JPWO2007096968A1 - 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 - Google Patents

放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 Download PDF

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Abstract

この発明の放射線撮像装置は、再帰的演算処理を行う際には、放射線検出手段の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分し、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理によって時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めるように構成されているので、再帰的演算処理を行わない箇所では少なくとも再帰的演算処理が行われず、再帰的演算処理を省いた分だけ再帰的演算処理のための計算量を低減させて、放射線検出信号から時間遅れ分を除去することができる。

Description

この発明は、被検体への放射線照射に伴って放射線検出手段から所定のサンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像が得られるように構成されている医用もしくは工業用の放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法に係り、特に、放射線検出手段から取り出された放射線検出信号から放射線検出手段に起因する時間遅れ分を除去するための技術に関する。
放射線撮像装置の代表的な装置のひとつである医用X線診断装置において、最近、X線管によるX線照射に伴って生じる被検体のX線透過像を検出するX線検出器として、半導体等を利用した極めて多数個のX線検出素子をX線検出面に縦横に配列したフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)が用いられている。
すなわち、X線診断装置では、X線管による被検体への放射線照射に伴ってFPDからサンプリング時間間隔で取り出されるX線画像1枚分のX線検出信号に基づいて、サンプリング時間間隔毎の被検体のX線透過像に対応するX線画像が得られる構成がとられている。FPDを用いた場合、従来から用いられているイメージインテンシファイアなどに比べて、軽量で、かつ、複雑な検出歪みが発生しないので、装置構造面や画像処理面で有利となる。
しかしながら、FPDを用いた場合、FPDに起因する時間遅れによる悪影響がX線画像に現れるという問題がある。具体的には、FPDからX線検出信号を取り出すサンプリング時間間隔が短い場合、取り出し切れない信号の残りが時間遅れ分として次のX線検出信号に加わる。そのため、FPDから1秒間に30回のサンプリング時間間隔で画像1枚分のX線検出信号を取り出してX線画像を作成して動画表示する場合、時間遅れ分が前の画面に残像として現れ、画像のダブリを生じる、結果、動画像がボヤける等の不都合が生じる。
このFPDの時間遅れ問題に対し、米国特許明細書第5249123号では、コンピュータ断層画像(CT画像)の取得の場合において、FPDからサンプリング時間間隔Δtで取り出される放射線検出信号から時間遅れ分を演算処理で除去する技術が提案されている。
すなわち、前記米国特許明細書では、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を時間遅れ分が幾つかの指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして、放射線検出信号yk から時間遅れ分を除去した遅れ除去放射線検出信号xk とする演算処理を次式によって行っている。
k =[ykn=1 Nn ・[1-exp(Tn )]・exp(Tn )・Snk ]]/Σn=1 Nβn
ここで、Tn =−Δt/τn ,Snk=xk-1 +exp(Tn )・Sn(k-1)
βn =αn ・[1−exp(Tn )]
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn :指数関数nの強度
τn :指数関数nの減衰時定数
しかしながら、発明者らが上記米国特許明細書が提案する演算処理技術を適用実施してみたところでは、時間遅れに起因するアーティファクトが回避されず、かつ、まともなX線画像も得られないという結果しか得られず、FPDの時間遅れは解消されないことが確認された(特許文献1)。
そこで、発明者は、特開2004−242741号公報の手法を先に提案している。この手法によれば、このFPDの時間遅れに対して、次の再帰式a〜cにより、FPDのインパルス応答に起因する時間遅れを除去している。
k =Yk −Σn=1 N [αn ・〔1−exp(Tn ) 〕・exp(Tn )・Snk]…a
n =−Δt/τn …b
nk=Xk-1 +exp(Tn )・Sn(k-1)…c
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
k :Yk から時間遅れ分を除去した遅れ除去放射線検出信号
k-1 :一時点前のXk
n(k-1):一時点前のSnk
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn :指数関数nの強度
τn :指数関数nの減衰時定数
n0=0
0 =0
この再帰式的演算では、FPDのインパルス応答係数である、N,αn,τn を事前に求めておき、それを固定した状態で放射線検出信号Yk を式a〜cに適用し、その結果、時間遅れ分を除去したXk を算出することになる(特許文献2)。なお、上述した時間遅れ分を除去する補正は、「ラグ補正」とも呼ばれている。
上述した特許文献2の手法以外にも、バックライトを用いて時間遅れ分の長時定数成分の低減を図る技術がある(例えば、特許文献3参照)。
米国特許第5249123号(明細書中の数式および図面) 特開2004−242741号公報(明細書中の数式および図面) 特開平9−9153号公報(第3−8頁、図1)
しかしながら、例えば17インチサイズのFPDは、縦横が3072×3072画素であり、上述した特許文献2の手法では、再帰的演算処理のための計算量が膨大になる。そこで、動画の透視撮影の場合には、画素を加算するビニング動作を行って計算量を減らす対策を行っている。例えば、縦横をともに2×2画素を1つにまとめるビニング動作では、ビニング動作によって画素数が1/4に減って計算量を1/4に減らすことができる。また、縦が4画素で横が2画素の4×2画素を1つにまとめるビニング動作では、ビニング動作によって画素数が1/8に減って計算量を1/8に減らすことができる。
しかし、一方でコストを抑える必要から上述した特許文献3のバックライトを削除すると、時間遅れ分の時定数成分(「ラグ成分」とも呼ばれている)量が増大する。この対策として、ラグ補正に用いる時間遅れ分の時定数成分の数を増やすことが考えられる。しかし、成分の数を増やすと、計算量が増大してしまう。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、計算量を低減させて、放射線検出手段から取り出された放射線検出信号から放射線検出手段に起因する放射線検出信号の時間遅れを除去することができる放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明の放射線撮像装置は、放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線検出手段から放射線検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出す信号サンプリング手段とを備え、被検体への放射線照射に伴って放射線検出手段からサンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像が得られるように前記装置は構成されており、前記装置は、さらに、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして再帰的演算処理により各放射線検出信号から除去する時間遅れ除去手段と、前記放射線検出手段の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、前記再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分する画素群区分手段とを備え、前記時間遅れ除去手段は、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とするものである。
この発明の放射線撮像装置では、放射線照射手段による被検体への照射線に伴って放射線検出手段から所定のサンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を、単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして、時間遅れ除去手段が除去する。各放射線検出信号から時間遅れ分を除去する際には、再帰的演算処理により行う。この再帰的演算処理を行う際には、以下のように行う。すなわち、放射線検出手段の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、画素群区分手段は、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分し、時間遅れ除去手段は、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して、得られた補正後放射線検出信号から放射線画像が取得される。
このように、この発明の放射線撮像装置によれば、再帰的演算処理を行わない箇所では少なくとも再帰的演算処理が行われないので、再帰的演算処理を省いた分だけ再帰的演算処理のための計算量を低減させて、放射線検出信号から時間遅れ分を除去することができる。
また、この発明の放射線検出信号処理方法は、被検体を照射して検出された放射線検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出し、サンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして再帰的演算処理により各放射線検出信号から除去し、その際には、放射線を検出して前記放射線検出信号を出力する放射線検出手段の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、前記再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分し、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理によって時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とするものである。
この発明の放射線検出信号処理方法によれば、再帰的演算処理を行う際には、放射線検出手段の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分し、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理によって時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることで、再帰的演算処理を行わない箇所では少なくとも再帰的演算処理が行われない。したがって、再帰的演算処理を省いた分だけ再帰的演算処理のための計算量を低減させて、放射線検出信号から時間遅れ分を除去することができる。また、再帰的演算処理を行う箇所を減らすので、従来の装置構成を大きく変えることなしに計算量を減らすことができて、より多くの時定数成分を用いた、時間遅れ分を除去する補正であるラグ補正を行うことができるという効果をも奏する。
上述したこれら放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法の一例は、所定の一方向に並んだ画素群の一部をラインとしたときに、再帰的演算処理を行わない箇所を所定のラインとして設定するとともに、再帰的演算処理を行う箇所を所定のライン以外のラインとして設定することである。このように設定することでラインに関連して区分して、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに分けることができる。
なお、放射線検出手段が、各々の画素にそれぞれ対応した複数の放射線検出素子が2次元状に配列されて構成されているとともに、前記放射線検出素子のスイッチング制御を行う複数のゲートバスラインが各々の放射線検出素子に接続され、前記放射線検出信号を放射線検出素子から読み出すデータバスラインが前記ゲートバスラインに直交して各々の放射線検出素子に接続されて構成されているときには、上述したラインの一例について以下のように設定することが可能である。
すなわち、再帰的演算処理を行わない箇所を所定のデータバスラインとして設定するとともに、再帰的演算処理を行う箇所を所定のデータバスライン以外のデータバスラインとして設定することが可能である。このように設定することでデータバスラインに関連して区分して、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに分けることができる。また、データバスラインの延びている方向が読み出し方向に沿っているので、読み出しの時点で所定のデータバスラインに容易に区分することができる。
このようなデータバスラインの一例について、さらに以下のように分けることが可能である。すなわち、隣接するデータバスライン毎に再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けることが可能である。
上述したこれら放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法の他の一例は、再帰的演算処理を行わない箇所では、その箇所の周辺であって、かつ再帰的演算処理が行われた箇所における再帰的演算結果に基づいた値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることである。このように、再帰的演算処理を行わない箇所において時間遅れ分を除去することで、時間遅れ分を除去する補正であるラグ補正の効果を、再帰的演算処理が行われた箇所と同等に得ることができ、その効果が損なわれ難い。
このように、再帰的演算処理を行わない箇所において時間遅れ分を除去する場合の一例は、再帰的演算結果に基づいた値が、再帰的演算結果に基づく統計量である。このような統計量を用いて時間遅れ分を除去することで、再帰的演算処理を行わない箇所でも、信頼性がより高い補正後放射線検出信号を取得することができる。また、上述した統計量の一例は、再帰的演算処理結果の平均値である。また、このような平均値を用いる一例として、以下のようなものがある。
すなわち、前記再帰的演算処理を行う箇所では放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
n=−Δt/τn …B
nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
k-1 :一時点前のXk
n(k-1):一時点前のSnk
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn:指数関数nの強度
τn:指数関数nの減衰時定数
により行うとともに、再起的演算処理のための初期値を式D、
0 =0,Sn0=γn・Y0…D
但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
0 :再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値
により行い、前記式Dにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求め、前記再帰的演算処理を行わない箇所では、前記再帰的演算処理結果を前記式A中のΣn=1 N [Snk]として、その箇所の周辺であって、かつ再帰的演算処理が行われた箇所におけるΣn=1 N [Snk]の平均値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることである。
この発明に係る放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法によれば、再帰的演算処理を行わない箇所では少なくとも再帰的演算処理が行われないので、再帰的演算処理を省いた分だけ再帰的演算処理のための計算量を低減させて、放射線検出信号から時間遅れ分を除去することができる。
実施例のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図である。 実施例装置に用いられているFPDの構成を示す平面図である。 実施例装置によるX線撮影の実行時のX線検出信号のサンプリング状況を示す模式図である。 断面視したFPDの等価回路である。 平面視したFPDの等価回路である。 実施例でのX線検出信号処理方法の手順を示すフローチャートである。 実施例でのX線検出信号処理方法における時間遅れ除去用の再帰的演算処理プロセスを示すフローチャートである。 隣接するデータバスライン毎に再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けたときの模式図である。 放射線入射状況に対応した時間遅れ状況を示す図である。 撮影のラグ(時間遅れ分)が透視に重なった時間遅れ状況を示す図である。
符号の説明
1 … X線管
2 … FPD(フラットパネル型X線検出器)
3 … A/D変換器
11 … 時間遅れ除去部
12 … 画素群区分部
22 … X線検出素子
26 … ゲートバスライン
29 … データバスライン
M … 被検体
FPD(フラットパネル型X線検出器)の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、再帰的演算処理を行う箇所(FPDのデータバスライン)と再帰的演算処理を行わない箇所(FPDのデータバスライン)とに区分する画素群区分手段を備え、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理によって時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求めることで、再帰的演算処理を行わない箇所では少なくとも再帰的演算処理が行われず、再帰的演算処理を省いた分だけ再帰的演算処理のための計算量を低減させて、X線検出信号から時間遅れ分を除去するという目的を実現した。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。図1は、実施例に係るX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図である。
X線透視撮影装置は、図1に示すように、被検体Mに向けてX線を照射するX線管1と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD(フラットパネル型X線検出器)2と、FPD2からX線検出信号を所定のサンプリング時間間隔Δtでディジタル化して取り出すA/D変換器3と、A/D変換器3から出力されるX線検出信号に基づいてX線画像を作成する検出信号処理部4と、検出信号処理部4で取得されたX線画像を表示する画像モニタ5とを備えている。つまり、被検体MへのX線照射に伴ってA/D変換器3でFPD2から取り出されるX線検出信号に基づいてX線画像が得られるように本実施例装置は構成されており、取得されたX線画像が画像モニタ5の画面に映し出される。以下、本実施例装置の各部構成を具体的に説明する。X線管1は、この発明における放射線照射手段に相当し、FPD2は、この発明における放射線検出手段に相当し、A/D変換器3は、この発明における信号サンプリング手段に相当する。また、X線検出信号は、この発明における放射線検出信号に相当し、X線画像は、この発明における放射線画像に相当する。
被検体Mを挟んでX線管1とFPD2とを対向配置する。具体的には、X線撮影の際にX線照射制御部6の制御を受けながら、X線管1は被検体Mにコーンビーム状のX線を照射すると同時に、X線照射に伴って生じる被検体Mの透過X線像がFPD2のX線検出面に投影されるように、X線管1およびFPD2を対向配置する。
X線管移動機構7およびX線検出器移動機構8によってX線管1およびFPD2が被検体Mに沿って往復移動可能になるようにそれぞれを構成する。また、X線管1およびFPD2の移動に際しては、X線管移動機構7およびX線検出器移動機構8が照射検出系移動制御部9の制御を受けてX線の照射中心がFPD2のX線検出面の中心に常に一致する状態が保たれるようにし、X線管1とFPD2との対向配置を維持したままで一緒に移動させる。X線管1およびFPD2が移動するにつれて被検体MへのX線照射位置が変化することにより撮影位置が移動する。
FPD2は、図2に示すように、被検体Mからの透過X線像が投影されるX線検出面に多数のX線検出素子22が被検体Mの体軸方向Xと体側方向Yに沿って縦横に配列されて構成されている。例えば、縦17インチ×横17インチ程の広さのX線検出面にX線検出素子22が縦3072×横3072のマトリックスで縦横に配列されている。FPD2の各X線検出素子22が検出信号処理部4で作成されるX線画像の各画素と対応関係にあり、FPD2から取り出されたX線検出信号に基づいてX線検出面に投影された透過X線像に対応するX線画像が検出信号処理部4で作成される。X線検出素子22は、この発明における放射線検出素子に相当する。
A/D変換器3は、X線画像1枚分ずつのX線検出信号をサンプリング時間間隔Δtで連続的に取り出して、後段のメモリ部10でX線画像作成用のX線検出信号を記憶し、X線検出信号のサンプリング動作(取り出し)をX線照射の以前に開始するように構成されている。
すなわち、図3に示すように、サンプリング時間間隔Δtで、その時点の透過X線像についての全X線検出信号が収集されてメモリ部10に次々に格納される。X線を照射する以前のA/D変換器3によるX線検出信号の取り出し開始は、オペレータの手動操作によって行われる構成でもよいし、X線照射指示操作等と連動して自動的に行われる構成でもよい。
FPD2のより具体的な構成について説明する。FPD2は、図4に示すように、ガラス基板21と、ガラス基板21上に形成された薄膜トランジスタTFTとから構成されている。薄膜トランジスタTFTについては、図4、図5に示すように、上述した多数個のX線検出素子22が形成されており、キャリア収集電極23ごとにX線検出素子22が互いに分離形成されている。X線検出素子22はスイッチング素子として機能する。
図4に示すようにキャリア収集電極23の上にはX線感応型半導体24が積層形成されており、図4、図5に示すようにキャリア収集電極23はX線検出素子22のソースSに接続されている。ゲートドライバ25からは複数本のゲートバスライン26が接続されているとともに、各ゲートバスライン26はX線検出素子22のゲートGに接続されている。一方、図5に示すように、電荷信号を収集して1つに出力するマルチプレクサ27には増幅器28を介して複数本のデータバスライン29が接続されているとともに、図4、図5に示すように各データバスライン29はX線検出素子22のドレインDに接続されている。
図示を省略する共通電極にバイアス電圧を印加した状態で、ゲートバスライン26の電圧を印加(または0Vに)することでX線検出素子11のゲートがONされて、キャリア収集電極23は、検出面側で入射したX線からX線感応型半導体24を介して変換された電荷信号(キャリア)を、X線検出素子22のソースSとドレインDとを介してデータバスライン29に読み出す。なお、X線検出素子22がONされるまでは、電荷信号はキャパシタ(図示省略)で暫定的に蓄積されて記憶される。各データバスライン29に読み出された電荷信号を増幅器28で増幅して、マルチプレクサ27で1つの電荷信号にまとめて出力する。出力された電荷信号を上述したA/D変換器3でディジタル化してX線検出信号として出力する。つまり、ゲートバスライン26はX線検出素子22のスイッチング制御を行い、データバスライン29はX線検出信号(アナログ状態では電荷信号)をX線検出素子22から読み出す。
以上をまとめると、FPD2は、各々の画素にそれぞれ対応した複数のX線検出素子22が2次元状に配列されて構成されているとともに、X線検出素子22のスイッチング制御を行う複数のゲートバスライン26が各々のX線検出素子22に接続され、X線検出信号をX線検出素子22から読み出すデータバスライン29がゲートバスライン26に直交して各々のX線検出素子22に接続されて構成されている。ゲートバスライン26は、この発明におけるゲートバスラインに相当し、データバスライン29は、この発明におけるデータバスラインに相当する。
また、本実施例のX線透視撮影装置は、図1に示すように、再帰的演算処理により各X線検出信号から時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号を算出する時間遅れ除去部11と、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分する画素群区分部12とを備えている。時間遅れ除去部11は、この発明における時間遅れ除去手段に相当し、画素群区分部12は、この発明における画素群区分手段に相当する。
時間遅れ分は、FPD2からサンプリング時間間隔で取り出される各X線検出信号に含まれている。その時間遅れ分を減衰時定数が異なる単数または複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして上述した再帰的演算処理を行って、各X線検出信号から時間遅れ分を除去する。
その際には、FPD2のX線検出素子22の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、上述した再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに画素群区分部12は区分し、時間遅れ除去部11は、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求める。
本実施例では、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分するのに、図8に示すように、隣接するデータバスライン29毎に再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けている。図8では、再帰的演算処理を行うデータバスライン29を斜線のハッチングで示すとともに、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29を空白で示している。なお、再帰的演算処理を行うデータバスライン29を偶数番目に設定した場合には、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29は奇数番目に設定され、逆に再帰的演算処理を行うデータバスライン29を奇数番目に設定した場合には、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29は偶数番目に設定される。再帰的演算処理を行う/行わないデータバスライン29の設定については、奇数/偶数に限定されない。
本実施例では、時間遅れ除去部11は、再帰的演算処理を行わない箇所では、その箇所の周辺であって、かつ再帰的演算処理が行われた箇所における再帰的演算結果に基づいた値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求める。上述したように、隣接するデータバスライン29毎に再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けている。したがって、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29の周辺であって、かつ再帰的演算処理が行われたデータバスライン29の好ましい例は、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29(図8の空白部分)を両隣で挟んだ2つのデータバスライン29(図8の斜線のハッチング部分)である。したがって、本実施例では、先に図8の斜線のハッチング部分のデータバスライン29で再帰的演算処理を行って、時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求めてから、その再帰的演算結果に基づいた値を用いて、図8の空白部分のデータバスライン29で(再帰的演算処理を行わずに)時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求める。
なお、本実施例では、再帰的演算結果に基づいた値として、再帰的演算結果に基づく統計量を例に採って説明する。さらに、再帰的演算結果に基づく統計量として、再帰的演算処理結果の平均値を例に採って説明する。再帰的演算処理結果の平均値については、後述する。
一方、本実施例では、再起的演算処理のための初期値を決定するには、再帰的演算処理の基点時に残留しているラグ信号値に基づいて行う。ここで、再帰的演算処理の基点時とは、先頭フレームにおけるX線非照射時(k=0)のことを示し、再帰的演算処理の基点時に残留しているラグ信号値とは、そのX線非照射時に残留しているラグ信号値Y0を示す。そして、決定された初期値に基づく再帰的演算処理によって、時間遅れ除去部11は(ただし再帰的演算処理を行うデータバスライン29について)時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求める。
FPD2の場合、図9に示すように、各時刻でのX線検出信号には、過去のX線照射に対応する信号が時間遅れ分(図9中の斜線部分を参照)として含まれる。この時間遅れ分を時間遅れ除去部11で除去して時間遅れのない補正後X線検出信号にする。この補正後X線検出信号に基づいて、X線検出面に投影された透過X線像に対応するX線画像を検出信号処理部4が作成する。
具体的に時間遅れ除去部11は、各X線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を、次式A〜Cを利用して行う。
k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
n=−Δt/τn …B
nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
k :k番目のサンプリング時点で取り出されたX線検出信号
k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号
k-1 :一時点前のXk
n(k-1):一時点前のSnk
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn:指数関数nの強度
τn:指数関数nの減衰時定数
つまり、式Aの右辺の第2項以降、すなわち式Cでの『Snk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }が時間遅れ分に該当するので、本実施例装置では、時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号Xk が式A〜Cという簡潔な漸化式によって速やかに求められる。
ここで、再帰的演算処理の基点時、すなわち先頭フレームにおけるX線非照射時は、k=0のときであり、再帰的演算処理を行う際にk=0のときのXk,Snk、すなわち初期値を次式Dのように決定する。
0 =0,Sn0=γn・Y0…D
但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
0 :再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に残留しているラグ信号値
例えば、図10に示すように、時間t0〜t1での撮影のラグが透視に重なると、再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時(図10ではk=0を参照)であっても、時間t0〜t1での撮影で発生した時間遅れ分による残留ラグ(ラグ信号値)が存在する。すなわち、X線非照射時であってもX線検出信号Ykの初期値Y0は0でない。
そこで、式Dのように、X0 =0,Sn0=γn・Y0(Y0 :再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に残留しているラグ信号値)によって再帰的演算処理のための初期値を設定して、式Dにより決定された初期値での条件で、式A〜Cにより求められたインパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号Xkを求める。
以上の式A〜Dに関する説明は、再帰的演算処理を行うデータバスライン29についてであったが、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29については、以下のようにして時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求める。すなわち、再帰的演算処理を行うデータバスライン29で行われた再帰的演算処理結果を式A中のΣn=1 N [Snk]として、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29を両隣で挟んだ2つのデータバスライン29におけるΣn=1 N [Snk]の平均値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求める。すなわち、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29では補正後X線検出信号を求めるのに、式A中の第2項のΣn=1 N [Snk]の代わりに、上述した両隣の2つのデータバスライン29におけるΣn=1 N [Snk]の平均値が式A中の第2項として用いられる。そして、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29では式B〜Dを用いない。
なお、本実施例装置では、A/D変換器3や、検出信号処理部4、X線照射制御部6や照射検出系移動制御部9、時間遅れ除去部11、画素群区分部12は、操作部13から入力される指示やデータあるいはX線撮影の進行に従って主制御部14から送出される各種命令にしたがって制御・処理を実行する。
次に、上述の本実施例装置を用いてX線撮影を実行する場合について、図面を参照しながら具体的に説明する。図6は実施例でのX線検出信号処理方法の手順を示すフローチャートである。なお、ここでの撮影は、図10に示すような過去の撮影や、今回の透視あるいは撮影も含む。
〔ステップS1〕X線未照射の状態でA/D変換器3がサンプリング時間間隔Δt(=1/30秒)でFPD2からX線照射前のX線画像1枚分のX線検出信号Yk を取り出す。取り出されたX線検出信号をメモリ部10に記憶する。
〔ステップS2〕オペレータの設定によりX線が連続ないし断続的に被検体Mに照射されるのと並行して、サンプリング時間間隔ΔtでA/D変換器3によるX線画像1枚分のX線検出信号Yk の取り出しとメモリ部10への記憶とを続ける。
〔ステップS3〕X線照射が終了すれば次のステップS4に進み、X線照射が終了していなければステップS2に戻る。
〔ステップS4〕メモリ部10から1回のサンプリングで収集したX線画像1枚分のX線検出信号Yk を読み出す。
このX線検出信号の読み出しを、データバスライン29の並んでいる方向に順次に行う場合には、各データバスライン29毎に再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分ける。
〔ステップS5〕再帰的演算演算処理を行うデータバスライン29では、時間遅れ除去部11が式A〜Cによる再帰的演算処理を行い、各X線検出信号Yk から時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号Xk 、すなわち、画素値を求める。
再帰的演算処理を行わないデータバスライン29では、時間遅れ除去部11が両隣の2つのデータバスライン29におけるΣn=1 N [Snk]の平均値を用いて、各X線検出信号Yk から時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号Xk (画素値)を求める。
〔ステップS6〕再帰的演算演算処理を行うデータバスライン29および再帰的演算処理を行わないデータバスライン29を併せて、検出信号処理部4が1回のサンプリング分(X線画像1枚分)の補正後X線検出信号Xk に基づいてX線画像を作成する。
〔ステップS7〕作成したX線画像を画像モニタ5に表示する。
〔ステップS8〕メモリ部10に未処理のX線検出信号Yk が残っていれば、ステップS4に戻り、未処理のX線検出信号が残っていなければ、X線撮影を終了する。
なお、本実施例装置では、X線画像1枚分のX線検出信号Yk に対する時間遅れ除去部11による補正後X線検出信号Xk の算出および検出信号処理部4によるX線画像の作成をサンプリング時間間隔Δt(=1/30秒)で行う。すなわち、1秒間にX線画像を30枚程度のスピードで次々と作成し、作成されたX線画像を連続表示することができるように構成する。したがって、X線画像の動画表示が可能になる。
次に、図6におけるステップS5の時間遅れ除去部11による再帰的演算処理のプロセスについて、図7のフローチャートを用いて説明する。図7は実施例でのX線検出信号処理方法における時間遅れ除去用の再帰的演算処理プロセスを示すフローチャートである。
先ず、図8の斜線のハッチング部分のデータバスライン29で再帰的演算処理を行って、時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求めて(ステップT1〜T7)から、その再帰的演算結果に基づいた値(ここでは、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29を両隣で挟んだ2つのデータバスライン29におけるΣn=1 N [Snk]の平均値)を用いて、図8の空白部分のデータバスライン29で時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求める(ステップT8,T9)。
〔ステップT1〕図8の斜線のハッチング部分のデータバスライン29で再帰的演算処理を行う。
〔ステップT2〕過去の撮影で発生した時間遅れ分による残留ラグ(ラグ信号値)を収集する。具体的には、先頭フレームにおいてA/D変換器3がFPD2から残留ラグによるX線画像1枚分のX線検出信号Y0 を取り出す。このX線検出信号Y0は、再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に残留しているラグ信号値Y0でもある。
〔ステップT3〕k=0とセットして、式AのX0 =0を初期値としてセットする。一方、ステップT2で取得されたラグ信号値Y0を式Dに代入することで式CのSn0を求める。ここで、ある減衰時定数τnの成分nの残留割合γnを、式Eの条件を満たすように設定するのが好ましい。
すなわち、
Σn=1 N [γn]≦1,0≦γn…E
但し,Σn=1 N [γn]:成分nの残留割合γnの総和
の条件を満たすように設定するのが好ましい。
成分nの残留割合γnの総和が1を超えると時間遅れ分が過剰に除去され、逆に成分nの残留割合γnの総和が負の値の場合には時間遅れ分が逆に加算される恐れがある。そこで、成分nの残留割合γnの総和を0以上1以下にして、残留割合γnを0以上にすることで、時間遅れ分を過不足なく除去することができる。式Eについては、次式E´のようにしてもよいし、次式E´´のようにしてもよい。
すなわち、式Eが次式E´の場合には、式Eは、
Σn=1 N [γn]=1…E´
の条件を満たすとともに、各々の残留割合γnを式F、
γ1=γ2=…=γn=…=γN-1=γN…F
の条件を満たすように設定する。
式E´に式Fを代入することで、N・γN=1となる。したがって、各々の残留割合γnはγN=1/Nとなり、各々の残留割合γnは(インパルス応答を構成する時定数が異なる)指数関数の個数Nで均等に分配される。このことから、γN=1/Nを式DのSn0=γn・Y0に代入することで、式Dは次式D´で表される。
すなわち、式Dは
n0=Y0/N…D´
で表される。指数関数の数が3個(N=3)の場合は、S10,S20,S30を式DにしたがってY0/3に全てセットする。
また、式Eが次式E´´の場合には、式Eは、
Σn=1 N [γn]<1…E´´
の条件を満たすとともに、ある減衰時定数τmの成分mでの残留割合γM、それ以外の残留割合γNを式G、
0<γM<1,γN=0…G
の条件を満たすように設定する。指数関数の数が3個(N=3)で、減衰時定数τ2の成分2での残留割合γ2が0<γ2<1を満たし(例えばγ2=0.1)、かつそれ以外の残留割合がγ1=γ3=0を満たす場合には、S10,,S30を式Gにしたがって0にセットするとともに、S20を式Gにしたがってγ2・Y0(例えばγ2=0.1)にセットする。
〔ステップT4〕式A,Cでk=1とセットする。式C、つまりSn1=exp(T1) ・{α1・〔1−exp(T1) 〕・exp(T1)・Sn0 }にしたがってS11,S21,S31を求め、さらに求められたS11,S21,S31とX線検出信号Y1とを式Aに代入することで補正後X線検出信号X1を算出する。
〔ステップT5〕式A,Cでkを1だけ増加(k=k+1)した後、続いて式Cに1時点前のXk-1 を代入してS1k,S2k,S3kを求め、さらに求められたS1k,S2k,S3kとX線検出信号Ykとを式Aに代入することで補正後X線検出信号Xkを算出する。
〔ステップT6〕未処理のX線検出信号Yk があれば、ステップT5に戻り、未処理のX線検出信号Yk がなければ、次のステップT7に進む。
〔ステップT7〕1回のサンプリング分(X線画像1枚分)の補正後除去X線検出信号Xk を算出し、再帰的演算処理を行うデータバスライン29(図8の斜線のハッチング部分)において、1回の撮影分についての再帰的演算処理が終了となる。
〔ステップT8〕次に、図8の空白部分のデータバスライン29で再帰的演算処理を行わずに処理を行う。
〔ステップT9〕すなわち、各々のk(=1,2,…)ごとに、両隣の2つのデータバスライン29におけるΣn=1 N [Snk]の平均値を式A中の第2項として用いて、X線検出信号Ykを式Aに代入することで補正後X線検出信号Xkを算出する。ステップT6と同様に、未処理のX線検出信号Yk があるまでこのステップT9を行い、未処理のX線検出信号Yk がなければ、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29(図8の空白部分)において、1回の撮影分についての処理が終了となる。
以上のように、本実施例のX線透視撮影装置によれば、再帰的演算処理を行わない箇所(本実施例では図8の空白部分のデータバスライン29)では少なくとも再帰的演算処理が行われないので、再帰的演算処理を省いた分だけ再帰的演算処理のための計算量を低減させて、X線検出信号から時間遅れ分を除去することができる。また、再帰的演算処理を行う箇所を減らすので、従来の装置構成を大きく変えることなしに計算量を減らすことができて、より多くの時定数成分を用いた、時間遅れ分を除去する補正であるラグ補正を行うことができるという効果をも奏する。また、本実施例の場合には、長期ラグの合格基準を緩和しても、計算量を減らした状態で、FPD2の歩留まりを向上させることができる。
本実施例では、所定の一方向に並んだ画素群の一部をラインとしたときに、再帰的演算処理を行わない箇所を所定のライン(本実施例では図8の空白部分のデータバスライン29)として設定するとともに、再帰的演算処理を行う箇所を所定のライン以外のライン(本実施例では図8の斜線のハッチング部分のデータバスライン29)として設定している。このように設定することでライン(ここではデータバスライン29)に関連して区分して、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに分けることができる。
より具体的には、再帰的演算処理を行わない箇所を所定のデータバスライン29(本実施例では図8の空白部分のデータバスライン29)として設定するとともに、再帰的演算処理を行う箇所を所定のデータバスライン29以外のデータバスライン29(本実施例では図8の斜線のハッチング部分のデータバスライン29)として設定している。このように設定することでデータバスライン29に関連して区分して、再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに分けることができる。また、データバスライン29の延びている方向が読み出し方向に沿っているので、読み出しの時点(本実施例ではステップS4)で所定のデータバスライン29に容易に区分することができる。なお、本実施例では、隣接するデータバスライン29毎に再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けている。
一方で、本実施例では、再帰的演算処理を行わない箇所(本実施例では図8の空白部分のデータバスライン29)では、その箇所の周辺であって、かつ再帰的演算処理が行われた箇所(本実施例では図8の空白部分のデータバスライン29の両隣の図8の斜線のハッチング部分の2つのデータバスライン29)における再帰的演算結果に基づいた値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求めている。このように、再帰的演算処理を行わない箇所において時間遅れ分を除去することで、時間遅れ分を除去する補正であるラグ補正の効果を、再帰的演算処理が行われた箇所と同等に得ることができ、その効果が損なわれ難い。
より具体的には、再帰的演算結果に基づいた値が、再帰的演算結果に基づく統計量(ここでは平均値)である。このような統計量を用いて時間遅れ分を除去することで、再帰的演算処理を行わない箇所でも、信頼性がより高い補正後X線検出信号を取得することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、放射線検出手段がFPDであったが、この発明は、FPD以外のX線検出信号の時間遅れが生じる放射線検出手段を用いた構成の装置にも用いることができる。
(2)上述した実施例装置はX線透視撮影装置であったが、この発明はX線CT装置のようにX線透視撮影装置以外のものにも適用することができる。
(3)上述した実施例装置は医用装置であったが、この発明は、医用に限らず、非破壊検査機器などの工業用装置にも適用することができる。
(4)上述した実施例装置は、放射線としてX線を用いる装置であったが、この発明は、X線に限らず、X線以外の放射線(例えばγ線)を用いる装置にも適用することができる。
(5)上述した実施例では、初期値を式Dにより決定したが、再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に、図10に示すような時間t0〜t1での撮影で発生した時間遅れ分による残留ラグ(ラグ信号値)が存在しなければ、式AのX0 =0,式CのSn0=0をX線照射前の初期値として全てセットしてもよい。
(6)上述した実施例では、式A〜Cにより求められたインパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求めたが、特許文献2(特開2004−242741号公報)の手法でも述べたように、式a〜cにより求められたインパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去してもよい。
(7)上述した実施例では、隣接するデータバスライン29毎に再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けたが、例えば3以上の連続的に隣接する複数本のデータバスライン29については再帰的演算処理を行い、これらに隣接する1本のデータバスライン29についてのみ再帰的演算処理を行わないというように、再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に繰り返してもよい。また、例えば、2以上の連続的に隣接する複数本のデータバスライン29については再帰的演算処理を行い、これらに隣接する2以上の複数本のデータバスライン29について再帰的演算処理を行わないようにしてもよい。このように、再帰的演算処理を行わない箇所を所定のデータバスライン29として設定するとともに、再帰的演算処理を行う箇所を所定のデータバスライン29以外のデータバスライン29として設定するのであれば、各々のデータバスライン29の設定については、特に限定されない。
(8)上述した実施例では、隣接するデータバスライン29毎に再帰的演算処理を行わない箇所と再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けたが、所定の一方向に並んだ画素群の一部をラインとしたときに、再帰的演算処理を行わない箇所を所定のラインとして設定するとともに、再帰的演算処理を行う箇所を所定のライン以外のラインとして設定するのであれば、データバスライン29以外の種類のラインについても適用することができ、そのラインの種類については特に限定されない。また、必ずしもラインでなくてよく、例えば、ブロックごとに再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分してもよい。
(9)上述した実施例では、再帰的演算処理を行わない箇所で、その箇所の周辺であって、かつ再帰的演算処理が行われた箇所における再帰的演算結果に基づいた値を用いて時間遅れ分を除去するのに、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29(図8の空白部分)を両隣で挟んだ2つのデータバスライン29(図8の斜線のハッチング部分)における再帰的演算結果に基づいた値を用いて行ったが、再帰的演算処理を行わないデータバスライン29に近い順で、再帰的演算処理が行われたデータバスライン29を3つ以上選択して、これらのデータバスライン29における再帰的演算結果に基づいた値を用いて行ってもよい。
(10)上述した実施例では、再帰的演算結果に基づいた値として、再帰的演算結果に基づく統計量(実施例では平均値)を例に採って説明したが、統計量に限定されず、例えば再帰的演算結果に1未満の係数を掛けたものを、再帰的演算結果に基づいた値として用いてもよい。
(11)上述した実施例では、再帰的演算結果に基づく統計量の一例は平均値であったが、通常用いられる統計量であれば、平均値に限定されず、例えば再帰的演算結果の中央値、再帰的演算結果の最頻値、再帰的演算結果の加重平均値であってもよい。
以上のように、この発明は、フラットパネル型X線検出器(FPD)を備えた放射線撮像装置に適している。

Claims (16)

  1. 放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線検出手段から放射線検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出す信号サンプリング手段とを備え、被検体への放射線照射に伴って放射線検出手段からサンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像が得られるように前記装置は構成されており、前記装置は、さらに、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして再帰的演算処理により各放射線検出信号から除去する時間遅れ除去手段と、前記放射線検出手段の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、前記再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分する画素群区分手段とを備え、前記時間遅れ除去手段は、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、所定の一方向に並んだ画素群の一部をラインとしたときに、前記画素群区分手段は、前記再帰的演算処理を行わない箇所を所定のラインとして設定するとともに、前記再帰的演算処理を行う箇所を前記所定のライン以外のラインとして設定することを特徴とする放射線撮像装置。
  3. 請求項2に記載の放射線撮像装置において、前記放射線検出手段は、各々の画素にそれぞれ対応した複数の放射線検出素子が2次元状に配列されて構成されているとともに、前記放射線検出素子のスイッチング制御を行う複数のゲートバスラインが各々の放射線検出素子に接続され、前記放射線検出信号を放射線検出素子から読み出すデータバスラインが前記ゲートバスラインに直交して各々の放射線検出素子に接続されて構成されており、前記画素群区分手段は、前記再帰的演算処理を行わない箇所を所定のデータバスラインとして設定するとともに、前記再帰的演算処理を行う箇所を前記所定のデータバスライン以外のデータバスラインとして設定することを特徴とする放射線撮像装置。
  4. 請求項3に記載の放射線撮像装置において、前記画素群区分手段は、隣接するデータバスライン毎に前記再帰的演算処理を行わない箇所と前記再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けることを特徴とする放射線撮像装置。
  5. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、前記時間遅れ除去手段は、前記再帰的演算処理を行わない箇所では、その箇所の周辺であって、かつ前記再帰的演算処理が行われた箇所における再帰的演算結果に基づいた値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線撮像装置。
  6. 請求項5に記載の放射線撮像装置において、前記再帰的演算結果に基づいた値は、再帰的演算結果に基づく統計量であることを特徴とする放射線撮像装置。
  7. 請求項6に記載の放射線撮像装置において、前記統計量は、再帰的演算処理結果の平均値であることを特徴とする放射線撮像装置。
  8. 請求項7に記載の放射線撮像装置において、前記再帰的演算処理を行う箇所では放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
    k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
    n=−Δt/τn …B
    nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
    但し, Δt:サンプリング時間間隔
    k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
    k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
    k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
    k-1 :一時点前のXk
    n(k-1):一時点前のSnk
    exp :指数関数
    N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
    n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
    αn:指数関数nの強度
    τn:指数関数nの減衰時定数
    により行うとともに、再起的演算処理のための初期値を式D、
    0 =0,Sn0=γn・Y0…D
    但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
    0 :再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値
    により行い、前記式Dにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求め、前記再帰的演算処理を行わない箇所では、前記再帰的演算処理結果を前記式A中のΣn=1 N [Snk]として、その箇所の周辺であって、かつ再帰的演算処理が行われた箇所におけるΣn=1 N [Snk]の平均値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線撮像装置。
  9. 被検体を照射して検出された放射線検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出し、サンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして再帰的演算処理により各放射線検出信号から除去し、その際には、放射線を検出して前記放射線検出信号を出力する放射線検出手段の各々の位置にそれぞれ対応した各々の検出画素からなる画素群の中から、前記再帰的演算処理を行う箇所と再帰的演算処理を行わない箇所とに区分し、再帰的演算処理を行う箇所では再帰的演算処理によって時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  10. 請求項9に記載の放射線検出信号処理方法において、所定の一方向に並んだ画素群の一部をラインとしたときに、前記再帰的演算処理を行わない箇所を所定のラインとして設定するとともに、前記再帰的演算処理を行う箇所を前記所定のライン以外のラインとして設定することを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  11. 請求項10に記載の放射線検出信号処理方法において、前記放射線検出手段が、各々の画素にそれぞれ対応した複数の放射線検出素子が2次元状に配列されて構成されているとともに、前記放射線検出素子のスイッチング制御を行う複数のゲートバスラインが各々の放射線検出素子に接続され、前記放射線検出信号を放射線検出素子から読み出すデータバスラインが前記ゲートバスラインに直交して各々の放射線検出素子に接続されて構成されているときに、前記再帰的演算処理を行わない箇所を所定のデータバスラインとして設定するとともに、前記再帰的演算処理を行う箇所を前記所定のデータバスライン以外のデータバスラインとして設定することを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  12. 請求項11に記載の放射線検出信号処理方法において、隣接するデータバスライン毎に前記再帰的演算処理を行わない箇所と前記再帰的演算処理を行う箇所とを交互に分けることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  13. 請求項9に記載の放射線検出信号処理方法において、前記再帰的演算処理を行わない箇所では、その箇所の周辺であって、かつ前記再帰的演算処理が行われた箇所における再帰的演算結果に基づいた値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  14. 請求項13に記載の放射線検出信号処理方法において、前記再帰的演算結果に基づいた値は、再帰的演算結果に基づく統計量であることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  15. 請求項14に記載の放射線検出信号処理方法において、前記統計量は、再帰的演算処理結果の平均値であることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  16. 請求項15に記載の放射線検出信号処理方法において、前記再帰的演算処理を行う箇所では放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
    k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
    n=−Δt/τn …B
    nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
    但し, Δt:サンプリング時間間隔
    k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
    k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
    k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
    k-1 :一時点前のXk
    n(k-1):一時点前のSnk
    exp :指数関数
    N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
    n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
    αn:指数関数nの強度
    τn:指数関数nの減衰時定数
    により行うとともに、再起的演算処理のための初期値を式D、
    0 =0,Sn0=γn・Y0…D
    但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
    0 :再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値
    により行い、前記式Dにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求め、前記再帰的演算処理を行わない箇所では、前記再帰的演算処理結果を前記式A中のΣn=1 N [Snk]として、その箇所の周辺であって、かつ再帰的演算処理が行われた箇所におけるΣn=1 N [Snk]の平均値を用いて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線検出信号処理方法。

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