JP2006289958A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、さらに本発明者らは特許文献13、14に記載のフェノール化合物を用いることで、発色と消色のコントラストが高く、高速消去が可能であり、画像部の発色安定性に優れる記録媒体を提案した。このフェノール性化合物を用いた記録媒体は、ホットスタンプやヒートローラー、セラミックヒーターなどの加熱部材による消去が可能であり実用性に優れるものであった。
高エネルギーの印加をするために、記録時に長時間のパルスの印加が必要であるため書き込み速度が遅い、また、高温になるため記録媒体へのダメージが大きく打痕が発生しやすい、さらには記録装置の電源が大きくなってしまい書き変え装置が大きくなってしまうなどの問題があった。
さらに、特許文献15には炭素数23以上の長鎖アルキル基をもった特定のフェノール化合物が提案されている。また、特許文献16には炭素数20〜30のアルキル基を有するアミド基をもった特定のフェノール化合物が提案されている。しかしながら、これらの化合物を用いた記録媒体は発色感度が低い、画像部の保存安定性が悪い、あるいは消色の速度が遅く、高速消去に適さないなどの問題があり、実用的なものではなかった。
(1)「支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/又は加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該電子受容性化合物として下記式(1)で表わされるフェノール化合物を用いることを特徴とする可逆性感熱記録媒体;
(2)「前記可逆性感熱記録層中に、架橋状態にある樹脂を含むことを特徴とする前記(1)に記載の可逆性感熱記録媒体」
(3)「前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が、水酸基価70(KOHmg/g)以上であることを特徴とする前記(2)に記載の可逆性感熱記録媒体」
(4)「前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂がアクリルポリオール樹脂であることを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の可逆性感熱記録媒体」
(5)「前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が、イソシアネート化合物によって架橋されていることを特徴とする前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(6)「前記可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(7)「前記可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が紫外線吸収性ポリマーを含有することを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(8)「前記可逆性感熱記録層上に該感熱記録層を保護するための保護層を設け、該保護層が紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(9)「情報記憶部を設けたことを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(10)「表面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体」
(11)「前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法」
(12)「サーマルヘッドを用いて前記可逆表示部に画像を形成することを特徴とする前記(11)に記載の画像処理方法」
(13)「サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする前記(11)に記載の画像処理方法」
(14)「前記(11)乃至(13)のいずれかに記載の画像処理方法を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理装置」
本発明のフェノール化合物を用いる可逆的感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
その結果、長鎖脂肪族炭化水素基としてアルキル基の炭素数を長鎖化することで、発色状態の安定性が著しく向上することがわかった。特にオフィス分野などよりも高い画像安定性を求められる、物流タグや工程指示書などとして用いられる産業用分野などにおいて求められる60℃の画像保存性に対して、アルキル基の炭素数が22以下の場合には発色状態の安定性が悪く、画像部の保存性に致命的な問題があったが、23以上にすることによって60℃での発色状態は著しく向上し、高い画像保持率を得ることができるようになった。
これは、発色状態からの消色開始温度がアルキル基の鎖長に依存し、炭素数22の場合には消色開始温度が60℃以下であるが、23以上にすることで消色開始温度が60℃以上となり、60℃の画像保存性に対して劇的な変化が現れているためである。
また、アルキル鎖長を長鎖化していっても、化合物の融点はほぼ一定であって上昇せず、発色感度の低下を引き起こす高融点化を伴わないことが明らかとなった。
さらに、炭素数23以上のアルキル基をもったこれらの顕色剤化合物は、発色状態が安定であるにもかかわらず、消色温度での短時間な加熱で十分に消色し、高速消去性にも優れたものである。
これらの結果は本発明によって、初めて明らかになったことであり、これらの発見によって高感度で且つ耐熱保存性を有し、さらに高速消去性に優れた極めて実用性の高い可逆性感熱記録媒体の作製が可能となった。
ここで、本発明において顕色剤として用いられるフェノール化合物は下記式(1)で示されるものである。
ここで、mが長くなるほど、発色濃度、消色濃度および発色画像の安定化が向上するため、それぞれの鎖長は長い方が良好な記録媒体を得ることができる。しかし、一方で鎖長が長くなると原料が高価で入手が困難になったりするため実用性に問題が生じてくるので、鎖長は23〜35であることが望ましく、発色濃度、消色濃度、画像の安定性、高速消去性といった記録媒体特性が良好であって、さらに比較的安価に入手可能となり、実用性の高いものとなる。
本発明において用いられるロイコ染料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(3−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、
3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、等が挙げられる。
本発明に用いられる無機顔料は0.1μm以下の平均粒径を有する顔料ならば任意である。このような無機顔料としては酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
このような顔料は、紫外線UV−A領域、即ち波長320〜400nmの紫外線UV−A領域に吸収端を有する顔料(A)および紫外線UV−A領域より短波長側に吸収端を有する無機顔料(B)の2群に分類できる。本発明では無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いることもできるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する事により本発明の効果がより顕著になる。無機顔料(A)あるいは無機顔料(B)を単独で用いる場合にはこれらの顔料を中間層あるいは保護層のいずれかに含有させることができる。また無機顔料(A)と無機顔料(B)を併用する場合にはこれらの顔料を同時に中間層あるいは保護層に含有させることができるが、無機顔料(A)と無機顔料(B)を中間層と保護層に別々に含有させることもできる。この場合無機顔料(A)を中間層に含有させ、無機顔料(B)を保護層に含有させることにより、本発明の効果が一層顕著に発揮される。
また無機顔料(B)の具体例としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。
また、これら支持体上に前記アンダー層を設ける場合、接着層を介して設けることにより、クラック発生防止やバリの発生が改善される。
該接着層は、上記の各層と同様の塗工方式等で形成することができる。
この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
接着剤層又は粘着剤層の材料は、一般的に用いられているものが使用可能である。
例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、該情報表示記憶部材について説明する。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の3つのものに大別できる。
(1)情報記憶機能のある部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として用い、そこに感熱層を直接形成したもの。
(2)情報記憶機能のある部材に、別途形成された、支持体上に感熱層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
(3)情報記憶機能のある部材に、前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘着剤層を介して、接着されたもの。
これら(1)、(2)、(3)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうでありさえすれば情報記憶部の設定位置は目的に応じて任意に選定でき、可逆性感熱記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱層との間でも、あるいは感熱層上の一部に設けることもできる。
この情報記憶機能のある部材としては、特に限定されないが、一般的なカード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットを用いることができる。
この可逆表示機能と情報記憶機能の双方を有する情報表示記憶部材は、例えばカードの場合で説明すると、情報記憶部に記憶された情報の一部を可逆性感熱記録層に表示することによって、カード所有者等は、特別な装置がなくてもカードを見るのみで情報を確認することができて、可逆性感熱記録媒体を適用しないカードに比べてその利便性が非常に向上することになる。
磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、または樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における可逆性感熱記録層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
さらに、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に可逆性感熱記録層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱記録層を転写する方法等がある。
転写する場合には、可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等のように剛直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、可逆性感熱記録層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感熱記録層の間に設けることが好ましい。
この中では、セラミックヒータが好ましく用いられる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。
セラミックヒータの設定温度は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、115℃以上がさらに好ましい。
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、さらに装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。形成用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、さらに小型化が可能となる。
一つのサーマルヘッドで形成と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を形成してもよく、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を形成していくオーバーライト方式も可能である。
オーバーライト方式では、形成と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
[感熱記録層の作成]
下記の構造式で表わされる顕色剤(融点145℃) 4部
(三菱レイヨン社製LR257、固形分濃度50%溶液) 9部
メチルエチルケトン 70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ188μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300) 10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX) 1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015) 0.5部
メチルエチルケトン 10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点146℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点143℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例5で示した下記の化合物(融点143℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例4で示した下記の化合物(融点144℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例6で示した下記の化合物(融点142℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例7で示した下記の化合物(融点141℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、合成例8で示した下記の化合物(融点139℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点145℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点145℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点184℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点173℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1で用いた顕色剤の代わりに、下記の化合物(融点118℃)を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
試験1:発色特性
ビーコム社製感熱印字シミュレーターを用いてパルス幅2msecの条件で表2に記載の電圧で印字を行なった。発色濃度および地肌濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。結果を表2に示す。
試験1と同様にビーコム社製感熱印字装置にて表中記載の電圧で印字した後、東洋精機社製熱傾斜試験器で1Kgf/cm2、1秒間加熱し、消去前後の濃度を試験1と同様に測定した。その結果を図6に示す。
なお、印字の電圧は記録媒体の発色感度に応じて適切な条件を選択した。その結果を表3に示す。
試験2と同様にビーコム社製感熱印字装置にて印字した後、印字画像上に再度9Vから17Vの条件で0.5V刻みのエネルギーで消去し、最も消色した部分の画像濃度を試験1と同様に測定し、下記式よりサーマルヘッド消去率を算出した。結果を表4に示す。
サーマルヘッド消去率(%)=(1−(消去後画像濃度−地肌濃度)/(消去前画像濃度−地肌濃度))×100
パナソニック コミニュケーションズ社製カードリーダーライターを用い、それぞれの可逆性感熱記録媒体の発色濃度が実用的な濃度である1.2以上となるエネルギーあるいは濃度が1.2に到達しない場合には飽和濃度となるエネルギーによる印字と、消し残りの濃度が最小となる消去温度にて、100回印字と消去を繰り返して耐久性試験を行い、1回目と100目の画像濃度、消去濃度、地肌濃度を試験1と同様に測定し、消し残り濃度を下記式から算出した。
消し残り濃度=消去濃度−地肌濃度
また、さらに試験後の記録媒体表面の状態を目視で評価した。これらの結果を表5に示す。
試験2で得た印字画像を50℃乾燥条件、60℃乾燥条件、70℃乾燥条件でそれぞれ24時間保存した。保存前後の濃度を試験1と同様にして測定した後、下記式にて画像保持率を算出した。その結果を表6に示す。
画像保持率(%)=(保存後画像濃度−保存後地肌濃度)/(保存前画像濃度−保存前地肌濃度)×100
試験2で得た印字画像を0.5×0.5cm片に切断し、毎分3℃で昇温するホットプレートに貼り付け、30℃から140℃まで加熱した。その温度変化に伴う発色濃度変化をマクベス濃度計RD914を用いて測定した。測定結果を図13に示した。
図13に示すように、炭素数18のアルキル基と尿素基をもった化合物を用いた比較例1では40℃程度から消色を開始し、炭素数22のアルキル基と尿素基をもった化合物を用いた比較例2では60℃以下で消去が開始されている。一方、炭素数が23以上のアルキル基と尿素基を有する本発明の化合物を用いる可逆性感熱記録媒体は、60℃以上でも発色濃度の低下は起きていない。
また、表3、4で示すように、本発明の実施例は消色特性が良好であって、高速消去適性を有していることがわかる。
つぎに、表5に示すように本発明の実施例は繰り返しによる画像濃度低下や消し残りの発生が無く、さらに、記録媒体表面の打痕の発生がない極めて良好な耐久性を有していることがわかる。
さらには、表6で示すように、実施例では高い画像保存性を示している。一方で、比較例では、60℃乾燥条件での画像保持率が低下しており、とくに比較例1、2は著しい濃度の低下がある。
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
53 サーマルヘッド
Claims (14)
- 前記可逆性感熱記録層中に、架橋状態にある樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が、水酸基価70(KOHmg/g)以上であることを特徴とする請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂がアクリルポリオール樹脂であることを特徴とする請求項2又は3に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層中に含有される樹脂が、イソシアネート化合物によって架橋されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が紫外線吸収性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層上に該感熱記録層を保護するための保護層を設け、該保護層が紫外線吸収能を有する無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 情報記憶部を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 表面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法。
- サーマルヘッドを用いて前記可逆表示部に画像を形成することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
- サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
- 請求項11乃至13のいずれかに記載の画像処理方法を用いて、画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理装置。
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- 2006-03-07 JP JP2006061885A patent/JP2006289958A/ja active Pending
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