JP4893733B2 - 放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 - Google Patents

放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法 Download PDF

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Description

この発明は、被検体への放射線照射に伴って放射線検出手段から所定のサンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像が得られるように構成されている医用もしくは工業用の放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法に係り、特に、放射線検出手段から取り出された放射線検出信号から放射線検出手段に起因する時間遅れ分を除去するための技術に関する。
放射線撮像装置の代表的な装置のひとつである医用X線診断装置において、最近、X線管によるX線照射に伴って生じる被検体のX線透過像を検出するX線検出器として、半導体等を利用した極めて多数個のX線検出素子をX線検出面に縦横に配列したフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)が用いられている。
すなわち、X線診断装置では、X線管による被検体への放射線照射に伴ってFPDからサンプリング時間間隔で取り出されるX線画像1枚分のX線検出信号に基づいて、サンプリング時間間隔毎の被検体のX線透過像に対応するX線画像が得られる構成がとられている。FPDを用いた場合、従来から用いられているイメージインテンシファイアなどに比べて、軽量で、かつ、複雑な検出歪みが発生しないので、装置構造面や画像処理面で有利となる。
しかしながら、FPDを用いた場合、FPDに起因する時間遅れによる悪影響がX線画像に現れるという問題がある。具体的には、FPDからX線検出信号を取り出すサンプリング時間間隔が短い場合、取り出し切れない信号の残りが時間遅れ分として次のX線検出信号に加わる。そのため、FPDから1秒間に30回のサンプリング時間間隔で画像1枚分のX線検出信号を取り出してX線画像を作成して動画表示する場合、時間遅れ分が前の画面に残像として現れ、画像のダブリを生じる、結果、動画像がボヤける等の不都合が生じる。
このFPDの時間遅れ問題に対し、米国特許明細書第5249123号では、コンピュータ断層画像(CT画像)の取得の場合において、FPDからサンプリング時間間隔Δtで取り出される放射線検出信号から時間遅れ分を演算処理で除去する技術が提案されている。
すなわち、前記米国特許明細書では、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を時間遅れ分が幾つかの指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして、放射線検出信号yk から時間遅れ分を除去した遅れ除去放射線検出信号xk とする演算処理を次式によって行っている。
k =[ykn=1 Nn ・[1-exp(Tn )]・exp(Tn )・Snk ]]/Σn=1 Nβn
ここで、Tn =−Δt/τn ,Snk=xk-1 +exp(Tn )・Sn(k-1)
βn =αn ・[1−exp(Tn )]
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn :指数関数nの強度
τn :指数関数nの減衰時定数
しかしながら、発明者らが上記米国特許明細書が提案する演算処理技術を適用実施してみたところでは、時間遅れに起因するアーティファクトが回避されず、かつ、まともなX線画像も得られないという結果しか得られず、FPDの時間遅れは解消されないことが確認された(特許文献1)。
そこで、発明者は、特開2004−242741号公報の手法を先に提案している。この手法によれば、このFPDの時間遅れに対して、次の再帰式a〜cにより、FPDのインパルス応答に起因する時間遅れを除去している。
k =Yk −Σn=1 N [αn ・〔1−exp(Tn ) 〕・exp(Tn )・Snk]…a
n =−Δt/τn …b
nk=Xk-1 +exp(Tn )・Sn(k-1)…c
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
k :Yk から時間遅れ分を除去した遅れ除去放射線検出信号
k-1 :一時点前のXk
n(k-1):一時点前のSnk
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn :指数関数nの強度
τn :指数関数nの減衰時定数
n0=0
0 =0
この再帰式的演算では、FPDのインパルス応答係数である、N,αn,τn を事前に求めておき、それを固定した状態で放射線検出信号Yk を式a〜cに適用し、その結果、時間遅れ分を除去したXk を算出することになる(特許文献2)。なお、上述した時間遅れ分を除去する補正は、「ラグ補正」とも呼ばれている。
上述した特許文献2の手法以外にも、バックライトを用いて時間遅れ分の長時定数成分の低減を図る技術がある(例えば、特許文献3参照)。
ところで、例えば17インチサイズのFPDは、縦横が3072×3072画素であり、上述した特許文献2の手法では、再帰的演算処理のための計算量が膨大になる。そこで、動画の透視撮影の場合には、画素を加算するビニング動作を行って計算量を減らす対策を行っている。例えば、縦横をともに2×2画素を1つにまとめるビニング動作では、ビニング動作によって画素数が1/4に減って計算量を1/4に減らすことができる。また、縦が4画素で横が2画素の4×2画素を1つにまとめるビニング動作では、ビニング動作によって画素数が1/8に減って計算量を1/8に減らすことができる。
なお、ビニングの対象となる画素数が少ない場合には高分解能の画像を取得することになり、ビニングの対象となる画素数が多い場合には低分解能の画像を取得することになる。したがって、高分解能の画像を得ることよりも計算量を減らすことの方を重視する場合には、ビニングの対象となる画素数を多くして低分解能の画像を取得することで計算量を減らす。逆に、計算量を減らすことよりも高分解能の画像を得ることの方を重視する場合には、計算量を増やすことでビニングの対象となる画素数を少なくして高分解能の画像を取得する。
一方で、X線の照視野の大きさをコリメータによって変更することで、再帰的演算処理の対象となる画像範囲を変更して、計算量の増減を図る。例えば、12インチ四方の照視野から15インチあるいは17インチ四方の照視野に拡大する場合には、再帰的演算処理の対象となる画像範囲が拡がった分だけ12インチ四方のときよりも計算量が多くなる。逆に、12インチ四方の照視野から9インチ四方の照視野に縮小する場合には、再帰的演算処理の対象となる画像範囲が狭まった分だけ12インチ四方のときよりも計算量が少なくなる。
このように、照視野とビニングとの組み合わせからなるモードを複数分予め準備して、オペレータの必要に応じてモードを切り替えることで、動画のフレームレートを維持するようにしている。したがって、高分解能の画像で観察する場合には、ビニングの対象となる画素数が少ないことに起因した計算量の増大を抑えるために照視野を狭める。例えば、高分解能の画像で観察する場合には、2×1ビニングを用いて、その代わり照視野を9インチ四方に制限されたモードを用いる。逆に、広い照視野の画像で観察する場合には、照視野拡大に起因した計算量の増大を抑えるためにビニングの対象となる画素数を少なくする。例えば、広い照視野の画像で観察する場合には、17インチ四方の照視野に拡大して、その代わりに4×2ビニングの低分解能に制限されたモードを用いる。
米国特許第5249123号(明細書中の数式および図面) 特開2004−242741号公報(明細書中の数式および図面) 特開平9−9153号公報(第3−8頁、図1)
しかしながら、上述した照視野拡大時に、照視野拡大前の照視野の外枠部分に時間遅れ分の時定数成分(「ラグ成分」とも呼ばれている)による高輝度が残るという問題点がある。この問題点について、図11、図12を参照して説明する。図11は、照視野拡大前後の画像を模式的に表した図であって、図12は、照視野拡大前後の照射状況と画像とを時系列的に対応づけた図である。
すなわち、図11に示すように、照視野拡大前の画像をP0とするとともに、照視野拡大後の画像をP1とし、コリメータに対応した部分の画像をPCOLとし、照視野拡大前の画像をP0とコリメータに対応した部分の画像PCOLとの間にある外枠部分をP2とする。また、図12に示すように、照視野拡大の指示のタイミングをT0とし、図12中のON時の照射信号は放射線の照射状態を示し、OFF時の照射信号は放射線の非照射状態を示す。なお、照視野拡大前の画像P0として、12インチ四方の照視野の画像を例に採って説明するとともに、照視野拡大後の画像P1として、15インチ四方の照視野の画像を例に採って説明する。
照視野拡大前では、12インチ四方の照視野よりも若干大きめ(例えば13インチ)にコリメータを絞った状態で放射線の照射を開始(図12中のOFFからONへの移行を参照)して、再帰的演算処理により時間遅れ分を除去するラグ補正を行う。このとき、再帰的演算処理の対象となる画像範囲は、12インチ四方の照視野である照視野拡大前の画像P0の範囲である。一方、外枠部分P2は再帰的演算処理の対象外であるが、12インチ四方の照視野よりも若干大きめに絞ったコリメータよりも内側にあるので、照射がコリメータに妨げられることもなく、外枠部分P2はずっと照射された状態である。
このように、再帰的演算処理の対象となる照視野拡大前の(12インチ)画像P0では再帰的演算処理によりラグ補正を行っているので、ラグ成分が残留することはないが、外枠部分P2では再帰的演算処理が行われずに照射された状態で放置されているので、ラグ成分が蓄積された状態である。照視野拡大前では照視野拡大前の(12インチ)画像P0しか観察しないので外枠部分P2は問題とならないが、照視野拡大の指示(図12中のT0を参照)に伴って15インチ四方の照視野に拡大した途端に、外枠部分P2に重畳したラグ成分が高輝度として現れてしまう。
したがって、照視野拡大時に、照視野拡大前の照視野の外枠部分P2にラグ成分が重畳した状態となって、そのラグ成分によって放射線検出信号は高い信号値(高い画素値)を有することになって、外枠部分P2に高輝度が残って放射線画像に支障が生じる。このように、照視野拡大に代表されるような放射線撮像に関する所定の動作が放射線の照射時に割り込まれると放射線画像に支障が生じる。
ところで、この高輝度については、時間遅れ分の長時定数成分(「長期ラグ」とも呼ばれている)の大きいFPDほど顕著になるので、出荷検査時のラグ特性の合格基準を厳しくすることで、高輝度が現れたFPDが出荷されないように対策をとっている。しかし、合格基準を厳しくすることで、FPDの歩留まり改善に支障が生じる。
このような不自然な高輝度を残したままにして出荷することも可能であるが、その場合には高輝度が減衰するまでにある程度の待ち時間が必要になる。その結果、被検体に対する放射線の被曝時間を増大させたり、検査時間を延長させたり、あるいは医師の診断を妨げたりすることにもなる。したがって、ラグ特性が従来と同程度のFPDにおいても、演算負荷を増大させることなく、不自然な高輝度を除去する方法が必要とされている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、放射線撮像に関する所定の動作が放射線の照射時に割り込まれることによる放射線画像の支障を低減させつつ、放射線検出手段から取り出された放射線検出信号から放射線検出手段に起因する放射線検出信号の時間遅れを除去することができる放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明の放射線撮像装置は、放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線検出手段から放射線検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出す信号サンプリング手段とを備え、被検体への放射線照射に伴って放射線検出手段からサンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像が得られるように前記装置は構成されており、前記装置は、さらに、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして再帰的演算処理により各放射線検出信号から除去する時間遅れ除去手段と、前記放射線照射手段の照射開始および照射停止のタイミングを制御する照射制御手段とを備え、(A)その照射制御手段が放射線照射手段の照射を開始させた状態で、前記時間遅れ除去手段は再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求め、(B)割り込み指示に伴って、照射制御手段は、前記放射線照射手段の照射を一時的に停止するとともに、時間遅れ除去手段は、再帰的演算処理を一時的に停止して、前記信号サンプリング手段は、放射線照射手段の一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得し、(C)割り込み指示後に、照射制御手段は、放射線照射手段の照射を再度開始させ、時間遅れ除去手段は、再帰的演算処理の再度の開始の直前の前記非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を再度開始し、
前記装置は、さらに、前記放射線照射手段から照射される放射線の照視野の大きさを操作する照視野操作手段を備え、前記割り込み指示は前記照視野操作手段による照視野拡大に関する指示であって、前記(B)は、照視野拡大の指示に伴って前記停止および前記非照射時の放射線検出信号の取得を行い、前記(C)は、照視野拡大の開始に伴って前記再度の開始を行うことで、照視野拡大後において、前記非照射時の放射線検出信号から得られる前記照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値を初期値として再帰的演算処理に用いて時間遅れ分を時間遅れ除去手段は除去して補正後放射線検出信号を求めることを特徴とするものである。
この発明の放射線撮像装置では、放射線照射手段による被検体への照射線に伴って放射線検出手段から所定のサンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を、単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして、時間遅れ除去手段が除去する。各放射線検出信号から時間遅れ分を除去する際には、再帰的演算処理により行う。この再帰的演算処理により各放射線検出信号が除去する処理を、次の過程にしたがって実行する。
すなわち、(A) 放射線照射手段の照射開始および照射停止のタイミングを制御する照射制御手段から放射線照射手段の照射を開始させた状態で、時間遅れ除去手段は再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求める。そして、(B)割り込み指示に伴って、照射制御手段は、放射線照射手段の照射を一時的に停止するとともに、時間遅れ除去手段は、再帰的演算処理を一時的に停止して、信号サンプリング手段は、放射線照射手段の一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得する。さらに、(C)割り込み指示後に、照射制御手段は、放射線照射手段の照射を再度開始させ、時間遅れ除去手段は、上述した再帰的演算処理の再度の開始の直前の非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を再度開始する。割り込み指示前においては再帰的演算処理により時間遅れ除去手段は時間遅れ分を除去して、得られた補正後放射線検出信号から放射線画像が取得されるとともに、割り込み指示後においては上述した初期値に基づく再帰的演算処理により時間遅れ除去手段は時間遅れ分を除去して、得られた補正後放射線検出信号から放射線画像が取得される。
このように、この発明の放射線撮像装置によれば、上述した(放射線撮像に関する)所定の動作が放射線の照射時に割り込まれる際に、上述した(B)のように照射を一時的に停止するとともに、再帰的演算処理を一時的に停止し、所定の動作の開始に伴って(すなわち割り込み指示後に)、上述した(C)のように照射を再度開始させ、再帰的演算処理の再度の開始の直前の非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を再度開始する。したがって、(C)によって割り込み指示後において割り込み指示前と同じように照射および再帰的演算処理が行えて、(B)の一時的な停止により割り込み指示前の照射および再帰的演算処理の影響が割り込み指示後のデータに及ぼさない。その一方で、(B)のように一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を信号サンプリング手段が取得して、再帰的演算処理の再度の開始の直前の非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を(C)のように行っているので、上述した(放射線撮像に関する)所定の動作が放射線の照射時に割り込まれたとしても、放射線撮像に関する所定の動作が放射線の照射時に割り込まれることによる放射線画像の支障を低減させつつ、放射線検出信号から時間遅れ分をより正確に除去することができる。
また、この発明の放射線検出信号処理方法は、被検体を照射して検出された放射線検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出し、サンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして再帰的演算処理により各放射線検出信号から除去する処理を、次の過程にしたがって実行する、(A)放射線の照射を開始させた状態で、前記再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求め、(B)割り込み指示に伴って、照射を一時的に停止するとともに再帰的演算処理を一時的に停止して、その一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得し、(C)割り込み指示後に、照射を再度開始させ、再帰的演算処理の再度の開始の直前の前記非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を再度開始し、
前記割り込み指示は放射線の照視野拡大に関する指示であって、前記(B)は、照視野拡大の指示に伴って前記停止および前記非照射時の放射線検出信号の取得を行い、前記(C)は、照視野拡大の開始に伴って前記再度の開始を行うことで、照視野拡大後において、前記非照射時の放射線検出信号から得られる前記照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値を初期値として再帰的演算処理に用いて時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求めることを特徴とするものである。
この発明の放射線検出信号処理方法によれば、放射線撮像に関する所定の動作が放射線の照射時に割り込まれる際に、上述した(B)のように照射を一時的に停止するとともに、再帰的演算処理を一時的に停止し、所定の動作の開始に伴って(すなわち割り込み指示後に)、上述した(C)のように照射を再度開始させ、再帰的演算処理の再度の開始の直前の非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を再度開始する。したがって、(C)によって割り込み指示後において割り込み指示前と同じように照射および再帰的演算処理が行えて、(B)の一時的な停止により割り込み指示前の照射および再帰的演算処理の影響が割り込み指示後のデータに及ぼさない。その一方で、(B)のように一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得して、再帰的演算処理の再度の開始の直前の非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を(C)のように行っているので、上述した(放射線撮像に関する)所定の動作が放射線の照射時に割り込まれたとしても、放射線撮像に関する所定の動作が放射線の照射時に割り込まれることによる放射線画像の支障を低減させつつ、放射線検出信号から時間遅れ分をより正確に除去することができる。
上述したこれら放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法の一例として以下のようなものがある。
すなわち、上述した割り込み指示前において放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
n=−Δt/τn …B
nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
k-1 :一時点前のXk
n(k-1):一時点前のSnk
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn:指数関数nの強度
τn:指数関数nの減衰時定数
により行うとともに、再起的演算処理のための初期値を式D、
0 =0,Sn0=γn・Y0…D
但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
0 :再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値
により行い、前記式Dにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることである。
この一例によれば、上述した割り込み指示前において式A〜Cという簡潔な漸化式によって時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号Xk が速やかに求められる。
ここで、再帰的演算処理の基点時、すなわち先頭フレームにおける放射線非照射時は、k=0のときであり、再帰的演算処理を行う際にk=0のときのXk,Snk、すなわち初期値を上述した式Dのように決定している。例えば、図10に示すように、時間t0〜t1での撮影のラグが透視に重なると、再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時(図10ではk=0を参照)であっても、時間t0〜t1での撮影で発生した時間遅れ分による残留ラグ(ラグ信号値)が存在する。すなわち、放射線非照射時であっても放射線検出信号Ykの初期値Y0は0でない。
そこで、式Dのように、X0 =0,Sn0=γn・Y0(Y0 :再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値)によって再帰的演算処理のための初期値を設定して、式Dにより決定された初期値での条件で、式A〜Cにより求められたインパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号Xkを求める。
また、上述した割り込み指示放射線の照視野拡大に関する指示である。照視野拡大の場合には、上述した(B)は、照視野拡大の指示に伴って上述した(照射および再帰的演算処理の)停止および上述した(その一時的な停止による)非照射時の放射線検出信号の取得を行い、上述した(C)は、照視野拡大の開始に伴って上述した(照射および再帰的演算処理の)再度の開始を行うことで、照視野拡大後において、上述した非照射時の放射線検出信号から得られる照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値を初期値として再帰的演算処理に用いて時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求める。
この場合には、照視野拡大が放射線の照射時に割り込まれる際に、上述した(B)のように照射を一時的に停止するとともに、再帰的演算処理を一時的に停止し、照視野拡大の開始に伴って、上述した(C)のように照射を再度開始させ、再帰的演算処理を再度開始する。したがって、(C)によって照視野拡大後において照視野拡大前と同じように照射および再帰的演算処理が行えて、(B)の一時的な停止により照視野拡大前の照射および再帰的演算処理の影響が照視野拡大後のデータに及ぼさない。その一方で、(B)のように一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得して、非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を(C)のように行っているので、上述した照視野拡大が放射線の照射時に割り込まれたとしても、照視野拡大が放射線の照射時に割り込まれることによる放射線画像の支障を低減させつつ、放射線検出信号から時間遅れ分をより正確に除去することができる。
特に、照視野拡大前においては、再帰的演算処理の対象となる画像よりも広く、かつ照視野拡大後において再帰的演算処理の対象となる画像よりも狭くなるように照視野の大きさを操作する場合には、以下のような効果を奏する。すなわち、照視野拡大前においては、再帰的演算処理の対象となる画像よりも広く、かつ照視野拡大後において再帰的演算処理の対象となる画像よりも狭くなる画像は、照視野拡大後の画像(すなわち照視野拡大後においては、再帰的演算処理の対象となる画像)から照視野操作手段に対応した部分の画像を除いた画像になるとともに、照視野拡大前の画像(すなわち照視野拡大前においては、再帰的演算処理の対象となる画像)と、照視野拡大前の画像・照視野操作手段に対応した部分の画像間になる外枠部分とを併せた画像にもなる。
従来であれば再帰的演算処理の対象外である外枠部分が照視野拡大前後に関わらず照射された状態で放置されて高輝度が現れていたのが、上述した(B)の一時的な停止により照視野拡大前の照射および再帰的演算処理の影響が照視野拡大後の外枠部分のデータに及ぼさない。その一方で、(B)のように一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得して、非照射時の放射線検出信号から得られる照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値を初期値として再帰的演算処理に用いて、当該再帰的演算処理を上述した(C)のように行っているので、照視野拡大後での外枠部分においても再帰的演算処理による時間遅れ分を上述した初期値によってより正確に除去することができる。このことから、照視野拡大が放射線の照射時に割り込まれたとしても高輝度による放射線画像の支障を低減させることができる。また、時間遅れ分の長時定数成分(長期ラグ)の大きい放射線検出手段においても、上述した高輝度が現れないので、高輝度が減衰するまでにある程度の待ち時間が必要になることもなく、被検体の負担を軽減し、医師の診断を妨げないという効果をも奏する。
また、ある減衰時定数τnの成分nの残留割合をγnとして、各々の時定数成分量の比率をγ1:γ2:…:γn:…:γN-1:γNで表したときに、その比率は照視野拡大前後で一定であるとみなせる。したがって、照視野拡大前後で共通する画素については、照視野拡大前の照射時であって、かつ非照射時の直前である時定数成分量の比率を用いて、非照射時の放射線検出信号に基づく画素値を減衰時定数毎に分割して、それぞれ分割された値を上述した(一時的な停止による非照射時の放射線検出信号から得られる)初期値とするとともに、照視野拡大で新たに加わった部分の画素については、上述した共通画素と同じ時定数成分量の比率を用いて、非照射時の放射線検出信号に基づく画素値を減衰時定数毎に分割して、それぞれ分割された値を初期値として、照視野拡大後において、各々の初期値に基づく再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求める。より具体的には、以下のように行う。
すなわち、上述した照視野拡大後において放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
n=−Δt/τn …B
nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
k-1 :一時点前のXk
n(k-1):一時点前のSnk
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn:指数関数nの強度
τn:指数関数nの減衰時定数
により行うとともに、前記照視野拡大前の照射時であって、かつ前記非照射時の直前のサンプリング地点をk´としたときに、前記初期値を式D、H、
0 =0,Sn0=γn・Y0…D
γn=Snk´/Σn=1 N [Snk´]…H
但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
0 :前記照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値(前記非照射時の放射線検出信号)
nk´:サンプリング地点k´でのSnk
により行い、前記式D、Hにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求める。
この場合には、上述した照視野拡大後において式A〜Cという簡潔な漸化式によって時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号Xk が速やかに求められる。ここで、照視野拡大前の照射時であって、かつ非照射時の直前(サンプリング地点k´)である時定数成分量の比率を用いて初期値を求めるのに、上述した式D、Hを用いることで実現することができる。
この発明に係る放射線撮像装置および放射線検出信号処理方法によれば、放射線撮像に関する所定の動作が放射線の照射時に割り込まれる際に、上述した(B)のように照射を一時的に停止するとともに、再帰的演算処理を一時的に停止し、所定の動作の開始に伴って(すなわち割り込み指示後に)、上述した(C)のように照射を再度開始させ、再帰的演算処理を再度開始し、(B)のように一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得して、再帰的演算処理の再度の開始の直前の非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を(C)のように行っているので、放射線撮像に関する所定の動作が放射線の照射時に割り込まれることによる放射線画像の支障を低減させつつ、放射線検出信号から時間遅れ分をより正確に除去することができる。
また、上述した割り込み指示は放射線の照視野拡大に関する指示である。照視野拡大の場合には、上述した(B)は、照視野拡大の指示に伴って上述した(照射および再帰的演算処理の)停止および上述した(その一時的な停止による)非照射時の放射線検出信号の取得を行い、上述した(C)は、照視野拡大の開始に伴って上述した(照射および再帰的演算処理の)再度の開始を行うことで、照視野拡大後において、上述した非照射時の放射線検出信号から得られる照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値を初期値として再帰的演算処理に用いて時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求める。
実施例のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図である。 実施例装置に用いられているFPDの構成を示す平面図である。 実施例装置によるX線撮影の実行時のX線検出信号のサンプリング状況を示す模式図である。 実施例でのX線検出信号処理方法の手順を示すフローチャートである。 実施例でのX線検出信号処理方法における照視野拡大前での時間遅れ除去用の再帰的演算処理プロセスを示すフローチャートである。 実施例でのX線検出信号処理方法における照視野拡大後での時間遅れ除去用の再帰的演算処理プロセスを示すフローチャートである。 実施例での照視野拡大前後、照射および再帰的演算処理の手順を示すフローチャートである。 実施例での照視野拡大前後の照射状況と画像とを時系列的に対応づけた図である。 放射線入射状況に対応した時間遅れ状況を示す図である。 撮影のラグ(時間遅れ分)が透視に重なった時間遅れ状況を示す図である。 照視野拡大前後の画像を模式的に表した図である。 従来での照視野拡大前後の照射状況と画像とを時系列的に対応づけた図である。
符号の説明
1 … X線管
2 … FPD(フラットパネル型X線検出器)
3 … A/D変換器
11 … 時間遅れ除去部
12 … 照射制御部
13 … コリメータ
M … 被検体
照視野拡大がX線などに代表される放射線の照射時に割り込まれる際に、上述した(B)のように照射を一時的に停止するとともに、再帰的演算処理を一時的に停止し、所定の動作の開始に伴って(すなわち割り込み指示後に)、上述した(C)のように照射を再度開始させ、再帰的演算処理を再度開始し、(B)のように一時的な停止による非照射時のX線検出信号を取得して、再帰的演算処理の再度の開始の直前の非照射時のX線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を(C)のように行うことで照視野拡大に代表される放射線撮像に関する所定の動作が放射線の照射時に割り込まれることによる放射線画像の支障を低減させつつ、放射線検出信号から時間遅れ分をより正確に除去するという目的を実現した。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。図1は、実施例に係るX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図である。
X線透視撮影装置は、図1に示すように、被検体Mに向けてX線を照射するX線管1と、被検体Mを透過したX線を検出するFPD(フラットパネル型X線検出器)2と、FPD2からX線検出信号を所定のサンプリング時間間隔Δtでディジタル化して取り出すA/D変換器3と、A/D変換器3から出力されるX線検出信号に基づいてX線画像を作成する検出信号処理部4と、検出信号処理部4で取得されたX線画像を表示する画像モニタ5とを備えている。つまり、被検体MへのX線照射に伴ってA/D変換器3でFPD2から取り出されるX線検出信号に基づいてX線画像が得られるように本実施例装置は構成されており、取得されたX線画像が画像モニタ5の画面に映し出される。以下、本実施例装置の各部構成を具体的に説明する。X線管1は、この発明における放射線照射手段に相当し、FPD2は、この発明における放射線検出手段に相当し、A/D変換器3は、この発明における信号サンプリング手段に相当する。また、X線検出信号は、この発明における放射線検出信号に相当し、X線画像は、この発明における放射線画像に相当する。
被検体Mを挟んでX線管1とFPD2とを対向配置する。具体的には、X線撮影の際にX線照射制御部6の制御を受けながら、X線管1は被検体Mにコーンビーム状のX線を照射すると同時に、X線照射に伴って生じる被検体Mの透過X線像がFPD2のX線検出面に投影されるように、X線管1およびFPD2を対向配置する。
X線管移動機構7およびX線検出器移動機構8によってX線管1およびFPD2が被検体Mに沿って往復移動可能になるようにそれぞれを構成する。また、X線管1およびFPD2の移動に際しては、X線管移動機構7およびX線検出器移動機構8が照射検出系移動制御部9の制御を受けてX線の照射中心がFPD2のX線検出面の中心に常に一致する状態が保たれるようにし、X線管1とFPD2との対向配置を維持したままで一緒に移動させる。X線管1およびFPD2が移動するにつれて被検体MへのX線照射位置が変化することにより撮影位置が移動する。
FPD2は、図2に示すように、被検体Mからの透過X線像が投影されるX線検出面に多数のX線検出素子2aが被検体Mの体軸方向Xと体側方向Yに沿って縦横に配列されて構成されている。例えば、縦30cm×横30cm程の広さのX線検出面にX線検出素子2aが縦1536×横1536のマトリックスで縦横に配列されている。FPD2の各X線検出素子2aが検出信号処理部4で作成されるX線画像の各画素と対応関係にあり、FPD2から取り出されたX線検出信号に基づいてX線検出面に投影された透過X線像に対応するX線画像が検出信号処理部4で作成される。
A/D変換器3は、X線画像1枚分ずつのX線検出信号をサンプリング時間間隔Δtで連続的に取り出して、後段のメモリ部10でX線画像作成用のX線検出信号を記憶し、X線検出信号のサンプリング動作(取り出し)をX線照射の以前に開始するように構成されている。
すなわち、図3に示すように、サンプリング時間間隔Δtで、その時点の透過X線像についての全X線検出信号が収集されてメモリ部10に次々に格納される。X線を照射する以前のA/D変換器3によるX線検出信号の取り出し開始は、オペレータの手動操作によって行われる構成でもよいし、X線照射指示操作等と連動して自動的に行われる構成でもよい。
また、本実施例のX線透視撮影装置は、図1に示すように、再帰的演算処理により各X線検出信号から時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号を算出する時間遅れ除去部11と、X線管1の照射開始および照射停止のタイミングを制御する照射制御部12と、X線管1から照射されるX線の照視野の大きさを操作するコリメータ13と、そのコリメータ13を制御する照視野制御部14とを備えている。時間遅れ除去部11は、この発明における時間遅れ除去手段に相当し、照射制御部12は、この発明における照射制御手段に相当し、コリメータ13は、この発明における照視野操作手段に相当する。
時間遅れ分は、FPD2からサンプリング時間間隔で取り出される各X線検出信号に含まれている。その時間遅れ分を減衰時定数が異なる単数または複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして上述した再帰的演算処理を行って、各X線検出信号から時間遅れ分を除去する。この再帰的演算処理により各X線検出信号が除去する処理を、図8に示すように、次の過程にしたがって実行する。
すなわち、(A)X線管1の照射開始および照射停止のタイミングを制御する照射制御部12からX線管1の照射を開始(図8中のT1、OFFからONへの移行を参照)させた状態で、時間遅れ除去部11は再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後X線検出信号を求める。そして、(B) 放射線撮像に関する所定の動作(本実施例では照視野拡大)の指示に伴って、照射制御部12は、照射を一時的に停止するとともに、時間遅れ除去部11は、再帰的演算処理を一時的に停止(図8中のT0、サンプリング地点k´を参照)して、A/D変換機3は、X線管1の一時的な停止による非照射時のX線検出信号を取得する。さらに、(C)上述した所定の動作(ここでは照視野拡大)の開始に伴って、照射制御部12は、照射を再度開始させ、時間遅れ除去部11は、上述した非照射時(図8中のT0〜T2を参照)のX線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を再度開始(図8中のT2、OFFからONへの移行を参照)する。
FPD2の場合、図9に示すように、各時刻でのX線検出信号には、過去のX線照射に対応する信号が時間遅れ分(図9中の斜線部分を参照)として含まれる。この時間遅れ分を時間遅れ除去部11で除去して時間遅れのない補正後X線検出信号にする。この補正後X線検出信号に基づいて、X線検出面に投影された透過X線像に対応するX線画像を検出信号処理部4が作成する。本実施例では、所定の動作(ここでは照視野拡大)前においては再帰的演算処理により時間遅れ除去部11は時間遅れ分を除去して、得られた補正後X線検出信号からX線画像が取得されるとともに、所定の動作(ここでは照視野拡大)後においては上述した初期値に基づく再帰的演算処理により時間遅れ除去部11は時間遅れ分を除去して、得られた補正後X線検出信号からX線画像が取得される。
具体的に時間遅れ除去部11は、上述した所定の動作(ここでは照視野拡大)前において各X線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を、次式A〜Cを利用して行う。
k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
n=−Δt/τn …B
nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
但し, Δt:サンプリング時間間隔
k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
k :k番目のサンプリング時点で取り出されたX線検出信号
k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号
k-1 :一時点前のXk
n(k-1):一時点前のSnk
exp :指数関数
N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
αn:指数関数nの強度
τn:指数関数nの減衰時定数
つまり、式Aの右辺の第2項以降、すなわち式Cでの『Snk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }が時間遅れ分に該当するので、本実施例装置では、上述した所定の動作(ここでは照視野拡大)前において時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号Xk が式A〜Cという簡潔な漸化式によって速やかに求められる。
ここで、再帰的演算処理の基点時、すなわち先頭フレームにおけるX線非照射時は、k=0のときであり、再帰的演算処理を行う際にk=0のときのXk,Snk、すなわち初期値を次式Dのように決定する。
0 =0,Sn0=γn・Y0…D
但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
0 :再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に残留しているラグ信号値
例えば、図10に示すように、時間t0〜t1での撮影のラグが透視に重なると、再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時(図10ではk=0を参照)であっても、時間t0〜t1での撮影で発生した時間遅れ分による残留ラグ(ラグ信号値)が存在する。すなわち、X線非照射時であってもX線検出信号Ykの初期値Y0は0でない。
そこで、式Dのように、X0 =0,Sn0=γn・Y0(Y0 :再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に残留しているラグ信号値)によって再帰的演算処理のための初期値を設定して、式Dにより決定された初期値での条件で、式A〜Cにより求められたインパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号Xkを求める。
一方、時間遅れ除去部11は、上述した所定の動作(ここでは照視野拡大)後においても各X線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を、式A〜Cを利用して行う。式A〜Cでは、上述した照視野拡大前での再帰的演算処理と同じ式を用いる。ここでのサンプリング時点kについては、照視野拡大前のサンプリング時点を用いずに以下のように設定している。すなわち、一時的な停止による非照射時(図8中のT0〜T2を参照)から照視野拡大の開始に伴った照射および再帰的演算処理の再度の開始(図8中のT2、OFFからONへの移行を参照)への移行において、再度の開始の直前の非照射時でのサンプリング時点をk=0に設定するとともに、再度の開始の直後の照射時でのサンプリング時点をk=1に設定する。このように、照視野拡大後においても時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号Xk が式A〜Cという簡潔な漸化式によって速やかに求められる。
ここで、照視野拡大前の照射時であって、かつ非照射時の直前(サンプリング地点k´)である時定数成分量の比率を用いて初期値を求める。具体的には再度の開始の直前の非照射時でのサンプリング時点であるk=0のときのXk,すなわち初期値を式Dのように決定するとともに、式Dでの残留割合γnを決定するために、照視野拡大前の照射時であって、かつ非照射時の直前でのサンプリングk=k´のときのS´nkを用いて次式Hのように決定する。
γn=Snk´/Σn=1 N [Snk´]…H
但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
0 :前記照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に残留しているラグ信号値(前記非照射時のX線検出信号)
nk´:サンプリング地点k´でのSnk
式Dでは、上述した照視野拡大前での初期値と同じ式を用いる。
なお、本実施例装置では、A/D変換器3や、検出信号処理部4、X線照射制御部6や照射検出系移動制御部9、時間遅れ除去部11、照射制御部12、照視野制御部14は、操作部15から入力される指示(例えば照視野拡大の指示)やデータあるいはX線撮影の進行に従って主制御部16から送出される各種命令にしたがって制御・処理を実行する。
次に、上述の本実施例装置を用いてX線撮影を実行する場合について、図面を参照しながら具体的に説明する。図4は実施例でのX線検出信号処理方法の手順を示すフローチャートである。なお、ここでの撮影は、図10に示すような過去の撮影や、今回の透視あるいは撮影も含む。
〔ステップS1〕X線未照射の状態でA/D変換器3がサンプリング時間間隔Δt(=1/30秒)でFPD2からX線照射前のX線画像1枚分のX線検出信号Yk を取り出す。取り出されたX線検出信号をメモリ部10に記憶する。
〔ステップS2〕オペレータの設定によりX線が連続ないし断続的に被検体Mに照射されるのと並行して、サンプリング時間間隔ΔtでA/D変換器3によるX線画像1枚分のX線検出信号Yk の取り出しとメモリ部10への記憶とを続ける。
〔ステップS3〕X線照射が終了すれば次のステップS4に進み、X線照射が終了していなければステップS2に戻る。
〔ステップS4〕メモリ部10から1回のサンプリングで収集したX線画像1枚分のX線検出信号Yk を読み出す。
〔ステップS5〕時間遅れ除去部11が式A〜Cによる再帰的演算処理を行い、各X線検出信号Yk から時間遅れ分を除去した補正後X線検出信号Xk 、すなわち、画素値を求める。
〔ステップS6〕検出信号処理部4が1回のサンプリング分(X線画像1枚分)の補正後X線検出信号Xk に基づいてX線画像を作成する。
〔ステップS7〕作成したX線画像を画像モニタ5に表示する。
〔ステップS8〕メモリ部10に未処理のX線検出信号Yk が残っていれば、ステップS4に戻り、未処理のX線検出信号が残っていなければ、X線撮影を終了する。
なお、本実施例装置では、X線画像1枚分のX線検出信号Yk に対する時間遅れ除去部11による補正後X線検出信号Xk の算出および検出信号処理部4によるX線画像の作成をサンプリング時間間隔Δt(=1/30秒)で行う。すなわち、1秒間にX線画像を30枚程度のスピードで次々と作成し、作成されたX線画像を連続表示することができるように構成する。したがって、X線画像の動画表示が可能になる。
次に、図4におけるステップS5の時間遅れ除去部11による再帰的演算処理のプロセスについて、図5、図6のフローチャートを用いて説明するとともに、図5、図6におけるステップT1、T1´のk=0のときのX線検出信号Yk(すなわちY0)の収集を含んだ照視野拡大前後、照射および再帰的演算処理の手順について図7のフローチャートおよび図8を用いて説明する。図5は、実施例でのX線検出信号処理方法における照視野拡大前での時間遅れ除去用の再帰的演算処理プロセスを示すフローチャート、図6は、実施例でのX線検出信号処理方法における照視野拡大後での時間遅れ除去用の再帰的演算処理プロセスを示すフローチャート、図7は、実施例での照視野拡大前後、照射および再帰的演算処理の手順を示すフローチャート、図8は、実施例での照視野拡大前後の照射状況と画像とを時系列的に対応づけた図である。
〔ステップU1〕照視野拡大前の非照射時に、過去の撮影で発生した時間遅れ分による残留ラグ(ラグ信号値)を収集する。このときには、k=0と設定する。k=0のときのX線検出信号Yk(すなわちY0)の収集の処理は、図5のステップT1でもあるので、ステップT1で後述する。
〔ステップU2〕照射を開始(図8中のT1、OFFからONへの移行を参照)させた状態で、再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後X線検出信号を求める。より具体的な処理については図5のステップT1〜T6で後述する。
〔ステップU3〕操作部15(図1を参照)から照視野拡大の指示があれば、ステップU4に進み、指示がなければステップU3に待機する。
〔ステップU4〕照視野拡大の指示に伴って、照射を一時的に停止するとともに再帰的演算処理を一時的に停止(図8中のT0、サンプリング地点k´を参照)して、その一時的な停止による非照射時のX線検出信号を取得する。照視野拡大の指示が入る直前は、照視野拡大前の照射時であって、かつ非照射時の直前である。このときのサンプリング時点を上述したようにk=k´とする。一方、照視野拡大の指示が入った直後は、一時的な停止による非照射時である。このときには、k=0と設定する。k=0のときのX線検出信号Yk(すなわちY0)の収集の処理は、図6のステップT1´でもあるので、ステップT1´で後述する。
〔ステップU5〕照視野拡大の開始に伴って、照射を再度開始させ、再帰的演算処理を再度開始(図8中のT2、OFFからONへの移行を参照)することで、照視野拡大後において、上述した非照射時(図8中のT0〜T2を参照)で取得されたX線検出信号から得られる初期値に基づく再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後X線検出信号を求める。より具体的な処理については図5のステップT1´、T2〜T6で後述する。
続いて、ステップT1、T1´のk=0のときのX線検出信号Yk(すなわちY0)の収集を含んだ再帰的演算処理の具体的なプロセスについて説明する。先ず、照視野拡大前について図5を用いて説明してから、照視野拡大後について図6を用いて説明する。
〔ステップT1〕過去の撮影で発生した時間遅れ分による残留ラグ(ラグ信号値)を収集する。具体的には、先頭フレームにおいてA/D変換器3がFPD2から残留ラグによるX線画像1枚分のX線検出信号Y0 を取り出す。このX線検出信号Y0は、再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に残留しているラグ信号値Y0でもある。
〔ステップT2〕k=0とセットして、式AのX0 =0を初期値としてセットする。一方、ステップT1で取得されたラグ信号値Y0を式Dに代入することで式CのSn0を求める。ここで、照視野拡大前では、ある減衰時定数τnの成分nの残留割合γnを、式Eの条件を満たすように設定するのが好ましい。
すなわち、
Σn=1 N [γn]≦1,0≦γn…E
但し,Σn=1 N [γn]:成分nの残留割合γnの総和
の条件を満たすように設定するのが好ましい。
成分nの残留割合γnの総和が1を超えると時間遅れ分が過剰に除去され、逆に成分nの残留割合γnの総和が負の値の場合には時間遅れ分が逆に加算される恐れがある。そこで、成分nの残留割合γnの総和を0以上1以下にして、残留割合γnを0以上にすることで、時間遅れ分を過不足なく除去することができる。式Eについては、次式E´のようにしてもよいし、次式E´´のようにしてもよい。
すなわち、式Eが次式E´の場合には、式Eは、
Σn=1 N [γn]=1…E´
の条件を満たすとともに、各々の残留割合γnを式F、
γ1=γ2=…=γn=…=γN-1=γN…F
の条件を満たすように設定する。
式E´に式Fを代入することで、N・γN=1となる。したがって、各々の残留割合γnはγN=1/Nとなり、各々の残留割合γnは(インパルス応答を構成する時定数が異なる)指数関数の個数Nで均等に分配される。このことから、γN=1/Nを式DのSn0=γn・Y0に代入することで、式Dは次式D´で表される。
すなわち、式Dは
n0=Y0/N…D´
で表される。指数関数の数が3個(N=3)の場合は、S10,S20,S30を式DにしたがってY0/3に全てセットする。
また、式Eが次式E´´の場合には、式Eは、
Σn=1 N [γn]<1…E´´
の条件を満たすとともに、ある減衰時定数τmの成分mでの残留割合γM、それ以外の残留割合γNを式G、
0<γM<1,γN=0…G
の条件を満たすように設定する。指数関数の数が3個(N=3)で、減衰時定数τ2の成分2での残留割合γ2が0<γ2<1を満たし(例えばγ2=0.1)、かつそれ以外の残留割合がγ1=γ3=0を満たす場合には、S10,,S30を式Gにしたがって0にセットするとともに、S20を式Gにしたがってγ2・Y0(例えばγ2=0.1)にセットする。
〔ステップT3〕式A,Cでk=1とセットする。式C、つまりSn1=exp(T1) ・{α1・〔1−exp(T1) 〕・exp(T1)・Sn0 }にしたがってS11,S21,S31を求め、さらに求められたS11,S21,S31とX線検出信号Y1とを式Aに代入することで補正後X線検出信号X1を算出する。
〔ステップT4〕式A,Cでkを1だけ増加(k=k+1)した後、続いて式Cに1時点前のXk-1 を代入してS1k,S2k,S3kを求め、さらに求められたS1k,S2k,S3kとX線検出信号Ykとを式Aに代入することで補正後X線検出信号Xkを算出する。
〔ステップT5〕未処理のX線検出信号Yk があれば、ステップT4に戻り、未処理のX線検出信号Yk がなければ、次のステップT6に進む。
〔ステップT6〕1回のサンプリング分(X線画像1枚分)の補正後除去X線検出信号Xk を算出し、照視野拡大前において1回の撮影分についての再帰的演算処理が終了となる。
〔ステップT1´〕照視野拡大の指示に伴った一時的な停止による非照射時に、照視野拡大前のステップT1と同様に残留ラグ(ラグ信号値)を収集する。この残留ラグはk=0での非照射時のX線画像1枚分のX線検出信号Y0でもあって、このk=0で取得された1枚分のX線画像は、照視野拡大後での外枠部分P2を含んだ照視野拡大後の画像P1である。
〔ステップT2〕照射拡大前のステップT2と同じなので、その説明を省略する。ただし、残留割合γnについては、照視野拡大前のような式Eを用いて求めずに、上述した式Hを用いて求めている。
各々の時定数成分量の比率をγ1:γ2:…:γn:…:γN-1:γNで表したときに、その比率は照視野拡大前後で一定であるとみなせる。したがって、照視野拡大前後で共通する画素については、照視野拡大前の照射時であって、かつ非照射時の直前でのサンプリングk=k´のときのS´nkを用いて式Hで表された時定数成分量の比率を用いて、非照射時のX線検出信号(ここではステップT1´で取得されたY0)に基づく画素値を減衰時定数毎に分割する。そして、それぞれ分割された値を、式Dを用いて上述した(一時的な停止による非照射時のX線検出信号から得られる)初期値とする。
一方、照視野拡大で新たに加わった部分の画素については、上述した共通画素と同じ時定数成分量の比率を用いて、非照射時のX線検出信号(ここではステップT1´で取得されたY0)に基づく画素値を減衰時定数毎に分割する。そして、それぞれ分割された値を上述した(一時的な停止による非照射時のX線検出信号から得られる)初期値とする。
例えば、指数関数の数が3個(N=3)で、γ1=0.5、γ2=0.3、γ3=0.2と、γ1:γ2:γ3=0.5:0.3:0.2と比率が一定の場合には、γ1での時間遅れ分として0.5をX線検出信号Y0に乗じて、γ2での時間遅れ分として0.3をX線検出信号Y0に乗じて、γ3での時間遅れ分として0.2をX線検出信号Y0に乗じることで、X線検出信号Y0に基づく画素値を減衰時定数毎に分割することができる。
以上をまとめると、本実施例では、共通画素や照視野拡大で新たに加わった部分の画素に関わらず、上述した式Dのように、非照射時のX線検出信号Y0に各々の残留割合γ1,γ2,…,γn,…,γN-1,γNを画素毎にそれぞれ乗じることで、X線検出信号Y0に基づく画素値を減衰時定数毎に分割することになる。つまり、式Dは、Sn0(i,j)=γn・Y0(i,j)となる。ここで、体軸方向Xと体側方向Yとの座標を(i,j)としている。また、照視野拡大後で画素を加算するビニングを行う場合には、ビニングの対象となる画素を加算した状態で、X線検出信号Y0に各々の残留割合γ1,γ2,…,γn,…,γN-1,γNをそれぞれ乗じればよい。
また、k=k´のときのS´nkについては、照視野拡大前の画像P0内の1画素の値を抽出してもよいし、精度を上げるために照視野拡大前の画像P0内の全画素の平均値を用いてもよい。
〔ステップT3〕照射拡大前のステップT3と同じなので、その説明を省略する。
〔ステップT4〕照射拡大前のステップT4と同じなので、その説明を省略する。
〔ステップT5〕照射拡大前のステップT5と同じなので、その説明を省略する。
〔ステップT6〕照射拡大前のステップT6と同じなので、その説明を省略する。ステップT1´、T2〜T6を経て、照視野拡大後において1回の撮影分についての再帰的演算処理が終了となる。
以上のように、本実施例のX線透視撮影装置によれば、上述した(放射線撮像に関する)所定の動作(ここでは照視野拡大)がX線の照射時に割り込まれる際に、上述した(B)のように照射を一時的に停止するとともに、再帰的演算処理を一時的に停止し、所定の動作(照視野拡大)の開始に伴って(すなわち割り込み指示後に)、上述した(C)のように照射を再度開始させ、再帰的演算処理を再度開始する。したがって、(C)によって割り込み指示(照視野拡大)後において割り込み指示(照視野拡大)前と同じように照射および再帰的演算処理が行えて、(B)の一時的な停止により割り込み指示(照視野拡大)前の照射および再帰的演算処理の影響が割り込み指示(照視野拡大)後のデータに及ぼさない。その一方で、(B)のように一時的な停止による非照射時のX線検出信号をA/D変換器3が取得して、再帰的演算処理の再度の開始の直前の非照射時のX線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を(C)のように行っているので、上述した(放射線撮像に関する)所定の動作(照視野拡大)がX線の照射時に割り込まれたとしても、X線撮像に関する所定の動作(照視野拡大)がX線の照射時に割り込まれることによるX線画像の支障を低減させつつ、X線検出信号から時間遅れ分をより正確に除去することができる。
特に、照視野拡大前においては、再帰的演算処理の対象となる画像(例えば12インチ)よりも広く、かつ照視野拡大後において再帰的演算処理の対象となる画像(例えば15インチ)よりも狭くなるように照視野の大きさ(例えば13インチ)を操作する場合には、以下のような効果を奏する。すなわち、照視野拡大前においては、再帰的演算処理の対象となる画像よりも広く、かつ照視野拡大後において再帰的演算処理の対象となる画像よりも狭くなる画像は、図8、図11に示すように、照視野拡大後の画像P1(すなわち照視野拡大後においては、再帰的演算処理の対象となる画像)からコリメータ13に対応した部分の画像PCOLを除いた画像になるとともに、照視野拡大前の画像P0(すなわち照視野拡大前においては、再帰的演算処理の対象となる画像)と、照視野拡大前の画像P0・コリメータ13に対応した部分の画像PCOL間にある外枠部分P2とを併せた画像にもなる。
従来であれば再帰的演算処理の対象外である外枠部分P2が照視野拡大前後に関わらず照射された状態で放置されて高輝度が現れていたのが、上述した(B)の一時的な停止により照視野拡大前の照射および再帰的演算処理の影響が照視野拡大後の外枠部分P2のデータに及ぼさない。その一方で、(B)のように一時的な停止による非照射時のX線検出信号を取得して、非照射時のX線検出信号から得られる照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に残留しているラグ信号値を初期値として再帰的演算処理に用いて、当該再帰的演算処理を上述した(C)のように行っているので、照視野拡大後での外枠部分P2においても再帰的演算処理による時間遅れ分を上述した初期値によってより正確に除去することができる。
このことから、照視野拡大がX線の照射時に割り込まれたとしても高輝度によるX線画像の支障を低減させることができる。また、時間遅れ分の長時定数成分(長期ラグ)の大きいFPD2においても、上述した高輝度が現れないので、高輝度が減衰するまでにある程度の待ち時間が必要になることもなく、被検体Mの負担を軽減し、医師の診断を妨げないという効果をも奏する。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、放射線検出手段がFPDであったが、この発明は、FPD以外のX線検出信号の時間遅れが生じる放射線検出手段を用いた構成の装置にも用いることができる。
(2)上述した実施例装置はX線透視撮影装置であったが、この発明はX線CT装置のようにX線透視撮影装置以外のものにも適用することができる。
(3)上述した実施例装置は医用装置であったが、この発明は、医用に限らず、非破壊検査機器などの工業用装置にも適用することができる。
(4)上述した実施例装置は、放射線としてX線を用いる装置であったが、この発明は、X線に限らず、X線以外の放射線(例えばγ線)を用いる装置にも適用することができる。
(5)上述した実施例では、初期値を式Dにより決定したが、照視野拡大前において、再帰的演算処理の基点時であるX線非照射時に、図10に示すような時間t0〜t1での撮影で発生した時間遅れ分による残留ラグ(ラグ信号値)が存在しなければ、式AのX0 =0,式CのSn0=0をX線照射前の初期値として全てセットしてもよい。
(6)上述した実施例では、式A〜Cにより求められたインパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後X線検出信号を求めたが、特許文献2(特開2004−242741号公報)の手法でも述べたように、式a〜cにより求められたインパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去してもよい。
(7)上述した実施例では、割り込み指示は照視野拡大に関する指示であったが、照視野拡大以外でも放射線撮像に関するものであれば特に限定されない。
以上のように、この発明は、フラットパネル型X線検出器(FPD)を備えた放射線撮像装置に適している。

Claims (12)

  1. 放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る放射線撮像装置であって、被検体に向けて放射線を照射する放射線照射手段と、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線検出手段から放射線検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出す信号サンプリング手段とを備え、被検体への放射線照射に伴って放射線検出手段からサンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像が得られるように前記装置は構成されており、前記装置は、さらに、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして再帰的演算処理により各放射線検出信号から除去する時間遅れ除去手段と、前記放射線照射手段の照射開始および照射停止のタイミングを制御する照射制御手段とを備え、(A)その照射制御手段が放射線照射手段の照射を開始させた状態で、前記時間遅れ除去手段は再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求め、(B)割り込み指示に伴って、照射制御手段は、前記放射線照射手段の照射を一時的に停止するとともに、時間遅れ除去手段は、再帰的演算処理を一時的に停止して、前記信号サンプリング手段は、放射線照射手段の一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得し、(C)割り込み指示後に、照射制御手段は、放射線照射手段の照射を再度開始させ、時間遅れ除去手段は、再帰的演算処理の再度の開始の直前の前記非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を再度開始し、
    前記装置は、さらに、前記放射線照射手段から照射される放射線の照視野の大きさを操作する照視野操作手段を備え、前記割り込み指示は前記照視野操作手段による照視野拡大に関する指示であって、前記(B)は、照視野拡大の指示に伴って前記停止および前記非照射時の放射線検出信号の取得を行い、前記(C)は、照視野拡大の開始に伴って前記再度の開始を行うことで、照視野拡大後において、前記非照射時の放射線検出信号から得られる前記照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値を初期値として再帰的演算処理に用いて時間遅れ分を時間遅れ除去手段は除去して補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、前記割り込み指示前において時間遅れ除去手段は放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
    k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
    n=−Δt/τn …B
    nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
    但し, Δt:サンプリング時間間隔
    k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
    k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
    k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
    k-1 :一時点前のXk
    n(k-1):一時点前のSnk
    exp :指数関数
    N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
    n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
    αn:指数関数nの強度
    τn:指数関数nの減衰時定数
    により行うとともに、再起的演算処理のための初期値を式D、
    0 =0,Sn0=γn・Y0…D
    但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
    0 :前記割り込み指示前における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値
    により行い、前記式Dにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線撮像装置。
  3. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、前記照視野拡大前においては、前記再帰的演算処理の対象となる画像よりも広く、かつ照視野拡大後において再帰的演算処理の対象となる画像よりも狭くなるように前記照視野操作手段は照視野の大きさを操作することを特徴とする放射線撮像装置。
  4. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、ある減衰時定数τnの成分nの残留割合をγnとして、各々の時定数成分量の比率をγ1:γ2:…:γn:…:γN-1:γNで表したときに、その比率は前記照視野拡大前後で一定であると前記時間遅れ除去手段は設定することを特徴とする放射線撮像装置。
  5. 請求項4に記載の放射線撮像装置において、前記照視野拡大前後で共通する画素については、照視野拡大前の照射時であって、かつ前記非照射時の直前である前記時定数成分量の比率を用いて、非照射時の放射線検出信号に基づく画素値を減衰時定数毎に分割して、それぞれ分割された値を前記初期値とするとともに、照視野拡大で新たに加わった部分の画素については、前記共通画素と同じ時定数成分量の比率を用いて、非照射時の放射線検出信号に基づく画素値を減衰時定数毎に分割して、それぞれ分割された値を初期値として、照視野拡大後において、各々の初期値に基づく再帰的演算処理により時間遅れ分を時間遅れ除去手段は除去して補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線撮像装置。
  6. 請求項5に記載の放射線撮像装置において、前記照視野拡大後において時間遅れ除去手段は放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
    k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
    n=−Δt/τn …B
    nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
    但し, Δt:サンプリング時間間隔
    k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
    k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
    k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
    k-1 :一時点前のXk
    n(k-1):一時点前のSnk
    exp :指数関数
    N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
    n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
    αn:指数関数nの強度
    τn:指数関数nの減衰時定数
    により行うとともに、前記照視野拡大前の照射時であって、かつ前記非照射時の直前のサンプリング地点をk´としたときに、前記初期値を式D、H、
    0 =0,Sn0=γn・Y0…D
    γn=Snk´/Σn=1 N [Snk´]…H
    但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
    0 :前記照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値(前記非照射時の放射線検出信号)
    nk´:サンプリング地点k´でのSnk
    により行い、前記式D、Hにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線撮像装置。
  7. 被検体を照射して検出された放射線検出信号を所定のサンプリング時間間隔で取り出し、サンプリング時間間隔で出力される放射線検出信号に基づいて放射線画像を得る信号処理を行う放射線検出信号処理方法であって、サンプリング時間間隔で取り出される各放射線検出信号に含まれる時間遅れ分を単数または減衰時定数が異なる複数個の指数関数で構成されるインパルス応答によるものとして再帰的演算処理により各放射線検出信号から除去する処理を、次の過程にしたがって実行する、(A)放射線の照射を開始させた状態で、前記再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求め、(B)割り込み指示に伴って、照射を一時的に停止するとともに再帰的演算処理を一時的に停止して、その一時的な停止による非照射時の放射線検出信号を取得し、(C)割り込み指示後に、照射を再度開始させ、再帰的演算処理の再度の開始の直前の前記非照射時の放射線検出信号から得られる初期値に基づき再帰的演算処理を再度開始し、
    前記割り込み指示は放射線の照視野拡大に関する指示であって、前記(B)は、照視野拡大の指示に伴って前記停止および前記非照射時の放射線検出信号の取得を行い、前記(C)は、照視野拡大の開始に伴って前記再度の開始を行うことで、照視野拡大後において、前記非照射時の放射線検出信号から得られる前記照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値を初期値として再帰的演算処理に用いて時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  8. 請求項7に記載の放射線検出信号処理方法において、前記割り込み指示前において放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
    k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
    n=−Δt/τn …B
    nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
    但し, Δt:サンプリング時間間隔
    k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
    k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
    k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
    k-1 :一時点前のXk
    n(k-1):一時点前のSnk
    exp :指数関数
    N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
    n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
    αn:指数関数nの強度
    τn:指数関数nの減衰時定数
    により行うとともに、再起的演算処理のための初期値を式D、
    0 =0,Sn0=γn・Y0…D
    但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
    0 :再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値
    により行い、前記式Dにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  9. 請求項7に記載の放射線検出信号処理方法において、前記照視野拡大前においては、前記再帰的演算処理の対象となる画像よりも広く、かつ照視野拡大後において再帰的演算処理の対象となる画像よりも狭くなるように照視野の大きさを操作することを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  10. 請求項7に記載の放射線検出信号処理方法において、ある減衰時定数τnの成分nの残留割合をγnとして、各々の時定数成分量の比率をγ1:γ2:…:γn:…:γN-1:γNで表したときに、その比率は前記照視野拡大前後で一定であると設定することを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  11. 請求項10に記載の放射線検出信号処理方法において、前記照視野拡大前後で共通する画素については、照視野拡大前の照射時であって、かつ前記非照射時の直前である前記時定数成分量の比率を用いて、非照射時の放射線検出信号に基づく画素値を減衰時定数毎に分割して、それぞれ分割された値を前記初期値とするとともに、照視野拡大で新たに加わった部分の画素については、前記共通画素と同じ時定数成分量の比率を用いて、非照射時の放射線検出信号に基づく画素値を減衰時定数毎に分割して、それぞれ分割された値を初期値として、照視野拡大後において、各々の初期値に基づく再帰的演算処理により時間遅れ分を除去して補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
  12. 請求項11に記載の放射線検出信号処理方法において、前記照視野拡大後において放射線検出信号から時間遅れ分を除去する再帰的演算処理を式A〜C、
    k =Yk −Σn=1 N [Snk]…A
    n=−Δt/τn …B
    nk=exp(Tn) ・{αn・〔1−exp(Tn) 〕・exp(Tn)・Sn(k-1) }…C
    但し, Δt:サンプリング時間間隔
    k:サンプリングした時系列内のk番目の時点を示す添字
    k :k番目のサンプリング時点で取り出された放射線検出信号
    k :Yk から時間遅れ分を除去した補正後放射線検出信号
    k-1 :一時点前のXk
    n(k-1):一時点前のSnk
    exp :指数関数
    N:インパルス応答を構成する時定数が異なる指数関数の個数
    n:インパルス応答を構成する指数関数の中の一つを示す添字
    αn:指数関数nの強度
    τn:指数関数nの減衰時定数
    により行うとともに、前記照視野拡大前の照射時であって、かつ前記非照射時の直前のサンプリング地点をk´としたときに、前記初期値を式D、H、
    0 =0,Sn0=γn・Y0…D
    γn=Snk´/Σn=1 N [Snk´]…H
    但し, γn:ある減衰時定数τnの成分nの残留割合
    0 :前記照視野拡大後における再帰的演算処理の基点時である放射線非照射時に残留しているラグ信号値(前記非照射時の放射線検出信号)
    nk´:サンプリング地点k´でのSnk
    により行い、前記式D、Hにより決定された初期値での条件で、前記式A〜Cにより求められた前記インパルス応答に基づいて時間遅れ分を除去して、補正後放射線検出信号を求めることを特徴とする放射線検出信号処理方法。
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