JP4645480B2 - 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 - Google Patents

放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 Download PDF

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この発明は、被検体を照射して検出された放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法に係り、特に、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から除去する技術に関する。
放射線撮像装置の例としてX線を検出してX線画像を得る撮像装置では、従来においてX線検出手段としてイメージインテンシファイア(I.I)が用いられていたが、近年において、フラットパネル型X線検出器(以下、『FPD』と略記する)が用いられている。
FPDは、感応膜が基板上に積層されて構成されており、その感応膜に入射した放射線を検出して、検出された放射線を電荷に変換して、2次元アレイ状に配置されたキャパシタに電荷を蓄積する。蓄積された電荷はスイッチング素子をONすることで読み出されて、放射線検出信号として画像処理部に送り込まれる。そして、画像処理部において放射線検出信号に基づく画素を有した画像が得られる。
かかるFPDを用いた場合、従来から用いられているイメージインテンシファイアなどに比べて、軽量で、かつ複雑な検出歪みが発生しない。したがって、装置構造や画像処理の面でFPDは有利である。
しかしながら、FPDを用いると、X線検出信号に時間遅れ分が含まれる。その時間遅れ分によって前回の撮像におけるX線の照射時の残像がアーティファクトとしてX線画像に写りこんでしまう。特に、短時間の時間間隔(例えば1/30秒)でX線照射を連続的に行う透視においては、時間遅れ分のタイムラグの影響が大きく診断の妨げとなる。
そこで、バックライトを用いて時間遅れ分の長時定数成分の低減を図る(例えば、特許文献1参照)、あるいは時間遅れ分が複数の時定数を有する指数関数の総和であるとして、それら指数関数を用いて再帰的演算処理を行って、ラグ補正を行う(例えば、特許文献2参照)ことで、時間遅れ分によるアーティファクトを低減させる。
上述した特許文献1のようにバックライトを用いるとバックライトのための構造によって構造が複雑化となる。特に、軽量構造を実現したFPDにバックライトを用いると、構造が再度に重量化、複雑化となる。また、上述した特許文献2の場合には、X線検出信号を取得するサンプリングの回数分、再帰的演算処理を行ってラグ補正を行う必要があり、ラグ補正に煩雑さが伴う。
そこで、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができるように、ラグ補正を行う際に、撮像におけるX線の照射前の非照射時に複数のX線検出信号を取得して、それらを用いて撮像におけるX線の照射時のX線検出信号からラグ除去する手法が考えられる。
一方、上述したラグ補正によってX線画像を取得する方法とは別に、高エネルギーX線照射で得られたX線画像と低エネルギーX線照射の画像の2つから新たな画像を取得するエネルギー差分(DES)法(以下、適宜「DES法」と略記する)がある(例えば、特許文献3〜6参照)。この方法は、例えば肋骨信号が抑制された胸部撮影像を得る場合などに用いられる。DES法は、図18に示すように、例えば120kV,10msの第1照射を行い、直ちに60kV,50〜100msの第2照射を行う。実際には、装置の機能の限界により、第1照射と第2照射との間には200ms程の空き時間が生じる。上述した第1および第2照射でそれぞれ得られた画像に適切な重み付けを起こってサブトラクション処理を行う。サブトラクション処理では、例えば下記(1)式によって行われる。
DES=I1×W1−I2×W2 …(1)
ただし、IDESはエネルギー差分画像、I1は第1照射で取得されたX線検出信号(の強度)、I2は第2照射で取得されたX線検出信号(の強度)、W1はI1の重み、W2はI2の重みである。なお、上記(1)式に限定されずに、上述した特許文献3〜6のように、それぞれの対数同士でサブトラクションを行ってもよい。
特開平9−9153号公報(第3−8頁、図1) 特開2004−242741号公報(第4−11頁、図1,3−6) 特開2002−171444号公報 特開2002−152594号公報 特開2002−152593号公報 特開2000−121579号公報
しかしながら、ラグ補正に上述したDES法を適用すると以下のような問題点がある。DES法においても時間遅れ分のラグ成分は各X線検出信号ごとに含まれる。この場合には、図19に示すように、第1照射でのX線検出信号に基づく画像にはそれ以前の照射に起因したラグ成分(図19中のK0を参照)が重畳され、第2照射でのX線検出信号に基づく画像には、上述したラグ成分(図19中のK0を参照)の他に、第1照射に起因したラグ成分(図19中のK1を参照)がさらに重畳される。そして、2つの照射による画像を撮影した後に、サブトラクションなどの画像間演算処理を行う必要があるので、2つの画像間で被検体の動きなどによるズレが生じないように、第1照射・第2照射間の時間を極力短くする必要がある。したがって、第1照射と第2照射との間でラグ成分(図19ではK0およびK1)の取得(ラグ収集)を行う時間の余地がなく、ラグ補正にDES法を適用すると、第2照射での画像のためのラグ収集が第1照射と第2照射との間で行えないという問題が生じる。
そこで、発明者は、国際特許出願PCT/JP2005/020837の技術を先に提案している。具体的には、第1照射よりも前の非照射時において取得された複数のX線検出信号に基づくラグデータを、第1照射で取得された第1X線検出信号および第2照射で取得された第2放射線検出信号にともに作用させてラグ補正をそれぞれ行う。したがって、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能となり、1つの画像に対して放射線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においてもX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができる。
図5を参照して具体的に説明する。図5は、各X線の照射およびX線検出信号の取得に関するタイミングチャートである。図5(a)に示すように、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から、今回の撮像におけるX線の第1照射を経て、今回の撮像におけるX線の第2照射を行うとする。図5(b)に示すように、今回の撮像におけるX線の第1照射より以前のラグ成分が第1補正データAとして重畳されるとみなせる。第1X線検出信号および第2X線検出信号からその第1補正データAをそれぞれ減算することで、第1補正データを第1・第2X線検出信号にともに作用させてラグ補正を行う。なお、第1補正データAは、上述した第1照射よりも前の非照射時において取得された複数のX線検出信号に基づくラグデータに相当する。
また、第2X線検出信号には第1照射で取得された第1X線検出信号によるラグ成分も含まれているとみなせる。そこで、上述した技術では、好ましくは、第1X線検出信号に基づく値を用いて第2X線検出信号からラグ除去して、第2X線検出信号に対するラグ補正をさらに行う。このような第2X線検出信号に対するラグ補正をさらに行う場合においても、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずとも第1X線検出信号に基づく値を用いることで第2X線検出信号に対するラグ補正が可能である。
具体的には、図5(b)に示すように、上述した第1補正データAの他に第1照射に起因したラグ成分が第2補正データBとして重畳されるとみなせる。つまり、第2X線検出信号には第1X線検出信号によるラグ成分(すなわち第2補正データB)が含まれているとみなせる。そこで、第1X線検出信号に基づく値である第2補正データBを用いて第2X線検出信号からラグ除去して、第2X線検出信号に対する新たなラグ補正を行う。なお、第2補正データBは、上述した第1X線検出信号に基づく値に相当する。
このような第2補正データBを求めるために、第2補正データBを表す第1X線検出信号の関数Fを事前に決定している。図10を参照して具体的に説明する。図10は、第2補正データBを表す第1X線検出信号の関数Fを事前に決定するための第1照射のラグについて模式的に示した説明図である。
第1X線検出信号の関数Fは、一連のX線検出信号よりも事前(例えばFPDの出荷前)に取得されたX線検出の情報で決定される。かかる情報として、第1照射の照射条件および第1照射の収集条件がある。第1照射の照射条件としては、第1照射のパルス幅や第1照射のパルス強度などがあり、第1照射の収集条件としては、第1照射の終了から第2照射の開始までの蓄積時間などがある。
図10に示すように、出荷前に実際の撮像と同様に第1照射を行う。このとき、第2照射については行わない。 もし、第2照射を出荷前にも行っていると仮定すると、第2照射での照射時間は図10の2点鎖線でのt1〜tNまでの時間に相当する。第1照射が終了すると、第1照射に起因したラグ成分が図10中の点線に示すように減衰しながら本来行われているべき第2照射のタイミングに達しても残留する。このラグ成分を図10に示すようにf(t)とする。すると、第1照射によるラグをLとすると、第1照射によるラグLは、第2照射ではf(t)をt1〜tNまでの時間で積分した値(図10中のハッチングを参照)とみなすことができる(下記(5)式を参照)。
L=∫f(t)dt …(5)
ただし∫はt1〜tNまでの時間での積分である。その第1照射によるラグを0にするように関数Fを決定すれば、第1X線検出信号の関数Fによって第2補正データBに変換して、第2補正データBを求めることができる。
出荷前において、上述した第1照射の照射条件および第1照射の収集条件を固定した状態で、第1X線検出信号の値(すなわち輝度)をそれぞれ変えて照射を行い、第2補正データBを各々の第1X線検出信号の値に対応させてテーブルを作成する。例えば、横軸に第1X線検出信号の値をとるとともに、縦軸に第1X線検出信号に対する第2補正データBの比(パーセント表示)をとってテーブルを作成する。このテーブル上のデータを周知の近似法(例えば最小自乗法)などで近似することで第1X線検出信号の関数Fを決定すればよい。
ところで、かかる関数Fを決定するには上述したように第1照射の照射条件および第1照射の収集条件を固定した状態で行う。したがって、第1照射の照射条件として第1照射のパルス幅を例えば1種類から2種類に増やすと2倍の演算量になり、さらに第1照射の照射条件として第1照射のパルス強度を例えば1種類から2種類に増やすと4倍の演算量になり、さらに第1照射の収集条件として第1照射の終了から第2照射の開始までの蓄積時間を例えば1種類から2種類に増やすと8倍の演算量になる。このように、照射条件や収集条件を増やすたびに演算量が膨大になる。そこで、かかる技術の改良が望まれる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、1つの画像に対して放射線の2回照射を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を放射線検出信号から簡易に除去し、照射条件や収集条件が増えても演算量が膨大になるのを防止することができる放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、(1)放射線検出手段から検出された複数の放射線検出信号を撮像における放射線の照射時に取得する照射信号取得手段と、(2) 非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、前記第1照射において前記照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、前記第2照射において照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号としたときに、前記2回の照射よりも事前に、複数の第1照射の照射条件あるいは収集条件で前記第1放射線検出信号の値をそれぞれ変えて、第1放射線検出信号に基づく補正データと各々の第1放射線検出信号の値とを対応させて前記第1照射の照射条件あるいは収集条件と同数の第1放射線検出信号の関数を決定する第1関数決定手段と、(3)その第1関数決定手段で決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件あるいは収集条件での第1放射線検出信号の関数を決定する第2関数決定手段と、(4)第1関数決定手段または第2関数決定手段で決定された第1放射線検出信号の関数によって第1放射線検出信号から前記第1放射線検出信号に基づく補正データに変換する補正データ変換手段と、(5) 照射信号取得手段で取得された前記第2放射線検出信号には照射信号取得手段で取得された第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、前記補正データ変換手段で変換された第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行うラグ補正手段と、(6) 第1放射線検出信号およびそのラグ補正手段によってラグ補正された第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する放射線画像取得手段とを備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、上述した第1照射において照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、上述した第2照射において照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号としたときに、上述した2回の照射よりも事前に第1関数決定手段は以下のような関数を決定する。すなわち、第1関数決定手段は、複数の第1照射の照射条件や収集条件で第1放射線検出信号の値をそれぞれ変えて、第1放射線検出信号に基づく補正データと各々の第1放射線検出信号の値とを対応させて上述した第1照射の照射条件や収集条件と同数の第1放射線検出信号の関数を決定する。その第1関数決定手段で決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件や収集条件での第1放射線検出信号の関数を第2関数決定手段は決定する。第1関数決定手段または第2関数決定手段で決定された第1放射線検出信号の関数によって第1放射線検出信号から上述した第1放射線検出信号に基づく補正データに補正データ変換手段は変換する。照射信号取得手段で取得された上述した第2放射線検出信号には照射信号取得手段で取得された第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、ラグ補正手段は、上述した補正データ変換手段で変換された第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行う。第1放射線検出信号およびそのラグ補正手段によってラグ補正された第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像取得手段は放射線画像を取得する。
このように、上述した特許文献2のように放射線検出信号を取得するサンプリングの回数分、再帰的演算処理を行ってラグ補正を行う必要がない。さらには、補正データ変換手段で変換された第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行っているので、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能である。したがって、1つの画像に対して放射線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分(ラグ成分)を放射線検出信号から簡易に除去することができる。また、上述した特許文献1のようなバックライトを用いる必要がなく、装置の構造が複雑化となることもない。
また、照射条件や収集条件が増えても第1関数決定手段で決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件や収集条件での第1放射線検出信号の関数を第2関数決定手段が決定するので、照射条件や収集条件が増えても演算量が膨大になるのを防止することができる。
また、請求項2に記載の発明は、被検体を照射して検出された放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、前記信号処理は、(a) 非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、前記第1照射において取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、前記第2照射において取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号としたときに、前記2回の照射よりも事前に、複数の第1照射の照射条件あるいは収集条件で前記第1放射線検出信号の値をそれぞれ変えて、第1放射線検出信号に基づく補正データと各々の第1放射線検出信号の値とを対応させて前記第1照射の照射条件あるいは収集条件と同数の第1放射線検出信号の関数を決定する第1関数決定工程と、(b) その第1関数決定工程で決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件あるいは収集条件での第1放射線検出信号の関数を決定する第2関数決定工程と、(c) 第1関数決定工程または第2関数決定工程で決定された第1放射線検出信号の関数によって第1放射線検出信号から前記第1放射線検出信号に基づく補正データに変換する補正データ変換工程と、(d)第1放射線検出信号を撮像における第1照射時に取得する第1照射信号取得工程と、(e)第2放射線検出信号を撮像における第2照射時に取得する第2照射信号取得工程と、(f)その第2照射信号取得工程で取得された前記第2放射線検出信号には、前記第1照射信号取得工程で取得された第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、前記補正データ変換工程で変換された第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行うラグ補正工程と、(g) 第1放射線検出信号およびそのラグ補正工程でラグ補正された第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する放射線画像取得工程とを備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、上述した第1照射において取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、上述した第2照射において取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号としたときに、上述した2回の照射よりも事前に第1関数決定工程では以下のような関数を決定する。すなわち、第1関数決定工程では、複数の第1照射の照射条件や収集条件で第1放射線検出信号の値をそれぞれ変えて、第1放射線検出信号に基づく補正データと各々の第1放射線検出信号の値とを対応させて上述した第1照射の照射条件や収集条件と同数の第1放射線検出信号の関数を決定する。その第1関数決定工程で決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、第2関数決定工程では、新たなる第1照射の照射条件や収集条件での第1放射線検出信号の関数を決定する。補正データ変換工程では、第1関数決定工程または第2関数決定工程で決定された第1放射線検出信号の関数によって第1放射線検出信号から上述した第1放射線検出信号に基づく補正データに変換する。第2照射信号取得工程で取得された上述した第2放射線検出信号には第1照射信号取得工程で取得された第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、ラグ補正工程では、上述した補正データ変換工程で変換された第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行う。第1放射線検出信号およびそのラグ補正工程でラグ補正された第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像取得工程では放射線画像を取得する。
このように、上述した特許文献2のように放射線検出信号を取得するサンプリングの回数分、再帰的演算処理を行ってラグ補正を行う必要がない。さらには、ラグ補正工程は、補正データ変換工程で変換された第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行っているので、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能である。したがって、1つの画像に対して放射線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分(ラグ成分)を放射線検出信号から簡易に除去することができる。
また、照射条件や収集条件が増えても第1関数決定工程で決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、第2関数決定工程では、新たなる第1照射の照射条件や収集条件での第1放射線検出信号の関数を決定するので、照射条件や収集条件が増えても演算量が膨大になるのを防止することができる。
上述したこれらの発明において、第2関数決定工程では、第1関数決定工程で決定された第1放射線検出信号の関数での複数の(第1照射の照射条件や収集条件といった)条件のうち、上述した新たなる条件に近い条件での第1放射線検出信号の関数を選択して、その選択された条件での第1放射線検出信号の関数に基づいて、その新たなる条件での第1放射線検出信号の関数を決定するのが好ましい。近い条件での第1放射線検出信号の関数を選択することで、その新たなる条件での第1放射線検出信号の関数をより正確に決定することができて、ひいては、時間遅れ分(ラグ成分)を放射線検出信号からより正確に除去することができる。
また、照射条件の一例は、第1照射のパルス幅である。この場合には、第2関数決定工程では、新たなる第1照射のパルス幅での第1放射線検出信号の関数を決定する。また、照射条件の他の一例は、第1照射のパルス強度である。この場合には、第2関数決定工程では、新たなる第1照射のパルス強度での第1放射線検出信号の関数を決定する。
また、収集条件の一例は、第1照射の終了から第2照射の開始までの(放射線検出信号の)蓄積時間である。この場合には、第2関数決定工程では、新たなる蓄積時間での第1放射線検出信号の関数を決定する。
この発明に係る放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法によれば、第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行っているので、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能で、1つの画像に対して放射線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においても放射線検出信号に含まれる時間遅れ分(ラグ成分)を放射線検出信号から簡易に除去することができる。また、照射条件や収集条件が増えても決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件や収集条件での第1放射線検出信号の関数を決定するので、照射条件や収集条件が増えても演算量が膨大になるのを防止することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係るX線透視撮影装置のブロック図であり、図2は、X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路であり、図3は、平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では放射線検出手段としてフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)を例に採るとともに、放射線撮像装置としてX線透視撮影装置を例に採って説明する。
本実施例1に係るX線透視撮影装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD3とを備えている。X線管2は、この発明における放射線照射手段に相当し、FPD3はこの発明における放射線検出手段に相当する。
X線透視撮影装置は、他に、天板1の昇降および水平移動を制御する天板制御部4や、FPD3の走査を制御するFPD制御部5や、X線管2の管電圧や管電流を発生させる高電圧発生部6を有するX線管制御部7や、FPD3から電荷信号であるX線検出信号をディジタル化して取り出すA/D変換器8や、A/D変換器8から出力されたX線検出信号に基づいて種々の処理を行う画像処理部9や、これらの各構成部を統括するコントローラ10や、処理された画像などを記憶するメモリ部11や、オペレータが入力設定を行う入力部12や、処理された画像などを表示するモニタ13などを備えている。
また、後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では後述する第1関数や第2関数を決定するための画像前処理を行う画像前処理部14を備えている。
天板制御部4は、天板1を水平移動させて被検体Mを撮像位置にまで収容したり、昇降、回転および水平移動させて被検体Mを所望の位置に設定したり、水平移動させながら撮像を行ったり、撮像終了後に水平移動させて撮像位置から退避させる制御などを行う。FPD制御部5は、FPD3を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御などを行う。高電圧発生部6は、X線を照射させるための管電圧や管電流を発生してX線管2に与え、X線管制御部7は、X線管2を水平移動させたり、被検体Mの体軸の軸心周りに回転移動させることによる走査に関する制御や、X線管2側のコリメータ(図示省略)の照視野の設定の制御などを行う。なお、X線管2やFPD3の走査の際には、X線管2から照射されたX線をFPD3が検出できるようにX線管2およびFPD3が互いに対向しながらそれぞれの移動を行う。
コントローラ10は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、メモリ部11は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。また、入力部12は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。X線透視撮影装置では、被検体Mを透過したX線をFPD3が検出して、検出されたX線に基づいて画像処理部9で画像処理を行うことで被検体Mの撮像を行う。
なお、画像処理部9は、複数のX線検出信号を撮像におけるX線の照射前の非照射時に取得する非照射信号取得部9aと、X線検出信号を撮像におけるX線の照射時に取得する照射信号取得部9bと、後述する第1照射よりも前の非照射時において非照射信号取得部9aで取得された複数のX線検出信号に基づくラグデータ(各実施例では第1補正データA)を、非照射信号取得部9bで取得された後述する第1X線検出信号および第2X線検出信号にともに作用させてラグ除去するラグ補正部9cと、そのラグ補正部9cによってともにラグ補正された第1X線検出信号および第2X線検出信号を用いてサブトラクションを行うことでX線画像を取得するX線画像取得部9dとを備えている。第1X線検出信号および第2X線検出信号をともに作用させてラグ除去することで、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正をラグ補正部9cが行う。非照射信号取得部9aは、この発明における非照射信号取得手段に相当し、照射信号取得部9bは、この発明における照射信号取得手段に相当し、ラグ補正部9cは、この発明におけるラグ補正手段に相当し、X線画像取得部9dは、この発明における放射線画像取得手段に相当する。
さらに、後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では画像処理部9は、画像前処理部14の第1関数決定部14aや第2関数決定部14bで決定された第1X線検出信号の関数によって第1X線検出信号に基づく補正データ(以下、「第1X線検出信号に基づく補正データ」を「第2補正データ」と呼ぶ)Bに変換する補正データ変換部9Aを備えている。また、ラグ補正部9cは、上述した補正データ変換部9Aで変換された第2補正データBを用いて第2X線検出信号からラグ除去して、第2X線検出信号に対するラグ補正をも行う。補正データ変換部9Aは、この発明における補正データ変換手段に相当する。
なお、メモリ部11は、非照射信号取得部9aで取得された非照射時の各X線検出信号を書き込んで記憶する非照射信号用メモリ部11aと、第1照射において照射信号取得部9bで取得された第1X線検出信号や、ラグ補正部9cでラグ補正された第1X線検出信号を書き込んで記憶する第1X線検出信号用メモリ部11bと、第2照射において照射信号取得部9bで取得された第2X線検出信号や、ラグ補正部9cでラグ補正された第2X線検出信号を書き込んで記憶する第2X線検出信号用メモリ部11cと、X線画像取得部9dで取得されたX線画像を書き込んで記憶するX線画像用メモリ部11dとを備えている。ここで、非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射としている。また、第1照射において照射信号取得部9bで取得されたX線検出信号を第1X線検出信号とするとともに、第2照射において照射信号取得手段で取得されたX線検出信号を第2X線検出信号としている。
後述する実施例2も含めて本実施例1では、非照射信号用メモリ部11aから読み出された非照射時の各X線検出信号に基づいてラグ補正部9cは第1補正データAを取得し(図6を参照)、その第1補正データAを第1X線検出信号および第2X線検出信号にともに作用させてラグ除去する。なお、後述する実施例3では第1補正データAの取得については後述する再帰的な加重平均(リカーシブ処理)によって行われる(図8を参照)。
画像前処理部14は、2回の照射よりも事前に、複数の第1照射の照射条件や収集条件で第1X線検出信号の値をそれぞれ変えて、第2補正データBと各々の第1X線検出信号の値(輝度)とを対応させて第1照射の照射条件や収集条件と同数の第1X線検出信号の関数(以下、この関数を「第1関数」とする)を決定する第1関数決定部14aと、その第1関数決定部14aで決定された複数の第1関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件あるいは収集条件での第1X線検出信号(以下、この関数を「第2関数」とする)を決定する第2関数決定部14bとを備えている。第1関数決定部14aは、この発明における第1関数決定手段に相当し、第2関数決定部14bは、この発明における第2関数決定手段に相当する。
FPD3は、図2に示すように、ガラス基板31と、ガラス基板31上に形成された薄膜トランジスタTFTとから構成されている。薄膜トランジスタTFTについては、図2、図3に示すように、縦・横式2次元マトリクス状配列でスイッチング素子32が多数個(例えば、1024個×1024個)形成されており、キャリア収集電極33ごとにスイッチング素子32が互いに分離形成されている。すなわち、FPD3は、2次元アレイ放射線検出器でもある。
図2に示すようにキャリア収集電極33の上にはX線感応型半導体34が積層形成されており、図2、図3に示すようにキャリア収集電極33は、スイッチング素子32のソースSに接続されている。ゲートドライバ35からは複数本のゲートバスライン36が接続されているとともに、各ゲートバスライン36はスイッチング素子32のゲートGに接続されている。一方、図3に示すように、電荷信号を収集して1つに出力するマルチプレクサ37には増幅器38を介して複数本のデータバスライン39が接続されているとともに、図2、図3に示すように各データバスライン39はスイッチング素子32のドレインDに接続されている。
図示を省略する共通電極にバイアス電圧を印加した状態で、ゲートバスライン36の電圧を印加(または0Vに)することでスイッチング素子32のゲートがONされて、キャリア収集電極33は、検出面側で入射したX線からX線感応型半導体34を介して変換された電荷信号(キャリア)を、スイッチング素子32のソースSとドレインDとを介してデータバスライン39に読み出す。なお、スイッチング素子がONされるまでは、電荷信号はキャパシタ(図示省略)で暫定的に蓄積されて記憶される。各データバスライン39に読み出された電荷信号を増幅器38で増幅して、マルチプレクサ37で1つの電荷信号にまとめて出力する。出力された電荷信号をA/D変換器8でディジタル化してX線検出信号として出力する。
次に、本実施例1に係る非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理について、図4のフローチャートおよび図5のタイミングチャートを参照して説明する。なお、この処理では、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から、今回の撮像におけるX線の第1照射を経て、今回の撮像におけるX線の第2照射までを例に採って説明する。
(ステップS1)待ち時間が経過したか?
前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から、図5(a)に示すように所定の待ち時間TWが経過したか否かを判断する。照射の終了直後には時間遅れ分のうちの短時定数成分あるいは中時定数成分が多く含まれる。これら短/中時定数成分は短時間で減衰し、減衰後は長時定数成分が支配的になり、ほぼ同じ強さで残留し続ける。そこで、前回の撮像における第2X線の照射から所定時間経過後の非照射時にX線検出信号を取得するように待ち時間TWを設け、その待ち時間TWが経過してから、次のステップS2に進むようにする。なお、待ち時間TWが経過したか否かの判断を、タイマ(図示省略)によって行えばよい。すなわち、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了と同時にタイマをリセットして『0』にして、タイマのカウントを開始して、待ち時間TWに相当するカウントに達したら、待ち時間TWが経過したと判断すればよい。
また、FPD3個別のラグ特性にもよるが、待ち時間TWについては15秒程度が好ましく、30秒程あれば十分である。また、待ち時間TWは長いほど、例えば30秒以上が望ましいが、時間を長くとりすぎると撮影間の時間が延長してしまう。そこで、実際には待ち時間TWは3秒程度が現実的である。
(ステップS2)非照射時のX線検出信号の取得
非照射信号取得部9aは、待ち時間TW経過後の非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間間隔ΔT(例えば1/30秒)毎に逐次に取得する。今回の撮像におけるX線の第1照射の開始までのサンプリング回数を(N+1)(ただし、K=0,1,2,…,N−1,Nとする)とし、待ち時間TW経過直後に最初に取得する添え字をK=0とする。そして、(K+1)番目に取得するX線検出信号をIKとすると、待ち時間TW経過直後に最初に取得されるX線検出信号はI0となり、今回の撮像におけるX線の第1照射の開始直前に取得されるX線検出信号はINとなる。なお、サンプリング時間間隔ΔT毎にステップS2〜S5を続けて行うとする。
(ステップS3)第1照射に達したか?
ステップS2でのX線検出信号の取得の時点、すなわちサンプリング時点が、今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達したか(ここではK=N+1になったか)否かを判断する。もし、達した場合には、ステップS6に跳ぶ。もし、達していない場合には、次のステップS4に進む。
(ステップS4)Kの値を1ずつ繰り上げる
添え字Kの値を1ずつ繰り上げて、次のサンプリングのために準備する。
(ステップS5)前のX線検出信号の棄却
ステップS2で非照射信号取得部9aによって取得されたX線検出信号IKを非照射信号用メモリ部11aに書き込んで記憶する。このとき、X線検出信号IKよりも前の時点で取得されたX線検出信号IK-1は不要となるので棄却する。したがって、最新のX線検出信号のみが非照射信号用メモリ部11aに記憶されることになる。なお、ステップS4でK=0からK=1に繰り上げてステップS5に進んだ場合には、X線検出信号I0よりも前の時点ではX線検出信号は存在しないので棄却する必要がない。そして、次のサンプリングのためにステップS2に戻って、サンプリング時間間隔ΔT毎にステップS2〜S5を繰り返して行う。本実施例1では前のX線検出信号を棄却して最新のX線検出信号のみを残したが、もちろん、必ずしも棄却する必要はない。
(ステップS6)第1照射時の第1X線検出信号の取得
ステップS3でサンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射に達したら、ステップS2で取得された(N+1)番目のX線検出信号INを第1補正データAとして採用する。すなわち、ラグ補正部9cは、今回の撮像におけるX線の第1照射の開始直前に取得されたX線検出信号INを非照射信号用メモリ部11aから読み出して、そのX線検出信号INを第1補正データAとして取得する。第1補正データAはA=INとなる。そして、ラグ補正部9cによって取得された第1補正データAを後述するステップS8において第1X線検出信号および第2X線検出信号に作用させる。この第1補正データAの取得と並行して第1照射では120kV,10msのX線照射を行う。今回の撮像におけるX線の第1照射を終了すると、その照射によって得られた第1照射時の第1X線検出信号を第1X線検出信号用メモリ部11bに書き込んで記憶する。このステップS6は、この発明における第1放射線検出信号取得工程に相当する。
(ステップS7)第2照射時の第2X線検出信号の取得
ステップS6の第1照射が終了すると直ちに第2照射を行う。実際には、装置の機能の限界により、第1照射と第2照射との間には200ms程の空き時間が生じる。第2照射では60kV,50〜100msのX線照射を行う。今回の撮像におけるX線の第2照射を終了すると、その照射によって得られた第2照射時の第2X線検出信号を第2X線検出信号用メモリ部11cに書き込んで記憶する。このステップS7は、この発明における第2放射線検出信号取得工程に相当する。
(ステップS8)第1・第2X線検出信号に対するラグ補正
ラグ補正部cは、ステップS6で取得された第1補正データAを、第1X線検出信号用メモリ部11bから読み出された第1X線検出信号、および第2X線検出信号用メモリ部11cから読み出された第2X線検出信号にともに作用させて、第1・第2X線検出信号に対するラグ補正を行う。各実施例では、各画素ごとに第1・第2X線検出信号から第1補正データAをそれぞれ減算することでラグ補正を行う。第1X線検出信号をIFIRSTとし、第2X線検出信号をISECONDとし、ラグ補正後の第1X線検出信号をI´FIRSTとし、ラグ補正後の第2X線検出信号をI´SECONDとすると、ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTはI´FIRST=IFIRST−Aとなり、ラグ補正後の第2X線検出信号I´SECONDはI´SECOND=ISECOND−Aとなる。ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTも第1X線検出信号用メモリ部11bに再度書き込んで記憶するとともに、ラグ補正後の第2X線検出信号I´SECONDも第2X線検出信号用メモリ部11cに再度書き込んで記憶する。
なお、実際には、今回の撮像におけるX線の第1照射のタイミングは必ずしも予め決定されているわけでない。したがって、K=N+1に達するタイミングも必ずしも事前にわかっているわけでない。そこで、実際には、上述したステップS2〜S5をサンプリング時間間隔ΔT毎に繰り返し行って、ステップS3でサンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達したときが、K=N+1に達したタイミングとなる。もちろん、今回の撮像におけるX線の第1照射のタイミングが予め決定されている場合には、K=N+1に達するタイミングも事前にわかっているので、Nの値を予め決定してK=N+1に達したタイミングに合わせて、サンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達するように設定してもよい。
(ステップS9)第2X線検出信号に対する新たなラグ補正
上述したように、第1照射が終了すると直ちに第2照射を行っている。したがって、第1照射(ステップS6)と第2照射(ステップS7)との間ではラグ補正のための非照射時のX線検出信号を取得しない。ここで、図5(b)に示すように、今回の撮像におけるX線の第1照射より以前のラグ成分については上述した第1補正データAとして重畳され、今回の撮像におけるX線の第2照射より以前のラグ成分については第1補正データAの他に第1照射に起因したラグ成分が第2補正データBとして重畳されるとみなせる。つまり、ステップS7で取得された第2X線検出信号にはステップS6で取得された第1X線検出信号によるラグ成分(ここでは第2補正データB)が含まれているとみなせる。そこで、第1X線検出信号に基づく補正データである第2補正データBを用いて第2X線検出信号からラグ除去して、第2X線検出信号に対する新たなラグ補正を行っている。各実施例では、ステップS8でラグ補正されたラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTの関数で第1X線検出信号に基づく補正データである第2補正データBを表して、ステップS8でラグ補正されたラグ補正後の第2X線検出信号I´SECONDからその第2補正データBを減算することで、第2補正データBを用いた第2X線検出信号に対する新たなラグ補正を行う。具体的には、関数をFとし、さらなる2回目のラグ補正後の第2X線検出信号をI´´SECONDとすると、下記(2)式のように第2補正データBを求め、下記(3)式のように第2X線検出信号I´´SECONDを求める。
B=F(I´FIRST) …(2)
I´´SECOND=I´SECOND−B …(3)
上記(2)式で関数変換することで、上述した第1関数決定部14aや第2関数決定部14bで決定された第1/第2関数によって第1X線検出信号から第2補正データBに補正データ変換部9Aは変換する。第1/第2関数関数の具体的な決定方法については、実施例3の後にまとめて述べる。さらなる2回目のラグ補正後の第2X線検出信号I´´SECONDも第2X線検出信号用メモリ部11cに再度書き込んで記憶する。このステップS9は、この発明におけるラグ補正工程に相当する。
(ステップS10)サブトラクション・X線画像の取得
ステップS6でラグ補正されたラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTおよびステップS9で新たなラグ補正されたさらなる2回目のラグ補正後の第2X線検出信号I´´SECONDを用いてサブトラクションを行うことでX線画像取得部9dはX線画像を取得する。X線画像取得部9dによって取得されたX線画像をX線画像用メモリ部11dに書き込んで記憶する。サブトラクションについては、上記(1)式中のI1をI´FIRSTに置き換え、I2をI´´SECONDに置き換えて、エネルギー差分画像IDESを求め、そのエネルギー差分画像IDESをX線画像とすればよい。また、サブトラクションについては、上記(1)式に限定されずに、上述した特許文献3〜6のように、それぞれの対数同士でサブトラクションを行ってもよい。このステップS10は、この発明における放射線画像取得工程に相当する。また、X線画像は、この発明における撮像の対象となる放射線画像に相当する。
以上のように構成された本実施例1によれば、上述した国際特許出願PCT/JP2005/020837の技術と同様に、ステップS2〜S5では、複数のX線検出信号(本実施例1ではI0,I1,I2,…,IN-1,IN)を撮像におけるX線の照射前の非照射時に取得するとともに、ステップS6では、X線検出信号を上述したステップS2〜S5の後の撮像におけるX線の照射時である第1照射時に取得する。さらには、ステップS7では、上述したステップS6の後の非照射を挟んで、X線検出信号を撮像における放射線の照射時である第2照射時に取得する。ステップS2〜S5で取得されたそれらX線検出信号に基づくラグデータ(第1補正データA)を、ステップS8では、ステップS6で取得されたX線検出信号である第1X線検出信号IFIRST、およびステップS7で取得されたX線検出信号である第2X線検出信号ISECONDにともに作用させて、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行う。そのステップS8によってともにラグ補正された第1X線検出信号I´FIRSTおよび第2X線検出信号I´´SECONDを用いてステップS10でサブトラクションを行うことでX線画像を取得する。
このように、上述した特許文献2のようにX線検出信号を取得するサンプリングの回数分、再帰的演算処理を行ってラグ補正を行う必要がない。さらには第1照射よりも前のステップS2〜S5で取得された複数のX線検出信号に基づくラグデータ(第1補正データA)を、第1および第2X線検出信号にともに作用させてラグ補正をそれぞれ行っているので、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能である。したがって、1つの画像に対してX線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においてもX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができる。また、上述した特許文献1のようなバックライトを用いる必要がなく、装置の構造が複雑化となることもない。
また、上述したように、ステップS7で取得された第2X線検出信号にはステップS6で取得された第1X線検出信号によるラグ成分が第2補正データBとして含まれているとみなせる。そこで、後述する実施例2,3も含めて、本実施例1のように、第1X線検出信号に基づく補正データである第2補正データBを用いて第2X線検出信号からラグ除去して、ステップS9のように第2X線検出信号に対するラグ補正をさらに行う。このような第2X線検出信号に対するラグ補正をさらに行う場合においても、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずとも第1X線検出信号に基づく補正データである第2補正データBを用いることで第2X線検出信号に対するラグ補正を行うことができる。
後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では、前回の撮像におけるX線の第2照射から所定時間(本実施例1では待ち時間TW)経過後の非照射時に複数のX線検出信号を取得することで、今回の撮像におけるX線の第1照射前の非照射時での複数のX線検出信号を取得している。前回の撮像におけるX線の第2照射が終了して非照射状態に移行すれば、時間遅れ分のうちの短時定数成分あるいは中時定数成分は短時間で減衰し、減衰後は長時定数成分が支配的になり、ほぼ同じ強さで残留し続ける。したがって、前回の撮像におけるX線の第2照射が終了した直後に、X線検出信号を取得すると短/中時定数成分が含まれた状態で信号が取得されて、短/中時定数成分の時間遅れ分まで正しく除去することができない。そこで、本実施例1のように、前回の撮像におけるX線の第2照射から所定時間経過後の非照射時に複数のX線検出信号を取得することで、今回の撮像におけるX線の第1照射から所定時間経過後の非照射時に複数のX線検出信号を取得することで、今回の撮像におけるX線の第1照射前の非照射時での複数のX線検出信号を取得することになり、所定時間経過後に残留している長時定数成分のみが含まれた状態で信号が取得されるので、短/中時定数成分の時間遅れ分がなく、かつ長時定数成分の時間遅れ分をも正確に除去することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。上述した実施例1と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。また、実施例2に係るX線透視撮影装置は、実施例1に係るX線透視撮影装置と同様の構成で、非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理のみが、実施例1と異なる。
そこで、本実施例2に係る非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。なお、上述した実施例1と共通するステップについては、同じ番号を付してその説明を省略する。
(ステップS1)待ち時間が経過したか?
上述した実施例1と同じように、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から待ち時間TWが経過したか否かを判断する。待ち時間TWが経過してから、次のステップS12に進む。
(ステップS12)非照射時のX線検出信号の取得
上述した実施例1と同じように、待ち時間TW経過後の非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間間隔ΔT(例えば1/30秒)毎に逐次に取得する。ただし、本実施例2では、後述する説明から明らかなように、8番目のX線検出信号I7(すなわちK=7)を取得するまでは、待ち時間TW経過直後に最初に取得されたX線検出信号I0から7番目に取得されたX線検出信号I6までは棄却されずに、非照射信号用メモリ部11aに記憶された状態である。なお、サンプリング時間間隔ΔT毎にステップS12〜S14を続けて行うとする。
(ステップS13)K=7?
添え字Kが7になったか、すなわちサンプリング時点が8番目に達したか(ここではK=7になったか)否かを判断する。もし、達した場合には、ステップS2に跳ぶ。もし、達していない場合には、次のステップS14に進む。
(ステップS14)Kの値を1ずつ繰り上げる
上述した実施例1と同じように、添え字Kの値を1ずつ繰り上げて、次のサンプリングのために準備する。そして、8番目のX線検出信号I7(すなわちK=7)を取得するまでは、ステップS12で非照射信号取得部9aによって取得された各X線検出信号IKを順に非照射信号用メモリ部11aに書き込んで記憶する。このとき、X線検出信号IKよりも前の時点で取得されたX線検出信号IK-1については棄却せずに、非照射信号用メモリ部11aに記憶した状態として、X線検出信号が8個分になるまで蓄積する。そして、次のサンプリングのためにステップS12に戻って、サンプリング時間間隔ΔT毎にステップS12〜S14を繰り返して行う。
(ステップS2)〜(ステップS10)
ステップS13でサンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達したら、上述した実施例1と同様のステップS2〜S8を行う。ただし、非照射信号用メモリ部11aには8個分のX線検出信号が常に記憶されるようにしており、ステップS5で新たに最新のX線検出信号が非照射信号用メモリ部11aに記憶されると、最古のX線検出信号のみが棄却されるようになっている。そして、ステップS3でサンプリング時点が今回の撮像におけるX線の第1照射の開始に達したら、ステップS2で取得された(N−6)番目のX線検出信号IN-7から(N+1)番目のX線検出信号INまでの8個分の信号に基づいて第1補正データAを求める。具体的には、これらの信号の平均を第1補正データAとして求める(A=ΣIi/8、ただしΣはi=N−7〜Nの総和)。第1補正データAの取得と並行した第1照射時の第1X線検出信号の取得以降からサブトラクション・X線画像の取得については実施例1と同様なので、その説明を省略する。
以上のように構成された本実施例2によれば、上述した実施例1と同様に、検出されたX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することで時間遅れ分に関するラグ補正を行う際に、以下のようになる。すなわち、撮像におけるX線の照射前の非照射時に複数のX線検出信号(本実施例2ではI0,I1,I2,…,IN-1,IN)を取得して、それらX線検出信号に基づくラグデータ(第1補正データA)を、ステップS8では、ステップS6で取得されたX線検出信号である第1X線検出信号IFIRST、およびステップS7で取得されたX線検出信号である第2X線検出信号ISECONDにともに作用させて、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行う。そして、ラグ補正された第1X線検出信号I´FIRSTおよび第2X線検出信号I´´SECONDを用いてサブトラクションを行うことでX線画像を取得する。このように、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能なので、1つの画像に対してX線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においてもX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができる。
なお、実施例1では、ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTのランダムノイズ成分がIFIRSTの21/2倍となるので、SN比が41%(=(21/2−1))劣化する。この劣化を抑えるために、本実施例2の場合には、実施例1と相違して、複数のX線検出信号(本実施例2ではIN-7、IN-6、…IN-1、IN)を直接的に用いて第1補正データAを求めている。この場合には、ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTのランダムノイズ成分は補正前の第1X線検出信号IFIRSTの6%の劣化に留まるので、SN比を劣化させることなくラグ補正を実現することができる。ラグ補正後の第2X線検出信号I´SECONDのランダムノイズ成分についても、ラグ補正後の第1X線検出信号I´FIRSTのランダムノイズ成分と同様である。
本実施例2では8個分のX線検出信号を直接的に用いて第1補正データAを求めたが、用いるX線検出信号の個数については限定されない。また、信号の平均で第1補正データAを求めたが、例えば中央値で第1補正データAを求める、あるいは信号の強度に関するヒストグラムを取って、そのヒストグラムから最頻値を第1補正データAとして求めるなど、非照射時に取得された放射線検出信号(X線検出信号)に基づくラグデータ(ここでは第1補正データA)の具体的な求め方については特に限定されない。
次に、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。図8は、実施例3に係る画像処理部9およびメモリ部11に関するデータの流れを示した概略図である。上述した実施例1,2と共通する箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。また、実施例3に係るX線透視撮影装置は、図8の画像処理部9およびメモリ部11に関するデータの流れを除けば、実施例1,2に係るX線透視撮影装置と同様の構成である。また、非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理についても、実施例1,2と異なる。
本実施例3では、図8に示すように、非照射信号用メモリ部11aから読み出された非照射時のX線検出信号に基づいてラグ補正部9cは再帰的演算処理でラグデータ(各実施例では第1補正データA)を取得する。再帰的演算処理による第1補正データAの取得については、後述する図9のフローチャートで説明する。なお、ラグ補正部9cが第1補正データAを第1X線検出信号および第2X線検出信号にともに作用させてラグ除去する、そのラグ補正部9cによってともにラグ補正された第1X線検出信号および第2X線検出信号を用いてサブトラクションを行うことでX線画像取得部9dがX線画像を取得するのは、上述した実施例1,2と同様である。
次に、本実施例3に係る非照射信号取得部9aや照射信号取得部9bやラグ補正部9cやX線画像取得部9dによる一連の信号処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、上述した実施例1,2と共通するステップについては、同じ番号を付してその説明を省略する。
(ステップS1)待ち時間が経過したか?
上述した実施例1,2と同じように、前回の撮像におけるX線の第2照射の終了から待ち時間TWが経過したか否かを判断する。待ち時間TWが経過してから、次のステップS22に進む。
(ステップS22)待ち時間経過直後のX線検出信号の取得
上述した実施例1,2と同じように、待ち時間TW経過後の非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間間隔ΔT(例えば1/30秒)毎に逐次に取得する。先ず、待ち時間TW経過直後のX線検出信号I0を取得する。この待ち時間TW経過直後に最初に取得されたX線検出信号I0を非照射信号用メモリ部11aに書き込んで記憶する。
(ステップS23)初期値の第1補正データの取得
そして、ラグ補正部9cは、このX線検出信号I0を非照射信号用メモリ部11aから読み出して、そのX線検出信号I0を第1補正データAの初期値である第1補正データA0として取得する。
(ステップS3)〜(ステップS4)
ステップS23で初期値の第1補正データA0を取得したら、上述した実施例1と同様のステップS3、S4を行う。
(ステップS52)非照射時のX線検出信号の取得
上述した実施例1,2と同じように、待ち時間TW経過後の非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間間隔ΔT(例えば1/30秒)毎に逐次に取得する。ただし、本実施例3におけるステップS52での非照射時のX線検出信号の取得は、2番目のX線検出信号I1以降である。
(ステップS53)新たな第1補正データの取得
2番目以降の新たな第1補正データを取得する際には、(N+1)番目の第1補正データANを、非照射時のX線検出信号IN、および前回の第1補正データAN-1に基づく再帰的演算処理で求める。本実施例3では、再帰的な加重平均(以下、適宜「リカーシブ処理」という)によって、下記(4)式のように第1補正データANを取得する。
N=(1−P)×AN-1+P×IN …(4)
ただし、上述したようにI0=A0である。また、Pは加重比率であって、0〜1の値をとる。
そして、次なる第1補正データAKの取得のためにステップS3に戻って、上記(4)式のリカーシブ処理を行う。また、ステップS3で今回の撮像におけるX線の第1照射に達した場合には、そのステップS3の直前のステップS53で取得された第1補正データANが最新のデータとなる。その最新の第1補正データANを補正データAとして取得する。
(ステップS6)〜(ステップS10)
ステップS6での第1照射時の第1X線検出信号の取得以降からステップS10でのサブトラクション・X線画像の取得については実施例1と同様なので、その説明を省略する。
以上のように構成された本実施例3によれば、上述した実施例1,2と同様に、取得された第1補正データAを第1X線検出信号IFIRST、および第2X線検出信号ISECONDにともに作用させて、X線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から除去することによる時間遅れ分に関するラグ補正を行う。そして、ラグ補正された第1X線検出信号I´FIRSTおよび第2X線検出信号I´´SECONDを用いてサブトラクションを行うことでX線画像を取得する。このように、第1照射と第2照射との間にラグ成分を取得せずともラグ補正が可能なので、1つの画像に対してX線の2回照射(第1照射・第2照射)を行う場合においてもX線検出信号に含まれる時間遅れ分をX線検出信号から簡易に除去することができる。
本実施例3では、非照射時に各X線検出信号をサンプリング時間ΔT間隔(例えば1/30秒)毎に逐次に取得することで複数のX線検出信号を取得して、非照射時におけるある時点を(N+1)番目としたときに、その(N+1)番目を含めてこれまでに逐次に取得された複数のX線検出信号に基づく第1補正データA、すなわち(N+1)番目の第1補正データANを取得するために、その(N+1)番目で取得されたX線検出信号INと、その(N+1)番目よりも前の時点であるN番目を含めてこれまでに逐次に取得された複数のX線検出信号に基づく第1補正データA、すなわち第1補正データANよりも前の第1補正データAN-1とに基づいて行う再帰的演算処理を繰り返し行うことで、第1補正データAを取得している。
本実施例3の場合には、再帰的演算処理として再帰的な加重平均であるリカーシブ処理(上記(4)式を参照)によって第1補正データを取得するので、第1補正データによるラグ補正をより確実に行うことができる。
[関数の決定]
次に、各実施例の第2補正データBで用いた第1/第2関数Fの具体的な決定方法について説明する。図10は、各実施例での第2補正データBを表す第1X線検出信号の関数Fを事前に決定するための第1照射のラグについて模式的に示した説明図である。なお、この関数の決定が、上述した国際特許出願PCT/JP2005/020837の技術に対する改良となる。
第1X線検出信号の関数Fは、一連のX線検出信号よりも事前(例えばFPDの出荷前)に取得された第1照射の照射条件および第1照射の収集条件で決定される。ここでは、第1照射の照射条件としては、第1照射のパルス幅TP(図12〜図15を参照)や第1照射のパルス強度P(図17を参照)を例に採って説明するとともに、第1照射の収集条件としては、第1照射の終了から第2照射の開始までの蓄積時間T(図16を参照)を例に採って説明する。
「発明が解決しようとする課題」の欄でも述べたように、図10に示すように、出荷前に実際の撮像と同様に第1照射を行う。このとき、第2照射については行わない。もし、第2照射を出荷前にも行っていると仮定すると、第2照射での照射時間は図10の2点鎖線でのt1〜tNまでの時間に相当する。第1照射が終了すると、第1照射に起因したラグ成分が図10中の点線に示すように減衰しながら本来行われているべき第2照射のタイミングに達しても残留する。このラグ成分を図10に示すようにf(t)とする。すると、第1照射によるラグをLとすると、第1照射によるラグLは、第2照射ではf(t)をt1〜tNまでの時間で積分した値(図10中のハッチングを参照)とみなすことができる(上記(5)式を参照)。
その第1照射によるラグを0にするように関数Fを決定すれば、補正データ変換部9Aは、第1X線検出信号の関数Fによって第2補正データBに変換して、第2補正データBを求めることができる。その第2補正データBで上記(3)式のように減算することで、出荷後の今回の撮像におけるX線の第1照射で取得された第1X線検出信号によるラグ成分を除去することができる。第1照射によるラグを0にするように関数Fを決定するためには、出荷前の第1照射で取得された第1X線検出信号をSとすると、下記(6)式のように第1X線検出信号Sの関数Fが上述した第1照射によるラグLに等しくなるように関数Fを決定する。
F(S)=L …(6)
以上をまとめると、出荷前に第1照射を行い、かつ第2照射を行わない状態で、t1〜tNまでの時間で第1照射によるラグLを上記(5)式により求め、その第1照射によるラグLと出荷前の第1照射で取得された第1X線検出信号とが互いに等しくなる(上記(6)式を参照)ように関数Fを決定する。
先ず、第1関数を決定するには、複数の第1照射の照射条件や収集条件で第1X線検出信号の値をそれぞれ変えて、後述する図12に示すように、第2補正データBと各々の第1X線検出信号の値(輝度)とを対応させたグラフを作成する。この第1関数を、複数の第1照射の照射条件や収集条件と同数個分作成する。そして、第2関数を決定するには、決定された複数の第1関数に基づいて、後述する図14に示すように、新たなる第1照射の照射条件や収集条件でのグラフを作成する。図12および図14では、輝度として、0〜20,000までの値をとっている。
0〜20,000までの値を採取するには、被検体Mの代わりに図11に示すように、水や空気やアクリル板などに代表されるファントムPHを用意して、FPDの出荷前に撮像を行う。図11は、各々の第1X線検出信号の値(輝度)の取得について模式的に示した説明図であって、(a)はファントムの走査方向に関する図であって、(b)はファントムの走査方向に対する輝度の変化に関する図である。
図11(b)に示すように、ファントムPHの走査方向に対する輝度の変化が階段状になるようなファントムPHを、図11(a)に示すように用意する。図11の場合には、図中の左から右に走査するのにしたがって輝度が階段状に増える。したがって、輝度が0に近い値について採取する場合には、ファントムPHの左端を走査して撮像を行い、輝度が10,000付近を採取する場合には、ファントムPHの中央付近を走査して撮像を行い、輝度が20,000近い値について採取する場合には、ファントムPHの右端を走査して撮像を行う。なお、輝度を採取する場合には、図11(b)に示すような階段状のグラフに限定されず、例えばファントムPHの走査方向に対する変化が滑らかになるようなファントムPHを用意して行ってもよい。
そして、第1照射によるラグLと出荷前の第1照射で取得された第1X線検出信号の値(輝度)とが互いに等しくなるように上記(6)式を用いて第1関数を決定する。そのときの第1関数は図12に示すとおりである。図12および図14では、横軸に第1X線検出信号の値(輝度)をとるとともに、縦軸に第1X線検出信号に対する第2補正データBの比(パーセント表示)をとってテーブルを作成する。また、図12および図14では、第1照射のパルス強度Pおよび蓄積時間Tを固定した状態で、2つの第1照射のパルス幅TPでの第1関数を予め作成している。図12中の実線はパルス幅TPが10msのときであり、点線はパルス幅TPが20msのときである。なお、図12および図14の縦軸は第2補正データBのみの値でもよい。この第1関数の決定は、この発明における第1関数決定工程に相当する。
この第1関数の決定に基づいて第2関数を決定するには、第1関数での複数の条件(図12の場合にはパルス幅TPが10ms,20ms)のうち、新たなる条件に近い条件での第1関数を選択して、その選択された条件での第1X線検出信号の関数に基づいて、その新たなる条件での第1X線検出信号の関数である第2関数を決定する。
例えば、新たなる条件としてパルス幅TPが25msの場合には、25msに近い条件はパルス幅TPが10ms,20msのうちの20msである。したがって、新たなる条件に近い条件であるパルス幅TPが20msを選択して、その選択された条件であるパルス幅TPが20msでの第1X線検出信号の関数に基づいて、その新たなる条件であるパルス幅TPが25msでの第2関数を決定する。図12の場合には、図中の下から上にしたがって、20ms,10msと関数が続くので、20msでの関数よりも下側にパルス幅TPが25msでの第2関数が決定されて作成される。
また例えば、新たなる条件としてパルス幅TPが5msの場合には、5msに近い条件はパルス幅TPが10ms,20msのうちの10msである。したがって、新たなる条件に近い条件であるパルス幅TPが10msを選択して、その選択された条件であるパルス幅TPが10msでの第1X線検出信号の関数に基づいて、その新たなる条件であるパルス幅TPが5msでの第2関数を決定する。図12の場合には、図中の下から上にしたがって、20ms,10msと関数が続くので、10msでの関数よりも上側にパルス幅TPが5msでの第2関数が決定されて作成される。
また例えば、新たなる条件としてパルス幅TPが10ms〜20ms(例えばパルス幅TPが15ms)の場合には、10ms〜20msに近い条件はパルス幅TPが10ms,20msのいずれかである。したがって、新たなる条件に近い条件であるパルス幅TPが10ms,20msのいずれかを選択して、その選択された条件であるパルス幅TPが10ms,20msのいずれかでの第1X線検出信号の関数に基づいて、その新たなる条件であるパルス幅TPが10ms〜20msでの第2関数を決定する。図12の場合には、図中の下から上にしたがって、20ms,10msと関数が続くので、20msでの関数と10msでの関数との間にパルス幅TPが10ms〜20msでの第2関数が決定されて作成される。
特に、新たなる条件としてパルス幅TPが15msの場合には、パルス幅TPが15msでの第2関数は図14に示すとおりである。図12と同様に、図14中の実線はパルス幅TPが10msのときであり、点線はパルス幅TPが20msのときである。さらに一点鎖線は新たなる条件であるパルス幅TPが15msのときである。
新たなる条件での第2関数を具体的に決定するには、第2関数の決定よりも事前に、第1X線検出信号の値(輝度)の値を固定するとともに、第1照射のパルス強度Pおよび蓄積時間Tを固定した状態で、図13に示すように、横軸に第1照射のパルス幅TPをとるとともに、縦軸に第1X線検出信号に対する第2補正データBの比(パーセント表示)をとる。なお、図12および図14の縦軸でも述べたように、図13の縦軸も第2補正データBのみの値でもよい。
なお、パルス幅TPが10ms,20msのときのみのデータを採取して、10msと20msとの間を直線で結んで線形のグラフを作成してもよい。図13は線形のグラフの場合である。図13の場合には、新たなる条件としてパルス幅TPが15msではパルス幅TPが10ms,20msの中央になるので、図14に示すようにパルス幅TPが15msでの第2関数も20msでの関数と10msでの関数との中央で作成される。また、新たなる条件としてパルス幅TPが15ms未満ではパルス幅TPが20msよりも10msに近いので、パルス幅TPが15ms未満での第2関数も10msでの関数に近い方で作成される。また、新たなる条件としてパルス幅TPが15msを超えるときではパルス幅TPが10msよりも20msに近いので、パルス幅TPが15msを超えるときでの第2関数も20msでの関数に近い方で作成される。この第2関数の決定は、この発明における第2関数決定工程に相当する。
なお、図13では線形で近似したが、実際には、パルス幅TPが長くなるのにしたがって、第2補正データB、または第1X線検出信号に対する第2補正データBの比は下がりながら飽和する。したがって、図15のように非線形のグラフになる。この場合には、第1照射パルス幅と第1X線検出信号に対する第2補正データBの比とを対応させた複数点の観測データに基づいて周知の近似法(例えば最小自乗法)などで近似することで図15のような非線形のグラフを作成すればよい。
図12〜図15では、第1照射のパルス強度Pおよび蓄積時間Tを固定した状態で、複数(ここでは2つ)の第1照射のパルス幅TPでの第1関数に基づいて、新たなる条件であるパルス幅TPでの第2関数を決定したが、第1照射のパルス幅TPおよび第1照射のパルス強度Pを固定した状態で、複数の蓄積時間Tでの第1関数に基づいて、新たなる条件である蓄積時間Tでの第2関数を決定してもよいし、第1照射のパルス幅TPおよび蓄積時間Tを固定した状態で、複数の第1照射のパルス強度Pでの第1関数に基づいて、新たなる条件であるパルス強度Pでの第2関数を決定してもよい。
第1照射のパルス幅TPおよび第1照射のパルス強度Pを固定した状態で、複数の蓄積時間Tでの第1関数に基づいて、新たなる条件である蓄積時間Tでの第2関数を決定する場合には、第1X線検出信号の値(輝度)の値を固定するとともに、第1照射のパルス幅TPおよび第1照射のパルス強度Pを固定した状態で、図16に示すように、横軸に蓄積時間Tをとるとともに、縦軸に第1X線検出信号に対する第2補正データBの比(パーセント表示)をとる。図13や図15のときと同様に、図16に基づいて新たなる条件である蓄積時間Tでの第2関数を決定する。なお、図16ではT1<T2としている。
第1照射のパルス幅TPおよび蓄積時間Tを固定した状態で、複数の第1照射のパルス強度Pでの第1関数に基づいて、新たなる条件であるパルス強度Pでの第2関数を決定する場合には、第1X線検出信号の値(輝度)の値を固定するとともに、第1照射のパルス幅TPおよび蓄積時間Tを固定した状態で、図17に示すように、横軸に第1照射のパルス強度Pをとるとともに、縦軸に第1X線検出信号に対する第2補正データBの比(パーセント表示)をとる。図13や図15のときと同様に、図17に基づいて新たなる条件であるパルス強度Pでの第2関数を決定する.なお、図17ではP1<P2としている。
このように決定された第1関数または第2関数に基づいて第1X線検出信号から第2補正データBに変換する。具体的には、ステップS9での第2補正データBを用いた第2X線検出信号に対する新たなラグ補正を行う前に、第1X線検出信号から第2補正データBに変換する。そして、この変換された第2補正データBに基づいて第2X線検出信号に対する新たなラグ補正を行う。この第2補正データBの変換は、この発明における補正データ変換工程に相当する。
このような関数の決定方法によれば、2回の照射よりも事前に第1関数を決定する場合には、以下のような方法で決定する。すなわち、第1関数を決定する場合では、複数の第1照射の照射条件や収集条件で第1X線検出信号の値(輝度)をそれぞれ変えて、第1X線検出信号に基づく補正データである第2補正データBと各々の第1X線検出信号の値(輝度)とを対応させて上述した第1照射の照射条件や収集条件と同数の第1X線検出信号の関数(第1関数)を決定する。その決定された複数の第1X線検出信号の関数(第1関数)に基づいて、第2関数の決定の際には新たなる第1照射の照射条件や収集条件での第1X線検出信号の関数(第2関数)を決定する。第2補正データBに変換する場合には、これらの決定された第1関数または第2関数の関数によって第1X線検出信号から上述した第2補正データBに変換する。
上述した第2X線検出信号には第1X線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、変換された第2補正データBを用いて第2X線検出信号からラグ除去して、第2X線検出信号に対するラグ補正を行う。第1X線検出信号およびそのラグ補正された第2X線検出信号を用いてサブトラクションを行うことでX線画像を取得する。
照射条件や収集条件が増えても、決定された複数の第1関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件や収集条件での第1X線検出信号の関数である第2関数を決定するので、照射条件や収集条件が増えても演算量が膨大になるのを防止することができる。
また、近い条件での第1関数を選択することで、その新たなる条件での第2関数をより正確に決定することができて、ひいては、時間遅れ分(ラグ成分)をX線検出信号からより正確に除去することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、図1に示すようなX線透視撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線透視撮影装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。なお、この発明は、X線撮影装置のように(透視撮影でなく)実際に撮影を行うとき特に有用である。
(2)上述した各実施例では、フラットパネル型X線検出器(FPD)3を例に採って説明したが、通常において用いられるX線検出手段であれば、この発明は適用することができる
(3)上述した各実施例では、X線を検出するX線検出器を例に採って説明したが、この発明は、ECT(Emission Computed Tomography)装置のように放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出するγ線検出器に例示されるように、放射線を検出する放射線検出器であれば特に限定されない。同様に、この発明は、上述したECT装置に例示されるように、放射線を検出して撮像を行う装置であれば特に限定されない。
(4)上述した各実施例では、FPD3は、放射線(実施例ではX線)感応型の半導体を備え、入射した放射線を放射線感応型の半導体で直接的に電荷信号に変換する直接変換型の検出器であったが、放射線感応型の替わりに光感応型の半導体を備えるとともにシンチレータを備え、入射した放射線をシンチレータで光に変換し、変換された光を光感応型の半導体で電荷信号に変換する間接変換型の検出器であってもよい。
(5)上述した各実施例では、ラグ補正は、第2補正データBを用いた第2放射線検出信号(各実施例では第2X線検出信号)に対するステップS9でのラグ補正の他に、第1補正データAを用いた第1・第2放射線検出信号(各実施例では第1・第2X線検出信号)に対するステップS8でのラグ補正を含んでいたが、ステップS8を必ずしも含む必要はない。
(6)上述した各実施例では、2つの照射条件あるいは収集条件での第1関数に基づいて第2関数を決定したが、3つ以上の照射条件あるいは収集条件での第1関数に基づいて第2関数を決定してもよい。また第2関数を決定する個数については、特に限定されない。
各実施例に係るX線透視撮影装置のブロック図である。 X線透視撮影装置に用いられている側面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。 平面視したフラットパネル型X線検出器の等価回路である。 実施例1に係る非照射信号取得部や照射信号取得部やラグ補正部やX線画像取得部による一連の信号処理を示すフローチャートである。 (a)、(b)は、各X線の照射およびX線検出信号の取得に関するタイミングチャートである。 実施例1,2に係る画像処理部およびメモリ部に関するデータの流れを示した概略図である。 実施例2に係る非照射信号取得部や照射信号取得部やラグ補正部やX線画像取得部による一連の信号処理を示すフローチャートである。 実施例3に係る画像処理部およびメモリ部に関するデータの流れを示した概略図である。 実施例3に係る非照射信号取得部や照射信号取得部やラグ補正部やX線画像取得部による一連の信号処理を示すフローチャートである。 各実施例での第2補正データを表す第1X線検出信号の関数を事前に決定するための第1照射のラグについて模式的に示した説明図である。 各々の第1X線検出信号の値(輝度)の取得について模式的に示した説明図であって、(a)はファントムの走査方向に関する図であって、(b)はファントムの走査方向に対する輝度の変化に関する図である。 第1照射の照射条件として2つの第1照射パルス幅での第1X線検出信号の値(輝度)と第1X線検出信号に対する第2補正データの比とを対応させた第1関数を模式的に示したグラフである。 新たなる第1照射のパルス幅での第1X線検出信号の関数(第2関数)を決定するために、第1照射パルス幅と第1X線検出信号に対する第2補正データの比とを対応させて模式的に示したグラフである。 新たなる第1照射のパルス幅での第2関数を図12に加えたグラフである。 新たなる第1照射のパルス幅での第1X線検出信号の関数を決定するために、第1照射パルス幅と第1X線検出信号に対する第2補正データの比とを対応させて模式的に示した図13とは別のグラフである。 新たなるX線検出信号の蓄積時間での第1X線検出信号の関数(第2関数)を決定するために、蓄積時間と第1X線検出信号に対する第2補正データの比とを対応させて模式的に示したグラフである。 新たなる第1照射のパルス強度での第1X線検出信号の関数(第2関数)を決定するために、第1照射パルス強度と第1X線検出信号に対する第2補正データの比とを対応させて模式的に示したグラフである。 1つの画像に対してX線の2回照射を行う場合のタイミングチャートである。 図18にラグ成分を重畳させたタイミングチャートである。
符号の説明
2 … X線管
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
9a … 非照射信号取得部
9b … 照射信号取得部
9c … ラグ補正部
9d … X線画像取得部
9A … 補正データ変換部
14a … 第1関数決定部
14b … 第2関数決定部
I … X線検出信号
B … 第2補正データ
M … 被検体

Claims (6)

  1. 放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、(1)放射線検出手段から検出された複数の放射線検出信号を撮像における放射線の照射時に取得する照射信号取得手段と、(2) 非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、前記第1照射において前記照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、前記第2照射において照射信号取得手段で取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号としたときに、前記2回の照射よりも事前に、複数の第1照射の照射条件あるいは収集条件で前記第1放射線検出信号の値をそれぞれ変えて、第1放射線検出信号に基づく補正データと各々の第1放射線検出信号の値とを対応させて前記第1照射の照射条件あるいは収集条件と同数の第1放射線検出信号の関数を決定する第1関数決定手段と、(3)その第1関数決定手段で決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件あるいは収集条件での第1放射線検出信号の関数を決定する第2関数決定手段と、(4)第1関数決定手段または第2関数決定手段で決定された第1放射線検出信号の関数によって第1放射線検出信号から前記第1放射線検出信号に基づく補正データに変換する補正データ変換手段と、(5) 照射信号取得手段で取得された前記第2放射線検出信号には照射信号取得手段で取得された第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、前記補正データ変換手段で変換された第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行うラグ補正手段と、(6) 第1放射線検出信号およびそのラグ補正手段によってラグ補正された第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する放射線画像取得手段とを備えていることを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 被検体を照射して検出された放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、前記信号処理は、(a) 非照射を挟んで2回の照射を行う際に、先の照射を第1照射とするとともに、後の照射を第2照射とし、前記第1照射において取得された放射線検出信号を第1放射線検出信号とするとともに、前記第2照射において取得された放射線検出信号を第2放射線検出信号としたときに、前記2回の照射よりも事前に、複数の第1照射の照射条件あるいは収集条件で前記第1放射線検出信号の値をそれぞれ変えて、第1放射線検出信号に基づく補正データと各々の第1放射線検出信号の値とを対応させて前記第1照射の照射条件あるいは収集条件と同数の第1放射線検出信号の関数を決定する第1関数決定工程と、(b) その第1関数決定工程で決定された複数の第1放射線検出信号の関数に基づいて、新たなる第1照射の照射条件あるいは収集条件での第1放射線検出信号の関数を決定する第2関数決定工程と、(c) 第1関数決定工程または第2関数決定工程で決定された第1放射線検出信号の関数によって第1放射線検出信号から前記第1放射線検出信号に基づく補正データに変換する補正データ変換工程と、(d)第1放射線検出信号を撮像における第1照射時に取得する第1照射信号取得工程と、(e)第2放射線検出信号を撮像における第2照射時に取得する第2照射信号取得工程と、(f)その第2照射信号取得工程で取得された前記第2放射線検出信号には、前記第1照射信号取得工程で取得された第1放射線検出信号によるラグ成分が含まれているとして、前記補正データ変換工程で変換された第1放射線検出信号に基づく補正データを用いて第2放射線検出信号からラグ除去して、第2放射線検出信号に対するラグ補正を行うラグ補正工程と、(g) 第1放射線検出信号およびそのラグ補正工程でラグ補正された第2放射線検出信号を用いてサブトラクションを行うことで放射線画像を取得する放射線画像取得工程とを備えていることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  3. 請求項2に記載の放射線検出信号処理方法において、前記第2関数決定工程では、前記第1関数決定工程で決定された第1放射線検出信号の関数での複数の条件のうち、前記新たなる条件に近い条件での第1放射線検出信号の関数を選択して、その選択された条件での第1放射線検出信号の関数に基づいて、その新たなる条件での第1放射線検出信号の関数を決定することを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  4. 請求項2に記載の放射線検出信号処理方法において、前記照射条件は前記第1照射のパルス幅であって、前記第2関数決定工程では、新たなる第1照射のパルス幅での第1放射線検出信号の関数を決定することを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  5. 請求項2に記載の放射線検出信号処理方法において、前記照射条件は前記第1照射のパルス強度であって、前記第2関数決定工程では、新たなる第1照射のパルス強度での第1放射線検出信号の関数を決定することを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  6. 請求項2に記載の放射線検出信号処理方法において、前記収集条件は前記第1照射の終了から前記第2照射の開始までの放射線検出信号の蓄積時間であって、前記第2関数決定工程では、新たなる蓄積時間での第1放射線検出信号の関数を決定することを特徴とする放射線検出信号処理方法。

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