JP2006034509A - 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 放射線検出手段から取り出された放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を十分に除去することができる放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法を提供する。
【解決手段】 再帰的演算処理部15がFPD4の各検出素子から得られるX線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、係数変更部17がX線検出信号を出力した検出素子に対応してインパルス応答係数を変える。したがって、検出素子によってX線検出信号に含まれる時間遅れ分が異なっても、時間遅れ分を精度よくインパルス応答によって近似できる。よって、X線検出信号から十分に時間遅れ分を除去することができ、これから取得される放射線画像に偽像が発生することを防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 再帰的演算処理部15がFPD4の各検出素子から得られるX線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、係数変更部17がX線検出信号を出力した検出素子に対応してインパルス応答係数を変える。したがって、検出素子によってX線検出信号に含まれる時間遅れ分が異なっても、時間遅れ分を精度よくインパルス応答によって近似できる。よって、X線検出信号から十分に時間遅れ分を除去することができ、これから取得される放射線画像に偽像が発生することを防止することができる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、放射線を検出して得られる放射線検出信号に基づいて放射線画像を取得する放射線撮像装置及び放射線検出信号処理方法に係り、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を十分に除去するための技術に関する。
放射線撮像装置の代表的な装置のひとつである医用X線透視撮影装置において、最近、放射線検出手段としてフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)を搭載するものが多い。
被検体からの透過X線像が投影されるFPDの検出面には、X線感応型の半導体膜と、二次元マトリクス状に配列される複数個(たとえば、縦1536個×横1536個)の検出素子とを有する。
FPDにX線が入射すると、半導体膜においてX線から電荷に変換される。この電荷を各検出素子から電荷情報として読み出す。
読み出される各電荷情報は、A/Dコンバータによりデジタル化される。本明細書では、デジタル化された電荷情報を、X線線検出信号と区別して呼ぶ。これら複数個の放射線検出信号を基にX線画像1枚分が生成される。なお、X線画像を構成する画素は、検出素子と対応関係にある。
しかしながら、検出素子から得られるX線検出信号には、検出素子が検出するX線に対して、いわゆる時間遅れ分が含まれる。したがって、検出素子からX線検出信号を所定時間(サンプリング時間間隔)内に十分に取り出すことができない。取り出し切れない信号は、そのまま検出素子に残り、次回以降のX線撮影におけるX線検出信号に重畳される。かかるX線検出信号に基づいてX線画像を取得すると、残像等の偽像が発生する等の不都合が生じる。
このFPDの時間遅れ問題に対しコンピュータ断層画像(CT画像)の取得の場合において、FPDからサンプリング時間間隔Δtで取り出される放射線検出信号から時間遅れ分を演算処理で除去する技術が提案されている(特許文献1と特許文献2を参照)。
米国特許第5249123号(明細書中の数式および図面)
米国特許第5517544号(明細書中のクレームおよび図面)
しかしながら、発明者らが上記米国特許明細書が提案する演算処理技術を適用実施してみたところでは、時間遅れに起因するアーティファクトが回避されず、かつ、まともなX線画像も得られないという結果しか得られず、FPDの時間遅れは解消されないことが確認された。
また、FPDの時間遅れ問題に対し、米国特許明細書第5517544号では、CT画像の取得の場合において、FPDの時間遅れ分を1個の指数関数で近似するものとしてX線検出信号から時間遅れ分を演算処理で除去する技術が提案されている。しかし、発明者らが上記米国特許明細書が提案する演算処理技術を鋭意検討した結果、FPDの時間遅れ分を1個の指数関数で近似することは無理があり、やはりFPDの時間遅れ問題は解消されないことが確認された。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、放射線検出手段から取り出された放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を十分に除去することができる放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、発明者らは特願2003−033389号を出願している。この出願によれば、このFPDの時間遅れに対して、次の再帰式A〜Cにより、FPDのインパルス応答に起因する時間遅れを除去している。
Xk =Yk −Σn=1 N [αn ・〔1−exp(Tn ) 〕・exp(Tn )・Snk]…A
Tn =−Δt/τn …B
Snk=Xk-1 +exp(Tn )・Sn(k-1)…C
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
Yk :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
Xk :Yk から時間遅れ分を除去した遅れ除去放射線検出信号
Xk-1 :一時点前のXk
Sn(k-1):一時点前のSn
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn :指数関数nの強度
τn :指数関数nの減衰時定数
インパルス応答係数である、Nとαnとτnとは、任意の検出素子(たとえば、検出面の中央に位置する検出素子1個)を代表として、これから得られる放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を測定することにより事前に求めておく。このインパルス応答係数(N,αn、τn)を用いて、その他の検出素子から得られる放射線検出信号Yk について、式A〜Cによる再帰式的演算を行い、時間遅れ分を除去したXkを算出する。
Tn =−Δt/τn …B
Snk=Xk-1 +exp(Tn )・Sn(k-1)…C
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
Yk :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
Xk :Yk から時間遅れ分を除去した遅れ除去放射線検出信号
Xk-1 :一時点前のXk
Sn(k-1):一時点前のSn
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn :指数関数nの強度
τn :指数関数nの減衰時定数
インパルス応答係数である、Nとαnとτnとは、任意の検出素子(たとえば、検出面の中央に位置する検出素子1個)を代表として、これから得られる放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を測定することにより事前に求めておく。このインパルス応答係数(N,αn、τn)を用いて、その他の検出素子から得られる放射線検出信号Yk について、式A〜Cによる再帰式的演算を行い、時間遅れ分を除去したXkを算出する。
しかしながら、本発明者は、各検出素子から得られる放射線検出信号に含まれる時間遅れ分は互いに一様でない場合があることを知見した。検出素子によって時間遅れ分にむらが発生すると、適切に時間遅れ分を除去できなくなる。たとえば、上述する再帰式的演算により、放射線検出信号から時間遅れ分を引き足りない、または引き過ぎることになる。これにより、十分に偽像を消去できず、または新たな偽像を招き、不都合が生じる。
このような知見に基づくこの発明は、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、複数個の検出素子を有し、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、を備えて、各検出素子から得られる放射線検出信号に基づいて放射線画像を取得する放射線撮像装置において、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分をインパルス応答係数に基づく指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして放射線検出信号について再帰的演算処理を行い、各放射線検出信号から時間遅れ分を除去する時間遅れ除去手段を備え、前記時間遅れ除去手段は、放射線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、この放射線検出信号を出力した検出素子に対応してインパルス応答係数を変えることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、放射線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、放射線検出信号を出力した検出素子に対応してインパルス応答係数を変える。したがって、検出素子によって各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分(の特性)が異なっても、各検出素子に応じて変えるインパルス応答係数を用いることで、時間遅れ分を精度よくインパルス応答によって近似できる。したがって、再起的演算処理を行うときに、各放射線検出信号について一律のインパルス応答係数を用いる場合に比べて、放射線検出信号から時間遅れ分を適切に除去することができる。したがって、取得される放射線画像に偽像が発生することを防止することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線撮像装置において、各検出素子に対応付けられるインパルス応答係数は、各検出素子から得られる放射線検出信号に含まれる時間遅れ分の測定結果に基づいて求められることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、各検出素子から得られる放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を実際に測定にし、この結果に基づいてインパルス応答係数を求めるので、時間遅れ分を確実にインパルス応答によって近似できる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の放射線撮像装置において、各検出素子に対応付けられるインパルス応答係数は、さらに照射される放射線の線量に応じて可変であることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分(の特性)が、照射される放射線の線量に応じて変わる場合であっても、時間遅れ分を確実にインパルス応答によって近似するように対応することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射線撮像装置において、複数のインパルス応答係数を各検出素子に対応付けて記憶している記憶手段を備え、前記時間遅れ除去手段は、放射線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、この放射線検出信号を出力した検出素子に対応付けられるインパルス応答係数を記憶手段から読み出すことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、記憶手段を備えることで、より適切に検出素子に対応してインパルス応答係数を変えることができる。
また、請求項5に記載の発明は、被検体に向けて放射線を照射して、被検体を透過する放射線を複数個の検出素子により検出して得られた各放射線検出信号に基づいて放射線画像を取得する放射線検出信号処理方法において、放射線検出信号ごとに、これを出力した検出素子に応じたインパルス応答係数を設定する過程と、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を設定されたインパルス応答係数に基づく指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして各放射線検出信号について再帰的演算処理を行い、時間遅れ分を除去する過程とを有し、時間遅れ分が除去された放射線検出信号から放射線画像を生成することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、得られた放射線検出信号に基づいて、これを出力した検出素子に応じたインパルス応答係数を設定する。そして、この放射線検出信号信号について、設定されたインパルス応答係数を用いて再起的演算処理を行い時間遅れ分を除去する。検出素子によって各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分の特性が異なっても、検出素子に応じて設定されるインパルス応答係数を用いたインパルス応答は、この時間遅れ分に精度よく近似される。したがって、再起的演算処理を行うときに、各放射線検出信号について一律のインパルス応答係数を用いる場合に比べて、放射線検出信号から時間遅れ分を適切に除去することができる。したがって、取得される放射線画像に偽像が発生することを防止することができる。
なお、本明細書は、次のような放射線撮像装置に係る発明も開示している。
(1)被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、複数個の検出素子を有し、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段であって、検出素子の放射線の入射側に、検出素子を保護するモールド層が形成されているものとを備えて、各検出素子から得られる放射線検出信号に基づいて放射線画像を取得する放射線撮像装置において、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分をインパルス応答係数に基づく指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして放射線検出信号について再帰的演算処理を行い、各放射線検出信号から時間遅れ分を除去する時間遅れ除去手段を備え、前記時間遅れ除去手段は、放射線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、この放射線検出信号を出力した検出素子の位置におけるモールド層の厚さに基づいてインパルス応答係数を変えることを特徴とする放射線撮像装置。
放射線検出信号に含まれる時間遅れ分と検出素子の位置におけるモールド層の厚さとは、所定の相関関係を有する場合がある。前記(1)に記載の発明によれば、モールド層の厚さに基づいてインパルス応答係数を求める。これにより、各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を実際に測定する場合に比べて、簡易に各検出素子に応じてインパルス応答係数を変えることができる。
(2)被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、複数個の検出素子を有し、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段とを備えて、各検出素子から得られる放射線検出信号に基づいて放射線画像を取得する放射線撮像装置において、放射線検出手段に光を照射する光照射手段と、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分をインパルス応答係数に基づく指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして放射線検出信号について再帰的演算処理を行い、各放射線検出信号から時間遅れ分を除去する時間遅れ除去手段を備え、前記時間遅れ除去手段は、各放射線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、放射線検出信号が得られた検出素子の位置における照度に基づいてインパルス応答係数を変えることを特徴とする放射線撮像装置。
前記(2)に記載の発明によれば、光照射手段が光を照射することで、各検出素子は感度変動を起こすことなく放射線を検出することができる。ここで、全検出素子にわたり光の照射むらが生じる場合にあっては、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分と検出素子の位置における照度とは、所定の相関関係を有するときがある。前記(2)に記載の発明によれば、照度に基づいてインパルス応答係数を求める。これにより、各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を実際に測定する場合に比べて、簡易に各検出素子に応じてインパルス応答係数を変えることができる。
この発明に係る放射線撮像装置によれば、検出素子によって各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分の特性が異なっても、各検出素子に応じて変えるインパルス応答係数を用いることで、時間遅れ分を精度よくインパルス応答によって近似できる。したがって、再起的演算処理を行うときに、各放射線検出信号について一律のインパルス応答係数を用いる場合に比べて、放射線検出信号から時間遅れ分を適切に除去することができる。よって、取得される放射線画像に偽像が発生することを防止することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線透視撮像装置の全体構成を示すブロック図である。本実施例では、放射線撮像装置としてX線透視撮像装置を例に採って説明する。
X線透視撮影装置の撮像部1は、被検体Mを載置する天板2と、被検体Mに向けてX線を照射するX線管3と、複数個の検出素子により、被検体Mを透過したX線を検出するフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)4とを備えている。X線管3とFPD4は、それぞれこの発明における放射線照射手段と放射線検出手段に相当する。
X線透視撮影装置は、他に、天板2やX線管3やFPD4を移動させる移動制御部5と、X線管3の管電圧や管電流を制御するX線管制御部6と、FPD4の電荷情報を読み出し制御するFPD制御部7と、各検出素子から読み出された電荷情報をデジタル化してX線検出信号に変換するA/D変換器11と、X線検出信号からこれに含まれる時間遅れ分を除去する時間遅れ除去部13と、時間遅れ除去部13に与える各種情報を記憶する記憶部21と、時間遅れ分が除去されたX線検出信号からX線画像を生成する画像生成部23とを備えている。さらに、時間遅れ除去部13は、再帰的演算処理部15と係数変更部17とを備えている。
X線管3とFPD4とは、被検体Mを挟んで対向配置される。移動制御部5は、この状態が保たれるようにX線管3とFPD4とを水平移動させたり、回転移動させる。X線管3は、X線管制御部6の制御に基づいて被検体Mに所定線量のX線を照射する。
図2は、FPD4の要部の垂直断面図である。図示するようにX線の入射側から順に、印加電極31とX線感応型の半導体膜33とキャリア収集電極35とアクティブマトリクス基板37とが積層されている。キャリア収集電極35は、二次元マトリクス状に分離形成されている。
アクティブマトリクス基板37には、キャリア収集電極35ごとに電荷情報を蓄積するコンデンサCaと、この電荷情報を取り出すスイッチ素子である薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistors))Trとが分離形成されている。また、各薄膜トランジスタTrのゲートに接続されるゲートバスライン41と、各薄膜トランジスタTrのドレインに接続されるデータバスライン43とが形成されている。
印加電極31にバイアス電圧を印加した状態でFPD4にX線が入射すると、半導体膜33において電荷が発生し、この電荷は各キャリア収集電極35を介してコンデンサCaに蓄積される。ゲートバスライン41は、図示省略のゲートドライバからの走査信号を送信し、薄膜トランジスタTrのゲートに入力する。これによって、オン状態に移行した薄膜トランジスタTrを経由して、コンデンサCaに蓄積された電荷情報がデータバスライン43に読み出される。なお、FPD制御部7はかかる電荷情報の読出し動作制御をX線の照射に対応して行う。
このように、1組のキャリア収集電極35とコンデンサCaと薄膜トランジスタTrとは、電荷情報を出力する1個の検出素子を構成する。
したがって、FPD4の検出面には、図3に示すように、多数個の検出素子dが二次元マトリクス状に配列されている。たとえば、縦30cm×横30cm程の広さの検出面に縦1536個×横1536個の検出素子dが配列されている。なお、各検出素子dは、生成されるX線画像を構成する各画素と対応関係にある。以下の説明では、FPD4の検出面に検出素子dがn行×m列で、(n×m)個配置されているものとし、また、検出素子dijと表記したときは、i(iは1からnまでの整数)行目であってj(jは1からmまでの整数)列目の1個の検出素子を指すものとする。
上述するデータバスライン43には、図示省略の増幅器等を介してA/D変換器11に接続される。A/D変換器11は、各検出素子dijから出力された電荷情報をデジタル化して、X線検出信号として出力する。
時間遅れ除去部13は、X線検出信号を収集して、これら各X線検出信号に含まれる時間遅れ分を除去する。時間遅れ除去部13は、この発明における時間遅れ除去手段に相当する。
再帰的演算処理部15は、X線検出信号に含まれる時間遅れ分を、インパルス応答係数に基づく指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして、X線検出信号について再帰的演算処理を行う。
より具体的に説明する。図4に示すように、サンプリング時間間隔Δtごとにサンプリングした時系列内のk番目の各時点において、各検出素子dijからX線検出信号Ykijが時間遅れ除去部13に収集される。
各X線検出信号Ykijには、時間遅れ分が含まれている。図5を参照する。時間遅れ分は、時刻t0から時刻t1までの間、X線を照射したときに得られるX線検出信号のうち、X線の入射に対して遅れて出力されるもの(図5(b)、(c)において、斜線で示す部分)である。
再帰的演算処理部15は、各X線検出信号Ykijから時間遅れ分を除去するため、次式(1)〜(3)を利用して再帰的演算処理を行う。
Xkij =Ykij −Σn=1 N [αn ・〔1−exp(Tn ) 〕・exp(Tn )・Snk]…(1)
Tn =−Δt/τn …(2)
Snk=X(k-1)ij +exp(Tn )・Sn(k-1)…(3)
但し,Δt:サンプリング時間間隔
k :サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
Ykij :k番目のサンプリング時点で、検出素子dijから得られたX線検出信号
Xkij :Ykij から時間遅れ分を除去した補正信号
X(k-1)ij :一時点前のXkij
Sn(k-1):一時点前のSn
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn :指数関数nの強度
τn :指数関数nの減衰時定数
特に、Nとαn とτnとを併せた合計(2N+1)個の係数の組を、「インパルス応答係数」という。
Tn =−Δt/τn …(2)
Snk=X(k-1)ij +exp(Tn )・Sn(k-1)…(3)
但し,Δt:サンプリング時間間隔
k :サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
Ykij :k番目のサンプリング時点で、検出素子dijから得られたX線検出信号
Xkij :Ykij から時間遅れ分を除去した補正信号
X(k-1)ij :一時点前のXkij
Sn(k-1):一時点前のSn
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn :指数関数nの強度
τn :指数関数nの減衰時定数
特に、Nとαn とτnとを併せた合計(2N+1)個の係数の組を、「インパルス応答係数」という。
数式(1)の第2項の『Σn=1 N [αn ・〔1−exp(Tn ) 〕・exp(Tn )・Snk]』(以下、適宜「インパルス応答」という)が時間遅れ分に該当し、この時間遅れ分を除去したX線検出信号(以下、「補正信号」という)Xkij が数式(1)〜数式(3)という簡潔な漸化式によって速やかに求められる。
また、この時間遅れ分は、各検出素子dijに応じて異なる場合がある。すなわち、FPD4の検出面に配列される各検出素子dijすべてが一律の時間遅れ分とはならず、検出素子dijごとにそれぞれ異なる時間遅れ分が含まれる場合がある。その様子を図5(b)、(c)に模式的に示す。
インパルス応答係数は、時間遅れ分を近似するインパルス応答を規定するものであるので、時間遅れ分が検出素子dijに応じて異なるときはインパルス応答係数も検出素子dijに応じて異なってくる。
そこで、係数変更部17は、処理対象のX線検出信号Ykijに対して、これを出力する検出素子dijに対応するインパルス応答係数に変更する。そして、変更したインパルス応答係数を再帰的演算処理部15に設定するように構成される。
本実施例では、係数変更部17は、処理対象のX線検出信号Ykijに基づいて、記憶部21からインパルス応答係数を読み出すように構成される。
この記憶部21には、予め、インパルス応答係数が各検出素子dijに対応付けて記憶されている。記憶部21は、この発明における記憶手段に相当する。
図6(a)、(b)は、記憶部21が記憶する情報の構成を例示する模式図である。図6(a)は、各検出素子dijと、これに対応付けられたインパルス応答係数とを情報として表形式で有している。これにより、各検出素子dijごとに種々をインパルス応答係数を読み出すことができる。
また、図6(b)は、各検出素子dijに二つの領域Aと領域Bを対応付けたテーブルと、領域A、Bにインパルス応答係数を対応付けたテーブルとを有する。双方のテーブルは、領域によって互いに関連付けられている。これにより、各検出素子dijに応じて、それが含まれる領域に対応付けられるインパルス応答係数を選択して読み出すことができる。
次に、本実施例に係るX線透視撮像装置の各種動作を説明する。
先ず、図7を参照してX線撮影の手順を説明する。
<ステップS1> X線未照射でのX線検出信号の収集
X線未照射の状態で、FPD4の各検出素子dijからサンプリング時間間隔Δt(例えば、Δt=1/30秒)で電荷情報を読み出す。読み出した各電荷情報を、A/D変換器11でデジタル化する。そして、X線画像1枚分のX線検出信号Ykijを時間遅れ除去部13が収集する。
X線未照射の状態で、FPD4の各検出素子dijからサンプリング時間間隔Δt(例えば、Δt=1/30秒)で電荷情報を読み出す。読み出した各電荷情報を、A/D変換器11でデジタル化する。そして、X線画像1枚分のX線検出信号Ykijを時間遅れ除去部13が収集する。
<ステップS2> X線照射時のX線検出信号の収集
X線管制御部6の制御に基づき、X線管3は連続ないし断続的に被検体MにX線を照射する。X線の照射と並行して、FPD4の各検出素子dijからサンプリング時間間隔Δtで電荷情報を読み出す。読み出した各電荷情報を、A/D変換器11がデジタル化し、X線検出信号Ykijを時間遅れ除去部13に出力する。結果、サンプリング時間間隔Δtごとに、X線画像1枚分に相当する(n×m)個のX線検出信号Ykij を時間遅れ除去部13が収集する。
X線管制御部6の制御に基づき、X線管3は連続ないし断続的に被検体MにX線を照射する。X線の照射と並行して、FPD4の各検出素子dijからサンプリング時間間隔Δtで電荷情報を読み出す。読み出した各電荷情報を、A/D変換器11がデジタル化し、X線検出信号Ykijを時間遅れ除去部13に出力する。結果、サンプリング時間間隔Δtごとに、X線画像1枚分に相当する(n×m)個のX線検出信号Ykij を時間遅れ除去部13が収集する。
<ステップS3> インパルス応答係数の変更・設定
係数変更部17は、各X線検出信号Ykijに基づき、これを出力した検出素子dijに対応付けられるインパルス応答係数(N,αn,τn )を記憶部21から読み出す。そして、再帰的演算処理部15に対して、読み出したインパルス応答係数に変更して設定する。
係数変更部17は、各X線検出信号Ykijに基づき、これを出力した検出素子dijに対応付けられるインパルス応答係数(N,αn,τn )を記憶部21から読み出す。そして、再帰的演算処理部15に対して、読み出したインパルス応答係数に変更して設定する。
<ステップS4> 時間遅れ分の除去
再帰的演算処理部15は、設定されたインパルス応答係数(N,αn,τn )を用いた数式(1)〜数式(3)によって、X線検出信号Ykijについて再帰的演算処理を行う。これにより、X線検出信号Ykijから時間遅れ分を除去し、補正信号Xkijとして画像生成部23に出力する。
再帰的演算処理部15は、設定されたインパルス応答係数(N,αn,τn )を用いた数式(1)〜数式(3)によって、X線検出信号Ykijについて再帰的演算処理を行う。これにより、X線検出信号Ykijから時間遅れ分を除去し、補正信号Xkijとして画像生成部23に出力する。
<ステップS5> 未処理のX線検出信号はないか?
未処理のX線検出信号YkijがあればステップS2に戻り、未処理のX線検出信号が残ってなければ、ステップS6に進む。
未処理のX線検出信号YkijがあればステップS2に戻り、未処理のX線検出信号が残ってなければ、ステップS6に進む。
<ステップS6> X線画像の生成
画像生成部23は、X線画像1枚分に相当する(n×m)個の補正信号Xkij に基づいて、1枚のX線画像を生成する。
画像生成部23は、X線画像1枚分に相当する(n×m)個の補正信号Xkij に基づいて、1枚のX線画像を生成する。
<ステップS7> X線照射は終了か?
X線の照射が終了であればX線撮影を終了し、X線照射が終了でなければステップS2に戻る。
X線の照射が終了であればX線撮影を終了し、X線照射が終了でなければステップS2に戻る。
なお、再帰的演算処理部15は、サンプリング時間間隔Δt(例えばΔt=1/30秒)ごとに、X線画像1枚分に相当する(n×m)個のX線検出信号Ykij を処理し、補正信号Xkij を出力する。また、画像生成部23は、サンプリング時間間隔Δtごとに、1枚分のX線画像を生成する。したがって、1秒間にX線画像を30枚程度のスピードで作成可能である。また作成されたX線画像を連続表示することで、X線画像の動画表示が行える。
次に、図7におけるステップS4の「時間遅れ分の除去」の処理操作を、図8のフローチャートを用いて説明する。図7は時間遅れ分を除去する再帰的演算処理プロセスを示すフローチャートである。
<ステップT1> k=0とセットされて,数式(1)のX0 ,ij=0,数式(3)のSn0=0がX線照射前の初期値として全てセットされる。指数関数の数が3個(N=3)の場合は、S10,S20,S30が全て0にセットされることになる。
<ステップT2> 数式(1)、数式(3)でk=1とセットされる。数式(3)、つまりSn1=X0,ij +exp(Tn )・Sn0にしたがってS11,S21,S31が求められ、さらに求められたS11,S21,S31とX線検出信号Y1,ij が数式(1)に代入されることで補正信号X1 ,ijが算出される。
<ステップT3> 数式(1)、数式(3)でkを1だけ増加(k=k+1)した後、続いて数式(3)に1時点前のXk-1,ij が代入されてS1k,S2k,S3kが求められ、さらに求められたS1k,S2k,S3kとX線検出信号Ykij が数式(1)に代入されることで補正信号Xkij が算出される。
<ステップT4> 未処理のX線検出信号Ykij があれば、ステップT3に戻り、未処理のX線検出信号Ykij がなければ、次のステップT5に進む。
<ステップT5> 1回のサンプリング分(X線画像1枚分)の補正信号Xkij が算出され、1回の撮影分についての再帰的演算処理が終了となる。
次に、記憶部21に予め記憶されている、インパルス応答係数と各検出素子dijとの対応関係を求める動作を説明する。図9は、この動作のフロー図である。
<ステップU1> 線量を設定し、X線を照射する
X線管制御部6は、X線管3の管電圧や管電流を制御し照射するX線の線量を設定する。X線管3は、設定された線量のX線を照射する。
X線管制御部6は、X線管3の管電圧や管電流を制御し照射するX線の線量を設定する。X線管3は、設定された線量のX線を照射する。
<ステップU2> X線検出信号を得る
FPD4にX線が入射し、各検出素子dijから電荷情報が読み出される。この電荷情報をA/D変換器11によりデジタル化したX線検出信号Yijを得る。
FPD4にX線が入射し、各検出素子dijから電荷情報が読み出される。この電荷情報をA/D変換器11によりデジタル化したX線検出信号Yijを得る。
<ステップU3> 時間遅れ分を測定する
X線検出信号Yijに含まれる時間遅れ分をそれぞれ測定する。
X線検出信号Yijに含まれる時間遅れ分をそれぞれ測定する。
<ステップU4> インパルス応答係数を求める
インパルス応答が時間遅れ分に近似するように、インパルス応答係数を求める。
インパルス応答が時間遅れ分に近似するように、インパルス応答係数を求める。
<ステップU5> 記憶部21に記憶する
求めたインパルス応答係数を、検出素子dijに対応付けて記憶する。
求めたインパルス応答係数を、検出素子dijに対応付けて記憶する。
<ステップU6> 全ての検出素子についておこなったか?
すべての検出素子dijについて行っていれば終了し、すべての検出素子dijについて行っていなければステップU2に戻る。
すべての検出素子dijについて行っていれば終了し、すべての検出素子dijについて行っていなければステップU2に戻る。
なお、このようにして求めるインパルス応答係数は、各検出素子dijに応じて2種類以上であればよい。また、検出素子dijごとに、全て異なるインパルス応答係数としてもよい。
以上のように、本実施例にかかるX線透視撮影装置によれば、各検出素子dijによって各X線検出信号Ykijに含まれる時間遅れ分(の特性)が異なっても、各検出素子dijに応じてインパルス応答係数を変更・設定するので、時間遅れ分を精度よくインパルス応答によって近似できる。したがって、再起的演算処理を行うときに、各X線検出信号Ykijについて一律のインパルス応答係数を用いる場合に比べて、X線検出信号Ykijから時間遅れ分を適切に除去することができる。したがって、取得される放射線画像に偽像が発生することを防止することができる。
また、記憶部21に予め記憶されているインパルス応答係数は、各検出素子dijから得られるX線検出信号Yijに含まれる時間遅れ分を実際に測定にし、この結果に基づいて求めているので、時間遅れ分を確実にインパルス応答によって近似できる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、各検出素子dijに対応付けられるインパルス応答係数を所定の線量のX線を照射した状態で、時間遅れ分を実測することにより求めていた。しかし、時間遅れ分は、X線の線量に応じて変化する場合がある。そこで、各検出素子dijについて、複数種類の線量のX線を照射して時間遅れ分を実測してもよい。そして、この結果に基づいて、各検出素子dijについて、X線の線量に応じて複数種類のインパルス応答係数を対応付けるようにしてもよい。
(2)上述した実施例では、各検出素子dijに対応付けられるインパルス応答係数を時間遅れ分の測定結果に基づいて求めていたが、これに限られない。
(2−1)本発明者は、各検出素子dijを保護するために形成されるモールド層の厚さと、時間遅れ分との間に一定の相関関係を有することを知見した。
図10を参照する。図10(a)は、FPD4の外観を模式的に示す斜視図であり、図10(b)は、FPD4の全体の垂直断面図である。図示するように、FPD4は、印加電極31と半導体膜33と検出素子dijとアクティブマトリクス基板37等を、筐体55内に収容している。筐体55は、その上面と下面とをそれぞれ構成する蓋材55aと底材55cと、四周側面を構成するスペーサとしての枠材55bとを有する。なお、検出素子dは、分離形成されている。
筐体55内に生じる空間には、ゲル状の物質を充填したモールド層51が形成されている。モールド層51は、衝撃や振動を吸収し、上述した半導体膜35や検出素子d等を保護する機能を有する。なお、電気的絶縁性を有して、印加電極31を封止する機能を備えるようにしてもよい。ゲル状の物質としては、エポキシ系樹脂組成物等の樹脂を主材としたものが例示される。
ゲル状の物質を充填しモールド層51を形成する製造過程においては、ローラーによりゲル状の物質を貼る等の作業を行うため、いわゆる「貼りむら」が生じる。図10においては、この貼りむらによってモールド層51の厚さ(高さ)が不均一な状態を模式的に示している。ここで、符号「51a」を付したモールド層51の厚さをhaとし、符号「51b」を付したモールド層51の厚さをhbとする。
そして、本発明者は、X線検出信号Ykijに含まれる時間遅れ分も、このモールド層51の厚さに影響を受けて、不均一になることを知見した。ここで、時間遅れ分とモールド層51の厚さとの間に相関関係が存在する場合は、インパルス応答係数とモールド層51の厚さとの間にも相関関係が存在する。
したがって、図11に示すように記憶部21を構成してもよい。すなわち、検出素子dijの位置におけるモールド層51の厚さを、その検出素子dijに対応付けたテーブルと、インパルス応答係数を、そのモールド層51に厚さに対応付けたテーブルとを備えて、双方のテーブルはモールド層51の厚さによって関連付けられているように構成してもよい。
このような変形例によれば、各X線検出信号Ykijに含まれる時間遅れ分を実際に測定する場合に比べて、モールド層51の厚さを測定するのみで簡易に各検出素子dijに応じてインパルス応答係数を変えることができる。
(2−2)また、本発明者は、FPD4が半導体膜33に光を照射する光源部を備える構成の場合は、その照射むら(照度)と時間遅れ分とが一定の相関関係を有することを知見した。
図12は、光源部を有するFPD4の要部の垂直断面図である。図示するように、アクティブマトリクス基板37の背面側に光を照射する光源部61を備えている。光源部61としては、例えば、発光ダイオードを内部に面実装した透明プレート等が例示される。光源部61は、この発明における光照射手段に相当する。
光源部61は光を上方に照射し、照射された光はアクティブマトリクス基板37を透過して半導体層33に到達する。半導体層33内においては、入射する光によって所定量の電荷が発生する。これにより、X線照射の開始時や終了時に感度変動を起こすことを防止することができる。
しかし、FPD4の検出面が広くなるほど、半導体層33を均一に照射することが困難となる。そして、本発明者は、X線検出信号Ykijに含まれる時間遅れ分も、この照射むらの影響を受けて不均一になることを知見した。ここで、時間遅れ分と照度との間に相関関係が存在する場合は、インパルス応答係数と照度との間にも相関関係が存在する。
したがって、図13に示すように記憶部21を構成してもよい。すなわち、光源部61による光照射時において、検出素子dijの位置における照度を、その検出素子dijに対応付けたテーブルと、インパルス応答係数を、照度に対応付けたテーブルとを備えて、双方のテーブルは照度によって関連付けられているように構成してもよい。なお、図13に例示する構成においては、検出素子dijの位置における照度を便宜上La、Lbの2種類に分けている。
このような変形例によれば、各X線検出信号Ykijに含まれる時間遅れ分を実際に測定する場合に比べて、照度を測定するのみで簡易に各検出素子dijに応じてインパルス応答係数を変えることができる。
(3)上述した実施例では、放射線検出手段がFPD4であったが、X線検出信号に時間遅れ分が含まれる放射線検出手段であればこの発明を用いることができる。
(4)上述した実施例では、X線透視撮影装置であったが、この発明はX線CT装置のようにX線透視撮影装置以外のものにも適用することができる。
(5)上述した実施例では、放射線としてX線を用いる装置であったが、この発明は、X線に限らず、X線以外の放射線を用いる装置にも適用することができる。
3 …X線管
4 …FPD
13 …時間遅れ除去部
21 …記憶部
23 …画像生成部
51 …モールド層
61 …光源部
M …被検体
dij…検出素子
4 …FPD
13 …時間遅れ除去部
21 …記憶部
23 …画像生成部
51 …モールド層
61 …光源部
M …被検体
dij…検出素子
Claims (5)
- 被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、複数個の検出素子を有し、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、を備えて、各検出素子から得られる放射線検出信号に基づいて放射線画像を取得する放射線撮像装置において、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分をインパルス応答係数に基づく指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして放射線検出信号について再帰的演算処理を行い、各放射線検出信号から時間遅れ分を除去する時間遅れ除去手段を備え、前記時間遅れ除去手段は、放射線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、この放射線検出信号を出力した検出素子に対応してインパルス応答係数を変えることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項1に記載の放射線撮像装置において、各検出素子に対応付けられるインパルス応答係数は、各検出素子から得られる放射線検出信号に含まれる時間遅れ分の測定結果に基づいて求められることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項2に記載の放射線撮像装置において、各検出素子に対応付けられるインパルス応答係数は、さらに照射される放射線の線量に応じて可変であることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射線撮像装置において、複数のインパルス応答係数を各検出素子に対応付けて記憶している記憶手段を備え、前記時間遅れ除去手段は、放射線検出信号から時間遅れ分を除去するとき、この放射線検出信号を出力した検出素子に対応付けられるインパルス応答係数を記憶手段から読み出すことを特徴とする放射線撮像装置。
- 被検体に向けて放射線を照射して、被検体を透過する放射線を複数個の検出素子により検出して得られた各放射線検出信号に基づいて放射線画像を取得する放射線検出信号処理方法において、放射線検出信号ごとに、これを出力した検出素子に応じたインパルス応答係数を設定する過程と、放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を設定されたインパルス応答係数に基づく指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして各放射線検出信号について再帰的演算処理を行い、時間遅れ分を除去する過程とを有し、時間遅れ分が除去された放射線検出信号から放射線画像を生成することを特徴とする放射線検出信号処理方法。
Priority Applications (1)
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JP2004217389A JP2006034509A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007215585A (ja) * | 2006-02-14 | 2007-08-30 | Shimadzu Corp | 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 |
JP2009125367A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Shimadzu Corp | 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 |
CN101389272B (zh) * | 2006-02-23 | 2011-03-23 | 株式会社岛津制作所 | 放射线摄像装置和放射线检测信号处理方法 |
KR101146913B1 (ko) | 2010-09-20 | 2012-05-23 | 한국전기연구원 | 광 스위칭 방식을 이용하여 스캐닝하기 위한 디지털 엑스?선 영상 검출기 |
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2004
- 2004-07-26 JP JP2004217389A patent/JP2006034509A/ja active Pending
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