JP2001099944A - 放射線検出器のノイズリダクション方法、放射線検出器、放射線診断装置 - Google Patents
放射線検出器のノイズリダクション方法、放射線検出器、放射線診断装置Info
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Abstract
ション(滅殺する)方法を提供する。 【解決手段】 放射線検出器のノイズリダクション方法
は、入射した放射線を放射線検出部で検出するステップ
と、放射線検出部はマトリクス状(in matrix)にアレイ
された複数の画素を有する、検出信号を放射線検出部か
ら読み出し部を経由して読み出すステップと、読み出さ
れた検出信号を補正する補正ステップとからなる。さら
に、補正ステップは、放射線検出部に起因するノイズの
補正値に基づいて検出信号を補正する第1サブステップ
と、読み出し部に起因するノイズの補正値に基づいて検
出信号を補正する第2サブステップとを有する。第2サ
ブステップは第1サブステップよりも前に実行される。
Description
を、その強度に応じて電気信号に変換する放射線検出器
ノイズリダクション方法及びこれらを用いた放射線診断
装置に関する。
は、マトリックス状にアレイされた複数の画素を有す
る。各画素は、光電変換素子と、画素電極とを有する。
放射線が光電変換素子に入射すると、光電変換素子でそ
の入射強度に応じた量の電荷が発生する。この電荷は、
画素電極を経由して、キャパシタに蓄積される。蓄積さ
れた電荷は、電気信号として、読み出し部を経由してキ
ャパシタから読み出される。
成例を示す図である。この図において、2次元マトリッ
クス状に配置された複数の画素電極71は、被写体を通
過して入射した放射線の強度に応じて光電変換膜に生じ
た電荷を収集するものである。各画素電極71には、こ
の収集された電荷(画素電荷)を蓄積するために、電荷
蓄積素子として用いられるキャパシタがそれぞれ接続さ
れている。また、各キャパシタに蓄積された画素電荷
は、薄膜トランジスタ(TFT)72を経由して読み出
される。
ートをオンするためのゲート電圧をゲート線73に選択
的に印加する。選択されたゲート線73に接続されてい
る複数のTFT72は一斉にオンされる。これにより、
同一行のキャパシタ電荷は電気信号(以下、検出信号と
いう)として信号線75を介して増幅器76に読み出さ
れる。その後、増幅された検出信号は、マルチプレクサ
77を経由して順番にA/Dコンバータ78に送られ
る。
平行に敷設される層と信号線75の各々が平行敷設され
る層とは、絶縁膜の層を挟んで、図1の紙面の垂直方向
に互いが重なるように形成されている。つまり、ゲート
線73と信号線75とは別々の層(レイヤ)として形成
されていて、かつ相互に短絡することがないようにされ
ているのである。
射線画像をデジタル化することにより、放射線画像の伝
送、蓄積、検索等の面で従来の放射線撮影フィルムと比
較して非常に有利であり、今後ますます普及していくも
のと考えられる。また、放射線を直接デジタル化する上
述した放射線検出器は、従来のフィルムデジタイザ方式
などと比較して簡便にデジタル画像を得ることができる
というメリットも有している。
来の平面型放射線検出器においては、その検出信号に、
「外乱要因」となるノイズ成分が重畳される。これによ
り、被写体の正確な情報を得ることが一般に容易ではな
いという問題点があった。ここに、一応「外乱要因」と
名付けたものとしては、具体的に、以下に示すような二
つの要因を考えることができる。
e)」に関わっている。上記した画素電極71に付設され
る光電変換膜では、自由電子のランダムな熱運動等が原
因となって、放射線の入射がない場合でも、一般に「暗
電流」と呼ばれる電流が発生していることが知られてい
る。また、上記増幅器76においては、通常いつでも、
オフセットノイズ電圧が観測される。これら暗電流やオ
フセットノイズ電圧は、信号線75及び増幅器76を介
して、最終的に画像として構成されてしまい、いわゆる
「暗時画像」を形成することとなる。
を基にして構成される画像は、上記暗時画像が、本来知
りたい正規の画像上に重畳された状態で得られることに
なる。したがって、正確な画像を得るためには、全体の
情報から暗時画像に係る情報を差し引かなければならな
い。
されており、例えば暗時画像に係る補正情報を予め入手
しておき、これを検出時の情報から差し引くという手法
が提案されていた。しかしながら、上記暗電流及びオフ
セットノイズ電圧は、一般に温度によって変動し、これ
に応じて暗時画像も変化することになるから、上記手法
はあまり有効なものとはいえなかった。つまり、この手
法においては、補正情報が固定されているため、放射線
検出器の運転時間等に応じて、時々刻々変化する現実の
状況(温度)に対応できないという問題点があったので
ある。
TFT72の駆動方法によっても変化する。というの
は、TFT72は、理想的なスイッチング素子ではな
く、オン/オフいずれの状態のときも有限な抵抗値を持
つものだからである。この特性は次のような問題を生じ
させる。すなわち、アレイの駆動シーケンスに従って、
本来得るべき電流ないし電荷情報に関して、その散逸が
生じたり、また余分な成分の加算が生じたりするのであ
る。具体的には、例えば、駆動シーケンスとして、図1
における第i行目のゲート線73を駆動(その線上にあ
るTFT72をオンに)して対応する画素電極71の電
荷情報を取り出し、次に、当該第i行ゲート線73の駆
動を停止(TFT72をオン)すると同時に第i+1行
目のゲート線73を駆動する、という一般的なシーケン
スを考えると、次の二点について電流の散逸及び加算が
生じることが考えられる。
72におけるオン/オフ動作に伴う電流の散逸である。
これは、TFT72オン時には信号線75と画素電極7
1の電位は等しいが、当該TFT72がオフになると画
素電極71の電位低下が生じることによるものである。
これを詳しく説明すると、まずTFT72オン時、TF
T72のソース側に想定されるキャパシタ(容量Cgs
とする)に関しては、図2Aに示すように、 Q=Cgs・Von なる電荷が蓄えられる。このとき、図1及び図2Aから
もわかる通り、画素電極71に付設されるキャパシタ
(容量Cpxとする)と前記キャパシタCgsとの接続
部分は接地した状況(GNDレベル)にある。次に、T
FT72がオフになると、前記接続部分がGNDレベル
から切り離されることと、キャパシタCgsに蓄えられ
た電荷QがキャパシタCpx及びCgsに分配されるこ
ととを併せ考えると、図2Bを参照しつつ、 −Q=−Q’+Q'' Voff−Q’/Cgs−Q''/Cpx=0 なる関係が成立することがわかる。ここに、Q’はキャ
パシタCgsの電荷、Q''はキャパシタCpxの電荷で
ある。以上の三式からキャパシタCpxに関するQ''に
注目して、これを求めると、 Q''=−C’・(Von−Voff) となる。ただし、C’=Cpx・Cgs/(Cpx+C
gs)である。
ける電位、すなわち当該画素電極71の電位Vは、 V=Q''/Cpx=−(C’/Cpx)・(Von−V
off) となり、かつVon>Voffが一般に成り立つから、
V<0であることになる。すなわち、TFT72がオフ
になると、電位は低下するのである。
72のオン/オフ動作に伴い、画素電極71の電位が低
下すると、結果、TFT72のソース・ドレイン間に電
圧がかかることになり、当該部位に電流が生じることに
なる。そして、このことにより画素電極71には余分な
電荷が蓄積されるから、その後再び第i行ゲート線73
が駆動されるときには、この余分な電荷情報が加算され
て読み出されてしまい正確な情報が得られなくなるので
ある。なお、このような電荷の加算を、以下の説明では
便宜上「第1種のオフセットノイズ」と呼ぶことにす
る。
線73が駆動している状況を仮定すると、そのときには
第i行ゲート線73のみならず残るすべてのゲート線7
3が駆動されていない状態となっている。このとき、本
来ならば信号線75を介して、第i+1行ゲート線73
に連なる画素電極71の有する電荷情報が残らずマルチ
プレクサ77に到達すべきことが期待されるが、当該信
号線75は第i+1行目以外のすべてのゲート線73に
接続されているから、それらへの電流流出が生じてしま
うのである。そして、このようにして第i+1行目以外
に流れた電流は画素電極71に余分な電荷として蓄えら
れることになるから、後に電荷情報を読み出そうとする
際、上述と同様に、その余分な情報が加算されてしまい
正確な情報が得られなくなる。なお、このような電荷の
加算を、以下の説明では便宜上「第2種のオフセットノ
イズ」と呼ぶことにする。また、第i+1番目のゲート
線に注目した上記説明が、他のすべてのゲート線が駆動
する場合においても全く同様にあてはまることは明らか
である。つまり、ゲート線が駆動される度に、この第2
種のオフセットノイズの原因となる電荷は一般に増加し
ていくのである。
レクサ77を介して得られる画像に係る情報(検出信
号)は、これら第1種及び第2種のオフセットノイズが
各々加算された状態として得られることになる。また、
これらの「量」は、上の説明から明らかなように、ゲー
ト線の駆動方法等に依存するため、常に一定ではない
(この点、発明の実施形態の項にて詳述)。そして、こ
れら第1種及び第2種のオフセットノイズの加算分は、
当該加算分単独としては暗時画像を構成することになる
から、これが、先に説明した暗電流及びオフセットノイ
ズに起因して構成される暗時画像に影響を及ぼし、結
局、暗時画像を時々刻々変動させる要因となるのであ
る。したがって、正確な画像を得ようとする場合におい
て、暗時画像を補正しようとするときには、このような
変動分も考慮にいれ、かつ対処する必要もあるのであ
る。
は、ノイズ成分の発生に関するものである。上記におい
ては、平面型放射線検出器におけるゲート線73と信号
線75とが、絶縁膜の層を介して別々の層に形成される
ことについて説明した。ところで、このような構成か
ら、ゲート線73及び信号線75の両者は、各々が交差
する部分を必然的に有することになるが、この交差部は
あかたも容量(キャパシタ)としての作用を有する部位
となる。実際、信号線75の電圧を一定とした場合に
は、ゲート線73の電圧によってこの交差部容量に電荷
が蓄積されることになる。
電圧が一定である、というような理想的な状態を想定す
ると、前記交差部に蓄積される電荷量も一定であり、特
に大きな問題は生じない。ところが、現実にはゲート線
73電圧にはゆらぎが生じており、前記交差部容量に蓄
積される電荷が時間変動することになる。そして、この
電荷の変化は、信号線75に伝わり、検出信号における
「ノイズ成分」となってしまうのである。このノイズ成
分は、同一のゲート線73に連なる画素電極71におい
ては、同じ電圧の変動が加わることになるので、結果、
同一のノイズ成分がマトリックス各行について固有に加
わることになる。
で横線状のアーチファクトとなって現われることから、
一般に「横引ノイズ」と呼称される場合がある。本明細
書においては、上記態様のノイズを指示するに際し、こ
の「横引ノイズ」なる呼称を用いることとし、また、そ
の量をn(i)と表すことにする。ここに添字iは、マト
リックス第i行であることを表している。
段としては、すでに特開平9−197053号公報にお
いて提案されている。それによれば、放射線を入射させ
ないようにしたシールド画素からの出力を、放射線が通
常通り入射する非シールド画素の出力から差し引くこと
によって、当該横引ノイズn(i)の補正を行なうとする
ものである(ただし、当該公報においては「横引ノイ
ズ」ではなく、「共通モードノイズ」と呼称してい
る)。
ルド画素の出力に加わるノイズ、例えば読み出した後の
後段回路において加わるノイズを補正することなく、当
該ノイズが見込まれたままの出力信号を非シールド画素
の出力信号から差し引く方法となっているので、かえっ
てノイズの増加をもたらし正しい情報を得難くする、と
いう可能性があるという問題があった。
確な画像を得ようとする際の障害となるから、得られた
検出信号をそのまま利用するのではなく、当該外乱要因
の性質に応じて、正しい補正を実施しなければならな
い。
検出器におけるいずれの箇所で発生したものであるかの
知見に基づきかつこれに応じて、当該箇所「のみ」に関
するゲインノイズ(意図しない不要な増幅率)やオフセ
ットノイズ(意図しない不要なオフセット量)等を利用
し補正を行うようにすれば、正確な画像を得る目的にお
いてより有意義である。例えば、上記した暗時画像にし
ても、光電変換膜内の暗電流に起因する暗時画像と増幅
器76に起因するそれとは、前者が放射線検出部、後者
が読み出し部、とそれぞれの発生箇所が異なり、また、
これら放射線検出部及び読み出し部は各々固有のゲイン
ノイズないしオフセットノイズ量を有しているから、こ
れらの値を上記各部個別に得ることができれば、適切な
補正に寄与し得る。しかしながら、従来においては、放
射線検出部出力による信号線75のアンプ入力容量が大
きいため、S/N比が劣化することによって、放射線検
出部又は読み出し部のみに関するゲインノイズないしオ
フセットノイズを取得することは一般に困難とされてい
た。
イズに起因するノイズだけでなく、ゲート線印加電圧の
時間変動に起因する横引きノイズを、効率的にリダクシ
ョンできるノイズリダクション方法及び放射線検出器並
びに放射線診断装置を提供することにある。
放射線検出器のノイズリダクション方法において、入射
した放射線を放射線検出部で検出するステップと、前記
放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複数の画素
を有し、前記検出信号を前記放射線検出部から読み出し
部を経由して読み出すステップと、前記読み出された検
出信号を補正部で補正する補正ステップとを有し、前記
補正ステップは、前記放射線検出部に起因するノイズに
対応する第1補正値に基づいて前記検出信号を補正する
第1サブステップと、前記読み出し部に起因するノイズ
に対応する第2補正値に基づいて前記検出信号を補正す
る第2サブステップとを有し、前記第2サブステップは
前記第1サブステップよりも前に実行されるものであ
る。
は、前記読み出し部のゲインノイズに対応することを特
徴とするものである。
は、前記放射線検出部のゲインノイズと前記放射線検出
部の横引ノイズとに対応し、前記第2補正値は、前記読
み出し部のゲインノイズに対応することを特徴とするも
のである。
インノイズを取得するステップは、前記読み出し部を前
記放射線検出部から電気的にセパレートするサブステッ
プと、前記読み出し部に対してキャリブレーション信号
を供給するサブステップと、前記供給されたキャリブレ
ーション信号にレスポンスする前記読み出し部の出力信
号に基づいて前記読み出し部ゲインノイズを求めるサブ
ステップとを有することを特徴とするものである。
ノイズを取得するステップは、前記読み出し部を前記放
射線検出部から電気的にセパレートするサブステップ
と、前記検出部に対してキャリブレーション信号を供給
するサブステップと、前記供給されたキャリブレーショ
ン信号にレスポンスする前記読み出し部の出力信号に基
づいて前記検出部ゲインノイズを求めるサブステップと
を有することを特徴とするものである。
インノイズの情報は、前記読み出し部の初期製造段階で
予め測定され、前記補正部内にストアされていることを
特徴とするものである。
ノイズの情報は、前記放射線検出部の初期製造段階で予
め測定され、前記補正部内にストアされていることを特
徴とするものである。
インノイズの情報は、前記読み出し部の定期検査時に取
得され、前記補正部内にストアされていることを特徴と
するものである。
ノイズの情報は、前記検出部の定期検査時に取得され、
前記補正部内にストアされていることを特徴とするもの
である。
を放射線検出部で検出するステップと、放射線検出部は
マトリクス状にアレイされた複数の画素を有し、前記検
出信号を前記放射線検出部から読み出し部を経由して読
み出すステップと、前記読み出された検出信号を補正す
る補正ステップとからなり、前記補正ステップは、前記
検出部のオフセットノイズと前記読み出し部のゲインノ
イズとの乗算値に前記読み出し部のオフセットノイズを
加算した結果を、前記検出信号から差分する第1サブス
テップと、前記第1サブステップの差分結果に前記読み
出し部のゲインノイズの逆数を乗算する第2サブステッ
プと、前記第2サブステップの乗算結果から前記検出部
の横引ノイズを差分する第3サブステップと、前記第3
サブステップの差分結果から、前記検出部のゲインノイ
ズの逆数を乗算する第4サブステップとを有する、こと
を特徴とするものである。
を放射線検出部で検出するステップと、放射線検出部は
マトリクス状にアレイされた複数の画素を有し、前記検
出信号を前記放射線検出部から読み出し部を経由して読
み出すステップと、前記読み出された検出信号を補正す
る補正ステップとからなり、前記補正ステップは、前記
読み出し部のオフセットノイズを、前記検出信号から差
分する第1サブステップと、前記第1サブステップの差
分結果に前記読み出し部のゲインノイズの逆数を乗算す
る第2サブステップと、前記第2サブステップの乗算結
果から前記検出部のオフセットノイズを差分する第3サ
ブステップと、前記第3サブステップの差分結果から、
前記検出部の横引ノイズを差分する第4サブステップ
と、前記第4サブステップの差分結果に、前記検出部の
ゲインノイズの逆数を乗算する第5サブステップとを有
する、ことを特徴とするものである。
を放射線検出部で検出するステップと、放射線検出部は
マトリクス状にアレイされた複数の画素を有し、前記検
出信号を前記放射線検出部から読み出し部を経由して読
み出すステップと、前記読み出された検出信号を補正す
る補正ステップとからなり、前記補正ステップは、前記
検出部のオフセットノイズと前記読み出し部のゲインノ
イズとの乗算値に前記読み出し部のオフセットノイズを
加算した結果を、前記検出信号から差分する第1サブス
テップと、前記第1サブステップの差分結果から、前記
検出部の横引ノイズに前記読み出し部のゲインノイズを
乗算した値を、差分する第2サブステップと、前記第2
サブステップの差分結果に、前記検出部のゲインノイズ
と前記読み出し部のゲインノイズとの乗算値の逆数を乗
算する第3サブステップとを有する、ことを特徴とする
ものである。
至12のいずれか1項に記載の放射線検出器のノイズリ
ダクション方法を用いた放射線診断装置である。
を検出する放射線検出部、前記放射線検出部はマトリク
ス状にアレイされた複数の画素を有し、前記放射線検出
部で検出された検出信号を前記放射線検出部から読み出
す読み出し部、前記読み出し部は、選択的に仕様可能な
複数の読み出し方式を有しており、前記読み出し方式各
々に対応する補正値を、前記読み出し方式毎に記憶する
記憶部と、前記記憶部から読み出し方式に応じて選択的
に読み出された補正値に基づいて、前記出力された検出
信号を補正する補正部と、からなることを特徴とするも
のである。
前記検出信号から、読み出し方式に対応した、前記記憶
部に記憶されている補正値を差分する差分器を有するこ
とを特徴とするものである。
が入射しないときの前記放射線検出部からの出力信号の
値を、前記読み出し方式毎に前記記憶部に記憶させるメ
モリ制御器を有することを特徴とするものである。
器は、前記放射線検出部への放射線の入射が停止したと
きに前記記憶部の書き込み動作を開始させるとともに、
前記放射線検出部に放射線が入射されたときに前記書き
込み動作を停止させることを特徴とするものである。
部は、複数のゲート線と、前記ゲート線に交差する複数
の信号線と、前記ゲート線と前記信号線との複数の交点
付近に配置された複数の画素とを有する、前記画素各々
は光電変換素子とペアの画素電極とを有し、前記読み出
し部は、前記画素電極と前記信号線との間に配置された
複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子のゲ
ートには前記ゲート線が接続される、前記ゲート線に選
択的に所定電圧を印加するゲート線ドライバとを有し、
前記複数の読み出し方式は、互いに、前記ゲート線ドラ
イバによる前記ゲート線の駆動手順が相違することを特
徴とするものである。
出し方式は、前記ゲート線を個別に駆動する第1の読み
出し方式と、前記ゲート線を所定のグループ単位で駆動
する第2の読み出し方式と、一部のゲート線を前記第1
又は第2の読み出し方式で駆動する第3の読み出し方式
と、前記ゲート線の駆動時間を短縮して前記第1乃至第
3の読み出し方式を実施する第4の読み出し方式とを含
むことを特徴とするものである。
補正値は、同一の読み出し方式で繰り返し収集された補
正値の加算平均であることを特徴とするものである。
乃至20のいずれか1項に記載の放射線検出器を備えた
放射線診断装置である。
を検出する放射線検出部、前記放射線検出部はマトリク
ス状にアレイされた複数の画素を有し、前記検出信号を
前記放射線検出部から読み出す読み出し部と、前記読み
出された検出信号を補正する補正部を有し、前記複数の
画素の一部は、前記放射線に対して実質的にシールドさ
れている、前記補正部は、前記シールドされている画素
から信号に基づいて前記シールドされていない画素から
の信号を補正することを特徴とするものである。
は、前記画素からの信号を増幅する複数の増幅器を有す
る、前記シールドされている画素に対応する増幅器の増
幅率は、前記シールドされていない画素に対応する増幅
器の増幅率よりも高いことを特徴とするものである。
キャパシタを含み、前記シールドされている画素に対応
する増幅器のキャパシタの容量は、前記シールドされて
いない画素に対応する増幅器のキャパシタの容量よりも
低いことを特徴とするものである。
れた画素の出力信号に、前記シールドされた画素に対応
する増幅器のキャパシタ容量に対する前記シールドされ
ていない画素に対応する増幅器のキャパシタ容量の比を
乗算する乗算器と、前記乗算結果を、前記シールドされ
ていない画素の出力信号から差分する差分器とを有する
ことを特徴とするものである。
を検出する放射線検出部、前記放射線検出部はマトリク
ス状にアレイされた複数の画素を有し、前記検出信号を
前記放射線検出部から読み出す読み出し部と、前記読み
出された検出信号を補正する補正部と、前記複数の画素
の中の一端に位置された第1の画素(複数)と、他端に
位置された第2の画素(複数)とは、前記放射線に対し
て実質的にシールドされている、前記補正部は、前記第
1及び第2の画素からの信号に基づいて前記シールドさ
れていない画素からの信号を補正することを特徴とする
ものである。
前記シールドされていない画素の信号を、前記第1の画
素の信号と前記第2の画素の信号との距離補間値に基づ
いて補正することを特徴とするものである。
乃至27のいずれか1項記載の放射線検出器を備えた放
射線診断装置である。
を検出する放射線検出部と、前記放射線検出部はマトリ
クス状にアレイされた複数の画素を有し、前記検出信号
を前記放射線検出部から読み出す読み出し部と、前記読
み出し部を、前記放射線検出部からセパレートする複数
のスイッチング素子とを有することを特徴とするもので
ある。
グ素子により前記放射線検出部からセパレートされた前
記読み出し部にキャリブレーション信号を供給するキャ
リブレーション信号発生器と、前記キャリブレーション
信号にレスポンスする前記キャリブレーション信号発生
器の出力信号に基づいて、補正値を演算する計算部と、
前記補正値に基づいて、前記放射線検出部から前記読み
出し部を経由して読み出された信号を補正する補正部と
を有することを特徴とするものである。
前記読み出し部のゲインノイズ及び/又はオフセットノ
イズに対応していることを特徴とするものである。
ゲインノイズの情報は、前記読み出し部の初期製造時に
取得され、前記補正部内に記憶されることを特徴とする
ものである。
インノイズの情報は、前記読み出し部の定期検査時に取
得され、前記補正部内に記憶されることを特徴とするも
のである。
インノイズの情報は、前記画素の列ごとに個別に固有値
として求められることを特徴とするものである。
乃至34のいずれか1項に記載の放射線検出器を備えた
放射線診断装置である。
形態について図面を参照して説明する。
線検出器Qは、X線の投影画像を発生するX線診断装
置、X線の投影データから断面画像データ(X線吸収分
布)を再構成するX線コンピュータトモグラフィ装置等
のモダリティに装備される主要な構成要素である。
に、放射線検出部Q1、信号読み出し部(読み出し部)
Q2、及び画像収集部Q3により構成されている。放射
線検出部Q1は、マトリックス状にアレイされた複数の
画素を有する。各画素は、光電変換素子と、画素電極1
とを有する。放射線が光電変換素子に入射すると、光電
変換素子でその入射強度に応じた量の電荷が発生する。
この電荷は、画素電極を経由して、キャパシタに蓄積さ
れる。信号読み出し部Q2は、ゲート線ドライバ2及び
マルチプレクサ3を有する。画像収集部Q3は、補正デ
ータメモリユニット4を有する。
変換膜に貼り付けられている。光電変換膜は、放射線が
入射すると、その強度に応じた量の電荷を発生する。電
荷は、画素電極1を介して、積層キャパシタ(蓄積素
子)に蓄積される。
情報への変換方式としては、前記光電変換膜として高電
界下のフォトコンダクタとして機能するアモルファスセ
レニウム(Se)層を用いる直接変換方式と、入射した
放射線を一旦光に変換するヨウ化セシウム(CsI)結
晶により構成されたシンチレーション層を用いる間接変
換方式とが存在する。
構成を有する。電源100により電圧印加電極101に
高電圧が印加された状態で、アモルファスセレニウム層
102に放射線が入射すると、入射した放射線が電荷の
生成に寄与し、電荷蓄積用電極103を通して各画素に
設けられているキャパシタ104に電荷が積層される。
したがって、図4に示す構成においては、放射線−電荷
という直接的な変換機能を有することになる。
に示すような構成を有する。シンチレーション層105
に入射した放射線が一旦光に変換される。そして変換さ
れた光は、フォトダイオード106によって、その強度
に応じた量の電荷に変換される。さらに、この変換され
た電荷は、電荷蓄積用電極107を通して各画素のキャ
パシタ108に蓄積される。したがって、図5に示す構
成においては、放射線−光−電荷という間接的な変換機
能を有することになる。ここで、上記電荷蓄積用電極1
03、107とはつまり前記画素電極1に、上記キャパ
シタ104、108とはつまり前記蓄積キャパシタに、
そして、図4におけるアモルファスセレニウム層102
と図5におけるシンチレーション層105及びフォトダ
イオード106とはつまり変換素子に、各々対応する関
係にある。
間接方式とのいずれを採用してもよい。また具体的な物
質(セレニウム、ヨウ化セシウム)はあくまでも例示で
あるにすぎず、本発明はこれによって特に限定されるも
のではない。
に複数用意され、かつそれらがマトリックス状(in matr
ix)に配列されている。また、これら複数の画素電極1
においては、図3におけるマトリックス内の最も左の列
に配置された画素電極1は放射線に対して実質的にシー
ルドされている。この画素電極1をシールド画素電極1
Aと称する。他の列の画素電極1は、シールドされてい
ない。
は、その画素電極1Aについては「放射線が入射しな
い」又は「放射線が入射してもそれによって発生した電
荷が画素電極に到達しないようになっている」状態が実
現される構造を意味している。本発明は、その状態を実
現する具体的手段に関して特にこだわりを有するもので
はない。すなわち、どのような手段をとるにしても、要
は「実質的にシールドされている」状態が実現されれば
それでよい。例えば、最も簡単な手段としては、放射線
に対して遮断機能を有する鉛等で構成された「覆い」を
画素電極上に設けるような場合が想定されよう。またそ
の他、例えば図4に示した構成でいえば、マトリックス
第1列の部分については電圧印加電極101を設けない
形態とする等して、実質的に放射線−電荷変換機能を奪
い、そのことによって、「放射線がシールドされてい
る」状態を実現するようにしてもよい。本発明における
「シールド」なる用語は、このような概念も含むものと
する。
ポジションは、マトリックス中最も左の列であることに
限定されるものでは当然にない。すなわち、シールド画
素電極1Aを第何列に配置するかは基本的に自由であ
る。具体的には例えば、マトリックス中最も右の列に位
置するように配置してもよいし、さらに、シールド画素
電極1Aの配置列数も一列に限られなければならない理
由はないから、マトリックス中左右両方の複数列に配置
するような形態としてもよい。
電極1のマトリックスにおける行数を表す記号として
「i」を、同じく列数を表す記号として「j」を、それ
ぞれ導入する。そして、これら複数の画素電極1及び1
Aのすべては、当該マトリックスの行方向についてはゲ
ート線G(i)(G(1),G(2),・・・,G(n))により、同
じく列方向については信号線S(j)(S(1),S(2),・・
・,S(n))により、電気的に接続、又は後述の薄膜トラ
ンジスタ(TFT)により接続可能な状態となってい
る。
り、すべてのゲート線G(1),G(2),・・・,G(n)を指示
する場合には単に符号「G」を、同じく全ての信号線S
(1),S(2),・・・,S(n)については単に符号「S」を、
それぞれ使用して説明することとする。
イバ2は、ゲート線Gの駆動順序を制御し、電荷情報の
秩序的な読み出しを可能とするものである。この制御
は、ゲート線Gと各画素電極1及び1Aにつき付設され
ている蓄積キャパシタの各々との間に介装されている薄
膜トランジスタ(TFT)5に対して制御信号を送り、
当該TFT5のオン/オフ動作を司ることによって行わ
れる。すなわち、TFT5は、蓄積キャパシタに備えら
れている電荷情報を読み出すスイッチング素子としての
作用を有するものである(図6参照)。なお、ここにい
う電荷情報とは、各蓄積キャパシタにおいて固有な情報
であって、それぞれの画素電極1が独立に得た放射線情
報(放射線強度)が各々の光電変換膜により独立に変換
されたものであることは言うまでもない。ただし、シー
ルド画素電極1Aに関する電荷情報については、それが
放射線情報を変換したものでないことは言うまでもな
い。
と増幅器6を介して接続されており、当該信号線Sによ
り列毎に送られてくる信号を受領してその選択を行い、
当該選択された信号を以下に続く回路等に対し検出信号
として出力するものである。ここで増幅器6とは、図3
に示すように、積分アンプ6a及びこれに並列接続され
たキャパシタ6bにより構成され、各信号線Sにつき前
記二次元マトリックス外に位置するよう備えられてい
る。この増幅器6により、マトリックス内の各行に位置
する画素電極1及び1Aから出力されかつ列毎に収集さ
れた出力信号が増幅されることになる。
Sは、図7に示すように、そのそれぞれが敷設される各
層が、前記マトリックスを断面視した状態で、相対的に
上下関係にあるように配置され構成されている。図7の
場合、ゲート線G(i)の層が下に、信号線S(j)の層が上
に、それぞれ位置するようになっている。ただし、両層
間には、ゲート線G(i)及び信号線S(j)の短絡を防ぐた
め、絶縁膜の層8が備えられている。また、この積層物
は、ガラスで構成された基板Bの上に設置・固着され
る。
ユニット4は、図3に示すように、複数の補正データメ
モリを有する。また、補正データメモリユニット4の入
力には、マルチプレクサ3の出力が接続されているもの
である。これは、前記画素電極1に放射線が入射してい
ない状態において確認することのできる、前記光電変換
膜において発生する暗電流や前記増幅器6のオフセット
ノイズ電圧等によって構成される暗時画像に係る補正デ
ータ(b、c、d)、他の補正データ(a,n)を求
め、さらにそれらを単独で又は補正手順に応じた任意の
組み合わせの演算結果を蓄えておくためのメモリであ
る。
データメモリユニット4から供給される補正データに基
づいて、マルチプレクサ3からの検出信号Zを補正する
手段であり、その出力は、演算器ユニット11の入力に
マルチプレクサ10を介して接続されている。演算器ユ
ニット11は、後述する検出信号Zの補正手順を実現す
るために、複数の演算器(差分器D、乗算器M)を有す
る。複数の演算器の接続関係は、当該補正手順に応じて
デザインされている。これらの詳細は後述する。
は、表示部Q4に送られるようになっている。ここで表
示部Q4とは、CRT装置等を備え、送られてくる情報
を基に画像を再構成する部位である。これは一般によく
知られている装置及び構成を用いるようにすればよく、
当然ながら前記したCRT装置等に限定されるものでは
ない。
は、上記暗時画像に係る情報の入手のタイミングをはか
るため、放射線検出部Q1ないし画素電極1における放
射線入射状況を監視ないし観測するタイミングコントロ
ーラ(監視装置)12が付設されるとともに、このタイ
ミングコントローラ12の指示に基づき補正データメモ
リユニット4に関する記憶動作を実質的に決定するメモ
リ制御器13が備えられている。なお、上記タイミング
コントローラ12は、診断装置Qが運転状況にあるとき
には、放射線検出部Q1に対する放射線入射の存否につ
いて常にモニターを行うことを基本とする。
号読み出し部Q2、そして画像収集部Q3は、本実施形
態における「平面型放射線検出器」を構成するものとな
るが、この放射線検出器においては、前記放射線検出部
Q1と信号読み出し部Q2とが、従来例とは異なり、電
気的に切り離し可能な構造を有したものとなっている。
ここに切り離し可能な構造とは、例えば図3に示すよう
に、電気的スイッチ(電気的に切り離し可能とする手
段)7を設けたり、また図示はしないがジャンパーピン
などを利用すればよい。
出し部Q2とが電気的に切り離し可能となっていること
により、信号読み出し部Q2「のみ」に関する読み出し
部ゲインノイズ(意図しない不要な増幅率)と読み出し
部オフセットノイズ(意図しない不要なオフセット量)
を得ることが可能となる。すなわち、実際に両者を切り
離した状態で、図3に示したキャリブレーション信号発
生器70と前記電気的スイッチ7とによって、信号読み
出し部Q2にキャリブレーション(所定の入力信号)入
力を入れ、その出力信号を読むようにすれば上記ゲイン
ノイズ及びオフセットノイズを得ることが可能となる。
これらの値は、正確な画像を得る際の補正量として利用
されるが、この点については、後述する作用説明時に述
べることとする(読み出し部ゲインノイズc(j)、読み
出し部オフセットノイズd(j)として再出)。
る診断装置Qには、常態において被写体に照射する放射
線を発生させる放射線発生部Q5、該放射線発生部Q5
並びに上記放射線検出部Q1、信号読み出し部Q2、画
像収集部Q3、及び表示部Q4を統括的に制御し、各部
が連携した自動運転等の適当な処理が実施されるよう適
宜指示を発する制御部Q6が別途備えられている。上記
各部Q1〜Q5は通常、この制御部Q6により自動的な
運転が実施されるようなされているが、以下で説明する
モードの選択等、操作者OPが直接的に制御部Q6にア
クセスすることが可能なようにもなっている。このた
め、制御部Q6にはキーボード等の端末(不図示)が備
えられている。
いて、演算器ユニット11の詳細な構成とともに説明す
る。
前に、本実施形態において規定される、ゲート線Gの駆
動方法に関した所定数のモード(電荷情報読み出し態
様)について説明する。これは、通常、あらゆる操作以
前に予め定められているものであり、本実施形態におい
ては、例えば以下に示す5つのモードが予定されてい
る。
単位で順次かつ逐次に読み出すモード(第1の電荷情報
読み出し態様)。
1)、G(i+2)及びG(i+3)というように、2
ラインずつ同時に駆動(当該2ライン上のTFT5をオ
ンに)して、ライン加算しつつ読み出すモード(第2の
電荷情報読み出し態様)。これは例えば、透視検査のよ
うに、画像の解像度が多少劣化しても、フレームレート
が高いことが必要な検査で見られるモードである。
一部のラインのみを読み出すモード(第3の電荷情報読
み出し態様)。これは、検出器全体の大きさが、検査に
必要な視野の大きさより、大きい場合に用いられるモー
ドである。また、このモードでは、モードに対して垂
直期間が短くなる。
を短くしてフレームレートをあげるモード(第四の電荷
情報読み出し態様)。これは、モードと同様に、透視
などで用いられるものである。また、このモードではモ
ードに対して水平期間が短くなる。
ング期間)を長くするモード。これは、十分な放射線量
を照射することが必要な検査で用いられるモードであ
る。また、このモードでは、モードに対して垂直期間
が長くなる。
は、「一のゲート線G(i)が駆動されている時間」の
ことである。すなわち、当該一のゲート線G(i)に連
なる各TFT5がオンとされ、さらにそれらに接続され
ているキャパシタより電荷情報が読み始められてから読
み終わるまでの期間のこととなる。また、「垂直期間」
とは、読み出し対象となる全てのゲート線Gに連なるキ
ャパシタから電荷情報を読み出す時間のことである。換
言すれば、マトリックス全体における(読み出し対象
の)画素電極1について、その電荷情報を読み始めてか
ら読み終わるまでの期間に垂直ブランキング時間を加算
した期間のこととなる。
との関係として、垂直期間ないし水平期間につい
て言及されている意味は明らかとなろう。例えばモード
における垂直期間がモードにおけるそれよりも短く
なるというのは、モードでは一部のゲート線に関する
電気情報を読むだけでよいのであるから、マトリックス
全体を読み出すモードよりも当然に垂直期間は短くな
るのである。ただし、上記各モード中、モードについ
ては、その他のモード〜とは少々性格が異なるもの
として認識することができる。すなわち、モードにつ
いて、その垂直期間が長くなるという事情は、ゲート線
Gの駆動態様の影響を受けているというよりは、端的に
前記放射線発生部G5の読み出し方式の影響を受けてい
るものと考えることができる。
垂直期間の相違は、発明が解決しようとする課題の項に
おいて説明した第1種のオフセットノイズ及び第2種の
オフセットノイズの「量」に影響を与えるが、より詳し
い説明については後述する。
部Q6における図示しないメモリに蓄えられている。操
作者OPは、上記各モードから任意のものを選択しこれ
を前記端末から制御部Q6へ入力する。後は制御部Q6
が、その選択に応じて、当該モード用に予め定められて
いるプログラム、シーケンス、あるいはプロシージャに
従い、上記各部Q1〜Q5の自動運転を実施することと
なる。
ードが診断装置Q上で実際に運転されている態様を指し
示す場合には、以下ではこれを「放射線画像収集状態」
と呼ぶことにする。
を選択する場合を中心とした説明を行う。なお、放射
線発生部Q5より放射線が発生する機構・作用、放射線
検出部Q1における画素電極1の光電変換膜において放
射線強度が電荷情報に変換される作用等については、本
発明の趣旨とするところではないため、その説明は省略
することとする。
間が終了し、それぞれの電荷が蓄えられているものとす
る。これらの電荷情報をモードによる手順で読み出す
には、まず、ゲート線ドライバ2がマトリックス第1行
目のゲート線G(1)を駆動する。すなわち、走査線G
(1)上のTFT5がオンとされ、これに接続される画
素電極1の電荷情報が読みだされる。これが終了すると
(水平期間が終了すると)、次に、走査線G(1)の駆
動を停止するとともに走査線G(2)の駆動を開始す
る。以下同様にして、走査線G(n)までの読み出しが
完了(垂直期間が終了)するまでこれを繰り返す。要す
れば、モードに係る駆動方法は、一般的に、ゲート線
G(i)(i=1,・・・,n)をi=1より順次一ずつ
駆動し、その他のゲート線G(1),G(2),・・・,
G(i−1),G(i+1),・・・,G(n)は駆動さ
せない方法であるといえる。
報においては、発明が解決しようとする課題の項におい
て詳述した、暗時画像に関する情報及び横引ノイズ等、
共に時々刻々と変化する不要な情報が重畳されたままの
状態にある。また、この電荷情報の読み出し時において
は、シールド画素電極1Aからの出力も同時に得られて
おり、これは後述する横引ノイズn(i)の算出に使用さ
れることになる。
1についての電荷情報の読み出しが完了し、かつ画素電
極1に放射線の入射が行われない状態(放射線画像収集
状態が終了した状態)が現出することとなると、この状
態は、画像収集部Q3におけるタイミングコントローラ
12により即座に感知される。そして、この旨(=放射
線入射なし)をメモリ制御器13が受けると、当該制御
器13は前記各モードごとについての暗時画像データ収
集処理を開始する。この処理は、放射線入射がない状況
でモードからまでの運転を順次実施しながら、各画
素電極1に関するいわば「空読み」を行い、その結果得
られた暗時画像データを、いずれのモードによって得ら
れたものかの対応を保ちつつ、これら各モード毎に、補
正データメモリユニット4内の対応するメモリに記憶さ
せていくものである。この「空読み」の結果、光電変換
膜の暗電流や増幅器6のオフセットノイズ電圧等に起因
する暗時画像が得られることになる。そしてこの作業
は、放射線入射がなされないうちは、モードからま
で循環しながら繰り返し行われることになる。すなわ
ち、モードに関する作業が終了すれば、モードに関
する作業を開始するのである。なお、以下ではこのよう
な運転の態様を「暗時画像収集状態」と呼ぶことにす
る。
に、一の補正データメモリユニットに収集する理由につ
いて説明しておく。これは、端的にいえば、モード毎に
暗時画像が異なる、又はその変動の様子が異なるからで
ある。より詳しくは、発明が解決しようとする課題の項
で述べた第1種のオフセットノイズ及び第2種のオフセ
ットノイズが、モード毎に異なる内容ないし成分となる
ことによる。第1種のオフセットノイズとは、上でも説
明したように、要すれば、画素電極1において、TFT
5のオン/オフ動作により生起される余分な電荷蓄積分
であった。また、第2種のオフセットノイズとは、電荷
情報読み出し時、信号線Sを通じて各ゲート線G(i)に
分配される電流により、画素電極1に蓄えられる余分な
電荷蓄積分であった。これらの成分は、いまの説明から
も明らかなように、ゲート線Gの駆動態様(すなわち、
モード)に大きく影響を受けることがわかる。具体的に
は、第1種のオフセットノイズの「量」は上記した「水
平期間」の長さに関し、第2種のオフセットのそれは
「垂直期間」の長さに関して変動する。例えば、モード
ととを比べてみると、後者では前者に対してゲート
線G(i)一本あたりの電荷情報読み出し時間(水平期
間)を「短くする」のであるから、両モード間における
TFT5のオン/オフ時間の長短の相違を当然に生じさ
せ、結局、両者においては、各々異なる第1種のオフセ
ットノイズ量を有することとなる。また、モードと
とを比べてみると、上述したように、後者では垂直期間
が長くなるから、両者における「一垂直期間」内に、マ
トリックス全体に蓄えられる第2種のオフセットノイズ
量が異なることとなるのは容易に推測がつく。なお、上
において、モードの垂直期間が長くなる事情は、他の
モード〜のそれとは若干異なり、放射線発生部Q5
の読み出し方式の影響を受けている、ということについ
ての説明を行ったが、だからといって、そのことが、本
発明における「読み出し方式」なる用語の概念外にあ
る、ということを意味しないのは当然のことである。
構成されることになるから、自由なモード切り替え運転
の実施を保証しつつ暗時画像成分の有効なリダクション
をなすためには、各モードに固有な暗時画像を正確に知
っていなければならない。これが、モード毎の暗時画像
を、各々別々に一の補正データメモリユニットに収集す
る理由である。
中、操作者OPが制御部Q6端末により放射線照射の再
開を指示する等、何らかの事由により、再び画素電極1
に放射線が入射されるような状態となったことをタイミ
ングコントローラ12が感知すれば、暗時画像の収集作
業は直ちに停止される。また、このように暗時画像収集
作業が途中で停止されるときには、直前まで収集が行わ
れていたモードを示すメモリ制御器13内に設置された
図示しないフラグ(読み出し方式記憶手段)が立てられ
る。例えば、モードに関する暗時画像収集時にその記
憶動作が停止されれば、当該モードを示すフラグが立
てられるのである。
る。すなわち、放射線が入射されていない期間の長さあ
るいは放射線入射が再開される時間は、被写体のセッテ
ィング時間等が不定なため、一般に決まっていない。こ
のため、ある一のモードに関する暗時画像データを収集
している最中に、不意に、その収集作業を停止しなけれ
ばならないという事態は極めて一般的に想定される。こ
のような事情の下、暗時画像収集最中に放射線照射が再
開されたときに現に暗時画像収集を行っているモードの
フラグを立てる(あるいは収集中、既に立てておく)と
いう処置をとれば、次に放射線照射が止んだときには、
その先に立てたフラグに対応する当該モードから暗時画
像収集を再開することが可能となる。結局、このことに
より、無駄な収集作業を排除することができ、また、診
断装置Qの使用状況に時々刻々対応した、モードから
に関する暗時画像データが、補正データメモリユニッ
ト4において常に用意される状況を現出することができ
るのである。
うな全くの初期状態時においては、まず「暗時画像収集
状態」での運転が行われ、「放射線画像収集状態」に入
るまではそれが継続されるようになっていればよい。
収集は、当該各モードにつき複数回分収集された暗時画
像の加算平均値をとり、これを補正データメモリユニッ
ト4に蓄えておくようにしておけば、より質の高い暗時
画像データを手にいれることができる。つまり、一のモ
ードにつき複数回繰り返し収集された暗時画像の平均値
をとれば、そのノイズを低減することができるというこ
とである。
射線未照射時に自動的に行われるようになっているのが
便宜ではあるが、場合によっては、制御部Q6における
端末を操作して、任意の時間に暗時画像収集を行うよう
な、手動作業が行えるようになっていてもよい。
線画像収集状態」時に画素電極1(含むシールド画素電
極1A)からは電荷情報が読み出され、また、「暗時画
像収集状態」時に補正データメモリユニット4には各モ
ードに対応した暗時画像が蓄えられている状態になる
と、次に、正確な画像情報を得るための実際の補正作業
を行うことになる。またこのとき、上記電荷情報及び暗
時画像に加えて、信号読み出し部Q2「のみ」に関する
読み出し部ゲインノイズ及び読み出し部オフセットノイ
ズを、上述したように、放射線検出部Q1と信号読み出
し部Q2とを電気的に分離することによって予め求めて
おき、これらの値も当該補正に使用する。
来の(正確な)出力をX(i,j)、同画素電極1のゲイン
ノイズ(検出部ゲインノイズ)成分をa(i,j)、同画素
電極1における前記光電変換膜に発生している暗電流を
含めた検出部オフセットノイズをb(i,j)、信号読み出
し部Q2における読み出し部ゲインノイズをc(j)、及
び読み出し部オフセットノイズをd(j)、とそれぞれ定
義する。また、発明が解決しようとする課題の項におい
て説明した「横引ノイズn(i)」をここで改めて導入す
る。
ズc(j)及び読み出し部オフセットノイズd(j)は、上で
説明したように、ここにおいて既知であるので、以下で
はそのように扱う。また、上記横引ノイズn(i)が発生
する理由及びその性質等については、上において既に述
べたが、ここで改めて簡単に説明すると、図7に示すよ
うなゲート線G(i)と信号線S(j)との交差部において仮
想的に構成される容量に蓄えられた電荷が横引ノイズn
(i)の成分となるのであった。また、それは一のゲート
線G(i)の電圧変動によって時々刻々変化するととも
に、まさしくそのためにマトリックスの「各行について
固有な」ノイズ成分となるのであった。
用すると、放射線検出器Qが直接的に入手する検出信号
Z(i,j)については、図8に示すように、次の(A)式
で表現することができる。 Z(i,j)=c(j)・(a(i,j)・X(i,j)+b(i,j)+n(i))+d(j)…(A) a:検出部Q1のゲインノイズ、画素(i,j)ごとに
固有値 b:検出部Q1のオフセット、画素(i,j)ごとに固
有値 c:読み出し部Q2のゲインノイズ、信号線(j)ごと
に固有値 d:読み出し部Q2のオフセットノイズ、信号線(j)
ごとに固有値 n:横引きノイズ、ゲート線(i)ごとに時間変動値 X:入射放射線強度に応じた真値
(i,j)は、画素電極1のゲインノイズa( i,j)と光電変換
膜における暗電流を含めたオフセットノイズb(i,j)の
影響を受け、かつ横引ノイズn(i)が加算されて、信号
線S(j)を介し、マトリックス外に読み出される。この
後、増幅器6を通過する際に、その読み出し部ゲインノ
イズc(j)が全体にかかり、また読み出し部オフセット
ノイズd(j)が加算される。このように構成されたZ
(i,j)が、何らの補正をかけない、読み出されたままの
みかけの画像情報ということになる。以上のことから、
本補正の目的は、c(j)、a(i,j)、b(i,j)、n(i)、d
(j)等のばらつき成分をリダクションし、α・X(i ,j)+
β(ただし、α、βはゲート線、温度、収集モードに依
存しない)を求めることにある。
について(A)式上の評価を行う。なお、暗時画像デー
タとしては、複数枚収集しそれらの加算平均をとったも
のを考えるものとする。また、本実施形態においてはモ
ードが前提されていたから、いま念頭におかれるの
は、当該モードに関する暗時画像データであり、また
その加算平均が記録されているのは当該モードに関す
る一の補正データメモリユニット4となることを、念の
ため補足しておく。
を想定するときには、放射線の入射がないことからX
(i,j)=0となり、また、データは加算平均されている
から横引ノイズは相殺されてn(i)=0となると考えて
よい。すなわち、 Z(i,j)=c(j)・b(i,j)+d(j) が得られる。言い換えれば、これがモードに関する一
の補正データメモリユニット4が蓄えているデータとい
うことになる。
的に検出器に照射して得られる画像データ(以下、「直
接放射線画像データ(直接放射線情報)」という)につ
いての評価を行う。なお、この直接放射線画像データ
は、「放射線画像収集状態」以前に、予め収集しておく
ものとし、また、これに関しても、暗時画像収集と同
様、その画像は複数枚収集しかつそれらを加算平均した
ものを補正用に使用する。
均処理によりn(i)=0であることに注意して、(A)
式を用いると、 Z(i,j)=c(j)・a(i,j)・X(i,j)+c(j)・b(i,j)+
d(j) となる。ここで、X(i,j)は画素電極1への放射線直接
入射であることから理論的に求まり、またc(j)・b
(i,j)+d(j)は上述した補正データメモリユニット4を
参照すればわかるから、結局、c(j)・a(i,j)が求ま
る。すなわち、i行j例における画素電極1の検出部ゲ
インノイズa(i,j)と、j列に存在する増幅器6の読み
出し部ゲインノイズc(j)との積である、いわば「トー
タルゲインノイズ」が求まることになる。
射線検出部Q1に設けられたシールド画素電極1Aから
の出力を利用して求める。ここで当該出力は、上述した
ように、放射線画像収集状態後の電荷情報の読み出し時
において、既に取得されているものである。まず、シー
ルド画素電極1Aには放射線が照射されないからX(i
,j)=0、すなわち本実施形態ではX(i,1)=0(図3参
照)である。これを(A)式に代入すると、 Z(i,1)=c(1)・n(i)+c(1)・b(i,1)+d(1)…(B) となる。ここで、c(1)・b(i,1)+d(1)はマトリック
ス第i行に存在するシールド画素電極1Aから出力され
た電荷情報を表しており、その値はわかっているから、
上式によって、ある特定の画像における第i行の横引ノ
イズn(i)は求まることになる。
(C)式から (Z(i,1)−c(1)・b(i,1)+d(1))/c(1) なる演算を行えばよい。ここで、c(1)については、後
述するように、これをc( j)(なお、j≠1)とは異な
るように設定することで、n(i)をさらに精度よく求め
ることができる。
(1)・b(i,1)+d(1)は、共に「放射線の入射がない」
という意味において同じ立場にあるものであるから、一
見、同値が得られる(Z(i,1)=c(1)・b(i,1)+
d(1))こととなり、n(i)が有効に求まらないという予
見を与えそうであるが、それは正しくない。
あくまでも当該シールド画素電極1Aにおける「暗時画
像データ」であり、その収集は、上記したように、「暗
時画像収集状態」、すなわち装置立上後、放射線入射以
前、あるいは放射線検出部Q1に放射線入射がなされて
いない「合間」に実施されるものであって、その成分
は、上記した通り、光電変換膜の暗電流を含めたオフセ
ットからなるものである一方、Z(i,1)の収集は、「放
射線画像収集状態」が終了し、モードにより各画素電
極1から電荷情報が読み出されているときに実施される
ものであるから、その成分は、ゲート線Gの駆動の影
響、具体的にはその電圧のゆらぎにより発生する横引ノ
イズni成分を含んだものとしてのシールド画素電極1
Aからの出力となるからである。したがって、両者は基
本的に性質が異なるものであって、一般にZ(i,1)−c
(1)・b(i,1)+d(1)≠0が成立するから、n(i)は有効
に求まるのである。
6の読み出し部ゲインノイズc(j)、そのオフセットノ
イズd(j)、トータルゲインノイズc(j)・a(i,j)、暗
時画像データc(j)、b(i,j)+d(j)、及び横引ノイズ
n(i)が判明する。さらに、ゲインノイズa(i,j)単独の
値は、読み出し部ゲインノイズc(j)等を得るのと同様
にして、放射線検出部Q1と信号読み出し部Q2とを電
気的に切り離した後、アレイテスタによって各画素電極
1に所定の電荷(所定の入力信号)を注入し、その電荷
を読み出すことによって予め取得しておくことができ
る。また、トータルゲインノイズc(j)・a(i,j)は既に
求まっているのであるから、このc(j)・a( i,j)を、や
はり既に求まっている読み出し部ゲインノイズc(j)で
除算することにより、画素電極ゲインノイズa(i,j)を
求めるようにしてよいことは勿論である。
(i,j)、検出部オフセットノイズb( i,j)、読み出し部ゲ
インノイズc(j)、読み出し部オフセットノイズd(j)、
及び横引ノイズn(i)が求められる。これら補正データ
は、それぞれ単独で又は補正手順に応じた演算が施され
た状態でメモリユニット4に記憶される。
構成について説明する。
(i,j)に対する、真に求めたい検出信号X(i,j)の関係式
に変形すると、次の通りである。 X(i,j)={(Z(i,j)−d(j))/c(j)−b(i,j)−n(i)}/a(i,j)…(1) X(i,j)={(Z(i,j)−(b(i,j)・c(j)+d(j)))/c(j)−n(i)}/a(i, j) …(2) X(i,j)={Z(i,j)−(b(i,j)・c(j)+d(j))−n(i)・c(j)}/(a(i,j) ・c(j))…(3) X(i,j)=(Z(i,j)−d(j))/(a(i,j)・c(j))−b(i,j)/a(i,j)−n(i) /a(i,j)…(4) X(i,j)=(Z(i,j)−d(j)−b(i,j)・c(j))/(a(i,j)・c(j))−n(i)/ a(i,j)…(5) X(i,j)=Z(i,j)/(a(i,j)・c(j))−d(j)/(a(i,j)・c(j))−b(i,j) /a(i,j)−n(i)/a(i,j)…(6) X(i,j)={(Z(i,j)/c(j))−(d(j)/c(j)+b(i,j))−n(i)}/a(i,j) …(7)
ザインは、(1)−(7)の補正式のいずれかの式に従
って決定される。
補正手順及び補正式((1)−(7))各々に対応する
演算器ユニット11の構成について説明する。
ず、差分器D1で補正値dを差分される。そして、その
差分器D1の出力は、乗算器M1で1/cを乗算され、
差分器D2でbを差分され、そして差分器D3でnを差
分され、最後に乗算器M2で1/aを乗算される。この
場合、メモリユニット4には、予め計算された1/c、
1/aが記憶されている。なお、差分器D2によるbの
差分処理は、差分器D3によるnの差分処理よりも後に
実行してもよい。
ず、差分器D4で補正値(b・c+d)を差分される。
そして、その差分器D4の出力は、乗算器M3で1/c
を乗算され、そして差分器D5でnを差分され、最後に
乗算器M4で1/aを乗算される。この場合、メモリユ
ニット4には、予め計算された(b・c+d)、1/
c、及び1/aが記憶されている。
ず、差分器D6で補正値(b・c+d)を差分される。
そして、その差分器D6の出力は、乗算器M5で乗算さ
れたnとcとの乗算結果を差分器D7で差分され、最後
に乗算器M6で1/(a・c)を乗算される。この場
合、メモリユニット4には、予め計算された(b・c+
d)、1/(a・c)が記憶されている。なお、差分器
D6による補正値(b・c+d)の差分処理は、差分器
D7による(n・c)の差分処理の後に実行してもよ
い。
ず、差分器D8で補正値dを差分される。そして、その
差分器D8の出力は、乗算器M7で1/(a・c)を乗
算され、差分器D9でb/aを差分され、そして乗算器
M8で乗算されたnと1/aとの乗算結果を差分器D1
0で差分される。この場合、メモリユニット4には、予
め計算された1/(a・c)、b/a、1/aが記憶さ
れている。なお、差分器D9によるb/aの差分処理
は、差分器D10による(n/a)の差分処理よりも後
に実行してもよい。
ず、差分器D11で補正値(b・c+d)を差分され
る。そして、その差分器D11の出力は、乗算器M9で
1/(a・c)を乗算され、最後に、乗算器M10で乗
算されたnと1/aとの乗算結果を差分器D12で差分
される。この場合、メモリユニット4には、予め計算さ
れた(b・c+d)、1/(a・c)、1/aが記憶さ
れている。
ず、乗算器M11で1/(a・c)を乗算され、そして
差分器D13で補正値(d/(a・c)+b/a)を差
分され、最後に、乗算器M12で乗算されたnと1/a
との乗算結果を差分器D14で差分される。この場合、
メモリユニット4には、予め計算された(d/(a・
c)+b/a)、1/(a・c)、1/aが記憶されて
いる。なお、差分器D13による補正値(d/(a・
c)+b/a)の差分処理は、差分器D14による(n
/a)の差分処理よりも後に実行してもよい。
ず、乗算器M12で1/cを乗算され、そして差分器D
15で補正値(d/c+b)を差分され、次に差分器D
16でnを差分され、最後に乗算器M13で1/aが乗
算される。
導くことはできる。しかし、発明者らは、必要なメモリ
の数、必要な演算器ユニットの数、演算ステップの数及
び演算回数という観点から実装するのに最適な補正式を
選択した。
及び(7)であり、次に適当なのは、(1)式、及び
(3)式であり、更に次に適当なのは、(5)式であ
る。
式を選択した最大の理由は、読み出し部ゲインノイズc
を使った演算が、検出部ゲインノイズaを使った演算よ
りも先に又は同時に実行するとともに、読み出し部ゲイ
ンノイズcを使った演算が、検出部オフセットノイズb
を使った演算よりも先に又は同時に実行することにあ
る。つまり、読み出し部ゲインノイズcを使った演算
が、検出部のゲインノイズa及びオフセットノイズbを
使った演算よりも先に又は同時に実行することである。
これにより、演算回数を大幅に減らすことを実現する。
その理由は、検出部のゲインノイズa及びオフセットノ
イズbは、画素(i,j)ごとに固有値を示すので、そ
の演算回数は、i×jになるが、読み出し部ゲインノイ
ズcは信号線Sごとに固有値を示すので、その演算回数
はjになることである。
演算が、横引ノイズnを使った演算よりも先に又は同時
に実行することも重要な条件である。この条件も同様に
演算回数の減少に寄与する。
求める演算(n=(Z(i,1)−c(1)・b(i,1)+d(1))
/c(1))が非シールド画素と同時にできるというメリ
ットもある。
は、できるだけそのままで扱う、つまり他のデータと演
算しないで、そのオリジナル値のままで差分演算に供す
ることが、演算速度向上のためには好ましい。
業ないし補正方法においては、常に、その直前において
収集された最新の暗時画像情報c(j)・b(i,j)+d(j)
を利用するのが好ましい。上で述べた実施形態では、補
正データメモリユニット4において、当該最新のc(j)
・b(i,j)+d(j)は常に蓄えられているのであるから、
今述べた「好ましい」処理を実施するのは容易である。
射線検出器ないし補正方法によれば、従来において、放
射線検出器Qの運転持続時間等によりその装置温度が変
化する等、時々刻々変化する現実の状況に対応したリア
ルタイムな補正が不能であったところ、常に適切な暗時
画像の差し引きないし補正を実施することが可能とな
り、もって正確な画像の構成に寄与することとなる。
ノイズc(j)等の取得は、従来においては、検出部出力
による信号線アンプ入力容量が大きいためS/Nが劣化
することにより、困難とされていたところ、本実施形態
においては、放射線検出部Q1及び信号読み出し部Q2
が電気的に切り離し可能に構成されていたことにより、
その取得が容易に可能となっており、もって正確な補正
の実施の大きな寄与をなしていると言うことができる。
第2実施形態について説明する。
圧変動の発生態様について適切な配慮をなし、より正確
な横引ノイズn(i)を求めようとするものである。
ように、ゲート線Gに加わる電圧変動及びゲート線Gと
信号線Sの交差部容量の存在により生じるが、この電圧
変動は、当該ゲート線Gを駆動するゲート線ドライバ2
によって発生するものである。ゲート線ドライバ2は、
図3を用いて説明したように、各々のゲート線G(i)の
左端に接続されているが、この回路系は、ゲート線Gそ
れ自体で抵抗を持っていること、また前記交差部容量が
存在することに注目すると、図10に示すように、それ
らゲート線G(i)自身の抵抗及び交差部容量CXからな
るRC回路を形成しているものと見なすことができる。
は、いわゆるローパスフィルタの作用を有するものであ
ることがわかる。すなわち、上記したゲート線ドライバ
2において発生した電圧変動がゲート線Gの反対側に伝
達する過程においては、その高周波成分が減衰されるこ
とになる。したがって、横引ノイズn(i)は、厳密にい
えば、ゲート線ドライバ2からの距離に応じて大きさが
変わる、すなわちマトリックスの行に対して固有である
だけでなく、列数jの関数でもあることになる。よっ
て、本第2実施形態においては、特別に、横引ノイズを
表す記号として「n(i,j)」を用いることとする。
(i,j)の上記性質に応じて、(4)式の演算を実施する
際に適当な補償を加えるものである。すなわち、シール
ド画素電極1Aからの出力に基づき(3)式を利用して
求められた横引ノイズn(i)に、ゲート線ドライバ2か
らの距離によって変化する関数k(j)を乗じた量n(i
)・k(j)を、横引ノイズn(i,j)とし(n(i,j)=n(i)
・k(i))、これを(4)式のn(i)の代わりに使用する
のである。ここで、関数k(j)は、図11に示すよう
に、ゲート線ドライバ2から遠く(配列jが大きく)な
ると、単調に減少するような関係である。そして、この
関数k(j)は、放射線検出部Q1の製造時以前に測定す
る等して予め知っておき、図3に示したメモリ16に保
持しておくようにすればよい。
の評価はより正確となり、正確な画像情報、つまりX
(i,j)を得る上で、非常に効果的となる。
関する説明時において既に述べたように、シールド画素
電極1Aを放射線検出部の両端に各々複数列設けるよう
な場合も本発明の範囲内にあるところであるが、このよ
うな場合についての横引ノイズの求め方を、上で横引ノ
イズn(i,j)を導入したことに関連して説明しておく。
部でn列あるものとし、j=1及びj=mにおいてシー
ルド画素電極1Aが設けられているものとする。したが
って、これら各列から得られた第i行目の横引ノイズ
は、それぞれ(3)式を利用することにより、
n(i 、 1)、n(i 、 m)が求められる(前者がZ(i,1)=E
(i,1)+c(1 )・n(i,1)、後者がZ(i,m)=E(i,m)+c
(m)・n(i,m)から求められる)。
ノイズn(i,j)は、例えば次の式により求められる。 n(i,j)=n(i 、 1)・k1(j)+n(i,m)・k2(j)
2に示すように、k1(1)=1、k1(m)=0、k2(1)
=0、k2(m)=1なる条件を満たす単調減少関数及び
単調増加関数であり、上記したk(j)と同様、放射線検
出部Q1製造時に予め知っておくことができる。
クスの左側だけでなく、右側にも配置され、一つのゲー
ト走査線Gを、左右両側から駆動するようなX線検出部
Q1において、やはりj=1及びj=mにシールド画素
電極1Aが設けられている場合では、例えば、 nij=ni,1・k3(j)+ni,m・k4(j) として横引ノイズnijを求めることができる。ただ
し、ここにk3(j)、k4(j)は、例えば図13に
示すように、k3(j)についてはjが増加すると減少
する非線形に増加する単調関数、k4(j)については
k4(j)=k3(m−j)なる関係を満たす関数であ
る。これらもやはりX線検出部Q1製造時に予め知って
おくことができる。
実施形態について説明する。
に、図3に示す装置構成との対比から、増幅器6の構成
に関する点と倍率補正差分器(倍率補正手段)15が設
けられている点と、が各々異なるものとなっている。以
下では、これらの関する詳細な説明、並びにその作用及
び効果について説明する。
4に示すように、上記シールド画素電極1Aが配置され
る信号線S(1)上に設置の増幅器6Aとその他の信号線
S(2),・・・,S(n)に設置の増幅器6とで、その構成が
若干異なっている。すなわち、前者の増幅器6Aにおい
ては、そのキャパシタ6Abの容量が、後者の増幅器6
のそれよりも小さく、すなわち図14によれば、CA<
CPj(j=2,・・・,n)とされているのである。こ
こに、CP(j)とは、2、3、・・・、n列目に存在する各
増幅器6のキャパシタ6b容量であり、厳密にいえば、
これらは各列毎に異なる数値を持つことから、各々に対
応して変数を割り当てたものである。
成において、キャパシタ容量を小さくするということ
は、その増幅率を大きくすることが知られているから、
この場合においては、前者の増幅器6Aの方が後者の増
幅器6よりも増幅率が大きくなることになる。
すように、シールド画素電極1Aの出力信号に、増幅器
6のキャパシタ容量CPに対する増幅器6Aのキャパシ
タ容量CAの比(CA/CP)を、積算器15aにおい
て積算し(増倍率補正)、その積算値を、差分器15b
において非シールド画素電極1の出力信号から差し引
く。ここに、図14に示す積算器15aにおいて、キャ
パシタ容量の比として表されている「CA/C」の分母
Cは、各々のCP(j)の各々を記号「C」で一括して表
しているものとみてもよいし、また場合によっては、C
P(j)の算術平均値、つまり、C=(CP(2)+・・・+C
P(n))/(n−1)を表しているものとみてもよい。
いずれを選択するかは基本的に自由である。そして、こ
の倍率補正差分器15からの出力は、図14に示すよう
に、差分器9を介して表示部Q4へと伝わるようになっ
ている。
景による。まず一般に、積分アンプ6a及びキャパシタ
6bからなるような増幅器6の構成において、キャパシ
タ6b容量を小さくすることは、上記したように、その
増幅率を増大させることになるから、微少な電荷入力で
あっても出力電圧が大きくなり、増幅器6の出力が飽和
しやすくなる。これは回路設計上の制約条件となる。し
たがって、非シールド画素電極1では、放射線により発
生する最大電荷量と上記制約条件により、自ずと最適な
キャパシタ容量(すなわち、CP(j))が決められるこ
とになる。一方、シールド画素電極1Aには放射線によ
る電荷が発生しないので、そこに蓄えられる電荷量は、
高々各種のリーク電流が積分された程度の微少な量でし
かない。したがって、増幅器6出力が簡単に飽和しない
ことを考慮して、増幅器6Aのキャパシタ6Abの容量
を、非シールド画素電極1のそれに比べて小さく(すな
わち、CA<CP(j))することができる。
は次に示す利点が得られることになる。すなわち、増幅
器6A以降得られるシールド画素電極1Aに関する検出
信号は、その後段に存する回路によって、ほとんどノイ
ズの影響を受けないこととなるのである。換言すれば、
増幅率が大きい分、微小なノイズが荷担しても、それは
無視し得るものとなるということである。結局、こうし
て得られた検出信号は、ほとんどノイズを含まないもの
とみなせることになる。
は、上記キャパシタ容量の相違に基づき、CA/Cなる
係数を乗算して増倍率補正を行ったシールド画素電極1
Aからの出力と、非シールド画素電極1からの出力との
差分をとったものをあてればよい。なお、図14におい
ては、差分器15bを通過した検出信号は、さらに差分
器9を通過し、ここにおいて暗時画像データとの差分を
もとられるようになっている。そして、当該差分器9を
通過した信号が、最終的に表示部Q4へと入力される。
ば、シールド画素電極1Aと非シールド画素電極1の各
々から読み出される電荷情報に対して異なる増幅を行
う、という手段により、横引ノイズn(i)に係る補正を
実施する際に、従来においてはかえってノイズの増幅を
生じさせるおそれのあったところ、そのような不具合を
招くことなく、当該補正を常に適切に実施し得ることに
なる。このことは、当然ながら、本第3実施形態におけ
る放射線検出器Qにおける正確な画像構成に寄与するこ
ととなる。
なこともいえる。すなわち、上記した最初の実施形態に
おいて、横引ノイズn(i)の補正を行う際に、(3)式
を当該n(i)について解く際に、(Z(i,1)−E(i,1))
なる差分演算を実施していたところ、本第3実施形態に
おける構成を図3において適用し、Z(i 、 1)−(CA/
CP(j))・E(i,1)とするのである。このような形態に
よれば、横引ノイズn (i)の値は、上記にもましてより
正確に求まることになる。なお、上で述べた「c1につ
いては、c(j)(j≠1)とは異なるように設定するこ
とにより、n(i)をさらに精度よく求めることができ
る」ということは、まさしく今述べたことに対応する事
情を考慮してのことである(キャパシタ容量を変更し増
幅率を変更するということは、ゲインノイズを変更する
ということに他ならない)。
記実施形態においては述べることのできなかった事項に
ついて説明する。
に関する説明を中心として行ったが、その他のモード
〜に則って診断装置Qを運転する場合でも、上記記
載と同様な処理がなされることになる。その際には、使
用する補正データメモリユニット4として当該各モード
に対応するものを使用するようにすればよい。この場合
においても、上記各モード〜について対応する暗時
画像が、各々別々に、複数の補正データメモリユニット
4の各々に記憶されるようになっていたから、上記した
効果を同様に亨受することができることは言うまでもな
い。
は、専ら「ゲート線の駆動態様」ないし「電荷情報の読
み出し態様」がそれに該当するものとしての説明を行っ
たが、場合によっては、放射線検出器Qの運転状況に応
じて変化する「装置温度」について、これを適当な段階
に区分けし、当該段階ごとに対応する暗時画像データを
複数の補正データメモリユニット4の各々に記憶させて
おくような形態も考えることができる。この場合におい
ては、例えば診断装置Qに関して何らかの温度検知器を
備えておき、その出力に対応するような暗時画像を前記
複数の補正データメモリユニット4から読み出して、こ
れを補正に使用するということになろう。
つに限定されていたが、このことが本発明を特に限定す
る事由とならないことは言うまでもない。幾つのモード
を予定するか、又はどの様なモードを選択するかは、基
本的に自由である。これに関連して、例えば操作者OP
が制御部Q6を介し、上記モード〜のいずれにも該
当しない好みのモードを、任意にかつ新たに設定するよ
うな場合も当然に考えられるが、このような場合にあっ
ても、当該設定されたモードに関して、それに対応する
暗時画像を収集しこれを補正に利用する、という本発明
の基本に関しては、上で説明した実施形態と何ら変わる
ところはない。
得について若干補足しておくと、上記においては、信号
読み出し部Q2と放射線検出部Q1とを電気的に分離す
ることにより、読み出し部ゲインノイズcj及び読み出
し部オフセットノイズdjを得るようにしていたが、場
合によっては、通常見られるように、TAB等で固定接
続する信号読み出し部Q2を備える放射線検出器を利用
し、読み出し部ゲインノイズcj及び読み出し部オフセ
ットノイズdjの取得を、信号読み出し部Q2の固定接
続前におけるその製造段階(初期製造時)において、当
該信号読み出し部Q2のみの単体キャリブレーションを
実施することにより、予め得ておくような形態をとって
もよい。
し部Q2のみの読み出し部ゲインノイズcj及び読み出
し部オフセットd(j)を得るキャリブレーションは、製
造時に実施するだけでなく、使用開始時の定期検査等に
おいても実施し、それらの値c(j)等の更新を図るよう
にするのも適当である。なお、このような場合におい
て、当該c(j)等の更新(つまり、取得)は、放射線検
出部Q1と信号読み出し部Q2とを切り離さないで実施
することになるため、信号読み出し部Q2のアンプの入
力容量が増大し、結果、測定精度の低下という欠点を伴
うこととなるが、当該欠点は、複数回の測定結果を平均
することにより、その精度を保持することが容易にでき
る。また、このとき、キャリブレーション入力による放
射線検出部Q1への影響を極力抑えるため、ゲート線Q
全ラインの駆動は停止して、信号読み出し部Q2のみに
入力がなされるようにするとよい。
うな形態とするのではなく、信号読み出し部Q2と放射
線検出部Q1との間において、コネクタ等、物理的に切
り離し可能な構造を備えるようにしておき、読み出し部
ゲインノイズc(j)及び読み出し部オフセットノイズd
(j)の取得は、その「物理的な切り離し」をした後、上
記キャリブレーションを実施することによってなされる
ようにしてもよい。
と、その変動要因として上で指摘した第1種及び第2種
のオフセットノイズは、一般に、放射線照射量に依存す
る部分と依存しない部分との両成分からなるものであ
る。放射線依存成分とは照射された放射線量に応じて画
素電極1に蓄積された電荷と信号線Sとの電位差に応じ
て定まり、放射線非依存成分とは画素電極1の電荷情報
が読み出された後に当該画素電極1と信号線Sとの電位
差に応じて定まるものである。この区分を前提として、
特に、本実施形態における放射線検出器Qを透視検査や
DA撮影と呼ばれる血管造影撮影に用いる場合を想定す
ると、これらにおいては放射線信号量がそもそも小さい
ため、該放射線信号量による画素電極1の電位変化はほ
ぼ無視することができるから、結果、上記放射線依存成
分は小さなものとなる、上記した暗時画像補正にて、特
に有利な条件の下かつ実用上問題なく、当該補正の効果
を得ることができる。
求の範囲から明らかなように、便宜上、大きく三種の発
明が存在するものとして認識することができる。すなわ
ち、第1の発明は放射線検出部Q1及び読み出し部Q2
に関する各々のゲインノイズ及びオフセット取得を可能
とする構成及び方法に関するもの、第2の発明は横引ノ
イズの補正ないし増幅器の構成に関するもの、第3の発
明は複数の補正データメモリユニットを有すること及び
その補正方法に関するもの、である。上の説明は、これ
ら三種の発明を適宜組み合わせることにより、特に好ま
しいものとなる三形態の提示ということができるが、こ
れらの発明は、本質的に、各々独立に実施する又は三種
のうち任意の二つを組み合わせて実施する等が実現でき
るものである。そして、そのような場合における実施形
態は、上記した説明からも実現することは容易で、かつ
実現するに十分な開示がなされているものと考える。し
たがって、本実施形態においてこれ以上詳しい説明を行
うことはしないが、要すれば、これら三種の発明が別々
に実施されるような形態等であっても、それらは当然に
本発明の概念範囲内にあるということを、念のため付言
しておく。
の数について特に指定する旨の記述をなさなかったが、
本発明の趣旨を鑑みれば明らかなとおり、当該画素電極
1の数は自由である。また、上ではゲート線G(n)及び
信号線S(n)という記述をなしたところがあるが、これ
はマトリックスが正方形状でなけれなばならない、とい
うような事を意味するものではない。一般的には、むし
ろ長方形状マトリックスとなる場合も多く見られること
は周知の事実であり、したがって、上記「n」なる記号
は、単に「複数ある」という程度の意味のみを有するも
のと認識されたい。
ノイズに起因するノイズだけでなく、ゲート線切加電圧
の時間変動に起因する横引きノイズを効率的にリダクシ
ョンできるノイズリダクション方法、放射線検出器及
び、これらを用いた放射線診断装置を提供することがで
きる。
種のオフセットノイズが発生する原因となる画素電極の
電位低下の発生機構を経時的に説明する図及び、従来に
おいて、電荷読み出し終了後における、第1種のオフセ
ットノイズが発生する原因となる画素電極の電位低下の
発生機構を経時的に説明する図である。
の構成図である。
の画素電極の周辺構成を示す横断面図である。
の画素電極の周辺構成を示す横断面図である。
辺を拡大した平面図である。
信号線に関する層構造を示す横断面図である。
カニズムを示す図である。
おいて、様々な演算器ユニットの構成を示す図である。
びゲート線ドライバにより、RC回路系が構成されるこ
とを説明する図である。
n(i,j)を求めるために導入される関数k(j)の概要を示
すグラフである。
素電極が複数列設けられている場合において、横引ノイ
ズn(i,j)を求めるために導入される関数k1(j)及びk
2 (j)の概要を示すグラフである。
素電極が複数列設けられている場合において、横引ノイ
ズn(i,j)を求めるために導入される関数k3(j)及びk
4 (j)の概要を示すグラフである。
器の構成図である。
段) 70 キャリブレーション信号発生器 8 絶縁膜の層 9 差分器(差分手段) 10 マルチプレクサ 11 演算器(補正手段) 12 タイミングコントローラ(監視装置) 13 メモリ制御器 14 演算器 15 倍率補正差分器(倍率補正手段) 15a 積算器 15b 差分器 16 メモリ Q1 X線検出部(放射線検出部) Q2 信号読み出し部(読み出し部) Q3 画像収集部 Q4 表示部 Q5 X線発生部 Q6 制御部 G(1),…,G(n) ゲート走査線 S(1),…,S(n) 信号線 B ガラス基板 D1〜D16 差分器 M1〜M13 乗算器
Claims (35)
- 【請求項1】 放射線検出器のノイズリダクション方法
において、 入射した放射線を放射線検出部で検出するステップと、 前記放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複数の
画素を有し、前記検出信号を前記放射線検出部から読み
出し部を経由して読み出すステップと、 前記読み出された検出信号を補正部で補正する補正ステ
ップとを有し、 前記補正ステップは、前記放射線検出部に起因するノイ
ズに対応する第1補正値に基づいて前記検出信号を補正
する第1サブステップと、前記読み出し部に起因するノ
イズに対応する第2補正値に基づいて前記検出信号を補
正する第2サブステップとを有し、前記第2サブステッ
プは前記第1サブステップよりも前に実行される、 ことを特徴とする放射線検出器のノイズリダクション方
法。 - 【請求項2】 前記第2補正値は、前記読み出し部のゲ
インノイズに対応することを特徴とする請求項1記載の
ノイズリダクション方法。 - 【請求項3】 前記第1補正値は、前記放射線検出部の
ゲインノイズと前記放射線検出部の横引ノイズとに対応
し、前記第2補正値は、前記読み出し部のゲインノイズ
に対応することを特徴とする請求項1記載のノイズリダ
クション方法。 - 【請求項4】 前記読み出し部ゲインノイズを取得する
ステップは、前記読み出し部を前記放射線検出部から電
気的にセパレートするサブステップと、前記読み出し部
に対してキャリブレーション信号を供給するサブステッ
プと、前記供給されたキャリブレーション信号にレスポ
ンスする前記読み出し部の出力信号に基づいて前記読み
出し部ゲインノイズを求めるサブステップとを有するこ
とを特徴とする請求項3記載のノイズリダクション方
法。 - 【請求項5】 前記検出部ゲインノイズを取得するステ
ップは、前記読み出し部を前記放射線検出部から電気的
にセパレートするサブステップと、前記検出部に対して
キャリブレーション信号を供給するサブステップと、前
記供給されたキャリブレーション信号にレスポンスする
前記読み出し部の出力信号に基づいて前記検出部ゲイン
ノイズを求めるサブステップとを有することを特徴とす
る請求項3記載のノイズリダクション方法。 - 【請求項6】 前記読み出し部ゲインノイズの情報は、
前記読み出し部の初期製造段階で予め測定され、前記補
正部内にストアされていることを特徴とする請求項3記
載のノイズリダクション方法。 - 【請求項7】 前記検出部ゲインノイズの情報は、前記
放射線検出部の初期製造段階で予め測定され、前記補正
部内にストアされていることを特徴とする請求項3記載
のノイズリダクション方法。 - 【請求項8】 前記読み出し部ゲインノイズの情報は、
前記読み出し部の定期検査時に取得され、前記補正部内
にストアされていることを特徴とする請求項3記載のノ
イズリダクション方法。 - 【請求項9】 前記検出部ゲインノイズの情報は、前記
検出部の定期検査時に取得され、前記補正部内にストア
されていることを特徴とする請求項3記載のノイズリダ
クション方法。 - 【請求項10】 入射した放射線を放射線検出部で検出
するステップと、 放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複数の画素
を有し、前記検出信号を前記放射線検出部から読み出し
部を経由して読み出すステップと、 前記読み出された検出信号を補正する補正ステップとか
らなり、 前記補正ステップは、 前記検出部のオフセットノイズと前記読み出し部のゲイ
ンノイズとの乗算値に前記読み出し部のオフセットノイ
ズを加算した結果を、前記検出信号から差分する第1サ
ブステップと、 前記第1サブステップの差分結果に前記読み出し部のゲ
インノイズの逆数を乗算する第2サブステップと、 前記第2サブステップの乗算結果から前記検出部の横引
ノイズを差分する第3サブステップと、 前記第3サブステップの差分結果から、前記検出部のゲ
インノイズの逆数を乗算する第4サブステップとを有す
る、 ことを特徴とする放射線検出器のノイズリダクション方
法。 - 【請求項11】 入射した放射線を放射線検出部で検出
するステップと、 放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複数の画素
を有し、前記検出信号を前記放射線検出部から読み出し
部を経由して読み出すステップと、 前記読み出された検出信号を補正する補正ステップとか
らなり、 前記補正ステップは、 前記読み出し部のオフセットノイズを、前記検出信号か
ら差分する第1サブステップと、 前記第1サブステップの差分結果に前記読み出し部のゲ
インノイズの逆数を乗算する第2サブステップと、 前記第2サブステップの乗算結果から前記検出部のオフ
セットノイズを差分する第3サブステップと、 前記第3サブステップの差分結果から、前記検出部の横
引ノイズを差分する第4サブステップと、 前記第4サブステップの差分結果に、前記検出部のゲイ
ンノイズの逆数を乗算する第5サブステップとを有す
る、 ことを特徴とする放射線検出器のノイズリダクション方
法。 - 【請求項12】 入射した放射線を放射線検出部で検出
するステップと、 放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複数の画素
を有し、前記検出信号を前記放射線検出部から読み出し
部を経由して読み出すステップと、 前記読み出された検出信号を補正する補正ステップとか
らなり、 前記補正ステップは、 前記検出部のオフセットノイズと前記読み出し部のゲイ
ンノイズとの乗算値に前記読み出し部のオフセットノイ
ズを加算した結果を、前記検出信号から差分する第1サ
ブステップと、 前記第1サブステップの差分結果から、前記検出部の横
引ノイズに前記読み出し部のゲインノイズを乗算した値
を、差分する第2サブステップと、 前記第2サブステップの差分結果に、前記検出部のゲイ
ンノイズと前記読み出し部のゲインノイズとの乗算値の
逆数を乗算する第3サブステップとを有する、ことを特
徴とする放射線検出器のノイズリダクション方法。 - 【請求項13】 前記請求項1乃至12のいずれか1項
に記載の放射線検出器のノイズリダクション方法を用い
た放射線診断装置。 - 【請求項14】 入射した放射線を検出する放射線検出
部、前記放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複
数の画素を有し、 前記放射線検出部で検出された検出信号を前記放射線検
出部から読み出す読み出し部、前記読み出し部は、選択
的に仕様可能な複数の読み出し方式を有しており、 前記読み出し方式各々に対応する補正値を、前記読み出
し方式毎に記憶する記憶部と、 前記記憶部から読み出し方式に応じて選択的に読み出さ
れた補正値に基づいて、前記出力された検出信号を補正
する補正部と、 からなることを特徴とする放射線検出器。 - 【請求項15】 前記補正部は、前記検出信号から、読
み出し方式に対応した、前記記憶部に記憶されている補
正値を差分する差分器を有することを特徴とする請求項
14記載の放射線検出器。 - 【請求項16】 実質的に放射線が入射しないときの前
記放射線検出部からの出力信号の値を、前記読み出し方
式毎に前記記憶部に記憶させるメモリ制御器を有するこ
とを特徴とする請求項14記載の放射線検出器。 - 【請求項17】 前記メモリ制御器は、前記放射線検出
部への放射線の入射が停止したときに前記記憶部の書き
込み動作を開始させるとともに、前記放射線検出部に放
射線が入射されたときに前記書き込み動作を停止させる
ことを特徴とする請求項16記載の放射線検出器。 - 【請求項18】 前記放射線検出部は、複数のゲート線
と、前記ゲート線に交差する複数の信号線と、前記ゲー
ト線と前記信号線との複数の交点付近に配置された複数
の画素とを有する、前記画素各々は光電変換素子とペア
の画素電極とを有し、 前記読み出し部は、前記画素電極と前記信号線との間に
配置された複数のスイッチング素子と、前記スイッチン
グ素子のゲートには前記ゲート線が接続される、前記ゲ
ート線に選択的に所定電圧を印加するゲート線ドライバ
とを有し、 前記複数の読み出し方式は、互いに、前記ゲート線ドラ
イバによる前記ゲート線の駆動手順が相違することを特
徴とする請求項14記載の放射線検出器。 - 【請求項19】 前記複数の読み出し方式は、前記ゲー
ト線を個別に駆動する第1の読み出し方式と、前記ゲー
ト線を所定のグループ単位で駆動する第2の読み出し方
式と、一部のゲート線を前記第1又は第2の読み出し方
式で駆動する第3の読み出し方式と、前記ゲート線の駆
動時間を短縮して前記第1乃至第3の読み出し方式を実
施する第4の読み出し方式とを含むことを特徴とする請
求項18記載の放射線検出器。 - 【請求項20】 前記記憶される補正値は、同一の読み
出し方式で繰り返し収集された補正値の加算平均である
ことを特徴とする請求項14記載の放射線検出器。 - 【請求項21】 前記請求項14乃至20のいずれか1
項に記載の放射線検出器を備えた放射線診断装置。 - 【請求項22】 入射した放射線を検出する放射線検出
部、前記放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複
数の画素を有し、 前記検出信号を前記放射線検出部から読み出す読み出し
部と、 前記読み出された検出信号を補正する補正部を有し、 前記複数の画素の一部は、前記放射線に対して実質的に
シールドされている、前記補正部は、前記シールドされ
ている画素から信号に基づいて前記シールドされていな
い画素からの信号を補正することを特徴とする放射線検
出器。 - 【請求項23】 前記読み出し部は、前記画素からの信
号を増幅する複数の増幅器を有する、前記シールドされ
ている画素に対応する増幅器の増幅率は、前記シールド
されていない画素に対応する増幅器の増幅率よりも高い
ことを特徴とする請求項22記載の放射線検出器。 - 【請求項24】 前記増幅器は、キャパシタを含み、
前記シールドされている画素に対応する増幅器のキャパ
シタの容量は、前記シールドされていない画素に対応す
る増幅器のキャパシタの容量よりも低いことを特徴とす
る請求項23記載の放射線検出器。 - 【請求項25】 前記シールドされた画素の出力信号
に、前記シールドされた画素に対応する増幅器のキャパ
シタ容量に対する前記シールドされていない画素に対応
する増幅器のキャパシタ容量の比を乗算する乗算器と、 前記乗算結果を、前記シールドされていない画素の出力
信号から差分する差分器とを有することを特徴とする請
求項23記載の放射線検出器。 - 【請求項26】 入射した放射線を検出する放射線検出
部、前記放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複
数の画素を有し、 前記検出信号を前記放射線検出部から読み出す読み出し
部と、 前記読み出された検出信号を補正する補正部と、 前記複数の画素の中の一端に位置された第1の画素(複
数)と、他端に位置された第2の画素(複数)とは、前
記放射線に対して実質的にシールドされている、前記補
正部は、前記第1及び第2の画素からの信号に基づいて
前記シールドされていない画素からの信号を補正するこ
とを特徴とする放射線検出器。 - 【請求項27】 前記補正部は、前記シールドされてい
ない画素の信号を、前記第1の画素の信号と前記第2の
画素の信号との距離補間値に基づいて補正することを特
徴とする請求項26記載の放射線検出器。 - 【請求項28】 前記請求項22乃至27のいずれか1
項記載の放射線検出器を備えた放射線診断装置。 - 【請求項29】 入射した放射線を検出する放射線検出
部と、 前記放射線検出部はマトリクス状にアレイされた複数の
画素を有し、 前記検出信号を前記放射線検出部から読み出す読み出し
部と、 前記読み出し部を、前記放射線検出部からセパレートす
る複数のスイッチング素子とを有することを特徴とする
放射線検出器。 - 【請求項30】 前記スイッチング素子により前記放射
線検出部からセパレートされた前記読み出し部にキャリ
ブレーション信号を供給するキャリブレーション信号発
生器と、 前記キャリブレーション信号にレスポンスする前記キャ
リブレーション信号発生器の出力信号に基づいて、補正
値を演算する計算部と、 前記補正値に基づいて、前記放射線検出部から前記読み
出し部を経由して読み出された信号を補正する補正部と
を有することを特徴とする請求項29記載の放射線検出
器。 - 【請求項31】 前記補正値は、前記読み出し部のゲイ
ンノイズ及び/又はオフセットノイズに対応しているこ
とを特徴とする請求項30記載の放射線検出器。 - 【請求項32】 前記読み出し部ゲインノイズの情報
は、前記読み出し部の初期製造時に取得され、前記補正
部内に記憶されることを特徴とする請求項31記載の放
射線検出器。 - 【請求項33】 前記読み出しゲインノイズの情報は、
前記読み出し部の定期検査時に取得され、前記補正部内
に記憶されることを特徴とする請求項31記載の放射線
検出器。 - 【請求項34】 前記読み出しゲインノイズの情報は、
前記画素の列ごとに個別に固有値として求められること
を特徴とする請求項31記載の放射線検出器。 - 【請求項35】 前記請求項29乃至34のいずれか1
項に記載の放射線検出器を備えた放射線診断装置。
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JP2000227780A JP4828687B2 (ja) | 1999-07-29 | 2000-07-27 | 放射線検出器のノイズリダクション方法、放射線診断装置 |
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