JP4618091B2 - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4618091B2
JP4618091B2 JP2005305931A JP2005305931A JP4618091B2 JP 4618091 B2 JP4618091 B2 JP 4618091B2 JP 2005305931 A JP2005305931 A JP 2005305931A JP 2005305931 A JP2005305931 A JP 2005305931A JP 4618091 B2 JP4618091 B2 JP 4618091B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
irradiation
period
read
readout
ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005305931A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007111253A (ja
Inventor
晋 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2005305931A priority Critical patent/JP4618091B2/ja
Publication of JP2007111253A publication Critical patent/JP2007111253A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4618091B2 publication Critical patent/JP4618091B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

この発明は、医療分野、工業分野、さらには原子力分野などに用いられる撮像装置に関する。
検出された光または放射線に基づいて撮像を行う撮像装置は、光または放射線を検出する光または放射線検出器を備えている。X線検出器を例に採って説明する。X線検出器はX線感応型のX線変換層(半導体層)を備えており、X線の入射によりX線変換層はキャリア(電荷情報)に変換し、その変換されたキャリアを読み出すことでX線を検出する。X線変換層としては非晶質のアモルファスセレン(a−Se)膜が用いられる(例えば、非特許文献1参照)。
被検体にX線を照射して放射線撮像を行う場合には、被検体を透過した放射線像がアモルファスセレン膜上に投影されて、像の濃淡に比例したキャリアが膜内に発生する。その後、膜内で生成されたキャリアが、2次元状に配列されたキャリア収集電極に収集されて、所定時間(『蓄積時間』とも呼ばれる)分だけ積分された後、薄膜トランジスタを経由して外部に読み出される。
このようなX線検出器の周辺には、薄膜トランジスタのスイッチングのON/OFFの切り換えを行うゲートドライバ回路や、キャリアを読み出すためのアンプアレイ回路といった周辺回路が配設されている。駆動回路はX線検出器に駆動信号を与えてX線検出器を駆動させ、キャリアの読み出しに関連する読み出し信号に基づいて、読み出されたキャリアをアンプアレイ回路が受け取る。これらの回路とX線検出器とを含めて撮像センサを構成している。
かかるアンプアレイ回路の概略ブロック図を図4に示す。アンプアレイ回路は、図4に示すように、初段の電荷感応型アンプ(CSA: Charge Sensitive Amplifier)CSAと、後段の電荷感応型メインアンプ(MA: Main Amplifier)MAと、最終段のサンプリングホールドSHとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
アンプアレイ回路の動作シーケンスの一例について、図5を参照して説明する。図5は、アンプアレイ回路の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。図5中の『CSA』は初段の電荷感応型アンプCSAのスイッチSCSAのONまたはOFFを示す。図5中の『MA』は後段の電荷感応型メインアンプMAのスイッチSMAのONまたはOFFを示す。図5中の『TFT Gate』は薄膜トランジスタのゲートのONまたはOFFを示す。図5中の『SH』はサンプリングホールドSHのONまたはOFFを示す。なお、『CSA』や『MA』のONから次回の『CSA』や『MA』のONまでの期間が、1本のデータ線の1ライン分の読み出し周期となり(図5中の読み出し周期TLを参照)、『TFT Gate』のON/OFFの切り換えの1回分で、実際の1本のデータ線の1ライン分の読み出し期間となる。
なお、図9のシーケンスは、1フレームごとに関するもので、図5で述べた読み出し周期TLは、1フレームから見ると図9においては図示した関係になる。また、各ラインの読み出し以外を『ブランキング期間』としたときに、1フレーム内では、実際に読み出される読み出し期間とブランキング期間とに区分けされる。つまり、1フレーム分の周期は、読み出し期間およびブランキング期間からなる。このブランキング期間はX線照射可能な時間でもあって、ブランキング期間でX線を照射して得られたキャリアを読み出し期間で読み出す。
実際にX線を照射する場合には、X線照射可能なブランキング期間でX線パルスを照射して行う。また、X線の照射開始前の非照射時においても、非照射時におけるキャリアの残留分に基づいてオフセット補正を行うために、通常は、図9に示すように、読み出し期間とブランキング期間とに区分けされて、非照射時における読み出し期間で読み出されたキャリアをオフセット補正用データとして用いる。
照射開始前の非照射時では、X線照射の準備に移行するために、例えばハンドスイッチ(図示省略)に『Ready』および『曝射』の2段スイッチを設け、『Ready』スイッチを押下することで準備に移行して、さらに『曝射』スイッチを押下することでX線照射を開始する。具体的には、『Ready』スイッチを押下すると、図9に示すように、照射予告信号がON状態に移行し、『曝射』スイッチを押下すると照射開始信号もON状態に移行する。そして、照射開始信号がONになった後の最初のフレームにおけるX線照射可能なブランキング期間でX線パルスが出力される。つまり、照射開始信号がONになるとON時点でのフレームが終了してから、X線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力する。この照射開始信号がONになってからX線パルスを出力するまでの時間を『照射待ち時間』とする。
そしてX線パルスの出力が終了した後に、『Ready』スイッチの押下でON状態に移行した照射予告信号、および『曝射』スイッチの押下でON状態に移行した照射開始信号もOFFにする。なお、準備移行を行わずに非照射から照射に直接的に移行する場合には、『Ready』スイッチに代表される準備移行の操作入力を行う入力手段は必ずしも必要でない。
特開2004−23750号公報(第7−9頁、図1) W. Zhao, et al. , "A flat panel detector for digital radiology using active matrix readout of amorphous selenium," Proc. SPIE Vol. 2708, pp. 523 - 531, 1996.
かかるスイッチの押下は手動で行われるので、スイッチの押下によってONに出力される照射予告信号や照射開始信号は、読み出し期間とブランキング期間とに区分されるフレームに同期しない。したがって、例えば、図10(a)に示すように、フレームF6の直前で照射開始信号がONになったときには、ON時点でのフレームF5が終了してから、次なるフレームF6においてX線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力する。これに対して、図10(b)に示すように、フレームF6の直後で照射開始信号がONになったときには、ON時点でのフレームF6が終了してから、次なるフレームF7においてX線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力する。なお、図10では照射予告信号については図示を省略している。この、図10に示すように照射待ち時間は最大でフレームレートTの変動がある。したがって、被検体が患者の場合において、患者の呼吸タイミングに合わせたX線照射を行う場合に、呼吸タイミングに合わせたX線照射が行い難いという問題が生じる。
そこで、出願人は、照射待ち時間の変動を少なくするために、特願2005−149187号を先に出願している。図11は、特願2005−149187号(以下、「先の出願」とする)において照射開始信号がONになったときの前後の各信号のタイミングチャートである。照射時のフレームレートT1よりも準備移行である照射予告信号(先の出願ではX線照射準備信号)がON状態に移行してから照射開始前までのフレームレートT2が短くなるように設定する。より具体的には、照射予告信号(先の出願ではX線照射準備信号)がON状態に移行すればX線照射のための準備に移行し、その準備移行から照射開始前まではフレームレートT2に短く設定し、照射開始信号(先の出願ではX線照射信号)がON状態に移行すれば、ON時点でのフレームが終了してから、X線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力することでX線照射を行い、照射時のフレームレートT1に設定する。なお、フレームレートT1>フレームレートT2を満たす。
準備移行は非照射時でもあるのでX線を照射する必要がない。そこで、先の出願では、X線照射可能時間を短く、あるいはX線照射可能時間自体をなくして、そのX線照射可能時間の低減分でフレームレートT1>フレームレートT2となる。例えば、図11(a)に示すように、フレームF6の直前で照射開始信号(先の出願ではX線照射信号)がONになったときには、ON時点でのフレームF5が終了してから、次なるフレームF6においてX線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力する。これに対して、図11(b)に示すように、フレームF6の直後で照射開始信号(先の出願ではX線照射信号)がONになったときには、ON時点でのフレームF6が終了してから、次なるフレームF7においてX線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力する。この、図11に示すように照射待ち時間は最大でフレームレートT2の変動がある。
これは、図11(a)に示すようにフレームF6の直前で照射開始信号(先の出願ではX線照射信号)がONにならずに、図11(b)に示すようにフレームF6の直後で照射開始信号(先の出願ではX線照射信号)がONになってずれたとしても、図11(a)ではフレームF6までがフレームレートT2でフレームF7以降がフレームレートT1に対して、図11(b)ではフレームF7までがフレームレートT2にずれ込むからである。したがって、照射開始信号(先の出願ではX線照射信号)のONのタイミングに関わらず、照射開始信号(先の出願ではX線照射信号)がONに移行した直後のフレームレートは常にT2となる。
このように先の出願(特願2005−149187号)によれば、X線の照射時のフレームレートT1よりも準備移行である照射予告信号(先の出願ではX線照射準備信号)がON状態に移行してから照射開始前までのフレームレートT2が短くなるように設定すると、照射待ち時間の起点となるタイミング(ここでは照射開始信号がON状態に移行)は、フレームレートT2が短い準備移行から照射開始前までの間で行われる。したがって、照射待ち時間の起点となるタイミングである照射開始信号(先の出願ではX線照射信号)のONのタイミングが変動したとしても、短いフレームレートT2の間でのみ変動するので、従来よりも照射待ち時間の変動を少なくすることができる。
しかしながら、このような先の出願(特願2005−149187号)のように、準備移行時の短いフレームレートT2(すなわち高速撮影モード)から照射時の長いフレームレートT1(すなわち低速撮影モード)に切り換えると、薄膜トランジスタのスイッチングのON/OFF(図11中の『TFT Gate』のONおよびOFFを参照)時間比(以下、この比を「デューティー比」と呼ぶ)が各撮影モード間で異なってしまう。そのために、非照射時である準備移行時で読み出されたキャリアに基づく電荷信号であるX線検出信号も、照射時に対してズレが生じてしまい、その結果、オフセット補正がずれてしまうという問題が発生する。また、オフセット補正ズレによるアーティファクト(偽像)が発生する。このように、照射時と準備移行時などに代表される非照射時とでフレームレートが互いに異なると、読み出されたキャリア(電荷情報)を用いる際にも支障が生じる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、読み出された電荷情報を用いる際に生じる支障を防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、光または放射線の入射により前記光または放射線の情報を電荷情報に変換する変換層と、その変換層で変換された電荷情報を読み出す読み出し回路とを備え、その読み出し回路で読み出された電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置であって、前記電荷情報の読み出しの動作は、第1読み出し動作と周期がそれよりも長い第2読み出し動作とからなり、前記第1および第2読み出し動作以外の動作は、読み出し空白動作からなり、(1)前記第1読み出し動作、前記読み出し空白動作、前記第2読み出し動作の順に移行するように設定する動作設定手段を備え、光または放射線の照射のための所定の準備移行から照射開始前までの期間を除いて(1)前記第1読み出し動作、前記読み出し空白動作、前記第2読み出し動作の順を繰り返して行い、光または放射線の照射時における前記第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて撮影用データを取得し、非照射時における前記第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて当該撮影用データのオフセット補正を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、電荷情報の読み出しの動作は、第1読み出し動作と周期がそれよりも長い第2読み出し動作とからなり、第1および第2読み出し動作以外の動作は、読み出し空白動作からなり、(1)前記第1読み出し動作、前記読み出し空白動作、前記第2読み出し動作の順に移行するように設定する動作設定手段を備えている。そして、光または放射線の照射のための所定の準備移行から照射開始前までの期間を除いて前記(1)前記第1読み出し動作、前記読み出し空白動作、前記第2読み出し動作の順を繰り返して行い、光または放射線の照射時における第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて撮影用データを取得し、非照射時における第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて当該撮影用データのオフセット補正を行う。それにより、光または放射線の照射のための所定の準備移行から照射開始前までの期間を除けば、上述した動作が定常状態となるので、各フレーム間で各第1読み出し動作または各第2読み出し動作が互いに同じになる(例えばデューティー比などが同じ)。したがって、各読み出し動作で読み出された電荷情報についてズレが生じることもない。また、照射時における第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて撮影用データを取得し、非照射時における第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて当該撮影用データのオフセット補正を行う。それにより、オフセット補正ズレによるアーティファクト(偽像)を低減させることができる。
上述した発明において、光または放射線の照射のための所定の準備移行から照射開始前まで第1読み出し動作のみを繰り返して行うのが好ましい(請求項に記載の発明)。このように1読み出し動作のみを繰り返して行えば、照射待ち時間の起点となるタイミングは、周期が短い準備移行から照射開始前までの間(すなわち第1読み出し動作の間)で行われる。したがって、照射待ち時間の起点となるタイミングが変動したとしても、短い周期を有する第1読み出し動作の間でのみ変動するので、従来よりも照射待ち時間の変動を少なくすることができる。
この発明に係る撮像装置によれば、光または放射線の照射のための所定の準備移行から照射開始前までの期間を除けば、前記第1読み出し動作、前記読み出し空白動作、前記第2読み出し動作の順に移行する動作が定常状態となるので、各フレーム間で各第1読み出し動作または各第2読み出し動作が互いに同じになる(例えばデューティー比などが同じ)。したがって、各読み出し動作で読み出された電荷情報についてズレが生じることもない。また、照射時における第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて撮影用データを取得し、非照射時における第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて当該撮影用データのオフセット補正を行う。それにより、オフセット補正ズレによるアーティファクト(偽像)を低減させることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図であり、図2は、X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路であり、図3は、平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路であり、図4は、フラットパネル型X線検出器中のアンプアレイ回路のブロック図である。本実施例では、光または放射線検出器としてフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)を例に採るとともに、撮像装置としてX線透視撮影装置を例に採って説明する。
本実施例に係るX線透視撮影装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD3とを備えている。
X線透視撮影装置は、他に、天板1の昇降および水平移動を制御する天板制御部4や、FPD3の走査を制御するFPD制御部5や、X線管2の管電圧や管電流を発生させる高電圧発生部6を有するX線管制御部7や、FPD3から電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出すA/D変換器8や、A/D変換器8から出力されたX線検出信号に基づいて種々の処理を行う画像処理部9や、これらの各構成部を統括するコントローラ10や、処理された画像などを記憶するメモリ部11や、オペレータが入力設定を行う入力部12や、処理された画像などを表示するモニタ13などを備えている。
天板制御部4は、天板1を水平移動させて被検体Mを撮像位置にまで収容したり、昇降、回転および水平移動させて被検体Mを所望の位置に設定したり、水平移動させながら撮像を行ったり、撮像終了後に水平移動させて撮像位置から退避させる制御などを行う。FPD制御部5は、FPD3を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御などを行う。高電圧発生部6は、X線を照射させるための管電圧や管電流を発生してX線管2に与え、X線管制御部7は、X線管2を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させるによる走査に関する制御や、X線管3側のコリメータ(図示省略)の照視野の設定の制御などを行う。なお、X線管2やFPD3の走査の際には、X線管2から照射されたX線をFPD3が検出できるようにX線管2およびFPD3が互いに対向しながらそれぞれの移動を行う。
コントローラ10は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、メモリ部11は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。また、入力部12は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。X線透視撮影装置では、被検体Mを透過したX線をFPD3が検出して、検出されたX線に基づいて画像処理部9で画像処理を行うことで被検体Mの撮像を行う。
また、本実施例では、コントローラ10は、後述する第1読み出し期間の動作、ブランキング期間の動作、第2読み出し期間の動作の順に移行するように設定する機能をも備えている。コントローラ10は、この発明における動作設定手段に相当する。
また、メモリ部11は、X線検出信号や処理された画像などの書き込みにはRAMが用いられ、例えば制御シーケンスに関するプログラムの読み出しによって制御シーケンスをコントローラ10に実行させる場合には、制御シーケンスに関するプログラムの読み出し専用にはROMが用いられる。本実施例では、照射予告信号がON状態に移行すればX線照射のための準備に移行し、その準備移行から照射開始前まで第1読み出し期間の動作のみを繰り返して行い(図6の『Brepeat』を参照)、その準備移行から照射開始前までの期間を除いて第1読み出し期間の動作とブランキング期間の動作と第2読み出し期間の動作とをそれぞれ対にして繰り返して行う(図6の『Arepeat』を参照)ように設定する制御シーケンスに関するプログラムをメモリ部11に記憶させ、そのプログラムの読み出しによって制御シーケンスをコントローラ10に実行させる。
また、本実施例では、入力部12は、ハンドスイッチ(図示省略)を備え、そのハンドスイッチに『Ready』および『曝射』の2段スイッチを設け、『Ready』スイッチを押下することで準備に移行して、さらに『曝射』スイッチを押下することでX線照射を開始する機能を備える。具体的には、『Ready』スイッチを押下すると、図6に示すように、照射予告信号がON状態に移行し、『曝射』スイッチを押下すると照射開始信号もON状態に移行する。
FPD3は、図2に示すように、X線などの放射線が入射することによりキャリアが生成される放射線感応型の半導体厚膜31と、半導体厚膜31の表面に設けられた電圧印加電極32と、半導体厚膜31の放射線入射側とは反対側にある裏面に設けられたキャリア収集電極33と、キャリア収集電極33への収集キャリアを溜める電荷蓄積用のコンデンサCaと、コンデンサCaに蓄積された電荷を取り出すための通常時OFF(遮断)の電荷取り出し用のスイッチ素子である薄膜トランジスタ(TFT)Trとを備えている。本実施例では、半導体厚膜31は放射線の入射によりキャリアが生成される放射線感応型の物質、例えばアモルファスセレンで形成されているが、光の入射によりキャリアが生成される光感応型の物質であってもよい。半導体厚膜31は、この発明における変換層に相当する。
この他に、本実施例では、薄膜トランジスタTrのソースに接続されているデータ線34と、薄膜トランジスタTrのゲートに接続されているゲート線35とを備えており、電圧印加電極32,半導体厚膜31,キャリア収集電極33,コンデンサCa,薄膜トランジスタTr,データ線34およびゲート線35が絶縁基板36の上に積層されて構成されている。
図2、図3に示すように、縦・横式2次元マトリックス状配列で多数個(例えば、1024個×1024個や4096×4096個)形成されたキャリア収集電極33ごとに、上述した各々のコンデンサCaおよび薄膜トランジスタTrがそれぞれ接続されており、それらキャリア収集電極33,コンデンサCa,および薄膜トランジスタTrが各検出素子DUとしてそれぞれ分離形成されている。また、電圧印加電極32は、全検出素子DUの共通電極として全面にわたって形成されている。また、上述したデータ線34は、図3に示すように、横(X)方向に複数本に並列されているとともに、上述したゲート線35は、図3に示すように、縦(Y)方向に複数本に並列されており、各々のデータ線34およびゲート線35は各検出素子DUに接続されている。また、データ線34はアンプアレイ回路37に接続されており、ゲート線35はゲートドライバ回路38に接続されている。なお、検出素子DUの配列個数は上述の1024個×1024個や4096×4096個だけでなく、実施形態に応じて配列個数を変更して使用することができる。したがって、検出素子DUが1個のみの形態であってもよい。
検出素子DUは2次元マトリックス状配列で絶縁基板36にパターン形成されており、検出素子DUがパターン形成された絶縁基板36は『アクティブ・マトリクス基板』とも呼ばれている。
また、FPD3の検出素子DU周辺を作成する場合には、絶縁基板36の表面に、各種真空蒸着法による薄膜形成技術やフォトリソグラフィ法によるパターン技術を利用して、データ線34およびゲート線35を配線し、薄膜トランジスタTr,コンデンサCa,キャリア収集電極33,半導体厚膜31,電圧印加電極32などを順に積層形成する。なお、半導体厚膜31を形成する半導体については、アモルファス型の半導体や多結晶型の半導体などに例示されるように、用途や耐電圧などに応じて適宜選択することができる。
アンプアレイ回路37は、FPD3外のA/D変換器8を含めて、キャリアを受け取る機能を備えている。つまり、A/D変換器8およびアンプアレイ回路37は、半導体厚膜31で変換されたキャリアを、FPD3の検出素子DUを介して読み出すことになる。A/D変換器8およびアンプアレイ回路37は、この発明における読み出し回路に相当する。なお、A/D変換器8については、FPD3の構成内に備えてもよい。これらのゲートドライバ回路38やアンプアレイ回路37やA/D変換器8は、FPD3の周辺回路である。
この他に、FPD3は電源39を備えている。本実施例では、電源39は、アンプアレイ回路37やA/D変換器8などの読み出し回路に電力を供給する。FPD3やFPD制御部5やA/D変換器8で、図3の撮像センサを構成する。
上述したアンプアレイ回路37は、図4に示すように、2段の増幅回路41,42およびサンプリングホールドSHからなり、キャリアの読み出し方向から見て上流側、すなわち初段の増幅回路41は、初段の電荷感応型アンプ(CSA: Charge Sensitive Amplifier)CSA用の回路であって、下流側すなわち後段の増幅回路42は、後段の電荷感応型メインアンプ(MA: Main Amplifier)MA用の回路である。そして、キャリアの読み出し方向から見て上流側から順に、増幅回路41,42および最終段のサンプリングホールドSHを電気的に接続している。
初段の電荷感応型アンプCSAおよび後段の電荷感応型メインアンプMAは、キャリアを電圧に変換して出力する。また、両アンプCSA,MAの間には、初段の電荷感応型アンプCSAの出力電圧VOUTをキャリアに変換するコンデンサCiを介在させ、コンデンサCiによって変換された電荷を後段の電荷感応型メインアンプMAが再度に電圧に変換する。なお、両アンプCSA,MAの入出力間で各アンプCSA,MAに対して並列に電気的に接続されたコンデンサCf,CFをそれぞれ備えている。コンデンサCFと後段の電荷感応型メインアンプMAとによって後段の増幅回路42を構成する。
両アンプCSA,MAは演算増幅器で構成されている。そして、正電源VDDと負電源VSSとによって給電され、演算増幅器の正転入力には基準電圧VREFが入力されている。通常では、基準電圧VREFは、正電源VDDと負電源VSSとの中間レベルに設定される。例えば、正電源VDD=5.0V、負電源VSS=−5.0Vならば、基準電圧VREF=0Vとなり、正電源VDD=5.0V、負電源VSS=0Vならば、基準電圧VREF=2.5Vとなる。
初段の電荷感応型アンプCSAの場合には、アンプCSAに入力されるキャリアをQINとしたときには、アンプCSAのアンプ出力は以下のような挙動を示す。すなわち、キャリアQINがゼロの場合には、アンプ出力である出力電圧VOUTは基準電圧VREFと等しくなる。そして、キャリアQINが正(QIN>0)の場合には、基準電圧VREFを基準にして負電源VSSに向かう方向(負の方向)に、キャリアQINが負(QIN<0)の場合には、基準電圧VREFを基準にして正電源VDDに向かう方向(正の方向)にその出力がそれぞれ振れる。
また、両アンプCSA,MAには、各アンプCSA,MAに対して並列に電気的に接続されたコンデンサCf,CFと同様に並列に電気的に接続された切り換えスイッチSCSA,SMAをそれぞれ有している。各切り換えスイッチSCSA,SMAをONにすることで、コンデンサCf,CFにそれぞれ蓄積されたキャリアを放電して、各切り換えスイッチSCSA,SMAをOFFにすることでOFF移行後においてコンデンサCf,CFにキャリアをそれぞれ蓄積する。
FPD制御部5は、上述したFPD3の走査を制御する他に、後述する図5のアンプアレイ回路37の動作シーケンスにおける各信号のタイミングをも制御する。例えば、上述した切り換えスイッチSCSA,SMAのON/OFF(図5では『CSA』や『MA』のON/OFFに相当)のタイミングをFPD制御部5は制御する。
続いて、本実施例に係るX線透視撮影装置およびフラットパネル型X線検出器(FPD)の作用について説明する。電圧印加電極32に高電圧(例えば数100V〜数10kV程度)のバイアス電圧VAを印加した状態で、検出対象である放射線を入射させる。このバイアス電圧VAの印加の制御についてもFPD制御部5から行う。
放射線の入射によってキャリアが生成されて、そのキャリアが電荷情報として電荷蓄積用のコンデンサCaに蓄積される。ゲートドライバ回路38の信号取り出し用の走査信号(すなわちゲート駆動信号)によって、ゲート線35が選択されて、さらに選択されたゲート線35に接続されている検出素子DUが選択指定される。その指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積された電荷が、選択されたゲート線35の信号によってON状態に移行した薄膜トランジスタTrを経由して、データ線34に読み出される。
また、各検出素子DUのアドレス(番地)指定は、データ線34およびゲート線35の信号取り出し用の走査信号(ゲート線35の場合にはゲート駆動信号、データ線34の場合にはアンプ駆動信号)に基づいて行われる。アンプアレイ回路37やゲートドライバ回路38に信号取り出し用の走査信号が送り込まれると、ゲートドライバ回路38から縦(Y)方向の走査信号(ゲート駆動信号)に従って各検出素子DUが選択される。そして、横(X)方向の走査信号(アンプ駆動信号)に従ってアンプアレイ回路37が切り換えられることによって、選択された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積された電荷が、データ線34を介してアンプアレイ回路37に送り出される。そして、アンプアレイ回路37で増幅されて、X線検出信号としてアンプアレイ回路37から出力されてA/D変換器8に送り込まれる。なお、アンプアレイ回路37の各アンプCSA,MAによって、キャリアの形態から電圧の形態として変換されてX線検出信号は出力される。
上述の動作によって、例えばX線透視撮影装置の透視X線像の検出に本実施例に係るFPD3を備えた撮像センサSを用いた場合、データ線34を介して外部に読み出された電荷情報(X線検出信号)がアンプアレイ回路37で電圧として増幅された状態で画像情報に変換されて、X線透視画像として出力される。
次に、アンプアレイ回路37の動作シーケンスの一例について、図5を参照して説明する。図5は、実施例に係るアンプアレイ回路37の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。図5中の『CSA』は初段の電荷感応型アンプCSAに対して電気的に接続されたスイッチSCSAのON(キャリア放電)またはOFF(キャリア蓄積)を示す。図5中の『MA』は後段の電荷感応型メインアンプMAに対して電気的に接続されたスイッチSMAのON(キャリア放電)またはOFF(キャリア蓄積)を示す。図5中の『TFT Gate』は薄膜トランジスタTrのゲートのONまたはOFFを示す。図5中の『SH』はサンプリングホールドSHのONまたはOFFを示す。なお、『CSA』や『MA』のONから次回の『CSA』や『MA』のONまでの期間が、1本のデータ線34の1ライン分の読み出し周期となり(図5中の読み出し周期TLを参照)、『TFT Gate』のON/OFFの切り換えの1回分で、実際の1本のデータ線34の1ライン分の読み出し期間となる。
FPD制御部5が各切り換えスイッチSCSA,SMAをON(図5中の『CSA』、『MA』のONを参照)にすると、コンデンサCf,CFにそれぞれ蓄積されたキャリアを放電して、前回に蓄積されたキャリアについてリセットする。切り換えスイッチSCSAを先にOFF(図5中の『CSA』のOFFを参照)にして、続いて切り換えスイッチSMAをOFF(図5中の『MA』のOFFを参照)にする。このOFFへの移行で、OFF移行後におけるコンデンサCf,CFへのキャリアの蓄積のための準備段階となる。
FPD制御部5が薄膜トランジスタTrのゲートをON(図5中の『TFT Gate』のONを参照)にしている間に、1本のデータ線34の1ライン分のキャリアを読み出して、アンプアレイ回路37に送り込む。
FPD制御部5が薄膜トランジスタTrのゲートをOFF(図5中の『TFT Gate』のOFFを参照)にすると、基準電圧VREFを基準にして初段の電荷感応型アンプCSAの出力電圧VOUTが振れる。
そして、得られたアンプCSAの出力電圧VOUTをコンデンサCiはキャリアに変換し、その変換されたキャリアを後段の電荷感応型メインアンプMAは再度に電圧に変換する。このアンプMAはX線検出信号のデータとして出力電圧を出力する。FPD制御部5がサンプリングホールドSHをON(図5中の『SH』のONを参照)にすると、後段の電荷感応型メインアンプMAから出力されたデータをサンプリングして保持する。
なお、図6のシーケンスは、1フレームごとに関するもので、図5で述べた読み出し周期TLは、1フレームから見ると図6においては図示した関係になる。また、各ラインの読み出し以外を『ブランキング期間』としたときに、1フレーム内では、実際に読み出される読み出し期間とブランキング期間とに区分けされる。つまり、1フレーム分の周期は、読み出し期間およびブランキング期間からなる。このブランキング期間はX線照射可能な時間でもあって、ブランキング期間でX線を照射して得られたキャリアを読み出し期間で読み出す。
本実施例では、読み出し期間の動作は、第1読み出し期間の動作と第2読み出し期間の動作とからなる。図6に示すように、第1読み出し期間の周期をTfirstとするとともに、第2読み出し期間の周期をTsecondとし、ブランキング期間の周期をTblankとする。このとき、Tfirst<Tsecondを満たし、第2読み出し期間の周期Tsecondは第1読み出し期間の周期Tfirstよりも長い。第1読み出し期間の動作は、この発明における第1読み出し動作に相当し、第2読み出し期間の動作は、この発明における第2読み出し動作に相当し、ブランキング期間の動作は、この発明における読み出し空白動作に相当する。
第1読み出し期間の動作は高速撮影モードであって、第2読み出し期間の動作は低速撮影モードである。高速撮影モードは、所定の領域のみを部分的に読み出して撮影を行う部分読み出しモードや、ゲート線35を複数本にわたって一括してONにしてリセットを行うリセットモードや、ゲート線35を1つずつ高速に切り換えて撮影を行う(高速の)全体読み出しモードなどがある。また、低速撮影モードは実際の撮像動作で用いられるモードであって、ゲート線35を1つずつ切り換えて選択して撮影を行う全体読み出しモードなどがある。
本実施例では、図6に示すように、高速撮影モードとしてリセットモードを例に採って説明するとともに、低速撮影モードとして全体読み出しモードを例に採って説明する。また、本実施例におけるリセットモードでは、偶数番目のゲート線35に接続された薄膜トランジスタTrのゲートを一括してONにすることで偶数のゲート線35をONにして、奇数番目のゲート線35に接続された薄膜トランジスタTrのゲートを一括してONにすることで奇数のゲート線35をONにする。全体読み出しモードと区別するために、図6では右斜線のハッチングで示す。すると、図6中の右斜線のハッチングで示すように、第1読み出し期間の周期Tfirstの間で偶数のゲート線35の読み出しおよび奇数のゲート線35の読み出しでの合計2ライン分の読み出しが行われる。なお、リセットモードでは、複数ライン(例えば4ライン)ごとに一括してONにしてもよいし、複数ライン分だけ離れた各ラインを1つのグループとして、各グループごとに順にONにしてもよい。
照射開始前の非照射時では、X線照射の準備に移行するために、『Ready』スイッチの押下で照射予告信号がON状態に移行し、『曝射』スイッチの押下で照射開始信号もON状態に移行する。これらの信号を用いてタイミングチャートについて、より具体的に説明すると、照射予告信号がON状態に移行すればX線照射のための準備に移行し、その準備移行から照射開始前まで第1読み出し期間の動作のみを繰り返して行う。図6に示すように、この準備移行から照射開始前までの繰り返しをBrepeatとすると、照射開始信号がON状態に移行するまで第1読み出し期間の動作のみの繰り返しが行われる。本実施例では、上述したように第1読み出し期間の周期Tfirstの間で合計2ライン分の読み出しが行われる。そして、図6では、第1読み出し期間の動作が2回分行われている途中で、『曝射』スイッチが押下されて照射開始信号がON状態に移行するとする。
そして、照射開始信号がONになるとON時点の第1読み出し期間の動作(図6では2回目の第1読み出し期間の動作)が終了してから、X線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力する。また、このとき、照射開始信号がONになることで、準備移行から照射開始前までの期間が終了するので、その準備移行から照射開始前までの期間を除いて第1読み出し期間の動作とブランキング期間の動作と第2読み出し期間の動作とをそれぞれ対にして繰り返して行う。図6に示すように、準備移行から照射開始前までの期間を除いた第1読み出し期間の動作とブランキング期間の動作と第2読み出し期間の動作とをそれぞれ対にした繰り返しをArepeatとする。この第1読み出し期間の動作とブランキング期間の動作と第2読み出し期間の動作とをそれぞれ対にした繰り返しは、次の『Ready』スイッチの押下まで引き続き行われる。
なお、図6の紙面からみて左側の箇所に相当する『Ready』スイッチの押下前も、準備移行から照射開始前までの期間を除いた期間であるので、図6に示すように、第1読み出し期間の動作とブランキング期間の動作と第2読み出し期間の動作とをそれぞれ対にして繰り返す。このとき、ブランキング期間中に『Ready』スイッチが押下された場合には、対の最後である第2読み出し期間の動作を行わずにブランキング期間の動作をも中断して、照射予告信号をONにして、準備移行から照射開始前までの第1読み出し期間の動作のみを繰り返して行うのが好ましい。
かかるスイッチの押下は手動で行われるので、スイッチの押下によってONに出力される照射予告信号や照射開始信号は、読み出し期間とブランキング期間とに区分されるフレームに同期しない。したがって、例えば、図6や図7(a)に示すように、第1読み出し期間の動作が2回分行われている途中で照射開始信号がONになったときには、ON時点での2回目の第1読み出し期間の動作が終了してから、X線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力する。これに対して、図7(b)に示すように、第1読み出し期間の動作が3回分行われている途中で照射開始信号がONになったときには、ON時点での3回目の第1読み出し期間の動作が終了してから、X線照射可能なブランキング期間に移行した時点でX線パルスを出力する。この、図7に示すように照射待ち時間は最大で第1読み出し期間の周期Tfirstの変動がある。
これは、図7(a)に示すように第1読み出し期間の動作が2回分行われている途中で照射開始信号がONにならずに、図7(b)に示すように第1読み出し期間の動作が3回分行われている途中で照射開始信号がONになってずれたとしても、図7(a)で2回目の第1読み出し期間の動作までが周期Tfirst(Brepeatを参照)で3回目以降が第1読み出し期間の動作とブランキング期間の動作と第2読み出し期間の動作とをそれぞれ対にした繰り返し(Arepeatを参照)に対して、図7(b)では3回目の第1読み出し期間の動作までが周期Tfirstにずれ込むからである。したがって、照射開始信号のONのタイミングに関わらず、照射開始信号がONに移行した直後の動作は第1読み出し期間に関する動作であってその周期は常にTfirstとなる。
本実施例では、オフセット補正として、第2読み出し期間の動作で読み出されたキャリアを用いているとともに、X線検出信号などの撮像用データとして、照射時において第2読み出し期間の動作で読み出されたキャリアを用いている。オフセット補正が、非照射時におけるキャリアの残留分に基づく補正の場合には、非照射時で、かつ第2読み出し期間で読み出されたキャリアをオフセット補正として用いる。なお、数フレーム分のキャリアを読み出して取得してからそれらの平均によって、オフセット補正用データを求めてもよい。
上述した本実施例に係るX線撮影装置によれば、キャリア(電荷情報)の読み出しの動作は、第1読み出し期間の動作と周期がそれよりも長い第2読み出し期間の動作とからなり、第1および第2読み出し期間の動作以外の動作は、ブランキング期間の動作からなり、第1読み出し期間の動作、ブランキング期間の動作、第2読み出し期間の動作の順に移行するようにコントローラ10は設定する。このように、短い方の周期Tfirstを有する第1読み出し期間の動作と長い方の周期Tsecondを有する第2読み出し期間の動作とをそれぞれ設定して両方用意することで、第1読み出し期間の動作で読み出されたキャリア、第2読み出し期間の動作で読み出されたキャリアのいずれかを選択して用いることができ、用いられるキャリアの選択が拡がる。したがって、読み出されたキャリアを用いる際に生じる支障を防止することができる。
本実施例では、照射のための所定の準備移行(本実施例では照射予告信号がONに移行)から照射開始前までの期間を除いて第1読み出し期間の動作とブランキング期間の動作と第2読み出し期間の動作とをそれぞれ対にして繰り返して行っている(図6、図7中のArepeatを参照)。このようにして行うことで、準備移行から照射開始前までの期間を除いて、第1読み出し期間の動作、ブランキング期間の動作、第2読み出し期間の動作の順に移行する対で繰り返して行うことになる。また、準備移行から照射開始前までの期間を除けば、上述した動作が定常状態となるので、各フレーム間で各第1読み出し動作または各第2読み出し動作が互いに同じになる。例えば、オフセット補正および撮像用データとして、第2読み出し期間の動作で読み出されたキャリアをともに用いているが、第1読み出し期間の動作、ブランキング期間の動作、第2読み出し期間の動作の順に移行する対で繰り返して行っているので、薄膜トランジスタTrのスイッチングのON/OFF時間比であるデューティー比が同じである。したがって、各読み出し動作で読み出されたキャリアについてズレが生じることもない。
また、本実施例では、準備移行から照射開始前まで第1読み出し期間の動作のみを繰り返して行っている(図6、図7中のBrepeatを参照)。このように第1読み出し期間の動作のみを繰り返して行えば、照射待ち時間の起点となるタイミングは、第1読み出し期間の周期がTfirstと短い準備移行から照射開始前までの間で行われる。したがって、照射待ち時間の起点となるタイミングが変動したとしても、短い周期Tfirstを有する第1読み出し期間でのみ変動するので、従来よりも照射待ち時間の変動を少なくすることができる。
また、本実施例では、オフセット補正として、第2読み出し期間の動作で読み出されたキャリアを用いている。この場合には、長い方の周期Tsecondを有する第2読み出し期間の動作(本実施例では撮像に適した低速撮影モード)では実際の撮像動作に近い状態で行われるので、オフセット補正ズレによるアーティファクト(偽像)を低減させることができる。
また、本実施例では、X線検出信号などの撮像用データとして、照射時において第2読み出し期間の動作で読み出されたキャリアを用いている。この場合には、オフセット補正のときでも述べたように、長い方の周期Tsecondを有する第2読み出し期間の動作では実際の撮像動作に近い状態で行われるので、第2読み出し期間の動作で読み出されたキャリアを利用して撮像を行うことができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、図1に示すようなX線透視撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線透視撮影装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。
(2)上述した実施例では、入射した放射線を半導体厚膜31(半導体層)によって電荷情報に直接に変換した、「直接変換型」の放射線検出器をこの発明は適用したが、入射した放射線をシンチレータなどの変換層によって光に変換し、光感応型の物質で形成された半導体層によってその光を電荷情報に変換する「間接変換型」の放射線検出器をこの発明は適用してもよい。光感応型の半導体層については、フォトダイオードで形成してもよい。
(3)上述した実施例では、X線を検出するX線検出器を例に採って説明したが、この発明は、ECT(Emission Computed Tomography)装置のように放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出するγ線検出器に例示されるように、放射線を検出する放射線検出器であれば特に限定されない。同様に、この発明は、上述したECT装置に例示されるように、放射線を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
(4)上述した実施例では、X線などに代表される放射線検出器を例に採って説明したが、この発明は、光を検出する光検出器にも適用できる。したがって、光を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
(5)上述した実施例では、所定の準備移行から照射開始前までの期間を除いて第1読み出し動作と第2読み出し動作と読み出し空白動作(実施例ではブランキング期間の動作)とをそれぞれ対にして繰り返して行ったが、所定の準備移行から照射開始前までの期間でも第1読み出し動作と第2読み出し動作と読み出し空白動作とをそれぞれ対にして繰り返してもよい。
(6)上述した実施例では、所定の準備移行から照射開始前まで第1読み出し動作のみを繰り返して行ったが、上述した変形例(5)でも述べたように、所定の準備移行から照射開始前まで第1読み出し動作と第2読み出し動作と読み出し空白動作(実施例ではブランキング期間の動作)とをそれぞれ対にして繰り返してもよい。
(7)上述した実施例では、オフセット補正および撮像用データとして、第2読み出し動作で読み出されたキャリアをともに用いたが、オフセット補正および撮像用データのいずれか少なくとも一方に対して、第1読み出し動作で読み出されたキャリアを用いてもよい。ただ、デューティー比を考慮すれば、オフセット補正および撮像用データとしては、同じ周期で読み出されたキャリアをともに用いるのが好ましいので、オフセット補正および撮像用データとして、上述した実施例のように第2読み出し動作で読み出されたキャリアをともに用いたり、第1読み出し動作で読み出されたキャリアをともに用いるのが好ましい。
(8)上述した実施例では、第1読み出し期間の動作は高速撮影モードであって、高速撮影モードとして、ゲート線35を複数本にわたって一括してONにしてリセットを行うリセットモードを例に採って説明したが、第1読み出し期間の動作として、上述したような所定の領域のみを部分的に読み出して撮影を行う部分読み出しモードや、ゲート線35を1つずつ高速に切り換えて撮影を行う(高速の)全体読み出しモードを適用してもよい。この場合には、図6のタイミングチャートは例えば図8のようなタイミングチャートのように変形実施することができる。
(9)上述した実施例では、所定の準備移行に相当する照射予告信号のON状態への移行は、装置の操作タイミングである『Ready』スイッチの押下に基づいて行われたが、装置の操作タイミングは『Ready』スイッチの押下に限定されない。マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイス、あるいはボタンやスイッチやレバーなどの入力手段への操作(ボタンやスイッチの押下、マウスのクリックなど)であれば、その操作のタイミングに基づいて照射のための準備に移行すればよい。
(10)上述した実施例では、所定の準備移行は、装置の操作タイミングに基づいて行われたが、このような操作タイミングに限定されず、信号の出力に基づいて行われてもよい。例えば、X線照射の終了を検知する照射終了信号があって、X線照射がその照射終了信号の出力に基づいて終了して、照射時から非照射時へと移行するときに、その非照射時への移行を準備移行としてもよい。この場合には、所定の準備移行は、照射終了信号の出力に基づいて行われる。このように、実施例では非照射時のうち照射開始前の直前のときのみ照射のための準備だったのに対して、この変形例では非照射時の全てを照射のための準備とすることができる。なお、照射終了信号の出力は、実施例の『Ready』や『曝射』スイッチの押下などに代表される装置の操作タイミングによって行われてもよいし、照射開始から照射終了までのフレーム数を予め設定しておき、そのフレーム数に達したときに照射終了信号が自動的に出力される制御シーケンスをコントローラ10に実行させてもよい。
(11)上述した実施例では、第1読み出し動作、読み出し空白動作(実施例ではブランキング期間の動作)、第2読み出し動作の順に移行するように設定したが、第2読み出し動作、読み出し空白動作、第1読み出し動作の順に移行するように設定してもよい。また、この変形例(11)は、上述した変形例(1)〜(10)に適用してもよい。
実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図である。 X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。 平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。 フラットパネル型X線検出器中のアンプアレイ回路のブロック図である。 アンプアレイ回路の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。 フレームレート全体で見たときの各信号のタイミングチャートである。 (a),(b)は、図6のタイミングチャートにおいて照射開始信号がONになったときの前後の各信号のタイミングチャートである。 変形例に係るフレームレート全体で見たときの各信号のタイミングチャートである。 従来のフレームレート全体で見たときの各信号のタイミングチャートである。 (a),(b)は、図9のタイミングチャートにおいて照射開始信号がONになったときの前後の各信号のタイミングチャートである。 (a),(b)は、特願2005−149187号において照射開始信号がONになったときの前後の各信号のタイミングチャートである。
符号の説明
8 … A/D変換器
10 … コントローラ
37 … アンプアレイ回路
31 … 半導体厚膜
first … 第1読み出し期間の周期
second … 第2読み出し期間の周期

Claims (2)

  1. 光または放射線の入射により前記光または放射線の情報を電荷情報に変換する変換層と、その変換層で変換された電荷情報を読み出す読み出し回路とを備え、その読み出し回路で読み出された電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置であって、前記電荷情報の読み出しの動作は、第1読み出し動作と周期がそれよりも長い第2読み出し動作とからなり、前記第1および第2読み出し動作以外の動作は、読み出し空白動作からなり、(1)前記第1読み出し動作、前記読み出し空白動作、前記第2読み出し動作の順に移行するように設定する動作設定手段を備え、光または放射線の照射のための所定の準備移行から照射開始前までの期間を除いて前記(1)前記第1読み出し動作、前記読み出し空白動作、前記第2読み出し動作の順を繰り返して行い、光または放射線の照射時における前記第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて撮影用データを取得し、非照射時における前記第2読み出し動作で読み出された電荷情報に基づいて当該撮影用データのオフセット補正を行うことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項に記載の撮像装置において、光または放射線の照射のための所定の準備移行から照射開始前まで前記第1読み出し動作のみを繰り返して行うことを特徴とする撮像装置。
JP2005305931A 2005-10-20 2005-10-20 撮像装置 Expired - Fee Related JP4618091B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005305931A JP4618091B2 (ja) 2005-10-20 2005-10-20 撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005305931A JP4618091B2 (ja) 2005-10-20 2005-10-20 撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007111253A JP2007111253A (ja) 2007-05-10
JP4618091B2 true JP4618091B2 (ja) 2011-01-26

Family

ID=38093977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005305931A Expired - Fee Related JP4618091B2 (ja) 2005-10-20 2005-10-20 撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4618091B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5121473B2 (ja) * 2007-02-01 2013-01-16 キヤノン株式会社 放射線撮像装置、その制御方法及び放射線撮像システム
JP5063435B2 (ja) * 2008-03-26 2012-10-31 富士フイルム株式会社 放射線画像検出装置
KR101126582B1 (ko) * 2011-07-29 2012-03-23 주식회사 뷰웍스 X선 영상촬영장치 및 그 구동방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000189411A (ja) * 1998-12-22 2000-07-11 General Electric Co <Ge> ディジタル放射線撮影画像作成方法
JP2002335446A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Canon Inc 撮像装置及び撮像方法
JP2002369084A (ja) * 2001-06-05 2002-12-20 Canon Inc 撮像装置及び方法、放射線撮像装置及び方法、並びに記憶媒体及びプログラム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000189411A (ja) * 1998-12-22 2000-07-11 General Electric Co <Ge> ディジタル放射線撮影画像作成方法
JP2002335446A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Canon Inc 撮像装置及び撮像方法
JP2002369084A (ja) * 2001-06-05 2002-12-20 Canon Inc 撮像装置及び方法、放射線撮像装置及び方法、並びに記憶媒体及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007111253A (ja) 2007-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6990986B2 (ja) 放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像装置の制御方法及びプログラム
JP5583191B2 (ja) 放射線画像検出装置およびその作動方法
US7302039B2 (en) Radiography apparatus, radiography system, and control method thereof
JP2007144064A (ja) 撮像センサおよびそれを用いた撮像装置
KR101141378B1 (ko) 촬상장치
JP4739060B2 (ja) 放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びその制御方法
JP4513648B2 (ja) 撮像装置
JP4618091B2 (ja) 撮像装置
JP2007000249A (ja) 撮像センサおよびそれを用いた撮像装置
JP2006304213A (ja) 撮像装置
JP2007049452A (ja) 撮像センサおよびそれを用いた撮像装置
JP5895032B2 (ja) 放射線画像検出装置およびその作動方法
JP2006304210A (ja) 撮像装置
JPWO2008072312A1 (ja) 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法
JP4905460B2 (ja) 撮像装置
JP2003047605A (ja) 放射線撮像装置
JP2005168961A (ja) 放射線画像撮影装置
JP4968364B2 (ja) 撮像装置
JP2006304212A (ja) 撮像装置
JP2012130406A (ja) 二次元画像撮影装置
JP2007019816A (ja) 撮像装置
JP2024004308A (ja) 放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像装置の制御方法、信号処理装置、信号処理装置の制御方法、および、プログラム
JP4985580B2 (ja) 撮像装置
JP2022123827A (ja) 放射線撮像システム
JP2021108910A (ja) 放射線撮像装置及びその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100928

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101011

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4618091

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees