JP2001105739A - 熱可逆性記録材料、及びそれを用いた熱可逆性記録媒体 - Google Patents

熱可逆性記録材料、及びそれを用いた熱可逆性記録媒体

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JP2001105739A
JP2001105739A JP28392799A JP28392799A JP2001105739A JP 2001105739 A JP2001105739 A JP 2001105739A JP 28392799 A JP28392799 A JP 28392799A JP 28392799 A JP28392799 A JP 28392799A JP 2001105739 A JP2001105739 A JP 2001105739A
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saturated carboxylic
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Yoichi Nishioka
洋一 西岡
Yukihisa Okada
幸久 岡田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱エネルギーの制御により、容易に画像の形
成と消去とを繰り返し行うことができ、良好な画像コン
トラストを持ち、優れた画像保存性が期待できる熱可逆
性記録材料及びそれを用いた記録媒体の提供。 【解決手段】 電子受容性化合物が、飽和カルボン酸の
誘導体である、下記(1)式に示す4−ヒドロキシアル
キルアニリド、下記(2)式に示すN−(4−ヒドロキ
シフェニル)−N' −アルキル尿素、及び下記(3)式
に示すN−サリチロイル−N' −アルキロイルヒドラジ
ンからなる群より選ばれた1種の飽和カルボン酸の誘導
体であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可逆性記録材
料及びそれを用いた熱可逆性記録媒体に関する。
【0002】特に、熱エネルギーの制御により、電子供
与性呈色性化合物と、電子受容性化合物との間の発色・
消色反応を利用し、画像の形成と消去とを繰り返し行う
ことができる熱可逆性記録材料、及びそれを用いた熱可
逆性記録媒体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】近年、OA機器の普及に伴い、普通紙、
及び感熱記録紙は、ワードプロセッサやファックスなど
のOA機器に広く用いられて、大量に消費されている。
このため、オフィスからの廃棄物の低減、及び地球環境
保全などの観点から、実用性の高いリサイクル可能な記
録媒体が望まれている。
【0004】このような記録媒体を実現するために、画
像の形成と消去とを、繰り返し可逆的に行うことのでき
る熱可逆性記録材料を利用した記録媒体の開発が進めら
れている。
【0005】従来、このような画像の形成と消去とを繰
り返し行うことができる熱可逆性記録材料については、
例えば、特開平7−81241号公報に開示されてい
る。この公報によれば、マトリクス材と有機低分子物質
とを含み、かつ熱履歴により透明度が変化する可逆性感
熱記録材料が開示されている。また、その有機低分子物
質として、炭素数27〜61の飽和カルボン酸が用いら
れている。また、この公報によれば、この可逆性感熱記
録材料は、加熱後の急冷却と徐冷却により、室温で透明
状態と白濁状態とを、可逆的に形成できること、更に画
像保存性が優れていることが説明されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示された熱可逆性記録材料は、熱エネルギーにより、
透明度を可逆的に変化させるものであった。
【0007】しかしながら、熱可逆性記録材料の透明度
を変化させたのでは、画像形成部と画像未形成部のコン
トラストが不十分であるという問題があった。
【0008】そこで、熱エネルギーの制御により、画像
の形成と消去とを容易にし、かつ繰り返し行うことがで
き、良好な画像コントラストを持ち、しかも、画像保存
性の優れた熱可逆性記録材料、及びそれを用いた熱可逆
性記録媒体の出現が求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】この出願の第1発明であ
る熱可逆性記録材料は、電子受容性化合物及び電子供与
性呈色性化合物を含んでいる。この熱可逆性記録材料に
おける画像の形成及び消去の原理は、以下のように考え
られる。通常、無色又は淡色の電子供与性呈色性化合物
は、これを電子受容性化合物と共に加熱すると、電子供
与性呈色性化合物から電子受容性化合物へ電子移動が起
こって、発色する。
【0010】この際、電子受容性化合物分子は、発色し
た電子供与性呈色性化合物分子、すなわち染料分子の極
めて近傍に存在している。発色した染料分子から電子受
容性化合物分子を引き離すと、発色した染料分子は、再
び電子を受け取って、発色前の電子供与性呈色性化合物
に戻る。
【0011】更に、熱可逆性記録材料は、加熱して溶融
状態にすることによって、電子供与性呈色性化合物と電
子受容性化合物とが混合して発色する。溶融状態の混合
物をゆっくり冷却すると、当該混合物は降温するに従
い、相分離しながら固化するために消色する。一方、当
該混合物を急冷すると、この混合物は、相分離が起こる
前、すなわち発色状態を保持したままで固化する。
【0012】また、熱可逆性記録材料を構成する、この
発明の電子受容性化合物は、飽和カルボン酸の誘導体で
ある、下記(1)式に示す4−ヒドロキシアルキルアニ
リド、下記(2)式に示すN−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−N' −アルキル尿素、及び下記(3)式に示すN
−サリチロイル−N' −アルキロイルヒドラジン
【0013】
【化3】
【0014】からなる群より選ばれた1種の飽和カルボ
ン酸の誘導体である。但し、上記(1)〜(3)式中の
Rはアルキル基とする。
【0015】ところで、急冷で形成された発色状態は、
消色状態に比べ不安定で、温度及び経時的に消色状態に
変化しやすい。そこで、この発明においては、安定な発
色状態を得るために、長鎖アルキル基を有する電子受容
性化合物を用いた。炭素数が大きいほど、アルキル基の
鎖長が長くなり、その結果、安定な発色状態が得られる
と推定される。
【0016】この構成によれば、熱エネルギーの制御に
より、容易に画像の形成と消去とを繰りかえし行うこと
ができ、良好な画像コントラストを持ち、しかも画像保
存性の優れた熱可逆性記録材料を得ることができる。
【0017】また、上述の発明の実施に当たり、好まし
くは、電子受容性化合物に用いる飽和カルボン酸の誘導
体は、以下の飽和カルボン酸を用いて合成された誘導体
とするのが良い。また、誘導体の合成に用いる飽和カル
ボン酸は、炭素数が24〜36の飽和カルボン酸である
のが良い。すなわち、リグノセリン酸、ペンタコサン
酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコ
サン酸、メリシン酸、ヘントリアコンタン酸、ラクセル
酸、トリトリアコンタン酸、ゲダ酸、セロプラスチン
酸、ヘキサトリアコンタン酸が挙げられる。
【0018】また、上述の発明の実施に当たり、電子受
容性化合物は、4−ヒドロキシアルキルアニリド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)−N' −アルキル尿素、及
びN−サリチロイル−N' −アルキロイルヒドラジンか
ら選ばれた、飽和カルボン酸の誘導体のうち、互いに炭
素数が異なる飽和カルボン酸を出発物質として合成され
た2種類以上の誘導体の混合物を含んで構成されるのが
良い。
【0019】この構成によれば、単独の飽和カルボン酸
を用いるよりも、数種類の飽和カルボン酸を混合して使
用した方が、コストを低減することができる。その理由
を以下に示す。すなわち、飽和カルボン酸は、工業的に
油脂から混合飽和カルボン酸として得られる。混合飽和
カルボン酸を分離精製して、炭素数がある範囲の飽和カ
ルボン酸が得られる。更に分離精製することにより、単
独の飽和カルボン酸が得られる。
【0020】以上のことから、電子受容性化合物に数種
類の混合飽和カルボン酸を用いることで、分離精製する
工程を少なくすることができ、従って、安価な熱可逆性
記録材料を提供できる。
【0021】次に、この出願の第2発明である熱可逆性
記録媒体は、支持体と、その支持体の上側に設けられ
た、電子受容性化合物及び電子供与性呈色性化合物を含
む熱可逆性記録層とを具えている。
【0022】また、熱可逆性記録層に用いられる前記電
子受容性化合物は、上述した第1発明の熱可逆性記録材
料である。
【0023】このように構成すれば、第1発明の特性を
生かした熱可逆性記録媒体が得られる。
【0024】また、上述の第2発明の実施に当たり、好
ましくは、支持体と、該支持体の上側に設けられた熱可
逆性記録層との間に、中間層が介されているのが良い。
目的に応じた中間層を設けることによって、この発明の
熱可逆性記録媒体をカード、用紙、OHPシート、及び
ディスプレイ等として使用可能となる。
【0025】また、上述の第2発明の実施に当たり、熱
可逆性記録媒体は、好ましくは、支持体と、該支持体の
上側に順次に積層された第1及び第2熱可逆性記録層を
具えているのが良い。また、好ましくは、第1熱可逆性
記録層と第2熱可逆性記録層とは、電子供与性呈色性化
合物が互いに異なっているのが良い。
【0026】このように構成すれば、熱可逆性記録層に
用いる電子供与性呈色性化合物の種類を変えることによ
り、この発明の熱可逆性記録媒体の発色を変えることが
でき、混色表示させることも可能となる。
【0027】また、上述の第2発明の実施に当たり、熱
可逆性記録媒体は、好ましくは、支持体と、該支持体の
上側に前記第1熱可逆性記録層を備え、前記支持体の下
側に前記第2熱可逆性記録層を具えている。第1熱可逆
性記録層と第2熱可逆性記録層とは、電子供与性呈色性
化合物が互いに異なっていると良い。このように構成す
れば、両面印刷が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】この発明は、熱可逆性記録材料
と、それを用いた熱可逆性記録媒体に関するものであ
る。
【0029】まず、この発明の実施の形態に係る、第1
発明である熱可逆性記録材料について以下に示す。
【0030】以下の実施例に係る熱可逆性記録材料は、
電子受容性化合物及び電子供与性呈色性化合物を含んで
いる。電子受容性化合物と電子供与性呈色性化合物と
は、熱エネルギーを制御することによって、発色と消色
の反応が起こる。また、これらを用いることによって、
画像の形成と消去とを繰り返し行うことができる。
【0031】<第1発明の実施例1>第1発明の実施例
1では、電子受容性化合物として、飽和カルボン酸の誘
導体である4−ヒドロキシアルキルアニリド(HO−C
64 −NHCOR(R:アルキル基))を用いた例に
つき説明する。ただし、上記(−C64 −)は、下記
の(4)式で示すフェニレン基である。また、以下の説
明中で単に(−C64 −)と示してある場合も同様
に、下記の(4)式で示されるフェニレン基とする。
【0032】
【化4】
【0033】(1−1a)第1発明の実施例1a 初めに、電子受容性化合物である4−ヒドロキシアルキ
ルアニリドの合成方法について説明する。ここでは、炭
素数が30の飽和カルボン酸である、メリシン酸(C29
59COOH)を出発物質とした例につき説明する。
【0034】まず、メリシン酸(C2959COOH)と
塩化チオニル(SOCl2 )とを70℃〜80℃の範囲
内の適当な温度、例えば、ここでは76℃で1時間加熱
して反応させて、酸クロライドであるC2959COCl
を得る。次に、得られた酸クロライド(C2959COC
l)と、4−アミノフェノール(HO−C64 −NH
2 )とを室温で1時間程反応させて、4−ヒドロキシト
リアコンタンアニリド(HO−C64 −NHCOC29
59)を得る。
【0035】次に、電子供与性呈色性化合物として3−
ジブチルアミノ−6−メチル−アニリノフルオランを準
備する。
【0036】電子供与性呈色性化合物3−ジブチルアミ
ノ−6−メチル−アニリノフルオラン1重量部に対し
て、電子受容性化合物4−ヒドロキシトリアコンタンア
ニリド2重量部、を用意する。電子供与性呈色性化合物
を1重量部に対し、電子受容性化合物を0.5〜2.5
重量部の割合で実施可能であるが、本実施例において
は、熱可逆性記録材料の特性を調べるため、電子供与性
呈色性化合物1重量部に対し、電子受容性化合物を2重
量部に固定して実験を行った。
【0037】これらを、ガラス基板上で混合する。次
に、これらを加熱して溶融した後、冷却して室温にす
る。これにより、ガラス基板上に膜が形成される。この
ようにして得られた試料をA30とする。
【0038】上記の方法によって得られたA30を、ホ
ットプレートの上にのせ、140℃で1分間加熱する。
その後、A30を水中に浸漬することによって、急冷し
て室温にする。これにより、試料A30は、黒色の発色
状態となる。
【0039】次に、試料A30をホットプレートの上に
再びのせ、140℃で1分間加熱する。その後、自然に
冷却して室温まで徐冷する。これにより、試料A30
は、無色透明の消色状態となる。
【0040】次に、画像コントラストの尺度とするた
め、マクベス濃度計により、試料A30の発色状態と消
色状態における光学濃度を測定した。発色状態、すなわ
ち印字部の光学濃度ODは、OD≧1.4であり、消色
状態、すなわち非印字部の光学濃度ODは、OD≦0.
2であった。従って、試料A30を材料に用いれば、通
常の印刷物と同レベルか、もしくは、それ以上の画像コ
ントラストが期待できる。
【0041】次に、試料A30を加熱後、急冷して発色
状態にした後、室温から加熱昇温した際の、試料A30
の透過率の変化を測定した。試料A30は、80℃を越
えると透過率が上昇し始め、90℃付近から透過率が高
くなり、透明状態に変化した。
【0042】上記の透過率が上昇し始める温度を上限画
像保存温度とし、画像の保存性の尺度とした。試料A3
0の上限画像保存温度は、80℃であった。
【0043】次に、上記と同様の方法で、炭素数が30
の飽和カルボン酸であるメリシン酸以外の、炭素数が1
6〜36の範囲内の飽和カルボン酸を出発物質として、
飽和カルボン酸の誘導体4−ヒドロキシアルキルアニリ
ド(HO−C64 −NHCOR(R:アルキル基))
を合成した。この実施例では、炭素数が16,18,2
4,26,30の飽和カルボン酸化合物、すなわちヘキ
サデカン酸、オクタデカン酸、テトラコサン酸、ヘキサ
コサン酸、メリシン酸を出発物質として用いた。また、
炭素数が30〜36の飽和カルボン酸混合物、すなわち
メリシン酸、ヘントリアコンタン酸、ラクセル酸、トリ
トリアコンタン酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサ
トリアコンタン酸の混合物を出発物質として用いた。
【0044】また、上記と同様の方法で、電子供与性呈
色性化合物3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオランを1重量部、合成された各々の電子受容
性化合物4−ヒドロキシアルキルアニリドを2重量部用
意し、これらをガラス基板上で混合した。電子供与性呈
色性化合物を1重量部に対し、電子受容性化合物を0.
5〜2.5重量部の割合で実施可能であるが、本実施例
においては、熱可逆性記録材料の特性を調べるため、電
子供与性呈色性化合物1重量部に対し、電子受容性化合
物を2重量部に固定して実験を行った。
【0045】次に、これを加熱溶融後、冷却して室温に
することによって、ガラス基板上に膜が形成され、これ
を試料とした。炭素数の異なる飽和カルボン酸を出発物
質として合成されて作られた、これらの試料を発色状態
にした後、室温から昇温した際の透過率の変化を測定
し、それぞれ、上限画像保存温度を求めた。
【0046】求めた上限画像保存温度を比較した結果を
以下に示す。HO−C64 −NHCOC1531は38
℃、HO−C64 −NHCOC1735は51℃、HO
−C64 −NHCOC2347は65℃、HO−C6
4 −NHCOC2551は71℃、HO−C64 −NH
COC2959は80℃であった。また、HO−C64
−NHCOC2959、HO−C64 −NHCOC30
61、HO−C64 −NHCOC3163、HO−C6
4 −NHCOC3265、HO−C64 −NHCOC33
67、HO−C64 −NHCOC3469、HO−C6
4 −NHCOC3571の混合物は、80℃であった。
上記の結果によると、アルキル基の炭素数が大きいほど
上限画像保存温度は高くなる傾向があった。
【0047】また、この発明の目的である、優れた画像
保存性を得るための基準として、上記の上限画像保存温
度を60℃以上とした。この条件を備えているのは、炭
素数が24以上の飽和カルボン酸化合物を出発物質とし
て合成した、4−ヒドロキシアルキルアニリドを電子受
容性化合物として用いた場合であった。
【0048】(1−1b)第1発明の実施例1b 次に、上記の方法で得られた、互いに炭素数が異なる飽
和カルボン酸を出発物質として合成された電子受容性化
合物を、2種類準備した。ここでは、電子受容性化合物
として、実施例1aで既に説明した4−ヒドロキシテト
ラコサンアニリド(HO−C64 −NHCOC
2347)と、4−ヒドロキシトリアコンタンアニリド
(HO−C64 −NHCOC2959)とを用いた。ま
た、電子供与性呈色性化合物として3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオランを用いた。
【0049】次に、電子受容性化合物として4−ヒドロ
キシテトラコサンアニリドを1重量部と4−ヒドロキシ
トリアコンタンアニリドを1重量部、そして、電子供与
性呈色性化合物として3−ジブチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン1重量部、を用意した。電子
供与性呈色性化合物を1重量部に対し、電子受容性化合
物を0.5〜2.5重量部の割合で実施可能であるが、
本実施例においては、熱可逆性記録材料の特性を調べる
ため、電子供与性呈色性化合物1重量部に対し、電子受
容性化合物を2重量部に固定して実験を行った。
【0050】これらを、ガラス基板上で混合し、加熱溶
融後、冷却して室温にすることによって、ガラス基板上
に膜が形成される。これを試料とした。
【0051】次に、画像コントラストの尺度とするた
め、マクベス濃度計により、この試料の発色状態と消色
状態における光学濃度を測定した。発色状態、すなわ
ち、印字部の光学濃度ODは、OD≧1.4であり、消
色状態、すなわち、非印字部の光学濃度ODは、OD≦
0.2であった。従って、電子受容性化合物を2種類使
用した試料を材料に用いても、通常の印刷物と同レベル
か、もしくは、それ以上の画像コントラストが期待でき
る。
【0052】また、試料を発色状態にした後、室温から
昇温した際の透過率の変化を測定し、上限画像保存温度
を求めた。この試料の上限画像保存温度は69℃であっ
た。
【0053】<第1発明の実施例2>次に、第1発明の
実施例2につき以下説明する。第1発明の実施例2で
は、電子受容性化合物として、飽和カルボン酸の誘導体
であるN−(4−ヒドロキシフェニル)−N' −アルキ
ル尿素を用いた例につき説明する。
【0054】(1−2a)第1発明の実施例2a 初めに、電子受容性化合物であるN−(4−ヒドロキシ
フェニル)−N' −アルキル尿素の合成方法について説
明する。ここでは、炭素数が30の飽和カルボン酸であ
る、メリシン酸(C2959COOH)を出発物質とした
例を用いる。
【0055】まず、メリシン酸(C2959COOH)と
塩化チオニル(SOCl2 )とを70℃〜80℃の範囲
内の適当な温度、例えば、ここでは76℃で、1時間加
熱して反応させて、酸クロライドであるC2959COC
lを得る。次に、得られた酸クロライド(C2959CO
Cl)とナトリウムアジド(NaN3 )とを10〜15
℃の範囲内の温度、例えばここでは12℃で、1時間反
応させて、ノナコサンイソシアナート(C2959NC
O)を得る。得られたノナコサンイソシアナート(C29
59NCO)と4−アミノフェノール(HO−C64
−NH2 )とを70℃〜80℃の範囲内の適当な温度、
例えば、ここでは75℃で、で1時間加熱して反応させ
て、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N' −ノナコサ
ン尿素(HO−C64 −NHCONHC2959)を得
る。
【0056】次に、電子供与性呈色性化合物として3−
ジブチルアミノ−6−メチル−アニリノフルオランを準
備する。
【0057】電子供与性呈色性化合物3−ジブチルアミ
ノ−6−メチル−アニリノフルオラン1重量部に対し
て、電子受容性化合物N−(4−ヒドロキシフェニル)
−N'−ノナコサン尿素2重量部、を用意する。電子供
与性呈色性化合物を1重量部に対し、電子受容性化合物
を0.5〜2.5重量部の割合で実施可能であるが、本
実施例においては、熱可逆性記録材料の特性を調べるた
め、電子供与性呈色性化合物1重量部に対し、電子受容
性化合物を2重量部に固定して実験を行った。
【0058】これらを、ガラス基板上で混合する。次
に、これらを加熱して溶融した後、冷却して室温にす
る。これにより、ガラス基板上に膜が形成される。この
ようにして得られた試料をB30とする。
【0059】上記の方法によって得られたB30を、ホ
ットプレートの上にのせ、140℃で1分間加熱する。
その後、水中に浸漬することにより、急冷して室温にす
る。これにより、試料B30は、黒色の発色状態とな
る。
【0060】次に、試料B30をホットプレートの上に
再びのせ、140℃で1分間加熱する。その後、自然に
冷却して室温まで徐冷する。これにより、試料B30
は、無色透明の消色状態となる。
【0061】次に、画像コントラストの尺度とするた
め、マクベス濃度計により、試料B30の発色状態と消
色状態における光学濃度を測定した。発色状態、すなわ
ち印字部の光学濃度ODは、OD≧1.4であり、消色
状態、すなわち非印字部の光学濃度ODは、OD≦0.
2であった。従って、試料B30を材料に用いれば、通
常の印刷物と同レベルか、もしくは、それ以上の画像コ
ントラストが期待できる。
【0062】上記と同様の方法で、飽和カルボン酸の炭
素数が30の飽和カルボン酸であるメリシン酸以外の、
炭素数が16〜36の飽和カルボン酸を出発物質とし
て、飽和カルボン酸の誘導体N−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−N' −アルキル尿素(HO−C64 −NHC
ONHR(R:アルキル基))を合成した。この実施例
では、炭素数が16,18,24,26,30の飽和カ
ルボン酸化合物、すなわちヘキサデカン酸、オクタデカ
ン酸、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸、メリシン酸を
出発物質として用いた。また、炭素数が30〜36の飽
和カルボン酸混合物、すなわちメリシン酸、ヘントリア
コンタン酸、ラクセル酸、トリトリアコンタン酸、ゲダ
酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンタン酸の混合
物を出発物質として用いた。
【0063】また、上記と同様の方法で、電子供与性呈
色性化合物3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオランを1重量部、合成された各々の電子受容
性化合物4−ヒドロキシアルキルアニリドを2重量部用
意し、これらをガラス基板上で混合した。電子供与性呈
色性化合物を1重量部に対し、電子受容性化合物を0.
5〜2.5重量部の割合で実施可能であるが、本実施例
においては、熱可逆性記録材料の特性を調べるため、電
子供与性呈色性化合物1重量部に対し、電子受容性化合
物を2重量部に固定して実験を行った。
【0064】次に、これらを加熱溶融後、冷却して室温
にすることによって、ガラス基板上に膜が形成され、こ
れを試料とした。炭素数の異なる飽和カルボン酸を出発
物質として合成されて作られた、これらの試料を発色状
態にした後、室温から昇温した際の透過率の変化を測定
し、それぞれ、上限画像保存温度を求めた。
【0065】実施例1aと同様に、それぞれの誘導体に
ついて上限画像保存温度を測定した結果、画像保存性を
得るための基準を満たしたものは、炭素数が24以上の
飽和カルボン酸を出発物質として合成したN−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−N' −アルキル尿素を電子受容性
化合物として用いた場合であった。
【0066】(1−2b)第1発明の実施例2b 次に、上記の方法で得られた、互いに炭素数が異なる飽
和カルボン酸を出発物質として合成された電子受容性化
合物を、2種類準備した。ここでは、電子受容性化合物
として、実施例2aで既に説明したN−(4−ヒドロキ
シフェニル)−N' −トリコサン尿素(HO−C64
−NHCONHC2347)と、N−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−N' −ノナコサン尿素(HO−C64 −N
HCONHC2959)とを用いた。電子供与性呈色性化
合物をとして3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオランを用いた。
【0067】次に、電子受容性化合物としてN−(4−
ヒドロキシフェニル)−N' −トリコサン尿素(HO−
64 −NHCONHC2347)1重量部とN−(4
−ヒドロキシフェニル)−N' −ノナコサン尿素(HO
−C64 −NHCONHC2959)1重量部、そし
て、電子供与性呈色性化合物として3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン1重量部、を用
意した。電子供与性呈色性化合物を1重量部に対し、電
子受容性化合物を0.5〜2.5重量部の割合で実施可
能であるが、本実施例においては、熱可逆性記録材料の
特性を調べるため、電子供与性呈色性化合物1重量部に
対し、電子受容性化合物を2重量部に固定して実験を行
った。
【0068】これらを、ガラス基板上で混合し、加熱溶
融後、室温に冷却することによって、ガラス基板上に膜
が形成される。これを試料とした。
【0069】次に、画像コントラストの尺度とするた
め、マクベス濃度計により、この試料の発色状態と消色
状態における光学濃度を測定した。発色状態、すなわち
印字部の光学濃度ODは、OD≧1.4であり、消色状
態、すなわち非印字部の光学濃度ODは、OD≦0.2
であった。従って、電子受容性化合物を2種類使用した
試料を材料に用いても、通常の印刷物と同レベルか、も
しくは、それ以上の画像コントラストが期待できる。
【0070】また、試料を発色状態にした後、室温から
昇温した際の透過率の変化を測定し、上限画像保存温度
を求めた。この試料の上限画像保存温度は70℃であっ
た。
【0071】<第1発明の実施例3>次に、第1発明の
実施例3につき以下説明する。第1発明の実施例3で
は、電子受容性化合物として、飽和カルボン酸の誘導体
であるN−サリチロイル−N'−アルキロイルヒドラジ
ンを用いた例につき説明する。
【0072】(1−3a)第1発明の実施例3a 初めに、電子受容性化合物であるN−サリチロイル−
N' −アルキロイルヒドラジンの合成方法について説明
する。ここでは、炭素数が30の飽和カルボン酸であ
る、メリシン酸(C2959COOH)を出発物質とした
例を用いる。
【0073】まず、メリシン酸(C2959COOH)と
塩化チオニル(SOCl2 )とを70℃〜80℃の範囲
内の適当な温度、例えば、ここでは76℃で、1時間加
熱して反応させ、酸クロライドであるC2959COCl
を得る。次に、得られた酸クロライド(C2959COC
l)と、下記(5)式に示すサリチルヒドラジドとを室
温で1時間反応させ、下記(6)式に示すN−サリチロ
イル−N' −トリアコンタノイルヒドラジンを得る。
【0074】
【化5】
【0075】次に、電子供与性呈色性化合物として3−
ジブチルアミノ−6−メチル−アニリノフルオランを準
備する。
【0076】電子供与性呈色性化合物3−ジブチルアミ
ノ−6−メチル−アニリノフルオラン1重量部に対し
て、電子受容性化合物N−サリチロイル−N' −トリア
コンタノイルヒドラジン2重量部、を用意する。電子供
与性呈色性化合物を1重量部に対し、電子受容性化合物
を0.5〜2.5重量部の割合で実施可能であるが、本
実施例においては、熱可逆性記録材料の特性を調べるた
め、電子供与性呈色性化合物1重量部に対し、電子受容
性化合物を2重量部に固定して実験を行った。
【0077】これらを、ガラス基板上で混合する。つぎ
に、これらを加熱して溶融した後、冷却して室温にす
る。これにより、ガラス基板上に、膜が形成される。こ
のようにして得られた試料をC30とする。
【0078】上記の方法によって得られたC30を、ホ
ットプレート上にのせ、140℃で1分間加熱する。そ
の後、C30を水中に浸漬することによって、急冷して
室温にする。これにより、試料C30は、黒色の発色状
態となる。
【0079】次に、試料C30をホットプレートの上に
再びのせ、140℃で1分間加熱する。その後、自然に
冷却して室温まで徐冷する。これにより、試料C30
は、無色透明の消色状態となる。
【0080】次に、画像コントラストの尺度とするた
め、マクベス濃度計により、試料C30の発色状態と消
色状態における光学濃度を測定した。発色状態、すなわ
ち印字部の光学濃度ODは、OD≧1.4であり、消色
状態、すなわち非印字部の光学濃度ODは、OD≦0.
2であった。従って、試料C30は、通常の印刷物と同
レベルか、もしくは、それ以上の画像コントラストが期
待できる。
【0081】上記と同様の方法で、炭素数が30の飽和
カルボン酸であるメリシン酸以外の、炭素数が16〜3
6の飽和カルボン酸を出発物質として、飽和カルボン酸
の誘導体N−サリチロイル−N' −アルキロイルヒドラ
ジンを合成した。この実施例では、炭素数が16,1
8,24,26,30の飽和カルボン酸化合物、すなわ
ちヘキサデカン酸、オクタデカン酸、テトラコサン酸、
ヘキサコサン酸、メリシン酸を出発物質として用いた。
また、炭素数が30〜36の飽和カルボン酸混合物、す
なわちメリシン酸、ヘントリアコンタン酸、ラクセル
酸、トリトリアコンタン酸、ゲダ酸、セロプラスチン
酸、ヘキサトリアコンタン酸の混合物を出発物質として
用いた。
【0082】また、上記と同様の方法で、電子供与性呈
色性化合物3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン1重量部、合成された各々の電子受容性
化合物N−サリチロイル−N' −アルキロイルヒドラジ
ン2重量部用意し、これらをガラス基板上で混合した。
電子供与性呈色性化合物を1重量部に対し、電子受容性
化合物を0.5〜2.5重量部の割合で実施可能である
が、本実施例においては、熱可逆性記録材料の特性を調
べるため、電子供与性呈色性化合物1重量部に対し、電
子受容性化合物を2重量部に固定して実験を行った。
【0083】次に、これらを加熱溶融後、冷却して室温
にすることにより、ガラス基板上に膜が形成され、これ
を試料とした。炭素数の異なる飽和カルボン酸を出発物
質として合成された、これらの試料を発色状態にした
後、室温から昇温した際の透過率の変化を測定し、それ
ぞれ、上限画像保存温度を求めた。
【0084】実施例1a,2aと同様に、それぞれの誘
導体について、上限画像保存温度を測定した結果、画像
保存性を得るための基準を満たしたものは、炭素数が2
4以上の飽和カルボン酸を出発物質として合成したN−
サリチロイル−N' −アルキロイルヒドラジンを電子受
容性化合物として用いた場合であった。
【0085】(1−3b)第1発明の実施例3b 次に、上記の方法で得られた、互いに炭素数が異なる飽
和カルボン酸を出発物質として合成された電子受容性化
合物を、2種類準備した。ここでは、電子受容性化合物
として、実施例3aで既に説明した下記(6)式に示す
N−サリチロイル−N' −トリアコンタノイルヒドラジ
ンと、下記(7)式に示すN−サリチロイル−N' −テ
トラコサノイルヒドラジンとを用いた。
【0086】
【化6】
【0087】電子供与性呈色性化合物をとして3−ジブ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを用
いた。
【0088】電子受容性化合物としてN−サリチロイル
−N' −テトラコサノイルヒドラジンを1重量部とN−
サリチロイル−N' −トリアコンタノイルヒドラジンを
1重量部、そして、電子供与性呈色性化合物として3−
ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
1重量部、を用意した。電子供与性呈色性化合物を1重
量部に対し、電子受容性化合物を0.5〜2.5重量部
の割合で実施可能であるが、本実施例においては、熱可
逆性記録材料の特性を調べるため、電子供与性呈色性化
合物1重量部に対し、電子受容性化合物を2重量部に固
定して実験を行った。
【0089】これらを、ガラス基板上で混合し、加熱溶
融後、冷却して室温にすることにより、ガラス基板上に
膜が形成される。これを試料とした。
【0090】次に、画像コントラストの尺度とするた
め、マクベス濃度計により、この試料の発色状態と消色
状態における光学濃度を測定した。発色状態、すなわち
印字部の光学濃度ODは、OD≧1.4であり、消色状
態、すなわち非印字部の光学濃度ODは、OD≦0.2
であった。従って、電子受容性化合物を2種類使用した
試料を材料に用いても、通常の印刷物と同レベルか、も
しくは、それ以上の画像コントラストが期待できる。
【0091】また、試料を発色状態にした後、室温から
昇温した際の透過率の変化を測定し、上限画像保存温度
を求めた。この試料の上限画像保存温度は69℃であっ
た。
【0092】また、上記実施例1〜3において、電子供
与性呈色性化合物として3−ジブチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオランを使用した。その他に使用
可能な電子供与性呈色性化合物として、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,7−
ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチア
ジン、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1
−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール
−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−ジエチ
ルアミノ−7−クロロ−アニリノフルオラン、3,6−
ジメトキシフルオランが挙げられる。
【0093】次に、上述の熱可逆性記録材料を用いて構
成された、この発明の第2発明である熱可逆性記録媒体
について、図面を用いて説明する。なお、図中、各構成
成分の大きさ、形状及び配置関係は、この発明が理解で
きる程度の概略的に示してあるに過ぎず、従って、この
発明は図示例に限定されるものではない。以下、図を用
いて実施の形態について説明する。
【0094】<第2発明の実施例> (2−1)第2発明の実施例1 図1は、第2発明である熱可逆性記録媒体における、実
施例1について示した、最も基本的な構造の断面図であ
る。この熱可逆性記録媒体は、熱可逆性記録層を維持す
るための支持体、電子受容性化合物と電子供与性化合物
を含む熱可逆性記録層及び保護層を具えている。
【0095】支持体10は、熱可逆性記録媒体の設計に
応じた任意好適な形状、構成材料、及び膜厚のものとで
きる。支持体10の構成材料は、例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、及び合
成紙が使用できる。この実施例では、ポリエチレンテレ
フタレートを支持体10として用いた。
【0096】支持体10の上側に、熱可逆性記録層12
を形成する。熱可逆性記録層12は、前記各実施例の熱
可逆性記録材料を樹脂中に分散して、形成される。この
実施例では、電子受容性化合物として4−ヒドロキシテ
トラコサンアニリド(HO−C64 −NHCOC23
47)と、4−ヒドロキシトリアコンタンアニリド(HO
−C64 −NHCOC2959)とを用いた。また、電
子供与性呈色性化合物をとして3−ジブチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオランを用いた。
【0097】樹脂に使用される材料は、水、又は有機溶
剤に溶解する高分子材料が使用される。例えば、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルア
セタール、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリウレタ
ン、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体で
ある。この実施例では、ポリビニルアルコールを樹脂材
料として用いた。
【0098】さらに、上述の熱可逆性記録層12の上側
に、熱可逆性記録媒体を保護するための保護層14を設
ける。保護層14としては、例えば、ポリエポキシアク
リレートを主成分とするUV硬化樹脂、その他のUV硬
化樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィ
ン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリアリレート、フッ素樹脂、
及びポリアクリロニトリル等の有機物質、又は、SiO
2 ,TiO2 ,Al23 などの無機物質が使用可能で
ある。この実施例では、ポリエポキシアクリレートを主
成分とするUV硬化樹脂を保護層として用いた。
【0099】(2−2)第2発明の実施例2 図2は、第2発明である熱可逆性記録媒体における、実
施例2について示した、構造の断面図である。熱可逆性
記録媒体は、熱可逆性記録記録層を維持するための支持
体、中間層、熱可逆性記録層、及び保護層を具えてい
る。
【0100】まず、支持体10を形成する。その支持体
10の上側に、既知の中間層16を設ける。中間層16
には、熱可逆性感熱記録媒体の構成成分間の固定強度を
向上させるための接着層、反射層、又は光吸収層、磁気
情報などを記録するための記録層等を用いることができ
る。また、熱可逆性記録媒体の設計や目的に応じ中間層
を選択して、支持体と熱可逆性記録層との間に介在させ
ることができる。
【0101】上述の中間層16の上側に、上述した熱可
逆性記録層12を形成し、さらに、その上側に保護層1
4を形成する。
【0102】(2−3)第2発明の実施例3 図3は、第2発明である熱可逆性記録媒体における、実
施例3について示した断面図である。
【0103】支持体10と、その支持体10の上側に中
間層16を形成する。次に、中間層16の上側に第1熱
可逆性記録層18を設ける。この第1熱可逆性記録層1
8は、前記各実施例の熱可逆性記録材料を樹脂中に分散
して、形成される。この実施例では、電子受容性化合物
として4−ヒドロキシテトラコサンアニリド(HO−C
64 −NHCOC2347)と、4−ヒドロキシトリア
コンタンアニリド(HO−C64 −NHCOC
2959)とを用いた。また、第1熱可逆性記録層18
は、電子供与性呈色性化合物として3−(4−ジエチル
アミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−
2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
を使用しており、これは青色に発色する。
【0104】次に、前記第1熱可逆性記録層18の上側
に第2熱可逆性記録層20を積層して設ける。第2熱可
逆性記録層20は、前記第1熱可逆性記録層18と同様
の電子受容性化合物と、第1熱可逆性記録層18とは、
電子供与性呈色性化合物が異なる3,3−ビス(1−n
−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
を樹脂中に分散させて形成されている。この電子供与性
呈色性化合物は赤色に発色する。
【0105】このようにすると、第1熱可逆性記録層1
8のみが発色するように支持体の下面側から熱エネルギ
ーを加えれば、青色の発色が得られる。更に、加える熱
エネルギーを大きくすることによって、第1熱可逆記録
層18と第2熱可逆記録層20とを発色させれば、青色
と赤色の混色の発色が得られる。また、第2熱可逆性記
録層20側から、第2熱可逆性記録層20のみを発色す
るように、熱エネルギーを加えれば、赤色の発色が得ら
れる。
【0106】次に、第2熱可逆性記録層20の上側に、
保護層14を形成する。
【0107】(2−4)第2発明の実施例4 図4は、第2発明である熱可逆性記録媒体における、実
施例4について示した断面図である。
【0108】支持体10と、その支持体10の上側に、
中間層22を形成する。中間層22の上側に、第1熱可
逆性記録層18を設ける。この第1熱可逆性記録層18
は、実施例2−3と同様の熱可逆性記録材料を樹脂中に
分散して、形成される。
【0109】次に、支持体10の下側に第2中間層24
を設ける。この第2中間層24の下側に第2熱可逆性記
録層20を設ける。
【0110】第2熱可逆性記録層20は、実施例2−3
と同様の熱可逆性記録材料を樹脂中に分散させて形成さ
れており、かつ第1熱可逆性記録層18とは、電子供与
性呈色性化合物が異なっている。
【0111】第1熱可逆性記録層18は、電子供与性呈
色性化合物として3−(4−ジエチルアミノ−2−エト
キシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)−4−アザフタリドを使用しており、
これは青色に発色する。
【0112】第2熱可逆性記録層20は、電子供与性呈
色性化合物として3,3−ビス(1−n−ブチル−2−
メチルインドール−3−イル)フタリドを使用してお
り、これは赤色に発色する。
【0113】このようにすると、第1熱可逆性記録層1
8のみが発色するように、第1熱可逆性記録層18側か
ら熱エネルギーを加えれば、青色の発色が得られる。第
2熱可逆性記録層20のみが発色するように、第2熱可
逆性記録層20側から熱エネルギーを加えれば、赤色の
発色が得られる。更に、第1熱可逆性記録層18と第2
熱可逆性記録層20の両側から熱エネルギーを加えれ
ば、混色の発色が得られる。
【0114】次に、第1熱可逆性記録層18の上側に第
1保護層26を形成し、第2熱可逆性記録層20の下側
に第2保護層28を形成する。
【0115】また、他に例えば、電子供与性呈色性化合
物として3,6−ジメトキシフルオランを用いると、黄
色の発色が得られる。これと、他の電子供与性呈色性化
合物とを組み合わせて用いても良い。
【0116】
【発明の効果】上記の実施例による熱可逆性記録材料を
用いると、通常の印刷物と同レベル以上の画像コントラ
ストが可能になる。本発明によると、印字部の光学濃度
ODは、OD≧1.4、非印字部の光学濃度ODは、O
D≦0.2であった。コントラストは、印字部と非印字
部の比で表されるため、本発明のコントラストを求める
と、7以上となる。
【0117】従来は、印字部が白濁となり、背景が黒と
なる。従来における印字部の光学濃度ODは、OD=
0.5〜0.8、非印字部の光学濃度ODは、OD=
1.0〜1.3であった。
【0118】本発明のコントラストと、従来のコントラ
ストと比較すると、従来のコントラストは、1.25〜
2.6であり、本発明のコントラストは、上述したよう
に7であった。数値が大きい程、コントラストは、向上
しているということであるため、本発明においては、従
来の3〜5倍程度のコントラストが得られたことにな
る。
【0119】また、上記の実施例による熱可逆性記録材
料を用いることによって、熱エネルギーの制御により、
容易に画像の形成と消去とを繰り返し行うことができ、
良好な画像コントラストを持ち、画像保存性の優れた熱
可逆性記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第2発明における実施例1
の断面図である。
【図2】図2は、この発明の第2発明における実施例2
の断面図である。
【図3】図3は、この発明の第2発明における実施例3
の断面図である。
【図4】図4は、この発明の第2発明における実施例4
の断面図である。
【符号の説明】
10:支持体 12:熱可逆性記録層 14:保護層 16:中間層 18:第1熱可逆性記録層 20:第2熱可逆性記録層 22:第1中間層 24:第2中間層 26:第1保護層 28:第2保護層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子受容性化合物、及び電子供与性呈色
    性化合物を含む熱可逆性記録材料において、 前記電子受容性化合物が、飽和カルボン酸の誘導体であ
    る、下記(1)式に示す4−ヒドロキシアルキルアニリ
    ド、下記(2)式に示すN−(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−N' −アルキル尿素、及び下記(3)式に示すN
    −サリチロイル−N' −アルキロイルヒドラジン 【化1】 からなる群より選ばれた1種の飽和カルボン酸の誘導体
    である、但し、上記(1)〜(3)式中のRはアルキル
    基とする、ことを特徴とする熱可逆性記録材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱可逆性記録材料にお
    いて、 選ばれた前記飽和カルボン酸の誘導体は、炭素数が24
    〜36の飽和カルボン酸を出発物質として合成された誘
    導体とする、ことを特徴とする熱可逆性記録材料。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の熱可逆性記録材料にお
    いて、 前記電子受容性化合物は、前記飽和カルボン酸の誘導体
    群より選ばれた飽和カルボン酸の誘導体のうち、互いに
    炭素数が異なる飽和カルボン酸を出発物質として合成さ
    れた2種類以上の誘導体の混合物とする、ことを特徴と
    する熱可逆性記録材料。
  4. 【請求項4】 支持体と、該支持体の上側に設けられ
    た、 電子受容性化合物及び電子供与性呈色性化合物を含む熱
    可逆性記録層とを具え、 前記電子受容性化合物が、飽和カルボン酸の誘導体であ
    る、下記(1)式に示す4−ヒドロキシアルキルアニリ
    ド、下記(2)式に示すN−(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−N' −アルキル尿素、及び下記(3)式に示すN
    −サリチロイル−N' −アルキロイルヒドラジン 【化2】 からなる群より選ばれた1種の飽和カルボン酸の誘導体
    である、但し、上記(1)〜(3)式中のRはアルキル
    基とする、ことを特徴とする熱可逆性記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の熱可逆性記録媒体にお
    いて、 選ばれた前記飽和カルボン酸の誘導体は、炭素数が24
    〜36の飽和カルボン酸を出発物質として合成された誘
    導体とする、ことを特徴とする熱可逆性記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の熱可逆性記録媒体にお
    いて、 前記電子受容性化合物は、前記飽和カルボン酸の誘導体
    群より選ばれた前記飽和カルボン酸の誘導体のうち、互
    いに炭素数が異なる飽和カルボン酸を出発物質として合
    成された2種類以上の誘導体の混合物とする、ことを特
    徴とする熱可逆性記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項4、請求項5、又は請求項6に記
    載の熱可逆性記録媒体において、 前記支持体と、該支持体の上側に設けられた、前記熱可
    逆性記録層との間に、中間層が介されている、ことを特
    徴とする熱可逆性記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項4、請求項5、又は請求項6に記
    載の熱可逆性記録媒体において、 前記支持体と、該支持体の上側に順次に積層された第1
    及び第2熱可逆性記録層とを含み、 前記第1熱可逆性記録層と、前記第2熱可逆性記録層と
    は、電子供与性呈色性化合物が互いに異なっている、こ
    とを特徴とする熱可逆性記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項4、請求項5、又は請求項6に記
    載の熱可逆性記録媒体において、前記支持体と、該支持
    体の上側に前記第1熱可逆性記録層とを具え、前記支持
    体の下側に前記第2熱可逆性記録層とを具え、 前記第1熱可逆性記録層と、前記第2熱可逆性記録層と
    は、電子供与性呈色性化合物が互いに異なっている、こ
    とを特徴とする熱可逆性記録媒体。
JP28392799A 1999-10-05 1999-10-05 熱可逆性記録材料、及びそれを用いた熱可逆性記録媒体 Withdrawn JP2001105739A (ja)

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