JP4567559B2 - 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
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Description
(1)「電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し得る可逆性感熱発色組成物において、該電子受容性化合物が下記一般式(1)で表わされるフェノール性化合物であることを特徴とする可逆性感熱発色組成物。
(2)「支持体上に前記第(1)項に記載の可逆性感熱発色組成物を含有する可逆性感熱記録層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体」
(3)「発色消色制御剤として、前記可逆性感熱記録層が分子中に少なくとも1つ以上のN原子またはO原子を含む2価の基を有する化合物を含有することを特徴とする前記第(2)項に記載の可逆性感熱記録媒体」
(4)「前記可逆性感熱記録層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする前記第(2)項又は第(3)項に記載の可逆性感熱記録媒体」
(5)「情報記憶部と可逆表示部を有し、該可逆表示部が少なくとも前記第(2)項乃至第(4)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する可逆性感熱記録層からなるものであることを特徴とする情報記憶部を有する部材」
(6)「前記情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットのいずれかであることを特徴とする前記第(5)項に記載の情報記憶部を有する部材」
(7)「前記第(2)項乃至第(4)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の可逆性感熱記録層を形成する面とは反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録ラベル」
(8)「可逆性感熱記録層を形成する面とは反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルを用いて可逆表示部が設けられているものであることを特徴とする前記第(5)項又は第(6)項に記載の情報記憶部を有する部材」
(9)「前記第(2)項乃至第(4)項のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、前記第(7)項に記載の可逆性感熱記録ラベル、又は前記第(5)項、第(6)項、第(8)項のいずれかに記載の情報記憶部を有する部材において、可逆性感熱記録層を加熱することにより画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法」
(10)「サーマルヘッドを用いて画像を形成することを特徴とする前記第(9)項に記載の画像処理方法」
(11)「サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする前記第(9)項に記載の画像処理方法」
本発明のフェノール化合物を用いる可逆的感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度T1でロイコ染料と顕色剤が溶融混合し、発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固定された発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
ここで、l、mおよびnが長くなるほど、発色濃度、消色濃度および発色画像の安定化が向上するため、それぞれの鎖長は長い方が良好な記録媒体を得ることができる。しかし、一方で鎖長が長くなると原料が高価で入手が困難になったりするため実用性に問題が生じてくる。そこで、上記の範囲の鎖長であることによって、発色濃度、消色濃度、画像の安定性といった記録媒体特性が良好であって、さらに比較的安価に入手可能となり、実用性の高いものとなる。
本発明において用いられるロイコ染料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−(3−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、
2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、
3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、等が挙げられる。
(式中、R3,R4,R6,R8,R9は炭素数1以上22以下の直鎖アルキル基、分枝アルキル基、不飽和アルキル基を示し、R8,R9は環を形成していてもよく、形成される環はN原子、O原子またはS原子を介していてもよく、芳香族環、脂肪族環を有していてもよい。またアルキル基は水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。R5は炭素数1〜18の2価の官能基、R7は炭素数4〜18の3価の官能基を示す。またYはN原子またはO原子を含む2価の基を示し、sは0または1の整数を示す。)これらは、対応する各種カルボン酸、イソシアネート等とアミン、アルコール等を反応させることにより、容易に得ることができる。
C11H23CONHC12H25、C15H31CONHC16H33、C17H35CONHC18H37、C17H35CONHC18H35、C21H41CONHC18H37、C15H31CONHC18H37、C17H35CONHCH2NHCOC17H35、C11H23CONHCH2NHCOC11H23、C7H15CONHC2H4NHCOC17H35、C9H19CONHC2H4NHCOC9H19、C11H23CONHC2H4NHCOC11H23、C17H35CONHC2H4NHCOC17H35、(CH3)2CHC14H35CONHC2H4NHCOC14H35(CH3)2、C21H43CONHC2H4NHCOC21H43、C17H35CONHC6H12NHCOC17H35、C21H43CONHC6H12NHCOC21H43、C17H33CONHCH2NHCOC17H33、C17H33CONHC2H4NHCOC17H33、C21H41CONHC2H4NHCOC21H41、C17H33CONHC6H12NHCOC17H33、C8H17NHCOC2H4CONHC18H37、C10H21NHCOC2H4CONHC10H21、C12H25NHCOC2H4CONHC12H25、C18H37NHCOC2H4CONHC18H37、C21H43NHCOC2H4CONHC21H43、C18H37NHCOC6H12CONHC18H37、C18H35NHCOC4H8CONHC18H35、C18H35NHCOC8H16CONHC18H35、C12H25OCONHC18H37、C13H27OCONHC18H37、C16H33OCONHC18H37、C18H37OCONHC18H37C21H43OCONHC18H37、C12H25OCONHC16H33、C13H27OCONHC16H33、C16H33OCONHC16H33、C18H37OCONHC16H33、C21H43OCONHC16H33、C12H25OCONHC14H29、C13H27OCONHC14H29、C16H33OCONHC14H29、C18H37OCONHC14H29、C22H45OCONHC14H29、C12H25OCONHC12H37、C13H27OCONHC12H37、C16H33OCONHC12H37、C18H37OCONHC12H37、C21H43OCONHC12H37、C22H45OCONHC18H37、C18H37NHCOOC2H4OCONHC18H37、C18H37NHCOOC3H6OCONHC18H37、C18H37NHCOOC4H8OCONHC18H37、C18H37NHCOOC6H12OCONHC18H37、C18H37NHCOOC8H16OCONHC18H37、C18H37NHCOOC2H4OC2H4OCONHC18H37、C18H37NHCOOC3H6OC3H6OCONHC18H37、C18H37NHCOOC12H24OCONHC18H37C18H37NHCOOC2H4OC2H4OC2H4OCONHC18H37、C16H33NHCOOC2H4OCONHC16H33、C16H33NHCOOC3H6OCONHC16H33、C16H33NHCOOC4H8OCONHC16H33、C16H33NHCOOC6H12OCONHC16H33、C16H33NHCOOC8H16OCONHC16H33、C18H37OCOHNC6H12NHCOOC18H37、C16H33OCOHNC6H12NHCOOC16H33、C14H29OCOHNC6H12NHCOOC14H29、C12H25OCOHNC6H12NHCOOC12H25、C10H21OCOHNC6H12NHCOOC10H21、C8H17OCOHNC6H12NHCOOC8H17、
すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されたとしても、架橋状態にある樹脂が存在しないということにはならない。また、本発明におけるポリマーが架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することができる。すなわち、非架橋状態にあるポリマーは、溶媒中に該ポリマーが溶け出し溶質中には残らなくなるため、溶質のポリマー構造の有無を分析すればよい。
該保護層中に用いる樹脂として、特に好ましくは、紫外線吸収基を分子構造中に有した紫外線吸収性ポリマーが用いられる。
紫外線吸収性ポリマーとしては紫外線吸収基を有した単量体と、架橋可能な官能基を有した単量体をもつポリマーが好ましく用いられ、紫外線吸収基を有した単量体としては、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ω−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール骨格を有した単量体が特に好ましく用いられる。
本発明に用いられる無機顔料は0.1μm以下の平均粒径を有する顔料ならば任意である。このような無機顔料としては酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
この中でも特に好ましいのは400nm以下の波長領域に吸収端を有する顔料である。
また無機顔料(B)の具体例としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。
さらに、本発明においては保護層中にこの種の記録媒体に使用される無機/有機のフィラー、滑剤などを用いても良い。
また、これら支持体上に前記アンダー層を設ける場合、接着層を介して設けることにより、クラック発生防止やバリの発生が改善される。
該接着層は、上記の各層と同様の塗工方式等で形成することができる。
この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の3つのものに大別できる。
(1)情報記憶機能のある部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として用い、そこに感熱層を直接形成したもの。
(2)情報記憶機能のある部材に、別途形成された、支持体上に感熱層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
(3)情報記憶機能のある部材に、前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘着剤層を介して、接着されたもの。
これら(1)、(2)、(3)場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうでありさえすれば情報記憶部の設定位置は目的に応じて任意に選定でき、可逆性感熱記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱層との間でも、あるいは感熱層上の一部に設けることもできる。
これらの例としては、ICカードや光カード等の厚手カード、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW、DVD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R、DVD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット等を挙げることができる。
この可逆表示機能と情報記憶機能の双方を有する情報表示記憶部材は、例えばカードの場合で説明すると、情報記憶部に記憶された情報の一部を可逆性感熱記録層に表示することによって、カード所有者等は、特別な装置がなくてもカードを見るのみで情報を確認することができて、可逆性感熱記録媒体を適用しないカードに比べてその利便性が非常に向上することになる。
磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、または樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における可逆性感熱記録層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
さらに、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に可逆性感熱記録層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱記録層を転写する方法等がある。
転写する場合には、可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等のように剛直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、可逆性感熱記録層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感熱記録層の間に設けることが好ましい。
さらには、セキュリティのためにホログラムを設けることもできる。エンボス加工によって文字情報、点字情報、あるいは意匠性付与のためにレリーフ状、インタリヨ状に凹凸を付けて人物像や社章、シンボルマーク等のデザインを設けることもできる。
この中では、セラミックヒータが好ましく用いられる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。
セラミックヒータの設定温度は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、115℃以上がさらに好ましい。
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、さらに装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。形成用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、さらに小型化が可能となる。
一つのサーマルヘッドで形成と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を形成してもよく、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を形成していくオーバーライト方式も可能である。
オーバーライト方式では、形成と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
[感熱記録層の作成]
下記の構造の顕色剤 4部
(式2−32の顕色剤、融点:121℃)
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ188μmの白色PETフィルムにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約12μmの記録層を設けた。
ポリエステルポリオール樹脂(武田薬品工業社製タケラックU−21)の
10%メチルエチルケトン(MEK)溶液 100部
酸化亜鉛(住友大阪セメント社製) 10部
コロネートHL(日本ポリウレタン社製) 15部
上記組成よりなる「中間層液」を上記記録層上にワイヤーバーを用い塗布し、90℃1分で乾燥した後、60℃2時間加熱して、膜厚約2.0μmの中間層を設けた。
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂
(大日本インキ社製C7−157) 7部
ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性アクリル酸エステル
(日本化薬社製KAYARAD DPCA−120) 3部
シリカ(水沢化学社製P−527) 1.5部
酢酸エチル 90部
実施例1において顕色剤を下記構造式で表わされる(式2−13の顕色剤、融点:118℃)顕色剤に変更して得た「分散液B」を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
実施例1における「分散液A」を下記に変更して得た「分散液C」を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
下記の構造の顕色剤 4部
(式2−32の顕色剤、融点:121℃)
実施例1における「分散液A」を下記に変更して得た「分散液D」を用いた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
下記の構造の顕色剤 4部
(式2−32の顕色剤、融点:121℃)
実施例1において、コロネートHLを「中間層液」に後添加せず、代わりに「分散液A」で使用されているアクリルポリオール樹脂を「中間層液」に添加した以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
実施例1において顕色剤を下記構造式で表わされる顕色剤に変更して得た「比分散液1」を用いた以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
実施例1において顕色剤を下記構造式で表される顕色剤に変更して得た「比分散液2」を用いた以外は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作成した。
[発色特性評価]
作製した可逆性感熱記録媒体を松下電子部品社製EUX−ET8A9AS1端面型サーマルヘッド(抵抗値1152オーム)を用いた八城製作所製感熱印字シミュレーターを用いて下記の条件で印字を行ない、濃度をマクベス濃度計RD−914を用いて測定した。
評価条件:パルス幅2ms、ライン周期2.86ms、印字速度43.10mm/s、副走査密度8dot/mm
[消色特性評価]
上記発色特性評価にて飽和発色させたものに対し、東洋精機社製熱傾斜試験器で1Kgf/cm2、0.5秒間加熱し、最も消去された部分の温度及び濃度を求めた。
[耐熱保存性評価]
前記のようにして作成した印字画像を高温(65℃、20%RH)環境下に24時間保存し、保存前後の画像濃度をマクベス濃度計RD−914を用いて測定し、画像濃度残存率(残存率)を求めた。
画像濃度残存率(%)=(保存後の画像濃度/保存前の画像濃度)×100
34 磁気ヘッド
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
53 サーマルヘッド
Claims (11)
- 支持体上に請求項1に記載の可逆性感熱発色組成物を含有する可逆性感熱記録層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
- 発色消色制御剤として、前記可逆性感熱記録層が分子中に少なくとも1つ以上のN原子またはO原子を含む2価の基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 情報記憶部と可逆表示部を有し、該可逆表示部が少なくとも請求項2乃至4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する可逆性感熱記録層からなるものであることを特徴とする情報記憶部を有する部材。
- 前記情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の情報記憶部を有する部材。
- 請求項2乃至4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の可逆性感熱記録層を形成する面とは反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録ラベル。
- 可逆性感熱記録層を形成する面とは反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルを用いて可逆表示部が設けられているものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の情報記憶部を有する部材。
- 請求項2乃至4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、請求項7に記載の可逆性感熱記録ラベル、又は請求項5、6、8のいずれかに記載の情報記憶部を有する部材において、可逆性感熱記録層を加熱することにより画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法。
- サーマルヘッドを用いて画像を形成することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
- サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
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