブ機
能を奏する未塗布領域45との略中央部に位置されてい
る。第2の実施例リチウムイオン二次電池1bは、これ
によって内部抵抗が1/2に低減された構成となってい
る。
【0040】ところで、リチウムイオン二次電池におい
ては、正極材や負極材に対して、正極集電タブや負極集
電タブの厚みが大きく、これらによって正極材と負極材
との重合せ密度が低下することになる。第2のリチウム
イオン二次電池1bにおいては、上述したように一方の
未塗布領域45が負極集電タブとして兼用されることに
よって全体の厚み増加が低減され、容量の低下が抑制さ
れる。また、第2のリチウムイオン二次電池1bにおい
ては、負極集電タブを負極集電体41に取り付ける工数
の増加が抑制される。
【0041】
【実施例3】第3の実施例リチウムイオン二次電池1c
は、上述した第1の実施例リチウムイオン二次電池1a
の正極材30と同様に製作された正極材30が備えられ
ており、その説明を省略する。ただし、正極材30は、
正極集電体32に対して正極活物質を塗布してなる正極
活物質層33の塗布長が500mmとわずかに長くなっ
ている。
【0042】第3の実施例リチウムイオン二次電池1c
には、上述した第1の実施例リチウムイオン二次電池1
aの負極材31と同様にして製作された負極材50が備
えられている。負極材50は、負極集電体51に対して
負極活物質を塗布して形成した負極活物質層52の長さ
が540mmとわずかに長くなっている。負極材50に
は、図4に示すように、その両端部に幅が10mmの負
極活物質が塗布されない未塗布領域53a、53bがそ
れぞれ形成される。
【0043】負極材50には、同図に示すように、未塗
布領域53a、53bに幅方向の一端から中央を越えた
位置まで達するスリット54a、54bが形成されてい
る。負極材50は、これらスリット54a、54bによ
って切り残された未塗布領域53a、53bの一部55
a、55b(鎖線で示した領域)を同図矢印で示すよう
にそれぞれ折り返すことによって負極集電体51から突
出させる。
【0044】第3の実施例リチウムイオン二次電池1c
は、上述した正極材30と負極材50とをセパレータ7
を介して巻回して発電体を構成し、この発電体を電池缶
2に装填してなる。第3の実施例リチウムイオン二次電
池1cにおいては、折曲された未塗布領域53a、53
bの一部55a、55bがそれぞれ電池缶2の内面に接
合されることによって直接負極集電タブを構成する。
【0045】したがって、第3の実施例リチウムイオン
二次電池1cにおいては、正極材30の正極集電タブ3
5が、負極材50の負極集電タブ機能を奏する未塗布領
域55a、55bの略中央部に位置されている。第3の
実施例リチウムイオン二次電池1cにおいては、正極材
30の正極集電タブ35と未塗布領域55a、55bと
の間隔がそれぞれ約265mmよりもやや大きくなって
いるが、全体として内部抵抗が1/2に低減された構成
となっている。
【0046】また、第3の実施例リチウムイオン二次電
池1cにおいては、上述したように未塗布領域53a、
53bの一部55a、55bによって負極集電タブを構
成することから、上述した第2のリチウムイオン二次電
池1bと比較してさらに全体の厚み増加が低減され、容
量の低下が抑制される。また、第2のリチウムイオン二
次電池1bにおいては、負極集電タブを負極集電体41
に取り付ける工数の増加が抑制される。
【0047】
【実施例4】第4の実施例リチウムイオン二次電池1d
には、図5に示した正極材60と負極材61とが備えら
れる。正極材60は、上述した第1の実施例リチウムイ
オン二次電池1aと同様にして正極集電体61に正極活
物質が塗布されて正極活物質層62が形成されが、同図
(a)に示すように正極活物質が塗布され無い第1の未
塗布領域63a乃至第3の未塗布領域63cが形成され
てなる。なお、正極材60は、正極集電体61に形成さ
れた正極活物質層62の長さが450mmとされてい
る。
【0048】第1の未塗布領域63a乃至第3の未塗布
領域63cは、正極材60を長さ方向に4等分する位置
にそれぞれ形成される。第1の未塗布領域63aは、正
極材60の中央部に形成され、幅が20mmの領域であ
る。第2の未塗布領域63bは、正極材60の一端と第
1の未塗布領域63aとの間の中央部に形成され、幅が
10mmの領域である。第3の未塗布領域63cは、正
極材60の他端と第1の未塗布領域63aとの間の中央
部に形成され、幅が10mmの領域である。
【0049】正極材60には、第2の未塗布領域63b
に第1の正極集電タブ64aが接合されるとともに、第
3の未塗布領域63cに第2の正極集電タブ64bが接
合されている。第1の正極集電タブ64a及び第2の正
極集電タブ64bは、第1の実施例リチウムイオン二次
電池1aの正極集電タブ35と同様に、厚さが0.1m
m、幅が3mm、長さが70mmのアルミ板によって形
成され、正極集電体61から19mmの長さで突出する
ようにして第2の未塗布領域63b及び第3の未塗布領
域63cにそれぞれ超音波溶接によって接合されてい
る。
【0050】負極材61も、上述した第1の実施例リチ
ウムイオン二次電池1aと同様にして、負正極集電体6
5に負極活物質が塗布されて負極活物質層66が形成さ
れている。負極材61には、同図(b)に示すように負
極活物質が塗布され無い第1の未塗布領域67a乃至第
3の未塗布領域67cが、正極材60と同様に形成され
ている。なお、負極材61は、負極集電体65に形成さ
れた負極活物質層66の長さが490mmとされてな
る。
【0051】第1の未塗布領域67aは、負極材61の
中央部に形成され、幅が10mmの領域である。第2の
未塗布領域67bは、負極材61の一端に形成された幅
が10mmの領域である。第3の未塗布領域67cは、
負極材61の他端に形成された幅が10mmの領域であ
る。負極材61には、これら第1の未塗布領域67a乃
至第3の未塗布領域67cにそれぞれ第1の負極集電タ
ブ68a乃至第3の負極集電タブ68cが接合されてい
る。第1の負極集電タブ68a乃至第3の負極集電タブ
68cは、それぞれ厚さが0.1mm、幅が4mm、長
さが65mmのニッケル板によって形成され、負極集電
体65から13mmの長さで突出するようにしてそれぞ
れ第1の未塗布領域67a乃至第3の未塗布領域67c
に超音波溶接によって接合されている。
【0052】第4の実施例リチウムイオン二次電池1d
は、上述した正極材60と負極材61とをセパレータ7
を介して巻回して発電体を構成し、この発電体を電池缶
2に装填してなる。第4の実施例リチウムイオン二次電
池1dにおいては、発電体が正極材60の第1の未塗布
領域67aが負極材61の第1の負極集電タブ68aに
対応位置するようにして正極材60と負極材61とが重
ね合わされて構成されている。
【0053】したがって、第4の実施例リチウムイオン
二次電池1dにおいては、正極材60の第1の正極集電
タブ64aが、負極材61の第1の負極集電タブ68a
と第2の負極集電タブ68bとの略中央部に位置されて
いる。第4の実施例リチウムイオン二次電池1dにおい
ては、正極材60の第2の正極集電タブ64bが、負極
材61の第1の負極集電タブ68aと第3の負極集電タ
ブ68cとの略中央部に位置されている。第4の実施例
リチウムイオン二次電池1dにおいては、かかる構成か
ら全体として内部抵抗が1/4に低減された構成となっ
ている。
【0054】ところで、第4の実施例リチウムイオン二
次電池1dにおいては、上述したように正極材60に第
1の未塗布領域63a乃至第3の未塗布領域63cが形
成されるとともに、負極材61に第1の未塗布領域67
a乃至第3の未塗布領域67cが形成されている。した
がって、第4の実施例リチウムイオン二次電池1dにお
いては、発電の有効領域が少なくなり、容量がやや低下
する。したがって、第4の実施例リチウムイオン二次電
池1dは、正極集電体61の両面に正極活物質を塗布し
て正極活物質層62を形成するとともに、負極集電体6
5にもその両面に負極活物質を塗布して負極活物質層6
6を形成することが好ましい。また、第4の実施例リチ
ウムイオン二次電池1dは、正極材60及び負極材61
をそれぞれ1m以上に形成することが好ましい。
【0055】
【実施例5】第5の実施例リチウムイオン二次電池1e
は、上述した第1の実施例リチウムイオン二次電池1a
の正極材30と同様に製作された正極材30が備えられ
ており、その説明を省略する。ただし、正極材30は、
正極集電体32に対して正極活物質を塗布してなる正極
活物質層33の塗布長が500mmとわずかに長くなっ
ている。
【0056】第5の実施例リチウムイオン二次電池1e
には、上述した第1の実施例リチウムイオン二次電池1
aの負極材31と同様にして製作された負極材70が備
えられている。負極材70は、負極集電体71に対して
負極活物質を塗布して形成した負極活物質層72の長さ
が540mmとわずかに長くなっている。負極材70に
は、図6に示すように、その両端部に幅が0.5mmの
負極活物質が塗布されない未塗布領域73a、73bが
それぞれ形成される。
【0057】負極材70には、各未塗布領域73a、7
3bに、それぞれ負極集電タブ74a、74bが、負極
集電体71から13mmの長さで突出するようにして超
音波溶接によって接合される。第5の実施例リチウムイ
オン二次電池1eは、各負極集電タブ74a、74b
が、それぞれ厚さが0.1mm、幅が2mm、長さが6
5mmの銅板を用いた構成に特徴がある。このため、第
5の実施例リチウムイオン二次電池1eにおいては、負
極集電タブ74a、74bの先端に予めタングステンが
ロウ付けされ、正極材30と負極材70とをセパレータ
7を介して巻回して電池缶2に装填する際に、負極集電
タブ74a、74bと電池缶2との半田付け性の向上が
図られる。
【0058】上述した本発明にかかるリチウムイオン二
次電池の各実施例に対して、従来のリチウムイオン二次
電池に準じて次の比較例リチウムイオン二次電池80を
製作した。
【0059】
【比較例】比較例リチウムイオン二次電池80には、図
7に示した正極材81と負極材82とが備えられる。正
極材81は、厚みが20μmのアルミ箔からなる正極集
電体83に対して正極合剤をドクターブレード法によっ
て塗布した後に遠赤外線炉内で120℃、10分間の乾
燥を行い、さらに120℃でカレンダロールプレスを施
して正極活物質層84が形成されてなる。正極合剤は、
正極活物質として平均粒径が20μmのLiCoO2
90重量部、導電剤として平均粒径が10μmのグラフ
ァイトを6.5重量部、結着剤としてPVdFを3.5
重量部で混合し、これにNMP溶液を加えて混煉りして
スラリー状化したものが用いられる。
【0060】正極材81は、同図(a)に示すように、
正極集電体83に対してその一端部に幅30mmの未塗
布領域85を構成するようにして、上述した正極合剤を
厚みが135μm、全体塗布長が495mmで塗布した
正極活物質層84が形成されてなる。正極材81には、
未塗布領域85に、厚さが0.1mm、幅が3mm、長
さが70mmのアルミ製正極集電タブ86が、正極集電
体83から19mmの長さで突出するようにして超音波
溶接によって接合される。
【0061】負極材82は、正極材81よりもやや長尺
で厚みが10μmの銅箔からなる負極集電体87に対し
て負極合剤をドクターブレード法によって塗布した後、
遠赤外線炉内で120℃、10分間の乾燥を行い、さら
に120℃でカレンダロールプレスを施して負極活物質
層88が形成される。負極合剤は、負極活物質として平
均粒径が10μmの黒鉛が90重量部、結着剤としてP
VdFを10重量部で混合し、これにNMP溶液を加え
て混煉りしてスラリー状化したものが用いられる。
【0062】負極材82は、同図(b)に示すように負
極集電体87に対して、両端部に幅が10mmの未塗布
領域89a、89bをそれぞれ構成するようにして、上
述した負極合剤を厚みが135μm、全体塗布長が53
5mmで塗布して負極活物質層88が形成される。負極
材82は、後述するように正極材81と重ね合わせた状
態において一方の未塗布領域89aが正極集電タブ86
と対向位置されるとともに、他方の未塗布領域89bが
正極材81の一端部から側方に突出される。
【0063】負極材82には、未塗布領域89bに、厚
さが0.1mm、幅が4mm、長さが65mmのニッケ
ル製負極集電タブ90が、負極集電体83から13mm
の長さで突出するようにして超音波溶接によって接合さ
れる。
【0064】比較例リチウムイオン二次電池80は、上
述した正極材81と負極材82とをセパレータ7を介し
て巻回して発電体を構成し、この発電体を電池缶2に装
填してなる。
【0065】以上のようにして製作された第1の実施例
リチウムイオン二次電池1a乃至第5の実施例リチウム
イオン二次電池1eと比較例リチウムイオン二次電池8
0について、それぞれ初期放電容量の測定と寿命試験及
び直流抵抗値と出力値の測定とを行ってその電池特性に
ついての評価を行った。初期放電容量の測定は、4.2
V、3時間、1Aの定電圧定電流の充電条件とし、2.
5V、0.7Aまたは4Aでの放電条件によって行っ
た。寿命試験は、この充電条件と放電条件とを300サ
イクル行った後の容量維持率によって求めた。直流抵抗
値と出力値とは、4.2V満充電時に1A、2A、3A
の放電を10秒間行ってその時の電圧降下値から求め
た。
【0066】第1の実施例リチウムイオン二次電池1a
乃至第5の実施例リチウムイオン二次電池1eと比較例
リチウムイオン二次電池80は、それぞれの電池特性が
次の表1のとおりであった。
【0067】
【表1】
【0068】第1の実施例リチウムイオン二次電池1a
乃至第3の実施例リチウムイオン二次電池1cについて
は、比較例リチウムイオン二次電池80との比較におい
て、いずれも0.7Aの放電容量(mAh)について有
為差は無く、また4Aの放電容量(mAh)について1
2%乃至14%増加する結果が得られた。また、第1の
実施例リチウムイオン二次電池1a乃至第3の実施例リ
チウムイオン二次電池1cは、比較例リチウムイオン二
次電池80との比較において、直流抵抗値(mΩ)が低
下されたことによって放電出力特性(W/cell)に
ついて27%乃至33%増加する結果が得られた。
【0069】第4の実施例リチウムイオン二次電池1d
については、比較例リチウムイオン二次電池80や第1
の実施例リチウムイオン二次電池1a乃至第3の実施例
リチウムイオン二次電池1cに対して直流抵抗値が大幅
に低下されることによって放電出力特性も50%以上増
加する結果が得られた。しかしながら、第4の実施例リ
チウムイオン二次電池1dは、正極材60の正極活物質
層62の形成領域が少ないことから、比較例リチウムイ
オン二次電池80との比較において0.7A放電容量が
9%程度低下する結果となった。第4の実施例リチウム
イオン二次電池1dは、上述したように正極材60や負
極材61が長尺とされる場合において、かかる放電容量
の低下の影響も少なくなる。
【0070】第5の実施例リチウムイオン二次電池1e
については、銅製の負極集電タブ73を用いることによ
って、その断面積が比較例リチウムイオン二次電池80
や第1の実施例リチウムイオン二次電池1a乃至第4の
実施例リチウムイオン二次電池1dの各負極集電タブに
対して狭くなっている。したがって、第5の実施例リチ
ウムイオン二次電池1eは、0.7A及び4Aの放電容
量の増加、直流抵抗値の低下、放電出力の増加が図られ
た結果が得られた。なお、銅製の負極集電タブ73は、
銅の抵抗が1.70μΩ・cmであり、ニッケルの抵抗
7.04μΩ・cmに対してほぼ1/4であることか
ら、その断面積を大幅に低減することが可能である。
【0071】なお、上述した実施の形態においては、円
筒型リチウムイオン二次電池1について説明したが、本
発明は、例えば角型リチウムイオン二次電池にも適用さ
れることは勿論である。また、本発明は、リチウムイオ
ン二次電池以外の他の非水電解液二次電池にも適用され
る。
【0072】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる非水電解液二次電池によれば、正極材と負極材とを
セパレータを介して重ね合わせた状態において、正極集
電タブが負極集電タブから等間隔の略中間に位置配置さ
れるように構成したことから、正極集電タブと負極集電
タブとの間隔が狭められて内部抵抗値の低減が図られる
ことで、抵抗発熱の抑制とともに放電容量を低下させず
に高率放電時の容量低下が抑制かつ高出力特性の向上が
図られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる円筒型リチウムイオン二次電池
の縦断面図である。
【図2】同第1の実施例リチウムイオン二次電池に備え
られる正極材と負極材の要部展開正面図である。
【図3】同第2の実施例リチウムイオン二次電池に備え
られる正極材と負極材の要部展開正面図である。
【図4】同第3の実施例リチウムイオン二次電池に備え
られる負極材の要部展開正面図である。
【図5】同第4の実施例リチウムイオン二次電池に備え
られる正極材と負極材の要部展開正面図である。
【図6】同第5の実施例リチウムイオン二次電池に備え
られる負極材の要部展開正面図である。
【図7】比較例リチウムイオン二次電池に備えられる正
極材と負極材の要部展開正面図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン二次電池、2 電池缶、4 正極端
子構体、5,30,60 正極材、6,31,40,5
0,61,70 負極材、7 セパレータ、8非水電解
液、9,32,61 正極集電体、10,33,42,
62 正極活物質層、10a,34,63 未正極活物
質塗布領域、11,35,64 正極集電タブ、12,
36,41,51,65,71 負極集電体、13,3
6,42,52,66,72 負極活物質層、13a,
38,47,54,67,73未負極活物質塗布領域、
14,39,48,68,73 負極集電タブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H014 AA04 AA06 BB04 BB05 BB08 CC01 CC07 EE05 5H029 AJ02 AJ06 AK02 AK03 AK05 AL02 AL06 AL07 AL16 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ03 CJ04 DJ05 DJ07 DJ12 HJ12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の正極集電体に正極活物質を塗布し
    た塗布層を形成するとともに、上記正極活物質の未塗布
    領域に正極集電タブを設けてなる正極材と、 帯状の負極集電体に負極活物質を塗布した塗布層を形成
    するとともに、この塗布層を挟んだ上記負極活物質の未
    塗布領域にそれぞれ負極集電タブを設けてなる負極材と
    を備え、 上記正極集電タブは、上記正極材と負極材とをセパレー
    タを介して重ね合わせた状態において、上記負極集電タ
    ブから等間隔の略中間に位置されることを特徴とする非
    水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 上記負極集電タブは、上記負極集電体の
    上記負極活物質の塗布層を挟んだ未塗布領域によって直
    接構成されたことを特徴とする請求項1に記載の非水電
    解液二次電池。
  3. 【請求項3】 上記負極集電体には、上記負極活物質の
    塗布層を挟んだ未塗布領域に、それぞれ一方側縁から幅
    方向の途中までスリットを形成するとともに、このスリ
    ットによって切り分けられた部位を折り曲げて他方側縁
    から突出させることによって上記負極集電タブが構成さ
    れたことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次
    電池。
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