JP2001109948A - 自動販売機の商品取出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】１台の駆動モータと駆動ばねだけで、商品の横
搬送と縦搬送動作を同時に並行して行い、商品取出口へ
の搬送時間の短縮化が図れるようにする。 【解決手段】キャビネットの前面に配した内扉２には左
右に並ぶ商品払出口５ａ〜５ｃ，外扉には上位に位置す
る商品取出口４を備え、庫内の商品収納ラックから払出
した商品を持ち上げ搬送して商品取出口に送出する商品
取出装置であって、端部に前方に向けて開口する出口ス
テージ１１ａを形成したバケット１１と、バケット昇降
駆動機構１２と、バケット内に組み込んだ水平コンベヤ
機構１３と、バケットの下降移動行程でばね力を蓄勢
し, 上昇移動行程で蓄勢ばね力により水平コンベヤ機構
を定方向に周回させる駆動ばねとしてのゼンマイばね１
４を具備し、庫内から払出して水平コンベヤに移載した
商品１０をバケットの上昇移動過程で出口ステージに移
し、上昇位置で商品取出口に送出すようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、缶，壜入り商品を
販売する自動販売機を対象に、庫内の商品収納ラックか
ら払出した商品を持ち上げ搬送して前面扉の中段位置に
開口する商品取出口に送出する自動販売機の商品取出装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】機内に装備した商品取出装置により、庫
内の商品収納ラックから下方に払出し商品を持ち上げ搬
送して前面扉の中段位置に開口する商品取出口に送出す
るようにした自動販売機が「イージーアクセス」式自動
販売機の名称で知られており、その商品取出装置の一例
として水平ベルトコンベヤの横搬送部と、バケット付き
エレベータ機構の縦搬送部を組合せた方式のものが特開
平３−１８９８９９号公報などで公知である。

【０００３】図２は水平コンベヤとバケット付きエレベ
ータ機構を組合せた前記商品取出装置の従来構成図であ
る。図において、１は自動販売機のキャビネット、２は
その前面に配した外扉、３は内扉であり、キャビネット
１は庫内を左右に並ぶ複数の部屋に仕切った上で各部屋
ごとに例えばサーペンタイン式の商品収納ラック，およ
び冷却／加熱ユニット（図示せず）を装備している。ま
た、外扉２の中段位置には商品取出口４が開口し、内扉
３の下部にはキャビネット１の各部屋に対応して商品収
納ラックから下方に落下搬出した商品を庫内のシュータ
を経て内扉３の前方に払出すフラッパ付きの商品払出口
５が左右に並んで開口している。そして、外扉２と内扉
３との間に次記構成の商品取出装置６を装備している。

【０００４】ここで、商品取出装置６は、内扉３に開口
した商品払出口５の前方に敷設した水平ベルトコンベヤ
機構７と、該水平ベルトコンベヤ機構７に連係してその
送出端側に配置した商品受台８，および商品受台８を昇
降移動するチェーンエレベータ式昇降駆動機構９との組
合せからなる。なお、７ａは水平ベルトコンベヤ機構７
の駆動モータ、９ａは昇降駆動機構９の駆動モータであ
る。

【０００５】かかる構成で、販売指令に基づき商品収納
ラックから払出し、内扉３の商品払出口５を通じて前方
に転がり出た商品１０は、水平ベルトコンベヤ機構７に
載って右方向に横搬送されて、下降位置に待機している
商品受台８に受け渡される。次いで昇降駆動機構９が始
動して商品１０を収容した商品受台８を上昇移動し、そ
の上昇終端位置で商品受台８を前傾させて受台８から商
品１０を転動式に商品取出口４に送り出す。これによ
り、自動販売機の利用客は体を屈めることなく、立った
ままの楽な姿勢で商品取出口４から商品１０を取り出す
ことができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来の持ち上げ搬送式商品取出装置では構造，搬送機能面
で次に述べるような難点がある。すなわち、 (1) 水平ベルトコンベヤ機構７，および昇降駆動機構９
の駆動源として個別に駆動モータ７ａ，９ａが必要であ
って製作コストが嵩む。

【０００７】(2) 商品収納ラックから払出した商品１０
を商品取出口４へ持ち上げ搬送する搬送動作が、内扉３
の商品払出口５から払出した商品１０を水平ベルトコン
ベヤ機構７に載せて商品受台８まで横搬送する工程と、
商品受台８への商品移載を待って商品受台８を商品取出
口４の位置まで上昇搬送する工程とに分けて行われるた
めに、商品払出口５から商品取出口４に至る商品１０の
配送経路が長く、それだけ商品搬送に要する時間（客の
待ち時間）が長く掛かる。

【０００８】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、その目的は前記課題を解決し、１台の駆動モータと
簡単な駆動ばねだけで、商品の横搬送と縦搬送動作を同
時に並行して行うようにして商品取出口に送出する搬送
時間の短縮化が図れるように改良した自動販売機の商品
取出装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、商品収納ラックを搭載したキャビ
ネットの前面に内扉，外扉を配し、かつ内扉の下部には
左右に並ぶ複数の商品払出口，外扉には前記商品払出口
よりも上方位置に商品取出口を備え、販売指令に基づき
商品収納ラックから前記商品払出口を通じて前方に払出
した商品を持ち上げ搬送して商品取出口に送出する自動
販売機の商品取出装置において、前記の各商品払出口に
またがり、かつ一端に商品取出口に向けて開口する出口
ステージを形成したトラフ状のバケットと、該バケット
を昇降させる縦搬送部としての昇降駆動機構と、前記バ
ケット内に組み込んだ横搬送部としての水平コンベヤ機
構と、バケットの下降移動行程でばね力を蓄勢し, 上昇
移動行程で蓄勢ばね力により水平コンベヤ機構を定方向
に周回させる駆動ばねを具備し、販売動作により商品収
納ラックから払出してバケット内の水平コンベヤ機構の
ベルト上に移載した商品を、バケットの上昇移動過程で
出口ステージに移送し、バケットの上昇終端位置で商品
を出口ステージから商品取出口に送出すように構成する
（請求項１）ものとし、ここで、前記水平コンベヤ機構
の駆動ばねをコンベヤの駆動プーリに連結したゼンマイ
ばねとし、その先端をバケットの昇降経路に沿い上方に
引き出して固定する（請求項２）。

【００１０】かかる構成によれば、バケットの上昇移動
工程で商品の横搬送と縦搬送が並行して同時に進行する
ので、商品収納ラックから払出した商品を商品取出口に
送出するまでの搬送時間が短くて済む。しかも、バケッ
ト内に組み込んだ水平コンベヤ機構の駆動手段としてゼ
ンマイばねを採用し、バケットの下降移動行程でゼンマ
イばねを引出して蓄勢するするようにしたので、水平コ
ンベヤ機構の駆動モータが必要なく、その分だけ商品取
出装置が簡単な構造となって製作コストが節減できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
の実施例で説明する。なお、実施例の図中で図２に対応
する同一部材には同じ符号を付してその説明は省略す
る。

【００１２】図１において、内扉３の前面側には本発明
による商品取出装置６が装備されている。この商品取出
装置６は、商品払出口５（各払出口を左側から５ａ〜５
ｃで示す）を開口した内扉３の横幅とほぼ同じ長さを有
する横長なバケット１１と、バケット１１を吊り下げて
上下方向に移動操作する昇降駆動機構１２と、バケット
１１の内部に組み込んだ水平コンベヤ機構１３と、バケ
ット１１の上昇移動行程で水平コンベヤ機構１３を周回
駆動する駆動ばねとしてのゼンマイばね１４を組合せた
構成になる。商品取出装置６を構成する前記の各部品が
内扉３の前面に装備されている。なお、商品取出口４は
キャビネット１の外扉２に対してその中段高さの左端位
置に開口している。

【００１３】ここで、前記のバケット１１は上面を開放
したトラフ形の箱体で、その左端には商品取出口４と上
下に位置を合わせて出口ステージ１１ａが前方に開口し
ており、かつ出口ステージ１１の中には傾斜した商品送
出用のシュータ１１ｂを備えている。また、前記の出口
ステージ１１ａとバケット１１の右端との間には水平搬
送部としての水平コンベヤ機構１３が敷設されている。
なお、バケット１１の昇降移動領域（ホームポジション
と商品取出口４との間の領域）では、バケット１１の左
端に画成した出口ステージ１１ａに保持した商品１０が
脱落しないようにその開口端面をキャビネットの前面外
扉２（図２参照），もしくは商品取出装置６の前方を包
囲するガイドカバーで覆うようにしている。

【００１４】一方、バケット昇降駆動機構１２は、バケ
ット１１の左右両端を吊り下げたワイヤ１２ａと、ワイ
ヤ１２ａの巻取ドラム１２ｂと、左右の巻取ドラム１２
ｂに連結して内扉３に軸受を介して支持された駆動軸１
２ｅに歯車１２ｃを介して伝動結合した駆動モータ（可
逆転式モータ）１２ｄとの組合せからなり、駆動モータ
１２ｄを正，逆転することによりバケット１１を昇降操
作する。

【００１５】また、水平コンベヤ機構１３は、左右一対
のプーリ間に桟付きのエンドレスベルトを張架した構成
でになり、その駆動側のプーリー軸には巻取枠に巻き付
けたゼンマイばね１４が歯車を介して連結されている。
ここで、ゼンマイばね１４は巻き取り方向にばね力が作
用すように巻き癖を付与した渦巻きばねであり、前記巻
取枠からバケット１１の昇降移動経路に沿って上方に引
出したばね先端が固定具１４ａを介して内扉３に固定さ
れている。

【００１６】次に、前記構成になる商品取出装置６の動
作を説明する。まず、自動販売機の販売待機状態ではバ
ケット１１が下降位置（ホームポジション）に待機して
おり、この待機状態ではゼンマイばね１４が引き伸ばさ
れてばね力を蓄勢した状態にある。

【００１７】ここで、販売指令に基づき商品収納ラック
から払出した商品１０が内扉３の商品払出口５ｃを通じ
てその前方に待機している水平ベルトコンベヤ１３の上
に転がり出し、これを商品払出口５ｃに備えた商品検出
スイッチなどで検知すると、この検知信号を基にバケッ
ト昇降駆動機構１２の駆動モータ１２ｄを正転方向に始
動してバケット１１を上昇移動操作するとともに、バケ
ット１１の上昇移動に伴い蓄勢状態にあったゼンマイば
ね１４のばね力で水平コンベヤ機構１３を反時計方向に
周回駆動する。これにより、ベルト上に載っている商品
１０が左側に搬送されて、コンベヤ機構の終端から出口
ステージ１１ａに転がり出る。なお、内扉の左端に位置
する商品払出口５ａから払出した商品１０は、水平コン
ベヤ機構１３を経由せずに、直接出口ステージ１１ａに
転がり出てここに保持される。

【００１８】そして、バケット１１が上昇終端位置に到
達すると、この位置でバケット１１の出口ステージ１１
ａと外扉に開口した商品取出口４と対峙するようにな
り、先のバケット上昇行程で水平コンベヤ機構１３から
出口ステージ１１ａに移動してここに保持されていた商
品１０が、出口ステージ１１に設けたシュータ１１ｂの
斜面を転動して商品取出口４に送出される。また、商品
１０が商品取出口４に送出されると、次に昇降駆動機構
１２の駆動モータ１２ｄが逆転してバケット１１をその
重力を利用して下降移動させるとともに、この下降移動
行程でゼンマイばね１４を引き伸ばしてばね力を蓄勢す
る。また、バケット１１がホームポジションまで下降す
ると、昇降駆動機構１２の駆動モータ１２ｄが停止して
自動販売機が販売待機状態に戻る。

【００１９】なお、図示例では水平ベルトコンベヤ１３
の駆動ばねとしてゼンマイばね１４を用いているが、ゼ
ンマイばねの代わりに伸縮ストロークの長い引っ張りコ
イルばねを採用することも可能である。また、バケット
１１は巻取プーリ１２ｂにワイヤ１２ａで吊りさげるよ
うに構成しているが、これは上下のプーリ間に掛け渡さ
れたタイミンクベルトにバケット１１を取り付けるよう
にしてもよい。さらに、バケット昇降駆動機構１２，お
よびゼンマイばね１４の固定具１４ａは、内扉に取付け
るものについて説明したが、これは外扉に取付けるよう
にすることもできる。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、内
扉の前方に配したエレベータ式の昇降バケットに組み込
んだ水平コンベヤ機構の駆動手段として、バケットの下
降移動行程でばね力を蓄勢し, 上昇移動行程で蓄勢ばね
力により水平ベルトコンベヤを定方向に周回させるゼン
マイばねなどの駆動ばねを採用したことにより、横搬送
部としての水平コンベヤ機構に専用の駆動モータを備え
る必要がなく、従来方式の商品取出装置と比べて製作コ
ストの低減化が図れるとともに、バケットを上昇移動す
ることにより、商品の横搬送と縦搬送が同時に並行して
進行するので、横搬送と縦搬送を別々に分けて持ち上げ
搬送する従来方式と比べて商品が商品取出口に送出され
るまでの搬送時間，したがって販売動作時間の短縮化が
図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による商品取出装置の構成斜視
図

【図２】従来構成の持ち上げ式商品取出装置を搭載した
自動販売機の一部切欠正面図

【符号の説明】

１ 自動販売機のキャビネット ２ 外扉 ３ 内扉 ４ 商品取出口 ５ａ〜５ｃ 商品払出口 ６ 商品取出装置 １０ 商品 １１ バケット １１ａ 取出ステージ １２ バケット昇降駆動機構 １３ 水平コンベヤ機構 １４ ゼンマイばね（水平コンベヤ機構の駆動ばね） １４ａ ゼンマイばねの先端固定具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】商品収納ラックを搭載したキャビネットの
   前面に内扉，外扉を配し、かつ内扉の下部には左右に並
   ぶ複数の商品払出口，外扉には前記商品払出口よりも上
   方位置に商品取出口を備え、販売指令に基づき商品収納
   ラックから前記商品払出口を通じて前方に払出した商品
   を持ち上げ搬送して商品取出口に送出する自動販売機の
   商品取出装置であって、前記の各商品払出口にまたが
   り、かつ一端に商品取出口に向けて開口する出口ステー
   ジを形成したトラフ状のバケットと、該バケットを昇降
   させる縦搬送部としての昇降駆動機構と、前記バケット
   内に組み込んだ横搬送部としての水平コンベヤ機構と、
   バケットの下降移動行程でばね力を蓄勢し, 上昇移動行
   程で蓄勢ばね力により水平コンベヤ機構を定方向に周回
   させる駆動ばねを具備し、販売動作により商品収納ラッ
   クから払出してバケット内の水平コンベヤ機構のベルト
   上に移載した商品を、バケットの上昇移動過程で出口ス
   テージに移送し、バケットの上昇終端位置で商品を出口
   ステージから商品取出口に送出すようにしたことを特徴
   とする自動販売機の商品取出装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の商品取出装置において、水
   平コンベヤ機構の駆動ばねがコンベヤの駆動プーリに連
   結したゼンマイばねであり、その先端をバケットの昇降
   経路に沿い上方に引き出して固定したことを特徴とする
   ことを特徴とする自動販売機の商品取出装置。