JPWO2008072312A1 - 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 - Google Patents
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Abstract
この発明の放射線撮像装置では、X線検出信号が蓄積される時間である蓄積時間が、照射時間に対応せずに固定の所定時間であって、1種類の蓄積時間のみで撮像が行われる。1種類の蓄積時間のみであっても、固定の所定時間で蓄積が行われたX線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得て、照射に関連する複数の蓄積フレームデータに基づいてX線画像を得ることが可能である。したがって、1種類の蓄積時間で撮像や信号処理を行うことができる。
Description
この発明は、放射線検出信号に基づいて放射線画像を得るように構成されている医用もしくは工業用の放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法に係り、特に、放射線検出信号の蓄積および読み出しの技術に関する。
放射線撮像装置の例としてX線を検出してX線画像を得る撮像装置では、従来においてX線検出手段としてイメージインテンシファイア(I.I)が用いられていたが、近年において、フラットパネル型X線検出器(以下、『FPD』と略記する)が用いられている。
FPDは、感応膜が基板上に積層されて構成されており、その感応膜に入射した放射線を検出して、検出された放射線を電荷に変換して、2次元アレイ状に配置されたキャパシタに電荷を蓄積する。蓄積された電荷はスイッチング素子をONすることで読み出されて、放射線検出信号として画像処理部に送り込まれる。そして、画像処理部において放射線検出信号に基づく画素を有した画像が得られる。
かかるFPDを用いた場合、従来から用いられているイメージインテンシファイアなどに比べて、軽量で、かつ複雑な検出歪みが発生しない。したがって、装置構造や画像処理の面でFPDは有利である。
ところで、FPDを用いた撮像装置では、X線管によるX線の照射時間をフォトタイマで制御して、そのフォトタイマで制御された照射時間に基づいて各々の蓄積時間や読み出し時間を、図6に示すように制御する。なお、ここでの「蓄積時間」とはFPDで放射線が蓄積される時間のことを示し、「読み出し時間」とはFPDから読み出された時間のことを示す。例えば、大きい被検体を撮像する場合には、これに伴って照射時間が延びる。照射時間が延びた場合には、図6に示すように、その照射時間に対応して蓄積時間も延びる。これによって、被検体の大きさによらずに適切な放射線の線量がFPDなどに代表される検出器に入射され、X線画像が得られる。
上述した照射時間の延長を鑑みると、十分に長い蓄積時間を1種類だけ用意すればよいように思えるが、実際にはそのようにはいかない。すなわち、読み出し時間に対して蓄積時間が長くなると欠損画素が増えるという現象がある。したがって、蓄積時間を長くすることは好ましくなく、できれば短い蓄積時間で収集を終えたい。その一方で、数秒という長さの照射を必要とする大きな被検体を撮像する場合も稀にあるので、十分に長い蓄積時間も必要である。そこで、これらを考慮して、長さの異なる数種類の蓄積時間を準備し、X線照射を完全に含んだ状態で最短の蓄積時間を選択するようになっている。
しかしながら、蓄積時間が変動すると、それに伴って蓄積時間に対応した補正データ(オフセット、ゲイン、欠損マップ)も必要になる。どの蓄積時間が撮像で用いられるのかは、撮像してみるまでわからない。したがって、考えられ得る全ての蓄積時間に対応した補正データ(キャリブレーションデータ)を予め準備する必要がある。このキャリブレーション(キャリブレーションデータの取得)は、通常では装置の起動時に実行されるが、装置が保持する蓄積時間の種類が増えるにしたがってキャリブレーションの所要時間も延長される。また、立臥位(立位姿勢や臥位姿勢)撮像のように2枚のFPDを持つシステムでは、2枚分で所要時間がさらに延長(およそ20分近く)され、問題となっている。このように、大きな被検体に対応可能でありながら、欠損画素を最小限に抑え、かつキャリブレーションの所要時間を短縮する方法が求められている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、少ない種類の蓄積時間で撮像あるいは信号処理を行うことができる放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明の放射線撮像装置は、放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段とを備え、前記装置は、さらに、前記放射線検出手段から放射線検出信号を取り出すために放射線検出手段での放射線検出信号の蓄積を、前記放射線照射手段による照射時間に対応せずに固定の所定時間で行うように制御するとともに、前記固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得ることで撮像を制御する撮像制御手段と、照射に関連する複数の前記蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得る放射線画像取得手段とを備えていることを特徴とするものである。
すなわち、この発明の放射線撮像装置は、放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段とを備え、前記装置は、さらに、前記放射線検出手段から放射線検出信号を取り出すために放射線検出手段での放射線検出信号の蓄積を、前記放射線照射手段による照射時間に対応せずに固定の所定時間で行うように制御するとともに、前記固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得ることで撮像を制御する撮像制御手段と、照射に関連する複数の前記蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得る放射線画像取得手段とを備えていることを特徴とするものである。
この発明の放射線撮像装置によれば、撮像制御手段は、放射線検出手段から放射線検出信号を取り出すために放射線検出手段での放射線検出信号の蓄積を、放射線照射手段による照射時間に対応せずに固定の所定時間で行うように制御する。そして、上述した固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得ることで撮像を制御する。一方で、放射線画像取得手段は、照射に関連する複数の上述の蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得る。このように放射線検出信号が蓄積される時間である蓄積時間が、照射時間に対応せずに固定の所定時間であって、1種類の蓄積時間のみで撮像が行われる。1種類の蓄積時間のみであっても、固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得て、照射に関連する複数の蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得ることが可能である。したがって、1種類の蓄積時間で撮像を行うことができる。
また、この発明の放射線検出信号処理方法は、被検体を照射して検出された放射線検出信号を取り出し、その取り出された放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、放射線検出信号を取り出すために放射線検出手段での放射線検出信号の蓄積を、放射線の照射時間に対応せずに固定の所定の時間で行い、その固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得て、照射に関連する複数の前記蓄積フレームデータに基づいて前記放射線画像を得ることを特徴とするものである。
この発明の放射線検出信号処理方法によれば、放射線検出信号を取り出すために放射線検出手段での放射線検出信号の蓄積を、放射線の照射時間に対応せずに固定の所定の時間で行う。そして、その固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得る。一方で、照射に関連する複数の上述の蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得る。このように放射線検出信号が蓄積される時間である蓄積時間が、照射時間に対応せずに固定の所定時間であって、1種類の蓄積時間のみで撮像が行われる。1種類の蓄積時間のみであっても、固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得て、照射に関連する複数の蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得ることが可能である。したがって、1種類の蓄積時間で信号処理を行うことができる。
これらの発明の放射線撮像装置および放射線信号処理方法において、放射線検出信号の蓄積が行われた固定の所定時間である蓄積時間は、放射線検出手段から放射線検出信号を読み出す1画像分の読み出し時間と同じであるのが好ましい。上述したように、読み出し時間に対して蓄積時間が長くなると欠損画素が増える現象がわかっている。そこで、蓄積時間と読み出し時間とを同じにすることで欠損画素を最小限に抑えることができる。
これらの発明の放射線撮像装置および放射線信号処理方法では、上述した照射に関連する複数の蓄積フレームデータの一例は、照射が開始されたときの蓄積フレームから、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームである。また、照射が開始されたときの蓄積フレームから、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームまでのデータを加算して得られた加算データに基づいて、照射に関連する複数の蓄積フレームデータを得てもよい。例えば、加算データからフレーム数を除算した加算平均(相加平均)を、照射に関連する複数の蓄積フレームデータとして用いてもよいし、加算データそのものを、照射に関連する複数の蓄積フレームデータとして用いてもよい。
この発明に係る放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法によれば、放射線検出信号が蓄積される時間である蓄積時間が、照射時間に対応せずに固定の所定時間であって、1種類の蓄積時間のみで撮像が行われる。1種類の蓄積時間のみであっても、固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得て、照射に関連する複数の蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得ることが可能である。したがって、1種類の蓄積時間で撮像あるいは信号処理を行うことができる。
2 … X線管
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
9 … 画像処理部
10 … コントローラ
M … 被検体
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
9 … 画像処理部
10 … コントローラ
M … 被検体
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。図1は、実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図であり、図2は、X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路であり、図3は、平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。本実施例では放射線検出手段としてフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)を例に採るとともに、放射線撮像装置としてX線透視撮影装置を例に採って説明する。
本実施例に係るX線透視撮影装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD3とを備えている。X線管2は、この発明における放射線照射手段に相当し、FPD3は、この発明における放射線検出手段に相当する。
X線透視撮影装置は、他に、天板1の昇降および水平移動を制御する天板制御部4や、FPD3の走査を制御するFPD制御部5や、X線管2の管電圧や管電流を発生させる高電圧発生部6を有するX線管制御部7や、FPD3から電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出すA/D変換器8や、A/D変換器8から出力されたX線検出信号に基づいて種々の処理を行う画像処理部9や、これらの各構成部を統括するコントローラ10や、処理された画像などを記憶するメモリ部11や、オペレータが入力設定を行う入力部12や、処理された画像などを表示するモニタ13などを備えている。
天板制御部4は、天板1を水平移動させて被検体Mを撮像位置にまで収容したり、昇降、回転および水平移動させて被検体Mを所望の位置に設定したり、水平移動させながら撮像を行ったり、撮像終了後に水平移動させて撮像位置から退避させる制御などを行う。FPD制御部5は、FPD3を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御などを行う。高電圧発生部6は、X線を照射させるための管電圧や管電流を発生してX線管2に与え、X線管制御部7は、X線管2を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御や、X線管2側のコリメータ(図示省略)の照視野の設定の制御などを行う。なお、X線管2やFPD3の走査の際には、X線管2から照射されたX線をFPD3が検出できるようにX線管2およびFPD3が互いに対向しながらそれぞれの移動を行う。
コントローラ10は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、メモリ部11は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。また、入力部12は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。X線透視撮影装置では、被検体Mを透過したX線をFPD3が検出して、検出されたX線に基づいて画像処理部9で画像処理を行うことで被検体Mの撮像を行う。
なお、本実施例では、コントローラ10は、FPD3からX線検出信号を取り出すためにFPD3でのX線検出信号の蓄積を、X線管2による照射時間に対応せずに固定の所定時間で行うように制御する機能と、固定の所定時間(蓄積時間)で蓄積が行われたX線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得ることで撮像を制御する機能とを備えている。したがって、コントローラ10は、この発明における撮像制御手段に相当する。
また、本実施例では、画像処理部9は、照射に関連する複数の上述の蓄積フレームデータに基づいてX線画像を得る機能を備えている。したがって、画像処理部9は、この発明における放射線画像取得手段に相当する。
FPD3は、図2に示すように、ガラス基板31と、ガラス基板31上に形成された薄膜トランジスタTFTとから構成されている。薄膜トランジスタTFTについては、図2、図3に示すように、縦・横式2次元マトリクス状配列でスイッチング素子32が多数個(例えば、1024個×1024個)形成されており、キャリア収集電極33ごとにスイッチング素子32が互いに分離形成されている。すなわち、FPD3は、2次元アレイ放射線検出器でもある。
図2に示すようにキャリア収集電極33の上にはX線感応型半導体34が積層形成されており、図2、図3に示すようにキャリア収集電極33は、スイッチング素子32のソースSに接続されている。ゲートドライバ35からは複数本のゲートバスライン36が接続されているとともに、各ゲートバスライン36はスイッチング素子32のゲートGに接続されている。一方、図3に示すように、電荷信号を収集して1つに出力するマルチプレクサ37には増幅器38を介して複数本のデータバスライン39が接続されているとともに、図2、図3に示すように各データバスライン39はスイッチング素子32のドレインDに接続されている。
図示を省略する共通電極にバイアス電圧を印加した状態で、ゲートバスライン36の電圧を印加(または0Vに)することでスイッチング素子32のゲートがONされて、キャリア収集電極33は、検出面側で入射したX線からX線感応型半導体34を介して変換された電荷信号(キャリア)を、スイッチング素子32のソースSとドレインDとを介してデータバスライン39に読み出す。なお、スイッチング素子がONされるまでは、電荷信号はキャパシタ(図示省略)で暫定的に蓄積されて記憶される。各データバスライン39に読み出された電荷信号を増幅器38で増幅して、マルチプレクサ37で1つの電荷信号にまとめて出力する。出力された電荷信号をA/D変換器8でディジタル化してX線検出信号として出力する。
次に、本実施例に係る画像処理部9およびコントローラ10による一連の信号処理について、図4のタイミングチャートおよび図5のフローチャートを参照して説明する。図4は、撮像制御およびX線画像取得に関するタイミングチャートであり、図5は、画像処理部およびコントローラによる一連の信号処理を示すフローチャートである。
(ステップS1)装置起動/キャリブレーション
装置を起動する。この起動時にキャリブレーション(キャリブレーションデータの取得)を行う。具体的には、1種類の蓄積時間(例えば133ms)のみに対応した補正データ(キャリブレーションデータ)を取得する。キャリブレーションデータとしては、例えばオフセット、ゲイン、欠損マップなどである。蓄積時間が133msの1種類のみで、キャリブレーションデータがオフセットやゲインや欠損マップの場合には、1分程度でキャリブレーションが完了する。
装置を起動する。この起動時にキャリブレーション(キャリブレーションデータの取得)を行う。具体的には、1種類の蓄積時間(例えば133ms)のみに対応した補正データ(キャリブレーションデータ)を取得する。キャリブレーションデータとしては、例えばオフセット、ゲイン、欠損マップなどである。蓄積時間が133msの1種類のみで、キャリブレーションデータがオフセットやゲインや欠損マップの場合には、1分程度でキャリブレーションが完了する。
(ステップS2)撮像制御
照射の開始タイミングについては、ハンドスイッチなどの入力部12(図1を参照)などで行う。すなわち、ハンドスイッチを押下すると、押下した直後のフレームに同期して、図4に示すように、照射パルスを出力してX線管2(図1を参照)からX線を照射する。そして、所定の条件を満たしたら(例えば蓄積線量が所定量に達したら)、フォトタイマによって照射パルスが切られてX線の照射を終了する。
照射の開始タイミングについては、ハンドスイッチなどの入力部12(図1を参照)などで行う。すなわち、ハンドスイッチを押下すると、押下した直後のフレームに同期して、図4に示すように、照射パルスを出力してX線管2(図1を参照)からX線を照射する。そして、所定の条件を満たしたら(例えば蓄積線量が所定量に達したら)、フォトタイマによって照射パルスが切られてX線の照射を終了する。
コントローラ10(図1を参照)は、蓄積時間および読み出し時間を、照射時間に対応せずに固定して繰り返すように制御する。また、欠損画素を最小限に抑えるために、図4に示すように蓄積時間と読み出し時間とを同じにする。蓄積時間が133msの場合には、読み出し時間も133msにして、フレーム毎に繰り返す。
図4では、照射が開始されたときの蓄積フレームを左上斜線のハッチングで図示するとともに、照射が終了したときの蓄積フレームを縦線のハッチングで図示し、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームを右上斜線のハッチングで図示する。
例えば、1フレーム目(図4の「(1)」を参照)で照射を開始し、かつ同じ1フレーム目で照射を終了したときには、照射が開始されたときの蓄積フレームは1フレーム目であって、照射が終了したときの蓄積フレームも1フレーム目であって、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームは2フレーム目(図4の「(2)」を参照)である。したがって、1フレーム目を左上斜線のハッチングで図示するとともに、2フレーム目を右上斜線のハッチングで図示する。なお、1フレーム目を縦線のハッチングで図示すると、左上斜線のハッチングと重複するので、ここでは縦線のハッチングで図示しない。
また、例えば、3フレーム目(図4の「(3)」を参照)で照射を開始し、かつ4フレーム目(図4の「(4)」を参照)で照射を終了したときには、照射が開始されたときの蓄積フレームは3フレーム目であって、照射が終了したときの蓄積フレームは4フレーム目であって、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームは5フレーム目(図4の「(5)」を参照)である。したがって、3フレーム目を左上斜線のハッチングで図示するとともに、4フレーム目を縦線のハッチングで図示し、5フレーム目を右上斜線のハッチングで図示する。
また、例えば、6フレーム目(図4の「(6)」を参照)で照射を開始し、かつ8フレーム目(図4の「(8)」を参照)で照射を終了したときには、照射が開始されたときの蓄積フレームは6フレーム目であって、照射が終了したときの蓄積フレームは8フレーム目であって、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームは9フレーム目(図4の「(9)」を参照)である。したがって、6フレーム目を左上斜線のハッチングで図示するとともに、8フレーム目を縦線のハッチングで図示し、9フレーム目を右上斜線のハッチングで図示する。
コントローラ10(図1を参照)は、このように固定の所定時間(蓄積時間)で蓄積が行われたX線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得る。
(ステップS3)X線画像を取得
画像処理部9(図1を参照)は、照射に関連する複数の蓄積フレームデータに基づいてX線画像を得る。
画像処理部9(図1を参照)は、照射に関連する複数の蓄積フレームデータに基づいてX線画像を得る。
例えば、1フレーム目(図4の「(1)」を参照)で照射を開始し、かつ同じ1フレーム目で照射を終了したときには、照射が開始されたときの1フレーム目から、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームである2フレーム目(図4の「(2)」を参照)までのデータを加算する。
また、例えば、3フレーム目(図4の「(3)」を参照)で照射を開始し、かつ4フレーム目(図4の「(4)」を参照)で照射を終了したときには、照射が開始されたときの3フレーム目から、照射が終了したときの蓄積フレームの1つ後のフレームである5フレーム目(図4の「(5)」を参照)までのデータを加算する。
また、例えば、6フレーム目(図4の「(6)」を参照)で照射を開始し、かつ8フレーム目(図4の「(8)」を参照)で照射を終了したときには、照射が開始されたときの6フレーム目から、照射が終了したときの蓄積フレームの1つ後のフレームである9フレーム目(図4の「(9)」を参照)までのデータを加算する。
このように、加算して得られた加算データを、照射に関連する複数の蓄積フレームデータとして画像処理部9(図1を参照)は取得し、その蓄積フレームデータをX線画像とする。
(ステップS4)X線画像を補正
ステップS1で得られたキャリブレーションデータ(オフセット、ゲイン、欠損マップ)に基づいてステップS4で得られたX線画像の補正を行う。また、log変換などを行ってもよい。このように補正されたX線画像をモニタ13(図1を参照)に出力表示あるいはプリンタ(図示省略)などに出力印刷する。
ステップS1で得られたキャリブレーションデータ(オフセット、ゲイン、欠損マップ)に基づいてステップS4で得られたX線画像の補正を行う。また、log変換などを行ってもよい。このように補正されたX線画像をモニタ13(図1を参照)に出力表示あるいはプリンタ(図示省略)などに出力印刷する。
以上のように構成された本実施例によれば、コントローラ10は、フラットパネル型X線検出器(FPD)3からX線検出信号を取り出すためにFPD3でのX線検出信号の蓄積を、X線管2による照射時間に対応せずに固定の所定時間(例えば133ms)で行うように制御する。そして、上述した固定の所定時間で蓄積が行われたX線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得ることで撮像を制御する。一方で、画像処理部9は、照射に関連する複数の上述の蓄積フレームデータに基づいてX線画像を得る。このようにX線検出信号が蓄積される時間である蓄積時間が、照射時間に対応せずに固定の所定時間であって、1種類の蓄積時間のみで撮像が行われる。1種類の蓄積時間のみであっても、固定の所定時間で蓄積が行われたX線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得て、照射に関連する複数の蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得ることが可能である。したがって、1種類の蓄積時間で撮像や信号処理を行うことができる。また、蓄積時間を1種類にすることでキャリブレーションの所要時間を短縮することができるという効果をも奏する。
また、本実施例のように、X線検出信号の蓄積が行われた固定の所定時間である蓄積時間は、FPD3からX線検出信号を読み出す1画像分の読み出し時間と同じであるのが好ましい。上述したように、読み出し時間に対して蓄積時間が長くなると欠損画素が増える現象がわかっている。そこで、蓄積時間と読み出し時間とを同じにすることで欠損画素を最小限に抑えることができる。
本実施例では、照射に関連する複数の蓄積フレームデータは、照射が開始されたときの蓄積フレームから、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームである。また、照射が開始されたときの蓄積フレームから、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームまでのデータを加算して得られた加算データに基づいて、照射に関連する複数の蓄積フレームデータを得ている。本実施例では、加算データそのものを、照射に関連する複数の蓄積フレームデータとして用いている。なお、加算データからフレーム数を除算した加算平均(相加平均)を、照射に関連する複数の蓄積フレームデータとして用いてもよい。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、図1に示すようなX線透視撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線透視撮影装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。なお、この発明は、X線撮影装置のように(透視撮影でなく)実際に撮影を行うとき特に有用である。
(2)上述した実施例では、フラットパネル型X線検出器(FPD)3を例に採って説明したが、通常において用いられるX線検出手段であれば、この発明は適用することができる。
(3)上述した実施例では、X線を検出するX線検出器を例に採って説明したが、この発明は、ECT(Emission Computed Tomography)装置のように放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出するγ線検出器に例示されるように、放射線を検出する放射線検出器であれば特に限定されない。同様に、この発明は、上述したECT装置に例示されるように、放射線を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
(4)上述した実施例では、FPD3は、放射線(実施例ではX線)感応型の半導体を備え、入射した放射線を放射線感応型の半導体で直接的に電荷信号に変換する直接変換型の検出器であったが、放射線感応型の替わりに光感応型の半導体を備えるとともにシンチレータを備え、入射した放射線をシンチレータで光に変換し、変換された光を光感応型の半導体で電荷信号に変換する間接変換型の検出器であってもよい。
(5)上述した実施例では、蓄積時間と読み出し時間とを同じにしたが、欠損画素を抑えることを考慮しないのであれば、蓄積時間と読み出し時間とは必ずしも同じである必要はない。
Claims (8)
- 放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段とを備え、前記装置は、さらに、前記放射線検出手段から放射線検出信号を取り出すために放射線検出手段での放射線検出信号の蓄積を、前記放射線照射手段による照射時間に対応せずに固定の所定時間で行うように制御するとともに、前記固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得ることで撮像を制御する撮像制御手段と、照射に関連する複数の前記蓄積フレームデータに基づいて放射線画像を得る放射線画像取得手段とを備えていることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項1に記載の放射線撮像装置において、前記放射線検出信号の蓄積が行われた前記固定の所定時間である蓄積時間は、前記放射線検出手段から前記放射線検出信号を読み出す1画像分の読み出し時間と同じであることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項1に記載の放射線撮像装置において、前記照射に関連する複数の蓄積フレームデータは、照射が開始されたときの蓄積フレームから、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームであることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項3に記載の放射線撮像装置において、前記照射が開始されたときの蓄積フレームから、前記照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームまでのデータを加算して得られた加算データに基づいて、前記照射に関連する複数の蓄積フレームデータを得ることを特徴とする放射線撮像装置。
- 被検体を照射して検出された放射線検出信号を取り出し、その取り出された放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、放射線検出信号を取り出すために放射線検出手段での放射線検出信号の蓄積を、放射線の照射時間に対応せずに固定の所定の時間で行い、その固定の所定時間で蓄積が行われた放射線検出信号を1画像分ごとに読み出して、複数画像分の蓄積フレームデータを得て、照射に関連する複数の前記蓄積フレームデータに基づいて前記放射線画像を得ることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
- 請求項5に記載の放射線検出信号処理方法において、前記放射線検出信号の蓄積が行われた前記固定の所定時間である蓄積時間は、前記放射線検出手段から前記放射線検出信号を読み出す1画像分の読み出し時間と同じであることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
- 請求項6に記載の放射線検出信号処理方法において、前記照射に関連する複数の蓄積フレームデータは、照射が開始されたときの蓄積フレームから、照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームであることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
- 請求項7に記載の放射線検出信号処理方法において、前記照射が開始されたときの蓄積フレームから、前記照射が終了したときの蓄積フレームの1つの後のフレームまでのデータを加算して得られた加算データに基づいて、前記照射に関連する複数の蓄積フレームデータを得ることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
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