JP3790483B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーを制御することにより色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、一時的な画像の形成が行なえ、不要となった時にはその画像の消去が出来るようにした可逆性感熱記録材料が注目されている。その代表的なものとしては、特開平6−210954号公報、特開平6−171225号公報、特開平7−68933号公報、特開平7−68934号公報等に記載されている、通常無色ないし淡色のロイコ染料と、加熱によりこのロイコ染料を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性を有する顕色剤を用いた可逆性感熱記録材料が知られている。
【0003】
ところが、このような従来の可逆性感熱記録材料は、加熱による画像の記録と消去を繰り返すと、特にサーマルヘッドを用いた場合、表面が加熱されながらこすられるため、記録層表面に傷が発生し、それがひどくなると均一な画像が記録できないという不都合が見られていた。これに対し、特開平6−344673号公報、特開平8−156410号公報では、そうした可逆性感熱記録材料の表面に保護層を設け、サーマルヘッドを用いた際の記録層表面の傷を低減させることが提案されている。しかし、従来の可逆性感熱記録材料に保護層を設けただけでは、記録及び消去回数が多くなると、対傷性が十分とは言い難い場合がある。また、可逆性感熱記録層にサーマルヘッドのような熱と圧力が同時に加わる方式で記録と消去を繰り返すと、可逆性感熱記録層が温度及び圧力を受けて可逆的熱発色組成物が溶出したり、層破壊を起こして記録濃度が低下するといったトラブルがあった。
【0004】
このようなサーマルヘッドによる劣化を低減させる方法として、特開昭57−82088号公報や特開昭64−14077号公報には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のような樹脂母材中に高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した可逆性を有する感熱記録材料において、カーボンブラックや赤外線吸収色素を含有させ、レーザー光により記録する方法が開示されている。この方法によれば非接触の印字が可能となるが、画像が光の散乱により形成されるいわゆる白濁型であるため、コントラストが低く視認性に劣るものであった。
【0005】
これに対して、特開平5−8537号公報や特開平11−151856号公報には、可逆性を有する感熱記録材料としてロイコ染料と可逆性顕色剤を用い、種々の光熱変換材料と組み合わせた上で、近赤外レーザー光により記録する系が提案されている。この系においては確かに明確な画像コントラストが得られるが、実用上の重要な課題である、高感度な画像の形成と消去および1000回以上の繰り返し性は検証されていない。実際、本発明者らの追試によれば、Cr等の金属蒸着膜を光熱変換材料とした場合には、近赤外レーザー光の波長に合わせて選択的に高い吸光度を持たせることが出来ないため記録感度が低い。また特開平11−151856号公報に記載の層構成も、記録感度の点で十分なものとは言えない。同公報の実施例では100回の印字と消色の繰り返し後に、記録面を観察して記録状態、消去状態のムラがなく、良好な状態であると述べているが、実用上必要な1000回以上の繰り返し性については、何ら検証されてもいないし保証されるものでもない。そもそも光熱変換色素を用い、近赤外レーザー光のエネルギーを熱に変換して記録を行う技術は、CD−R等のライトワンス型の記録材料に向けて研究が集中されてきており、多数回の書き換えを行う記録はもっぱら無機材料に頼っている。光熱変換色素を用いて、近赤外レーザー光により1000回以上もの多数回の繰り返しを可能にするための技術的指針は全く与えられていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は明瞭なコントラストを持つ画像を、高い感度で、かつ1000回以上の多数回に渡って、安定的に繰り返し形成消去可能な可逆性感熱記録材料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの課題を解決すべく検討した結果、通常無色または淡色のロイコ染料、加熱により該ロイコ染料を発色させこれを再加熱して消色させる可逆性顕色剤、および光熱変換色素を含有し、発振波長830nmのレーザー光を照射することによる該色素の劣化率が20%以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料により、上記の課題が解決されることを見いだした。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、明瞭なコントラストを持つ画像を、高い感度で、かつ1000回以上の多数回に渡って、安定的に繰り返し形成消去可能な可逆性感熱記録材料が提供される。
【0009】
光熱変換色素を用いて、近赤外レーザー光により1000回以上繰り返して、画像を記録、消去する可逆性感熱記録材料には、高い耐熱性及び耐レーザー光特性が必要である。本発明者らは、本記録材料の構成要素について、その耐熱性と耐レーザー光特性を検討した結果、光熱変換色素の耐レーザー光特性が、多数回の記録、消去に対して最も重要な因子であることを見いだした。光熱変換色素の耐レーザー光特性が低いと、少ない繰り返し時点で色素が劣化し、レーザー光を熱に変換する効率が低下して、画像の記録や消去ができなくなる。光熱変換色素のこのような特性は従来測定されたことがない。日光や蛍光灯に対する耐光性には、励起状態にある色素と三重項酸素の反応や、一重項酸素の発生とそれに対する反応が関与するので、耐レーザー光特性を予測するデータとして用いることは合理性を欠く。そこで本発明者らは、25℃の温度条件下において、830nmに発振波長を有するレーザーにより、2J/cm2のエネルギーを1000回繰り返し照射したときの劣化率(以下、単に劣化率という)の測定を行った。その結果、光熱変換色素の種類により劣化率が異なり、劣化率が20%以下の光熱変換色素を選択することにより、本発明の課題が解決できることを見いだした。
【0010】
劣化率は当然の事ながら低ければ低いほど有利である。好ましくは劣化率が15%以下、より好ましくは劣化率10%以下、更に好ましくは劣化率5%以下である。劣化率が20%を越える場合は、記録や消去を繰り返すにつれ徐々に発色濃度低下や消去部の濃度上昇が起き、コントラストが低下する。このような劣化率の大きい光熱変換色素を使いこなすために、劣化を見込んで色素を多めに添加する対処法は、コスト増や色素の可視部吸収の増加に伴う可逆性感熱記録材料の着色といった問題点に加え、初期状態で記録や消去に使われる熱エネルギーが過剰になり、ロイコ染料やバインダー等の劣化を早めてしまう問題がある。
【0011】
具体的な、劣化率の測定方法は、試料の作製、吸光度の測定、劣化試験、及び劣化率の計算からなる。詳細を以下に述べる。
【0012】
劣化率の測定に用いられる試料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート等の近赤外領域に吸収のない透明支持体上に、光熱変換色素を含有する膜を形成したものを用いる。光熱変換色素を含有する膜は、近赤外領域に吸収がなく、かつ測定の際に発生する熱に対して安定な樹脂をバインダーとして用いて形成される。光熱変換色素の量は、吸光度の測定が可能であれば限定されるものではないが、可逆性感熱記録材料に含有する量と同程度であることが好ましい。
【0013】
吸光度測定は透過法で行い、830nmにおける吸光度を求める。
【0014】
劣化試験に用いるレーザーは、発振波長830nmの半導体レーザーを用いる。試料を25℃の温度条件下におき、2J/cm2のレーザー光を、繰り返し1000回照射する。
【0015】
劣化率は、劣化試験前に測定した吸光度から、劣化試験後に測定した吸光度を引いた値を劣化試験前に測定した吸光度で除した値を100倍した値である。
【0016】
本発明において、画像の記録や消去に用いられる近赤外レーザーの好ましい例としては、740nm〜910nmに発光領域を持つ半導体レーザーや900nm〜1200nmに発光領域を持つYAGレーザーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。光熱変換色素は、これらの光源から発せられる光の波長において、十分な吸光係数をもつように選ばれるのは当然である。本発明においてはまた、画像の記録は上述した光源からの光を用いる一方で、消去を、記録材料への熱的あるいは機械的ダメージの少ない熱ロールや熱スタンプ等を用いて行っても良い。
【0017】
本発明に用いられる光熱変換色素の具体的な例としては、フタロシアニン化合物、金属錯体合物、ポリメチン化合物、ナフトキノン系化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましい光熱変換色素としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性、紫外光に対する耐光性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられる。特にフタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物を使用する。
【0018】
フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物の例としては、ナフタロシアニン化合物、無金属フタロシアニン化合物、鉄フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、ニッケルフタロシアニン化合物、バナジルフタロシアニン化合物、塩化インジウムフタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物等が好ましく、より好ましくは、バナジルフタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物である。本発明に用いられるフタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物は吸収波長の調節、溶媒への溶解度の向上、耐光性の改良等の目的で、芳香環に置換基を有しても良い。置換基としては、アルキルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミド基、アミノ基、アルキルエステル基、アリールエステル基、塩素原子、フッ素原子等が挙げられる。芳香環に置換基が二つ以上ある場合に、それらは同一であっても異なっていてもよく、また置換基同士が結合して環を形成しても良い。
【0019】
光熱変換色素の使用量は、使用する光源の発振波長における吸光度が0.2以上になるように設定することが好ましい。この量より少ないと十分な発熱が得られず、記録感度が低下する。一方、光熱変換色素は可視部にも若干の吸収を有しており、使用量が多すぎるとコントラストの低下をもたらす。400nmから700nmの平均透過率が60%以上確保できるよう、光熱変換色素の使用量の上限を設定することが好ましい。光熱変換色素は、2種類以上を混合して用いることもできる。その場合は少なくとも1種類の光熱変換色素の劣化率が20%以下である。
【0020】
光熱変換色素は、ロイコ染料と可逆性顕色剤を含有する層に対して、同一の層か隣接する層の少なくとも一方に含有されることが好ましく、同一の層に含有されることが良好な感度を得る上でより好ましい。
【0021】
本発明に用いられるロイコ染料の具体的な例としては、例えば下記に挙げるものがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
3−ジエチルアミノ−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、
【0023】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−アセチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、
【0024】
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、
【0025】
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ピロリジル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピぺリジル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−p−トリルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−(4−エトキシブチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0026】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
【0027】
3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−プロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ヘキシルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジプロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジヘキシルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−フェニルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ピリジルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0028】
3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ブチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ペンチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ヘキシル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−シクロヘキシル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0029】
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ヘプチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソプロピル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0030】
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−エチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−プロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ブチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ペンチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ヘキシルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−イソプロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−イソブチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0031】
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
【0032】
前記のロイコ染料はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよい。また他の色相に発色するロイコ染料を混合することにより調色も行うことができる。
【0033】
本発明に用いられる可逆性顕色剤としては下記一般式(1)で示される化合物が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
【化2】
Figure 0003790483
【0035】
一般式(1)で表される化合物中、X1及びX2はそれぞれ同じであっても、異なってもよい酸素原子、硫黄原子又は両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R1は単結合又は炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。R2は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。R3は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数8から24の炭化水素基である。更に、R1、R2及びR3の炭素数の和が11以上35以下である場合が特に好ましい。R1、R2及びR3は主として、各々アルキレン基及びアルキル基を表す。R1の場合は、芳香環を含んでいてもよい。fは0から4の整数を表し、fが2以上のとき繰り返されるR2及びX2は同一であっても異なっていてもよい。
【0036】
一般式(1)中のX1、X2は両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を含むが、その具体例としては、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、しゅう酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2 NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2 CONH−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−)等の基が挙げられるが、好ましくはジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミド、アシルセミカルバジドである。
【0037】
本発明に用いられる可逆性顕色剤の具体的な例としては以下の構造式(1−1)から構造式(1−16)に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
【化3】
Figure 0003790483
【0039】
【化4】
Figure 0003790483
【0040】
本発明に用いられる可逆性顕色剤はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよく、通常無色ないし淡色のロイコ染料に対する使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
【0041】
次に本発明の可逆性感熱記録材料の具体的製造方法について述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
本発明の可逆性感熱記録材料の製造方法の具体例としては、通常無色ないし淡色のロイコ染料、可逆性顕色剤、光熱変換色素を主成分とし、これらを支持体上に塗布或いは印刷して可逆性感熱記録層を形成する方法が挙げられる。
【0043】
通常無色ないし淡色のロイコ染料、可逆性顕色剤、光熱変換色素を可逆性感熱記録層に含有させる方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等により混合液を作り、支持体上に塗布又は印刷後乾燥することにより層を形成する事ができる。
【0044】
光熱変換色素をロイコ染料及び可逆性顕色剤と異なる層中に含有する場合は、光熱変換色素を単独又はバインダーと共に分散し、可逆性顕色剤を含有する層と隣接する層中に含有することが好ましい。
【0045】
また、可逆性感熱記録層の強度を向上する等の目的でバインダーを可逆性感熱記録層中に添加する事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらのバインダーの役割は、組成物の各素材が印字、消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。最近になって、プリペイドカード、ストアドカードといった付加価値の高い可逆性感熱記録材料が用いられることが多くなり、それに伴い、耐熱性、耐水性、さらには接着性といった高耐久品が要求されるようになってきている。このような要求に対しては、硬化性樹脂は特に好ましい。
【0046】
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等の水酸基、カルボキシル基が架橋剤と反応し、硬化するものが挙げられる。この際の架橋剤としては、例えば、イソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等が挙げられる。
【0047】
電子線及び紫外線硬化樹脂に用いられるモノマーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
【0048】
可逆性感熱記録材料の老化を防止する目的で、ゴム製品等にも用いられている老化防止剤を添加することもできる。また、老化防止剤を可逆性感熱記録層の上層又は下層に含有させることもできる。光熱変換色素の紫外線による劣化を防止する目的で、光熱変換色素を含有する層または光熱変換色素を含有する層の上層に、老化防止剤を含有させることもできる。老化防止剤としては、p,p′−ジアミノジフェニルメタン、アルドール−α−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾエート化合物等が挙げられる。その他、o−フェニレンチオ尿素、2−アミノベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルチオカルバミン酸ニッケル、酸化亜鉛、パラフィン等が挙げられる。また、これらの老化防止剤構造を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖に老化防止剤構造をグラフト化したものも用いることができる。2種類以上の老化防止剤を組み合わせて用いることもできる。
【0049】
また、可逆性感熱記録層の発色感度及び消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記録層中に含有させることができる。60℃〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
【0050】
本発明の可逆性感熱記録材料に用いられる支持体としては、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるし、更に、透明、半透明或いは不透明のいずれであってもよい。また、これらに限定されるものでもない。
【0051】
本発明の可逆性感熱記録材料の層構成は、可逆性感熱記録層と支持体の間に中間層を設けることもできる。この場合、保護層や中間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。更に可逆性感熱記録層中、他の層、可逆性感熱記録層が設けられている面や反対側の面等に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでもよい。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。
【0052】
また、可逆性感熱記録層、保護層、中間層には、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、界面活性剤、蛍光染料等を含有させることもできる。
【0053】
【実施例】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数や百分率は質量基準である。
【0054】
実施例1
[劣化率の測定]
光熱変換色素(山本化成製 YKR5010)3部、ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製、バーノックD−293−70)80部、硬化剤(日本ポリウレタン(株)製、コロネートHL)110部、メチルエチルケトン300部、トルエン300部をガラスビーズと共に2時間ペイントシェーカーで混合し、混合液をポリエチレンテレフタレートシート(透明PET)に固形分2g/m2となる様に塗工し、乾燥して劣化率測定用試料を作製した。この試料の透過スペクトルを測定し、830nmにおける吸光度(A−1)を求めた後、25℃プラスマイナス1℃の温度条件下において、830nmの波長の半導体レーザーを用いて、約4cm四方の領域に照射エネルギー2J/cm2のレーザー光を照射した。このレーザー光照射操作を1000回繰り返し行った後、照射部分の透過スペクトルを測定して、830nmにおける吸光度(A−2)を求めた。A−1からA−2を引いた値をA−1で除して100倍し、表1に示す劣化率を得た。
【0055】
[可逆性感熱記録材料の作製]
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン(山田化学(株)製、BLACK 100)20部、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド100部、ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製、バーノックD−293−70)50部、硬化剤(日本ポリウレタン(株)製、コロネートHL)50部、メチルエチルケトン300部、トルエン300部に光熱変換色素(山本化成製 YKR5010)1部をそれぞれ添加し、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間粉砕し分散液を得た。上記の分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)シートに固形分7g/m2となる様に塗工し、乾燥して可逆性感熱記録材料を得た。
【0056】
[印字消去試験]
得られた可逆性感熱記録材料を25℃プラスマイナス1℃の温度条件下において、830nmの波長の半導体レーザーを用いて、照射エネルギー2J/cm2を与えて発色させ、発色部の濃度をマクベスRD918により求めた。次に照射エネルギー1J/cm2を与えて消色させ、消色部の濃度をマクベスRD918により求めた。発色濃度と消色濃度の差(1回目のコントラストとする)は0.65であった。同様の操作によって発色と消色を繰り返し、200回目と1000回目についてそのコントラストを求めたところ、それぞれ0.64と0.63であった。
【0057】
実施例2〜3および比較例1〜3
光熱変換色素を表1に示すものに変えた以外は実施例1と同様にして、劣化率、1回目、200回目、1000回目のコントラストを求めた。コントラストの値については0.6以上を◎、0.4以上0.6未満を○、0.3以上0.4未満を△、0.3未満を×として、実施例1と併せて結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0003790483
【0059】
表1の結果から明らかな様に、劣化率が20%以下であった実施例のサンプルは1000回繰り返し印字した後においても明瞭なコントラストが得られた。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、明瞭なコントラストを持つ画像を、高い感度で、かつ1000回以上の多数回に渡って、安定的に繰り返し形成消去可能な可逆性感熱記録材料が得られる。

Claims (2)

  1. 通常無色または淡色のロイコ染料、加熱により該ロイコ染料を発色させこれを再加熱して消色させる一般式(1)で示される可逆性顕色剤、および発振波長830nmのレーザー光を照射することによる劣化率が20%以下である、フタロシアニン化合物とナフタロシアニン化合物とから選ばれる少なくとも1種の光熱変換色素を含有することを特徴とするレーザー光記録型可逆性感熱記録材料。
    Figure 0003790483
  2. ロイコ染料、可逆性顕色剤、および光熱変換色素が同一層にある、請求項1に記載のレーザー光記録型可逆性感熱記録材料。
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