JP2004106309A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、加熱により画像の形成、消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に画像を保持することが可能な可逆性感熱記録材料の中でも、繰り返し使用において、飽和濃度の低下および消去濃度の上昇の少ない可逆性感熱記録材料を提供することである。
【解決手段】支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色のロイコ染料と、加熱により該ロイコ染料を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料に於いて、低分子量不純物の含有量が2質量%以下であるポリエステルフィルムを支持体とすることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色のロイコ染料と、加熱により該ロイコ染料を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料に於いて、低分子量不純物の含有量が2質量%以下であるポリエステルフィルムを支持体とすることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーを制御する事により画像形成及び消去が可能な可逆性感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は、一般に支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性化合物である顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得られるものである。
【0003】
一般に、この様な従来の感熱記録材料は、一度画像を形成するとその部分を消去して再び画像形成前の状態に戻すことは不可能であるため、更に情報を記録する場合には、画像が未形成の部分に追記するしかなかった。このため、感熱記録部分の面積が限られている場合には、記録可能な情報が制限され必要な情報を全て記録できないという問題が生じていた。
【0004】
本出願人は、これらの問題を解決し、良好なコントラストで画像の形成・消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に安定な画像を保持することが可能な可逆性感熱記録材料を見出した(特許文献1〜3参照)。
【0005】
このような可逆性感熱記録材料の支持体としては、紙、不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、ガラス等目的に応じて用いることができる。一般に普及している、サーマルヘッドを搭載している感熱用プリンターやワープロで使用する場合は、紙、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙等が好ましい。中でも、テレホンカードやオレンジカード等のプリペイドカードで使用されているポリエチレンテレフタレートフィルムが力学的強度が大きく、また、平滑性が高くて、可逆性感熱記録層を均一な層としやすく発色画像を鮮明にできるため好ましい。
【0006】
ポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体として、その片面に可逆性感熱層を設けたものを、感熱用プリンター等で発色させると鮮明な発色画像を得ることができる。また、発色画像は、90〜150℃程度に加熱された熱ロール等を通して加熱することにより、消色することができる。しかしながら、何回も発色、消色を繰り返す場合に、飽和濃度が低下し、消去濃度が上昇していく問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−210954号公報
【特許文献2】
特開平6−210955号公報
【特許文献3】
特開平7−125428号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱により画像の形成、消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に画像を保持することが可能な可逆性感熱記録材料の中でも、繰り返し使用において、飽和濃度の低下および消去濃度の上昇の少ない可逆性感熱記録材料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この課題を解決するため研究を行った結果、下記の発明により上記の課題が解決されることを見いだした。
【0010】
ポリエステル製支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色のロイコ染料と、加熱により該ロイコ染料を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料に於いて、該支持体中の低分子量不純物の含有量が2質量%以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料である。
【0011】
ポリエステル製支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムないしポリエチレンナフタレートフィルムであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は熱エネルギーを制御することにより画像の形成・消去が可能な可逆性感熱記録材料を提供するものである。本発明の構成要素は少なくとも支持体と可逆性感熱記録層からなる。
【0013】
本発明に係わるポリエステル製支持体に含まれる低分子量不純物とは、ソックスレー抽出器を用いて24時間でクロロホルムによって抽出される化合物であり、その総量が支持体中に含まれる低分子量不純物の含有量である。低分子量不純物は、支持体の組成によって異なるが、合成樹脂中に含まれるモノマー、オリゴマー等の未反応原料や反応副生成物の他、可塑剤、老化防止剤等の添加剤が挙げられる。これらの低分子量不純物の一部は、繰り返しガラス転位点以上加熱されることによって、支持体上に設けた可逆性感熱記録層に移動する。可逆感熱記録材料は、極微量の化合物によって発色・消色特性に大きく影響される為、意図的に発色性・消色性をコントロールするために加えた化合物以外の低分子化合物は含まないことが好ましい。
【0014】
本発明者らは、低分子量化合物の総量が2質量%以下であるポリエステルフィルムを支持体として用いることによって、繰り返し画像の記録・消去を行っても発色濃度の低下および消去濃度の上昇が非常に少ない可逆性感熱記録材料を得られることを見いだした。
【0015】
本発明に用いられるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリキシリレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等があげられる。特に好ましいポリエステルとしては、強靱性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、透明性に優れるPETないし強靱性、耐熱性、寸法安定性が更に優れるPENが挙げられる。
【0016】
本発明に係わる支持体は、裏面にポリエステル以外の合成樹脂、紙、不織布、金属板、金属泊、ガラス等と貼り合わせて複合しても良い。合成樹脂材料としては、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、TPXなどのポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル、スチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の合成樹脂材料を用いることができる。これらの合成樹脂材料は単体のまま使用しても良いし、ブレンドして使用しても良く、また顔料を練り込んで、例えば白色プラスチックシートのようにして用いることも可能である。更に、透明、半透明或いは不透明のいずれであってもよい。
【0017】
本発明に係わるポリエステルフィルムには、フイルムの透明性、表面平坦性、および熱安定性を損なわず、低分子不純物の総量が2質量%を超えない範囲で有れば、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、光安定剤、遮光剤の添加剤を必要に応じて配合することもがきる。
【0018】
本発明に係わるポリエステルフイルムには易滑性を付与することができる。易滑性を付与する手段としては公知の方法を用いることができ、例えば、ポリマー中へ滑剤粒子を分散させる方法、易滑性を有する層をフイルムの表面に設ける方法を用いることができる。
【0019】
ポリマー中へ滑剤粒子を分散させる方法としては、例えばSiO2、BaSO4、CaCO3、アルミノシリケート、架橋有機粒子等をポリマー中に添加する方法、ポリエステルの重合時に触媒残さ等を析出させる方法を挙げることができる。
【0020】
本発明に係わる可逆性感熱記録層の構成要素は少なくともロイコ染料、可逆性顕色剤からなる。
【0021】
本発明に係わるロイコ染料の具体的な例としては、例えば下記に挙げるものがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
3−ジエチルアミノ−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、
【0023】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−アセチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、
【0024】
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、
【0025】
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ピロリジル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピぺリジル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−p−トリルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−(4−エトキシブチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0026】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
【0027】
3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−プロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ヘキシルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジプロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジヘキシルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−フェニルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ピリジルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0028】
3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ブチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ペンチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ヘキシル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−シクロヘキシル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0029】
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ヘプチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソプロピル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0030】
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−エチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−プロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ブチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ペンチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ヘキシルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−イソプロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−イソブチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0031】
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
【0032】
前記のロイコ染料はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよい。また他の色相に発色するロイコ染料を混合することにより調色も行うことができる。
【0033】
本発明に係わる可逆性顕色剤としては下記一般式(1)で示される化合物が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
【化1】
【0035】
一般式(1)で表される化合物中、X1及びX2はそれぞれ同じであっても、異なってもよい酸素原子、硫黄原子又は両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R1は単結合又は炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。R2は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。R3は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数8から24の炭化水素基である。更に、R1、R2及びR3の炭素数の和が11以上35以下である場合が特に好ましい。R1、R2及びR3は主として、各々アルキレン基及びアルキル基を表す。R1の場合は、芳香環を含んでいてもよい。fは0から4の整数を表し、fが2以上のとき繰り返されるR2及びX2は同一であっても異なっていてもよい。
【0036】
一般式(1)中のX1、X2は両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を含むが、その具体例としては、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、しゅう酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2 NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2 CONH−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−)等の基が挙げられるが、好ましくはジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミド、アシルセミカルバジドである。
【0037】
本発明に係わる可逆性顕色剤の具体的な例としては以下の構造式(1−1)から構造式(1−16)に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】
可逆性顕色剤の具体例の中で、特に好ましい化合物は(1−3)、(1−4)、(1−6)、(1−9)及び(1−16)である。
【0041】
本発明に係わる可逆性顕色剤はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよく、通常無色ないし淡色のロイコ染料に対する使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
【0042】
また、可逆性感熱記録層の強度を向上する等の目的でバインダーを可逆性感熱記録層中に添加する事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらのバインダーの役割は、組成物の各素材が印字、消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。最近になって、プリペイドカード、ストアドカードといった付加価値の高い情報記録媒体が用いられることが多くなり、それに伴い、耐熱性、耐水性、さらには接着性といった高耐久品が要求されるようになってきている。このような要求に対しては、硬化性樹脂は特に好ましい。
【0043】
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等の水酸基、カルボキシル基が架橋剤と反応し、硬化するものが挙げられる。この際の架橋剤としては、例えば、イソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等が挙げられる。
【0044】
電子線及び紫外線硬化樹脂に用いられるモノマーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
【0045】
可逆性感熱記録層の老化を防止する目的で、ゴム製品等にも用いられている老化防止剤を添加することもできる。また、老化防止剤を可逆性感熱記録層の上層又は下層に含有させることもできる。老化防止剤としては、p,p′−ジアミノジフェニルメタン、アルドール−α−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、安息香酸エステル類等が挙げられる。その他、o−フェニレンチオ尿素、2−アミノベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルチオカルバミン酸ニッケル、酸化亜鉛、パラフィン等が挙げられる。また、これらの老化防止剤構造を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖に老化防止剤構造をグラフト化したものも用いることができる。2種類以上の老化防止剤を組み合わせて用いることもできる。
【0046】
また、可逆性感熱記録層の発色感度及び消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記録層中に含有させることができる。60℃〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
【0047】
本発明に係わる情報記録媒体の層構成は、可逆性感熱記録層と支持体の間に中間層を設けることもできる。この場合、保護層や中間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。更に可逆性感熱記録層中、他の層、可逆性感熱記録層が設けられている面や反対側の面等に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでもよい。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。
【0048】
また、可逆性感熱記録層、保護層、中間層には、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、界面活性剤、蛍光染料等を含有させることもできる。
【0049】
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、記録画像の消色を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる等して急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却する為、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、及びタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱される為に熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。従って、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を任意に発現させることができる。
【0050】
レーザー光やタングステンランプ、ハロゲンランプ等の光源を使った画像の記録・消去を行う場合は、可逆感熱記録層または近接する層に光熱変換材料を含有することができる。
【0051】
本発明に用いられる光熱変換色素の具体的な例としては、フタロシアニン化合物、金属錯体合物、ポリメチン化合物、ナフトキノン系化合物等が挙げられ、可逆性感熱記録層に分散状態または分子状態で含有することができる。好ましい光熱変換色素としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性、紫外光に対する耐光性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられ、特にフタロシアニン化合物が好ましい。可逆性感熱記録層に近接して光熱変換層を設ける場合は、銅薄膜やITO等の金属膜による光熱変換層を用いることもできる。
【0052】
フタロシアニン化合物の例としては、ナフタロシアニン化合物、無金属フタロシアニン化合物、鉄フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、ニッケルフタロシアニン化合物、バナジルフタロシアニン化合物、塩化インジウムフタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物等が好ましく、より好ましくは、バナジルフタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物である。本発明に用いられるフタロシアニン化合物は吸収波長の調節、溶媒への溶解度の向上、耐光性の改良等の目的で、芳香環に置換基を有しても良い。置換基としては、アルキルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミド基、アミノ基、アルキルエステル基、アリールエステル基、塩素原子、フッ素原子等が挙げられる。芳香環に置換基が二つ以上ある場合に、それらは同一であっても異なっていてもよく、また置換基同士が結合して環を形成しても良い。
【0053】
光熱変換色素の使用量は、使用する光源の発振波長における吸光度が0.2以上になるように設定することが好ましい。この量より少ないと十分な発熱が得られず、記録感度が低下する。一方、光熱変換色素は可視部にも若干の吸収を有しており、使用量が多すぎるとコントラストの低下をもたらす。400nmから700nmの平均透過率が60%以上確保できるよう、光熱変換色素の使用量の上限を設定することが好ましい。光熱変換色素は、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0054】
光熱変換色素は、ロイコ染料と可逆性顕色剤を含有する層に対して、同一の層か隣接する層の少なくとも一方に含有されることが好ましく、同一の層に含有されることが良好な感度を得る上でより好ましい。
【0055】
次に、本発明の可逆性感熱記録材料の具体的製造方法について述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】
可逆性感熱記録層中に通常無色ないし淡色の染料前駆体、可逆顕色剤を含有させる方法としては、各々の化合物を単独で水あるいは有機溶媒に溶解もしくは分散する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから水あるいは有機溶媒に溶解もしくは分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、水あるいは有機溶媒に溶解もしくは分散する方法等により得られた各々の溶液あるいは分散液を混合し、支持体上に印刷、塗布乾燥する方法等がある。この場合、例えば、各発色成分を一層ずつに含有させ、多層構造としてもよいが特にこれらに限定されるものではない。
【0057】
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する各層を支持体上に形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロールおよびトランスファロールコーター、ロールコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いる事ができる。
【0058】
これらの層を設ける際に、接着性向上等を目的としてコロナ放電等の表面処理を行うことは何等差し支えない。
【0059】
【実施例】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量基準である。
【0060】
実施例1
[可逆性感熱記録材料の作製]
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン(山田化学(株)製、BLACK 100)20部、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド100部、ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製、バーノックD−293−70)50部、硬化剤(日本ポリウレタン(株)製、コロネートHL)50部、メチルエチルケトン300部、トルエン300部をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間粉砕し分散液を得た。上記の分散液を低分子量不純物の含有量が1.7質量%のポリエチレンテレフタレートフィルムの支持体上に固形分7g/m2となる様に塗工し、乾燥して可逆性感熱記録層を得た。次にチヌビンP(チバガイギー製)10部、ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製、バーノックD−293−70)50部、硬化剤(日本ポリウレタン(株)製、コロネートHL)50部、メチルエチルケトン300部、トルエン300部をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間粉砕し保護層の分散液を得た。この液を、可逆性感熱記録層の上に固形分3g/m2となる様に塗工し、乾燥して、実施例1の可逆性感熱記録媒体を得た。
【0061】
実施例2
支持体として、低分子量不純物の含有量が1.0質量%のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様に実施例2の可逆性感熱記録材料を得た。
【0062】
実施例3
支持体として、低分子量不純物の含有量が0.5質量%のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様に実施例3の可逆性感熱記録材料を得た。
【0063】
実施例4
支持体として、低分子量不純物の含有量が0.2質量%のポリエチレンナフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様に実施例4の可逆性感熱記録材料を得た。
【0064】
比較例1
支持体として、低分子量不純物の含有量が2.3質量%のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様に比較例1の可逆性感熱記録材料を得た。
【0065】
試験1(印字消去試験)
実施例1〜4および比較例1で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電機製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、印加パルス1.0ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字した後、約120℃に熱したヒートローラー(明光商会製MSパウチ)に通すことによって消色した。この発色、消色を199回繰り返し、200回目に得られた画像の濃度を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。これらの結果を表1に示した。値は何れも20点測定の平均値である。
【0066】
試験2(印字濃度減衰率)
試験1で200回目の印字したサンプルの発色濃度測定値を1回目の発色濃度測定値で除した値を表1に示した。
【0067】
試験3(消去濃度増加量)
試験1で200回目の消去したサンプルの消去濃度測定値から1回目の消去濃度測定値を引いた値を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
実施例1から4で得た可逆性感熱記録材料は、200回の繰り返し使用において高い発色性を示し、印字濃度の減少もほとんどなく、消去濃度の上昇も少なかった。一方、比較例1で得た可逆性感熱記録材料は印字濃度の低下および、消去濃度の上昇も大きかった。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、加熱により画像の形成、消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に画像を保持することが可能な可逆性感熱記録材料の中でも、繰り返し使用において、飽和濃度の低下および消去濃度の上昇の少ない可逆性感熱記録材料を提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーを制御する事により画像形成及び消去が可能な可逆性感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は、一般に支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性化合物である顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得られるものである。
【0003】
一般に、この様な従来の感熱記録材料は、一度画像を形成するとその部分を消去して再び画像形成前の状態に戻すことは不可能であるため、更に情報を記録する場合には、画像が未形成の部分に追記するしかなかった。このため、感熱記録部分の面積が限られている場合には、記録可能な情報が制限され必要な情報を全て記録できないという問題が生じていた。
【0004】
本出願人は、これらの問題を解決し、良好なコントラストで画像の形成・消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に安定な画像を保持することが可能な可逆性感熱記録材料を見出した(特許文献1〜3参照)。
【0005】
このような可逆性感熱記録材料の支持体としては、紙、不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、ガラス等目的に応じて用いることができる。一般に普及している、サーマルヘッドを搭載している感熱用プリンターやワープロで使用する場合は、紙、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙等が好ましい。中でも、テレホンカードやオレンジカード等のプリペイドカードで使用されているポリエチレンテレフタレートフィルムが力学的強度が大きく、また、平滑性が高くて、可逆性感熱記録層を均一な層としやすく発色画像を鮮明にできるため好ましい。
【0006】
ポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体として、その片面に可逆性感熱層を設けたものを、感熱用プリンター等で発色させると鮮明な発色画像を得ることができる。また、発色画像は、90〜150℃程度に加熱された熱ロール等を通して加熱することにより、消色することができる。しかしながら、何回も発色、消色を繰り返す場合に、飽和濃度が低下し、消去濃度が上昇していく問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−210954号公報
【特許文献2】
特開平6−210955号公報
【特許文献3】
特開平7−125428号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱により画像の形成、消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に画像を保持することが可能な可逆性感熱記録材料の中でも、繰り返し使用において、飽和濃度の低下および消去濃度の上昇の少ない可逆性感熱記録材料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この課題を解決するため研究を行った結果、下記の発明により上記の課題が解決されることを見いだした。
【0010】
ポリエステル製支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色のロイコ染料と、加熱により該ロイコ染料を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料に於いて、該支持体中の低分子量不純物の含有量が2質量%以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料である。
【0011】
ポリエステル製支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムないしポリエチレンナフタレートフィルムであることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は熱エネルギーを制御することにより画像の形成・消去が可能な可逆性感熱記録材料を提供するものである。本発明の構成要素は少なくとも支持体と可逆性感熱記録層からなる。
【0013】
本発明に係わるポリエステル製支持体に含まれる低分子量不純物とは、ソックスレー抽出器を用いて24時間でクロロホルムによって抽出される化合物であり、その総量が支持体中に含まれる低分子量不純物の含有量である。低分子量不純物は、支持体の組成によって異なるが、合成樹脂中に含まれるモノマー、オリゴマー等の未反応原料や反応副生成物の他、可塑剤、老化防止剤等の添加剤が挙げられる。これらの低分子量不純物の一部は、繰り返しガラス転位点以上加熱されることによって、支持体上に設けた可逆性感熱記録層に移動する。可逆感熱記録材料は、極微量の化合物によって発色・消色特性に大きく影響される為、意図的に発色性・消色性をコントロールするために加えた化合物以外の低分子化合物は含まないことが好ましい。
【0014】
本発明者らは、低分子量化合物の総量が2質量%以下であるポリエステルフィルムを支持体として用いることによって、繰り返し画像の記録・消去を行っても発色濃度の低下および消去濃度の上昇が非常に少ない可逆性感熱記録材料を得られることを見いだした。
【0015】
本発明に用いられるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリキシリレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等があげられる。特に好ましいポリエステルとしては、強靱性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、透明性に優れるPETないし強靱性、耐熱性、寸法安定性が更に優れるPENが挙げられる。
【0016】
本発明に係わる支持体は、裏面にポリエステル以外の合成樹脂、紙、不織布、金属板、金属泊、ガラス等と貼り合わせて複合しても良い。合成樹脂材料としては、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、TPXなどのポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル、スチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の合成樹脂材料を用いることができる。これらの合成樹脂材料は単体のまま使用しても良いし、ブレンドして使用しても良く、また顔料を練り込んで、例えば白色プラスチックシートのようにして用いることも可能である。更に、透明、半透明或いは不透明のいずれであってもよい。
【0017】
本発明に係わるポリエステルフィルムには、フイルムの透明性、表面平坦性、および熱安定性を損なわず、低分子不純物の総量が2質量%を超えない範囲で有れば、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、光安定剤、遮光剤の添加剤を必要に応じて配合することもがきる。
【0018】
本発明に係わるポリエステルフイルムには易滑性を付与することができる。易滑性を付与する手段としては公知の方法を用いることができ、例えば、ポリマー中へ滑剤粒子を分散させる方法、易滑性を有する層をフイルムの表面に設ける方法を用いることができる。
【0019】
ポリマー中へ滑剤粒子を分散させる方法としては、例えばSiO2、BaSO4、CaCO3、アルミノシリケート、架橋有機粒子等をポリマー中に添加する方法、ポリエステルの重合時に触媒残さ等を析出させる方法を挙げることができる。
【0020】
本発明に係わる可逆性感熱記録層の構成要素は少なくともロイコ染料、可逆性顕色剤からなる。
【0021】
本発明に係わるロイコ染料の具体的な例としては、例えば下記に挙げるものがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
3−ジエチルアミノ−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、
【0023】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−o−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−アセチルフェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、
【0024】
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−トリルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−クロロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−フルオロフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−o−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−p−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−フェニルアミノフルオラン、
【0025】
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン、3−ピロリジル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピぺリジル−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−メチル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−イソペンチルアミノ−6−メチル−7−o−クロロフェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−p−トリルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−N−エチル−N−(4−エトキシブチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
【0026】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
【0027】
3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−プロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ヘキシルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジプロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジヘキシルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−フェニルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ピリジルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0028】
3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ブチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ペンチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ヘキシル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−シクロヘキシル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0029】
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ヘプチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソプロピル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−イソペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0030】
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−エチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−プロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ブチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ペンチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−ヘキシルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−イソプロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−イソブチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
【0031】
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
【0032】
前記のロイコ染料はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよい。また他の色相に発色するロイコ染料を混合することにより調色も行うことができる。
【0033】
本発明に係わる可逆性顕色剤としては下記一般式(1)で示される化合物が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
【化1】
【0035】
一般式(1)で表される化合物中、X1及びX2はそれぞれ同じであっても、異なってもよい酸素原子、硫黄原子又は両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R1は単結合又は炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。R2は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。R3は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数8から24の炭化水素基である。更に、R1、R2及びR3の炭素数の和が11以上35以下である場合が特に好ましい。R1、R2及びR3は主として、各々アルキレン基及びアルキル基を表す。R1の場合は、芳香環を含んでいてもよい。fは0から4の整数を表し、fが2以上のとき繰り返されるR2及びX2は同一であっても異なっていてもよい。
【0036】
一般式(1)中のX1、X2は両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を含むが、その具体例としては、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、しゅう酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2 NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2 CONH−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−)等の基が挙げられるが、好ましくはジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミド、アシルセミカルバジドである。
【0037】
本発明に係わる可逆性顕色剤の具体的な例としては以下の構造式(1−1)から構造式(1−16)に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】
可逆性顕色剤の具体例の中で、特に好ましい化合物は(1−3)、(1−4)、(1−6)、(1−9)及び(1−16)である。
【0041】
本発明に係わる可逆性顕色剤はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよく、通常無色ないし淡色のロイコ染料に対する使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
【0042】
また、可逆性感熱記録層の強度を向上する等の目的でバインダーを可逆性感熱記録層中に添加する事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらのバインダーの役割は、組成物の各素材が印字、消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。最近になって、プリペイドカード、ストアドカードといった付加価値の高い情報記録媒体が用いられることが多くなり、それに伴い、耐熱性、耐水性、さらには接着性といった高耐久品が要求されるようになってきている。このような要求に対しては、硬化性樹脂は特に好ましい。
【0043】
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等の水酸基、カルボキシル基が架橋剤と反応し、硬化するものが挙げられる。この際の架橋剤としては、例えば、イソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等が挙げられる。
【0044】
電子線及び紫外線硬化樹脂に用いられるモノマーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
【0045】
可逆性感熱記録層の老化を防止する目的で、ゴム製品等にも用いられている老化防止剤を添加することもできる。また、老化防止剤を可逆性感熱記録層の上層又は下層に含有させることもできる。老化防止剤としては、p,p′−ジアミノジフェニルメタン、アルドール−α−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン化合物、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、安息香酸エステル類等が挙げられる。その他、o−フェニレンチオ尿素、2−アミノベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルチオカルバミン酸ニッケル、酸化亜鉛、パラフィン等が挙げられる。また、これらの老化防止剤構造を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖に老化防止剤構造をグラフト化したものも用いることができる。2種類以上の老化防止剤を組み合わせて用いることもできる。
【0046】
また、可逆性感熱記録層の発色感度及び消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記録層中に含有させることができる。60℃〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
【0047】
本発明に係わる情報記録媒体の層構成は、可逆性感熱記録層と支持体の間に中間層を設けることもできる。この場合、保護層や中間層は2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。更に可逆性感熱記録層中、他の層、可逆性感熱記録層が設けられている面や反対側の面等に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでもよい。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。
【0048】
また、可逆性感熱記録層、保護層、中間層には、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、界面活性剤、蛍光染料等を含有させることもできる。
【0049】
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、記録画像の消色を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる等して急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却する為、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、及びタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱される為に熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。従って、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を任意に発現させることができる。
【0050】
レーザー光やタングステンランプ、ハロゲンランプ等の光源を使った画像の記録・消去を行う場合は、可逆感熱記録層または近接する層に光熱変換材料を含有することができる。
【0051】
本発明に用いられる光熱変換色素の具体的な例としては、フタロシアニン化合物、金属錯体合物、ポリメチン化合物、ナフトキノン系化合物等が挙げられ、可逆性感熱記録層に分散状態または分子状態で含有することができる。好ましい光熱変換色素としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性、紫外光に対する耐光性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられ、特にフタロシアニン化合物が好ましい。可逆性感熱記録層に近接して光熱変換層を設ける場合は、銅薄膜やITO等の金属膜による光熱変換層を用いることもできる。
【0052】
フタロシアニン化合物の例としては、ナフタロシアニン化合物、無金属フタロシアニン化合物、鉄フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、ニッケルフタロシアニン化合物、バナジルフタロシアニン化合物、塩化インジウムフタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物等が好ましく、より好ましくは、バナジルフタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物である。本発明に用いられるフタロシアニン化合物は吸収波長の調節、溶媒への溶解度の向上、耐光性の改良等の目的で、芳香環に置換基を有しても良い。置換基としては、アルキルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミド基、アミノ基、アルキルエステル基、アリールエステル基、塩素原子、フッ素原子等が挙げられる。芳香環に置換基が二つ以上ある場合に、それらは同一であっても異なっていてもよく、また置換基同士が結合して環を形成しても良い。
【0053】
光熱変換色素の使用量は、使用する光源の発振波長における吸光度が0.2以上になるように設定することが好ましい。この量より少ないと十分な発熱が得られず、記録感度が低下する。一方、光熱変換色素は可視部にも若干の吸収を有しており、使用量が多すぎるとコントラストの低下をもたらす。400nmから700nmの平均透過率が60%以上確保できるよう、光熱変換色素の使用量の上限を設定することが好ましい。光熱変換色素は、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0054】
光熱変換色素は、ロイコ染料と可逆性顕色剤を含有する層に対して、同一の層か隣接する層の少なくとも一方に含有されることが好ましく、同一の層に含有されることが良好な感度を得る上でより好ましい。
【0055】
次に、本発明の可逆性感熱記録材料の具体的製造方法について述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】
可逆性感熱記録層中に通常無色ないし淡色の染料前駆体、可逆顕色剤を含有させる方法としては、各々の化合物を単独で水あるいは有機溶媒に溶解もしくは分散する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから水あるいは有機溶媒に溶解もしくは分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却し、水あるいは有機溶媒に溶解もしくは分散する方法等により得られた各々の溶液あるいは分散液を混合し、支持体上に印刷、塗布乾燥する方法等がある。この場合、例えば、各発色成分を一層ずつに含有させ、多層構造としてもよいが特にこれらに限定されるものではない。
【0057】
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する各層を支持体上に形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロールおよびトランスファロールコーター、ロールコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いる事ができる。
【0058】
これらの層を設ける際に、接着性向上等を目的としてコロナ放電等の表面処理を行うことは何等差し支えない。
【0059】
【実施例】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量基準である。
【0060】
実施例1
[可逆性感熱記録材料の作製]
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−トリフルオロメチルフェニルアミノフルオラン(山田化学(株)製、BLACK 100)20部、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド100部、ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製、バーノックD−293−70)50部、硬化剤(日本ポリウレタン(株)製、コロネートHL)50部、メチルエチルケトン300部、トルエン300部をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間粉砕し分散液を得た。上記の分散液を低分子量不純物の含有量が1.7質量%のポリエチレンテレフタレートフィルムの支持体上に固形分7g/m2となる様に塗工し、乾燥して可逆性感熱記録層を得た。次にチヌビンP(チバガイギー製)10部、ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業(株)製、バーノックD−293−70)50部、硬化剤(日本ポリウレタン(株)製、コロネートHL)50部、メチルエチルケトン300部、トルエン300部をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間粉砕し保護層の分散液を得た。この液を、可逆性感熱記録層の上に固形分3g/m2となる様に塗工し、乾燥して、実施例1の可逆性感熱記録媒体を得た。
【0061】
実施例2
支持体として、低分子量不純物の含有量が1.0質量%のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様に実施例2の可逆性感熱記録材料を得た。
【0062】
実施例3
支持体として、低分子量不純物の含有量が0.5質量%のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様に実施例3の可逆性感熱記録材料を得た。
【0063】
実施例4
支持体として、低分子量不純物の含有量が0.2質量%のポリエチレンナフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様に実施例4の可逆性感熱記録材料を得た。
【0064】
比較例1
支持体として、低分子量不純物の含有量が2.3質量%のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様に比較例1の可逆性感熱記録材料を得た。
【0065】
試験1(印字消去試験)
実施例1〜4および比較例1で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電機製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、印加パルス1.0ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字した後、約120℃に熱したヒートローラー(明光商会製MSパウチ)に通すことによって消色した。この発色、消色を199回繰り返し、200回目に得られた画像の濃度を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。これらの結果を表1に示した。値は何れも20点測定の平均値である。
【0066】
試験2(印字濃度減衰率)
試験1で200回目の印字したサンプルの発色濃度測定値を1回目の発色濃度測定値で除した値を表1に示した。
【0067】
試験3(消去濃度増加量)
試験1で200回目の消去したサンプルの消去濃度測定値から1回目の消去濃度測定値を引いた値を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
実施例1から4で得た可逆性感熱記録材料は、200回の繰り返し使用において高い発色性を示し、印字濃度の減少もほとんどなく、消去濃度の上昇も少なかった。一方、比較例1で得た可逆性感熱記録材料は印字濃度の低下および、消去濃度の上昇も大きかった。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、加熱により画像の形成、消去が可能で、日常生活の環境下で経時的に画像を保持することが可能な可逆性感熱記録材料の中でも、繰り返し使用において、飽和濃度の低下および消去濃度の上昇の少ない可逆性感熱記録材料を提供される。
Claims (2)
- ポリエステル製支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色のロイコ染料と、加熱により該ロイコ染料を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料に於いて、該支持体中の低分子量不純物の含有量が2質量%以下であるポリエステルフィルムを支持体とすることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
- ポリエステル製支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムないしポリエチレンナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270932A JP2004106309A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 可逆性感熱記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002270932A JP2004106309A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 可逆性感熱記録材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004106309A true JP2004106309A (ja) | 2004-04-08 |
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ID=32268390
Family Applications (1)
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JP2002270932A Pending JP2004106309A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 可逆性感熱記録材料 |
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JP (1) | JP2004106309A (ja) |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002270932A patent/JP2004106309A/ja active Pending
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