JP2019135085A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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JP2019135085A JP2018018022A JP2018018022A JP2019135085A JP 2019135085 A JP2019135085 A JP 2019135085A JP 2018018022 A JP2018018022 A JP 2018018022A JP 2018018022 A JP2018018022 A JP 2018018022A JP 2019135085 A JP2019135085 A JP 2019135085A
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佐野 秀和
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Abstract

【課題】本発明の課題は、明瞭なコントラストを持つ画像の印字・消去が繰り返し可能で、光に長時間曝されても地肌の変色を抑えることができ、印字部を消去した際の消え残りが小さい耐光性に優れた可逆性感熱記録材料を提供することである。【解決手段】支持体上に通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、該可逆性顕色剤として、特定のフェノール化合物を含有する可逆性感熱記録材料。【選択図】なし

Description

本発明は、熱エネルギーを制御することにより色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料に係わるものである。
近年、一時的な画像の形成が行え、不要となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆性感熱記録材料が注目されている。可逆性感熱記録材料としては、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱によりこの染料前駆体を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性を有する顕色剤(以下、可逆性顕色剤とも言う)を用いた感熱記録材料、塩化ビニル−酢酸ビニル等の樹脂中に高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱記録材料、屈折率の異なるポリマーを2種以上混合した感熱記録材料等が知られている。特に、染料前駆体と可逆性顕色剤とから構成される可逆性感熱記録材料は、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回に渡って可能であり、ICカードや磁気カード等の媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。
可逆性感熱記録材料では、染料前駆体とこの染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層が支持体上に設けられている。明瞭な画像コントラストが得られ、高濃度で画像記録が行え、ほぼ完全に消去することができ、日常生活を送る環境下では記録された画像が保持でき、百回以上の画像記録・消去が可能な可逆性顕色剤として、フェノール化合物が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
可逆性顕色剤として使用されるフェノール化合物の多くは、分子末端に脂肪族炭化水素基を持っている。この脂肪族炭化水素基が存在することにより、染料前駆体と可逆性顕色剤は相溶性が低く、凝固した状態では、殆ど溶け合わず、消色状態となる。加温して、加熱溶融状態となると、染料前駆体と可逆性顕色剤が溶け合い、発色状態となる。この発色状態から、ゆっくり冷却すると、染料前駆体と可逆性顕色剤が相分離して、殆ど溶け合わない状態に戻って固化し、消色状態となり、画像の消去を行うことができる。一方、発色状態から急速に冷却すると、染料前駆体と可逆性顕色剤が相分離する前に固化し、発色状態を保持することが可能となり、画像の記録を行うことができる。
染料前駆体を用いた多くの可逆性感熱記録材料は可視光・紫外光等の照射に弱く、長時間光曝露された場合、可逆性感熱記録材料の未発色の部分(以下、地肌部と称する)が変色するなどの劣化が生じる。また、染料前駆体と可逆性顕色剤とが反応した部分、即ち発色部も本来の色調と異なる発色状態に変化する。また、発色部を光曝露後に消去した場合、その部分(以下、消去部と称する)の消去状態が不完全(以下、消え残りと称する)となる。このような現象は主として染料前駆体が光照射によって分解・劣化することに起因する。従って、この染料前駆体を用いる可逆性感熱記録材料は、この劣化を最小限に抑えること、すなわち耐光性の改良が望まれている。
このような耐光性を改善する目的で、可逆感熱記録材料の可逆性感熱記録層中に、アスコルビン酸誘導体、クロマン化合物、ビタミンA類、硫黄原子を含むフェノール系酸化防止剤などを含有させる方法が提案されている(例えば、特許文献4〜7参照)。しかしながら、これらの化合物を含有させた場合、発色の低下、消去不良、耐熱画像安定性の低下などの不具合が生じるという問題があった。
したがって耐光性に優れ、光照射によっても地肌の変色が抑制され、安定した発色状態と消え残りの少ない消色状態が得られ、発色と消色の繰り返しが安定に行える可逆性感熱記録材料は、未だ得られておらず、その速やかな提供が望まれているのが現状である。
特開平5−124360号公報 特開平10−95175号公報 特開平7−179043号公報 特開平8−282109号公報 特開平9−39398号公報 特開平10−16398号公報 特開2006−150943号公報
本発明は、前記要望に応え、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、明瞭なコントラストを持つ画像の印字・消去が繰り返し可能で、光に長時間曝されても地肌の変色を抑えることができ、印字部を消去した際の消え残りが小さい耐光性に優れた可逆性感熱記録材料を提供することである。
本発明者は、支持体上に通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、該可逆性顕色剤として、特定のフェノール化合物を用いることにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、<1>染料前駆体と該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を支持体上に設けた可逆性感熱記録材料において、該可逆性顕色剤が一般式(1)あるいは一般式(2)の何れかで表される化合物であることを特徴とする可逆性感熱記録材料である。
Figure 2019135085
一般式(1)において、Rは単結合または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜26の飽和脂肪族炭化水素基を表す。nは1〜3の整数を表す。
Figure 2019135085
一般式(2)において、Rは単結合または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜26の飽和脂肪族炭化水素基を表す。mは1〜3の整数を表す。
本発明により、明瞭なコントラストを持つ画像の印字・消去が繰り返し可能で、光に長時間曝されても地肌の変色を抑えることができ、印字部を消去した際の消え残りが小さい耐光性に優れた可逆性感熱記録材料を提供することができる。
以下に、本発明の可逆性感熱記録材料について詳細に説明する。本発明の可逆性感熱記録材料は、支持体上に通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、該可逆性顕色剤として、特定のフェノール化合物を用いることを特徴とする。
本発明の可逆性感熱記録材料の画像形成及び消去原理は未だ明確ではないが、以下のように考えられる。通常無色ないし淡色の染料前駆体は、フェノール性化合物のような電子受容性化合物と共に加熱すると染料前駆体から電子受容性化合物への電子移動が起こり発色する。この時、電子受容性化合物分子は発色した染料分子の極めて近傍に存在していると考えられる。また、発色した染料分子から電子受容性化合物分子を引き離すと、発色した染料分子は再び電子を受け取り、発色前の染料前駆体の状態となる。本発明は加熱により、電子受容性化合物分子と染料分子との距離を変化させ発色及び消色を行うものと考えられる。
更に詳しく述べるならば、これまでに可逆性顕色剤と呼ばれる電子受容性化合物の多くは、その構造の中に長鎖脂肪族炭化水素基を持つため、染料前駆体分子及び発色した染料分子との相溶性が低く、凝固した状態では互いに殆ど溶け合わないと考えられる。また、加熱溶融状態のように染料前駆体分子と可逆性顕色剤分子が自由に運動できる状態では、染料前駆体分子と可逆性顕色剤分子は互いにある割合で溶け合い、発色状態となる。それ故、発色している溶融状態の混合物をゆっくり冷却すると、降温するに従い可逆性顕色剤分子と染料分子は互いに溶け合わなくなり相分離し、消色状態となる。
本発明における可逆性顕色剤は、発色と消色を発現する基本骨格として、発色部位であるフェノール基と、水素結合基及び長鎖脂肪族炭化水素基から成り立っており、これらのバランスを取ることが検討されてきた。
本発明者は、可逆性顕色剤の分子骨格に紫外線吸収能力のあるケイ皮酸部位を導入することで、可逆性顕色剤自身が紫外線吸収能力を有し、耐光性が向上することが分かった。更に、水素結合基ならびに長鎖脂肪族炭化水素基を適切に配置することで、発色性ならびに消色性に優れた可逆性顕色剤を得ることができた。
本発明の可逆性感熱記録材料は、支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、可逆性顕色剤として一般式(1)あるいは一般式(2)の何れかで表されるフェノール化合物を含有するものである。
Figure 2019135085
一般式(1)において、Rは単結合または炭素数1〜6の炭化水素基を表すが、好ましくは、単結合、エチレン基、フェニレン基である。Rは炭素数12〜26の飽和脂肪族炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数14〜22の飽和脂肪族炭化水素基である。nは1〜3の整数を表すが、好ましくは、1あるいは2である。nが2あるいは3である場合、Rで表される炭素数12〜26の飽和脂肪族炭化水素基は互いに同じでも異なっていても良い。
Figure 2019135085
一般式(2)において、Rは単結合または炭素数1〜6の炭化水素基を表すが、好ましくは、単結合、エチレン基、フェニレン基である。Rは炭素数12〜26の飽和脂肪族炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数14〜22の飽和脂肪族炭化水素基である。mは1〜3の整数を表すが、好ましくは、1あるいは2である。mが2あるいは3である場合、Rで表される炭素数12〜26の飽和脂肪族炭化水素基は互いに同じでも異なっていても良い。
なお、本発明の化合物である一般式(1)で表されるフェノール化合物には、以下に示すように、シス−トランス異性体が存在し、反応条件及び精製方法によって、一般式(3)で表されるシス型あるいは一般式(4)で表されるトランス型の何れか1種の異性体のみが得られる場合、あるいは一般式(3)で表されるシス型ならびに一般式(4)で表されるトランス型の異性体混合物として得られる場合がある。これらの異性体は全て本発明の範囲に含まれるが、好ましくは一般式(4)で表されるトランス型である。
Figure 2019135085
同様に、本発明の化合物である一般式(2)で表されるフェノール化合物には、以下に示すように、シス−トランス異性体が存在し、反応条件及び精製方法によって、一般式(5)で表されるシス型あるいは一般式(6)で表されるトランス型の何れか1種の異性体のみが得られる場合、あるいは一般式(5)で表されるシス型ならびに一般式(6)で表されるトランス型の異性体混合物として得られる場合がある。これらの異性体は全て本発明の範囲に含まれるが、好ましくは一般式(6)で表されるトランス型である。
Figure 2019135085
以下に、一般式(1)で表される可逆性顕色剤の具体的な例を化7〜化9に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2019135085
Figure 2019135085
Figure 2019135085
以下に、一般式(2)で表される可逆性顕色剤の具体的な例を化10〜化11に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2019135085
Figure 2019135085
以下に、一般式(1)で表される可逆性顕色剤の合成例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(合成例1)
<可逆性顕色剤;例示化合物(1−4)>
p−クマル酸メチルエステル6.6g、1−ブロモオクタデカン11.0g、炭酸カリウム5.5g、ヨウ化カリウム0.5g、N,N−ジメチルホルムアミド100mlを反応容器内に仕込み、3時間80℃で加熱した。反応液を室温まで冷却後、反応液に水を加え析出した結晶を濾別し、水で洗浄した。2−プロパノールを用いて再結晶することにより、4−オクタデシルオキシケイ皮酸メチルエステルを得た。
4−オクタデシルオキシケイ皮酸メチルエステル14.2g、20%水酸化ナトリウム水溶液10.0g、n−プロパノール200mlを反応容器内に仕込み、3時間加熱環流した。反応液に希塩酸を加えた後、室温まで冷却し析出した結晶を濾別し、水で洗浄した。1−プロパノールを用いて再結晶することにより、4−オクタデシルオキシケイ皮酸を得た。
4−オクタデシルオキシケイ皮酸3.8g、4−アミノフェノール1.0g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.2g、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド1.3g、テトラヒドロフラン(THF)100mlを反応容器内に仕込み、5時間加熱環流した。反応液を室温まで冷却後、メタノール100mlを加える。析出した結晶を濾別し、メタノールで洗浄した。n−プロパノールを用いて再結晶することにより例示化合物(1−4)を得た。収量3.2g、収率は70%であった。融点は187℃であった。
(合成例2)
<可逆性顕色剤;例示化合物(3−2)>
合成例1で合成した4−オクタデシルオキシケイ皮酸3.8g、チラミン1.3g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.2g、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド1.3g、テトラヒドロフラン(THF)100mlを反応容器内に仕込み、5時間加熱環流した。反応液を室温まで冷却後、メタノール100mlを加える。析出した結晶を濾別し、メタノールで洗浄した。2−プロパノールを用いて再結晶することにより例示化合物(3−2)を得た。収量4.0g、収率は84%であった。融点は142℃であった。
以下に、一般式(2)で表される可逆性顕色剤の合成例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(合成例3)
<可逆性顕色剤;例示化合物(5−2)>
合成例1で合成した4−オクタデシルオキシケイ皮酸3.5g、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド1.5g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.2g、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド1.3g、N,N−ジメチルアセトアミド100mlを反応容器内に仕込み、5時間80℃で加熱した。反応液を室温まで冷却後、メタノール100mlを加える。析出した結晶を濾別し、メタノールで洗浄した。n−プロパノールを用いて再結晶することにより例示化合物(5−2)を得た。収量2.9g、収率は58%であった。融点は201℃であった。
本発明に係わる一般式(1)あるいは一般式(2)で表される可逆性顕色剤は、それぞれ1種で使用しても良いし、2種以上を併用して使用しても良い。染料前駆体に対する一般式(1)あるいは一般式(2)で表される可逆性顕色剤の使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
本発明に係わる通常無色ないし淡色の染料前駆体としては、電子供与性呈色化合物が挙げられ、一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられる公知の染料前駆体を、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ロイコ染料等が好適に用いることができる。ロイコ染料としては、フルオラン系化合物、アザフタリド系化合物、トリフェニルメタン(アザ)フタリド系化合物、インドリル(アザ)フタリド系化合物を好適に用いることができる。染料前駆体は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良く、他の色調に発色する染料前駆体を混合することにより調色も行うことができる。以下、染料前駆体の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ペンチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン。
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(m−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トルイジノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−n−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン。
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(ジ−n−プロピルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン。
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−[4−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フェニル]−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド。
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン。
2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−n−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン。
2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン。
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン。
これらの染料前駆体は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良く、他の色調に発色する染料前駆体を混合することにより調色も行うことができる。また、異なる色調に発色する層を積層したり、平面上に並べたりすることによって、多色可逆性感熱記録材料、フルカラー可逆性感熱記録材料とすることもできる。染料前駆体は、マイクロカプセル化、樹脂被覆化、樹脂との複合粒子化等の処理がなされていても良い。
本発明に係わる支持体としては、紙、不織布・織布・編物等の布帛、プラスチックフィルム、樹脂被覆紙、合成紙、金属板、金属箔、ガラス、石英ガラス、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等、あるいはこれらを組み合わせた複合体を目的に応じて任意に用いることができる。本発明に用いることができるプラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、フッ素樹脂フィルム、シリコーン樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。力学的強度、平滑性、耐水性、耐溶剤性、耐熱性の点でポリエステルフィルムが好ましい。これらのプラスチックフィルムは単一枚で用いても良いし、一種類以上のフィルムの二枚以上を適宜の方法で貼り合わせて積層して用いても良い。
ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリキシリレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等のフィルムが挙げられる。好ましいポリエステルフィルムとしては、強靱性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、透明性、電気絶縁性に優れるPETフィルムまたはPENフィルムが挙げられる。
支持体は、不透明、半透明あるいは透明のいずれであっても良い。地肌を白色その他の特定の色に見せるために、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中または表面に含有させても良い。支持体上に可逆性感熱記録層等の層を塗布や貼り合わせにより設ける場合の親和性が低いときには、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理等により支持体表面に対して改質処理を施しても良い。本発明に係わる支持体としては、形状や大きさ等については、特に制限はない。形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられる。大きさとしては、可逆性感熱記録材料の用途に応じて適宜選択することができる。
本発明に係わる支持体の厚みは可逆性感熱記録材料の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、10μm〜2mmが好ましく、特には20μm〜1mmがより好適に用いられる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層において、熱的及び/または機械的強度を向上させる等の目的で、可逆性感熱記録層にバインダー樹脂を添加することも可能である。バインダー樹脂の具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、(メタ)アクリル酸アミド−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸アミド−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらのバインダー樹脂の役割は、可逆性感熱記録層中に含まれている各素材が画像記録や画像消去の熱印加によって、片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には少なくとも耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。耐熱性、耐水性、接着性が要求される場合、硬化性樹脂は特に好ましい。
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、製膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール化合物をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂に用いられるオリゴマー・モノマーとしては、種類も多く優れた放射線硬化特性を有するアクリル系オリゴマー・モノマーの他、ポリエン−チオール系オリゴマー・モノマー、光カチオン重合型エポキシオリゴマー・モノマー等が挙げられる。アクリル系モノマーは単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線硬化の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
アクリル系オリゴマー・モノマーの例としては、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層において、好ましいバインダー樹脂であるポリオール化合物とイソシアネート化合物との反応により形成されるバインダー樹脂について説明する。ポリオール化合物としては、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アルキドポリオール、カプロラクトンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものをいい、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミド及びその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものをいい、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多塩基酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルこはく酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばポリブチロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンポリオールや、前記多塩基酸と多価アルコールに加え高級脂肪酸の3種を縮合して得られるアルキドポリオール等がある。ポリエーテルポリオールとは、主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールの他これらの分岐状エステル等がある。
ポリエーテルポリオールとしては、上記多価アルコールのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。シリコーンポリオールとしては、分子中にシロキサン結合を有し、かつ末端が水酸基を有するシリコーンオイル類等が挙げられる。
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、ポリオール水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタン等が利用できる。更には、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いても良い。
本発明に用いるポリオール化合物としては、添加物分散性、塗工性、接着性、耐熱性及び皮膜強度等の総合評価から、ポリ(メタ)アクリルポリオール及びポリエステルポリオールが好ましい。本発明に用いるポリオール化合物は単独で1種、またはポリオール部分やそれ以外の部分構造の異なる、もしくは分子量等の異なる他の1種以上のポリオール化合物と併用しても良い。
更に、好ましくは、水酸基価80(KOHmg/g)以上のポリ(メタ)アクリルポリオール及びポリエステルポリオールが用いられるが、特に好ましくは90(KOHmg/g)以上600(KOHmg/g)未満である。水酸基価の大小は架橋密度に影響するため、塗膜の表面硬度、耐化学薬品性、耐久性等を左右する。水酸基価が80(KOHmg/g)以上の樹脂はポリイソシアネート化合物と反応して架橋密度の高いバインダー樹脂を形成するため、繰り返し印字・消去した際の可逆性感熱記録層の耐久性が向上して好ましい。水酸基価が600(KOHmg/g)以上では可とう性が低下して加工時に塗工層が割れる場合がある。
本発明に用いるポリイソシアネート化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体三量体である三官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。本発明においては、イソシアネート化合物としてキシリレンジイソシアネートやトルエンイソシアネートを用いると印字濃度の向上により好ましく、更には、地肌の白色度の高いキシリレンジイソシアネートを使用するとより好ましい。
本発明に用いるポリイソシアネート化合物は、1種以上のポリオール化合物に対して、単1種または2種以上併用しても良い。ポリイソシアネート化合物及びポリオール化合物をともに複数種用いる場合は、その組合せは任意で良い。
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の混合物は、それぞれが液状の場合はそのままの混合物で用いても良いが、更にポリイソシアネート化合物と非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を溶解し、かつ染料前駆体や可逆性顕色剤を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が使用できる。なかでも、ポリイソシアネート化合物と反応性のある活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度30〜160℃、反応時間0.1分〜120時間で行えば良い。尚、反応温度が低い場合は長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
本発明に係る可逆性感熱記録層におけるバインダー樹脂の使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー樹脂の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲より大きくなると著しく印字濃度が低下する場合がある。逆にこの範囲より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度の低下、層の変形、印字濃度の低下が起きる場合がある。可逆性感熱記録層における該バインダー樹脂の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下が特に好ましい。
本発明の可逆性感熱記録材料において、可逆性感熱記録層には、消色促進剤として分子中にアミド、ウレタン、ウレア、ジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミドのいずれかの基を少なくとも1つ有する化合物や四級アンモニウム塩化合物を併用することが好ましい。消色促進剤の併用により、消去状態を形成する過程において、消色促進剤と可逆性顕色剤の間に分子間相互作用が働き、消去速度を速めることができる。
本発明で用いる消色促進剤としては、下記一般式(7)〜(14)で表される化合物が特に好ましい。
−CONH ・・・一般式(7)
−NHCONH ・・・一般式(8)
−CONH−R ・・・一般式(9)
−NHCONH−R ・・・一般式(10)
−NHCOCONH−R ・・・一般式(11)
−CONHNHCO−R ・・・一般式(12)
A−NHCONH−R ・・・一般式(13)
(R−R ・・・一般式(14)
ただし、一般式(7)〜(14)中、R及びRは同義であり、互いに同じであっても異なっていても良い炭素数1〜24の飽和または不飽和の炭化水素基であるが、分岐していても良いアルキル基及びアルケニル基、アラルキル基、アリール基を表し、更にこれらの基が、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基等によって置換されていても良い。R及びRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基、アリル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基及びフェニルエチル基等が挙げられる。Aはウレア結合と直接結合する窒素原子を有する二置換の非環状アミノ基、または窒素原子含有5及び6員環の複素環であり、複素環の場合、環中の窒素原子はウレア結合と直接結合している。Aが複素環である場合、5員環の具体例として、ピロリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、ピロール環、イミダゾール環及びピラゾール環等が挙げられ、6員環の具体例として、ピペリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環及びピペラジン環等が挙げられる。更に、非環状アミノ基及び複素環はアルキル基、アラルキル基、アリール基及びヒドロキシ基等で置換されていても良い。Zはアニオンを表し、ハロゲン、置換スルホネート、置換ホスフェート、置換ボレート、置換イミドであり、好ましくはハロゲンまたは置換スルホネートである。
一般式(7)〜(14)で表される消色促進剤は、それぞれ1種で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。可逆性顕色剤に対する使用量は、0.1〜100質量%、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。前記使用量が0.1質量%未満であると、消色促進効果が発揮されないことがあり、100質量%を超えると、印字濃度の低下、印字画像の耐熱安定性の低下が起こることがある。
また、本発明に係わる可逆性感熱記録層には、発色感度及び/または消色温度を調節するため、熱可融性物質を併用しても良い。熱可融性物質としては、60〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80〜180℃の融点を有するものが好ましい。熱可融性物質として、一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。熱可融性物質の例としては、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、しゅう酸ジベンジル、しゅう酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはしゅう酸ジエステル誘導体等が挙げられる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層には更に、耐光性改良等を目的として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シンナメート系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤を添加しても良く、好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が用いられる。これらの紫外線吸収剤や酸化防止剤は適宜併用しても良い。これらは、それぞれの機能を発現する構造部分を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖にこれら構造部分をグラフト化したものも用いることができる。
これら酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等は、いずれか1種で使用しても良いし、同種または異種の2種以上を混合して使用しても良い。これら酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を併用する場合、染料前駆体に対する使用量は、0.1〜200質量%、好ましくは0.5〜100質量%、特に好ましくは1〜50質量%である。前記使用量が0.1質量%未満であると、改良効果が発揮されないことがあり、200質量%を超えると、印字濃度の低下、印字画像の耐熱安定性の低下が起こることがある。
その上、本発明に係わる可逆性感熱記録層には、顔料や滑剤を添加することができる。可逆性感熱記録層に添加することができる顔料等としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、及びゼオライト、シリカ、カオリン、焼成カオリン、タルク等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。また、可逆性感熱記録層に添加することができる滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩等を使用することができる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層の膜厚は、その組成と所望の印字濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。
本発明に係わる可逆性感熱記録層は、支持体の少なくとも一方の面に、少なくとも染料前駆体及び可逆性顕色剤、必要に応じバインダー樹脂及び消色促進剤等を含有する可逆性感熱記録層塗液を塗工・成膜することによって形成される。染料前駆体、可逆性顕色剤、及び消色促進剤等を可逆性感熱記録層塗液に含有させるための方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し、均一化した後に冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分散時には必要なら分散剤を用いても良い。
バインダー樹脂については、染料前駆体及び可逆性顕色剤等の化合物を単独または混合し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する前後に添加する方法、各々の化合物とバインダー樹脂を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し、均一化した後に冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する前後に添加する方法等が挙げられるが、何れの方法においても染料前駆体及び可逆性顕色剤等の化合物に対する溶媒または分散媒にバインダー樹脂が溶解するように溶媒または分散媒を選定するのが好ましい。また、市販のバインダー樹脂で、予め溶媒に添加されている場合は、染料前駆体及び可逆性顕色剤等の化合物を溶解または分散する際の溶媒もしくは分散媒としてバインダー樹脂とともに用いても良い。
溶媒または分散媒としては具体的には、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が使用できる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層上に、耐熱性や繰り返し耐久性を向上する目的で保護層を設けても良い。前記保護層に用いる樹脂として、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を主成分としていることが好ましく、特に電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂が好ましく、紫外線硬化性樹脂がより好ましい。
本発明に好適に用いられる紫外線硬化性樹脂として、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系等のオリゴマー;各種単官能、多官能の(メタ)アクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマー等が挙げられる。
これら必要に応じて併用されるモノマー、オリゴマーは、1種単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用することもできる。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ジイソシアネート類とポリオール類とヒドロキシ(メタ)アクリレート類とを反応させることによって得られ、分子中に官能基としてアクリロイル基(CH=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH=C(CH)CO−)と、ウレタン結合(−NHCOO−)とを有する。
ジイソシアネート類としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI]、イソホロンジイソシアネート[IPDI]、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)[HMDI]、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート[TMHMDI]、トリレンジイソシアネート[TDI]、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート[MDI]、キシリレンジイソシアネート[XDI]等が挙げられる。
ポリオール類としては、具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられるヒドロキシ(メタ)アクリレート類としては、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート[HEA]、2−ヒドロキシエチルメタクリレート[HEMA]、2−ヒドロキシプロピルアクリレート[HPA]、グリシドールジメタクリレート[GDMA]、ペンタエリスリトールトリアクリレート[PETA]、ポリカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、エピクロルヒドリン等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応により合成される。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、具体的には、無水フタル酸とプロピレングリコールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレート、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレート、トリメリット酸とジエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば1,2,6−ヘキサントリオール等のポリオールを、塩基性または酸性触媒(BF、NaOH)の存在下に、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドと反応させ、次いで、得られたポリエーテルと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより合成される。
(メタ)アクリレート系モノマーとしては、具体的には、アクリレート、メタクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)クリレート(DPH(M)A)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明に好適に用いられる紫外線硬化性樹脂として、(メタ)アクリレート基を有する樹枝状分枝化合物が特に好ましく用いられる。該樹枝状分岐化合物は、樹枝状に枝分かれした化合物であり、樹枝状であることにより分子末端に多くの(メタ)アクリレート基を有することができるため、(メタ)アクリレート基の密度を増加させ、(メタ)アクリレート基の隣接確率を上げて紫外線照射時の硬化を促進するものである。高い反応性を示し短時間で硬化反応が進行するため、紫外線硬化時の酸素阻害の影響を受けずに高硬度の層を成膜することができ、また硬化収縮を抑えて密着性を向上させることができる。アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の重合性官能基を分子末端に有する樹枝状分枝化合物であれば、モノマーであってもオリゴマーであっても良く、特に限定はされないが、分子中にハイパーブランチ構造を有する樹枝状オリゴマー、または分子中にデンドリマー構造を有する樹枝状オリゴマーが好ましく、1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明に係わる保護層において、紫外線を用いて硬化させる場合には、光重合開始剤、光重合促進剤を用いることができる。光重合開始剤はラジカル反応型とイオン反応型に大別でき、更に、ラジカル反応型は光開裂型と水素引抜き型とに分けられる。光重合開始剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタール(別名、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4′−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン、4′−t−ブチル−2,2−ジクロロアセトフェノン、4′−t−ブチル−2,2,2−トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルスルフィド、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。光重合開始剤は、単独または2種以上混合して使用される。
また、光重合促進剤としては、ベンゾフェノン系やチオキサントン系等の水素引抜きタイプの光重合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があるものが好ましく、例えば芳香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系のものがある。具体的には、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これら光重合促進剤は、単独でまたは2種以上混合して使用される。
これらの光重合開始剤及び光重合促進剤の添加量としては、保護層の樹脂成分全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、更に好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
本発明において、耐候性改良等を目的に可逆性感熱記録層と保護層の間に紫外線吸収剤を含有した紫外線吸収層、またはガスバリア層などの何らかの機能を持つ中間層を設けたり、発色感度向上等を目的に支持体と可逆性感熱記録層の間にアンダーコート層を設けたり、光反射層や空気層を設けても良い。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤等を挙げることができる。また、支持体の片面のみに可逆性感熱記録層を設ける場合、もう一方の面にバックコート層を設けても良い。アンダーコート層には中空粒子を含有しても良い。これらの層は、単層でも、2層以上の複数の層から構成されていても良い。また、これらの層は熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含有していることが好ましい。
本発明において、支持体上に設けられた保護層、中間層、可逆性感熱記録層、アンダーコート層等には、必要に応じて、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、硬膜剤、防腐剤、顔料、着色染顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤、滑剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明における各層を支持体上に積層し、可逆性感熱記録材料を形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロール及びトランスファロールコーター、ロールコーター、コンマコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。更に通常の乾燥工程の他、紫外線照射または電子線照射により、更には加熱等によるエージング等により各層を保持させることができる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗布、印刷することができる。
上記各層のいずれかに硬化性樹脂が含有されている場合には、樹脂種類に合わせて、加熱、紫外線照射、電子線照射による硬化を行う。紫外線照射は、公知の紫外線照射装置を用いて行うことができる。紫外線照射装置としては、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置等を備えたものが挙げられる。光源としては、例えば水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプ等が挙げられる。光源の波長は、光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波長に応じて適宜選択することができる。紫外線照射の出力や搬送速度は、紫外線硬化性樹脂を架橋するために必要な照射エネルギーに応じて決定される。
本発明の可逆性感熱記録材料には、オフセット印刷、グラビア印刷等の印刷;インクジェット記録層、熱転写受像層、昇華型熱転写受像層等の印字記録層を設けても良い。これらの印刷、印字記録層は、可逆性感熱記録層と積層して設けても良いし、可逆性感熱記録層と同一面の一部に設けても良い。また、可逆性感熱記録層を設けた面と反対側の面の一部または全面に設けても良い。印字記録層上に部分的にまたは全面的に硬化性樹脂を主成分とするオーバープリントニス(OPニス)層等を設けても良い。
本発明の可逆性感熱記録材料には、可逆性感熱記録層中、他の層、可逆性感熱記録層が設けられている面や反対側の面等に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料が含まれていても良い。また、支持体を複層とし、その間にICチップを挟んでも良い。また、帯電防止を目的として帯電防止層を片面または両面に設けることもできる。本発明の可逆性感熱記録材料は、粘着層等を介して、または支持体として熱融着性樹脂を用いて、他の媒体へ貼り付けることもできる。
可逆性感熱記録材料の層間にICチップを封入する場合は、例えばプラスチックフィルムの層間または紙基材とプラスチックフィルムの層間に封入することができる。好ましくは、可逆性感熱記録層から離れた層間に封入することが印字品質の点で好ましい。非接触のICチップを封入する場合は、アンテナと共に封入することができる。封入する際の圧力によりICチップが破損することを防ぐ目的で、クッション層を設けることができる。クッション層の厚みとしては、10μmに満たないとクッション性が不十分であるため10μm以上が好ましい。また、ICチップとアンテナとの接合部に負荷がかかるため、クッション層の面積はICチップとアンテナ接合部を十分覆い隠せる大きさが好ましい。クッション層は、片面もしくは両面に設けることができる。両面にクッション層を設けることがより好ましい。クッション層としては、熱可塑性の樹脂が好ましく、発泡樹脂であれば、よりクッション性が良いため、ICチップの破損を防ぐことができる。
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには、加熱に引き続いて冷却を急速に行えば良く、記録画像の消去を行うためには、加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロック等を押し当てるなどして急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却するため、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、及びタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱されるために熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。したがって、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態及び消色状態を任意に発現させることができる。
加熱に使用するレーザーとしては、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。半導体レーザー、YAGレーザーよる加熱を効率良く行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、例えば白金、チタン、ケイ素、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属または半金属の層、インモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物、ポリメチン化合物等の光熱変換色素が挙げられ、可逆性感熱記録層に分散状態または分子状態で含有することができる。好ましい光熱変換色素としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性、紫外光に対する耐光性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられ、特にフタロシアニン化合物が好ましい。可逆性感熱記録層に近接して光熱変換層を設ける場合は、銅薄膜や酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンスズ(ATO)等の膜による光熱変換層を用いることもできる。
フタロシアニン化合物の例としては、ナフタロシアニン化合物、無金属フタロシアニン化合物、鉄フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、ニッケルフタロシアニン化合物、バナジルフタロシアニン化合物、塩化インジウムフタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物等が好ましく、より好ましくは、バナジルフタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物である。本発明に用いられるフタロシアニン化合物は吸収波長の調節、溶媒への溶解度の向上、耐光性の改良等の目的で、芳香環に置換基を有しても良い。置換基としては、アルキルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミド基、アミノ基、アルキルエステル基、アリールエステル基、塩素原子、フッ素原子等が挙げられる。芳香環に置換基が二つ以上ある場合に、それらは同一であっても異なっていても良く、また置換基同士が結合して環を形成しても良い。
光熱変換色素の使用量は、使用する光源の発振波長における吸光度が0.2以上になるように設定することが好ましい。この量より少ないと十分な発熱が得られず、記録感度が低下する。一方、光熱変換色素は可視部にも若干の吸収を有しており、使用量が多すぎるとコントラストの低下をもたらす。400nmから700nmの平均透過率が60%以上確保できるよう、光熱変換色素の使用量の上限を設定することが好ましい。光熱変換色素は、2種類以上を混合して用いることもできる。
光熱変換色素は、少なくとも染料前駆体と可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層に対して、同一の層か隣接する層の少なくとも一方に含有されることが好ましく、同一の層に含有されることが良好な感度を得る上でより好ましい。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量基準である。
(実施例1)
(A)可逆性感熱記録層塗液の調製
染料前駆体として2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン20部、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部、消色促進剤として1−(n−オクタデシルウレイド)−4−メチルピペラジン1部、ポリエステルポリオール(DIC(株)製、商品名:バーノック(登録商標)11−408、有効成分:70質量%)100部、メチルエチルケトン950部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで18時間分散し、分散液を得た。こうして得た分散液に、イソシアネート化合物(三井化学(株)製、商品名:タケネート(登録商標)D−110N、有効成分:75質量%)130部とメチルエチルケトン62部とを加えて十分に混合し、可逆性感熱記録層塗液を調製した。
(B)可逆性感熱記録層塗液の塗工
(A)で得た可逆性感熱記録層塗液を、厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、乾燥塗工量が10g/mとなるように塗工した後、100℃で1分間乾燥した後、更に50℃で24時間加熱処理して硬化させ、可逆性感熱記録層を形成した。
(C)保護層塗液の調製
ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(DIC(株)製、商品名:ユニディック(登録商標)17−813、有効成分:80質量%)12.5部、湿式法シリカ(富士シリシア化学(株)製、商品名:サイリシア(登録商標)350)2.0部、酢酸ブチル10部を混合した。こうして得られた混合液をビーズミルで処理し、保護層塗液を調製した。
(D)保護層塗液の塗工
(B)で作製した塗工シートの可逆性感熱記録層塗工面上に、(C)で得た保護層塗液を乾燥塗工量が3g/mになるように塗工し、120℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー120W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化させて保護層を設け、実施例1の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例2)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(1−4)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例3)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(2−2)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例4)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(2−5)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例5)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(3−2)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例6)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(3−4)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例7)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(4−2)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例8)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(4−4)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例8の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例9)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(5−2)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9の可逆性感熱記録材料を得た。
(実施例10)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として例示化合物(5−5)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例10の可逆性感熱記録材料を得た。
(比較例1)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として比較化合物(6−1)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の可逆性感熱記録材料を得た。
Figure 2019135085
(比較例2)
実施例1(A)で、可逆性顕色剤として例示化合物(1−2)100部を用いる代わりに、可逆性顕色剤として比較化合物(6−2)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の可逆性感熱記録材料を得た。
Figure 2019135085
(比較例3)
(E)可逆性感熱記録層塗液の調製
染料前駆体として2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン20部、可逆性顕色剤として比較化合物(6−1)100部、消色促進剤として1−(n−オクタデシルウレイド)−4−メチルピペラジン1部、酸化防止剤としてL−アスコルビン酸パルミテート5部、ポリエステルポリオール(DIC(株)製、商品名:バーノック11−408、有効成分:70質量%)100部、メチルエチルケトン950部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで18時間分散し、分散液を得た。こうして得た分散液に、イソシアネート化合物(三井化学(株)製、商品名:タケネートD−110N、有効成分:75質量%)130部とメチルエチルケトン62部とを加えて十分に混合し、可逆性感熱記録層塗液を調製した。
(F)可逆性感熱記録層塗液の塗工
(E)で得た可逆性感熱記録層塗液を、厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、乾燥塗工量が10g/mとなるように塗工した後、100℃で1分間乾燥した後、更に50℃で24時間加熱処理して硬化させ、可逆性感熱記録層を形成した。
(G)保護層塗液の塗工
(F)で作製した塗工シートの可逆性感熱記録層塗工面上に、(C)で得た保護層塗液を乾燥塗工量が3g/mになるように塗工し、120℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー120W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化させて保護層を設け、比較例3の可逆性感熱記録材料を得た。
(比較例4)
比較例3(E)で、酸化防止剤としてL−アスコルビン酸パルミテート5部を用いる代わりに、酸化防止剤としてDL−α−トコフェロール5部を用いた以外は比較例3と同様にして、比較例4の可逆性感熱記録材料を得た。
(比較例5)
比較例3(E)で、酸化防止剤としてL−アスコルビン酸パルミテート5部を用いる代わりに、酸化防止剤として6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX(登録商標)565、BASF社製)5部を用いた以外は比較例3と同様にして、比較例5の可逆性感熱記録材料を得た。
(試験1)発色試験、消色試験
発色試験の評価方法については、上記実施例1〜10及び比較例1〜5にて得られた可逆性感熱記録材料を、印字ヘッド(TDK(株)製BHC4215SS、抵抗値:1,004Ω)付き感熱紙評価装置(オオクラエンジニアリング(株)製TH−PMG)にて、パルス幅2msec、パルス周期4.05msecの条件で、13Vから0.5V刻みで印加電圧を変化させて印字を行った。得られた画像を反射濃度計(GretagMacbeth社製、商品名:RD−19)を用いて測定し、最大濃度となる値を画像濃度として表1に示す。
消色試験の評価方法については、前記画像濃度で最大濃度となる印加エネルギーでベタ画像を形成したものに対し、熱傾斜試験機((株)東洋精機製作所製、商品名:HG−100)を用いて、圧力0.1MPa、時間1.0秒の条件で、5℃刻みで温度を変化させながら熱スタンプ消去を行った。消去後の画像部濃度(消去部濃度)と地肌部濃度を反射濃度計(GretagMacbeth社製、商品名:RD−19)を用いて測定した。この測定値を基に、下記式にて計算を行い、最小となる値を消え残り値として表1に示す。消え残り値は小さい値であるほど良好である。
消え残り値=消去部濃度−地肌部濃度
尚、消え残り値は0.010未満を実用レベルとする。
(試験2)繰り返し消去印字試験
繰り返し消去印字試験の評価方法については、上記実施例1〜10及び比較例1〜5にて得られた可逆性感熱記録材料を、テレホンカード状に打ち抜き、カードリーダーライター(スター精密(株)製、商品名:TCP−300II)にて消去印字モードで印字を行った。消去印字とは、カードを挿してから1往復して再びカードが出てくるまでに画像が書き換えられるもので、消去はセラミックヒーター(イレーズバー)、印字はサーマルヘッドで行う。条件としては、印字エネルギーは0.45mJ/dotとし、セラミックヒーターの消去エネルギーはエネルギー不足による消え残りがなく、かつオーバーエネルギーによるカブリがない領域の中心値に設定した。この条件で、印字及び消去を2分間隔で200回繰り返した。繰り返し試験終了後の印字部ならびに消去部の状態と可逆性感熱記録材料の表面状態を目視で観察し、下記のレベルで評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:印字部は良好な発色状態で、消え残りも見られなかった。
○:印字部は良好な発色状態であるが、やや消え残りが見られた。
×:印字部にムラが見られ、消え残りや変色が顕著に見られた。
(試験3)耐光性試験
発色試験の評価方法については、上記実施例及び比較例にて得られた可逆性感熱記録材料をテレホンカード状に打ち抜き、カードリーダーライター(スター精密(株)製、商品名:TCP−300II)にて消去印字モードで印字を行った。消去印字とは、カードを挿してから1往復して再びカードが出てくるまでに画像が書き換えられるもので、消去はセラミックヒーター(イレーズバー)、印字はサーマルヘッドで行う。条件としては、印字エネルギーは0.45mJ/dotとし、セラミックヒーターの消去エネルギーはエネルギー不足による消え残りがなく、かつオーバーエネルギーによるカブリがない領域の中心値に設定した。この条件で、印字を行った可逆性感熱記録材料に対し、照度5,000luxの蛍光灯の光を300時間照射した。その後、同じプリンタで全面消去した。
このときの地肌部の色調変化(蛍光灯照射前後の地肌色差)について、分光光度計(GretagMacbeth社製、商品名:SpectroEye)を用いて測定した。消去後の画像部濃度(消去部濃度)と地肌部濃度を反射濃度計(GretagMacbeth社製、商品名:RD−19)を用いて測定した。この測定値を基に、下記式にて計算を行い、最小となる値を消え残り値として表1に示す。地肌色差(ΔE)ならびに消え残り値は小さい値であるほど良好である。
Figure 2019135085
試験1〜試験3の結果を表1に示す。
Figure 2019135085
表1から明らかなように、実施例1〜10の可逆性感熱記録材料は、発色試験、消色試験、繰り返し消去印字試験、耐光性試験の何れについても、優れた効果を有することがわかる。
以上の結果から、可逆性顕色剤として、一般式(1)あるいは一般式(2)の何れかで表される化合物を用いた本発明の可逆性感熱記録材料は、明瞭なコントラストを持つ画像の印字・消去が繰り返し可能で、光に長時間曝されても地肌の変色を抑えることができ、印字部を消去した際の消え残りが小さい耐光性に優れた可逆性感熱記録材料を提供することができる。
本発明の可逆性感熱記録材料は、明瞭なコントラストを持つ画像の形成と消去を繰り返すことが可能である。具体的な用途としては、交通機関の定期券や各種プリペイドカード、ポイントカード等の磁気カード、ICカード、ICタグ、工場や倉庫等物流の現場で使用されるカンバンや帳票として、好適に利用可能である。

Claims (1)

  1. 支持体上に通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度及び/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態を形成させる可逆性顕色剤とを含有する可逆性感熱記録材料において、該可逆性顕色剤として、一般式(1)あるいは一般式(2)の何れかで表される化合物であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
    Figure 2019135085
    (一般式(1)において、Rは単結合または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜26の飽和脂肪族炭化水素基を表す。nは1〜3の整数を表す。)
    Figure 2019135085
    (一般式(2)において、Rは単結合または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜26の飽和脂肪族炭化水素基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
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