JP2006289958A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発色感度が良好で、さらに画像部の耐熱保存性にも優れた可逆性感熱記録媒体を提供すること。
【解決手段】支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/又は加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該電子受容性化合物として下記式(1)で表わされるフェノール化合物を用いることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
Figure 2006289958

(式中、lは1から3の整数を、mは23以上の整数を表わす)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
従来、電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペイドカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。しかし、これら実用化されている従来の記録媒体は環境問題上、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできないし、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記されるぐらいで記録可能な部分の面積は限られている。そのため、記録する情報量を減らしたり、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれていた。
ところで、これらの要求から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒体が開示されている(特許文献1、2参照)。また、新たに化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組み合わせを用いるもの(例えば、特許文献3参照)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの(例えば、特許文献4参照)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの(例えば、特許文献5、6、7参照)、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いたもの(例えば、特許文献8参照)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(例えば、特許文献9、10参照)などが開示されている。
さらに本発明者らは、先に特許文献11において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件により容易に行なわせることができ、その発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。またその後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定の構造のものを使用することが提案されている(例えば、特許文献12参照)。
しかし、このような材料を用いた記録媒体では、消色速度が遅く書き替えに時間がかかる、消色が不充分、あるいは発色画像の熱安定性が低いなどの問題を有していた。
そこで、さらに本発明者らは特許文献13、14に記載のフェノール化合物を用いることで、発色と消色のコントラストが高く、高速消去が可能であり、画像部の発色安定性に優れる記録媒体を提案した。このフェノール性化合物を用いた記録媒体は、ホットスタンプやヒートローラー、セラミックヒーターなどの加熱部材による消去が可能であり実用性に優れるものであった。
しかしながら特許文献13、14のフェノール化合物は高融点なものが多く、発色および消色の際に高温に加熱する必要があり、高エネルギーの印加が必要であった。
高エネルギーの印加をするために、記録時に長時間のパルスの印加が必要であるため書き込み速度が遅い、また、高温になるため記録媒体へのダメージが大きく打痕が発生しやすい、さらには記録装置の電源が大きくなってしまい書き変え装置が大きくなってしまうなどの問題があった。
一方、特許文献12に記載のフェノール化合物には比較的低融点のものも提案されているが、これらの化合物を用いた記録媒体は発色感度は良好なものの画像の保存性が悪く、実用性の低いものであった。また、この特許文献12には炭素数22の長鎖アルキル基と尿素基をもったフェノール化合物が開示されている。この化合物を用いた記録媒体は発色感度、発色濃度、消色濃度には優れるものの画像部の保存安定性が悪く、通常これらの記録媒体に求められる60℃の保存試験で画像濃度低下が大きく、実用的なものではなかった。
さらに、特許文献15には炭素数23以上の長鎖アルキル基をもった特定のフェノール化合物が提案されている。また、特許文献16には炭素数20〜30のアルキル基を有するアミド基をもった特定のフェノール化合物が提案されている。しかしながら、これらの化合物を用いた記録媒体は発色感度が低い、画像部の保存安定性が悪い、あるいは消色の速度が遅く、高速消去に適さないなどの問題があり、実用的なものではなかった。
特開昭63−107584号公報 特開平4−78573号公報 特開昭60−193691号公報 特開昭61−237684号公報 特開昭62−138556号公報 特開昭62−138568号公報 特開昭62−140881号公報 特開昭63−173684号公報 特開平2−188293号公報 特開平2−188294号公報 特開平5−124360号公報 特開平6−210954号公報 特開平10−95175号公報 特開平10−67177号公報 特開2000−141901号公報 特開2005−1127号公報
本発明の課題は、発色感度が良好で、さらに画像部の耐熱保存性にも優れた可逆性感熱記録媒体を提供することである。
本発明者らは、このような発色剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象では、長鎖脂肪族基をもつ顕色剤の発色剤を発色させる能力と分子間の凝集力のバランスが重要であり、さらに発色感度を高めるためには顕色剤の融点を低融点化することが必要であると考え、種々の構造の化合物を検討した。その結果、炭素数23以上の長鎖アルキル基と尿素基を導入した特定のフェノール化合物を顕色剤として用いることで、従来公知の化合物にはない、高い発色感度と画像部の保存性および高速消去性を達成でき、上記の課題が解決できることを見出した。
すなわち、上記課題は、以下の(1)〜(14)によって達成される。
(1)「支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/又は加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該電子受容性化合物として下記式(1)で表わされるフェノール化合物を用いることを特徴とする可逆性感熱記録媒体;
Figure 2006289958
(式中、lは1から3の整数を、mは23以上の整数を表わす)」
(2)「前記可逆性感熱記録層中に、架橋状態にある樹脂を含むことを特徴とする前記(1)に記載の可逆性感熱記録媒体」
(3)「前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が、水酸基価70(KOHmg/g)以上であることを特徴とする前記(2)に記載の可逆性感熱記録媒体」
(4)「前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂がアクリルポリオール樹脂であることを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の可逆性感熱記録媒体」
(5)「前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が、イソシアネート化合物によって架橋されていることを特徴とする前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(6)「前記可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(7)「前記可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が紫外線吸収性ポリマーを含有することを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(8)「前記可逆性感熱記録層上に該感熱記録層を保護するための保護層を設け、該保護層が紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(9)「情報記憶部を設けたことを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(10)「表面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(11)「前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法」
(12)「サーマルヘッドを用いて前記可逆表示部に画像を形成することを特徴とする前記(11)に記載の画像処理方法」
(13)「サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする前記(11)に記載の画像処理方法」
(14)「前記(11)乃至(13)のいずれかに記載の画像処理方法を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理装置」
本発明の可逆性感熱記録媒体は発色感度、発色濃度が良好であって、かつ画像保存性に優れた実用性の高い書き替え記録を得ることができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のフェノール化合物を用いる可逆的感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度Tでロイコ染料と顕色剤が溶融混合し、発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固定された発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度Tで消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
本発明の記録媒体では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
顕色剤は発色性と消色性を与える重要な基本骨格として、発色部位であるフェノール基と、構造を支配している水素結合性会合基及び長鎖脂肪族炭化水素基から成り立っている。これまで、発色部位であるフェノール基と構造に支配的な水素結合性会合基とのバランスに注力が注がれていた。その理由は発色状態の安定性は、顕色剤と発色剤の凝集構造が安定であるほど、より安定となると考えられてきたためである。そのために顕色剤分子構造中に水素結合性の会合基を1種乃至2種類以上導入することがこれまで検討されてきた。しかしながら、顕色剤分子の水素結合が強くなることや、水素結合の数が増えることで顕色剤が高融点なものとなり、発色開始温度が高くなり記録媒体の感度特性が低下してしまう問題が生じた。そのため本発明者らはもう一つの構造を支配していると考えられてきた長鎖脂肪族炭化水素基について着目し、また、発色性、消去性に大きく寄与する水素結合性会合基の種類について種々の検討を行なった。その結果、水素結合性会合基としては尿素基を用いることで、高い発色濃度と消去性が得られることがわかった。そこでさらに、その脂肪族炭化水素の長さのバランスについて検討することに注力した。
その結果、長鎖脂肪族炭化水素基としてアルキル基の炭素数を長鎖化することで、発色状態の安定性が著しく向上することがわかった。特にオフィス分野などよりも高い画像安定性を求められる、物流タグや工程指示書などとして用いられる産業用分野などにおいて求められる60℃の画像保存性に対して、アルキル基の炭素数が22以下の場合には発色状態の安定性が悪く、画像部の保存性に致命的な問題があったが、23以上にすることによって60℃での発色状態は著しく向上し、高い画像保持率を得ることができるようになった。
これは、発色状態からの消色開始温度がアルキル基の鎖長に依存し、炭素数22の場合には消色開始温度が60℃以下であるが、23以上にすることで消色開始温度が60℃以上となり、60℃の画像保存性に対して劇的な変化が現れているためである。
また、アルキル鎖長を長鎖化していっても、化合物の融点はほぼ一定であって上昇せず、発色感度の低下を引き起こす高融点化を伴わないことが明らかとなった。
さらに、炭素数23以上のアルキル基をもったこれらの顕色剤化合物は、発色状態が安定であるにもかかわらず、消色温度での短時間な加熱で十分に消色し、高速消去性にも優れたものである。
これらの結果は本発明によって、初めて明らかになったことであり、これらの発見によって高感度で且つ耐熱保存性を有し、さらに高速消去性に優れた極めて実用性の高い可逆性感熱記録媒体の作製が可能となった。
すなわち、本発明においては、顕色剤の分子構造中に尿素基を導入し、さらに炭素数23以上のアルキル基を有する骨格であることで顕色剤の高融点化を伴わずに発色の安定性良好となり、高い発色感度と画像部の保存安定性、高速消去性の両立が可能となった。
ここで、本発明において顕色剤として用いられるフェノール化合物は下記式(1)で示されるものである。
Figure 2006289958
ここで、本発明において、lは1から3の整数を示しmは23以上の整数を示し、下記式(2)から(8)の構造式に示される。
Figure 2006289958
上記の(2)から(8)のうち、発色/消色特性に優れたものとして、(2)の構造式の化合物が好ましく用いられる。
ここで、mが長くなるほど、発色濃度、消色濃度および発色画像の安定化が向上するため、それぞれの鎖長は長い方が良好な記録媒体を得ることができる。しかし、一方で鎖長が長くなると原料が高価で入手が困難になったりするため実用性に問題が生じてくるので、鎖長は23〜35であることが望ましく、発色濃度、消色濃度、画像の安定性、高速消去性といった記録媒体特性が良好であって、さらに比較的安価に入手可能となり、実用性の高いものとなる。
以下に本発明で用いられるフェノール化合物を例示するが、これに何ら限定されるものでない。
Figure 2006289958
このようなフェノール化合物は、例えば、長鎖脂肪族アミンから誘導される長鎖脂肪族イソシアネートを経由し、p−アミノフェノールとのカップリング反応により得られるし、長鎖脂肪酸または脂肪酸エステルから酸クロリド、次いでアジド化、イソシアネートを経由し、p−アミノフェノールとのカップリング反応により得られる。通常、p−アミノフェノールとの縮合反応終了後、室温に戻し又はさらに冷却し、酸、例えば塩酸の親水性有機溶媒液を加え、析出物をろ別し、洗浄、乾燥後、適当な溶媒を用いて再結晶する。ヒドロキシル基とアミノ基を共に有している場合、ウレタン結合生成反応とカップリング反応が競争的になるが、p−アミノフェノールの場合、ベンゼン環の共鳴構造によってヒドロキシル基の電子供与性が減少するため縮合反応が優勢に進行し、高選択的に当該フェノール化合物を得ることができる。なお、本発明で用いる当該フェノール化合物は、この合成法に何ら限定されるものではない。
また、本発明において用いられるロイコ染料は、単独又は混合して用いることができ、たとえば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物など公知の染料前駆体である。
本発明において用いられるロイコ染料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(3−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、
3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、等が挙げられる。
ロイコ染料と顕色剤の割合は、使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1から20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。また、ロイコ染料と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
本発明において、ロイコ染料、顕色剤とともに可逆性感熱記録層の形成に用いられるバインダー樹脂としては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などがある。これらのバインダー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。たとえば、熱、紫外線、電子線などで、バインダー樹脂を架橋させてもよい。
本発明に用いられる架橋状態にある樹脂としては、具体的にはアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などが挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
更に、本発明において好ましくは、水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂が含有される(当初用いられる)が、水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂としては、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂などが用いられるが、特に発色の安定性が良好で、消色性が良好であることから、アクリルポリオール樹脂が好ましく用いられる。水酸基価としては70(KOHmg/g)以上であり、特に好ましくは90(KOHmg/g)以上である。水酸基価の大小は架橋密度に影響するため塗膜の耐化学薬品性、物性などを左右する。本発明者らは、水酸基価が70(KOHmg/g)以上で耐久性、塗膜表面硬度、ワレ抵抗性が向上することを見い出した。水酸基価70(KOHmg/g)以上の樹脂が用いられた可逆性感熱記録材料であるか否かは、残存水酸基の量やエーテル結合の量を分析すること等により確認することができる。
また、アクリルポリオール樹脂においては構成の違いによってその特性に違いがあり、水酸基モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、2−ヒドロキシブチルモノアクリレート(2−HBA)、1,4―ヒドロキシブチルモノアクリレート(1−HBA)などが用いられるが、特に第1級水酸基をもつモノマーを使用した方が塗膜のワレ抵抗性や耐久性が良いことから、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく用いられる。
本発明に用いられる硬化剤としては、従来公知のイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物等が挙げられる。その中でもイソシアネート系硬化剤が好ましく用いられる。ここで用いられるイソシアネート系化合物は、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体から選択される。また、変性体を形成するイソシアネート単量体としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されたとしても、架橋状態にある樹脂が存在しないということにはならない。また、本発明におけるポリマーが架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することができる。すなわち、非架橋状態にあるポリマーは、溶媒中に該ポリマーが溶け出し溶質中には残らなくなるため、溶質のポリマー構造の有無を分析すればよい。
さらに、本発明によれば、上記の顕色剤、ロイコ染料とともに、直鎖の炭化水素基やアミド基や尿素基などの水素結合基などをもった発色消色制御剤を記録層中に含有させることにより、発色画像の保存安定性が良好であるとともに、消色時の消色性も向上して良好な消去性を得ることができる。
また、本発明によれば、可逆性感熱記録層上に架橋状態にある樹脂を含有する保護層を設けることができる。該保護層に用いられる樹脂としては、前述の記録層と同様の熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂が用いられる。
該保護層中に用いる樹脂として、特に好ましくは、紫外線吸収基を分子構造中に有した紫外線吸収性ポリマーが用いられる。
紫外線吸収性ポリマーとしては紫外線吸収基を有した単量体と、架橋可能な官能基を有した単量体をもつポリマーが好ましく用いられ、紫外線吸収基を有した単量体としては、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ω−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール骨格を有した単量体が特に好ましく用いられる。
また、官能基を含む単量体としては、例えば2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、なかでもヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレートなどが特に好ましく用いられる。
更に塗膜強度アップや耐熱性向上のために、紫外線吸収性基を含む単量体と官能基を含む単量体の共重合体に下記に示す単量体を共重合させてもよい。例えば、スチレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−イソブチレン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル、メタクリロニトリル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのモノマー群;アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ラウリルトリデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチルステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの官能基を含まない(メタ)アクリル酸エステル群;エチレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブチレンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど1分子中に2個以上の重合性2重結合を有するモノマー群などから挙げられ、特に限定されるものではないが、なかでもスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどが特に好ましく用いられる。また、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
以上より、本発明で用いられる紫外線吸収構造を有するポリマーの具体的な好ましい例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとスチレンからなる共重合体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールとメタクリル酸−2−ヒドロキシプロピルとメタクリル酸メチルからなる共重合体などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
さらに、本発明によれば、該保護層中に紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することができる。
本発明に用いられる無機顔料は0.1μm以下の平均粒径を有する顔料ならば任意である。このような無機顔料としては酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
この中でも特に好ましいのは400nm以下の波長領域に吸収端を有する顔料である。
このような顔料は、紫外線UV−A領域、即ち波長320〜400nmの紫外線UV−A領域に吸収端を有する顔料(A)および紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)の2群に分類できる。本発明では無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いることもできるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する事により本発明の効果がより顕著になる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いる場合にはこれらの顔料を中間層あるいは保護層のいずれかに含有させることができる。また無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する場合にはこれらの顔料を同時に中間層あるいは保護層に含有させることができるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を中間層と保護層に別々に含有させることもできる。この場合無機顔料(A)を中間層に含有させ、無機顔料(B)を保護層に含有させることにより、本発明の効果が一層顕著に発揮される。
無機顔料(A)の具体例としては硫化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化モリブデン、酸化亜鉛、窒化ガリウム等が挙げられる。
また無機顔料(B)の具体例としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。
さらに、本発明においては保護層中にこの種の記録媒体に使用される無機/有機のフィラー、滑剤などを用いても良い。
本発明の可逆性感熱記録媒体の支持体としては、紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、感熱記録層を保持できるものであればよい。また、必要に応じた厚みのものが単独あるいは貼り合わす等して用いることができる。すなわち、好ましくは60〜150μmで、数μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用いられる。
また、これら支持体上に前記アンダー層を設ける場合、接着層を介して設けることにより、クラック発生防止やバリの発生が改善される。
該接着層は、上記の各層と同様の塗工方式等で形成することができる。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、上述した可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の感熱層を形成する面と反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたものである。
この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
接着剤層又は粘着剤層の材料は、一般的に用いられているものが使用可能である。
例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、該可逆性感熱記録媒体を構成する少なくとも感熱層を可逆表示部として機能し、それと情報記憶機能のある部材(情報記憶部)と合わせて作製される情報表示記憶部材として用いることができる。
次に、該情報表示記憶部材について説明する。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の3つのものに大別できる。
(1)情報記憶機能のある部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として用い、そこに感熱層を直接形成したもの。
(2)情報記憶機能のある部材に、別途形成された、支持体上に感熱層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
(3)情報記憶機能のある部材に、前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘着剤層を介して、接着されたもの。
これら(1)、(2)、(3)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうでありさえすれば情報記憶部の設定位置は目的に応じて任意に選定でき、可逆性感熱記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱層との間でも、あるいは感熱層上の一部に設けることもできる。
この情報記憶機能のある部材としては、特に限定されないが、一般的なカード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットを用いることができる。
これらの例としては、ICカードや光カード等の厚手カード、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット等を挙げることができる。
この可逆表示機能と情報記憶機能の双方を有する情報表示記憶部材は、例えばカードの場合で説明すると、情報記憶部に記憶された情報の一部を可逆性感熱記録層に表示することによって、カード所有者等は、特別な装置がなくてもカードを見るのみで情報を確認することができて、可逆性感熱記録媒体を適用しないカードに比べてその利便性が非常に向上することになる。
情報記憶部は、必要な情報を記憶できるものでありさえすれば特に限定されないが、例えば、磁気記録、接触型IC、非接触型ICあるいは光メモリが有用である。
磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、または樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における可逆性感熱記録層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
また、前記(3)の可逆性感熱記録ラベルを用いる例として、磁気ストライプ付塩化ビニル製カード等のように、支持体として可逆性感熱記録層の塗布が困難な厚手のもの場合には、その全面又は一部に接着剤層又は粘着剤層を設けることができる。
こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
また、この可逆性感熱記録ラベルは、フレキシブルディスク、MDやDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上の表示ラベルの代わりとして用いることができる。
さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、CD−Rなどの追記型ディスク上に可逆性感熱記録ラベルを貼って、CD−Rに追記した記憶情報の一部を書換え表示することも可能である。
さらに、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に可逆性感熱記録層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱記録層を転写する方法等がある。
転写する場合には、可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等のように剛直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、可逆性感熱記録層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感熱記録層の間に設けることが好ましい。
本発明は、さらに、上記可逆性感熱記録媒体、上記情報記憶部を有する部材又は上記ラベルを用い、加熱により画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法を提供する。
画像の形成は、サーマルヘッド、レーザ等、該媒体を画像上に部分的に加熱可能である画像記録手段が用いられる。画像の消去は、ホットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートローラ、熱風等やサーマルヘッド、レーザ等の画像消去手段が用いられる。
この中では、セラミックヒータが好ましく用いられる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。
セラミックヒータの設定温度は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、115℃以上がさらに好ましい。
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、さらに装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。形成用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、さらに小型化が可能となる。
一つのサーマルヘッドで形成と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を形成してもよく、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を形成していくオーバーライト方式も可能である。
オーバーライト方式では、形成と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、文中、部又は%とあるのは特に断わりのない限り重量基準である。
(合成例1)下記の構造式で表わされる顕色剤の合成例
Figure 2006289958
反応容器にトルエン200mLとリグノセリン酸13.3gを加え、さらに塩化チオニルを8.6g加え、8時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン100mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム3.5gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに2時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール3.5gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量15.2g、収率は89%であった。
(合成例2)下記の構造式で表わされる顕色剤の合成例
Figure 2006289958
反応容器にトルエン100mLとペンタコサン酸5.4gを加え、さらに塩化チオニルを3.4g加え、6時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン150mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム1.4gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに1時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール1.5gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量5.8g、収率は84%であった。
(合成例3)下記の構造式で表わされる顕色剤の合成例
Figure 2006289958
反応容器にトルエン250mLとセロチン酸12.0gを加え、さらに塩化チオニルを7.2g加え、さらに数滴のDMFを加え、8時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン100mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム2.9gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに3時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール3.3gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量11.4g、収率は75%であった。融点は143℃であった。
(合成例4)下記の構造式で表わされる顕色剤の合成例
Figure 2006289958
反応容器にトルエン50mLとメリシン酸2.0gを加え、さらに塩化チオニルを1.1g加え、さらに数滴のDMFを加え、3時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン10mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム0.43gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに1時間半攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール0.48gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量2.35g、収率は95%であった。
(合成例5)
Figure 2006289958
反応容器にトルエン350mLとモンタン酸10.5gを加え、さらに塩化チオニルを5.9g加え、さらに数滴のDMFを加え、5時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン300mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム2.4gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに1時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール2.7gを加え、1時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量11.9g、収率は91%であった。
(合成例6)
Figure 2006289958
反応容器にトルエン200mLとドトリアコンタン酸4.5gを加え、さらに塩化チオニルを2.3g加え、さらに数滴のDMFを加え、7時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン200mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム0.91gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに3時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール1.02gを加え、2時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量5.2g、収率は95%であった。
(合成例7)
Figure 2006289958
反応容器にトルエン200mLとテトラトリアコンタン酸4.6gを加え、さらに塩化チオニルを2.2g加え、さらに数滴のDMFを加え、7時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン200mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム0.88gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに3時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール0.99gを加え、2時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量5.1g、収率は92%であった。
(合成例8)
Figure 2006289958
反応容器にトルエン200mLとヘキサトリアコンタン酸5.1gを加え、さらに塩化チオニルを2.2g加え、さらに数滴のDMFを加え、7時間加熱還流した。それをエバポレーターにより溶媒および塩化チオニルを減圧留去した。得られた酸クロリド化合物にアセトン200mLを加え、氷冷で攪拌した。そこにアジ化ナトリウム0.93gを溶かした水溶液を温度が10℃を超えないように徐々に加え、さらに3時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで抽出し洗浄したのち、反応溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、反応溶液に移し変えたのち、内温80℃で加熱した。窒素の発生が完結しイソシアネート化合物が生成したことを確認した後、反応溶液に、p−アミノフェノール1.04gを加え、2時間加熱攪拌を行なった後、室温に戻し、析出物をろ別し、アセトンで洗浄した。乾燥後、テトラヒドロフランを用いて再結晶することにより化合物を得た。収量5.9g、収率は97%であった。
これらの化合物の同定はPhi社製TRIFT IIIを用いて、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析装置)により質量分析を行なった。その結果を表1に示す。また、観測された正ピーク及び負ピークをそれぞれ図6及び図7に示す。加えて、合成例1から5の化合物の赤外吸収スペクトルを図8から図12に示す。なお、合成例6から8に関しても同じ尿素基由来の振動が観測されている。これらの結果から、構造式で示しめしている目的の化合物が得られたことを確認した。
Figure 2006289958
実施例1
[感熱記録層の作成]
下記の構造式で表わされる顕色剤(融点145℃) 4部
Figure 2006289958
アクリルポリオール樹脂
(三菱レイヨン社製LR257、固形分濃度50%溶液) 9部
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ188μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
[保護層の作成]
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例2
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点146℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
実施例3
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点143℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
実施例4
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例5で示した下記の化合物(融点143℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
実施例5
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例4で示した下記の化合物(融点144℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
実施例6
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例6で示した下記の化合物(融点142℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
実施例7
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例7で示した下記の化合物(融点141℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
実施例8
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例8で示した下記の化合物(融点139℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
比較例1
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点145℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
比較例2
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点145℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
比較例3
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点184℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
比較例4
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点173℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
比較例5
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点118℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2006289958
以上のように作製した可逆性感熱記録媒体について、以下のように試験を実施した。
試験1:発色特性
ビーコム社製感熱印字シミュレーターを用いてパルス幅2msecの条件で表2に記載の電圧で印字を行なった。発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006289958
試験2:消色特性
試験1と同様にビーコム社製感熱印字装置にて表中記載の電圧で印字した後、東洋精機社製熱傾斜試験器で1Kgf/cm、1秒間加熱し、消去前後の濃度を試験1と同様に測定した。その結果を図6に示す。
なお、印字の電圧は記録媒体の発色感度に応じて適切な条件を選択した。その結果を表3に示す。
Figure 2006289958
試験3:サーマルヘッド消色特性
試験2と同様にビーコム社製感熱印字装置にて印字した後、印字画像上に再度9Vから17Vの条件で0.5V刻みのエネルギーで消去し、最も消色した部分の画像濃度を試験1と同様に測定し、下記式よりサーマルヘッド消去率を算出した。結果を表4に示す。
サーマルヘッド消去率(%)=(1−(消去後画像濃度−地肌濃度)/(消去前画像濃度−地肌濃度))×100
Figure 2006289958
試験4:耐久性試験
パナソニック コミニュケーションズ社製カードリーダーライターを用い、それぞれの可逆性感熱記録媒体の発色濃度が実用的な濃度である1.2以上となるエネルギーあるいは濃度が1.2に到達しない場合には飽和濃度となるエネルギーによる印字と、消し残りの濃度が最小となる消去温度にて、100回印字と消去を繰り返して耐久性試験を行い、1回目と100目の画像濃度、消去濃度、地肌濃度を試験1と同様に測定し、消し残り濃度を下記式から算出した。
消し残り濃度=消去濃度−地肌濃度
また、さらに試験後の記録媒体表面の状態を目視で評価した。これらの結果を表5に示す。
Figure 2006289958
試験5:画像保存性
試験2で得た印字画像を50℃乾燥条件、60℃乾燥条件、70℃乾燥条件でそれぞれ24時間保存した。保存前後の濃度を試験1と同様にして測定した後、下記式にて画像保持率を算出した。その結果を表6に示す。
画像保持率(%)=(保存後画像濃度−保存後地肌濃度)/(保存前画像濃度−保存前地肌濃度)×100
Figure 2006289958
試験6:温度に対する発色濃度変化
試験2で得た印字画像を0.5×0.5cm片に切断し、毎分3℃で昇温するホットプレートに貼り付け、30℃から140℃まで加熱した。その温度変化に伴う発色濃度変化をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。測定結果を図13に示した。
図13に示すように、炭素数18のアルキル基と尿素基をもった化合物を用いた比較例1では40℃程度から消色を開始し、炭素数22のアルキル基と尿素基をもった化合物を用いた比較例2では60℃以下で消去が開始されている。一方、炭素数が23以上のアルキル基と尿素基を有する本発明の化合物を用いる可逆性感熱記録媒体は、60℃以上でも発色濃度の低下は起きていない。
これらの結果で、表2で示すように本発明の実施例は融点の高い比較例3、4と比べて低エネルギーでの濃度が高く、発色感度に顕著な差が現れている。
また、表3、4で示すように、本発明の実施例は消色特性が良好であって、高速消去適性を有していることがわかる。
つぎに、表5に示すように本発明の実施例は繰り返しによる画像濃度低下や消し残りの発生が無く、さらに、記録媒体表面の打痕の発生がない極めて良好な耐久性を有していることがわかる。
さらには、表6で示すように、実施例では高い画像保存性を示している。一方で、比較例では、60℃乾燥条件での画像保持率が低下しており、とくに比較例1、2は著しい濃度の低下がある。
以上の結果から明らかなように、顕色剤として炭素数23以上のアルキル基と尿素基をもった化合物を用いた本発明の可逆性感熱記録媒体は、発色感度が高く、高速消去性が良好であり、さらに、繰り返し耐久性、画像保存性に優れた、極めて実用性の高いものであることがわかる。
本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特性を示す図である。 可逆性感熱記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す図である。 可逆性感熱記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す図である。 ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いた例を示す図である。 本発明の画像処理装置の例を示す図である。 本発明に用いる化合物に対して飛行時間型二次イオン質量分析装置を用いたときに観測された正イオンピークプロファイルである。 本発明に用いる化合物に対して飛行時間型二次イオン質量分析装置を用いたときに観測された負イオンピークプロファイルである。 合成例1で合成された本発明で用いる化合物の赤外吸収スペクトルである。 合成例2で合成された本発明で用いる化合物の赤外吸収スペクトルである。 合成例3で合成された本発明で用いる化合物の赤外吸収スペクトルである。 合成例4で合成された本発明で用いる化合物の赤外吸収スペクトルである。 合成例5で合成された本発明で用いる化合物の赤外吸収スペクトルである。 本発明を用いた可逆性感熱発色組成物の消去温度と消色濃度の関係を示す図である。
符号の説明
34 磁気ヘッド
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
53 サーマルヘッド

Claims (14)

  1. 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/又は加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該電子受容性化合物として下記式(1)で表わされるフェノール化合物を用いることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
    Figure 2006289958
    (式中、lは1から3の整数を、mは23以上の整数を表わす)
  2. 前記可逆性感熱記録層中に、架橋状態にある樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が、水酸基価70(KOHmg/g)以上であることを特徴とする請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂がアクリルポリオール樹脂であることを特徴とする請求項2又は3に記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が、イソシアネート化合物によって架橋されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 前記可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  7. 前記可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が紫外線吸収性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  8. 前記可逆性感熱記録層上に該感熱記録層を保護するための保護層を設け、該保護層が紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  9. 情報記憶部を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  10. 表面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法。
  12. サーマルヘッドを用いて前記可逆表示部に画像を形成することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  13. サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  14. 請求項11乃至13のいずれかに記載の画像処理方法を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理装置。
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