JP4944666B2 - 可逆性感熱発色組成物およびそれを用いた可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
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そこで、可逆性感熱記録媒体の実用性をより高めるため、さらに小型・省エネルギープリンタでの書き替えに対応するため、印字と消去を同時に行なうサーマルヘッドオーバーライトに対応した記録媒体が望まれてきた。これらの実現のために、消色性の向上と画像安定性の向上を狙いとした発色消色制御剤や、消色促進剤が検討されており、特許文献15(特開平9−48175号公報)、特許文献16(特開平9−290563号公報)、特許文献17(特開平11−70731号公報)などに記載の長鎖アルキル化合物を用いることで、消去性が向上して、熱スタンプなどによる消し残りがほとんど発生しなく、さらには特に特許文献17(特開平11−70731号公報)記載の長鎖アルキル化合物を用いることで、消色性の向上と共に発色画像が安定なものとなった。さらに、特許文献18(特開平5−294063号公報)で記載されているような、消色促進剤として、脂肪酸類、ワックス、高級アルコール、リン酸、安息香酸、フタル酸またはオキシ酸の各種エステル類、シリコーンオイル、液晶性化合物、界面活性剤及び炭素数10以上の脂肪酸飽和炭化水素等が開示されている。これらの記録媒体ではサーマルヘッド消去といった高速消去では消し残りが多いといった問題があり、未だ検討の余地があった。さらに特許文献19から24ではイオン性の塩の消色促進剤が提案されている。特許文献19(特開平8−108627号公報)で記載されている顕色剤と第四級アンモニウム塩またはアルキレンオキサイドの組み合わせは良好のコントラストが得られるが、画像の耐熱保存性が低く実用的ではない。特許文献20(特開平9−300820号公報)ではオニウム塩、特許文献21(特開平10−44607号公報)では複素芳香環を有する第四級アンモニウム塩、特許文献22(特開2000−263946号公報)では、極性部位を有する消色促進剤(例えば、オニウム塩、複素芳香環を有する第四級アンモニウム塩)と特定の顕色剤との組み合わせ、特許文献23(特開2000−313171号公報)、特許文献24(特開2001−47749号公報)には、第四級アンモニウム塩と特定の顕色剤との組合せが記載されているが、これらのイオン塩の消色促進剤を用いた場合、幅広い温度域で消去が可能になり、発消色時に良好なコントラストが得られるけれども、消去温度領域の拡大効果により、消去域が低い温度で開始されてしまうため更なる高温条件(50度以上)での画像の耐熱保存性が乏しくという問題があり、加えて高速消去性に関しても消し残りが多く改善の余地がある。特許文献25(特開平7−285270号公報)に記載されている複素化合物、特許文献26(特開平7−285271号公報)には、カルボキシル基またはスルホ基といった酸性基とアミン基などの塩基性を有する消色促進剤が記載されているが、これらも高速消去性、画像の耐熱保存性に大きな問題があり実用的ではない。このように実用の用途のために、高い発色性と良好な消去性を有するコントラストの高く、且つ、高速消去性と画像の耐熱保存性を確保することは困難であった。
(1)「電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/又は加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱発色組成物において、該発色消色制御剤としてZwitterイオンを有する化合物を含有することを特徴とする可逆性感熱発色組成物」、
(2)「電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/又は加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱発色組成物において、該発色消色制御剤としてZwitterイオンを有する化合物の陽イオンがNであり、且つ、陰イオンがO−、COO−、SO3 −基の単独、又は、複数個の組合せであることを特徴とする前記第(1)項に記載の可逆性感熱発色組成物」、
(3)「電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/又は加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱発色組成物において、発色消色制御剤として下記一般式(1)で示すZwitterイオンを有する化合物を少なくとも含有することを特徴とする可逆性感熱発色組成物;
(4)「前記電子受容性化合物として、下記一般式(2)で表わされる炭素数8以上の脂肪族基を有するフェノール化合物を用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の可逆性感熱発色組成物;
本発明の可逆的感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この基本的な発色・消色現象を説明する。
図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度T1でロイコ染料と顕色剤が溶融混合し、発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固定された発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組合せにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
従来技術として報告されている発色消色制御剤は熱スタンプを用いた静的消去やサーマルヘッドを用いた高速消去特性を満足させる一方、発色特性や保存性が低下することが大半であり、実用的に、発色特性、消色特性、高速消去性、耐熱保存性すべてを満足しうるものは報告されていない。
本発明で用いられる発色消色制御剤の大きな特徴は、Zwitterイオンを有することであり、このような構造を有する化合物はカチオンとアニオンを有しており、正負の電荷の重心が一致していないことからの電気的な双極子が存在していることを意味している。この電気的な双極子が本発明の効果に極めて重要な役割を果たしていると考えている。発色消色制御剤であるZwitterイオンを有する化合物の効果は、未だ最終的に確認されたわけではないが現段階では、次のような機構に基くものと予想される。
その予想される機構から、消色状態から発色状態に遷移する構造変化の場合も、本発明の発色消色制御剤の双極子の効果により、発色状態の電子供与性化合物が消色状態に戻ることが予想され、良好な発色状態が得られないことが予想されたが、実際はその予想に反して良好な発色状態が得られている。種々の実験事実からも、発色状態や消色状態のような静的な状態では、可逆性感熱組成物との相互作用があまり認められず、動的な状態にのみ効果が現れ、特に発色状態から消色状態へ変移を容易にすることが示差されている。Zwitterイオンを有する化合物は、発色状態から消色状態への変移を容易にすることにより、その分離速度を高め(高速消去)、静的な状態には影響がない(発色濃度、耐熱保存性の低下がほとんど見られない)ことが明らかとなっている。
以上の様なZwitterイオンの作用は、特に長鎖脂肪族炭化水素基をもった顕色剤とロイコ染料のつくる発色状態と消色状態の構造変化に対して優れた効果を示すものであり、なかでも、炭素数8以上の脂肪族基を有するフェノール化合物を顕色剤と用いた場合に特に顕著な効果を発現するものである。
すなわち、顕色剤として、たとえば、ビス(ヒドロキシフェニル)酢酸と高級脂肪族アミンの塩の様に、熱の作用によって酸の性質を示したり塩基の性質を示すことで、ロイコ染料を発色させたり消色させたりする顕色剤に対する作用よりも、長鎖脂肪族炭化水素基をもった顕色剤に対して特に優れた効果を示す。
なお、式中の記号a、b、c、d、e、f、g、d’、d”、e’は整数であり、好ましくは1から30の整数である。加えて、分子中に同一の記号がある場合は同じでも異なっていてもよい。
本発明に特に好ましい構造として以下の構造が挙げられる。
またR8の炭素が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好ましい。Y及びZは直接結合手またはヘテロ原子を含む2価の基を示し、好ましくは下記に表わされる基を少なくとも1個以上有する2価の基を表わす。
なかでも特に好ましい例としては、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリドなどが挙げられる。
該保護層中に用いる樹脂として、特に好ましくは、紫外線吸収基を分子構造中に有した紫外線吸収性ポリマーが用いられる。
紫外線吸収性ポリマーとしては紫外線吸収基を有した単量体と、架橋可能な官能基を有した単量体をもつポリマーが好ましく用いられ、紫外線吸収基を有した単量体としては、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ω−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール骨格を有した単量体が特に好ましく用いられる。
本発明に用いられる無機顔料は0.1μm以下の平均粒径を有する顔料ならば任意である。このような無機顔料としては酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物及びこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドのような金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのような金属窒化物等が挙げられる。
この中でも特に好ましいのは400nm以下の波長領域に吸収端を有する顔料である。
なお、前記保護層および中間層の厚みはそれぞれ0.5〜10μmが好ましく、さらに1〜5μmが好ましい。
また、中空フィラーは粒径0.1〜10μm、好ましくは1〜5μmとするのが良く、中空フィラー混入量は断熱層アンダー容積の30%以上、好ましくは50〜80%とするのが良い。
断熱層アンダーに用いる無機中空フィラーとしてはガラスやセラミックス等で形成された中空体が、有機中空フィラーとしてはアクリル系ポリマーや塩化ビニリデン系ポリマー等の高分子化合物で形成された中空体が挙げられる。また、断熱層アンダーの結着樹脂としては、前記の可逆性感熱記録層、中間層、保護層を構成する樹脂、そのほかの従来公知の結着樹脂を使えば良く、水系エマルジョン樹脂や水溶性樹脂も好ましく用いられる。
また、さらに断熱層アンダーには、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクなどの無機フィラーおよび/または各種有機フィラーを含有させることができる。その他、界面活性剤、分散剤などを含有させることもできる。
また、これら支持体上に前記アンダー層を設ける場合、接着層を介して設けることにより、クラック発生防止やバリの発生が改善される。
該接着層は、上記の各層と同様の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができる。
この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
接着剤層又は粘着剤層の材料は、一般的に用いられているものが使用可能である。
例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、該情報表示記憶部材について説明する。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の3つのものに大別できる。
(1)情報記憶機能のある部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として用い、そこに感熱層を直接形成したもの。
(2)情報記憶機能のある部材に、別途形成された、支持体上に感熱層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
(3)情報記憶機能のある部材に、前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘着剤層を介して、接着されたもの。
これら(1)、(2)、(3)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうでありさえすれば情報記憶部の設定位置は目的に応じて任意に選定でき、可逆性感熱記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱層との間でも、あるいは感熱層上の一部に設けることもできる。
これらの例としては、ICカードや光カード等の厚手カード、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット等を挙げることができる。
磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、または樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における可逆性感熱記録層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
また、前記(3)の可逆性感熱記録ラベルを用いる例として、磁気ストライプ付塩化ビニル製カード等のように、支持体として可逆性感熱記録層の塗布が困難な厚手のもの場合には、その全面又は一部に接着剤層又は粘着剤層を設けることができる。
こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
さらに、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に可逆性感熱記録層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱記録層を転写する方法等がある。
転写する場合には、可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等のように剛直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、可逆性感熱記録層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感熱記録層の間に設けることが好ましい。
消去手段の中では、セラミックヒータ、サーマルヘッド、レーザによる加熱が好ましく用いられ、セラミックヒータを用いる場合にはヒートローラの場合に比べ、装置が小型化でき、省エネルギー化が可能であって、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。
セラミックヒータの設定温度は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、115℃以上がさらに好ましい。
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、さらに装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。形成用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、さらに小型化が可能となる。
一つのサーマルヘッドで形成と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を形成してもよく、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を形成していくオーバーライト方式も可能である。
オーバーライト方式では、形成と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。
また、レーザによる加熱によって書き替えを行なう場合には、記録媒体と非接触での書き替えが可能となるため、他の方法では書き替え時に加熱と共に、熱媒体の接触した際の摩擦などによる劣化が起きて、記録媒体表面へのダメージがあるのに比べ、記録媒体の劣化の少ないものとなり、より多数回の書き替えが可能となる。
可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
図6はサーマルヘッドのみで可逆性感熱記録層の画像の消去と印字を同時に行なう装置の例である。サーマルヘッド(23)で全体に消去条件となるように加熱し、画像部には印字条件となる加熱を同時に行なう、いわゆるオーバーライトを行なうものである。
(合成例1)
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
・下記に示すZwitterイオンを有する化合物
顕色剤:4部
発色消色制御剤:0.4部
アクリルポリオール樹脂:9部
(三菱レイヨン社製LR503、固形分濃度50%溶液)
メチルエチルケトン:70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1.5部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、良く攪拌し感熱記録層塗布液を調製した。
上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ100μmの白PETにワイヤーバーを用い塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。
紫外線吸収性ポリマーの40%溶液(日本触媒社製UV−G300):10部
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートHX):1.4部
シリコーン系アクリル樹脂(東亞合成社製GS−1015):0.5部
メチルエチルケトン:10部
以上の組成物を良く撹拌し、保護層塗布液を調整した。
上記組成の保護層塗布液を上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃2分で乾燥した後、60℃24時間加熱して、厚さ約3.5μmの保護層を設け本発明の可逆性感熱発色組成物を用いた可逆性感熱記録媒体を作製した。
上記のように作製した実施例および比較例の可逆性感熱記録媒体をビーコム社製感熱印字シミュレーターを用いてパルス幅2msecの条件で13Vから21V範囲を0.5V刻みの電圧で印字を行なった。印字画像濃度をマクベス濃度計RD914を用いて測定し、最も高い濃度を最大発色濃度とした。実施例および比較例の可逆性感熱記録媒体の組み合わせと発色特性を表11に示す。
試験1と同様にビーコム社製感熱印字装置にて電圧最大発色濃度を与える印字電圧で印字した後、東洋精機社製熱傾斜試験器で1Kgf/cm2、0.5秒間加熱し、消去後における残存濃度(消去後画像濃度−地肌濃度)を試験1と同様に測定した。なお、消色における残存濃度は、100℃から170℃までの範囲で10℃刻みに加熱した熱ブロックで消去し、最も良く消えた温度での残存濃度とした。その結果を表11に示す。
試験1と同様に、実施例および比較例の可逆性感熱記録媒体を、ビーコム社製感熱印字装置にて最大発色濃度となる電圧で印字した後、印字画像上に再度9Vから17Vの条件で0.5V刻みのエネルギーで消去し、最も消色した部分の画像濃度を試験1と同様に測定し、下記式よりサーマルヘッド消去率を算出し、高速消去特性とした。結果を表11に示す。
サーマルヘッド消去率(%)=(1−(消去後画像濃度−地肌濃度)/(消去前画像濃度−地肌濃度))×100
試験2と同様に得た印字画像を60℃乾燥条件で24時間保存した。保存前後の濃度を試験1と同様にして測定した後、下記式にて画像保持率を算出し、耐熱保存性とした。その結果を表11に示す。
画像保持率(%)=(保存後画像濃度−保存後地肌濃度)/(保存前画像濃度−保存前地肌濃度)×100
以上のように本発明の可逆性感熱記録組成物は、高い発色性を有しながら、高速で良好な消去性と耐熱保存性を有する実用性の高い可逆性感熱組成物及び可逆性感熱記録媒体を提供することができる。
12 磁気ヘッド
13 セラミックヒータ
14 サーマルヘッド
21 搬送ローラ
22 搬送ローラ
23 サーマルヘッド
Claims (3)
- 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/又は加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうる可逆性感熱発色組成物において、発色消色制御剤として下記一般式(1)で示すZwitterイオンを有する化合物を少なくとも含有することを特徴とする可逆性感熱発色組成物。
- 支持体上に請求項1又は2に記載の可逆性感熱組成物を有する記録層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
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