JP2004080514A - X線検出器及びx線診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、数種類のゲート電圧を選択可能とすることで、これに伴う装置特性を任意に変更可能とし、ダイナミックレンジが広い有用なX線検出器を提供することにある。
【解決手段】入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子130と、複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量102と、複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子103と、複数の電荷蓄積容量に複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線105と、複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器111と、複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線104と、スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源128と、複数種のゲートオン電圧を選択的にゲート線に印加するゲート走査駆動部106とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子130と、複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量102と、複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子103と、複数の電荷蓄積容量に複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線105と、複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器111と、複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線104と、スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源128と、複数種のゲートオン電圧を選択的にゲート線に印加するゲート走査駆動部106とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、TFTによる信号読み出し機構を備えたX線検出器及びそれを装備したX線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体にX線を入射し、人体の各組織によるX線吸収差により生成された人体通過後の2次元X線分布を、X線検出器を用いて電気信号に変換し映像化する技術がX線画像診断装置として利用されている。近年、このX線検出器として、従来から使用されてきたX線フィルム及びスクリーンシステムに置き換わるものとして、X線平面検出器を使用したX線画像診断装置が製品化されつつある。
【0003】
このX線平面検出器は、図8に示すように、光電変換により入射したX線エネルギーに応じて変換された電荷を蓄積する画素容量と、画素容量から電荷の読み出しを選択する半導体スイッチ(TFT)とから1つの画素単位が構成され、その画素単位が2次元状にアレイされてなる。
【0004】
光電変換は、直接変換方式もしくは間接変換方式の2方式が知られている。直接変換方式においては、a−Se等のX線−電荷変換層にてX線は直接電荷に変換され、また間接変換方式においては、ヨウ化セシウム等のシンチレーター層を通してX線を一旦光に変換し、さらにフォトダイオードでその光が電荷に変換される。検出部によって生成された電荷は、画素容量に蓄積される。
【0005】
画素容量は、その一端が薄膜トランジスタ(TFT)に接続されており、このTFTはスイッチとして作用し、TFTのゲート電圧を変化させることでスイッチのON/OFFが制御され(この時のゲート電圧をゲートオン電圧、ゲートオフ電圧とする)、それとともに画素容量に蓄積された電荷を読み出すタイミングを制御することができる。
【0006】
TFTのゲート電極はゲート線によって行方向に共通接続されており、ゲート走査線駆動部によって、1行づつ順次、ゲートオフ電圧からゲートオン電圧に変化させることができる。ゲート走査線駆動部によってゲートオン電圧に変化された行では一斉に、TFTがゲートオンになるため、画素容量に蓄積された電荷は列方向に接続された信号線を通じて、それぞれの信号線に接続されている増幅器と帰還容量とからなる積分器を介して電圧信号としてマルチプレクサ、A/Dコンバータを経由して出力される。
【0007】
一般的に、上記積分器は、増幅器及び帰還容量にて構成される。信号線を通じて読み出された電荷はこの帰還容量に蓄積される。出力電圧をVAMP、帰還容量に蓄積された電荷をQAMP、帰還容量の大きさをCAMPとすると、VAMP=QAMP/CAMPと表される。
【0008】
信号読み出し時に、この帰還容量に入力される電荷には、光電変換によって発生した電荷(信号電荷)の以外に、信号線とゲート線の交差部容量や、TFTのゲート・ドレイン間容量及びゲート・ソース間容量に蓄積された電荷(寄生電荷)がある。この寄生電荷は、ゲート電位のオン/オフの変化によって放出される。
【0009】
これら信号線に連なる寄生容量からの寄生電荷は、透視線量等の微弱なX線を高感度に検出するために小さな帰還容量が選択される場合に、増幅可能な範囲の大部分を占めてしまうことによって、信号電荷のダイナミックレンジの著しい低下を招く。
【0010】
これを解決する手段として、ゲートオン期間の前後に積分器出力を2度サンプリングすることによって、信号電荷のみを出力電圧に変換するCDS(Correlated Double Sampling)と呼ばれる手法が考案されている。
【0011】
図9に、1ゲート線読み出し時の積分器の出力電圧(VAMP)の時間変化を示す。1つ前のゲート線読み出し時の電荷がリセットされた後、1回目のサンプリングが行われる。このときの電圧を「V1」とする。次に現在のゲート線にゲートオン電圧(VON)が印加されると、当初、上記寄生容量からの電荷注入によって積分器の出力電圧VAMPが急激に上昇する。更にVONの印加とともにTFTがゲートオンとなるため、画素電極に蓄積された信号電荷が徐々に読み出され、それに伴って積分器の出力電圧VAMPも上昇する。十分、信号電荷が読み出された後、ゲート線電圧がゲートオフ電圧(VOFF)に切り替えられると、VOFFからVONへの変化によって上記寄生容量から放出された電荷は、寄生容量に吸い込まれるため、VAMPは寄生容量の電荷分だけ降下する。ここで2回目のサンプリングを行い、1回目と2回目のサンプリング電圧を差分することによって、信号電荷のみによる電圧成分を取り出すことができる。
【0012】
ゲート電極には、ゲート走査駆動部によってVON及びVOFFを持った矩形波が印加されるが、実際には、ゲート走査駆動部から離れるにつれて、ゲート線の抵抗及び容量によって、図10に示すように、立ち上がり、立下りにおいて鈍ってしまう。
【0013】
従って、ゲート電圧がVOFFに切り替えられた後、十分時間が経過する前に2回目のサンプリングが実施されてしまうと、ゲート走査駆動部から離れた信号線では、TFTのゲートオフが完全ではなく、寄生容量への吸い込みによる電圧降下が不十分ままサンプリングされ、従って増幅器のダイナミックレンジを実質的に損なうこととなる。
【0014】
更に、TFTの特性としてゲートオフ電圧に切り替えられても、すぐにTFTがゲートオフに移行しないという、時定数以外の要因も存在するために、2回目のサンプリングタイミングの決定には注意を要する。
【0015】
よって、ゲートオフ電圧に切り替えてから、ある程度長い時間を隔てて、VOFF電圧が安定して、完全にゲートオフの状態に移行した時点で、2回目のサンプリングを実施するように時間管理することが望ましい。
【0016】
しかし、上述のように、2回目のサンプリングを実施するタイミングは、通常十分VOFF電圧が安定した後が望ましいが、心臓血管造影などの高フレームレートが要求されるような動作時には、その待ち時間を短縮せざるをえず、特に低線量撮影時に信号電荷に対する増幅器のダイナミックレンジを狭めてしまう問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、数種類のゲート電圧を選択可能とすることで、これに伴う装置特性を任意に変更可能とし、ダイナミックレンジが広い有用なX線検出器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1局面によるX線検出器は、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを具備する。
本発明の第2局面によるX線検出器は、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを具備する。
本発明の第3局面によるX線検出器は、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを具備し、前記ゲート電圧の振幅を変更可能としたこと。
本発明の第4局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、透視/撮影モードの選択に従って前記複数種のゲートオン電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第5局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、透視/撮影モードの選択に従って前記複数種のゲートオフ電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第6局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、透視/撮影モードの選択に従って前記ゲート電圧の振幅を変更するための制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第7局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、操作者からのインストラクションを入力する操作部と、前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記複数種のゲートオン電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第8局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、操作者からのインストラクションを入力する操作部と、前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記複数種のゲートオフ電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第9局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、操作者からのインストラクションを入力する操作部と、前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記ゲート電圧の振幅に関する制御信号を発生する制御部とを具備する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1に本実施形態におけるX線診断装置の構成を示している。X線診断装置は、X線を発生するためにX線管及び可動絞り等から構成されたX線発生部200を備えている。X線発生部200には、寝台天板を挟んで、X線検出器100が配置される。透視又は撮影時には、天板上に被検体が載置される。
【0020】
X線検出器100は、被検体を透過したX線を検出してそのエネルギーに比例した電気信号を発生する。X線を電荷に変換する方式としては、直接変換方式もしくは間接変換方式の2方式が知られている。直接変換方式では、X線は、a−Se等のX線−電荷変換層にて直接的に電荷に変換される。間接変換方式では、X線は、ヨウ化セシウム等のシンチレーター層を通して一旦光に変換され、さらにフォトダイオードでその光が電荷に変換される。本発明はいずれの方式を採用しても良い。ここでは前者の方式を例に説明する。
【0021】
図2に示すように、X線−電荷変換層130にはマイナス電位にバイアスされる共通電極131とマトリクス状に分離された複数の画素電極101が表裏に形成されている。各画素電極101には画素容量102が接続される。X線−電荷変換層で変換された電荷は、画素電極101を経由してそれぞれ対応する画素容量102に蓄積される。各画素容量102はそれぞれスイッチ素子103を介して信号線105に接続される。信号線105は、行方向と垂直に配置される。複数の信号線105が、列方向にそって並列される。同じ列の画素容量102はそれぞれ対応するスイッチ素子103を介して同じ信号線105に共通接続される。スイッチ素子103は、典型的には、薄膜トランジスタ(TFT)である。各TFT103のゲートにはゲート線104が接続される。ゲート線104は、列方向と垂直に配置される。複数のゲート線104が、行方向にそって並列される。同じ行のTFT103のゲートは同じゲート線104に共通接続される。
【0022】
複数のゲート線104にはゲート走査駆動部106が接続される。ゲート電圧源128は、電圧値が相違する3種以上、例えば4種のゲート電圧を発生するために必要な構造を備えている。4種のゲート電圧のうち、2種のゲート電圧は、残りの2種のゲート電圧よりも高く、TFT103のゲートオンを引き起こすゲートオン電圧である。一方のゲートオン電圧を“VON(H)”と表記する。他方のゲートオン電圧を“VON(L)”と表記する。なお、VON(H)>VON(L)である。
【0023】
残りの2種のゲート電圧は、TFT103のゲートオフを引き起こすゲートオフ電圧である。一方のゲートオフ電圧を“VOFF(H)”と表記する。他方のゲートオン電圧を“VOFF(L)”と表記する。なお、VOFF(H)>VOFF(L)である。
【0024】
2種のゲートオン電圧はゲート電圧制御部127の制御に応じてゲート走査駆動部106を経由してゲート線104に選択的に印加される。ゲート電圧制御部127は、X線診断装置全体の制御を司る制御部500からの制御信号に従って2種のゲートオン電圧のいずれかを選択する。同様に、2種のゲートオフ電圧はゲート電圧制御部127の制御に応じてゲート走査駆動部106を経由してゲート線104に選択的に印加される。
【0025】
ゲートオフ電圧からゲートオン電圧への切り替え、及びゲートオン電圧からゲートオフ電圧への切り替えは、タイミングコントローラ126からゲート線104ごとに順番に出力されるゲート制御信号により制御される。ゲート電圧制御部127は、制御部500からの制御信号に従って2種のゲートオフ電圧のいずれかを選択する。
【0026】
制御部500には操作卓600が接続される。操作卓600を介して操作者のインストラクション(命令、指令)が入力される。あるインストラクションは、透視と撮影のモード選択に相当する。透視モードが選択されたとき、制御部500は、透視モードに応じて予め決められているゲートオン電圧とゲートオフ電圧をセットする。撮影モードが選択されたとき、制御部500は、撮影モードに応じて予め決められているゲートオン電圧とゲートオフ電圧をセットする。また、他のインストラクションは、2種のゲートオン電圧のいずれかを操作者が任意に選択するために入力される。2種のゲートオン電圧の一方が選択されたとき、制御部500は、その一方のゲートオン電圧をセットする。2種のゲートオン電圧の他方が選択されたとき、制御部500は、その他方のゲートオン電圧をセットする。さらに他のインストラクションは、2種のゲートオフ電圧のいずれかを操作者が任意に選択するために入力される。2種のゲートオフ電圧の一方が選択されたとき、制御部500は、その一方のゲートオフ電圧をセットする。2種のゲートオフ電圧の他方が選択されたとき、制御部500は、その他方のゲートオフ電圧をセットする。なお、制御部500は、モード選択よりも、ゲートオン/オフ電圧の個別選択を優先して、ゲートオン/オフ電圧をセットする。
【0027】
複数の信号線105には複数の積分器110がそれぞれ接続される。各積分器110は、増幅器111及び帰還容量112とともに、帰還容量112のリセットスイッチ113(典型的にはTFT)とから構成される。リセットスイッチ113のリセット動作は、タイミングコントローラ126から出力されるリセット制御信号により制御される。積分器110それぞれの出力には、CDS(Correlated Double Sampling)手法のために、2系統のサンプルホールド回路(SH)121,122が接続される。サンプルホールド回路121,122はそれぞれ、スイッチ(典型的にはTFT)と、容量と、電圧変換器とからなり、そのスイッチがオン状態にある期間の電圧をサンプリングし、ホールドする。サンプルホールド回路121,122のスイッチのオン/オフは、タイミングコントローラ126から出力されるサンプリング制御信号により制御される。例えば、CDS手法のもとで、積分器110の出力が、積分器110のリセット後からTFT103のゲートオンまでの期間中に1回目のサンプリングがサンプルホールド回路121で行われ、TFT103のゲートオフから積分器110のリセットまでの期間中に2回目のサンプリングがサンプルホールド回路122で行われる。1回目と2回目のホールド電圧が差動増幅器123で差分され、その差分電圧がマルチプレクサ124を経由してA/Dコンンバータ125でディジタル信号に変換され、外部のディジタルデータ収集部300で収集される。ディジタルデータ収集部300は、収集したディジタルデータに基づいて画像データを発生する。この画像データに基づいて表示部400は画像を表示する。
【0028】
図3には、ゲート走査駆動部106内のある1本のゲート線104に対応する構成を示している。チャネルタイプの異なるTFT140,141が直列に接続され、その一方の端子がVON(H)に、他方の端子がVON(L)に付勢されている。TFT140,141のゲートは共通接続され、ゲート電圧制御部127からのゲートオン電圧選択制御信号により択一的にオン状態になる。同様に、ゲートオフ電圧側では、チャネルタイプの異なるTFT142,143が直列に接続され、その一方の端子がVOFF(H)に、他方の端子がVOFF(L)に付勢されている。TFT142,143のゲートは共通接続され、ゲート電圧制御部127からのゲートオフ電圧選択制御信号により択一的にオン状態になる。ゲートオン/オフ電圧の切り替えるために、チャネルタイプの異なるTFT144,145が直列に接続され、その一方の端子がゲートオン電圧側のTFT140,141の中点に接続され、他方の端子がゲートオフ電圧側のTFT142,143の中点に接続される。TFT144,145のゲートは共通接続され、タイミングコントローラ126からのタイミング制御信号により択一的にオン状態になる。
【0029】
次に本実施形態の動作について説明する。
図4に、TFT103の一般的な動作特性を示す。VONはゲートオン電圧、VOFFはゲートオフ電圧を示し、またVPIXは画素電極101の電位を示している。実際のゲートの動きとしては、ゲート電位VG>画素電極電位VPIXのとき、ゲートがオンの状態になり、逆にゲート電位VG<画素電極電位VPIXのとき、ゲートがオフの状態になる。ここで、図5のようなTFTの保護機構を備えたX線検出器の場合は、ゲートオフ電圧VOFFによって、画素電極101に蓄積できる電荷量が決定されるため、TFT103の破壊を招くことのない、かつ検出器のダイナミックレンジが十分とれるようなゲートオフVOFFが選択される。なお、装置のダイナミックレンジは、装置性能が保たれる入力範囲として定義され、それは検出器としてのトータルなダイナミックレンジに依存する。検出器としてのトータルなダイナミックレンジは、増幅器111,123のダイナミックレンジと画素容量のダイナミックレンジとADコンバータ125のダイナミックレンジとにより総合的に決まる。
【0030】
簡単に図5の保護機構を説明すると、信号電荷として電子を採用する場合に、画素電極101に信号電荷が蓄積されると、それと共に画素電極の電位VPIXは低下し、TFT103のゲート・ソース間電圧Vgsは徐々に低下する。画素電極の電位VPIX <ゲート電極電位VG の状態になると、TFT103はゲートオン状態となるため、画素電極101に蓄積された電荷はTFT103を介して放出され(増幅器111はリセットの状態)、画素電極101の電位がTFT103の破壊につながる電位になることはない。TFT103のゲート・ソース間電圧Vgsを基準にゲートオンオフに所定の裕度を与えて、V´ON、V´OFFが固定的に設定される。このV´ON、V´OFFになるように、低線量(透視モード)と高線量(撮影モード)それぞれの条件に従って予め計算された画素電極の電位VPIX に従って、実際にゲートに印加されるゲートオン電圧VON(H)、VON(L)、ゲートオフ電圧VOFF(H)、VOFF(L)がそれぞれ設計される。
【0031】
読出し動作は、簡単に説明すると、共通電極131と画素電極101の間にバイアス電圧が印加された状態で、X線−電荷変換層130にX線が入射すると、入射したX線によって電荷が生成される。生成された電荷は、高圧によって生じた電界によって画素電極101に集められて、各画素に設けられた画素容量102に電荷が蓄積される。一方、各画素はi行j列のマトリックス状に配置されており、ゲート走査駆動部106は、ある一定の読み出しタイミングに応じて、順次ゲート線104にTFT103のゲートオン電圧を印加していく。ゲートオン電圧が印加されたゲート線104に接続したTFT103は一斉にゲートオン状態となり、画素容量102に蓄積された電荷は、それぞれの信号線105を通して帰還容量112に流れ込む。帰還容量112には、前行の読み出しによって帰還容量112に蓄積された電荷をリセットするためのスイッチ113が併設されており、例えばi行目が読み出される直前は、リセットスイッチ113がオン状態となって、i−1行目の読み出しによって蓄積された電荷を消去するようになっている。なお、この操作はi−1行目の読み出しが終了した後で、全画素のTFT103がオフ状態にあるときに行われる。リセットスイッチ113がオフとなって、i行目のゲート線104にゲートオン電圧が印加されると、i行目の画素容量102に蓄積された電荷は、一斉に帰還容量112に流れ込むことになるが、この部分は積分器110になっているため、増幅器111の出力電圧Vampは、図6に示すように、流れ込んだ電荷、もしくは電流の積分値を示すこととなる。実際、このVampは、たとえ増幅器111に入力される電荷がない場合でも完全に0になることはなく、ある有限値をもつことが知られている。これを増幅器111のオフセットというが、この増幅器111のオフセット成分を除去し、従来技術にて説明したCDS方式によって寄生容量からの電荷注入をキャンセルするために、読み出し直前と読み出し終了直後の2度、Vampをサンプリングし、その差分値をもって増幅器111の出力電圧とするということがなされる。こうして得られた増幅器111の出力信号はA/Dコンバータ125を経て、デジタルゲイン倍されて、画素値となり、画像を形成することとなる。
【0032】
図6に、CDSオペレーションのもとで、1本のゲート線読み出し時の積分器110の出力電圧(Vamp)の時間変化を示す。ゲートオン前にリセットスイッチ113がオンされ、帰還容量112に残留する1つ前のゲート線読み出し時の電荷がリセットされる(t1)。その後、一方のサンプルホールド回路121で1回目のサンプリングが行われる(t2)。このときの電圧を「V1」とする。次に現在のゲート線104にゲートオン電圧(VON)が印加されると(t3)、ゲートオフ電圧VOFFからの電圧変化により、当初、TFT103の上記寄生容量からの電荷注入によって積分器110の出力電圧Vampが急激に上昇し、それより若干の遅れ時間を経て、TFT103のゲートがオン状態に移行するため、画素容量102に蓄積された信号電荷が徐々に読み出され、それに伴って積分器110の出力電圧Vampも上昇する。十分、信号電荷が読み出された後、ゲート線電圧がゲートオフ電圧VOFFに切り替えられると(t4)、その電圧変化により、上記寄生容量から放出された電荷は、寄生容量に吸い込まれるため、Vampは寄生容量の電荷分だけ降下する。t4から所定時間後の時間t5に、他方のサンプルホールド回路122で2回目のサンプリングが行われる。このときの電圧を「V2」とする。1回目と2回目のサンプリング電圧V1,V2が差動増幅器123で差分される。それによって、信号電荷のみを反映した電圧成分がマルチプレクサ124に出力される。2回目のサンプリング後の時間t6にリセットされる。
【0033】
操作卓600を介して透視モード又は撮影モードが選択され、またX線曝射に関わる管電圧及び管電流等の撮影条件が操作者から入力されると、X線発生部200には撮影条件とともに撮影/透視モード信号が送られる。制御部500は、撮影/透視モードに応じたA/D変換のランプカーブや帰還容量112の設定がなされるが、それと同時にゲート電圧制御部127にも、モード及び撮影条件に応じたゲート印加電圧(ゲートオン電圧、ゲートオフ電圧)の選択信号が供給される。このゲート印加電圧の制御信号に従って、TFT140,141が選択的にオンする。それによりゲートオン電圧が、VON(H)、又はVON(L)に設定される。動揺に、TFT142,143が選択的にオンする。それによりゲートオフ電圧が、VOFF(H)、又はVOFF(L)に設定される。
【0034】
なお、ここでは、操作卓600から操作者により設定された撮影/透視モード(高線量モード/低線量モード)の選択及び撮影条件に従って制御部500によりゲートオン電圧がVON(H)、又はVON(L)に設定され、ゲートオフ電圧がVOFF(H)、又はVOFF(L)に設定されるようにしたが、操作者が、ゲートオン電圧をVON(H)とVON(L)のいずれを選択するか、ゲートオフ電圧をVOFF(H)とVOFF(L)のいずれを選択するか、直接的に選択するようにしてもよい。
【0035】
ここで、高フレームレートでの透視モードが選択されたときには、CDSオペレーションを実施してもなお、信号電荷に対して寄生電荷が多いため、寄生容量からの電荷注入分が増幅器111のダイナミックレンジを食いつぶし、画像化できるX線信号分の電荷を減少させてしまうことが想定される。従って、これを防ぐために、制御部500の制御のもとで、ゲート電圧制御部127では、比較的低いゲートオン電圧VON(L)が設定され、且つ比較的高いゲートオフ電圧VOFF(H)が設定される。つまり、ゲートオンとオフとの間の電圧の振幅がもっとも低い組み合わせが選択される。
【0036】
図7(a)に示すように、ゲート電極に印加するオン/オフ電圧の振幅を減少させると、ゲートオン電圧VON(L)からゲートオフ電圧VOFF(H)に変化するとき(ONからOFFになるとき)、画素容量CpixとTFT103のOFF抵抗Roffとの積(Cpix×Roff)で時定数が決まるので、ゲートオン電圧VON(H)とゲートオン電圧VON(L)では、2回目のサンプルホールドt5のときの電位は、ゲートオン電圧VON(L)の方が低くなっている。この2回目のサンプルホールドt5のときの電位こそがOFFになりきっていないことによる余計なオフセットである。この電位が低いほど良い。比較的低いゲートオン電圧VON(L)は、比較的高いゲートオン電圧VON(H)よりも、信号電荷の読み残しが増え、残像を増加させる傾向をもつが、通常、透視モードでは、時間的にランダムな背景ノイズを低下させるために、リカーシブルフィルタが施されているため、多少残像が増加しても、画質に与える影響は少ない。また、比較的高いゲートオフ電圧VOFF(H)を設定することは、保護機構を備えたX線検出器では、検出器のダイナミックレンジを損なうことにつながるが、低線量となる透視モードでは線量自体が小さいため、保護機構が働くような大きな電荷は蓄積されない。
【0037】
一方、比較的高線量の撮影モードが設定された場合は、図7(b)に示すように、残像を小さくし、装置のダイナミックレンジを最大限に取れるように、制御部500により、比較的高いゲートオン電圧VON(H)が選択され、且つ比較的低いゲートオフ電圧VOFF(L)が選択される。高線量モードでは、帰還容量112として大きな容量が選択されるため、CDSでキャンセルできなかった寄生容量からの電荷注入量が、増幅器111を飽和させてしまうことはない。
【0038】
以上のように、ゲート電圧制御部にて透視モード及び高線量撮影モードに適したゲートオン電圧とゲートオフ電圧の組み合わせを選択できることによって、透視モード、撮影モード共にダイナミックレンジの広い、また残像の少ない良好な画像が得られるX線診断装置を提供することができる。
【0039】
実際、透視/撮影モードの選択に応じて自動的にゲートオン/オフ電圧の好適な組み合わせが上述のように設定されるが、ゲートオン電圧の高低、ゲートオフ電圧の高低それぞれについて、次のように、メリット/デメリットがあり、メリット/デメリットを考慮して操作者が比較的高いゲートオン電圧VON(H)と、比較的低いゲートオン電圧VON(L)を人為的に選択し、同様に比較的高いゲートオフ電圧VOFF(H)と、比較的低いゲートオフ電圧VOFF(L)を選択するようにしてもよい。
【0040】
比較的高いゲートオン電圧VON(H)は、残像が少ないというメリットを有している一方で、TFT103の寿命を短縮し、またゲートオン/オフ電圧の振幅を拡大して寄生電荷の影響を増大させて増幅器111のダイナミックレンジを実効的に狭くするというデメリットを有している。
【0041】
逆に、比較的低いゲートオン電圧VON(L)は、TFT103の寿命を延長し、またゲートオン/オフ電圧の振幅を縮小して寄生電荷の影響を減少させて増幅器111のダイナミックレンジを実効的に広くするというメリットを有している一方で、残像が多くなるというデメリットを有している。
【0042】
また、比較的高いゲートオフ電圧VOFF(H)は、ゲートオン/オフ電圧の振幅を縮小して寄生電荷の影響を減少させて増幅器111のダイナミックレンジを実効的に広くするというメリットを有している一方で、ダイナミックレンジを狭くし、またTFT103のリーク電流を増加させるというデメリットを有している。
【0043】
逆に、比較的低いゲートオフ電圧VOFF(L)は、装置ダイナミックレンジを実効的に広くするというメリットを有している一方で、ゲートオン/オフ電圧の振幅を拡大して寄生電荷の影響を増大させて増幅器111のダイナミックレンジを実効的に狭くするというデメリットを有している。
【0044】
このようなメリット/デメリットを理解した上で、ゲートオン電圧とゲートオフ電圧をそれぞれ高低いずれか、さらに数値として任意設定するようにしてもよい。
【0045】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、数種類のゲート電圧を選択可能とすることで、これに伴う装置特性を任意に変更可能とし、ダイナミックレンジが広い有用なX線検出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるX線診断装置の主要部の構成図。
【図2】図1の画素電極の補足図。
【図3】図1のゲート走査駆動部の構成例を示す図。
【図4】図1のTFTの動作特性図。
【図5】図1のTFTの保護機能の説明図。
【図6】図1の積分器出力の時間変化と信号読出しのタイミングチャートを示す図。
【図7】図1のゲート電圧制御部の制御によるゲートオン/オフ電圧の4種の組み合わせを示す図。
【図8】従来のX線検出器の構成図。
【図9】従来の積分器出力の時間変化と信号読出しのタイミングチャートを示す図。
【図10】従来において、ゲート電圧の鈍りを示す図。
【符号の説明】
100…X線検出器、
101…画素電極、
102…画素容量、
103…スイッチ素子(TFT)、
104…ゲート線、
105…信号線、
106…ゲート走査駆動部、
110…積分器、
111…増幅器、
112…帰還容量、
113…リセットスイッチ、
121…サンプルホールド回路(SH)、
122…サンプルホールド回路(SH)、
123…差動増幅器、
124…マルチプレクサ、
125…A/Dコンンバータ、
126…タイミングコントローラ、
127…ゲート電圧制御部、
128…ゲート電圧源、
130…X線−電荷変換層、
131…共通電極、
200…X線発生部、
300…ディジタルデータ収集部、
400…表示部、
500…制御部、
600…操作卓。
【発明の属する技術分野】
本発明は、TFTによる信号読み出し機構を備えたX線検出器及びそれを装備したX線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体にX線を入射し、人体の各組織によるX線吸収差により生成された人体通過後の2次元X線分布を、X線検出器を用いて電気信号に変換し映像化する技術がX線画像診断装置として利用されている。近年、このX線検出器として、従来から使用されてきたX線フィルム及びスクリーンシステムに置き換わるものとして、X線平面検出器を使用したX線画像診断装置が製品化されつつある。
【0003】
このX線平面検出器は、図8に示すように、光電変換により入射したX線エネルギーに応じて変換された電荷を蓄積する画素容量と、画素容量から電荷の読み出しを選択する半導体スイッチ(TFT)とから1つの画素単位が構成され、その画素単位が2次元状にアレイされてなる。
【0004】
光電変換は、直接変換方式もしくは間接変換方式の2方式が知られている。直接変換方式においては、a−Se等のX線−電荷変換層にてX線は直接電荷に変換され、また間接変換方式においては、ヨウ化セシウム等のシンチレーター層を通してX線を一旦光に変換し、さらにフォトダイオードでその光が電荷に変換される。検出部によって生成された電荷は、画素容量に蓄積される。
【0005】
画素容量は、その一端が薄膜トランジスタ(TFT)に接続されており、このTFTはスイッチとして作用し、TFTのゲート電圧を変化させることでスイッチのON/OFFが制御され(この時のゲート電圧をゲートオン電圧、ゲートオフ電圧とする)、それとともに画素容量に蓄積された電荷を読み出すタイミングを制御することができる。
【0006】
TFTのゲート電極はゲート線によって行方向に共通接続されており、ゲート走査線駆動部によって、1行づつ順次、ゲートオフ電圧からゲートオン電圧に変化させることができる。ゲート走査線駆動部によってゲートオン電圧に変化された行では一斉に、TFTがゲートオンになるため、画素容量に蓄積された電荷は列方向に接続された信号線を通じて、それぞれの信号線に接続されている増幅器と帰還容量とからなる積分器を介して電圧信号としてマルチプレクサ、A/Dコンバータを経由して出力される。
【0007】
一般的に、上記積分器は、増幅器及び帰還容量にて構成される。信号線を通じて読み出された電荷はこの帰還容量に蓄積される。出力電圧をVAMP、帰還容量に蓄積された電荷をQAMP、帰還容量の大きさをCAMPとすると、VAMP=QAMP/CAMPと表される。
【0008】
信号読み出し時に、この帰還容量に入力される電荷には、光電変換によって発生した電荷(信号電荷)の以外に、信号線とゲート線の交差部容量や、TFTのゲート・ドレイン間容量及びゲート・ソース間容量に蓄積された電荷(寄生電荷)がある。この寄生電荷は、ゲート電位のオン/オフの変化によって放出される。
【0009】
これら信号線に連なる寄生容量からの寄生電荷は、透視線量等の微弱なX線を高感度に検出するために小さな帰還容量が選択される場合に、増幅可能な範囲の大部分を占めてしまうことによって、信号電荷のダイナミックレンジの著しい低下を招く。
【0010】
これを解決する手段として、ゲートオン期間の前後に積分器出力を2度サンプリングすることによって、信号電荷のみを出力電圧に変換するCDS(Correlated Double Sampling)と呼ばれる手法が考案されている。
【0011】
図9に、1ゲート線読み出し時の積分器の出力電圧(VAMP)の時間変化を示す。1つ前のゲート線読み出し時の電荷がリセットされた後、1回目のサンプリングが行われる。このときの電圧を「V1」とする。次に現在のゲート線にゲートオン電圧(VON)が印加されると、当初、上記寄生容量からの電荷注入によって積分器の出力電圧VAMPが急激に上昇する。更にVONの印加とともにTFTがゲートオンとなるため、画素電極に蓄積された信号電荷が徐々に読み出され、それに伴って積分器の出力電圧VAMPも上昇する。十分、信号電荷が読み出された後、ゲート線電圧がゲートオフ電圧(VOFF)に切り替えられると、VOFFからVONへの変化によって上記寄生容量から放出された電荷は、寄生容量に吸い込まれるため、VAMPは寄生容量の電荷分だけ降下する。ここで2回目のサンプリングを行い、1回目と2回目のサンプリング電圧を差分することによって、信号電荷のみによる電圧成分を取り出すことができる。
【0012】
ゲート電極には、ゲート走査駆動部によってVON及びVOFFを持った矩形波が印加されるが、実際には、ゲート走査駆動部から離れるにつれて、ゲート線の抵抗及び容量によって、図10に示すように、立ち上がり、立下りにおいて鈍ってしまう。
【0013】
従って、ゲート電圧がVOFFに切り替えられた後、十分時間が経過する前に2回目のサンプリングが実施されてしまうと、ゲート走査駆動部から離れた信号線では、TFTのゲートオフが完全ではなく、寄生容量への吸い込みによる電圧降下が不十分ままサンプリングされ、従って増幅器のダイナミックレンジを実質的に損なうこととなる。
【0014】
更に、TFTの特性としてゲートオフ電圧に切り替えられても、すぐにTFTがゲートオフに移行しないという、時定数以外の要因も存在するために、2回目のサンプリングタイミングの決定には注意を要する。
【0015】
よって、ゲートオフ電圧に切り替えてから、ある程度長い時間を隔てて、VOFF電圧が安定して、完全にゲートオフの状態に移行した時点で、2回目のサンプリングを実施するように時間管理することが望ましい。
【0016】
しかし、上述のように、2回目のサンプリングを実施するタイミングは、通常十分VOFF電圧が安定した後が望ましいが、心臓血管造影などの高フレームレートが要求されるような動作時には、その待ち時間を短縮せざるをえず、特に低線量撮影時に信号電荷に対する増幅器のダイナミックレンジを狭めてしまう問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、数種類のゲート電圧を選択可能とすることで、これに伴う装置特性を任意に変更可能とし、ダイナミックレンジが広い有用なX線検出器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1局面によるX線検出器は、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを具備する。
本発明の第2局面によるX線検出器は、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを具備する。
本発明の第3局面によるX線検出器は、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを具備し、前記ゲート電圧の振幅を変更可能としたこと。
本発明の第4局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、透視/撮影モードの選択に従って前記複数種のゲートオン電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第5局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、透視/撮影モードの選択に従って前記複数種のゲートオフ電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第6局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、透視/撮影モードの選択に従って前記ゲート電圧の振幅を変更するための制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第7局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、操作者からのインストラクションを入力する操作部と、前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記複数種のゲートオン電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第8局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、操作者からのインストラクションを入力する操作部と、前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記複数種のゲートオフ電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備する。
本発明の第9局面によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを有するX線検出器と、前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、操作者からのインストラクションを入力する操作部と、前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記ゲート電圧の振幅に関する制御信号を発生する制御部とを具備する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1に本実施形態におけるX線診断装置の構成を示している。X線診断装置は、X線を発生するためにX線管及び可動絞り等から構成されたX線発生部200を備えている。X線発生部200には、寝台天板を挟んで、X線検出器100が配置される。透視又は撮影時には、天板上に被検体が載置される。
【0020】
X線検出器100は、被検体を透過したX線を検出してそのエネルギーに比例した電気信号を発生する。X線を電荷に変換する方式としては、直接変換方式もしくは間接変換方式の2方式が知られている。直接変換方式では、X線は、a−Se等のX線−電荷変換層にて直接的に電荷に変換される。間接変換方式では、X線は、ヨウ化セシウム等のシンチレーター層を通して一旦光に変換され、さらにフォトダイオードでその光が電荷に変換される。本発明はいずれの方式を採用しても良い。ここでは前者の方式を例に説明する。
【0021】
図2に示すように、X線−電荷変換層130にはマイナス電位にバイアスされる共通電極131とマトリクス状に分離された複数の画素電極101が表裏に形成されている。各画素電極101には画素容量102が接続される。X線−電荷変換層で変換された電荷は、画素電極101を経由してそれぞれ対応する画素容量102に蓄積される。各画素容量102はそれぞれスイッチ素子103を介して信号線105に接続される。信号線105は、行方向と垂直に配置される。複数の信号線105が、列方向にそって並列される。同じ列の画素容量102はそれぞれ対応するスイッチ素子103を介して同じ信号線105に共通接続される。スイッチ素子103は、典型的には、薄膜トランジスタ(TFT)である。各TFT103のゲートにはゲート線104が接続される。ゲート線104は、列方向と垂直に配置される。複数のゲート線104が、行方向にそって並列される。同じ行のTFT103のゲートは同じゲート線104に共通接続される。
【0022】
複数のゲート線104にはゲート走査駆動部106が接続される。ゲート電圧源128は、電圧値が相違する3種以上、例えば4種のゲート電圧を発生するために必要な構造を備えている。4種のゲート電圧のうち、2種のゲート電圧は、残りの2種のゲート電圧よりも高く、TFT103のゲートオンを引き起こすゲートオン電圧である。一方のゲートオン電圧を“VON(H)”と表記する。他方のゲートオン電圧を“VON(L)”と表記する。なお、VON(H)>VON(L)である。
【0023】
残りの2種のゲート電圧は、TFT103のゲートオフを引き起こすゲートオフ電圧である。一方のゲートオフ電圧を“VOFF(H)”と表記する。他方のゲートオン電圧を“VOFF(L)”と表記する。なお、VOFF(H)>VOFF(L)である。
【0024】
2種のゲートオン電圧はゲート電圧制御部127の制御に応じてゲート走査駆動部106を経由してゲート線104に選択的に印加される。ゲート電圧制御部127は、X線診断装置全体の制御を司る制御部500からの制御信号に従って2種のゲートオン電圧のいずれかを選択する。同様に、2種のゲートオフ電圧はゲート電圧制御部127の制御に応じてゲート走査駆動部106を経由してゲート線104に選択的に印加される。
【0025】
ゲートオフ電圧からゲートオン電圧への切り替え、及びゲートオン電圧からゲートオフ電圧への切り替えは、タイミングコントローラ126からゲート線104ごとに順番に出力されるゲート制御信号により制御される。ゲート電圧制御部127は、制御部500からの制御信号に従って2種のゲートオフ電圧のいずれかを選択する。
【0026】
制御部500には操作卓600が接続される。操作卓600を介して操作者のインストラクション(命令、指令)が入力される。あるインストラクションは、透視と撮影のモード選択に相当する。透視モードが選択されたとき、制御部500は、透視モードに応じて予め決められているゲートオン電圧とゲートオフ電圧をセットする。撮影モードが選択されたとき、制御部500は、撮影モードに応じて予め決められているゲートオン電圧とゲートオフ電圧をセットする。また、他のインストラクションは、2種のゲートオン電圧のいずれかを操作者が任意に選択するために入力される。2種のゲートオン電圧の一方が選択されたとき、制御部500は、その一方のゲートオン電圧をセットする。2種のゲートオン電圧の他方が選択されたとき、制御部500は、その他方のゲートオン電圧をセットする。さらに他のインストラクションは、2種のゲートオフ電圧のいずれかを操作者が任意に選択するために入力される。2種のゲートオフ電圧の一方が選択されたとき、制御部500は、その一方のゲートオフ電圧をセットする。2種のゲートオフ電圧の他方が選択されたとき、制御部500は、その他方のゲートオフ電圧をセットする。なお、制御部500は、モード選択よりも、ゲートオン/オフ電圧の個別選択を優先して、ゲートオン/オフ電圧をセットする。
【0027】
複数の信号線105には複数の積分器110がそれぞれ接続される。各積分器110は、増幅器111及び帰還容量112とともに、帰還容量112のリセットスイッチ113(典型的にはTFT)とから構成される。リセットスイッチ113のリセット動作は、タイミングコントローラ126から出力されるリセット制御信号により制御される。積分器110それぞれの出力には、CDS(Correlated Double Sampling)手法のために、2系統のサンプルホールド回路(SH)121,122が接続される。サンプルホールド回路121,122はそれぞれ、スイッチ(典型的にはTFT)と、容量と、電圧変換器とからなり、そのスイッチがオン状態にある期間の電圧をサンプリングし、ホールドする。サンプルホールド回路121,122のスイッチのオン/オフは、タイミングコントローラ126から出力されるサンプリング制御信号により制御される。例えば、CDS手法のもとで、積分器110の出力が、積分器110のリセット後からTFT103のゲートオンまでの期間中に1回目のサンプリングがサンプルホールド回路121で行われ、TFT103のゲートオフから積分器110のリセットまでの期間中に2回目のサンプリングがサンプルホールド回路122で行われる。1回目と2回目のホールド電圧が差動増幅器123で差分され、その差分電圧がマルチプレクサ124を経由してA/Dコンンバータ125でディジタル信号に変換され、外部のディジタルデータ収集部300で収集される。ディジタルデータ収集部300は、収集したディジタルデータに基づいて画像データを発生する。この画像データに基づいて表示部400は画像を表示する。
【0028】
図3には、ゲート走査駆動部106内のある1本のゲート線104に対応する構成を示している。チャネルタイプの異なるTFT140,141が直列に接続され、その一方の端子がVON(H)に、他方の端子がVON(L)に付勢されている。TFT140,141のゲートは共通接続され、ゲート電圧制御部127からのゲートオン電圧選択制御信号により択一的にオン状態になる。同様に、ゲートオフ電圧側では、チャネルタイプの異なるTFT142,143が直列に接続され、その一方の端子がVOFF(H)に、他方の端子がVOFF(L)に付勢されている。TFT142,143のゲートは共通接続され、ゲート電圧制御部127からのゲートオフ電圧選択制御信号により択一的にオン状態になる。ゲートオン/オフ電圧の切り替えるために、チャネルタイプの異なるTFT144,145が直列に接続され、その一方の端子がゲートオン電圧側のTFT140,141の中点に接続され、他方の端子がゲートオフ電圧側のTFT142,143の中点に接続される。TFT144,145のゲートは共通接続され、タイミングコントローラ126からのタイミング制御信号により択一的にオン状態になる。
【0029】
次に本実施形態の動作について説明する。
図4に、TFT103の一般的な動作特性を示す。VONはゲートオン電圧、VOFFはゲートオフ電圧を示し、またVPIXは画素電極101の電位を示している。実際のゲートの動きとしては、ゲート電位VG>画素電極電位VPIXのとき、ゲートがオンの状態になり、逆にゲート電位VG<画素電極電位VPIXのとき、ゲートがオフの状態になる。ここで、図5のようなTFTの保護機構を備えたX線検出器の場合は、ゲートオフ電圧VOFFによって、画素電極101に蓄積できる電荷量が決定されるため、TFT103の破壊を招くことのない、かつ検出器のダイナミックレンジが十分とれるようなゲートオフVOFFが選択される。なお、装置のダイナミックレンジは、装置性能が保たれる入力範囲として定義され、それは検出器としてのトータルなダイナミックレンジに依存する。検出器としてのトータルなダイナミックレンジは、増幅器111,123のダイナミックレンジと画素容量のダイナミックレンジとADコンバータ125のダイナミックレンジとにより総合的に決まる。
【0030】
簡単に図5の保護機構を説明すると、信号電荷として電子を採用する場合に、画素電極101に信号電荷が蓄積されると、それと共に画素電極の電位VPIXは低下し、TFT103のゲート・ソース間電圧Vgsは徐々に低下する。画素電極の電位VPIX <ゲート電極電位VG の状態になると、TFT103はゲートオン状態となるため、画素電極101に蓄積された電荷はTFT103を介して放出され(増幅器111はリセットの状態)、画素電極101の電位がTFT103の破壊につながる電位になることはない。TFT103のゲート・ソース間電圧Vgsを基準にゲートオンオフに所定の裕度を与えて、V´ON、V´OFFが固定的に設定される。このV´ON、V´OFFになるように、低線量(透視モード)と高線量(撮影モード)それぞれの条件に従って予め計算された画素電極の電位VPIX に従って、実際にゲートに印加されるゲートオン電圧VON(H)、VON(L)、ゲートオフ電圧VOFF(H)、VOFF(L)がそれぞれ設計される。
【0031】
読出し動作は、簡単に説明すると、共通電極131と画素電極101の間にバイアス電圧が印加された状態で、X線−電荷変換層130にX線が入射すると、入射したX線によって電荷が生成される。生成された電荷は、高圧によって生じた電界によって画素電極101に集められて、各画素に設けられた画素容量102に電荷が蓄積される。一方、各画素はi行j列のマトリックス状に配置されており、ゲート走査駆動部106は、ある一定の読み出しタイミングに応じて、順次ゲート線104にTFT103のゲートオン電圧を印加していく。ゲートオン電圧が印加されたゲート線104に接続したTFT103は一斉にゲートオン状態となり、画素容量102に蓄積された電荷は、それぞれの信号線105を通して帰還容量112に流れ込む。帰還容量112には、前行の読み出しによって帰還容量112に蓄積された電荷をリセットするためのスイッチ113が併設されており、例えばi行目が読み出される直前は、リセットスイッチ113がオン状態となって、i−1行目の読み出しによって蓄積された電荷を消去するようになっている。なお、この操作はi−1行目の読み出しが終了した後で、全画素のTFT103がオフ状態にあるときに行われる。リセットスイッチ113がオフとなって、i行目のゲート線104にゲートオン電圧が印加されると、i行目の画素容量102に蓄積された電荷は、一斉に帰還容量112に流れ込むことになるが、この部分は積分器110になっているため、増幅器111の出力電圧Vampは、図6に示すように、流れ込んだ電荷、もしくは電流の積分値を示すこととなる。実際、このVampは、たとえ増幅器111に入力される電荷がない場合でも完全に0になることはなく、ある有限値をもつことが知られている。これを増幅器111のオフセットというが、この増幅器111のオフセット成分を除去し、従来技術にて説明したCDS方式によって寄生容量からの電荷注入をキャンセルするために、読み出し直前と読み出し終了直後の2度、Vampをサンプリングし、その差分値をもって増幅器111の出力電圧とするということがなされる。こうして得られた増幅器111の出力信号はA/Dコンバータ125を経て、デジタルゲイン倍されて、画素値となり、画像を形成することとなる。
【0032】
図6に、CDSオペレーションのもとで、1本のゲート線読み出し時の積分器110の出力電圧(Vamp)の時間変化を示す。ゲートオン前にリセットスイッチ113がオンされ、帰還容量112に残留する1つ前のゲート線読み出し時の電荷がリセットされる(t1)。その後、一方のサンプルホールド回路121で1回目のサンプリングが行われる(t2)。このときの電圧を「V1」とする。次に現在のゲート線104にゲートオン電圧(VON)が印加されると(t3)、ゲートオフ電圧VOFFからの電圧変化により、当初、TFT103の上記寄生容量からの電荷注入によって積分器110の出力電圧Vampが急激に上昇し、それより若干の遅れ時間を経て、TFT103のゲートがオン状態に移行するため、画素容量102に蓄積された信号電荷が徐々に読み出され、それに伴って積分器110の出力電圧Vampも上昇する。十分、信号電荷が読み出された後、ゲート線電圧がゲートオフ電圧VOFFに切り替えられると(t4)、その電圧変化により、上記寄生容量から放出された電荷は、寄生容量に吸い込まれるため、Vampは寄生容量の電荷分だけ降下する。t4から所定時間後の時間t5に、他方のサンプルホールド回路122で2回目のサンプリングが行われる。このときの電圧を「V2」とする。1回目と2回目のサンプリング電圧V1,V2が差動増幅器123で差分される。それによって、信号電荷のみを反映した電圧成分がマルチプレクサ124に出力される。2回目のサンプリング後の時間t6にリセットされる。
【0033】
操作卓600を介して透視モード又は撮影モードが選択され、またX線曝射に関わる管電圧及び管電流等の撮影条件が操作者から入力されると、X線発生部200には撮影条件とともに撮影/透視モード信号が送られる。制御部500は、撮影/透視モードに応じたA/D変換のランプカーブや帰還容量112の設定がなされるが、それと同時にゲート電圧制御部127にも、モード及び撮影条件に応じたゲート印加電圧(ゲートオン電圧、ゲートオフ電圧)の選択信号が供給される。このゲート印加電圧の制御信号に従って、TFT140,141が選択的にオンする。それによりゲートオン電圧が、VON(H)、又はVON(L)に設定される。動揺に、TFT142,143が選択的にオンする。それによりゲートオフ電圧が、VOFF(H)、又はVOFF(L)に設定される。
【0034】
なお、ここでは、操作卓600から操作者により設定された撮影/透視モード(高線量モード/低線量モード)の選択及び撮影条件に従って制御部500によりゲートオン電圧がVON(H)、又はVON(L)に設定され、ゲートオフ電圧がVOFF(H)、又はVOFF(L)に設定されるようにしたが、操作者が、ゲートオン電圧をVON(H)とVON(L)のいずれを選択するか、ゲートオフ電圧をVOFF(H)とVOFF(L)のいずれを選択するか、直接的に選択するようにしてもよい。
【0035】
ここで、高フレームレートでの透視モードが選択されたときには、CDSオペレーションを実施してもなお、信号電荷に対して寄生電荷が多いため、寄生容量からの電荷注入分が増幅器111のダイナミックレンジを食いつぶし、画像化できるX線信号分の電荷を減少させてしまうことが想定される。従って、これを防ぐために、制御部500の制御のもとで、ゲート電圧制御部127では、比較的低いゲートオン電圧VON(L)が設定され、且つ比較的高いゲートオフ電圧VOFF(H)が設定される。つまり、ゲートオンとオフとの間の電圧の振幅がもっとも低い組み合わせが選択される。
【0036】
図7(a)に示すように、ゲート電極に印加するオン/オフ電圧の振幅を減少させると、ゲートオン電圧VON(L)からゲートオフ電圧VOFF(H)に変化するとき(ONからOFFになるとき)、画素容量CpixとTFT103のOFF抵抗Roffとの積(Cpix×Roff)で時定数が決まるので、ゲートオン電圧VON(H)とゲートオン電圧VON(L)では、2回目のサンプルホールドt5のときの電位は、ゲートオン電圧VON(L)の方が低くなっている。この2回目のサンプルホールドt5のときの電位こそがOFFになりきっていないことによる余計なオフセットである。この電位が低いほど良い。比較的低いゲートオン電圧VON(L)は、比較的高いゲートオン電圧VON(H)よりも、信号電荷の読み残しが増え、残像を増加させる傾向をもつが、通常、透視モードでは、時間的にランダムな背景ノイズを低下させるために、リカーシブルフィルタが施されているため、多少残像が増加しても、画質に与える影響は少ない。また、比較的高いゲートオフ電圧VOFF(H)を設定することは、保護機構を備えたX線検出器では、検出器のダイナミックレンジを損なうことにつながるが、低線量となる透視モードでは線量自体が小さいため、保護機構が働くような大きな電荷は蓄積されない。
【0037】
一方、比較的高線量の撮影モードが設定された場合は、図7(b)に示すように、残像を小さくし、装置のダイナミックレンジを最大限に取れるように、制御部500により、比較的高いゲートオン電圧VON(H)が選択され、且つ比較的低いゲートオフ電圧VOFF(L)が選択される。高線量モードでは、帰還容量112として大きな容量が選択されるため、CDSでキャンセルできなかった寄生容量からの電荷注入量が、増幅器111を飽和させてしまうことはない。
【0038】
以上のように、ゲート電圧制御部にて透視モード及び高線量撮影モードに適したゲートオン電圧とゲートオフ電圧の組み合わせを選択できることによって、透視モード、撮影モード共にダイナミックレンジの広い、また残像の少ない良好な画像が得られるX線診断装置を提供することができる。
【0039】
実際、透視/撮影モードの選択に応じて自動的にゲートオン/オフ電圧の好適な組み合わせが上述のように設定されるが、ゲートオン電圧の高低、ゲートオフ電圧の高低それぞれについて、次のように、メリット/デメリットがあり、メリット/デメリットを考慮して操作者が比較的高いゲートオン電圧VON(H)と、比較的低いゲートオン電圧VON(L)を人為的に選択し、同様に比較的高いゲートオフ電圧VOFF(H)と、比較的低いゲートオフ電圧VOFF(L)を選択するようにしてもよい。
【0040】
比較的高いゲートオン電圧VON(H)は、残像が少ないというメリットを有している一方で、TFT103の寿命を短縮し、またゲートオン/オフ電圧の振幅を拡大して寄生電荷の影響を増大させて増幅器111のダイナミックレンジを実効的に狭くするというデメリットを有している。
【0041】
逆に、比較的低いゲートオン電圧VON(L)は、TFT103の寿命を延長し、またゲートオン/オフ電圧の振幅を縮小して寄生電荷の影響を減少させて増幅器111のダイナミックレンジを実効的に広くするというメリットを有している一方で、残像が多くなるというデメリットを有している。
【0042】
また、比較的高いゲートオフ電圧VOFF(H)は、ゲートオン/オフ電圧の振幅を縮小して寄生電荷の影響を減少させて増幅器111のダイナミックレンジを実効的に広くするというメリットを有している一方で、ダイナミックレンジを狭くし、またTFT103のリーク電流を増加させるというデメリットを有している。
【0043】
逆に、比較的低いゲートオフ電圧VOFF(L)は、装置ダイナミックレンジを実効的に広くするというメリットを有している一方で、ゲートオン/オフ電圧の振幅を拡大して寄生電荷の影響を増大させて増幅器111のダイナミックレンジを実効的に狭くするというデメリットを有している。
【0044】
このようなメリット/デメリットを理解した上で、ゲートオン電圧とゲートオフ電圧をそれぞれ高低いずれか、さらに数値として任意設定するようにしてもよい。
【0045】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、数種類のゲート電圧を選択可能とすることで、これに伴う装置特性を任意に変更可能とし、ダイナミックレンジが広い有用なX線検出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるX線診断装置の主要部の構成図。
【図2】図1の画素電極の補足図。
【図3】図1のゲート走査駆動部の構成例を示す図。
【図4】図1のTFTの動作特性図。
【図5】図1のTFTの保護機能の説明図。
【図6】図1の積分器出力の時間変化と信号読出しのタイミングチャートを示す図。
【図7】図1のゲート電圧制御部の制御によるゲートオン/オフ電圧の4種の組み合わせを示す図。
【図8】従来のX線検出器の構成図。
【図9】従来の積分器出力の時間変化と信号読出しのタイミングチャートを示す図。
【図10】従来において、ゲート電圧の鈍りを示す図。
【符号の説明】
100…X線検出器、
101…画素電極、
102…画素容量、
103…スイッチ素子(TFT)、
104…ゲート線、
105…信号線、
106…ゲート走査駆動部、
110…積分器、
111…増幅器、
112…帰還容量、
113…リセットスイッチ、
121…サンプルホールド回路(SH)、
122…サンプルホールド回路(SH)、
123…差動増幅器、
124…マルチプレクサ、
125…A/Dコンンバータ、
126…タイミングコントローラ、
127…ゲート電圧制御部、
128…ゲート電圧源、
130…X線−電荷変換層、
131…共通電極、
200…X線発生部、
300…ディジタルデータ収集部、
400…表示部、
500…制御部、
600…操作卓。
Claims (15)
- 入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、
前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、
前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、
前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、
前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、
前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、
前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、
前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを具備することを特徴とするX線検出器。 - 入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、
前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、
前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、
前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、
前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、
前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、
前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、
前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを具備することを特徴とするX線検出器。 - 入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、
前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、
前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、
前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、
前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、
前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、
前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを具備し、
前記ゲート電圧の振幅を変更可能としたことを特徴とするX線検出器。 - X線を発生するX線発生部と、
被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、
前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
透視/撮影モードの選択に従って前記複数種のゲートオン電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備することを特徴とするX線診断装置。 - X線を発生するX線発生部と、
被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、
前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
透視/撮影モードの選択に従って前記複数種のゲートオフ電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備することを特徴とするX線診断装置。 - X線を発生するX線発生部と、
被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを有するX線検出器と、
前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
透視/撮影モードの選択に従って前記ゲート電圧の振幅を変更するための制御信号を発生する制御部とを具備することを特徴とするX線診断装置。 - X線を発生するX線発生部と、
被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオン電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオン電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線検出器と、
前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
操作者からのインストラクションを入力する操作部と、
前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記複数種のゲートオン電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備することを特徴とするX線診断装置。 - X線を発生するX線発生部と、
被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するための複数種のゲートオフ電圧を発生するゲート電圧源と、前記複数種のゲートオフ電圧を選択的に前記ゲート線に印加するゲート走査駆動部とを有するX線発生部と、
前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
操作者からのインストラクションを入力する操作部と、
前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記複数種のゲートオフ電圧の選択に関する選択制御信号を発生する制御部とを具備することを特徴とするX線診断装置。 - X線を発生するX線発生部と、
被検体を透過したX線を検出するために、入射X線の強度に応じて電荷を発生する複数の電荷発生素子と、前記複数の電荷発生素子にそれぞれ接続された複数の電荷蓄積容量と、前記複数の電荷蓄積容量にそれぞれ接続された複数のスイッチ素子と、前記複数の電荷蓄積容量に前記複数のスイッチ素子を介して接続された複数の信号線と、前記複数の信号線にそれぞれ接続された増幅器と、前記複数のスイッチ素子のゲートに接続された複数のゲート線と、前記スイッチ素子のゲートに印加するためのゲート電圧を発生するゲート電圧源とを有するX線検出器と、
前記X線検出器の出力に基づいて画像データを発生する画像データ発生部と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示部と、
操作者からのインストラクションを入力する操作部と、
前記操作部を介して入力された操作者からのインストラクションに従って前記ゲート電圧の振幅に関する制御信号を発生する制御部とを具備することを特徴とするX線診断装置。 - 前記撮影モードが選択されたとき、前記制御部は、比較的高いゲートオン電圧の選択制御信号を発生することを特徴とする請求項4記載のX線診断装置。
- 前記透視モードが選択されたとき、前記制御部は、比較的低いゲートオン電圧の選択制御信号を発生することを特徴とする請求項4記載のX線診断装置。
- 前記撮影モードが選択されたとき、前記制御部は、比較的低いゲートオフ電圧の選択制御信号を発生することを特徴とする請求項5記載のX線診断装置。
- 前記透視モードが選択されたとき、前記制御部は、比較的高いゲートオフ電圧の選択制御信号を発生することを特徴とする請求項5記載のX線診断装置。
- 前記撮影モードが選択されたとき、前記制御部は、比較的高い振幅に対応する制御信号を発生することを特徴とする請求項6記載のX線診断装置。
- 前記透視モードが選択されたとき、前記制御部は、比較的低い振幅に対応する制御信号を発生することを特徴とする請求項6記載のX線診断装置。
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