JP2017170774A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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池田 光弘
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光弘 池田
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【課題】本発明の課題は、熱エネルギーを制御することにより色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料に関わるものである。特に詳しくは、トレーサビリティ用にカードの表面に記録された情報が意匠性を損なわず、且つ必要に応じて消去できる可逆性感熱記録材料を提供することである。【解決手段】支持体上に、通常無色ないし淡色の染料前駆体および、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料支持体上に、通常無色ないし淡色の染料前駆体および、加熱により該染料前駆体に可逆的において、該可逆性感熱記録層が設けられている方の面に、深さ1〜5μm、直径0.5〜1.5μmの微細なドット形状の集合体による潜像を形成することにより、課題を解決することができた。【選択図】なし

Description

本発明は、熱エネルギーを制御することにより色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料に関わるものである。特に詳しくは、トレーサビリティ用にカードの表面に記録された情報が、意匠性を損なわず、且つ必要に応じて消去できる可逆性感熱記録材料に関わるものである。
近年、一時的な画像の形成が行え、不要となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆性感熱記録材料が注目されている。可逆性感熱記録材料としては、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱によりこの染料前駆体を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性を有する顕色剤(以下、可逆性顕色剤とも言う)を用いた感熱記録材料、塩化ビニル−酢酸ビニル等の樹脂中に高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱記録材料、屈折率の異なるポリマーを2種以上混合した感熱記録材料等が知られている。特に、染料前駆体と可逆性顕色剤とから構成される可逆性感熱記録材料は、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回に渡って可能であり、ICカードや磁気カード等の記録媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。
通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱によりこの染料前駆体を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性顕色剤を用いた感熱記録材料として、長鎖脂肪族炭化水素基を持つ特定フェノール化合物を可逆性顕色剤として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような材料を用いた可逆性感熱記録材料では、発色と消色のコントラストが高く、発色状態と消色状態を常温において安定的に保持することが可能である(例えば、特許文献2及び3参照)。
一方、ICカードにおいては、IC内部の半導体素子に故障が発生すると、IC内に書き込まれた情報が読み出せなくなってしまい、カードが使用できなくなる場合がある。磁気カードにおいても、強い外部磁場に当たった等の原因により、磁気記録に不具合が生じ、カードが使用できないケースがある。それ故、カードのトレーサビリティを行うため、シリアル番号等をカードの表面に印字する方法が提案されている(例えば、特許文献4〜5)。しかしながら、カードの意匠性およびセキュリティーの観点からは、シリアル番号等は目視で容易に確認できない方が好ましい。
シリアル番号等の、トレーサビリティ用にカードの表面に印字された情報がカードの意匠性を損なわないためには、カードの表面に印字された情報が肉眼では容易に確認できない必要があるが、光学機器等で容易に読み取れる必要もある。また、偽造防止などの観点から、トレーサビリティ用の情報は必要に応じて消去できる必要がある。
特許第3380277号公報 特許第3113479号公報 特許第3678932号公報 特開平08−080680号公報 特開2002−007970号公報
本発明の課題は、熱エネルギーを制御することにより色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料に関わるものである。特に詳しくは、トレーサビリティ用にカードの表面に記録された情報が意匠性を損なわず、且つ必要に応じて消去できる可逆性感熱記録材料を提供することである。
この課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
支持体上に、通常無色ないし淡色の染料前駆体および、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、該可逆性感熱記録層が設けられている方の面に、深さ1〜5μm、直径0.5〜1.5μmの微細なドット形状の集合体による潜像が形成されていることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
本発明により、熱エネルギーを制御することにより色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料に関わるものである。特に詳しくは、トレーサビリティ用にカードの表面に記録された情報が意匠性を損なわず、且つ必要に応じて消去できる可逆性感熱記録材料を提供することができる。
以下に、本発明の可逆性感熱記録材料について詳細に説明する。本発明の可逆性感熱記録材料は、支持体上に、通常無色ないし淡色の染料前駆体および、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、該可逆性感熱記録層が設けられている方の面に、深さ1〜5μm、直径0.5〜1.5μmの微細なドット形状の集合体による潜像が形成されていることを特徴とする可逆性感熱記録材料である。
本発明に関わる可逆性感熱記録層が設けられている方の面に設けられている潜像は、微細なドット形状の集合体である。微細なドット形状である理由は、肉眼で個々のドットを判別し難いため、意匠性を損なわないためである。また、集合体である理由は、文字や記号などを表現するためである。
ドット形状の深さが5μmを超えた場合、またはドット形状の直径が1.5μmを超えた場合には、ドット形状が肉眼で判別できることがあり、意匠性を損なうことがある。また、潜像を完全に消去できなくなることがある。ドット形状の深さが1μm未満の場合、もしくはドットの直径が0.5μm未満の場合には、光学機器等による潜像の読み取りが難しいことがある。
なお、本発明で言う、ドット形状の深さとは、数平均の深さであり、ドット形状の直径とは、ドット形状の内径の面積平均直径である。また、ドット形状の深さおよび直径は、共焦点型レーザー変位計で測定することができる。
本発明において、微細なドット形状の集合体による潜像は、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、ファイバーレーザーなどを用いて、可逆性感熱記録材料の可逆性感熱記録層が設けられている方の面にレーザー光を照射することにより形成することができるが、可逆性感熱記録層は透明もしくは半透明であることから、炭酸ガスレーザーを使用することが好ましい。
本発明の可逆性感熱記録材料において、微細なドット形状の集合体による潜像は、可逆性感熱記録材料の可逆性感熱記録層が設けられている方の面の任意の場所に形成することができるが、印字(発色)と消去が頻繁に繰り返されるカードの中央部分よりも、カードの縁に近い部分が好ましい。印字と消去が頻繁に繰り返されるカードの中央部分では、印字と消去の繰り返す回数が多くなってくると、潜像が読み取り難くなることがある。
本発明の可逆性感熱記録材料において、本発明に関わる可逆性感熱記録層が設けられている方の面に、設けられている微細なドット形状の集合体による潜像は、熱エネルギーを制御することにより消去することができる。本発明に係わる可逆性感熱記録層は、熱エネルギーを制御することにより、可逆性感熱記録層への印字(発色)と消去が繰り返し行われるが、印字と消去に用いられる熱エネルギーでは、微細なドット形状の集合体による潜像は消去されない。しかしながら、潜像が形成されている部分に、より強い熱エネルギーを加えることにより消去することができる。
一般的なプラスチックカードに用いられるプラスチックフィルム、例えば、硬質ポリ塩化ビニルフィルム(PVC)やグリコール変性ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET−G)などにも、直接微細なドット形状の集合体による潜像を設けることは可能であり、強い熱エネルギーを加えることにより、潜像を消去することができるが、PVCやPET−Gは熱に対して弱いため、基材の表面が損傷してしまう。また、ポリカーボネート等の耐熱性の基材では、微細なドット形状の集合体による潜像を形成することはできても、容易に消去することができない。
可逆性感熱記録材料に設けられている可逆性感熱記録層は、耐熱性に優れるだけでなく、熱エネルギーを制御することによって印字(発色)や消去が繰り返せることから示されるように、状態を可逆的に元に戻せる特性を有している。それ故、熱エネルギーを制御することによって、微細なドット形状の集合体による潜像を消去した後も、印字(発色)や消去の繰り返しと言った可逆性感熱記録材料の特性が損なわれることはない。
微細なドット形状の集合体による潜像を読み取る方法は、光学的に読み取れる方法であれば特に制限される必要はないが、例えば散乱率の低い660nmのレーザー光源を赤色LEDから照射し、反射光をCCDカメラ読み取る方法などがある。
本発明に係わる支持体としては、紙、不織布・織布・編物等の布帛、プラスチックフィルム、樹脂被覆紙、合成紙、金属板、金属箔、ガラス、石英ガラス、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等、あるいはこれらを組み合わせた複合体を目的に応じて任意に用いることができる。本発明に用いることができるプラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、フッ素樹脂フィルム、シリコーン樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。力学的強度、平滑性、耐水性、耐溶剤性、耐熱性の点でポリエステルフィルムが好ましい。これらのプラスチックフィルムは単一枚で用いても良いし、一種類以上のフィルムの二枚以上を適宜の方法で貼り合わせて積層して用いても良い。
ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリキシリレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等のフィルムが挙げられる。好ましいポリエステルフィルムとしては、強靱性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、透明性、電気絶縁性に優れるPETフィルムまたはPENフィルムが挙げられる。
支持体は、不透明、半透明あるいは透明のいずれであっても良い。地肌を白色その他の特定の色に見せるために、白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中または表面に含有させても良い。支持体上に可逆性感熱記録層等の層を塗布や貼り合わせにより設ける場合の親和性が低いときには、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理等により支持体表面に対して改質処理を施しても良い。本発明に係わる支持体としては、形状や大きさ等については、特に制限はない。形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられる。大きさとしては、可逆性感熱記録材料の用途に応じて適宜選択することができる。
本発明に係わる支持体の厚みは可逆性感熱記録材料の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、10μm〜2mmが好ましく、特には20μm〜1mmがより好適に用いられる。
本発明に係わる通常無色ないし淡色の染料前駆体としては、電子供与性呈色化合物が挙げられ、一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられる公知の染料前駆体を、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ロイコ染料等が好適に用いることができる。ロイコ染料としては、フルオラン系化合物、アザフタリド系化合物、トリフェニルメタン(アザ)フタリド系化合物、インドリル(アザ)フタリド系化合物を好適に用いることができる。染料前駆体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、他の色調に発色する染料前駆体を混合することにより調色も行うことができる。以下、染料前駆体の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ペンチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−アミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン。
2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(m−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トルイジノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−n−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン。
2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(ジ−n−プロピルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン。
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−[4−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フェニル]−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド。
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン。
2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−n−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−(ジ−n−プロピルアミノ)−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン。
2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−n−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン。
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン。
異なる色調に発色する層を積層したり、平面上に並べたりすることによって、多色可逆性感熱記録材料、フルカラー可逆性感熱記録材料とすることもできる。染料前駆体は、マイクロカプセル化、樹脂被覆化、樹脂との複合粒子化等の処理がなされていても良い。
本発明に係わる可逆性顕色剤は、電子受容性化合物であり、前記染料前駆体を発色させる作用を有する化合物であれば特に制限はない。従来公知の可逆性顕色剤としては、有機リン化合物、脂肪族カルボン酸化合物、フェノール化合物が挙げられる。本発明において好ましく用いられる可逆性顕色剤は、発色性や消色性、画像安定性等の点から、長鎖アルキル基を有するフェノール化合物であり、特に下記化1で表される化合物が好ましく用いられる。なお、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係わる可逆性顕色剤はそれぞれ1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
Figure 2017170774
化1において、X及びXは、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、酸素原子、硫黄原子又は両末端に炭化水素原子団を含まない−CO−、−NH−、または−SO−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。Rは、単結合又は炭素数1から20の二価の炭化水素基を表す。Rは、炭素数1から20の二価の炭化水素基を表す。Rは、炭素数1から50の一価の炭化水素基を表し、好ましくは、炭素数6から36の炭化水素基である。R及びRは、主として、アルキレン基またはアルケニレン基を表し、芳香環を含んでいてもよい。Rは、主として、アルキル基またはアルケニル基を表す。nは0から2の整数を表し、nが2のときに繰り返されるR及びXは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
化1中のX、Xは両末端に炭化水素原子団を含まない−CO−、−NH−、または−SO−結合を最小構成単位とする二価の基を含むが、その具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、しゅう酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−)、スルホンアミド(−NHSO−、−SONH−)、スルホニルヒドラジド(−SONHNHCO−、−CONHNHSO−)等の基が挙げられるが、好ましくはアミド、尿素、ジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミドである。
以下に、化1で表される可逆性顕色剤の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
N−p−ヒドロキシフェニル−N′−オクタデシル尿素、N−p−ヒドロキシフェニル−N′−ヘンイコシル尿素、N−p−ヒドロキシフェニル−N′−ドコシル尿素、N−p−ヒドロキシフェニル−N′−ペンタコシル尿素、N−p−ヒドロキシフェニル−N′−ヘキサコシル尿素、N−p−ヒドロキシフェニル−N′−ノナコシル尿素、N−p−ヒドロキシフェニル−N′−トリアコンチル尿素、N−p−ヒドロキシフェニル−N′−4−オキサオクタデシル尿素、N−p−ヒドロキシフェニル−N′−12−チアトリアコンチル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ヘンイコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ドコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ヘプタコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−ヘキサコシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−トリアコンチル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−4−オキサオクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−12−チアトリアコンチル尿素。
N−(p−ヒドロキシフェニル)ドコサンアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)ヘプタコサンアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサコサンアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)ノナコサンアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)トリアコンタンアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)−12−チアトリアコンタンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ヘプタコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ヘキサコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ノナコサンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]トリアコンタンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−12−チアトリアコンタンアミド。
N−ドコシル−p−ヒドロキシベンズアミド、N−ヘプタコシル−p−ヒドロキシベンズアミド、N−ヘキサコシル−p−ヒドロキシベンズアミド、N−ノナコシル−p−ヒドロキシベンズアミド、N−トリアコンチル−p−ヒドロキシベンズアミド、N−4−オキサオクタデシル−p−ヒドロキシベンズアミド、N−ドコシル−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−へプタコシル−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−ヘキサコシル−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−ノナコシル−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−トリアコンチル−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−4−オキサオクタデシル−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−ドコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−ヘプタサコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−ヘキサコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−ノナコシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−トリアコンチル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド、N−4−オキサオクタデシル−[3−(p−ヒドロキシフェニル)]プロピオンアミド。
N−(p−ヒドロキシベンゾイル)−N′−オクタデカノヒドラジド、N−(p−ヒドロキシベンゾイル)−N′−ドコサノヒドラジド、N−(p−ヒドロキシベンゾイル)−N′−ヘキサコシノヒドラジド、N−(p−ヒドロキシベンゾイル)−N′−トリアコンタノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ドコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−ヘキサコシノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−トリアコンタノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−12−チアトリアコンタノヒドラジド。
更に、本発明に係わる可逆性顕色剤の具体的な例としては、以下の構造式(1−1)から構造式(3−9)に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2017170774
Figure 2017170774
Figure 2017170774
本発明に用いられる化1で表される可逆性顕色剤は、1種または2種以上を併用してもよく、染料前駆体に対する化1の可逆性顕色剤の使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
本発明に係わる可逆性感熱記録層において、熱的及び/または機械的強度を向上させる等の目的で、可逆性感熱記録層にバインダー樹脂を添加することも可能である。バインダー樹脂の具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、(メタ)アクリル酸アミド−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸アミド−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらのバインダー樹脂の役割は、可逆性感熱記録層中に含まれている各素材が画像記録や画像消去の熱印加によって、片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には少なくとも耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。耐熱性、耐水性、接着性が要求される場合、硬化性樹脂は特に好ましい。
硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、製膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール化合物をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂に用いられるオリゴマー・モノマーとしては、種類も多く優れた放射線硬化特性を有するアクリル系オリゴマー・モノマーの他、ポリエン−チオール系オリゴマー・モノマー、光カチオン重合型エポキシオリゴマー・モノマー等が挙げられる。アクリル系モノマーは単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線硬化の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。
アクリル系オリゴマー・モノマーの例としては、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層において、好ましいバインダー樹脂であるポリオール化合物とイソシアネート化合物との反応により形成されるバインダー樹脂について説明する。ポリオール化合物としては、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アルキドポリオール、カプロラクトンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものをいい、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミド及びその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものをいい、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多塩基酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルこはく酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばポリブチロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンポリオールや、前記多塩基酸と多価アルコールに加え高級脂肪酸の3種を縮合して得られるアルキドポリオール等がある。ポリエーテルポリオールとは、主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールの他これらの分岐状エステル等がある。
ポリエーテルポリオールとしては、上記多価アルコールのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。シリコーンポリオールとしては、分子中にシロキサン結合を有し、かつ末端が水酸基を有するシリコーンオイル類等が挙げられる。
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、ポリオール水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタン等が利用できる。更には、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いてもよい。
本発明に用いるポリオール化合物としては、添加物分散性、塗工性、接着性、耐熱性及び皮膜強度等の総合評価から、ポリ(メタ)アクリルポリオール及びポリエステルポリオールが好ましい。本発明に用いるポリオール化合物は単独で1種、またはポリオール部分やそれ以外の部分構造の異なる、もしくは分子量等の異なる他の1種以上のポリオール化合物と併用しても良い。
更に、好ましくは、水酸基価80(KOHmg/g)以上のポリ(メタ)アクリルポリオール及びポリエステルポリオールが用いられるが、特に好ましくは90(KOHmg/g)以上600(KOHmg/g)以下である。水酸基価の大小は架橋密度に影響するため、塗膜の表面硬度、耐化学薬品性、耐久性等を左右する。水酸基価が80(KOHmg/g)以上の樹脂はポリイソシアネート化合物と反応して架橋密度の高いバインダー樹脂を形成するため、繰り返し印字・消去した際の可逆性感熱記録層の耐久性が向上して好ましい。水酸基価が600(KOHmg/g)を超えると可とう性が低下して加工時に塗工層が割れる場合がある。
本発明に用いるポリイソシアネート化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体三量体である三官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。本発明においては、イソシアネート化合物としてキシリレンジイソシアネートやトルエンイソシアネートを用いると印字濃度の向上により好ましく、更には、地肌の白色度の高いキシリレンジイソシアネートを使用するとより好ましい。
本発明に用いるポリイソシアネート化合物は、1種以上のポリオール化合物に対して、単1種または2種以上併用しても良い。ポリイソシアネート化合物及びポリオール化合物をともに複数種用いる場合は、その組合せは任意で良い。
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の混合物は、それぞれが液状の場合はそのままの混合物で用いても良いが、更にポリイソシアネート化合物と非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を溶解し、かつ染料前駆体や可逆性顕色剤を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が使用できる。なかでも、ポリイソシアネート化合物と反応性のある活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度30〜160℃、反応時間0.1分〜120時間で行えば良い。なお、反応温度が低い場合は長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
本発明に係る可逆性感熱記録層におけるバインダー樹脂の使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー樹脂の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲より大きくなると著しく印字濃度が低下する場合がある。逆にこの範囲より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度の低下、層の変形、印字濃度の低下が起きる場合がある。可逆性感熱記録層における該バインダー樹脂の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下が特に好ましい。
本発明の可逆性感熱記録材料において、可逆性感熱記録層には、消色促進剤として分子中にアミド、ウレタン、ウレア、ジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミドのいずれかの基を少なくとも1つ有する化合物や四級アンモニウム塩化合物を併用することが好ましい。消色促進剤の併用により、消去状態を形成する過程において、消色促進剤と可逆性顕色剤の間に分子間相互作用が働き、消去速度を速めることができる。
本発明で用いる消色促進剤としては、下記一般式(1)〜(8)で表される化合物が特に好ましい。
−CONH ・・・一般式(1)
−NHCONH ・・・一般式(2)
−CONH−R ・・・一般式(3)
−NHCONH−R ・・・一般式(4)
−NHCOCONH−R ・・・一般式(5)
−CONHNHCO−R ・・・一般式(6)
A−NHCONH−R ・・・一般式(7)
(R−R ・・・一般式(8)
ただし、一般式(1)〜(8)中、R及びRは同義であり、互いに同じであっても異なっていても良い炭素数1〜24の飽和または不飽和の炭化水素基であるが、分岐していても良いアルキル基及びアルケニル基、アラルキル基、アリール基を表し、更にこれらの基が、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基等によって置換されていても良い。R及びRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基、アリル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基及びフェニルエチル基等が挙げられる。Aはウレア結合と直接結合する窒素原子を有する二置換の非環状アミノ基、または窒素原子含有5及び6員環の複素環であり、複素環の場合、環中の窒素原子はウレア結合と直接結合している。Aが複素環である場合、5員環の具体例として、ピロリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、ピロール環、イミダゾール環及びピラゾール環等が挙げられ、6員環の具体例として、ピペリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環及びピペラジン環等が挙げられる。更に、非環状アミノ基及び複素環はアルキル基、アラルキル基、アリール基及びヒドロキシ基等で置換されていても良い。Zはアニオンを表し、ハロゲン、置換スルホネート、置換ホスフェート、置換ボレート、置換イミドであり、好ましくはハロゲンまたは置換スルホネートである。
一般式(1)〜(8)で表される消色促進剤は、それぞれ1種で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。可逆性顕色剤に対する使用量は、0.1〜100質量%、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。前記使用量が0.1質量%未満であると、消色促進効果が発揮されないことがあり、100質量%を超えると、印字濃度の低下、印字画像の耐熱安定性の低下が起こることがある。
また、本発明に係わる可逆性感熱記録層には、発色感度及び/または消色温度を調節するため、熱可融性物質を併用しても良い。熱可融性物質としては、60〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80〜180℃の融点を有するものが好ましい。熱可融性物質として、一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。熱可融性物質の例としては、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、しゅう酸ジベンジル、しゅう酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはしゅう酸ジエステル誘導体等が挙げられる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層には更に、耐光性改良等を目的として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シンナメート系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、本発明に係るベンゾトリアゾール系単量体、本発明に係る紫外線吸収構造を持つポリマー等を添加しても良く、好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が用いられる。これらの紫外線吸収剤や酸化防止剤は適宜併用しても良い。
これらは、それぞれの機能を発現する構造部分を有するモノマーを重合の一成分として含むポリマーや、ポリマー主鎖にこれら構造部分をグラフト化したものも用いることができる。また、これら酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等は、いずれか1種で使用しても良いし、同種または異種の2種以上を混合して使用しても良い。これら酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を併用する場合、染料前駆体に対する使用量は、0.1〜200質量%、好ましくは0.5〜100質量%、特に好ましくは1〜50質量%である。前記使用量が0.1質量%未満であると、改良効果が発揮されないことがあり、200質量%を超えると、印字濃度の低下、印字画像の耐熱安定性の低下が起こることがある。
その上、本発明に係わる可逆性感熱記録層には、顔料や滑剤を添加することができる。可逆性感熱記録層に添加することができる顔料等としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、及びゼオライト、シリカ、カオリン、焼成カオリン、タルク等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。また、可逆性感熱記録層に添加することができる滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩等を使用することができる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層の膜厚は、その組成と所望の印字濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。
本発明に係わる可逆性感熱記録層は、支持体の少なくとも一方の面に、少なくとも染料前駆体及び可逆性顕色剤、必要に応じバインダー樹脂及び消色促進剤等を含有する可逆性感熱記録層用塗液を塗工・成膜することによって形成される。染料前駆体、可逆性顕色剤、及び消色促進剤等を可逆性感熱記録層用塗液に含有させるための方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解もしくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し、均一化した後に冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。分散時には必要なら分散剤を用いても良い。
バインダー樹脂については、染料前駆体及び可逆性顕色剤等の化合物を単独または混合し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する前後に添加する方法、各々の化合物とバインダー樹脂を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法、各々の化合物を加熱溶解し、均一化した後に冷却し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する前後に添加する方法等が挙げられるが、いずれの方法においても染料前駆体及び可逆性顕色剤等の化合物に対する溶媒または分散媒にバインダー樹脂が溶解するように溶媒または分散媒を選定するのが好ましい。また、市販のバインダー樹脂で、予め溶媒に添加されている場合は、染料前駆体及び可逆性顕色剤等の化合物を溶解または分散する際の溶媒もしくは分散媒としてバインダー樹脂とともに用いても良い。
溶媒または分散媒としては具体的には、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が使用できる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層上に、耐熱性や繰り返し耐久性を向上する目的で保護層を設けてもよい。前記保護層に用いる樹脂として、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を主成分としていることが好ましく、特に電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂が好ましく、紫外線硬化性樹脂がより好ましい。
本発明に好適に用いられる紫外線硬化性樹脂として、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系等のオリゴマー;各種単官能、多官能の(メタ)アクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマー等が挙げられる。
これら必要に応じて併用されるモノマー、オリゴマーは、1種単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用することもできる。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ジイソシアネート類とポリオール類とヒドロキシ(メタ)アクリレート類とを反応させることによって得られ、分子中に官能基としてアクリロイル基(CH=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH=C(CH)CO−)と、ウレタン結合(−NHCOO−)とを有する。
ジイソシアネート類としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI]、イソホロンジイソシアネート[IPDI]、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)[HMDI]、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート[TMHMDI]、トリレンジイソシアネート[TDI]、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート[MDI]、キシリレンジイソシアネート[XDI]等が挙げられる。
ポリオール類としては、具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられるヒドロキシ(メタ)アクリレート類としては、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート[HEA]、2−ヒドロキシエチルメタクリレート[HEMA]、2−ヒドロキシプロピルアクリレート[HPA]、グリシドールジメタクリレート[GDMA]、ペンタエリスリトールトリアクリレート[PETA]、ポリカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、エピクロルヒドリン等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応により合成される。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、具体的には、無水フタル酸とプロピレングリコールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレート、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレート、トリメリット酸とジエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とからなるポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば1,2,6−ヘキサントリオール等のポリオールを、塩基性または酸性触媒(BF、NaOH)の存在下に、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドと反応させ、次いで、得られたポリエーテルと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより合成される。
(メタ)アクリレート系モノマーとしては、具体的には、アクリレート、メタクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)クリレート(DPH(M)A)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明に好適に用いられる紫外線硬化性樹脂として、(メタ)アクリレート基を有する樹枝状分枝化合物が特に好ましく用いられる。該樹枝状分岐化合物は、樹枝状に枝分かれした化合物であり、樹枝状であることにより分子末端に多くの(メタ)アクリレート基を有することができるため、(メタ)アクリレート基の密度を増加させ、(メタ)アクリレート基の隣接確率を上げて紫外線照射時の硬化を促進するものである。高い反応性を示し短時間で硬化反応が進行するため、紫外線硬化時の酸素阻害の影響を受けずに高硬度の層を成膜することができ、また硬化収縮を抑えて密着性を向上させることができる。アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の重合性官能基を分子末端に有する樹枝状分枝化合物であれば、モノマーであってもオリゴマーであっても良く、特に限定はされないが、分子中にハイパーブランチ構造を有する樹枝状オリゴマー、又は分子中にデンドリマー構造を有する樹枝状オリゴマーが好ましく、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係わる保護層において、紫外線を用いて硬化させる場合には、光重合開始剤、光重合促進剤を用いることができる。光重合開始剤はラジカル反応型とイオン反応型に大別でき、更に、ラジカル反応型は光開裂型と水素引抜き型とに分けられる。光重合開始剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタール(別名、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4′−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン、4′−t−ブチル−2,2−ジクロロアセトフェノン、4′−t−ブチル−2,2,2−トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルスルフィド、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。光重合開始剤は、単独又は2種以上混合して使用される。
また、光重合促進剤としては、ベンゾフェノン系やチオキサントン系等の水素引抜きタイプの光重合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があるものが好ましく、例えば芳香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系のものがある。具体的には、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これら光重合促進剤は、単独で又は2種以上混合して使用される。
これらの光重合開始剤及び光重合促進剤の添加量としては、保護層の樹脂成分全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、更に好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
本発明において、耐候性改良等を目的に可逆性感熱記録層と保護層との間にガスバリア層などの何らかの機能を持つ中間層を設けたり、発色感度向上等を目的に支持体と可逆性感熱記録層の間にアンダーコート層を設けたり、光反射層や空気層を設けても良い。特に、アンダーコート層には中空粒子を含有しても良い。また、支持体の片面のみに可逆性感熱記録層を設ける場合、支持体のもう一方の面にバックコート層を設けても良い。これらの層は、単層でも、2層以上の複数の層から構成されていても良い。また、これらの層は熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含有していることが好ましい。
本発明において、支持体上に設けられた保護層、中間層、紫外線吸収構造を持つポリマー含有層、可逆性感熱記録層、アンダーコート層等には、必要に応じて、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、硬膜剤、防腐剤、顔料、着色染顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤、滑剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明における各層を支持体上に積層し、可逆性感熱記録材料を形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロール及びトランスファロールコーター、ロールコーター、コンマコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。更に通常の乾燥工程の他、紫外線照射または電子線照射により、更には加熱等によるエージング等により各層を保持させることができる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗布、印刷することができる。
上記各層のいずれかに硬化性樹脂が含有されている場合には、樹脂種類に合わせて、加熱、紫外線照射、電子線照射による硬化を行う。紫外線照射は、公知の紫外線照射装置を用いて行うことができる。紫外線照射装置としては、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置等を備えたものが挙げられる。光源としては、例えば水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプ等が挙げられる。光源の波長は、光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波長に応じて適宜選択することができる。紫外線照射の出力や搬送速度は、紫外線硬化性樹脂を架橋するために必要な照射エネルギーに応じて決定される。
本発明の可逆性感熱記録材料には、オフセット印刷、グラビア印刷等の印刷;インクジェット記録層、熱転写受像層、昇華型熱転写受像層等の印字記録層を設けても良い。これらの印刷、印字記録層は、可逆性感熱記録層と積層して設けても良いし、可逆性感熱記録層と同一面の一部に設けても良い。また、可逆性感熱記録層を設けた面と反対側の面の一部または全面に設けても良い。印字記録層上に部分的にまたは全面的に硬化性樹脂を主成分とするオーバープリントニス(OPニス)層等を設けても良い。
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには、加熱に引き続いて冷却を急速に行えば良く、記録画像の消去を行うためには、加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロック等を押し当てるなどして急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却するため、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、及びタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱されるために熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。したがって、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態及び消色状態を任意に発現させることができる。
加熱に使用するレーザーとしては、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。半導体レーザー、YAGレーザーよる加熱を効率良く行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、例えば白金、チタン、ケイ素、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属または半金属の層、インモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物、ポリメチン化合物等の光熱変換色素が挙げられ、可逆性感熱記録層に分散状態または分子状態で含有することができる。好ましい光熱変換色素としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性、紫外光に対する耐光性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられ、特にフタロシアニン化合物が好ましい。可逆性感熱記録層に近接して光熱変換層を設ける場合は、銅薄膜や酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンスズ(ATO)等の膜による光熱変換層を用いることもできる。
フタロシアニン化合物の例としては、ナフタロシアニン化合物、無金属フタロシアニン化合物、鉄フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、ニッケルフタロシアニン化合物、バナジルフタロシアニン化合物、塩化インジウムフタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物等が好ましく、より好ましくは、バナジルフタロシアニン化合物、亜鉛フタロシアニン化合物、スズフタロシアニン化合物である。本発明に用いられるフタロシアニン化合物は吸収波長の調節、溶媒への溶解度の向上、耐光性の改良等の目的で、芳香環に置換基を有しても良い。置換基としては、アルキルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミド基、アミノ基、アルキルエステル基、アリールエステル基、塩素原子、フッ素原子等が挙げられる。芳香環に置換基が二つ以上ある場合に、それらは同一であっても異なっていても良く、また置換基同士が結合して環を形成しても良い。
光熱変換色素の使用量は、使用する光源の発振波長における吸光度が0.2以上になるように設定することが好ましい。この量より少ないと十分な発熱が得られず、記録感度が低下する。一方、光熱変換色素は可視部にも若干の吸収を有しており、使用量が多すぎるとコントラストの低下をもたらす。400nmから700nmの平均透過率が60%以上確保できるよう、光熱変換色素の使用量の上限を設定することが好ましい。光熱変換色素は、2種類以上を混合して用いることもできる。
光熱変換色素は、少なくとも染料前駆体と可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層に対して、同一の層か隣接する層の少なくとも一方に含有されることが好ましく、同一の層に含有されることが良好な感度を得る上でより好ましい。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は有効成分の質量基準であり、例えば溶媒はその部数が有効成分部数であるが、溶液、分散液はそれに含まれる溶質、分散質が有効成分部数である。
(実施例1〜3)
支持体として188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、下記に記載の(A)可逆性感熱記録層、(B)中間層、(C)保護層を順次積層した。
(A)可逆性感熱記録層の形成
染料前駆体として、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ペンチルアミノ)フルオラン20部、可逆性顕色剤として、構造式(2−2)の化合物100部、消色促進剤として、N,N′−ジオクタデシル尿素20部、及びN−(1−(4−メチル)ピペラジニル)−N′−オクタデシル尿素0.5部、ポリエステルポリオール(DIC(株)製、商品名:バーノック11−408、有効成分:70質量%)100部、メチルエチルケトン950部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで24時間分散し、分散液を得た。こうして得た分散液に、イソシアネート化合物(三井化学(株)製、商品名:タケネートD−110N、有効成分:75質量%)130部とメチルエチルケトン62部とを加えて十分に混合し、可逆性感熱記録層用塗液を調製した。可逆性感熱記録層用塗液を、188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、乾燥塗工量が10g/mとなるように塗工した後、100℃で1分間乾燥した後、更に50℃で24時間加熱処理して硬化させ、可逆性感熱記録層を形成した。
(B)中間層の形成
紫外線吸収剤(新中村化学工業(株)製、商品名:バナレジンUVR−8007、2−[2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタクリレート・シクロヘキシルメタクリレート・1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートの共重合体、有効成分:40質量%)100部、イソシアネート化合物(三井化学(株)製、商品名:タケネートD−110N、有効成分:75質量%)100部、メチルエチルケトン100部を加えて十分に混合し、中間層用塗液を調製した。(A)で設けた可逆性感熱記録層の上に、中間層用塗液を、乾燥塗工量が2.0g/mになるように塗工し、100℃で1分間乾燥した後、更に50℃で24時間加熱処理して硬化させ、中間層を形成した。
(C)保護層の形成
ハイパーブランチ構造を有する樹枝状オリゴマー(大阪有機化学工業(株)製、商品名:SIRIUS−501、有効成分:50質量%)100部、湿式法シリカ(富士シリシア化学(株)製、商品名:サイリシア350)8部、平板状ステアリン酸亜鉛(日油(株)製、商品名:ニッサンエレクトールMZ−2)0.5部、光重合開始剤(BASF社製、商品名:イルガキュア184)5部、酢酸エチル200部を混合した。こうして得られた混合液をビーズミルで処理し、保護層用塗液を調製した。(B)で設けた中間層の上に、保護層用塗液を乾燥塗工量が3g/mになるように塗工し、120℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー120W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化させて保護層を設けた。
(D)微細なドット形状の集合体による潜像の形成
波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを用い、平均出力30W、スキャン速度6,000mm/秒にて、可逆性感熱記録材料の該可逆性感熱記録層が設けられている方の面に、直径1.0μm、深さ2.0μmになるようにドット形状の集合体による潜像を形成し、実施例1の可逆性感熱記録材料を得た。ドット形状の集合体による潜像は、大きさ3mmの数字の3とアルファベットのAの文字を、50μmの間隔でドット形状を形成することにより作成した。
実施例1のスキャン速度とスキャン回数を、直径0.7μmおよび深さ1.2μm、直径1.3μmおよび深さ4.1μmになるように調整して、実施例2および実施例3の可逆性感熱記録材料を得た。
(比較例1〜4)
実施例1のスキャン速度とスキャン回数を、直径0.8μmおよび深さ0.8μm、直径1.2μmおよび深さ0.7μm、直径2.1μmおよび深さ4.3μm、直径1.4μmおよび深さ5.4μmになるように調整して、比較例1〜4の可逆性感熱記録材料を得た。
(評価)
実施例1〜3および比較例1〜4で得られた可逆性感熱記録材料を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017170774
(E)潜像性(目視確認)
白色LEDの光源下で、可逆性感熱記録材料に当たる光が照度500luxになるように光源を調整し、可逆性感熱記録材料の該可逆性感熱記録層が設けられている方の面の、大きさ3mmの数字の3とアルファベットのAの2つの文字を目視で確認した。潜像は目視で確認できない方が良好である。
A:どちらの文字も目視で確認できない。
B:どちらか一方の文字が目視で確認できる。
C:両方の文字が目視で確認できる。
(F)読み取り性(光学機器による潜像の読み取り)
赤色LEDを用い、可逆性感熱記録材料に対して45度の角度から660nmのレーザー光源の平行光線を照射し、正反射光をCCDカメラで読み取った。光学機器を用いて文字が確認できる方が良好である。
A:両方の文字が確認できる。
B:どちらか一方の文字が確認できる。
C:どちらの文字も確認できない。
(G)潜像の消去性
8dot/mmのサーマルヘッドを用い、ドット形状の集合体が形成されている場所に、1.2mj/dotになるように熱エネルギーを加えて、微細なドット形状の集合体による潜像を消去した。なお、同じサーマルヘッドでの可逆性感熱記録材料の印字(発色)に必要な熱エネルギーは、0.4〜0.5mj/dotである。なお、mj/dotはサーマルヘッドの印加エネルギーの単位であり、8dot/mmとはサーマルヘッドの発熱体素子が1mm当たり8個あると言う意味である。本発明のドット形状の集合体のドット1個当たりと言う意味ではない。
潜像を消去した部分を、(E)および(F)と同様の方法にて、目視確認および光学機器にて文字を確認した。文字が確認できない方が良好である。
A:どちらの文字も確認できない。
B:どちらか一方の文字が確認できる。
C:両方の文字が確認できる。
実施例3と比較例3の比較より、ドット形状の直径が小さいと、目視で潜像が確認できず良好である。また、実施例3と比較例4の比較より、ドット形状の深さが浅いと、目視で潜像が確認できず良好である。実施例1および3と、比較例1および2との比較より、ドット形状の深さが深いと、光学機器による読み取りがし易くなり良好である。また、実施例3と比較例3との比較より、ドット形状の直径が大きいと、潜像の消去性が悪くなる。また、実施例3と比較例4の比較より、ドット形状の深さが深いと、潜像の消去性が悪くなる。
本発明の可逆性感熱記録材料は、明瞭なコントラストを持つ画像の形成と消去を繰り返すことが可能なだけでなく、トレーサビリティ用のカードに適用可能な可逆性感熱記録材料である。具体的な用途としては、交通機関の定期券や各種プリペイドカード、ポイントカード等の磁気カード、ICカード、ICタグ、工場や倉庫等物流の現場で使用されるカンバンや帳票として、好適に利用可能である。

Claims (1)

  1. 支持体上に、通常無色ないし淡色の染料前駆体および、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤を含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、該可逆性感熱記録層が設けられている方の面に、深さ1〜5μm、直径0.5〜1.5μmの微細なドット形状の集合体による潜像が形成されていることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
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