JP4706705B2 - 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 - Google Patents

放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 Download PDF

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Description

この発明は、被検体を照射して検出された放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法に係り、特に、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から除去する技術に関する。
放射線撮像装置の例としてX線を検出してX線画像を得る撮像装置では、従来においてX線検出手段としてイメージインテンシファイア(I.I)が用いられていたが、近年において、フラットパネル型X線検出器(以下、『FPD』と略記する)が用いられている。
FPDは、感応膜が基板上に積層されて構成されており、その感応膜に入射した放射線を検出して、検出された放射線を電荷に変換して、2次元アレイ状に配置されたキャパシタに電荷を蓄積する。蓄積された電荷はスイッチング素子をONすることで読み出されて、放射線検出信号として画像処理部に送り込まれる。そして、画像処理部において放射線検出信号に基づく画素を有した画像が得られる。
かかるFPDを用いた場合、従来から用いられているイメージインテンシファイアなどに比べて、軽量で、かつ複雑な検出歪みが発生しない。したがって、装置構造や画像処理の面でFPDは有利である。
しかしながら、FPDを用いると、X線検出信号に時間遅れ分が含まれる。その時間遅れ分によって前回の撮像におけるX線の照射時の残像がアーティファクトとしてX線画像に写りこんでしまう。特に、短時間の時間間隔(例えば1/30秒)でX線照射を連続的に行う透視においては、時間遅れ分のタイムラグの影響が大きく診断の妨げとなる。
そこで、バックライトを用いて時間遅れ分の長時定数成分の低減を図る(例えば、特許文献1参照)、あるいは時間遅れ分が複数の時定数を有する指数関数の総和であるとして、それら指数関数を用いて再帰的演算処理を行って、ラグ補正を行う(例えば、特許文献2参照)ことで、時間遅れ分によるアーティファクトを低減させる。
上述した特許文献1のようにバックライトを用いるとバックライトのための構造によって構造が複雑化となる。特に、軽量構造を実現したFPDにバックライトを用いると、構造が再度に重量化、複雑化となる。また、上述した特許文献2の場合には、X線検出信号を取得するサンプリングの回数分、再帰的演算処理を行ってラグ補正を行う必要があり、ラグ補正に煩雑さが伴う。
そこで、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができるように、ラグ補正を行う際に、撮像におけるX線の照射前の非照射時に複数のX線検出信号を取得して、それらを用いて撮像におけるX線の照射時のX線検出信号からラグ除去する手法が考えられる。
一方、上述したラグ補正によってX線画像を取得する方法とは別に、高エネルギーX線照射で得られたX線画像と低エネルギーX線照射の画像の2つから新たな画像を取得するエネルギー差分(DES)法(以下、適宜「DES法」と略記する)がある(例えば、特許文献3〜6参照)。この方法は、例えば肋骨信号が抑制された胸部撮影像を得る場合などに用いられる。DES法は、図11に示すように、例えば120kV,10msの第1照射を行い、直ちに60kV,50〜100msの第2照射を行う。実際には、装置の機能の限界により、第1照射と第2照射との間には200ms程の空き時間が生じる。上述した第1および第2照射でそれぞれ得られた画像に適切な重み付けを起こってサブトラクション処理を行う。サブトラクション処理では、例えば下記(1)式によって行われる。
DES=I1×W1−I2×W2 …(1)
ただし、IDESはエネルギー差分画像、I1は第1照射で取得されたX線検出信号(の強度)、I2は第2照射で取得されたX線検出信号(の強度)、W1はI1の重み、W2はI2の重みである。なお、上記(1)式に限定されずに、上述した特許文献3〜6のように、それぞれの対数同士でサブトラクションを行ってもよい。
特開平9−9153号公報(第3−8頁、図1) 特開2004−242741号公報(第4−11頁、図1,3−6) 特開2002−171444号公報 特開2002−152594号公報 特開2002−152593号公報 特開2000−121579号公報
しかしながら、ラグ補正に上述したDES法を適用すると以下のような問題点がある。DES法においても時間遅れ分のラグ成分は各X線検出信号ごとに含まれる。この場合には、図12に示すように、第1照射でのX線検出信号に基づく画像にはそれ以前の照射に起因したラグ成分(図12中のK0を参照)が重畳され、第2照射でのX線検出信号に基づく画像には、上述したラグ成分(図12中のK0を参照)の他に、第1照射に起因したラグ成分(図12中のK1を参照)がさらに重畳される。そして、2つの照射による画像を撮影した後に、サブトラクションなどの画像間演算処理を行う必要があるので、2つの画像間で被検体の動きなどによるズレが生じないように、第1照射・第2照射間の時間を極力短くする必要がある。したがって、第1照射と第2照射との間でラグ成分(図12ではK0およびK1)の取得(ラグ収集)を行う時間の余地がなく、ラグ補正にDES法を適用すると、第2照射での画像のためのラグ収集が第1照射と第2照射との間で行えないという問題が生じる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、1つの画像に対して放射線の2回照射を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から簡易に除去することができる放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明の放射線撮像装置は、放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、(1)放射線検出手段から検出された複数の放射線検出信号を撮像における放射線の照射前の非照射時に取得する非照射信号取得手段と、(2)放射線検出手段から検出された放射線検出信号を撮像における放射線の照射時に取得する照射信号取得手段と、(3)非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、前記第1照射において前記照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、前記第2照射において照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号としたときに、第1照射よりも前の非照射時において非照射信号取得手段で取得された複数の放射線検出信号に基づくラグデータを、前記第1放射線検出信号および第2放射線検出信号にともに作用させて、かつ第1照射と第2照射との間のラグ成分を取得せずに、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行うラグ補正手段と、(4)そのラグ補正手段によってともにラグ補正された第1放射線検出信号および第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する放射線画像取得手段とを備え、前記ラグ補正手段は、前記第2照射において照射信号取得手段で取得された前記第2放射線検出信号には前記第1照射において照射信号取得手段で取得された前記第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、第1放射線検出信号に基づく値を用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行うことを特徴とするものである。
この発明の放射線撮像装置によれば、非照射信号取得手段は、放射線検出手段から検出された複数の放射線検出信号を撮像における放射線の照射前の非照射時に取得するとともに、照射信号取得手段は、放射線検出手段から検出された放射線検出信号を撮像における放射線の照射時に取得する。非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、上述した第1照射において上述した照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、上述した第2照射において照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号とする。このようにしたときに、第1照射よりも前の非照射時において非照射信号取得手段で取得された複数の放射線検出信号に基づくラグデータを、ラグ補正手段は第1放射線検出信号および第2放射線検出信号にともに作用させて、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行う。そのラグ補正手段によってともにラグ補正された第1放射線検出信号および第2放射線検出信号を用いて放射線画像取得手段がサブトラクションを行うことで、放射線画像を取得する。このように、上述した特許文献2のように放射線検出信号を取得するサンプリングの回数分、再帰的演算処理を行ってラグ補正を行う必要がない。さらには第1照射よりも前の非照射時において非照射信号取得手段で取得された複数の放射線検出信号に基づくラグデータを、第1および第2放射線検出信号にともに作用させてラグ補正をそれぞれ行っているので、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能である。したがって、1つの画像に対して放射線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から簡易に除去することができる。また、上述した特許文献1のようなバックライトを用いる必要がなく、装置の構造が複雑化となることもない。
また、この発明の放射線検出信号処理方法は、被検体を照射して検出された放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、前記信号処理は、(a) 複数の放射線検出信号を撮像における放射線の照射前の非照射時に取得する非照射信号取得工程と、(b) 放射線検出信号を前記非照射信号取得工程の後の撮像における放射線の照射時である第1照射時に取得する第1照射信号取得工程と、(c) 第1照射信号取得工程の後の非照射を挟んで、放射線検出信号を撮像における放射線の照射時である第2照射時に取得する第2照射信号取得工程と、(d)前記非照射信号取得工程で取得されたそれら放射線検出信号に基づくラグデータを、前記第1照射信号取得工程で取得された放射線検出信号である第1放射線検出信号、および前記第2照射信号取得工程で取得された放射線検出信号である第2放射線検出信号にともに作用させて、かつ第1照射と第2照射との間のラグ成分を取得せずに、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行うラグ補正工程と、(e)そのラグ補正工程によってともにラグ補正された第1放射線検出信号および第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する放射線画像取得工程とを備え、前記第2照射信号取得工程で取得された第2放射線検出信号には前記第1照射信号取得工程で取得された第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、第1放射線検出信号に基づく値を用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行うことを特徴とするものである。
この発明の放射線検出信号処理方法によれば、非照射信号取得工程では、複数の放射線検出信号を撮像における放射線の照射前の非照射時に取得するとともに、第1照射信号取得工程では、放射線検出信号を上述した非照射信号取得工程の後の撮像における放射線の照射時である第1照射時に取得する。さらには、第2照射信号取得工程では、上述した第1照射信号取得工程の後の非照射を挟んで、放射線検出信号を撮像における放射線の照射時である第2照射時に取得する。非照射信号取得工程で取得されたそれら放射線検出信号に基づくラグデータを、ラグ補正工程では、第1照射信号取得工程で取得された放射線検出信号である第1放射線検出信号、および第2照射信号取得工程で取得された放射線検出信号である第2放射線検出信号にともに作用させて、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行う。そのラグ補正工程によってともにラグ補正された第1放射線検出信号および第2放射線検出信号を用いて放射線画像取得工程でサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する。このように、上述した特許文献2のように放射線検出信号を取得するサンプリングの回数分、再帰的演算処理を行ってラグ補正を行う必要がない。さらには第1照射よりも前の非照射信号取得工程で取得された複数の放射線検出信号に基づくラグデータを、第1および第2放射線検出信号にともに作用させてラグ補正をそれぞれ行っているので、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能である。したがって、1つの画像に対して放射線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から簡易に除去することができる。
また、第2照射信号取得工程で取得された第2放射線検出信号(すなわち第2照射において照射信号取得手段で取得された第2放射線検出信号)には第1照射信号取得工程で取得された第1放射線検出信号(すなわち第1照射において照射信号取得手段で取得された第1放射線検出信号)によるラグ成分が含まれているとみなせる。そこで、この発明の放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法は、第1放射線検出信号に基づく値を用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行うこのような第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行う場合においても、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずとも第1放射線検出信号に基づく値を用いることで第2放射線検出信号に対するラグ補正が可能である。
このような第2放射線検出信号に対するラグ補正で用いられる第1放射線検出信号に基づく値の一例は、第1放射線検出信号の関数で表されることである。また、他の一例は、各々の第1放射線検出信号にそれぞれ予め対応付けられた値である。
前者の関数の場合、後者の各々の第1放射線検出信号にそれぞれ予め対応付けられた値の場合においても、一連の放射線検出信号よりも事前に取得された放射線検出の情報、一連の放射線検出信号よりも事前の取得条件あるいは放射線検出を検出する放射線検出手段の固有の情報で決定される。
この発明に係る放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法によれば、第1照射よりも前の非照射時において取得された複数の放射線検出信号に基づくラグデータを、第1および第2放射線検出信号にともに作用させてラグ補正をそれぞれ行っているので、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能である。したがって、1つの画像に対して放射線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から簡易に除去することができる。
また、第1放射線検出信号に基づく値を用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行うことで、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずとも第2放射線検出信号に対するラグ補正が可能である。
各実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図である。 X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。 平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。 実施例1に係る非照射信号取得部や照射信号取得部やラグ補正部やX線画像取得部による一連の信号処理を示すフローチャートである。 (a)、(b)は、各X線の照射およびX線検出信号の取得に関するタイミングチャートである。 実施例1,2に係る画像処理部およびメモリ部に関するデータの流れを示した概略図である。 実施例2に係る非照射信号取得部や照射信号取得部やラグ補正部やX線画像取得部による一連の信号処理を示すフローチャートである。 実施例3に係る画像処理部およびメモリ部に関するデータの流れを示した概略図である。 実施例3に係る非照射信号取得部や照射信号取得部やラグ補正部やX線画像取得部による一連の信号処理を示すフローチャートである。 各実施例での第2補正データを表す第1X線検出信号の関数を事前に決定するための第1照射のラグについて模式的に示した説明図である。 1つの画像に対してX線の2回照射を行う場合のタイミングチャートである。 図11にラグ成分を重畳させたタイミングチャートである。
符号の説明
2 … X線管
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
9a … 非照射信号取得部
9b … 照射信号取得部
9c … ラグ補正部
9d … X線画像取得部
I … X線検出信号
A … 第1補正データ
B … 第2補正データ
M … 被検体
放射線検出信号処理方法において、第1照射よりも前の非照射時において取得された複数の放射線検出信号に基づくラグデータを、第1および第2放射線検出信号にともに作用させてラグ補正をそれぞれ行うことで、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能となり、1つの画像に対して放射線の2回照射を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から簡易に除去するという目的を実現した。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係るX線透視撮影装置のブロック図であり、図2は、X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路であり、図3は、平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では放射線検出手段としてフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)を例に採るとともに、放射線撮像装置としてX線透視撮影装置を例に採って説明する。
本実施例1に係るX線透視撮影装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD3とを備えている。X線管2は、この発明における放射線照射手段に相当し、FPD3はこの発明における放射線検出手段に相当する。
X線透視撮影装置は、他に、天板1の昇降および水平移動を制御する天板制御部4や、FPD3の走査を制御するFPD制御部5や、X線管2の管電圧や管電流を発生させる高電圧発生部6を有するX線管制御部7や、FPD3から電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出すA/D変換器8や、A/D変換器8から出力されたX線検出信号に基づいて種々の処理を行う画像処理部9や、これらの各構成部を統括するコントローラ10や、処理された画像などを記憶するメモリ部11や、オペレータが入力設定を行う入力部12や、処理された画像などを表示するモニタ13などを備えている。
天板制御部4は、天板1を水平移動させて被検体Mを撮像位置にまで収容したり、昇降、回転および水平移動させて被検体Mを所望の位置に設定したり、水平移動させながら撮像を行ったり、撮像終了後に水平移動させて撮像位置から退避させる制御などを行う。FPD制御部5は、FPD3を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御などを行う。高電圧発生部6は、X線を照射させるための管電圧や管電流を発生してX線管2に与え、X線管制御部7は、X線管2を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御や、X線管2側のコリメータ(図示省略)の照視野の設定の制御などを行う。なお、X線管2やFPD3の走査の際には、X線管2から照射されたX線をFPD3が検出できるようにX線管2およびFPD3が互いに対向しながらそれぞれの移動を行う。
コントローラ10は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、メモリ部11は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。また、入力部12は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。X線透視撮影装置では、被検体Mを透過したX線をFPD3が検出して、検出されたX線に基づいて画像処理部9で画像処理を行うことで被検体Mの撮像を行う。
なお、画像処理部9は、複数のX線検出信号を撮像におけるX線の照射前の非照射時に取得する非照射信号取得部9aと、X線検出信号を撮像におけるX線の照射時に取得する照射信号取得部9bと、後述する第1照射よりも前の非照射時において非照射信号取得部9aで取得された複数のX線検出信号に基づくラグデータ(各実施例では第1補正データA)を、非照射信号取得部9bで取得された後述する第1X線検出信号および第2X線検出信号にともに作用させてラグ除去するラグ補正部9cと、そのラグ補正部9cによってともにラグ補正された第1X線検出信号および第2X線検出信号を用いてサブトラクションを行うことでX線画像を取得するX線画像取得部9dとを備えている。第1X線検出信号および第2X線検出信号をともに作用させてラグ除去することで、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正をラグ補正部9cが行う。非照射信号取得部9aは、この発明における非照射信号取得手段に相当し、照射信号取得部9bは、この発明における照射信号取得手段に相当し、ラグ補正部9cは、この発明におけるラグ補正手段に相当し、X線画像取得部9dは、この発明における放射線画像取得手段に相当する。
なお、メモリ部11は、非照射信号取得部9aで取得された非照射時の各X線検出信号を書き込んで記憶する非照射信号用メモリ部11aと、第1照射において照射信号取得部9bで取得された第1X線検出信号や、ラグ補正部9cでラグ補正された第1X線検出信号を書き込んで記憶する第1X線検出信号用メモリ部11bと、第2照射において照射信号取得部9bで取得された第2X線検出信号や、ラグ補正部9cでラグ補正された第2X線検出信号を書き込んで記憶する第2X線検出信号用メモリ部11cと、X線画像取得部9dで取得されたX線画像を書き込んで記憶するX線画像用メモリ部11dとを備えている。その他に、メモリ部11は、後述する第1X線検出信号の関数によって第1X線検出信号から第1X線検出信号に基づく値(各実施例では第2補正データB)に変換する関数変換プログラム11Aを備えている。ここで、非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射としている。また、第1照射において照射信号取得部9bで取得されたX線検出信号を第1X線検出信号とするとともに、第2照射において照射信号取得手段で取得されたX線検出信号を第2X線検出信号としている。
また、関数変換プログラム11Aを備えることで、コントローラ10は、その関数変換プログラム11Aを読み出して、第1X線検出信号の関数による変換を行う。その第1X線検出信号の関数によって変換された第1X線検出信号に基づく値(各実施例では第2補正データB)は、第2X線検出信号に対するラグ補正で用いられる。このように、上述した第1補正データAは、この発明における第1照射よりも前の非照射時において非照射信号取得手段(あるいは非照射信号取得工程)で取得された複数の放射線検出信号に基づくラグデータに相当し、第2補正データBは、この発明における第1放射線検出信号に基づく値に相当する。
後述する実施例2も含めて本実施例1では、非照射信号用メモリ部11aから読み出された非照射時の各X線検出信号に基づいてラグ補正部9cはラグデータである第1補正データAを取得し(図6を参照)、その第1補正データAを第1X線検出信号および第2X線検出信号にともに作用させてラグ除去する。なお、後述する実施例3ではラグデータAの取得については後述する再帰的な加重平均(リカーシブ処理)によって行われる(図8を参照)。
FPD3は、図2に示すように、ガラス基板31と、ガラス基板31上に形成された薄膜トランジスタTFTとから構成されている。薄膜トランジスタTFTについては、図2、図3に示すように、縦・横式2次元マトリクス状配列でスイッチング素子32が多数個(例えば、1024個×1024個)形成されており、キャリア収集電極33ごとにスイッチング素子32が互いに分離形成されている。すなわち、FPD3は、2次元アレイ放射線検出器でもある。
図2に示すようにキャリア収集電極33の上にはX線感応型半導体34が積層形成されており、図2、図3に示すようにキャリア収集電極33は、スイッチング素子32のソースSに接続されている。ゲートドライバ35からは複数本のゲートバスライン36が接続されているとともに、各ゲートバスライン36はスイッチング素子32のゲートGに接続されている。一方、図3に示すように、電荷信号を収集して1つに出力するマルチプレクサ37には増幅器38を介して複数本のデータバスライン39が接続されているとともに、図2、図3に示すように各データバスライン39はスイッチング素子32のドレインDに接続されている。
図示を省略する共通電極にバイアス電圧を印加した状態で、ゲートバスライン36の電圧を印加(または0Vに)することでスイッチング素子32のゲートがONされて、キャリア収集電極33は、検出面側で入射したX線からX線感応型半導体34を介して変換された電荷信号(キャリア)を、スイッチング素子32のソースSとドレインDとを介してデータバスライン39に読み出す。なお、スイッチング素子がONされるまでは、電荷信号はキャパシタ(図示省略)で暫定的に蓄積されて記憶される。各データバスライン39に読み出された電荷信号を増幅器38で増幅して、マルチプレクサ37で1つの電荷信号にまとめて出力する。出力された電荷信号をA/D変換器8でディジタル化してX線検出信号として出力する。
次に、本実施例1に係る非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理について、図4のフローチャートおよび図5のタイミングチャートを参照して説明する。なお、この処理では、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から、今回の撮像におけるX線の第1照射を経て、今回の撮像におけるX線の第2照射までを例に採って説明する。
(ステップS1)待ち時間が経過したか?
前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から、図5(a)に示すように所定の待ち時間TWが経過したか否かを判断する。照射の終了直後には時間遅れ分のうちの短時定数成分あるいは中時定数成分が多く含まれる。これら短/中時定数成分は短時間で減衰し、減衰後は長時定数成分が支配的になり、ほぼ同じ強さで残留し続ける。そこで、前回の撮像における第2X線の照射から所定時間経過後の非照射時にX線検出信号を取得するように待ち時間TWを設け、その待ち時間TWが経過してから、次のステップS2に進むようにする。なお、待ち時間TWが経過したか否かの判断を、タイマ(図示省略)によって行えばよい。すなわち、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了と同時にタイマをリセットして『0』にして、タイマのカウントを開始して、待ち時間TWに相当するカウントに達したら、待ち時間TWが経過したと判断すればよい。
また、FPD3個別のラグ特性にもよるが、待ち時間TWについては15秒程度が好ましく、30秒程あれば十分である。また、待ち時間TWは長いほど、例えば30秒以上が望ましいが、時間を長くとりすぎると撮影間の時間が延長してしまう。そこで、実際には待ち時間TWは3秒程度が現実的である。
(ステップS2)非照射時のX線検出信号の取得
非照射信号取得部9aは、待ち時間TW経過後の非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間間隔ΔT(例えば1/30秒)毎に逐次に取得する。今回の撮像におけるX線の第1照射の開始までのサンプリング回数を(N+1)(ただし、K=0,1,2,…,N−1,Nとする)とし、待ち時間TW経過直後に最初に取得する添え字をK=0とする。そして、(K+1)番目に取得するX線検出信号をIKとすると、待ち時間TW経過直後に最初に取得されるX線検出信号はI0となり、今回の撮像におけるX線の第1照射の開始直前に取得されるX線検出信号はINとなる。なお、サンプリング時間間隔ΔT毎にステップS2〜S5を続けて行うとする。
(ステップS3)第1照射に達したか?
ステップS2でのX線検出信号の取得の時点、すなわちサンプリング時点が、今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達したか(ここではK=N+1になったか)否かを判断する。もし、達した場合には、ステップS6に跳ぶ。もし、達していない場合には、次のステップS4に進む。
(ステップS4)Kの値を1ずつ繰り上げる
添え字Kの値を1ずつ繰り上げて、次のサンプリングのために準備する。
(ステップS5)前のX線検出信号の棄却
ステップS2で非照射信号取得部9aによって取得されたX線検出信号IKを非照射信号用メモリ部11aに書き込んで記憶する。このとき、X線検出信号IKよりも前の時点で取得されたX線検出信号IK-1は不要となるので棄却する。したがって、最新のX線検出信号のみが非照射信号用メモリ部11aに記憶されることになる。なお、ステップS4でK=0からK=1に繰り上げてステップS5に進んだ場合には、X線検出信号I0よりも前の時点ではX線検出信号は存在しないので棄却する必要がない。そして、次のサンプリングのためにステップS2に戻って、サンプリング時間間隔ΔT毎にステップS2〜S5を繰り返して行う。本実施例1では前のX線検出信号を棄却して最新のX線検出信号のみを残したが、もちろん、必ずしも棄却する必要はない。上述したステップS2〜S5は、この発明における非照射信号取得工程に相当する。
(ステップS6)第1照射時の第1X線検出信号の取得
ステップS3でサンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射に達したら、ステップS2で取得された(N+1)番目のX線検出信号INを第1補正データAとして採用する。すなわち、ラグ補正部9cは、今回の撮像におけるX線の第1照射の開始直前に取得されたX線検出信号INを非照射信号用メモリ部11aから読み出して、そのX線検出信号INを第1補正データAとして取得する。第1補正データAはA=INとなる。そして、ラグ補正部9cによって取得された第1補正データAを後述するステップS8において第1X線検出信号および第2X線検出信号に作用させる。この第1補正データAの取得と並行して第1照射では120kV,10msのX線照射を行う。今回の撮像におけるX線の第1照射を終了すると、その照射によって得られた第1照射時の第1X線検出信号を第1X線検出信号用メモリ部11bに書き込んで記憶する。このステップS6は、この発明における第1放射線検出信号取得工程に相当する。
(ステップS7)第2照射時の第2X線検出信号の取得
ステップS6の第1照射が終了すると直ちに第2照射を行う。実際には、装置の機能の限界により、第1照射と第2照射との間には200ms程の空き時間が生じる。第2照射では60kV,50〜100msのX線照射を行う。今回の撮像におけるX線の第2照射を終了すると、その照射によって得られた第2照射時の第2X線検出信号を第2X線検出信号用メモリ部11cに書き込んで記憶する。このステップS7は、この発明における第2放射線検出信号取得工程に相当する。
(ステップS8)第1・第2X線検出信号に対するラグ補正
ラグ補正部cは、ステップS6で取得された第1補正データAを、第1X線検出信号用メモリ部11bから読み出された第1X線検出信号、および第2X線検出信号用メモリ部11cから読み出された第2X線検出信号にともに作用させて、第1・第2X線検出信号に対するラグ補正を行う。各実施例では、各画素ごとに第1・第2X線検出信号から第1補正データAをそれぞれ減算することでラグ補正を行う。第1X線検出信号をIFIRSTとし、第2X線検出信号をISECONDとし、ラグ補正後の第1X線検出信号をI´FIRSTとし、ラグ補正後の第2X線検出信号をI´SECONDとすると、ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTはI´FIRST=IFIRST−Aとなり、ラグ補正後の第2X線検出信号I´SECONDはI´SECOND=ISECOND−Aとなる。ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTも第1X線検出信号用メモリ部11bに再度書き込んで記憶するとともに、ラグ補正後の第2X線検出信号I´SECONDも第2X線検出信号用メモリ部11cに再度書き込んで記憶する。
なお、実際には、今回の撮像におけるX線の第1照射のタイミングは必ずしも予め決定されているわけでない。したがって、K=N+1に達するタイミングも必ずしも事前にわかっているわけでない。そこで、実際には、上述したステップS2〜S5をサンプリング時間間隔ΔT毎に繰り返し行って、ステップS3でサンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達したときが、K=N+1に達したタイミングとなる。もちろん、今回の撮像におけるX線の第1照射のタイミングが予め決定されている場合には、K=N+1に達するタイミングも事前にわかっているので、Nの値を予め決定してK=N+1に達したタイミングに合わせて、サンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達するように設定してもよい。このステップS8は、この発明におけるラグ補正工程に相当する。
(ステップS9)第2X線検出信号に対する新たなラグ補正
上述したように、第1照射が終了すると直ちに第2照射を行っている。したがって、第1照射(ステップS6)と第2照射(ステップS7)との間ではラグ補正のための非照射時のX線検出信号を取得しない。ここで、図5(b)に示すように、今回の撮像におけるX線の第1照射より以前のラグ成分については上述した第1補正データAとして重畳され、今回の撮像におけるX線の第2照射より以前のラグ成分については第1補正データAの他に第1照射に起因したラグ成分が第2補正データBとして重畳されるとみなせる。つまり、ステップS7で取得された第2X線検出信号にはステップS6で取得された第1X線検出信号によるラグ成分(ここでは第2補正データB)が含まれているとみなせる。そこで、第1X線検出信号に基づく値である第2補正データBを用いて第2X線検出信号からラグ除去して、第2X線検出信号に対する新たなラグ補正を行っている。各実施例では、ステップS8でラグ補正されたラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTの関数で第1X線検出信号に基づく値である第2補正データBを表して、ステップS8でラグ補正されたラグ補正後の第2X線検出信号I´SECONDからその第2補正データBを減算することで、第2補正データBを用いた第2X線検出信号に対する新たなラグ補正を行う。具体的には、関数をFとし、さらなる2回目のラグ補正後の第2X線検出信号をI´´SECONDとすると、下記(2)式のように第2補正データBを求め、下記(3)式のように第2X線検出信号I´´SECONDを求める。
B=F(I´FIRST) …(2)
I´´SECOND=I´SECOND−B …(3)
上記(2)式で関数変換する場合には、上述した関数変換プログラム11Aを実行する。関数の具体的な決定方法については、実施例3の後にまとめて述べる。さらなる2回目のラグ補正後の第2X線検出信号I´´SECONDも第2X線検出信号用メモリ部11cに再度書き込んで記憶する。
(ステップS10)サブトラクション・X線画像の取得
ステップS6でラグ補正されたラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTおよびステップS9で新たなラグ補正されたさらなる2回目のラグ補正後の第2X線検出信号I´´SECONDを用いてサブトラクションを行うことでX線画像取得部9dはX線画像を取得する。X線画像取得部9dによって取得されたX線画像をX線画像用メモリ部11dに書き込んで記憶する。サブトラクションについては、上記(1)式中のI1をI´FIRSTに置き換え、I2をI´´SECONDに置き換えて、エネルギー差分画像IDESを求め、そのエネルギー差分画像IDESをX線画像とすればよい。また、サブトラクションについては、上記(1)式に限定されずに、上述した特許文献3〜6のように、それぞれの対数同士でサブトラクションを行ってもよい。このステップS10は、この発明における放射線画像取得工程に相当する。また、X線画像は、この発明における撮像の対象となる放射線画像に相当する。
以上のように構成された本実施例1によれば、ステップS2〜S5では、複数のX線検出信号(本実施例1ではI0,I1,I2,…,IN-1,IN)を撮像におけるX線の照射前の非照射時に取得するとともに、ステップS6では、X線検出信号を上述したステップS2〜S5の後の撮像におけるX線の照射時である第1照射時に取得する。さらには、ステップS7では、上述したステップS6の後の非照射を挟んで、X線検出信号を撮像における放射線の照射時である第2照射時に取得する。ステップS2〜S5で取得されたそれらX線検出信号に基づくラグデータ(第1補正データA)を、ステップS8では、ステップS6で取得されたX線検出信号である第1X線検出信号IFIRST、およびステップS7で取得されたX線検出信号である第2X線検出信号ISECONDにともに作用させて、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行う。そのステップS8によってともにラグ補正された第1X線検出信号I´FIRSTおよび第2X線検出信号I´´SECONDを用いてステップS10でサブトラクションを行うことでX線画像を取得する。
このように、上述した特許文献2のようにX線検出信号を取得するサンプリングの回数分、再帰的演算処理を行ってラグ補正を行う必要がない。さらには第1照射よりも前のステップS2〜S5で取得された複数のX線検出信号に基づくラグデータ(第1補正データA)を、第1および第2X線検出信号にともに作用させてラグ補正をそれぞれ行っているので、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能である。したがって、1つの画像に対してX線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においてもX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができる。また、上述した特許文献1のようなバックライトを用いる必要がなく、装置の構造が複雑化となることもない。
また、上述したように、ステップS7で取得された第2X線検出信号にはステップS6で取得された第1X線検出信号によるラグ成分(ここでは第2補正データB)が含まれているとみなせる。そこで、後述する実施例2,3も含めて、本実施例1のように、第1X線検出信号に基づく値(ここでは第2補正データB)を用いて第2X線検出信号からラグ除去して、ステップS9のように第2X線検出信号に対するラグ補正をさらに行うのが好ましい。このような第2X線検出信号に対するラグ補正をさらに行う場合においても、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずとも第1X線検出信号に基づく値(第2補正データB)を用いることで第2X線検出信号に対するラグ補正が可能である。
後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では、前回の撮像におけるX線の第2照射から所定時間(本実施例1では待ち時間TW)経過後の非照射時に複数のX線検出信号を取得することで、今回の撮像におけるX線の第1照射前の非照射時での複数のX線検出信号を取得している。前回の撮像におけるX線の第2照射が終了して非照射状態に移行すれば、時間遅れ分のうちの短時定数成分あるいは中時定数成分は短時間で減衰し、減衰後は長時定数成分が支配的になり、ほぼ同じ強さで残留し続ける。したがって、前回の撮像におけるX線の第2照射が終了した直後に、X線検出信号を取得すると短/中時定数成分が含まれた状態で信号が取得されて、短/中時定数成分の時間遅れ分まで正しく除去することができない。そこで、本実施例1のように、前回の撮像におけるX線の第2照射から所定時間経過後の非照射時に複数のX線検出信号を取得することで、今回の撮像におけるX線の第1照射から所定時間経過後の非照射時に複数のX線検出信号を取得することで、今回の撮像におけるX線の第1照射前の非照射時での複数のX線検出信号を取得することになり、所定時間経過後に残留している長時定数成分のみが含まれた状態で信号が取得されるので、短/中時定数成分の時間遅れ分がなく、かつ長時定数成分の時間遅れ分をも正確に除去することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。上述した実施例1と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。また、実施例2に係るX線透視撮影装置は、実施例1に係るX線透視撮影装置と同様の構成で、非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理のみが、実施例1と異なる。
そこで、本実施例2に係る非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。なお、上述した実施例1と共通するステップについては、同じ番号を付してその説明を省略する。
(ステップS1)待ち時間が経過したか?
上述した実施例1と同じように、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から待ち時間TWが経過したか否かを判断する。待ち時間TWが経過してから、次のステップS12に進む。
(ステップS12)非照射時のX線検出信号の取得
上述した実施例1と同じように、待ち時間TW経過後の非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間間隔ΔT(例えば1/30秒)毎に逐次に取得する。ただし、本実施例2では、後述する説明から明らかなように、8番目のX線検出信号I7(すなわちK=7)を取得するまでは、待ち時間TW経過直後に最初に取得されたX線検出信号I0から7番目に取得されたX線検出信号I6までは棄却されずに、非照射信号用メモリ部11aに記憶された状態である。なお、サンプリング時間間隔ΔT毎にステップS12〜S14を続けて行うとする。
(ステップS13)K=7?
添え字Kが7になったか、すなわちサンプリング時点が8番目に達したか(ここではK=7になったか)否かを判断する。もし、達した場合には、ステップS2に跳ぶ。もし、達していない場合には、次のステップS14に進む。
(ステップS14)Kの値を1ずつ繰り上げる
上述した実施例1と同じように、添え字Kの値を1ずつ繰り上げて、次のサンプリングのために準備する。そして、8番目のX線検出信号I7(すなわちK=7)を取得するまでは、ステップS12で非照射信号取得部9aによって取得された各X線検出信号IKを順に非照射信号用メモリ部11aに書き込んで記憶する。このとき、X線検出信号IKよりも前の時点で取得されたX線検出信号IK-1については棄却せずに、非照射信号用メモリ部11aに記憶した状態として、X線検出信号が8個分になるまで蓄積する。そして、次のサンプリングのためにステップS12に戻って、サンプリング時間間隔ΔT毎にステップS12〜S14を繰り返して行う。
(ステップS2)〜(ステップS10)
ステップS13でサンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達したら、上述した実施例1と同様のステップS2〜S8を行う。ただし、非照射信号用メモリ部11aには8個分のX線検出信号が常に記憶されるようにしており、ステップS5で新たに最新のX線検出信号が非照射信号用メモリ部11aに記憶されると、最古のX線検出信号のみが棄却されるようになっている。そして、ステップS3でサンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達したら、ステップS2で取得された(N−6)番目のX線検出信号IN-7から(N+1)番目のX線検出信号INまでの8個分の信号に基づいて第1補正データAを求める。具体的には、これらの信号の平均を第1補正データAとして求める(A=ΣIi/8、ただしΣはi=N−7〜Nの総和)。第1補正データAの取得と並行した第1照射時の第1X線検出信号の取得以降からサブトラクション・X線画像の取得については実施例1と同様なので、その説明を省略する。
以上のように構成された本実施例2によれば、上述した実施例1と同様に、検出されたX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することで時間遅れ分に関するラグ補正を行う際に、以下のようになる。すなわち、撮像におけるX線の照射前の非照射時に複数のX線検出信号(本実施例2ではI0,I1,I2,…,IN-1,IN)を取得して、それらX線検出信号に基づくラグデータ(第1補正データA)を、ステップS8では、ステップS6で取得されたX線検出信号である第1X線検出信号IFIRST、およびステップS7で取得されたX線検出信号である第2X線検出信号ISECONDにともに作用させて、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行う。そして、ラグ補正された第1X線検出信号I´FIRSTおよび第2X線検出信号I´´SECONDを用いてサブトラクションを行うことでX線画像を取得する。このように、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能なので、1つの画像に対してX線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においてもX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができる。
なお、実施例1では、ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTのランダムノイズ成分がIFIRSTの21/2倍となるので、SN比が41%(=(21/2−1))劣化する。この劣化を抑えるために、本実施例2の場合には、実施例1と相違して、複数のX線検出信号(本実施例2ではIN-7、IN-6、…IN-1、IN)を直接的に用いて第1補正データAを求めている。この場合には、ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTのランダムノイズ成分は補正前の第1X線検出信号IFIRSTの6%の劣化に留まるので、SN比を劣化させることなくラグ補正を実現することができる。ラグ補正後の第2X線検出信号I´SECONDのランダムノイズ成分についても、ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTのランダムノイズ成分と同様である。
本実施例2では8個分のX線検出信号を直接的に用いて第1補正データAを求めたが、用いるX線検出信号の個数については限定されない。また、信号の平均で第1補正データAを求めたが、例えば中央値で第1補正データAを求める、あるいは信号の強度に関するヒストグラムを取って、そのヒストグラムから最頻値を第1補正データAとして求めるなど、非照射時に取得された放射線検出信号(X線検出信号)に基づくラグデータ(ここでは第1補正データA)の具体的な求め方については特に限定されない。
次に、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。図8は、実施例3に係る画像処理部9およびメモリ部11に関するデータの流れを示した概略図である。上述した実施例1,2と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。また、実施例3に係るX線透視撮影装置は、図8の画像処理部9およびメモリ部11に関するデータの流れを除けば、実施例1,2に係るX線透視撮影装置と同様の構成である。また、非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理についても、実施例1,2と異なる。
本実施例3では、図8に示すように、非照射信号用メモリ部11aから読み出された非照射時のX線検出信号に基づいてラグ補正部9cは再帰的演算処理でラグデータ(各実施例では第1補正データA)を取得する。再帰的演算処理による第1補正データAの取得については、後述する図9のフローチャートで説明する。なお、ラグ補正部9cが第1補正データAを第1X線検出信号および第2X線検出信号にともに作用させてラグ除去する、そのラグ補正部9cによってともにラグ補正された第1X線検出信号および第2X線検出信号を用いてサブトラクションを行うことでX線画像取得部9dがX線画像を取得するのは、上述した実施例1,2と同様である。
次に、本実施例3に係る非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、上述した実施例1,2と共通するステップについては、同じ番号を付してその説明を省略する。
(ステップS1)待ち時間が経過したか?
上述した実施例1,2と同じように、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から待ち時間TWが経過したか否かを判断する。待ち時間TWが経過してから、次のステップS22に進む。
(ステップS22)待ち時間経過直後のX線検出信号の取得
上述した実施例1,2と同じように、待ち時間TW経過後の非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間間隔ΔT(例えば1/30秒)毎に逐次に取得する。先ず、待ち時間TW経過直後のX線検出信号I0を取得する。この待ち時間TW経過直後に最初に取得されたX線検出信号I0を非照射信号用メモリ部11aに書き込んで記憶する。
(ステップS23)初期値の第1補正データの取得
そして、ラグ補正部9cは、このX線検出信号I0を非照射信号用メモリ部11aから読み出して、そのX線検出信号I0を第1補正データAの初期値である第1補正データA0として取得する。
(ステップS3)〜(ステップS4)
ステップS23で初期値の第1補正データA0を取得したら、上述した実施例1と同様のステップS3、S4を行う。
(ステップS52)非照射時のX線検出信号の取得
上述した実施例1,2と同じように、待ち時間TW経過後の非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間間隔ΔT(例えば1/30秒)毎に逐次に取得する。ただし、本実施例3におけるステップS52での非照射時のX線検出信号の取得は、2番目のX線検出信号I1以降である。
(ステップS53)新たな第1補正データの取得
2番目以降の新たな第1補正データを取得する際には、(N+1)番目の第1補正データANを、非照射時のX線検出信号IN、および前回の第1補正データAN-1に基づく再帰的演算処理で求める。本実施例3では、再帰的な加重平均(以下、適宜「リカーシブ処理」という)によって、下記(4)式のように第1補正データANを取得する。
N=(1−P)×AN-1+P×IN …(4)
ただし、上述したようにI0=A0である。また、Pは加重比率であって、0〜1の値をとる。
そして、次なる第1補正データAKの取得のためにステップS3に戻って、上記(4)式のリカーシブ処理を行う。また、ステップS3で今回の撮像におけるX線の第1照射に達した場合には、そのステップS3の直前のステップS53で取得された第1補正データANが最新のデータとなる。その最新の第1補正データANを補正データAとして取得する。
(ステップS6)〜(ステップS10)
ステップS6での第1照射時の第1X線検出信号の取得以降からステップS10でのサブトラクション・X線画像の取得については実施例1と同様なので、その説明を省略する。
以上のように構成された本実施例3によれば、上述した実施例1,2と同様に、取得された第1補正データAを第1X線検出信号IFIRST、および第2X線検出信号ISECONDにともに作用させて、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行う。そして、ラグ補正された第1X線検出信号I´FIRSTおよび第2X線検出信号I´´SECONDを用いてサブトラクションを行うことでX線画像を取得する。このように、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能なので、1つの画像に対してX線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においてもX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができる。
本実施例3では、非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間ΔT間隔(例えば1/30秒)毎に逐次に取得することで複数のX線検出信号を取得して、非照射時におけるある時点を(N+1)番目としたときに、その(N+1)番目を含めてこれまでに逐次に取得された複数のX線検出信号に基づく第1補正データA、すなわち(N+1)番目の第1補正データANを取得するために、その(N+1)番目で取得されたX線検出信号INと、その(N+1)番目よりも前の時点であるN番目を含めてこれまでに逐次に取得された複数のX線検出信号に基づく第1補正データA、すなわち第1補正データANよりも前の第1補正データAN-1とに基づいて行う再帰的演算処理を繰り返し行うことで、第1補正データAを取得している。
本実施例3の場合には、再帰的演算処理として再帰的な加重平均であるリカーシブ処理(上記(4)式を参照)によって第1補正データを取得するので、第1補正データによるラグ補正をより確実に行うことができる。
[関数の決定]
次に、各実施例の第2補正データBで用いた関数Fの具体的な決定方法について説明する。図10は、各実施例での第2補正データBを表す第1X線検出信号の関数Fを事前に決定するための第1照射のラグについて模式的に示した説明図である。
第1X線検出信号の関数Fは、一連のX線検出信号よりも事前に取得されたX線検出の情報、一連のX線検出信号よりも事前の取得条件あるいはX線を検出するフラットパネル型X線検出器(FPD)3の固有の情報で決定される。より具体的には、一連のX線検出信号よりも事前に取得されたX線検出の情報の例としてFPD3の出荷前に取得されたX線検出信号の強度が、一連のX線検出信号よりも事前の取得条件の例として第1照射と第2照射との間の時間がそれぞれ挙げられる。また、FPD3の固有の情報として例えば使用するFPD3ごとに図10に示すような取得条件の下で出荷前にそれぞれ求める。
図10に示すように、出荷前に実際の撮像と同様に第1照射を行う。このとき、第2照射については行わない。もし、第2照射を出荷前にも行っていると仮定すると、第2照射での照射時間は図10の2点鎖線でのt1〜tNまでの時間に相当する。第1照射が終了すると、第1照射に起因したラグ成分が図10中の点線に示すように減衰しながら本来行われているべき第2照射のタイミングに達しても残留する。このラグ成分を図10に示すようにf(t)とする。すると、第1照射によるラグをLとすると、第1照射によるラグLは、第2照射ではf(t)をt1〜tNまでの時間で積分した値(図10中のハッチングを参照)とみなすことができる(下記(5)式を参照)。
L=∫f(t)dt …(5)
ただし∫はt1〜tNまでの時間での積分である。その第1照射によるラグを0にするように関数Fを決定すれば、第1X線検出信号の関数Fによって第2補正データBに変換して、その第2補正データBで上記(3)式のように減算することで、出荷後の今回の撮像におけるX線の第1照射で取得された第1X線検出信号によるラグ成分を除去することができる。第1照射によるラグを0にするように関数Fを決定するためには、出荷前の第1照射で取得された第1X線検出信号をSとすると、下記(6)式のように第1X線検出信号Sの関数Fが上述した第1照射によるラグLに等しくなるように関数Fを決定する。
F(S)=L …(6)
以上をまとめると、出荷前に第1照射を行い、かつ第2照射を行わない状態で、t1〜tNまでの時間で第1照射によるラグLを上記(5)式により求め、その第1照射によるラグLと出荷前の第1照射で取得された第1X線検出信号とが互いに等しくなる(上記(6)式を参照)ように関数Fを決定する。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、図1に示すようなX線透視撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線透視撮影装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。なお、この発明は、X線撮影装置のように(透視撮影でなく)実際に撮影を行うとき特に有用である。
(2)上述した各実施例では、フラットパネル型X線検出器(FPD)3を例に採って説明したが、通常において用いられるX線検出手段であれば、この発明は適用することができる。
(3)上述した各実施例では、X線を検出するX線検出器を例に採って説明したが、この発明は、ECT(Emission Computed Tomography)装置のように放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出するγ線検出器に例示されるように、放射線を検出する放射線検出器であれば特に限定されない。同様に、この発明は、上述したECT装置に例示されるように、放射線を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
(4)上述した各実施例では、FPD3は、放射線(実施例ではX線)感応型の半導体を備え、入射した放射線を放射線感応型の半導体で直接的に電荷信号に変換する直接変換型の検出器であったが、放射線感応型の替わりに光感応型の半導体を備えるとともにシンチレータを備え、入射した放射線をシンチレータで光に変換し、変換された光を光感応型の半導体で電荷信号に変換する間接変換型の検出器であってもよい。
(5)上述した各実施例では、前回の撮像におけるX線の第2照射から所定時間(各実施例では待ち時間TW)経過後の非照射時にX線検出信号の取得を開始したが、短/中時定数成分が無視できる程度であれば、前回の撮像におけるX線の第2照射が終了して非照射状態に移行するのと同時にX線検出信号の取得を開始してもよい。X線以外の放射線においても同様である。
(6)上述した各実施例では、ラグ補正の基となる第1補正データAは、今回の撮像における第1照射の開始直前に取得されるX線検出信号INのデータが含まれていたが、必ずしもX線検出信号INのデータを含める必要はない。ただし、直前のデータがもっとも信頼性が高いことから、各実施例のようにX線検出信号INのデータを含めて第1補正データAを取得して、その第1補正データAを用いてラグ除去することでラグ補正を行うのが好ましい。X線以外の放射線においても同様である。
(7)上述した各実施例では、上記(4)式に示すような再帰的な加重平均(リカーシブ処理)であったが、再帰的演算処理であれば、再帰的な加重平均に限定されず、重み付けなしの再帰的演算処理であってもよい。したがって、X線検出信号INと第1補正データAN-1とで表される関数D(IN、AN-1)が、第1補正データANで表されればよい。
(8)上述した各実施例における第2補正データBを表す第1X線検出信号の関数Fについては特に限定されない。例えば定数をCとしたときに、上記(2)式を下記(2)´式のように変形してもよい。
B=C×I´FIRST …(2)´
上記(2)´式の場合には、関数Fは1次関数となる。関数Fが1次関数の場合には、その定数Cを決定するには、下記(6)´式のように第1X線検出信号Sに定数Cを掛けた値が第1照射によるラグLに等しくなるようにCを決定すればよい。
C×S=L …(6)´
なお、1次関数に限定されず、2次関数のように次数が2以上であってもよいし、それ以外に対数関数や三角関数など、適宜必要に応じて関数Fを設定すればよい。
(9)上述した各実施例では、第1X線検出信号に基づく値(第2補正データB)は、第1X線検出信号の関数Fで決定されたが、例えば、各々の第1X線検出信号にそれぞれ対応付けられた値を記憶したテーブルを用意して、そのテーブルを参照することで、その対応付けられた値を第1X線検出信号に基づく値としれ採用してもよい。この場合では、上記(6)式で関数Fを決定する替わりに、第1X線検出信号の強度がそれぞれ変わるように出荷前に図10に示す第1照射を複数回行い、各第1X線検出信号の強度ごとに第1照射によるラグLをそれぞれ求めて、そのラグLと各々の第1X線検出信号とをそれぞれ対応付けてテーブルとして作成して記憶すればよい。
(10)上述した各実施例では、第2放射線検出信号(各実施例では第2X線検出信号)には第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、第1放射線検出信号(各実施例では第1X線検出信号)に基づく値(各実施例では第2補正データB)を用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行ったが、第1照射と第2照射との間が十分に空いていて、第1放射線検出信号によるラグ成分が無視できる程度であれば、必ずしも第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行う必要はない。
(11)上述した各実施例における第2補正データBを表す第1X線検出信号の関数Fを決定する際に、サブトラクションで用いられる重み(W1、W2)を含ませた状態で関数Fを決定してもよい。
(12)上述した各実施例では、ラグデータ(各実施例では第1補正データA)を、第1放射線検出信号(各実施例では第1X線検出信号)および第2放射線検出信号(各実施例では第2X線検出信号)にともに作用させてラグ補正を行うために、各放射線検出信号から第1補正データAを減算したが、各放射線検出信号から第1補正データAを除算するなどのように作用させてラグ除去を行う具体的な演算手法については特に限定されない。
以上のように、この発明は、フラットパネル型X線検出器(FPD)を備えた放射線撮像装置に適している。

Claims (6)

  1. 放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、(1)放射線検出手段から検出された複数の放射線検出信号を撮像における放射線の照射前の非照射時に取得する非照射信号取得手段と、(2)放射線検出手段から検出された放射線検出信号を撮像における放射線の照射時に取得する照射信号取得手段と、(3)非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、前記第1照射において前記照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、前記第2照射において照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号としたときに、第1照射よりも前の非照射時において非照射信号取得手段で取得された複数の放射線検出信号に基づくラグデータを、前記第1放射線検出信号および第2放射線検出信号にともに作用させて、かつ第1照射と第2照射との間のラグ成分を取得せずに、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行うラグ補正手段と、(4)そのラグ補正手段によってともにラグ補正された第1放射線検出信号および第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する放射線画像取得手段とを備え、前記ラグ補正手段は、前記第2照射において照射信号取得手段で取得された前記第2放射線検出信号には前記第1照射において照射信号取得手段で取得された前記第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、第1放射線検出信号に基づく値を用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行うことを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 被検体を照射して検出された放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、前記信号処理は、(a) 複数の放射線検出信号を撮像における放射線の照射前の非照射時に取得する非照射信号取得工程と、(b) 放射線検出信号を前記非照射信号取得工程の後の撮像における放射線の照射時である第1照射時に取得する第1照射信号取得工程と、(c) 第1照射信号取得工程の後の非照射を挟んで、放射線検出信号を撮像における放射線の照射時である第2照射時に取得する第2照射信号取得工程と、(d)前記第1照射よりも前の非照射時において前記非照射信号取得工程で取得されたそれら放射線検出信号に基づくラグデータを、前記第1照射信号取得工程で取得された放射線検出信号である第1放射線検出信号、および前記第2照射信号取得工程で取得された放射線検出信号である第2放射線検出信号にともに作用させて、かつ第1照射と第2照射との間のラグ成分を取得せずに、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行うラグ補正工程と、(e)そのラグ補正工程によってともにラグ補正された第1放射線検出信号および第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する放射線画像取得工程とを備え、前記第2照射信号取得工程で取得された第2放射線検出信号には前記第1照射信号取得工程で取得された第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、第1放射線検出信号に基づく値を用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正をさらに行うことを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  3. 請求項2に記載の放射線検出信号処理方法において、前記第2放射線検出信号に対するラグ補正で用いられる前記第1放射線検出信号に基づく値は、第1放射線検出信号の関数で表されることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  4. 請求項2に記載の放射線検出信号処理方法において、前記第2放射線検出信号に対するラグ補正で用いられる前記第1放射線検出信号に基づく値は、各々の第1放射線検出信号にそれぞれ予め対応付けられた値であることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  5. 請求項3に記載の放射線検出信号処理方法において、前記関数は、一連の放射線検出信号よりも事前に取得された放射線検出の情報、一連の放射線検出信号よりも事前の取得条件あるいは放射線検出を検出する放射線検出手段の固有の情報で決定されることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  6. 請求項4に記載の放射線検出信号処理方法において、前記各々の第1放射線検出信号にそれぞれ予め対応付けられた値は、一連の放射線検出信号よりも事前に取得された放射線検出の情報、一連の放射線検出信号よりも事前の取得条件あるいは放射線検出を検出する放射線検出手段の固有の情報でそれぞれ決定されることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
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