JP2019145448A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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直樹 沼田
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雅史 瀧川
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雅史 瀧川
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Abstract

【課題】電池の抵抗増加を抑制することが可能な非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】本実施形態の非水電解質二次電池10は、正極11と、負極12と、正極11と負極12との間に介在するセパレータ13とを巻回した電極体14、カルボン酸エステルを含む非水溶媒と、六フッ化リン酸リチウムを含む電解質とを有する非水電解質、電極体14及び前記非水電解質を収容するケース本体16、ケース本体16の開口部を封口する封口体17、を備え、負極12は、負極集電体上に負極活物質層が配置された塗工部と、負極集電体上に負極活物質が配置されておらず、負極集電体が露出した露出部を有し、電極体14の最外周部には、前記露出部が位置し、当該露出部がケース本体16の内面に直接接触し、前記カルボン酸エステルの含有量は、前記非水溶媒の総体積に対して0.1体積%以上5.0体積%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、高出力、高エネルギー密度の二次電池として、正極と、負極と、非水電解質とを備え、正極と負極との間でリチウムイオン等を移動させて充放電を行う非水電解質二次電池が広く利用されている。
例えば、特許文献1には、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータとを巻回した電極体、非水電解質、およびそれらを収容するケース本体を備え、前記負極は、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された両面塗工部と、前記負極集電体の片面に負極活物質層が形成された片面塗工部と、を含み、前記電極体の最外周部には、前記片面塗工部が位置し、かつ前記片面塗工部における負極集電体の露出部が前記ケース本体の内面に直接接触している非水電解質二次電池が開示されている。
特開2013−254561号公報
特許文献1の非水電解質二次電池のように、負極集電体の露出部をケース本体の内面に直接接触させることで、この接点が、集電面積の大きな通電経路として機能するため、電池の低抵抗化を図ることが可能となる。
ところで、六フッ化リン酸リチウムを電解質として含む非水電解質を用いた非水電解質二次電池では、六フッ化リン酸リチウムが電池内の水分と反応して、フッ化水素が発生することが知られている。また、発生したフッ化水素は、電池の構成部材と反応して、絶縁性の反応生成物が生じる。この反応生成物が、負極集電体の露出部とケース本体内面との間に介在すると、負極集電体の露出部と電池ケース内面との間の通電経路が高抵抗となり、電池の抵抗が増加するという問題がある。
そこで、本開示の目的は、六フッ化リン酸リチウムを含む電解質を有する非水電解質を用い、且つ正極及び負極がセパレータを介して巻回された電極体の最外周部には、負極集電体の露出部が位置し、当該露出部が電極体や非水電解質を収容するケース本体の内面に直接接触している非水電解質二次電池において、電池の抵抗増加を抑制することが可能な非水電解質二次電池を提供することである。
本開示の一態様に係る非水電解質二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータとを巻回した電極体、カルボン酸エステルを含む非水溶媒と、六フッ化リン酸リチウムを含む電解質とを有する非水電解質、前記電極体及び前記非水電解質を収容するケース本体、前記ケース本体の開口部を封口する封口体、を備え、前記負極は、負極集電体上に負極活物質層が配置された塗工部と、負極集電体上に負極活物質が配置されておらず、負極集電体が露出した露出部を有し、前記電極体の最外周部には、前記露出部が位置し、当該露出部が前記ケース本体の内面に直接接触し、前記カルボン酸エステルの含有量は、前記非水溶媒の総体積に対して0.1体積%以上5.0体積%以下であることを特徴とする。
本開示によれば、六フッ化リン酸リチウムを含む電解質を有する非水電解質を用い、且つ正極及び負極がセパレータを介して巻回された電極体の最外周部には、負極集電体上に負極活物質が配置されておらず、負極集電体が露出した露出部が位置し、当該露出部が電極体や非水電解質を収容するケース本体の内面に直接接触している非水電解質二次電池において、電池の抵抗増加を抑制することが可能となる。
実施形態に係る非水電解質二次電池の断面図である。 巻回する前の状態の負極を示す模式平面図である。 酢酸メチルの含有量(体積%)に対する非水溶媒の粘度の結果を示す図である。
以下に、本開示の一態様である非水電解質二次電池の一例について説明する。以下の実施形態の説明で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。
図1は、実施形態に係る非水電解質二次電池の断面図である。図1に示す非水電解質二次電池10は、正極11と、負極12と、正極11と負極12との間に介在するセパレータ13とを巻回した巻回型の電極体14、非水電解質、電極体14の上下にそれぞれ配置された絶縁板18,19、正極タブ20、負極タブ21、電池ケース15、を備える。
電池ケース15は、電極体14や非水電解質等を収容するものであり、例えば、開口部を有する有底円筒形状のケース本体16と、ケース本体16の開口部を封口する封口体17とを備える。電池ケース15は、ケース本体16と封口体17との間に設けられるガスケット28を備えることが望ましく、これにより、電池内部の密閉性が確保される。
ケース本体16は、例えば、側面部の一部が内側に張出した、封口体17を支持する張り出し部22を有する。張り出し部22は、ケース本体16の周方向に沿って環状に形成されることが好ましく、その上面で封口体17を支持する。
封口体17は、電極体14側から順に、フィルタ23、下弁体24、絶縁体25、上弁体26、及びキャップ27が積層された構造を有する。封口体17を構成する各部材は、例えば、円板形状又はリング形状を有し、絶縁体25を除く各部材は互いに電気的に接続されている。下弁体24と上弁体26は各々の中央部で互いに接続され、各々の周縁部の間には絶縁体25が介在している。内部短絡等による発熱で内圧が上昇すると、例えば下弁体24が上弁体26をキャップ27側に押し上げるように変形して破断し、下弁体24と上弁体26の間の電流経路が遮断される。さらに内圧が上昇すると、上弁体26が破断し、キャップ27の開口部からガスが排出される。
正極タブ20は、その一端が正極11に電気的に接続されている。また、正極タブ20は、正極11から絶縁板18の貫通孔を通ってフィルタ23まで延び、正極タブ20の他端がフィルタ23の下面に電気的に接続されている。これにより、フィルタ23と電気的に接続されているキャップ27が正極端子となる。また、負極タブ21は、その一端が負極12に電気的に接続されている。また、負極タブ21は、負極12から絶縁板19の外側を通って、ケース本体16の底部内面まで延び、負極タブ21の他端がケース本体16の底部内面に電気的に接続されている。これにより、ケース本体16が負極端子となる。
図2は、巻回する前の状態の負極を示す模式平面図である。図2では、負極12の長手方向左端部が、巻回型の電極体14を形成する際の負極12の巻き始め端部であり、電極体14の内周部となる。そして、負極12の長手方向右端部が、巻回型の電極体14を形成する際の負極12の巻き終わり端部であり、電極体14の外周部となる。図2に示すように、負極12は、負極集電体30と、負極活物質層32と、を備える。そして、負極12は、負極集電体30上に負極活物質層32が形成された塗工部34と、負極集電体30上に負極活物質層32が配置されておらず、負極集電体30が露出した露出部36とを有する。図2に示す露出部36は、負極12の巻き終わり端部に配置されており、電極体14を形成した際には、電極体14の最外周部に位置する。そして、図2に示す露出部36が、ケース本体16の内面と直接接触する部分となる。露出部36の長さは、特に制限されるものではないが、ケース本体16との良好な接触状態を得る点で、例えば、電極体14の外周を1周以上周回する長さとすることが望ましい。
なお、図1に示す負極タブ21は、負極12の巻き終わり端部に設けられる場合を例示しているが、負極タブ21の位置は、負極12のいずれの箇所でもよく、例えば、負極12の巻き始め端部や、負極12の長手方向中央部等でもよい。これらの中では、負極タブ21は、負極12に対する電流集電を分散する観点等から、ケース本体16に接触する露出部36と離れた位置となる負極12の巻き始め端部に設けられることが好ましい。負極タブ21は、例えば、負極集電体が露出した露出部上に設けられる。例えば、負極タブ21が負極12の巻き終わり端部に設けられる場合には、図2に示す露出部36上に設けられる。また、例えば、負極タブ21が負極12の巻き終わり端部以外の箇所に設けられる場合には、図2に示す露出部36の他に、負極タブ21を設ける箇所に同様の露出部を形成し、その露出部36上に負極タブ21が設けられる。
図での説明は省略するが、正極11は、正極集電体と、正極活物質層と、を備える。そして、負極12と同様に、正極11は、正極集電体上に正極活物質層が形成された塗工部と、正極集電体上に正極活物質層が配置されておらず、正極集電体が露出した露出部とを有する。露出部は、正極11のいずれの箇所に設けられてもよく、例えば、電極体14を形成する際の正極11の巻き始め端部(電極体14の内周部)、正極11の巻き終わり端部(電極体14の外周部)、正極11の長手方向中央部等である。正極11の露出部上には、正極タブ20が配置される。なお、図1に示す正極タブ20は、正極11の長手方向中央部に設けられた露出部上に設けられる場合を例示している。
電極体14は、正極11と負極12とを、その間にセパレータ13を介して巻回し、最外周に図2に示す露出部36が位置するように構成される。そして、本実施形態の非水電解質二次電池10は、電極体14の最外周に位置する負極12の露出部36が、ケース本体16の内面に直接接触するように構成される。ここで、負極12の露出部36は、電極体14をケース本体16に収容した際に、ケース本体16の内面に接触していてもよいし、ケース本体16に収容した際には、ケース本体16の内面に接触していなくても、電池作製後に、電池を充放電することで、ケース本体16の内面に接触させてもよい。電池を充放電すると、正負極が膨張し、電池内での電極体14の径は、ケース本体16収容時より大きくなるため、電極体14をケース本体16に収容した際に、負極12の露出部36がケース本体16の内面に接触していなくても、電池の充放電後にケース本体16の内面に接触させることは可能である。すなわち、電極体14の収容時、又は充放電後のいずれにしろ、電極体14の最外周に位置する負極12の露出部36がケース本体16の内面に直接接触していればよい。そして、負極12の露出部36がケース本体16の内面に直接接触することで、その接点が、集電面積の大きな通電経路として機能するため、電池の低抵抗化を図ることが可能となる。
しかし、既述したように、六フッ化リン酸リチウムを電解質として含む非水電解質を用いた非水電解質二次電池では、六フッ化リン酸リチウムが電池内の水分と反応し、これにより生成したフッ化水素が、電池の構成部材と反応すると、絶縁性の反応生成物が生じる。そして、この反応生成物が、電極体14の最外周に位置する負極12の露出部36とケース本体16の内面との間に介在すると、負極12の露出部36とケース本体16の内面との間の通電経路が高抵抗となり、電池の抵抗が増加する場合がある。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、上記反応生成物の生成を抑え、電池の抵抗増加を抑制することを可能とする非水電解質を見出した。以下に、本実施形態で用いられる非水電解質について説明する。
本実施形態で用いられる非水電解質は、カルボン酸エステルを含む非水溶媒と、六フッ化リン酸リチウムを含む電解質とを有し、カルボン酸エステルの含有量が、非水溶媒の総体積に対して0.1体積%以上5.0体積%以下であり、好ましくは3.0体積%以上5.0体積%以下である。この非水電解質を用いることで、フッ化水素由来の反応生成物が抑制されるため、電極体14の最外周に位置する負極12の露出部36とケース本体16の内面との間の通電経路が維持され、電池の抵抗増加が抑制される。また、電池の抵抗増加の抑制に伴い、例えば電池の出力低下も抑制される。
上記反応生成物を抑制するメカニズムは明らかでないが、反応生成物を抑制して、電池の抵抗増加を抑制する効果は、上記所定量のカルボン酸エステルを非水溶媒に添加することにより得られる特異的な効果であると推察される。一般的に、カルボン酸エステルは低粘度溶媒であることが知られているため、カルボン酸エステルの添加量が増えれば、非水溶媒が低粘度化して、電池の抵抗増加が抑制されると想定されるが、カルボン酸エステルを上記範囲より多く加えた場合には、上記反応生成物の抑制効果が得られず、電池の抵抗増加を抑制することができない。
カルボン酸エステルは、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−t−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸−n−プロピル、酪酸イソプロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸−n−プロピル、イソ酪酸イソプロピル等が挙げられる。これらの中では、フッ化水素由来の反応生成を抑制する効果が高い等の点で、カルボン酸エステルは、酢酸メチルを含むことが好ましい。
非水溶媒は、カルボン酸エステル以外に、例えば、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類及びこれらの2種以上の混合溶媒等が用いられる。具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル等が挙げられる。
電解質は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)以外に、LiBF、LICFSO等の他の電解質を含んでいてもよい。非水溶媒に対する電解質の溶解量は、例えば0.5〜2.0mol/Lである。
以下、電極体14、ケース本体16、正極11、負極12、セパレータ13等について詳述する。
電極体14をケース本体16に収容した時の電極体14の径は、例えば、ケース本体16の内径に対して95%以上99%以下であることが好ましい。電極体14をケース本体16に収容した時の電極体14の径が、ケース本体16の内径に対して95%未満であると、上記範囲を満たす場合と比較して、電極体14の最外周に位置する負極12の露出部36とケース本体16の内面との良好な接触状態が得られない場合がある。また、電極体14をケース本体16に収容した時の電極体14の径が、ケース本体16の内径に対して99%を超えると、上記範囲を満たす場合と比較して、電極体14をケース本体16に収容することが困難となったり、正極11と負極12とが接触して内部短絡が発生し易くなったりする場合がある。
ケース本体16は、例えば、鉄、又はステンレス等の鉄合金等の鉄系金属から構成される。鉄系金属は、安価である一方、フッ化水素との反応性が高いため、フッ化水素由来の反応生成物が生成され易い。しかし、上記非水電解質を用いた本実施形態の非水電解質二次電池では、安価な鉄系金属から構成されるケース本体を用いても、当該ケース本体とフッ化水素との反応が抑制されるため、電池の抵抗増加が抑制される。
正極11を構成する正極集電体には、アルミニウム等の正極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等が用いられる。
正極11を構成する正極活物質層は、正極活物質を含む。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、導電材及び結着材を含むことが好適である。
正極活物質層に含まれる正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物等が挙げられ、具体的にはコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物等を用いることができ、これらのリチウム遷移金属複合酸化物にAl、Ti、Zr、Nb、B、W、Mg、Mo等を添加してもよい。
正極活物質層に含まれる導電材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素粉末等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極活物質層に含まれる結着材としては、フッ素系高分子、ゴム系高分子等が挙げられる。例えば、フッ素系高分子としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはこれらの変性体等、ゴム系高分子としてエチレンープロピレンーイソプレン共重合体、エチレンープロピレンーブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極12を構成する負極集電体30には、銅等の負極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。
負極12を構成する負極活物質層32は、負極活物質を含む。負極活物質層32は、負極活物質の他に、増粘材、結着材を含むことが好適である。
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な炭素材料を用いることができ、黒鉛の他に、難黒鉛性炭素、易黒鉛性炭素、繊維状炭素、コークス及びカーボンブラック等を用いることができる。さらに、非炭素系材料として、シリコン、スズ及びこれらを主とする合金や酸化物を用いることができる。
結着材としては、正極11の場合と同様にPTFE等を用いることもできるが、スチレンーブタジエン共重合体(SBR)又はこの変性体等を用いてもよい。増粘材としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
セパレータ13には、例えば、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シート等が用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータ13の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、セルロースなどが好適である。セパレータ13は、セルロース繊維層及びオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維層を有する積層体であってもよい。また、ポリエチレン層及びポリプロピレン層を含む多層セパレータであってもよく、セパレータの表面にアラミド系樹脂、セラミック等の材料が塗布されたものを用いてもよい。
<実施例>
[正極の作製]
正極活物質としてのアルミニウム含有ニッケルコバルト酸リチウム(LiNi0.88Co0.09Al0.03)を100質量部と、導電剤としてのアセチレンブラック(AB)を1質量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を0.9質量部とを混合し、さらに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量加えて、正極合材スラリーを調製した。次に、正極合材スラリーを、アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥させた後、ロールプレス器により圧延した。さらに、200℃に加熱したロールに5秒間接触させる熱処理を行った後、所定の電極サイズに裁断し、正極集電体の両面に正極活物質層が形成された正極(厚さ:0.144mm、幅:62.6mm、長さ:861mm)を作製した。
[負極の作製]
負極活物質としての黒鉛粉末及びSi酸化物の混合物を質量比で95:5となるように混合した。この混合物を100質量部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量部と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)を1質量部とを混合し、さらに水を適量加えて、負極合材スラリーを調製した。次に、負極合材スラリーを、銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥させ後、圧縮ローラを用いて圧延した。これを所定の電極サイズに切り取り、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極(厚さ:0.160mm、幅:64.2mm、長さ:959mm)を作製した。
[非水電解液の調製]
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、酢酸メチル(MA)とを、体積比で、2:7.5:0.5となるように調製した混合溶媒に、LiPFを1.5mol/L溶解させて、非水電解液を調製した。
[円筒型電池の作製]
上記正極にアルミニウム製の正極リードを、上記負極にニッケル−銅製の負極リードをそれぞれ取り付けた。そして、ポリエチレン製のセパレータを介して正極及び負極を巻回することにより巻回型の電極体を作製した。このとき、電極体の最外周部に負極の露出部が位置するように電極体を構成した。この電極体の上下に絶縁板を配置し、負極リードをケース本体の底部に溶接し、正極リードを封口体に溶接した後、電極体を電池ケース本体に収容した。その後、ケース本体内に上記非水電解液を注入した後、封口体の周囲にガスケットを介在させてケース本体の開口部内側に装着し、ケース本体の開口部分を内方にかしめて、円筒型電池を作製した。X線CT解析により、電極体の最外周部に位置する負極の露出部がケース本体の内面に接触していることを確認した。
<比較例1>
非水電解液の調製において、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを、体積比で、2:8となるように調製した混合溶媒を用いたこと以外は、実施例と同様とした。
<比較例2>
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、酢酸メチル(MA)とを、体積比で、2:6:2となるように調製した混合溶媒を用いたこと以外は、実施例と同様とした。
<比較例3>
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、酢酸メチル(MA)とを、体積比で、2:3.5:4.5となるように調製した混合溶媒を用いたこと以外は、実施例と同様とした。
<充放電試験>
実施例及び各比較例の電池の作製後、各電池を20時間休止した後、1750mAで2分の定電流充電を実施した。その後、電池ケースから電極体を取り出し、電極体の最外周部に位置する負極の露出部上への堆積物の有無を目視により確認した。露出部は、金属光沢をした橙色であるのに対し、堆積物は、黒色であるので、堆積物の有無は目視により容易に確認できる。表1にその結果を示す。
<電池のACIR(mΩ)の測定>
実施例及び各比較例の電池の作製後、各電池を20時間休止した後、1750mAで2分の定電流充電を実施した後、710mAで3729mVになるまで定電流充電を実施した。これらの電池に対してACIR(mΩ)を測定した。各電池の試験数nを10個とし、ACIRの平均値及びばらつき(σ)を求めた。表1にその結果を示す。
表1の結果から分かるように、実施例の電池のみ、充電後においても、電極体の最外周部に位置する負極の露出部上に堆積物(前述のフッ化水素由来の反応生成物であると推察される)が確認されなかった。また、実施例の電池のACIR平均値及びばらつきは、他の比較例のACIRの平均値及びばらつきより低い値を示した。これらのことから、カルボン酸エステルを含む非水溶媒と、六フッ化リン酸リチウムを含む電解質とを有し、カルボン酸エステルの含有量が、非水溶媒の総体積に対して0.1体積%以上5.0体積%以下である非水電解質を用いることで、電極体の最外周部に位置する負極の露出部とケース本体との間に、フッ化水素由来の反応生成物が堆積することが抑制され、電池の抵抗増加が抑制されると言える。
<非水溶媒の粘度測定>
エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを、体積比で、2:8となるように混合した非水溶媒、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、酢酸メチル(MA)とを、体積比で、2:7.5:0.5となるように混合した非水溶媒、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、酢酸メチル(MA)とを、体積比で、2:7:1となるように混合した非水溶媒、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、酢酸メチル(MA)とを、体積比で、2:6:2となるように混合した非水溶媒、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、酢酸メチル(MA)とを、体積比で、2:3.5:4.5となるように混合した非水溶媒それぞれの粘度を粘度計(micro VISC、RheoSense社製)により測定した。
図3に、酢酸メチルの含有量(体積%)に対する非水溶媒の粘度の結果を示す。図3に示すように、酢酸メチルの含有量が5体積%を超える非水溶媒は、酢酸メチルの含有量が5体積%である非水溶媒と比較して、低い粘度を有する。しかし、上記実施例及び比較例の結果で示したように、酢酸メチルの含有量が5体積%を超える場合には、フッ化水素由来の反応生成物を抑制することはなく、電池の抵抗増加を抑制する効果もほとんど得られない。このことから、非水溶媒の粘度と反応生成物を抑制する効果には相関性はなく、反応生成物を抑制する効果は、カルボン酸エステルの含有量が適正な範囲の場合に得られる特異的な効果であることが推察される。
10 非水電解質二次電池、11 正極、12 負極、13 セパレータ、14 電極体、15 電池ケース、16 ケース本体、17 封口体、18,19 絶縁板、20 正極タブ、21 負極タブ、22 張り出し部、23 フィルタ、24 下弁体、25 絶縁体、26 上弁体、27 キャップ、28 ガスケット、30 負極集電体、32 負極活物質層、34 塗工部、36 露出部。

Claims (3)

  1. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータとを巻回した電極体、
    カルボン酸エステルを含む非水溶媒と、六フッ化リン酸リチウムを含む電解質とを有する非水電解質、
    前記電極体及び前記非水電解質を収容するケース本体、
    前記ケース本体の開口部を封口する封口体、を備え、
    前記負極は、負極集電体上に負極活物質層が配置された塗工部と、負極集電体上に負極活物質が配置されておらず、負極集電体が露出した露出部を有し、
    前記電極体の最外周部には、前記露出部が位置し、当該露出部が前記ケース本体の内面に直接接触し、
    前記カルボン酸エステルの含有量は、前記非水溶媒の総体積に対して0.1体積%以上5.0体積%以下である、非水電解質二次電池。
  2. 前記カルボン酸エステルは、酢酸メチルを含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記ケース本体は、鉄系金属から構成される、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
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