JP2006304210A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 読み出しの態様を自在に設定することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 キャリア(電荷情報)を読み出す時間の間隔である読み出し間隔を変更する機能をコントローラに備える。例えば、全体読み出しモードにおいて、コントローラによってアンプリセットの時間を部分読み出しモードよりも長くすることで、アンプリセット終了のタイミングを遅らせるとともに、それに伴ってゲートONの時間、アンプ出力ホールドの時間、A/D変換の変換時間、および次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始のタイミングを遅らせる。これらの時間のタイミングの遅れによって、読み出し間隔が部分読み出しモードよりも長くなるようにする。このように読み出し間隔を変更し、読み出しの態様を自在に設定することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 キャリア(電荷情報)を読み出す時間の間隔である読み出し間隔を変更する機能をコントローラに備える。例えば、全体読み出しモードにおいて、コントローラによってアンプリセットの時間を部分読み出しモードよりも長くすることで、アンプリセット終了のタイミングを遅らせるとともに、それに伴ってゲートONの時間、アンプ出力ホールドの時間、A/D変換の変換時間、および次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始のタイミングを遅らせる。これらの時間のタイミングの遅れによって、読み出し間隔が部分読み出しモードよりも長くなるようにする。このように読み出し間隔を変更し、読み出しの態様を自在に設定することができる。
【選択図】 図4
Description
この発明は、医療分野、工業分野、さらには原子力分野などに用いられる撮像装置に関する。
電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置についてX線を入射して電荷情報に変換する場合を例に採って説明する。撮像装置は、X線感応型のX線変換層を備えており、X線の入射によりX線変換層はキャリア(電荷情報)に変換する。X線変換層としては非晶質のアモルファスセレン(a−Se)膜が用いられる。
また、撮像装置は、X線変換層で変換されたキャリアを蓄積して読み出す回路を備えている。この回路は、図7に示すように、2次元状に配列した複数のゲートラインGおよびデータラインDで構成されているとともに、キャリアを蓄積するコンデンサCaおよびそのコンデンサCaに蓄積されたキャリアをON/OFFの切り換えで読み出す薄膜トランジスタ(TFT)Trを2次元状に配列して構成されている。ゲートラインGは、各々の薄膜トランジスタTrのON/OFF切り換えを制御し、かつ各々の薄膜トランジスタTrのゲートに電気的に接続されている。データラインDは、薄膜トランジスタTrの読み出し側に電気的に接続されている。
例えば、図7に示すように、ゲートラインGが10本のゲートラインG1〜G10からなり、データラインDが10本のデータラインD1〜D10からなるときの制御シーケンスは以下のようになる。先ず、X線の入射によってキャリアが生成されて、そのキャリアがキャリアとしてコンデンサCaに蓄積される。ゲート駆動回路101からゲートラインG1を選択して、選択されたゲートラインG1に接続されている各薄膜トランジスタTrが選択指定される。その選択指定された各薄膜トランジスタTrに接続されているコンデンサCaから蓄積されたキャリアが読み出されて、データラインD1〜D10の順に読み出される。次に、ゲート駆動回路101からゲートラインG2を選択して、同様の手順で、選択されたゲートラインG1および各薄膜トランジスタTrに接続されているコンデンサCaから蓄積されたキャリアが読み出されて、データラインD1〜D10の順に読み出される。残りのゲートラインGについても同様に順に選択することで、2次元状のキャリアを読み出す。読みだされた各キャリアはアンプでそれぞれ増幅されて、A/D変換器でアナログ値からディジタル値に変換される。このディジタル値に変換されたキャリアに基づいて2次元状の画像を得る。なお、アンプやA/D変換器は、図7に示すように回路基板102に搭載されている。
撮影の態様を示す撮影モードとしては、フレームレートが短い撮影の態様を示す高速撮影モードや、フレームレートが長い撮影の態様を示す低速撮影モードなどがある。高速撮影モードは、所定の領域のみを部分的に読み出して撮影を行うモード(以下、このモードを『部分読み出しモード』と呼ぶ)や、ゲートラインGを2本以上に同時に選択して撮影を行うモードなどがある。また、低速撮影モードでは、全体の領域をゲートラインGごとに切り換えて選択して撮影を行うモード(以下、このモードを『全体読み出しモード』と呼ぶ)などがある。ゲートラインGの1本分のキャリアを読み出す時間の間隔である読み出し間隔は、図8(b)に示すように、アンプリセットの時間、薄膜トランジスタのゲートONの時間、アンプ出力ホールドの時間、A/D変換の変換時間などで決定され、図8(a)に示すように部分読み出しモードと全体読み出しモードとでは同じ読み出し間隔になる。
図8(a)において、部分読み出しモードでは、画面上の上半分、すなわちゲートラインG1〜G5までの5本のラインのみを読み出すとする。すると、全体読み出しモードにおいてゲートラインG5まで読み出している間に、部分読み出しモードではゲートラインG5での読み出しの時点でフレームの読み出しが終了する。したがって、全体読み出しモードでゲートラインG5での読み出しからゲートラインG10での読み出しに相当するフレームの読み出しが終了するまでに、部分読み出しモードでは次のフレームにおけるゲートラインの読み出しが始まる。
また、両モードとも、フレーム同期信号に同期してフレームの読み出しが開始されるので、フレーム同期信号を部分読み出しモードでのフレームの読み出しの開始に合わせると、各フレーム同期信号と部分読み出しモードでのフレームの読み出しの開始とが一対一で対応し、フレーム同期信号の2回分と全体読み出しモードでのフレームの読み出しの開始とが対応する。したがって、図8(a)では、部分読み出しモードでのフレームレートは全体読み出しモードでのフレームレートの半分になる。
なお、各フレームレートごとの読み出しの時間を『読み出し期間』とすると、図8(a)に示すように、部分読み出しモードでは、読み出し間隔×5(ゲートラインG1〜G5までの5本のライン)となり、全体読み出しモードでは、読み出し間隔×10(ゲートラインG1〜G10までの10本のライン)となる。
しかしながら、ゲートラインでキャリアを連続して読み出しを行うと、アンプやA/D変換器での消費電流などに起因して、図8(a)中に示す読み出し期間中の平均電流値が増加して電源や電源ケーブル(図示省略)に対して負荷が増す。その結果、電源や電源ケーブルが発熱して出力が低下する。このような出力の低下などに代表されるように、読み出しの態様を自在に設定することができない。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、読み出しの態様を自在に設定することができる撮像装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、光または放射線の入射により前記光または放射線の情報を電荷情報に変換する変換層と、その変換層で変換された電荷情報を蓄積して読み出す蓄積・読み出し回路とを備え、その蓄積・読み出し回路で読み出された電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置であって、前記電荷情報を読み出す時間の間隔である読み出し間隔を変更する読み出し間隔変更手段を備えることを特徴とするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、光または放射線の入射により前記光または放射線の情報を電荷情報に変換する変換層と、その変換層で変換された電荷情報を蓄積して読み出す蓄積・読み出し回路とを備え、その蓄積・読み出し回路で読み出された電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置であって、前記電荷情報を読み出す時間の間隔である読み出し間隔を変更する読み出し間隔変更手段を備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、電荷情報を読み出す時間の間隔である読み出し間隔を変更する読み出し間隔変更手段を備えることで、読み出し間隔を変更し、読み出しの態様を自在に設定することができる。
上述した発明の一例は、フレームレートが短い撮影の態様を示す高速撮影モードと、フレームレートが長い撮影の態様を示す低速撮影モードとの間で、読み出し間隔が互いに異なるように読み出し間隔変更手段を構成することである(請求項2に記載の発明)。このように構成することで、各撮影モードに対応させて読み出しの態様を自在に設定することができる。
各撮影モードに適用した場合には、低速撮影モードでの前記読み出し間隔が、高速撮影モードでの読み出し間隔よりも長くなるように読み出し間隔変更手段を構成するのが好ましい(請求項3に記載の発明)。低速撮影モードではフレームレートが長いので、連続する読み出し間隔の合計、すなわち各フレームレートごとの読み出しの時間である読み出し期間が、フレームレートに対して時間的に余裕ができる。その時間的な余裕を利用して、低速撮影モードでの読み出し間隔を長くすることで、読み出し期間を長くして、読み出し期間中の平均電流値を低減させるとともに、出力の低下を低減させることができる。
この発明に係る撮像装置によれば、電荷情報を読み出す時間の間隔である読み出し間隔を変更する読み出し間隔変更手段を備えることで、読み出し間隔を変更し、読み出しの態様を自在に設定することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線撮影装置の概略ブロック図であり、図2は、X線撮影装置のX線変換層周辺の概略断面図であり、図3は、X線撮影装置のアンプ・A/D変換回路内のデータの流れを模式化した概略ブロック図である。本実施例では、入射する放射線としてX線を例に採って説明するとともに、撮像装置としてX線撮影装置を例に採って説明する。
図1は、実施例に係るX線撮影装置の概略ブロック図であり、図2は、X線撮影装置のX線変換層周辺の概略断面図であり、図3は、X線撮影装置のアンプ・A/D変換回路内のデータの流れを模式化した概略ブロック図である。本実施例では、入射する放射線としてX線を例に採って説明するとともに、撮像装置としてX線撮影装置を例に採って説明する。
本実施例に係るX線撮影装置は、被検体にX線を照射して撮像を行う。具体的には、被検体を透過したX線像がX線変換層(本実施例ではアモルファスセレン膜)上に投影されて、像の濃淡に比例したキャリア(電荷情報)が層内に発生することでキャリアに変換される。
X線撮影装置は、図1に示すように、後述するゲートラインGを選択するゲート駆動回路1と、X線変換層23(図2を参照)で変換されたキャリアを蓄積して読み出すことでX線を検出する検出素子用回路2と、その検出素子用回路2で読み出されたキャリアを増幅してアナログ値からディジタル値に変換するアンプ・A/D変換回路3と、アンプ・A/D変換回路3でディジタル値に変換されたキャリアに対して信号処理を行って画像を得る画像処理部4と、これらの回路1〜3や画像処理部4や後述するメモリ部6やモニタ8などを統括制御するコントローラ5と、処理された画像などを記憶するメモリ部6と、入力設定を行う入力部7と、処理された画像などを表示するモニタ8とを備えている。本明細書では、キャリアや画像などの情報を、画像に関する画像情報とする。X線変換層23は、この発明における変換層に相当し、検出素子用回路2は、この発明における蓄積・読み出し回路に相当する。
ゲート駆動回路1は複数のゲートラインGに電気的に接続されている。ゲート駆動回路1から各ゲートラインGに電圧を印加することで、後述する薄膜トランジスタ(TFT)TrをONにして後述するコンデンサCaに蓄積されたキャリアの読み出しを開放し、各ゲートラインGへの電圧を停止する(電圧を−10Vにする)ことで、薄膜トランジスタTrをOFFにしてキャリアの読み出しを遮断する。なお、各ゲートラインGに電圧を印加することでOFFにしてキャリアの読み出しを遮断し、各ゲートラインGへの電圧を停止することでONにしてキャリアの読み出しを開放するように、薄膜トランジスタTrを構成してもよい。
検出素子用回路2は、2次元状に配列した複数のゲートラインGおよびデータラインDで構成されているとともに、キャリアを蓄積するコンデンサCaおよびそのコンデンサCaに蓄積されたキャリアをON/OFFの切り換えで読み出す薄膜トランジスタTrを2次元状に配列して構成されている。ゲートラインGは、各々の薄膜トランジスタTrのON/OFF切り換えを制御し、かつ各々の薄膜トランジスタTrのゲートに電気的に接続されている。データラインDは、薄膜トランジスタTrの読み出し側に電気的に接続されている。
説明の便宜上、本実施例では、縦・横式2次元マトリックス状配列で10×10個の薄膜トランジスタTrおよびコンデンサCaが形成されているとする。すなわち、ゲートラインGは、10本のゲートラインG1〜G10からなり、データラインDは、10本のデータラインD1〜D10からなる。各ゲートラインG1〜G10は、図1中のX方向に並設された10個の薄膜トランジスタTrのゲートにそれぞれ接続され、各データラインD1〜D10は、図1中のY方向に並設された10個の薄膜トランジスタTrの読み出し側にそれぞれ接続されている。薄膜トランジスタTrの読み出し側とは逆側にはコンデンサCaが電気的に接続されており、薄膜トランジスタTrとコンデンサCaとの個数が一対一に対応する。
また、検出素子用回路2は、図2に示すように、検出素子DUが2次元マトリックス状配列で絶縁基板21にパターン形成されている。すなわち、絶縁基板21の表面に、各種真空蒸着法による薄膜形成技術やフォトリソグラフィ法によるパターン技術を利用して、上述したゲートラインG1〜G10およびデータラインD1〜D10を配線し、薄膜トランジスタTr,コンデンサCa,キャリア収集電極22,X線変換層23,電圧印加電極24を順に積層形成することで構成されている。
X線変換層23は、X線感応型の半導体厚膜で形成されており、本実施例では、非晶質のアモルファスセレン(a−Se)膜で形成されている。X線変換層23は、X線の入射によりX線の情報を電荷情報であるキャリアに変換する。なお、X線変換層23は、X放射線の入射によりキャリアが生成されるX線感応型の物質であれば、アモルファスセレンに限定されない。また、X線以外の放射線(γ線など)を入射して撮像を行う場合には、X線変換層23の替わりに、放射線の入射によりキャリアが生成される放射線感応型の物質を用いてもよい。また、光を入射して撮像を行う場合には、X線変換層23の替わりに、光の入射によりキャリアが生成される光感応型の物質を用いてもよい。
キャリア収集電極22は、コンデンサCaに電気的に接続されており、X線変換層23で変換されたキャリアを収集してコンデンサCaに蓄積する。このキャリア収集電極22も、薄膜トランジスタTrおよびコンデンサCaと同様に、縦・横式2次元マトリックス状配列で多数個(本実施例では10×10個)形成されている。それらキャリア収集電極22,コンデンサCaおよび薄膜トランジスタTrが各検出素子DUとしてそれぞれ分離形成されている。また、電圧印加電極24は、全検出素子DUの共通電極として全面にわたって形成されている。
アンプ・A/D変換回路3は、図3に示すように、キャリアを増幅するアンプ31と、増幅されたキャリアを所定時間だけ一旦蓄積するサンプルホールド32と、サンプルホールド32で読み出された増幅状態のキャリアをアナログ値からディジタル値に変換するA/D変換器33とを備えている。
画像処理部4は、アンプ・A/D変換回路3のA/D変換器33でディジタル値に変換されたキャリアに対して各種の信号処理を行って画像を求める。コントローラ5は、回路1〜3や画像処理部4やメモリ部6やモニタ8などを統括制御し、本実施例では読み出し間隔を変更する機能をも備えている。画像処理部4およびコントローラ5は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。コントローラ5は、この発明における読み出し間隔変更手段に相当する。
メモリ部6は、画像情報などを書き込んで記憶し、コントローラ5からの読み出し指令に応じて画像情報などがメモリ部6から読み出される。メモリ部6は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。なお、画像情報の書き込みにはRAMが用いられ、例えば制御シーケンスに関するプログラムの読み出しによって制御シーケンスをコントローラ5に実行させる場合には、制御シーケンスに関するプログラムの読み出し専用にはROMが用いられる。本実施例では、後述する高速撮影モード(本実施例では部分読み出しモード)を認識すると、読み出し間隔を変更せずに、後述する低速撮影モード(本実施例では全体読み出しモード)を認識すると、読み出し間隔を長くする制御シーケンスに関するプログラムをメモリ部6に記憶させ、そのプログラムの読み出しによって制御シーケンスをコントローラ5に実行させる。
入力部7は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイス、あるいはボタンやスイッチやレバーなどの入力手段で構成されている。入力部7に入力設定すると、入力設定データがコントローラ5に送り込まれ、入力設定データに基づいて回路1〜3や画像処理部4やメモリ部6やモニタ8などが制御される。
続いて、本実施例のX線撮影装置の制御シーケンスについて説明する。電圧印加電極24に高電圧(例えば数100V〜数10kV程度)のバイアス電圧VAを印加した状態で、検出対象であるX線を入射させる。
X線の入射によってX線変換層23でキャリアが生成されて、そのキャリアが電荷情報としてキャリア収集電極22を介してコンデンサCaに蓄積される。ゲート駆動回路1の信号(ここではキャリア)読み出し用の走査信号(すなわちゲート駆動信号)によって、対象となるゲートラインGが選択される。本実施例では、ゲートラインG1,G2,G3,…,G9,G10の順に1つずつ選択されるものとして説明する。また、ゲート駆動回路1からの信号読み出し用の走査信号は、ゲートラインGに電圧(例えば15V程度)を印加する信号である。
ゲート駆動回路1から対象となるゲートラインGを選択して、選択されたゲートラインGに接続されている各薄膜トランジスタTrが選択指定される。この選択指定で選択指定された薄膜トランジスタTrのゲートに電圧が印加されてON状態となる。その選択指定された各薄膜トランジスタTrに接続されているコンデンサCaから蓄積されたキャリアが、選択指定されてON状態に移行した薄膜トランジスタTrを経由して、データラインDに読み出される。すなわち、選択されたゲートラインGに関する検出素子DUが選択指定されて、その選択指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積されたキャリアが、データラインDに読み出される。
一方、選択指定された同一のゲートラインGに関する各々の検出素子DUからの読み出し順については、データラインD1〜D10の順に1つずつ選択されて読み出されるものとして説明する。すなわち、データラインDに接続されているアンプ31がリセットされて、さらに薄膜トランジスタTrがON状態(すなわちゲートがON)に移行することで、キャリアがデータラインDに読み出され、アンプ31にて増幅される。
つまり、各検出素子DUのアドレス(番地)指定は、ゲート駆動回路1からの信号読み出し用の走査信号と、データラインDに接続されているアンプ31の選択とに基づいて行われる。
先ず、ゲート駆動回路1からゲートラインG1を選択して、選択されたゲートラインG1に関する検出素子DUが選択指定されて、その選択指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積されたキャリアが、データラインD1〜D10の順に読み出される。次に、ゲート駆動回路1からゲートラインG2を選択して、同様の手順で、選択されたゲートラインG2に関する検出素子DUが選択指定されて、その選択指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積されたキャリアが、データラインD1〜D10の順に読み出される。残りのゲートラインGについても同様に順に選択することで、2次元状のキャリアを読み出す。
読みだされた各キャリアはアンプ31でそれぞれ増幅されて、サンプルホールド32で一旦蓄積されて、A/D変換器33でアナログ値からディジタル値に変換される。このディジタル値に変換されたキャリアに基づいて、画像処理部4は各種の信号処理を行って、2次元状の画像を得る。得られた2次元状の画像やキャリアなどに代表される画像情報は、コントローラ5を介してメモリ部6に書き込まれて記憶され、必要に応じてコントローラ5を介してメモリ部6から読み出される。また、画像情報は、コントローラ5を介してモニタ8に表示される。
次に、撮影の態様を示す撮影モード、および各撮影モードにおける読み出し間隔の設定について、図4を参照して説明する。図4(a)は、各撮影モードにおける読み出し間隔のタイミングチャートであって、図4(b)は、読み出し間隔を細分化したタイミングチャートである。
なお、撮影の態様を示す撮影モードとしては、フレームレートが短い撮影の態様を示す高速撮影モードや、フレームレートが長い撮影の態様を示す低速撮影モードなどがある。高速撮影モードは、所定の領域のみを部分的に読み出して撮影を行うモードである部分読み出しモードや、ゲートラインGを2本以上に同時に選択して撮影を行うモードなどがある。また、低速撮影モードでは、全体の領域をゲートラインGごとに切り換えて選択して撮影を行うモードである全体読み出しモードなどがある。本実施例では、図4(a)に示すように、高速撮影モードとして部分読み出しモードを例に採って説明するとともに、低速撮影モードとして全体読み出しモードを例に採って説明する。
図4(a)において、部分読み出しモードでは、画面上の上半分、すなわちゲートラインG1〜G5までの5本のラインのみを読み出すとする。すると、全体読み出しモードにおいてゲートラインG5まで読み出している間に、部分読み出しモードではゲートラインG5での読み出しの時点でフレームの読み出しが終了する。したがって、全体読み出しモードでゲートラインG5での読み出しからゲートラインG10での読み出しに相当するフレームの読み出しが終了するまでに、部分読み出しモードでは次のフレームにおけるゲートラインの読み出しが始まる。
また、両モードとも、フレーム同期信号に同期してフレームの読み出しが開始されるので、フレーム同期信号を部分読み出しモードでのフレームの読み出しの開始に合わせると、各フレーム同期信号と部分読み出しモードでのフレームの読み出しの開始とが一対一で対応し、フレーム同期信号の2回分と全体読み出しモードでのフレームの読み出しの開始とが対応する。したがって、図4(a)では、部分読み出しモードでのフレームレートは全体読み出しモードでのフレームレートの半分になる。
読み出し間隔は、『背景技術』の欄でも述べたようにゲートラインGの1本分のキャリアを読み出す時間の間隔である。本明細書では、読み出し間隔は、図4(b)に示すようなタイミングチャートに細分化され、選択の対象であるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始から、次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始までの間隔を示す。
具体的には、図4(b)に示すように、アンプリセットが終了するのと同時に、ゲートラインGを選択して薄膜トランジスタTrのゲートがON状態に移行する。この移行によりゲートラインGに関する各々の検出素子DUからのキャリアの読み出しが行われる。薄膜トランジスタTrのゲートがOFF状態に移行した後に、アンプリセット開始からアンプ31の出力が安定するまでの時間、より正確に述べると薄膜トランジスタTrのゲートがOFF状態に移行してからアンプ31の出力が安定するまでの時間であるアンプ出力安定待ち時間が経過した後に、アンプ出力ホールドをONにする。アンプ出力ホールドをOFFにした後にA/D変換器33をONにしてアナログ値からディジタル値に変換される。
本実施例では、図4(b)に示すアンプリセットの時間(開始/終了)、ゲートONの時間(ON/OFF)、アンプ出力ホールドの時間(ON/OFF)およびA/D変換の変換時間(ON/OFF)のタイミングについては、コントローラ5によって変更可能になるように、ゲート駆動回路1、検出素子用回路2、アンプ・A/D変換回路3およびコントローラ5は構成されている。本実施例では、高速撮影モードに相当する上述した部分読み出しモードと、低速撮影モードに相当する全体読み出しモードとの間で、読み出し間隔が互いに異なるようにする。具体的には、全体読み出しモードでの読み出し間隔が、部分読み出しモードでの読み出し間隔よりも長くなるようにする。
より具体的に説明すると、部分読み出しモードでの読み出し間隔については、従来と同じように読み出し間隔を変更しない(図4(a)および図8(a)を参照)。一方、全体読み出しモードにおいて、図4(b)に示すようにコントローラ5によってアンプリセットの時間を部分読み出しモードよりも長くすること(図4(b)の2点鎖線が長くなる前、図4(b)の実線が長くなった後)で、アンプリセット終了のタイミングを遅らせるとともに、それに伴ってゲートONの時間、アンプ出力ホールドの時間、A/D変換の変換時間、および次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始のタイミングを遅らせる(図4(b)の2点鎖線が遅れる前、図4(b)の実線が遅れた後)。これらの時間のタイミングの遅れによって、全体読み出しモードでは、選択の対象であるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始から、次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始までの間隔、すなわち読み出し間隔が従来や部分読み出しモードよりも長くなるようにする。したがって、本実施例では、図4(b)に示すようにコントローラ5によって全体読み出しモードではアンプリセットの時間を長くすることで、全体読み出しモードでの読み出し間隔が従来や部分読み出しモードよりも長くなるようにする。
したがって、各フレームレートごとの読み出しの時間である読み出し期間は、部分読み出しモードでは、従来の図8(a)と同じ読み出し間隔なので、読み出し間隔×5(ゲートラインG1〜G5までの5本のライン)で変わらないが、全体読み出しモードでは、従来の図8(a)の読み出し間隔よりも長くなり、従来の読み出し間隔×10(ゲートラインG1〜G10までの10本のライン)と比較して図4(a)の読み出し間隔×10の読み出し期間は長くなる。なお、図4(a)では、全体読み出しモードにおける読み出し間隔×10の読み出し期間が、同じ全体読み出しモードにおけるフレームレート内に収まる範囲で、読み出し間隔が従来よりも長くなるように設定変更する。すなわち、全体読み出しモードにおけるフレームレートをFrとすると、全体読み出しモードでは、読み出し間隔×10の読み出し期間がフレームレートFr内に収まる範囲で、読み出し間隔が従来よりも長くなるように設定変更する。つまり、読み出し間隔は、Fr/10(ゲートラインG1〜G10までの10本のライン)内に収まる範囲で設定変更する。
上述した本実施例に係るX線撮影装置によれば、キャリア(電荷情報)を読み出す時間の間隔である読み出し間隔を変更するコントローラ5を備えることで、読み出し間隔を変更し、読み出しの態様を自在に設定することができる。
本実施例では、フレームレートが短い撮影の態様を示す高速撮影モードと、フレームレートが長い撮影の態様を示す低速撮影モードとの間で、読み出し間隔が互いに異なるようにコントローラ5を構成している。このように構成することで、各撮影モードに対応させて読み出しの態様を自在に設定することができる。
より具体的には、本実施例では、低速撮影モード(本実施例では部分読み出しモード)での読み出し間隔が、高速撮影モード(本実施例では全体読み出しモード)での読み出し間隔よりも長くなるようにコントローラ5を構成している。より具体的には、高速撮影モード(本実施例では部分読み出しモード)を認識すると、読み出し間隔を変更せずに、低速撮影モード(本実施例では全体読み出しモード)を認識すると、読み出し間隔を長くする制御シーケンスに関するプログラムをメモリ部6から読み出すことによって制御シーケンスをコントローラ5に実行させる。低速撮影モードではフレームレートが長いので、連続する読み出し間隔の合計、すなわち各フレームレートごとの読み出しの時間である読み出し期間が、フレームレートに対して時間的に余裕ができる。その時間的な余裕を利用して、低速撮影モードでの読み出し間隔を長くすることで、読み出し期間を長くして、読み出し期間中の平均電流値を低減させるとともに、出力の低下を低減させることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、図1に示すようなX線撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線透視撮影装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。
(2)上述した実施例では、入射したX線に代表される放射線をX線変換層(変換層)によって電荷情報に直接に変換した、「直接変換型」の検出素子用回路をこの発明は適用したが、入射した放射線をシンチレータなどの変換層によって光に変換し、光感応型の物質で形成された変換層によってその光を電荷情報に変換する「間接変換型」の検出素子用回路をこの発明は適用してもよい。
(3)上述した実施例では、X線を検出するための検出素子用回路を例に採って説明したが、この発明は、ECT(Emission Computed Tomography)装置のように放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出するための検出素子用回路に例示されるように、放射線を検出する検出素子用回路であれば特に限定されない。同様に、この発明は、上述したECT装置に例示されるように、放射線の入射により撮像を行う装置であれば特に限定されない。
(4)上述した実施例では、X線などに代表される放射線撮像を例に採って説明したが、この発明は、光の入射により撮像を行う装置にも適用することができる。
(5)上述した実施例では、撮影モードは、高速撮影モードおよび低速撮影モードであったが、それ以外の撮影モードについても適用することができる。また、高速撮影モードとして部分読み出しモードを例に採って説明するとともに、低速撮影モードとして全体読み出しモードを例に採って説明したが、実施例のモードに限定されない。例えば、高速撮影モードとしては、ゲートラインGを2本以上に同時に選択して撮影を行うモードがあるが、このようにゲートラインGを2本以上に同時に選択して撮影を行うモードにも適用することができる。
(6)上述した実施例では、高速撮影モード(部分読み出しモード)を認識すると、読み出し間隔を変更せずに、低速撮影モード(全体読み出しモード)を認識すると、読み出し間隔を長くする制御シーケンスに関するプログラムをメモリ部6に記憶させ、そのプログラムの読み出しによって制御シーケンスをコントローラ5に実行させることで、コントローラ5に読み出し間隔を変更する機能を備えたが、この形態に限定されない。例えば読み出し間隔を入力部7(図1を参照)に入力設定し、読み出し間隔に関する入力設定データをコントローラ5に送り込むことで、コントローラ5に読み出し間隔を変更する機能を備えてもよい。
(7)上述した実施例では、高速撮影モード(部分読み出しモード)では読み出し間隔を変更せずに、低速撮影モード(全体読み出しモード)では読み出し間隔が高速撮影モードよりも長くなるように変更したが、高速撮影モードにおいて読み出し間隔を短くしてもスペック内であれば、高速撮影モードで読み出し間隔を短く変更して、低速撮影モードで読み出し間隔を変更しないように設定することで、低速撮影モードでの読み出し間隔が、高速撮影モードでの読み出し間隔よりも長くなるようにしてもよい。また、高速撮影モードで読み出し間隔を短く変更するとともに、低速撮影モードで読み出し間隔を長く変更することで、低速撮影モードでの読み出し間隔が、高速撮影モードでの読み出し間隔よりも長くなるようにしてもよい。
(8)上述した実施例では、フレームレートが互いに異なる撮影モード(高速/低速撮影モード)を例に採って説明したが、フレームレートに関係のない撮影モードの場合には、読み出し間隔の変更については、その撮影モードに合わせて長くしてもよいし、短く変更してもよい。
(9)上述した実施例では、全体読み出しモードでのアンプリセットの時間を部分読み出しモードよりも長くすることで読み出し間隔を長く変更したが(図4を参照)、キャリアを読み出す時間の間隔(実施例では選択の対象であるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始から、次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始までの間隔)であれば、アンプリセットの時間に限定されない。例えば、アンプリセットの時間以外で図4のタイミングチャートのタイミングを変更する場合には、図5に示すように、A/D変換器33をOFFにした後から、次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始までの時間を変更して、次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始になる時間をずらすことで、読み出し間隔を変更してもよい。また、図6に示すように、ゲートONの時間(ON/OFF)を変更して、ゲートOFFになる時間をずらして、それに伴ってアンプ出力ホールドの時間、A/D変換の変換時間、および次に選択されるゲートラインGにおけるアンプ31でのアンプリセット開始のタイミングをずらすことで、読み出し間隔を変更してもよい。また、これらのタイミングのズレを2つ以上組み合わせて(例えばアンプリセットの時間とA/D変換器33のOFF後から次のゲートラインGでのアンプリセット開始までの時間との組み合わせ、A/D変換器33のOFF後から次のゲートラインGでのアンプリセット開始までの時間とゲートONの時間との組み合わせ、アンプリセットの時間とA/D変換器33のOFF後から次のゲートラインGでのアンプリセット開始までの時間とゲートONの時間との組み合わせ)、読み出し間隔を変更してもよい。
2 … 検出素子用回路
23 … X線変換層
5 … コントローラ
23 … X線変換層
5 … コントローラ
Claims (3)
- 光または放射線の入射により前記光または放射線の情報を電荷情報に変換する変換層と、その変換層で変換された電荷情報を蓄積して読み出す蓄積・読み出し回路とを備え、その蓄積・読み出し回路で読み出された電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置であって、前記電荷情報を読み出す時間の間隔である読み出し間隔を変更する読み出し間隔変更手段を備えることを特徴とする撮像装置。
- 請求項1に記載の撮像装置において、フレームレートが短い撮影の態様を示す高速撮影モードと、フレームレートが長い撮影の態様を示す低速撮影モードとの間で、前記読み出し間隔が互いに異なるように前記読み出し間隔変更手段を構成することを特徴とする撮像装置。
- 請求項2に記載の撮像装置において、前記低速撮影モードでの前記読み出し間隔が、前記高速撮影モードでの読み出し間隔よりも長くなるように前記読み出し間隔変更手段を構成することを特徴とする撮像装置。
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