JP4263654B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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本発明は、熱エネルギーを制御する事により画像形成及び消去とを多数回にわたって繰り返し可能な可逆性感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は一般に、支持体上に電子供与性の無色ないし淡色の染料前駆体(以下、ロイコ染料ともいう)と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱する事により、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得られるものである。
一般にこのような感熱記録材料は、一度画像を形成するとその部分を消去して再び画像形成前の状態に戻す事は不可能であるため、更に情報を記録する場合には画像が未形成の部分に追記するしかなかった。このため感熱記録部分の面積が限られている場合には、記録可能な情報が制限され必要な情報を全て記録できないという問題が生じていた。
近年、ロイコ染料と加熱によりロイコ染料を発色及び消色させる顕減色剤から構成される可逆性感熱記録媒体も提案されており、顕減色剤は、ロイコ染料を発色させる酸性基と、発色したロイコ染料を消色させる塩基性基を有する両性化合物で、熱エネルギーの制御により酸性基による発色作用または塩基性基による消色作用の一方を優先的に発生させ、発色と消色を行うものである。しかし、この方法では熱エネルギーの制御のみで完全に発色反応と消色反応を切り換える事は不可能で、両反応がある割合で同時に起こるため、十分な発色濃度が得られず、また、消色が完全には行えない。そのために十分な画像のコントラストが得られない。また、塩基性基の消色作用は常温で発色部にも作用するため、経時的に発色部の濃度が低下する現象が避けられない。
また、加熱によりロイコ染料を発色及び消色させる可逆性感熱記録媒体が提案されており、電子受容性化合物として有機ホスホン酸化合物、α−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、脂肪酸ジカルボン酸及び炭素数12以上の脂肪族基を有するアルキルチオフェノール、アルキルオキシフェノール、アルキルカルバモイルフェノール、没食子酸アルキルエステルなどの特定のフェノール化合物が例示されている。しかし、この記録媒体でもやはり発色濃度が低いか、または、消色が不完全という2つの問題を同時に解決する事が出来ず、また、その画像の経時的安定性においても実用上満足すべきものにない。
更に、上記可逆性感熱記録媒体の消去性を改良する消色促進剤として脂肪酸類、ワックス、高級アルコール、燐酸/安息香酸/フタル酸またはオキシ酸の各種エステル類、シリコーンオイル、液晶性化合物、界面活性剤及び炭素数10以上の脂肪酸飽和炭化水素等が提案されている。しかし、その効果は小さいため、消去時の画像濃度が高く実用的とは云えない。
一方、本出願人らも、可逆性顕色剤として長鎖アルキル基を有するフェノール化合物を見出し、実用性の高い可逆性感熱記録材料を提案してきた。この記録材料によれば、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回にわたって可能であり、ICカードや磁気カード等の媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。
このような可逆性感熱記録材料を用いる場合には、多数の媒体の記録画像を連続して書き換えるようなアプリケーションも多く見られる。このような場合には、記録画像の消去と再形成にかかる所用時間を極力短くする事が望まれている。こうした背景から、材料自身の感度を向上する事はもちろんであるが、それ以上に消去印字装置に於いては、サーマルヘッド等の画像記録手段(消去手段)により所定の熱エネルギーを短時間で印加するため、その結果記録材料にかかる熱的負荷は大きくなる傾向にある。
上記のような高速消去印字が求められている事などから、可逆性感熱記録材料に用いられる組成物として、発色性及び消去性を制御する目的で脂肪族炭化水素基とへテロ原子から構成される二価の基からなる化合物を発色消色制御剤として添加したり、また、ある特定の化合物を消色促進剤として添加する事が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、近年、更なる高速化処理への要求がますます高まり、発色消色条件の適応範囲の拡大に対応する必要性があった。
特開平11−70731号公報 特開2001−47744号公報
本発明の課題は、高コントラスト、高感度で記録画像の形成あるいは消去が多数回にわたって可能で、種々の環境下でも経時的に安定な画像を保持可能な感熱記録材料を提供する事である。より具体的には、高い発色能力を有し、消去時には完全に消去し、また消去時間、消去温度に関しても、より短時間、低温度でかつ幅広い温度領域で均一な消去が可能な高速消去に対応でき、更に、高温高湿条件下でも画像の退色のない可逆性感熱記録材料を提供する事を課題とする。
本発明者らは、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤、及び消色促進剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、該消色促進剤を鋭意検討をした結果、上記の課題を解決出来る事を見出し、本発明に至った。
即ち、上記課題に対して、本発明の(1)「支持体上に無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤、及び消色促進剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、該消色促進剤が下記一般式(1)で表される化合物であり、この化合物を少なくとも1種用いる事を特徴とする可逆性感熱記録材料」によって達成される。
Figure 0004263654
式1中、R 1 及びR 2 は二価の炭化水素基を表す。X 1 は酸素原子、硫黄原子、または−CONH−を最小構成単位とする二価の連結基を表し、X 2 は−CONH−を最小構成単位とする一価の連結基を表す。nは1〜2の整数を表すが、nが2のとき繰り返されるR 2 およびX 1 は、同一であっても異なっていてもよい。
また、上記課題に対して、本発明の(2)「前記一般式(1)で表される消色促進剤のX 2 がアミド(−CONH 2 )、尿素(−NHCONH 2 )、アシルヒドラジド(−CONHNH 2 )、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH 2 )から選ばれる一価の基である事を特徴とする前記第(1)に記載の可逆性感熱記録材料」によって達成される。
また、上記課題に対して、本発明の(3)「前記可逆性顕色剤が下記一般式(2)で表される化合物である事を特徴とする前記第(1)または(2)に記載の可逆性感熱記録材料」によって達成される。
Figure 0004263654
式2中、mは0〜2の整数を表す。R 3 は単結合、または二価の炭化水素基を表す。R 4 は二価の炭化水素基を表す。R 5 は一価の炭化水素基を表す。X 3 及びX 4 はヘテロ原子を含む二価の連結基を表す。
また、上記課題に対して、本発明の(4)「前記一般式(2)で表される可逆性顕色剤のR 5 が末端二重結合を有する脂肪族炭化水素基である事を特徴とする前記第(3)に記載の可逆性感熱記録材料」によって達成される。
本発明によれば、高コントラスト、高感度で記録画像の形成あるいは消去が多数回にわたって可能であり、炭化水素基中に不飽和結合を少なくとも1つ持つ化合物を消色促進剤として用いる事により、種々の環境下でも経時的に安定な画像を保持可能であり、更に、画像の消去温度領域を下げる事も可能となり、非常に実用性の高い可逆性感熱記録材料が提供される。
以下、本発明の可逆性感熱記録材料について詳しく説明する。本発明に用いられる消色促進剤としては下記一般式(1)で表される化合物であり、これら少なくとも1種用いたものである。
Figure 0004263654
式1中、 1 及びR 2 は二価の炭化水素基を表す。X 1 は酸素原子、硫黄原子、または−CONH−を最小構成単位とする二価の連結基を表し、X 2 は−CONH−を最小構成単位とする一価の連結基を表す。nは1〜2の整数を表すが、nが2のとき繰り返されるR 2 およびX 1 は、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)で表される化合物中、R1及びR2は好ましくは炭素数1から18の二価の炭化水素基である。R1及びR2は、具体的には各々アルキレン基であるが、それぞれその基中に芳香環を含んでいてもよいが、好ましくは脂肪族炭化水素基のみである。一方、X1 は酸素原子、硫黄原子、または−CONH−を最小構成単位とする二価の連結基を表し、その具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、カルバミド酸エステル(−NHCOO−、−OCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2CONH−)等の基が挙げらる。X2 は−CONH−を最小構成単位とする一価の連結基を表し、その具体例としては、アミド(−CONH2)、尿素(−NHCONH2)、カルバミド酸エステル(−OCONH2)、アシルヒドラジド(−CONHNH2)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH2)、アシル尿素(−CONHCONH2)、セミカルバジド(−NHCONHNH2)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH2)等の基が挙げられ、好ましくは、アミド(−CONH2)、尿素(−NHCONH2)、アシルヒドラジド(−CONHNH2)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH2)である。nは1〜2の整数を表すが、nが2のとき繰り返されるR2およびX1は、同一であっても異なっていてもよい。
以下に、前記一般式(1)で表される消色促進剤の好ましい具体例を化4に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、(3−1)、(3−2)、(3−9)は前記一般式(1)に含まれない参考化合物である。
Figure 0004263654
また、本発明によれば、下記一般式(2)で表される化合物が可逆性顕色剤として用いられる。
Figure 0004263654
式2中、mは0〜2の整数を表す。R3は単結合、または二価の炭化水素基を表す。R4は二価の炭化水素基を表す。R5は一価の炭化水素基を表す。X3及びX4はヘテロ原子または−CONH−結合を少なくとも1つ以上持つ二価の連結基を表す。
一般式(2)で表される化合物中、R3は好ましくは単結合、炭素数1から18の二価の炭化水素基であるが、炭素数1から12の二価の炭化水素基がより好ましい。R4は好ましくは炭素数1から18の二価の炭化水素基であるが、炭素数1から12の二価の炭化水素基がより好ましい。R5は好ましくは炭素数1から24の一価の炭化水素基であるが、炭素数6から22の炭化水素基がより好ましい。R3、R4及びR5は、具体的には各々アルキレン基及びアルキル基であるが、それぞれその基中に芳香環を含んでいてもよいが、好ましくは脂肪族炭化水素基のみである。一方、X3及びX4はヘテロ原子を含む二価の連結基を表すが、酸素原子、硫黄原子、または−CONH−を最小構成単位とする二価の連結基を表し、その具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、カルバミド酸エステル(−NHCOO−、−OCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2CONH−)等の基が挙げられる。 3 及び 4 の好ましい例としては、酸素原子、硫黄原子、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)である。mは0〜2の整数を表すが、mが2のとき繰り返されるR4およびX4は、同一であっても異なっていてもよい。
以下に、前記一般式(2)で表される可逆性顕色剤の具体例を化6〜化7に挙げる、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004263654
Figure 0004263654
本発明における前記一般式(1)で表される消色促進剤の好ましい使用量は、前記一般式(2)で表される可逆性顕色剤に対し0.1質量%以上1000質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上200質量%以下である。更に、印字画像の耐熱保存性を考慮すれば、1質量%以上100質量%以下が最も好ましい。また、一般式(1)表される化合物は、単独でも2種以上を併用し混合しても用いる事ができる。
また、本発明における前記一般式(2)で表される可逆性顕色剤それぞれ1種または2種以上を併用し混合して使用してもよく、無色ないし淡色の染料前駆体に対する本発明による可逆性顕色剤の使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
一方、本発明に用いられる無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体としては一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられる公知な化合物に代表されるが、特に制限されるものではない。具体的な例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,7−ジアザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−アザフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド等。
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等。
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等。
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等
前記無色ないし淡色の染料前駆体は単独でも、または2種以上を併用し混合して使用してもよい。
本発明における可逆性感熱記録材料の製造方法の具体例としては、染料前駆体と本発明における可逆性顕色剤及び消色促進剤を支持体上に塗布して可逆性感熱記録層を形成する方法が挙げられる。
染料前駆体と本発明における可逆性顕色剤及び消色促進剤を可逆性感熱記録層に含有させるための塗液作製方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分散時には必要なら分散剤を用いてもよい。水を分散媒として使う場合の分散剤としてはポリビニルアルコール等の水溶性高分子や各種の界面活性剤が利用できる。水系の分散の際は、エタノール等の水溶性有機溶媒を混合してもよい。この他に炭化水素類に代表される有機溶媒が分散媒の場合は、レシチンや燐酸エステル類等を分散剤に用いてもよい。
また、可逆性感熱記録層の強度を向上する等の目的でバインダーを可逆性感熱記録層中に添加する事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテックス類が挙げられる。これらのバインダーの役割は、組成物の各素材が印字、消去の熱印加によって片寄る事なく均一に分散した状態を保つ事にある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いる事が好ましい。
最近になって、プリペイドカード、ストアドカードといった付加価値の高い可逆性感熱記録材料が用いられる事が多くなり、それに伴い、耐熱性、耐水性、更に接着性といった高耐久品が要求されるようになってきている。このような要求に対しては、硬化性樹脂は特に好ましく、硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、成膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。またこれらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂である事が好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層におけるバインダーの使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー成分の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内である事が好ましい。この範囲より大きくなると著しく発色濃度が低下し、逆にこの範囲より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度が低下し、層の変形や発色濃度の低下が起きる。可逆性感熱記録層における該バインダー成分の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下が特に好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層の膜厚は該可逆性感熱記録層の組成と所望発色濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。さらに、該記録層の形成に際しては、染料前駆体や可逆性顕色剤等の組成物を熱硬化性樹脂及び硬化剤と共に混合した分散液を基材上に塗工するが、必要に応じて、熱硬化性樹脂及び硬化剤と非反応性の溶剤で希釈して使用する事もできる。使用できる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解し、且つ染料前駆体や可逆性顕色剤等の組成物を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素系、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クレゾール等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ペンタン、ヘキサン等のものが使用でき、これに限定されるものではないが活性水素を有しない有機溶媒を用いる事が好ましい。
紫外線硬化性樹脂を適用する場合の具体例としては、例えば特開平6−344672号公報に記載されているようなエチレン性不飽和結合を有する化合物がある。これらの化合物の紫外線による硬化を効率よく進めるために、トリクロロアセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール等の光反応開始剤を使用できる。
本発明における可逆性感熱記録材料に用いられる支持体としては、紙、各種不織布、織布、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂をラミネートした紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いる事が出来るが、これらに限定されるものではなく、これらは不透明、半透明あるいは透明のいずれであってもよい。地肌を白色その他の特定の色に見せるために、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中または表面に含有させてもよい。特にフィルム類等水性塗布を行う場合で支持体の親水性が小さく可逆性感熱記録層の塗布困難な場合は、コロナ放電等による表面の親水化処理やバインダーに用いるのと同様の水溶性高分子類を、支持体表面に塗布するなどの易接着処理してもよい。
本発明における可逆性感熱記録材料の層構成は、可逆性感熱記録層のみであってもよい。必要に応じて、可逆性感熱記録層上に保護層を設ける事もまた、可逆性感熱記録層と支持体の間に水溶性高分子や白色ないし有色染顔料や中空粒子のいずれか1つ以上を含む中間層を設ける事も出来る。この場合、保護層及び/または中間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。可逆性感熱記録層も各成分を一層ずつに含有させたり層別に配合比率を変化させたりして2層以上の多層にしてもよい。更に、可逆性感熱記録層中及び/または他の層及び/または可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面に、電気的、光学的、磁気的に情報が記録可能な材料を含んでもよい。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にブロッキング防止、カール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設ける事も出来る。
なお、本発明における各層を支持体上に積層し可逆性感熱記録材料を形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成する事が出来る。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いる事が出来る。更に通常の乾燥工程の他、紫外線照射または電子線照射により各層を保持させる事が出来る。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗布、印刷することができる。
可逆性感熱記録層は、各成分を微粉砕して得られる各々の分散液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法、各成分を溶媒に溶解して得られる各々の溶液を混合し、支持体上に塗布乾燥する方法などにより得る事が出来る。乾燥条件は水等の分散媒ないし溶媒によっても異なる。この他に各成分を混合し加熱して可融分を溶融し熱時塗布する方法もある。
また、可逆性感熱記録層及び/または保護層及び/または中間層には、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウム、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料などを1種以上含有させることもできる。
さらに、可逆性感熱記録層及び/または保護層及び/または中間層には、紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、または2種類以上を併用してもよい。
次に、本発明における可逆性感熱記録材料の発色及び消色方法について説明する。本発明に用いられる可逆性感熱記録材料の発色を行うには、発色を行うには、加熱に引き続き急速な冷却が起こればよく、例えばサーマルヘッド、レーザー光等による加熱により可能である。また、加熱後ゆっくり冷却すれば消色し、例えばサーマルヘッド、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、熱風、電熱ヒーター及びタングステンランプ、ハロゲンランプ等の光源などからの輻射熱等を用いる事により行う事が出来る。加熱に使用するレーザーとしては半導体レーザーやYAGレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。これらのレーザー光による加熱を効率よく行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは、該光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、たとえば白金、チタン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属または半金属の層、日本化薬製のIRG002(商品名)やIRG022(商品名)等のインモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましい光熱変換材料としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられる。光熱変換材料は単独使用はもとより、2種類以上を混合して用いることができる。その添加量は1mg/m2から200mg/m2が適当であり、5mg/m2から50mg/m2が好ましい。この量より少ないと画像消去に必要なエネルギーを十分に低減できず、印字消去の繰り返し特性が劣化する。またこの量より多いと、光熱変換材料が若干なりとも有している可視部の吸収が大きくなりすぎて画像の視認性が低下する。
本発明における可逆性感熱記録材料の画像形成及び消去原理は未だ明確ではないが、以下の様に考えられる。無色ないし淡色の染料前駆体は、可逆性顕色剤のような電子受容性化合物と共に加熱すると染料前駆体から電子受容性化合物への電子移動が起こり発色する。この時、電子受容性化合物分子は発色した染料分子の極めて近傍に存在していると考えられる。また、発色した染料分子から電子受容性化合物分子を引き離すと、発色した染料分子は再び電子を受け取り、発色前の染料前駆体の状態となる。本発明は加熱により、電子受容性化合物分子と染料分子との距離を変化させ発色及び消去を行うものと考えられる。
更に詳しく説明するならば、これまでに見出されてきた可逆性顕色剤と呼ばれる電子受容性化合物の多くは、その構造の中に長鎖の炭化水素基を持つため、染料前駆体分子との相溶性が低く、通常の状態では互いに殆ど溶け合わないと考えられる。この記録材料をある温度まで加熱した場合は、染料前駆体分子と可逆性顕色剤分子が互いに溶融し、各々自由に運動できる状態となる。この溶融状態では、染料前駆体分子と可逆性顕色剤分子が互いにある割合で混融する事により、染料前駆体分子から可逆性顕色剤分子に電子移動が起こり発色状態となる。この発色状態にある混融体をゆっくり冷却すると、降温するにしたがって可逆性顕色剤分子と染料分子は互いに溶け合わなくなり相分離する。この時、発色した染料分子は可逆性顕色剤分子から再び電子を受け取り、発色前の染料前駆体分子に戻るために消色する。一方、前記混融体を急速に冷却した場合は、発色した染料分子と可逆性顕色剤分子が互いに相分離する前に、準安定な凝集構造を形成し固化する。この時、可逆性顕色剤分子は発色した染料分子の極めて近傍に存在しており、電子移動が起こったままとなるために発色状態が固定され、また固化後も発色状態が安定に保持される。
本発明の前記一般式(2)で表される可逆性顕色剤物は、分子内にアミド結合等の水素結合能力を持つ基を有しているため、分子間水素結合により速やかに可逆性顕色剤分子同士が凝集または結晶化し、相分離すると考えられる。この凝集または結晶化状態においては、アミド結合等の水素結合性基による安定化のみならず、顕色部位であるフェノール性水酸基も分子間水素結合しているため、より安定な凝集または結晶化が起こり、即ち完全な消色状態を形成するものと考えられる。一方、前記混融体を急速に冷却すると、凝集または結晶化による相分離が間に合わず発色状態のままで固化するため、発色状態が固定され固化後も発色状態が安定に保持される。
本発明における前記一般式(1)で表される消色促進剤は、上記可逆性顕色剤と同様に分子内に脂肪鎖及びアミド結合等の水素結合能力を持つ二価の基を併せ持つため、相溶性がある。一方で、前記一般式(1)で表される消色促進剤分子内に不飽和結合を有する化合物である。この不飽和結合はπ結合を有することから、結晶性が比較的悪く、結晶性化合物である本発明の消色促進剤においても、融点以上に加熱した後、室温まで放冷した場合、再固化するのにある程度の時間を必要とするものが多い。即ちこの特性は、降温後の染料前駆体と可逆性顕色剤の相分離時に、消色時間をより助長しているものと考えられ、その結果、より低温短時間での消色が可能となったと考えられる。
本発明の前記一般式(2)で表される可逆性顕色剤において、特に、炭化水素基の末端に二重結合を有する可逆性顕色剤は、前記と同様な作用が働くため、相乗効果により更に高速での消去が可能となると考えられる。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の部数や百分率は質量基準である。
参考例1
(A)可逆性感熱塗液の作製
可逆性顕色剤である例示化合物(4−6)100部の、染料前駆体である3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(融点192℃)20部、消色促進剤である参考化合物(3−2)20部、及びポリエステルポリオール87部(武田薬品工業社製タケラックU−21)、メチルエチルケトン950部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間分散し分散液を得た。
(B)可逆性感熱記録層の塗工
(A)で得られた分散液にイソシアネート化合物144部(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)とメチルエチルケトン62部を加え、よく混合し可逆性感熱記録層用塗液を作製した。この塗液を用いて、厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、120℃で3分乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層を形成した。
(C)保護層の塗工
(B)で作製した塗工シート上に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業社製C7−157)15部、メチルエチルケトン85部の混合液を塗布し、120℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させ、膜厚2μmの保護層を設けて、可逆感熱記録材料を作製した。
実施例
参考例1で使用した消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(3−3)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
実施例
参考例1で使用した消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(3−5)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
実施例
参考例1で使用した消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(3−6)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
実施例
参考例1で使用した消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(3−8)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
参考
参考例1で使用した消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、参考化合物(3−9)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
参考
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
実施例
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用し、消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(3−3)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
実施例
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用し、消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(3−5)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
実施例
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用し、消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(3−6)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
実施例
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用し、消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(3−8)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
参考
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用し、消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、参考化合物(3−9)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
比較例に使用した消色促進剤を化8に示す。
Figure 0004263654
比較例1
参考例1で使用した消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(5−1)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
比較例2
参考例1で使用した消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(5−2)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
比較例3
参考例1で使用した消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(5−3)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
比較例4
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用し、消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(5−1)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
比較例5
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用し、消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(5−2)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
比較例6
参考例1で使用した可逆性顕色剤である(4−6)の代わりに、例示化合物(4−14)を使用し、消色促進剤である参考化合物(3−2)の代わりに、例示化合物(5−3)を使用した以外は、参考例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。
試験1(発色濃度=熱応答性)
実施例1〜8、参考例1〜4及び比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像の光学濃度を濃度計マクベスRD918を用いて各々測定した。発色部の濃度に関しては、本実施例に使用した可逆性感熱記録材料では1.2以上であれば良い。これらの結果を表1に示す。
試験2(画像の消去性1)
実施例1〜8、参考例1〜4及び比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像を熱スタンプを用いて110、及び150℃で各々0.2秒間加熱し消去した後、試験1と同様にして各々の消去部と地肌部の光学濃度を測定し、下記数1により消し残り濃度を求めた。消去性に関しては、本実施例に使用した可逆性感熱記録層では0.01以下であれば問題無しと見なされる。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004263654
試験3(画像の消去性2)
実施例1〜8、参考例1〜4及び比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像を幅2mmのセラミックヒーター(表面温度110℃)の表面を30mm/secの速さで接触させ消去した後、試験2と同様にして各々の消去部と地肌部の光学濃度を測定し、前記数1により消し残り濃度を求めた。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004263654
試験4(実機繰り返し消去印字試験)
実施例1〜8、参考例1〜4及び比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、三和ニューテック製プリンター(ABS−3001KMT)の印字テストモード(印字スピード69mm/s、サーマルヘッド抵抗値450Ω)で印字を行い、次いで消去する作業を2分間隔で300回繰り返した。1回目と300回目の印字後の発色画像を、試験1と同様にして各々の光学濃度を測定した。また、1回目と300回目の消去後の消去部と地肌部を、試験3と同様にして各々の光学濃度を測定し、前記数1により消し残り濃度を求めた。これらの結果を表2に示す。
試験5(発色濃度の経時変化=高温高湿条件下での画像安定性)
実施例1〜8、参考例1〜4及び比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、温度50℃、相対湿度90%の雰囲気下に24時間保存した後、試験1と同様にして、試験前後の発色部と地肌の光学濃度を各々測定し、下記数2により画像残存率を計算した。これらの結果を表2に示す。
Figure 0004263654
本実施例に使用した可逆性感熱記録材料においては、発色画像の濃度に関しては、1.2以上であれば良く、消去性に関しては、0.01以下であれば問題ないと見なされる。また、繰り返し試験に関しては、発色画像の光学濃度及び消し残り濃度ともに1回目と300回目が変わらないのが良い。画像安定性においては90%以上であれば問題ないと見なされる。
Figure 0004263654
表1及び表2の結果より、本発明の可逆性感熱記録材料が何れも高い発色濃度を有し、また速やかに地肌濃度と同じレベルまで消去した。また、多数回に渡る印字消去の繰り返しにおいても安定に画像な発色性と消去性が得られ、更に、高温高湿条件下においても高い画像安定性を有していた。
高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回に渡って可能な本発明の可逆性感熱記録材料は、これを用いたICや磁気カード等の非可視情報を可視化する目的で使用される。さらに、高速消去印字を行う装置に於いて、十分な繰り返し耐久性やその他の耐環境特性により長期間使用される。

Claims (4)

  1. 支持体上に無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤、及び消色促進剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、該消色促進剤が下記一般式(1)で表される化合物であり、この化合物を少なくとも1種用いる事を特徴とする可逆性感熱記録材料。
    Figure 0004263654
    (式1中、 1 及びR 2 は二価の炭化水素基を表す。X 1 は酸素原子、硫黄原子、または−CONH−を最小構成単位とする二価の連結基を表し、X 2 は−CONH−を最小構成単位とする一価の連結基を表す。nは1〜2の整数を表すが、nが2のとき繰り返されるR 2 およびX 1 は、同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記一般式(1)で表される消色促進剤のX2がアミド(−CONH2)、尿素(−NHCONH2)、アシルヒドラジド(−CONHNH2)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH2)から選ばれる一価の基である事を特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録材料。
  3. 前記可逆性顕色剤が下記一般式(2)で表される化合物である事を特徴とする請求項1または2に記載の可逆性感熱記録材料。
    Figure 0004263654
    (式2中、mは0〜2の整数を表す。R3は単結合、または二価の炭化水素基を表す。R4は二価の炭化水素基を表す。R5は一価の炭化水素基を表す。X3及びX4はヘテロ原子含む二価の連結基を表す。)
  4. 前記一般式(2)で表される可逆性顕色剤のR5が末端二重結合を有する脂肪族炭化水素基である事を特徴とする請求項3に記載の可逆性感熱記録材料。
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